JP2004134256A - 平面型燃料電池及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】厚みが小さい平面型燃料電池を提供すること。
【解決手段】それぞれの一端面が対向するように配設され、略同一平面に形成されたカソード21及びアノード22と、カソード21及びアノード22の一端面に接合された固体電解質部材311と、カソード21の厚み方向の同一面側にそれぞれ設けられた酸化剤流路11及び燃料流路12をもつ基部10と、をもつ単位セルを有することを特徴とする。カソード21及びアノード22を略同一平面上に配設し、その間に固体電解質部材311を設けることで、酸化剤等を電極膜21、22に供給する酸化剤流路11及び燃料流路12をそれぞれの電極膜21、22に対して同一面側に設けることが可能となった。つまり、平面型燃料電池を構成する単位セルは酸化剤流路11及びカソード21を積層した厚みにまで小さくできる。
【選択図】 図1
【解決手段】それぞれの一端面が対向するように配設され、略同一平面に形成されたカソード21及びアノード22と、カソード21及びアノード22の一端面に接合された固体電解質部材311と、カソード21の厚み方向の同一面側にそれぞれ設けられた酸化剤流路11及び燃料流路12をもつ基部10と、をもつ単位セルを有することを特徴とする。カソード21及びアノード22を略同一平面上に配設し、その間に固体電解質部材311を設けることで、酸化剤等を電極膜21、22に供給する酸化剤流路11及び燃料流路12をそれぞれの電極膜21、22に対して同一面側に設けることが可能となった。つまり、平面型燃料電池を構成する単位セルは酸化剤流路11及びカソード21を積層した厚みにまで小さくできる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、厚みを小さくでき且つ構造が単純な平面型燃料電池及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の小型化に伴い、情報関連機器、通信機器等の携帯機器分野では、これらの機器に用いる電源としてエネルギー密度の高い燃料電池が注目されており、実用化研究が盛んである。
【0003】
携帯機器分野に燃料電池を用いるためには、燃料電池の小型化の要求と共に、機器内への搭載の自由度を向上するために厚みの小さい平面型燃料電池を実現することが要求される。
【0004】
従来の平面型燃料電池は、図9に示すように、カソード93とアノード94とを電解質膜95を挟んで重ねるように対向配置した単位セルを同じ電極膜が同じ面に並ぶように複数配列し、互いに隣接する電極91、92の背面側をZ字状接続板97で電気的に接続した構造をもつ(特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−56855号公報 (第1頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の平面型燃料電池では隣接する単位セルの電極間を電気的に接続することが困難であった。従来技術の平面型燃料電池における単位セルの電極は両面に存在するために、その間を接続する為には単位セルの存在する面を貫通して、両面を接続するZ字状接続板97のような複雑な部材を用いることが必要である。Z字状接続板97のような複雑な部材の作製はコスト面で不利である。また、これ以上、平面型燃料電池全体の厚みを小さくすることが困難であった。
【0007】
そこで本発明では、従来技術の平面型燃料電池よりも厚みを小さくすることができる平面型燃料電池を提供することを解決すべき課題とする。また、本発明では、従来技術の平面型燃料電池よりも容易に製造できる平面型燃料電池の製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び効果】
上記課題を解決する目的で鋭意研究を行った結果、本発明者は、それぞれの一端面が対向するように配設され、略同一平面に形成された略平面状のカソード及びアノードと、該カソードの該一端面及び/又は一端部と、該アノードの該一端面及び/又は一端部とに接合された固体電解質部材と、該カソード及び該アノードの厚み方向の同一面側にそれぞれ設けられた酸化剤流路及び燃料流路をもつ基部と、をもつ単位セルを有することを特徴とする平面型燃料電池を発明した(請求項1)。
【0009】
カソード及びアノードを略同一平面上に配設し、その間に固体電解質部材を設けることで、酸化剤及び燃料を電極膜に供給する酸化剤流路及び燃料流路をそれぞれの電極膜に対して同一面側に設けることが可能となった。つまり、平面型燃料電池を構成する単位セルは酸化剤(燃料)流路及び酸化剤(燃料)電極膜を積層した厚み(場合によっては更に固体電解質部材を積層した厚み)にまで小さくできる。それぞれの要素の厚みは従来の平面型燃料電池における要素と同様であると考えられるので、全体としては平面型燃料電池の厚みを従来よりも大幅に小さくできる。
【0010】
つまり、従来技術の平面型燃料電池のように、酸化剤流路、カソード、固体電解質部材、アノード及び燃料流路をこの順に積層した構造をもつ単位セルよりも、本発明の平面型燃料電池の単位セルはその厚みを小さくできる。
【0011】
更に固体電解質部材、カソード及びアノードをセパレータ等で挟む構造ではないので、これらの要素に加わる応力が低減され必要強度の条件が低くなる。従って、これらの要素を構成する材料選択の幅が広がる利点がある。
【0012】
そして、本発明の平面型燃料電池は、電気的に直列に接合され、且つ厚み方向の両面が略面一に繰り返し配設された複数個の前記単位セルを有することが好ましい(請求項2)。複数の単位セルを接続することで、平面型燃料電池の出力電圧を向上できる。複数の単位セルを接続する場合でも、複数の単位セルを同一平面上で直列につなぐことで、平面型燃料電池の厚みを小さくできる。本発明の平面型燃料電池の単位セルは、カソードとアノードとが両端部に位置するので、直列接続時に電極膜間の接合が容易である。
【0013】
また、複数の単位セルを直列に接続する場合には、低導イオン性で且つ導電性である材料から構成され、互いに隣接する前記単位セルの一方の前記アノードと他方の前記カソードとを電気的に接続する接続部材を有することが好ましい(請求項3)。隣接する単位セル間の接続は、隣接する単位セルの一方のカソードと他方のアノードとを直接接合することで達成できるが、その間に接続部材を介することで、単位セル間のプロトン伝導が抑制できる。単位セル間でのプロトン伝導を抑制すると発電効率を向上できる。
【0014】
そして、前記固体電解質部材は前記カソード及び前記アノードの前記酸化剤流路及び前記燃料流路に対して反対側の面を被覆することが、生成するプロトンの電極膜中における伝導抵抗を低減するので好ましい(請求項4)。
【0015】
また、プロトン伝導に伴う内部抵抗を減少して出力を向上するために、前記単位セル内における前記酸化剤流路と前記燃料流路との隔壁は、前記酸化剤流路側に屈曲した前記カソードの端部、前記固体電解質部材、及び前記燃料流路側に屈曲した前記アノードの端部の順に接合される接合体と、該接合体を狭持する一組の櫛歯形状の支持体とからなることが好ましい(請求項5)。更には、前記単位セル内の前記カソード及び前記アノードの接合面は波形であることが好ましい(請求項6)。
【0016】
更に、上記課題を解決する本発明の平面型燃料電池の製造方法は、略同一平面上に配設される一組の燃料流路及び酸化剤流路をもつ複数組の単位セル流路を略同一平面上に配設されるように平面状の基部上に形成する工程と、該基部上であって、該燃料流路及び該酸化剤流路の内部に犠牲材を充填する工程と、該基部上であって、該酸化剤流路及び該燃料流路内の該犠牲材上にそれぞれカソード及びアノードを形成する工程と、カソード及びアノードの間であって該基部上に固体電解質部材を形成する工程と、該犠牲材を除去する工程と、を有することを特徴とする(請求項7)。本発明の製造方法によると、前述した本発明の平面型燃料電池を簡単に製造できる。
【0017】
そして、前記カソード及び前記アノードを形成する工程は、前記基部上に電極膜を形成する工程と、前記酸化剤流路及び前記燃料流路の間の該電極膜の一部を除去し、該電極膜を該カソード及び該アノードに分割する工程と、をもつことが好ましい(請求項8)。
【0018】
また、低導イオン性で且つ導電性である材料から構成され、互いに隣接する前記単位セル流路の一方に接する前記アノードと他方に接する前記カソードとを電気的に接続する接続部材を形成する工程を有することが好ましい(請求項9)。
【0019】
【発明の実施の形態】
〔平面型燃料電池〕
本実施形態の平面型燃料電池は、カソードとアノードと固体電解質部材と基部とをもつ単位セルを有する。カソードとアノードとは略平面状であって、それぞれの一端部が対向するように配設され、略同一平面上に形成される。基部には酸化剤流路及び燃料流路が形成され、酸化剤流路及び燃料流路は略同一平面上に形成されるカソード及びアノードの同一面側に形成される。また、一つの単位セルでは出力の大きさが限られるので、本実施形態の平面型燃料電池は、必要に応じて複数個の単位セルを直列乃至は並列に接続できる。
【0020】
一つの単位セルの大きさは特に限定しない。厚みについては、原理的にカソード等及び酸化剤流路等の厚みを加えた厚さにまで小さくすることができる。本平面型燃料電池は、従来の燃料電池のように固体電解質部材等をセパレータで狭持する構造ではなく、複数の単位セルを接続しても従来の燃料電池におけるスタックのような応力が個々の単位セル内部の固体電解質部材等に加わることがないので、固体電解質部材、カソード及びアノードを構成する材料を選択する幅が広がる利点がある。また、固体電解質部材等の個々の構成要素に強度がそれほど必要でないので、それぞれの構成要素を更に薄くすることが可能となり、更なる厚みの低減ができる。
【0021】
(カソード及びアノード)
本平面型燃料電池に適用できる酸化剤及び燃料の種類は特に限定されない。例えば後述する固体電解質部材を高分子固体電解質から形成する場合には燃料として水素ガス、メタノール等が採用でき、酸化剤として酸素ガス、空気等が採用できる。
【0022】
カソード及びアノードは略平面状であって、それぞれの一端部が対向するように配設されており、略同一平面上に形成されている。「一端面」の意味については固体電解質部材の欄で説明する。従来の燃料電池ではカソード及びアノードはそれぞれの厚み方向に積層されていたが、本平面型燃料電池では略同一平面上に形成されることで平面型燃料電池に占める電極膜の厚みを小さくすることができる。なお、カソード及びアノードの形状はおよそ平面状であれば良く、例えばその一端部の屈曲、全体としてのの僅かな湾曲等の僅かな変形があっても良い。
【0023】
更に、カソード及びアノードを膜厚方向に積層した場合にはカソード及びアノードの面積・形状は同一にする必要があったが、カソード及びアノードの配置を略同一平面上に形成することで、カソード及びアノードの形状・面積の自由度が高くできる。例えば、電池反応における酸化剤と燃料との化学量論比から、アノードの面積をカソードの面積の2倍とすることで電池反応がより効率的に進行する。
【0024】
なお、本明細書における「カソード」、「アノード」とはそれぞれ酸素ガスや空気等の酸化剤に接する側の電極膜及び水素ガスやメタノール等の燃料が接する電極膜を意味する。それぞれの電極膜では燃料の酸化反応や、燃料の酸化反応により生成したプロトン等と酸化剤との反応を触媒している膜である。
【0025】
カソード及びアノードの具体的な構成は特に限定しない。例えば、一般的なカソード及びアノードの構成を採用できる。例えば炭素材料等からなる担体上に触媒金属としての白金等の貴金属を担持した触媒粉末を製膜したものが挙げられる。触媒粉末の製膜方法としては、プロトン伝導を確保するマトリックスとしての固体電解質中に触媒粉末を分散させて製膜する方法がある。固体電解質としては後述する固体電解質部材にて詳細に説明を行う。カソード及びアノードはその他にも白金等の触媒金属単独の粉末等でも形成することができる。
【0026】
(固体電解質部材)
固体電解質部材はカソード及びアノードの間を接合する。固体電解質部材は、カソード及びアノードの一端面及び/又は一端部に接合されている。固体電解質部材はカソード及びアノードの間のプロトン伝導を確保する部材である。両電極膜間のプロトン伝導抵抗を低減することができるので、固体電解質部材は少なくとも両電極の一端面に接合されることが好ましい。
【0027】
ここで、カソード及びアノードの「一端面」とは、成形された電極膜の厚み方向に対して、垂直方向の端面を意味し、「一端部」とはカソード及びアノードの厚み方向の両面又は一面のうち、前述の一端面に接する一部を意味する。
【0028】
従来の平面型燃料電池では固体電解質部材はカソード及びアノードの膜厚方向の間に狭持されていたが、本平面型燃料電池では略同一平面上に形成されたカソード及びアノードの間に狭持されている。つまり、固体電解質部材は、カソード及びアノードが膜厚方向に対して垂直方向に並べられた間に配設されている。
【0029】
また、固体電解質部材とカソード及びアノードの間は分子レベルで密着することが、プロトン伝導性向上の観点から好ましい。固体電解質部材は燃料電池反応を担うイオン(例えばプロトン)伝導性をもち、電子伝導性をもたない固体電解質から構成される。固体電解質は高分子固体電解質や、無機系固体電解質(水和酸化タングステン等)或いは有機−無機複合電解質(シリカ系材料+スルホン化高分子等)が採用できる。高分子固体電解質としてはナフィオン(製品名)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子材料がよく知られている。
【0030】
更に、固体電解質部材はカソード及びアノードの酸化剤流路及び燃料流路に対して反対側の面を被覆することができる。カソード及びアノードには電池反応により生成したプロトンが伝導する。プロトンの伝導は、カソード及びアノードの厚み方向に対して垂直方向である。従って、プロトンの伝導抵抗を小さくするにはカソード及びアノードの厚みを大きくして、プロトンが伝導可能な断面積を大きくすることが望ましい。プロトン伝導度を向上するためには単純にカソード及びアノードの厚みを大きくしても良いが、カソード及びアノードに含まれる触媒粉末に担持された触媒金属は高価であること、触媒粉末の量はある程度以上存在すればその効果は飽和すること等の理由から、触媒粉末を含まずにプロトン伝導性を確保できる材料である固体電解質部材からなる膜をカソード及びアノードの膜厚方向に接合することで、電極膜の膜厚方向に対して垂直方向のプロトン伝導性を向上できる。
【0031】
固体電解質部材を介して接合されるカソード及びアノードの接合面は直線とすることもできるし、曲線とすることもできる。接合面をそれぞれ曲線とすることにより、その間に狭持される固体電解質部材のプロトンが伝導できる部分の面積を広がる。好ましい曲線として波形が例示できる。
【0032】
(基部)
カソード、アノード及び固体電解質部材が以上の位置関係で配設されているので、基部に形成された酸化剤流路及び燃料流路をカソード及びアノードの同一面側に形成・配設することができる。従って、本平面型燃料電池は全体として厚みを小さくできる。
【0033】
酸化剤流路及び燃料流路をもつ基部は物理的・化学的に安定性の高い材料から構成されることが好ましい。例えば、Si、SiO2、PEEK、PES、PTFE等の耐薬品性樹脂を用いることが好ましい。
【0034】
単位セル内においてプロトン伝導面積を広くする目的で、基部における単位セル内での酸化剤流路及び燃料流路の間の隔壁は、カソード、固体電解質部材及びアノードの順で接合された接合体から構成することが好ましい。接合体におけるカソード及びアノードは前述したカソード及びアノードの端部を酸化剤流路及び燃料流路側に屈曲した部分とすることができる。接合体における固体電解質部材は前述した固体電解質部材にT字状に接合して形成できる。更に、接合体を支持・補強する部材としての支持体により接合部を狭持することができる。支持体は櫛歯形状であり、接合体を両側から狭持する部材である。櫛歯形状とすることで、支持体は接合体における酸化剤及び燃料の透過を阻害しない。支持体は酸化剤流路及び燃料流路の壁面として基部と一体的に形成できる。
【0035】
(複数の単位セルの接続した平面型燃料電池)
複数の単位セルを接続する場合には、平面型燃料電池の厚みを小さくするために、隣接する単位セルの厚み方向の両面を略面一に繰り返し配設することが好ましい。隣接する単位セルの厚み方向の両面を略面一に繰り返し配設するためには、隣接する単位セル間において、カソード及びアノードと、酸化剤流路及び燃料流路との位置関係を揃えることで容易に実現できる。
【0036】
また、複数の単位セルを接続する方法としては、隣接する一方の単位セルのカソードと他方の単位セルのアノードとを直接接合することで簡便に単位セル間を電気的に接続できる。カソードとアノードとの接合は別個に形成した後に接合する方法のほか、それぞれの電極膜を最初から一体として形成しても良い。
【0037】
なお、カソード及びアノードはプロトン伝導性を有するので、電極膜を直接接合する場合にはカソード及びアノードの接合部分の断面積が他の部分より小さくする等の方法でプロトンが隣接する単位セル間で伝導しないようにすることが好ましい。
【0038】
更に単位セル間でのプロトンの伝導を抑制するために、低導イオン性で且つ導電性である材料から構成される接続部材を用いて、隣接する単位セル間を接続することが好ましい。接続部材に適用できる好ましい材料としては金、銀、白金、炭素材料等の耐食性に優れた材料が好ましい。特に加工性の観点からは銀、金、白金等の金属が例示できる。
【0039】
(その他)
本平面型燃料電池はその他にも種々の構成要素をもつことができる。例えばカソード、アノード及び固体電解質部材を保護する保護膜や、平面型燃料電池の外部に電力を取り出す外部電極等である。保護膜は例えばSiO2により形成することができる。外部電極は銀、金、白金や炭素材料から構成できる。
【0040】
更に、酸化剤流路及び燃料流路にそれぞれ酸化剤及び燃料を供給する酸化剤供給装置及び燃料供給装置をもつことができる。また、カソード及びアノード上には必要に応じて拡散層を設けることもできる。
【0041】
〔平面型燃料電池の製造方法〕
本実施形態における平面型燃料電池の製造方法は、燃料流路及び酸化剤流路からなる単位セル流路を形成する工程と、犠牲材を充填する工程と、カソード及びアノードを形成する工程と、固体電解質部材を形成する工程と、犠牲材を除去する工程とを有する。本実施形態の平面型燃料電池の製造方法により製造される平面型燃料電池は前述した本実施形態の平面型燃料電池である。
【0042】
(燃料流路及び酸化剤流路を形成する工程)
本工程は、酸化剤流路及び燃料流路を基部に形成する工程である。酸化剤流路及び燃料流路は、基部上で略同一平面上に配設される。製造する平面型燃料電池が複数の単位セルをもつ場合には、酸化剤流路及び燃料流路からなる単位セル流路を必要なだけ複数組、略同一平面上に配設されるように平面状の基部上に形成する。
【0043】
本工程は、基部に対してリソグラフィー・機械的加工等により酸化剤流路及び燃料流路を形成する。リソグラフィーを採用すると、生産性良く酸化剤流路及び燃料流路を形成することができる。リソグラフィーを採用する場合には、シリコン材料等からなる基部を用いることが好ましい。基部上に、フォトレジスト等の感光性マスク材料を用いて、基部上に形成する酸化剤流路及び燃料流路の形状をマスク層として転写・形成する。形成したマスク層に対して、ドライエッチングにより酸化剤流路及び燃料流路を形成する。ドライエッチングは特に異方性エッチングを適用することが好ましい。マスク層は適宜除去する。
【0044】
(犠牲材を充填する工程)
本工程は、前行程で形成した酸化剤流路及び燃料流路の内部に犠牲材を充填する工程である。犠牲材は最終的には取り除かれる部材である。犠牲層を設けることで酸化剤流路及び燃料流路の空間となる部分を保ったまま、加工を続行できる。犠牲材としては本実施形態の製造方法により製造される平面型燃料電池の要素を浸食等の悪影響を与えず、簡単に取り除くことができる材料が選択される。また、以後の工程で変質等して取り除くことができなくなる、平面型燃料電池の構成要素に悪影響を与える等の不都合が生じない材料であることも必要である。
【0045】
例えば、犠牲材としてはSiO2−P2O5が採用できる。SiO2−P2O5は以後の工程における安定性に優れると共に、水等の他の構成要素に対しては無害な物質により容易に除去できる材料である。
【0046】
犠牲材としてSiO2−P2O5を用いる場合に、酸化剤流路及び燃料流路の内部に犠牲材を充填する方法としては、ゾルゲル法により基材全面にP2O5−SiO2を塗布・乾燥させた後に基材が露出するまでエッチングを行うなどの方法がある。
【0047】
犠牲材としてはその他にエポキシ系レジストやポリジメチルシロキサン等が採用できる。
【0048】
(カソード及びアノードを形成する工程)
本工程は酸化剤流路及び燃料流路内に充填された犠牲材上にそれぞれカソード及びアノードを形成する工程である。本工程ではカソード及びアノードを構成する触媒粉末及び固体電解質からなるペーストをそれぞれの犠牲材上に塗布・乾燥することで形成できる。また、蒸着・スパッタリング等で犠牲材上に触媒金属を付着させることでも形成できる。
【0049】
単位セル内においてカソード及びアノードは空間的に分割される必要がある。カソード及びアノードを形成する当初から両者を分割しても良いし、連続した電極膜を形成した後にカソード及びアノードの境界上の電極膜の一部を除去することで、形成した電極膜をカソード及びアノードに分割することもできる。
【0050】
(固体電解質部材を形成する工程)
本工程は、カソード及びアノードの間に固体電解質部材を形成する工程である。固体電解質部材を形成する方法としては、例えば固体電解質を適正な溶媒(犠牲材に影響を与えない溶媒)で溶解したペーストを塗布・乾燥することで形成できる。
【0051】
(犠牲材を除去する工程)
本工程は、犠牲材を除去する工程である。犠牲材を選択的に除去できる方法であれば特に限定しない。前述したように、犠牲材のみを溶解する溶剤によって除去したり、犠牲材のみと反応して犠牲材を取り除くことができる試薬(例えば、酸等)を用いた反応性エッチングを採用することもできる。
【0052】
(その他の工程)
複数の単位セルを接続した平面型燃料電池を製造する場合には、低導イオン性で且つ導電性である材料から構成され、互いに隣接する単位セル流路の一方に接するアノードと他方に接するカソードとを電気的に接続する接続部材を形成する工程を有することが好ましい。
【0053】
【実施例】
以下に本発明の平面型燃料電池及びその製造方法について更に詳細に説明する。なお、以下に示す図は模式図でありその縮尺、細部の形状等は正確なものではない。そして、各図において、同様の構成要素には同じ符号を付して説明することもある。また、本実施例では単位セルが2つ直列に接続された平面型燃料電池を例に挙げて説明しているが、1つの単位セルからなる平面型燃料電池、3つ以上の単位セルを接続した平面型燃料電池、並びに単位セルを並列に接続した平面型燃料電池についても基本的に以下の説明と同様である。
【0054】
(実施例1)
(構成)
本実施例の平面型燃料電池は、図1に示すように、酸化剤流路11、13及び燃料流路12、14が形成された基部10と、カソード21、23及びアノード22、24と、固体電解質部材31、32と、保護膜50と、外部電極41、42とを有する。本平面型燃料電池は厚みが420μmである。
【0055】
本実施例の平面型燃料電池は2つの単位セルを直列に接続したものであって、それぞれの単位セルは、ほぼ同様の構成をもつ。従って、一方の単位セル(図面左方)についてと、異なる部分及び2つの単位セルの接続に関する部分のみを詳細に説明する。
【0056】
シリコンから形成された基部10に形成された酸化剤流路11及び燃料流路12は厚み30μmの隔壁101によって分離されている。酸化剤流路11及び燃料流路12の底面の基部10の厚みは150μmである。
【0057】
カソード21及びアノード22は同一平面上に形成されている。アノード22がカソード21よりも倍の面積をもつ。カソード21及びアノード22は担体としてのカーボンブラック上に白金を担持した触媒粉末を固体電解質としてのナフィオンに分散させた材料である。カソード21及びアノード22はそれぞれ厚みが10μmである。
【0058】
カソード21及びアノード22はそれぞれの一端面で固体電解質部材311を狭持している。固体電解質部材31は酸化剤流路11及び燃料流路12のプロトン伝導性を向上するために基部10の隔壁101内にまで侵入している。固体電解質部材31はナフィオン(商標)から構成される。カソード21及びアノード22を隔離する固体電解質部材311の厚みは20μmである。固体電解質部材31は、プロトン伝導性向上の目的で、カソード21及びアノード22の酸化剤流路11及び燃料流路12に対して反対側の面を被覆する。被覆した固体電解質部材31の厚みは150μmである。
【0059】
固体電解質部材31は保護膜50により保護されている。保護膜50は図面右方の単位セルの固体電解質部材32も保護している。保護膜によって、固体電解質部材31、32を物理的に保護するほか、固体電解質部材31、32から水分が蒸発することを防止する。保護膜50はSiO2により形成されている。
【0060】
カソード21には炭素材料から構成される外部電極41(カソード)が接続されている。図面右方の単位セルのアノード24には外部電極42(アノード)が接続されている。
【0061】
単位セル間の接続は図面左方の単位セルのアノード22と、図面右方の単位セルのカソード23とを一体的に形成することで導電性を確保している。アノード22とカソード23との間のプロトン伝導を防止するために、2つの単位セルを区画する隔壁の厚みを大きくすると共に、保護膜50と一体的に形成されている絶縁部材51により断面積を小さく制限している。
【0062】
(作用)
酸化剤流路11、13及び燃料流路12、14にそれぞれ酸化剤としての空気と燃料としての水素ガスとを供給する。空気は図面奥から手前側に、水素ガスは手前側から図面奥にそれぞれ流れている。
【0063】
供給された水素ガスはアノード22、24に拡散し、酸化されてプロトンを生成する。生成したプロトンは、各単位セル内にて図中の矢印の方向(左方)固体電解質部材311、321を伝導してそれぞれ対応する酸化剤電極21、23に到達する。アノード22、24では水素ガスの酸化により電子が生成する。生成した電子は、図中の矢印の方向(右方)に移動し、外部電極42から負荷(図略)を通過して外部電極41に到達する。
【0064】
酸化剤電極21、23に到達したプロトンは同じく到達した電子と共に、酸化剤電極21、23に拡散してきた空気中の酸素ガスと反応して水を生成する。電池反応により生成するプロトンは優先的に固体電解質部材311、321を伝導していき、単位セル間の接続部分には伝導しがたい。
【0065】
以上説明したように、本実施例の平面型燃料電池における厚み方向の構成要素(1つの単位セル内では、厚み方向に、流路を形成する基部、電極膜、固体電解質部材及び保護膜を順にもつ)が従来の平面型燃料電池及び燃料電池における厚み方向の構成要素(1つの単位セル内では、厚み方向に、セパレータ、拡散層、カソード、固体電解質膜、アノード、拡散層及びセパレータを順にもつ)と比較して少ないので小型化が可能である。また、複数の単位セルを接続するときに、隣接する単位セル間をそのまま接続することで、電気的な接続が達成できるので複雑な接続構造を採用する必要がない。これは接続する単位セルの個数には依存しない。
【0066】
(実施例2)
本実施例では実施例1で説明した平面型燃料電池とほぼ同じ平面型燃料電池について製造する方法を説明する。本実施例で製造する平面型燃料電池は実施例1の平面型燃料電池よりも単位セルの数が多いことが相違点である。
【0067】
(製造方法)
本実施例の平面型燃料電池を製造する方法は、図2に示すように、燃料流路及び酸化剤流路を形成する工程(図2(a))と、犠牲材を充填する工程(図2(b))と、カソード及びアノードを形成する工程(図2(c)、図3(a、b))と、固体電解質部材を形成する工程(図3(c))と、保護膜を形成する工程(図4(a、b))と、犠牲材を除去する工程(図4(c))とを有する。
【0068】
(燃料流路及び酸化剤流路を形成する工程)
図2(a)に示すように、シリコンからなる基部10に酸化剤流路11及び燃料流路12を形成する。基部10上にフォトレジストを用いて酸化剤流路11及び燃料流路12の形状をマスク層として転写した後に、ドライエッチング(異方性)を行うことで、酸化剤流路11及び燃料流路12を形成できる。その後、マスク層を除去する。
【0069】
(犠牲材を充填する工程)
図2(b)に示すように、犠牲材としてのSiO2−P2O5を酸化剤流路11及び燃料流路12内部に充填する。SiO2−P2O5の充填はゾルゲル法により行う。流路部分にのみ充填を行うことが適切であるが、流路のみに充填できない場合には以下の工程で流路にのみSiO2−P2O5を残留させる。▲1▼基材全面にSiO2−P2O5の水溶液を塗布し、乾燥させる。▲2▼基材が露出するまでエッチングを行うことで流路にのみSiO2−P2O5を残留させる。
【0070】
(カソード及びアノードを形成する工程)
図2(c)に示すように、形成した犠牲層71、72を含めた基部10上に電極膜20を形成する。電極膜20は白金を蒸着することで形成する。図3(a、b)に示すように、電極膜20上にマスク層60を形成し、電極膜20を分割して固体電解質部材を充填するスリット81を隔壁101上に転写・エッチングする。その後、マスク層61、62を除去する。
【0071】
(固体電解質部材を形成する工程)
図3(c)に示すように、カソード21及びアノード22上並びにスリット81に固体電解質部材30を形成する固体電解質部材30は固体電解質としてのナフィオンからなるペーストを塗布・乾燥することで形成する。
【0072】
(保護層を形成する工程)
固体電解質部材30上にマスク層を形成する。図4(a)に示すように、形成したマスク層に絶縁部材が形成される部位を転写・エッチングを行う。その後、マスク層63、64、65を除去した後に、図4(b)に示すように、保護層50及び絶縁部材51を形成する。保護層50及び絶縁部材51はSiO2などの化学的に安定な絶縁体をPVD・光CVDなどの低温薄膜形成法により蒸着することで形成する。溶媒の使用を考慮すると溶液流延法によっても形成できる。
【0073】
(犠牲材を除去する工程)
最後に、図4(c)に示すように、犠牲層71、72を水に溶解させて除去することで、犠牲層71、72の部位にそれぞれ酸化剤流路11及び燃料流路12が形成できる。犠牲層の除去は強酸性液体(例えばフッ化水素水)によってSiO2−P2O5を除去できる。
【0074】
以上説明したように、本実施例の製造方法は汎用されている半導体等の製造方法と同様の方法であり、簡単に平面型燃料電池を製造することができる。
【0075】
(実施例1の変形例1)
本変形例は実施例1の平面型燃料電池において隣接する単位セル間を銀から構成される接続部材で接続したものである。本構造は、実施例2の製造方法を利用して容易に実現できる。具体的には、保護層及び絶縁部材を形成する工程において、絶縁部材となる部位のエッチングを更に進行させて電極膜を完全に除去した後に、銀を蒸着等により絶縁部材が形成されるスリットの底部に堆積させ接続部材とする方法である。接続部材は、固体電解質部材31の汚染防止のために電極膜21、22、23、24にのみ接している。
【0076】
接続部材によって、隣接する単位セル間でのプロトン伝導が極めて効果的に抑制できるので、電池反応をより効率的に進行させることができる。
【0077】
(実施例1の変形例2)
本変形例は実施例1の平面型燃料電池においてカソード21及びアノード22の接合面を波形とした以外は同様の構成をもつ。接合面を波形とするには実施例2の製造方法を利用して容易に実現できる。具体的には、実施例2の燃料流路及び酸化剤流路を形成する工程において形成する流路11、12間の隔壁101の形状及び固体電解質部材を形成する工程において形成するスリット81の形状を波形とする方法である。隔壁101の形状及びスリット81の形状は波形とすることで複雑になるが、リソグラフィーにより形成するので特に工程は複雑にならない。
【0078】
カソード21及びアノード22の接合面を波形とすることにより、プロトン伝導に寄与する固体電解質部材311の面積を増加することができるので、燃料電池の効率を向上できる。
【0079】
(実施例1の変形例3)
本変形例は、図5に示すように、実施例1の平面型燃料電池において、段差部211、221、222、231をなくし、すべてのカソード及びアノードを一様に面一とした以外は同様の構成をもつ。
【0080】
(実施例3)
本実施例は、図6に示すように、実施例1の平面型燃料電池において、段差部211、221、222、231をなくすと共に、単位セル内部の隔壁101及び102を接合体A、B及び接合体A、Bを狭持する支持体(図略)により形成したものである。接合体A、Bはカソード21、23及びアノード22、24のそれぞれ屈曲した端部211、231、221、241と固体電解質部材311、321により構成される。具体的に図面左方の単位セルにおける接合体Aでは端部211、固体電解質部材311及び端部221の順に接合している。図面右方の単位セルにおける接合体Bでは端部231、固体電解質部材321及び端部241の順に接合している。それぞれの接合体A、Bは基部10上に形成された櫛歯形状の支持体により狭持され強度を確保している。
【0081】
平面型燃料電池の製造方法において、端部211、221、231、241を形成する方法としては実施例2におけるカソード及びアノードを形成する工程で電極膜20を塗布する前に端部211、221、231、241に相当する部位をリソグラフィーによりスリットを形成することで達成できる。同時に支持体についてもリソグラフィーにて形成可能である。
【0082】
単位セル内における隔壁を接合体で置換することにより、プロトン伝導に寄与するカソード及びアノード並びに固体電解質部材の面積を増加することができるので、燃料電池の効率を向上できる。
【0083】
(実施例4)
本実施例は、図7に示すように、実施例1の平面型燃料電池において、段差部211、221、222、231をなくすと共に、カソード21、23及びアノード22、24の流路11、12、13、14に対して反対側に形成された固体電解質部材30がない構造をもつ以外は同様の構成をもつ。固体電解質部材31、32はガスバリア性を確保する目的で、保護膜50にも侵入している。本実施例の平面型燃料電池は固体電解質の使用量を低減できる。
【0084】
(変形例)
本変形例は、図8に示すように、実施例1の平面型燃料電池において、基部10に形成された酸化剤流路11、13及び燃料流路12、14がそれぞれ往復して流れることができる流路111、112、131、132、121、122、141、142に分割されている。水素ガスは水素ガス供給口から供給され流路111、112、131、132の順に流れて、排出口から排出される。空気は空気供給口から供給されて流路142、141、122、121の順に流れて、排出口から排出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の平面型燃料電池の断面模式図である。
【図2】実施例2における平面型燃料電池の製造方法を示した断面模式図である。
【図3】実施例2における平面型燃料電池の製造方法を示した断面模式図である。
【図4】実施例2における平面型燃料電池の製造方法を示した断面模式図である。
【図5】実施例1の変形例3の平面型燃料電池の断面模式図である。
【図6】実施例3の平面型燃料電池の断面模式図である。
【図7】実施例4の平面型燃料電池の断面模式図である。
【図8】変形例の平面型燃料電池の基部の水平方向の断面模式図である。
【図9】従来技術の平面型燃料電池の断面模式図である。
【符号の説明】
10…基部 11、13、111、112、131、132…酸化剤流路
12、14、121、122、141、142…燃料流路
20…電極膜 21、23…カソード 22、24…アノード
30、31、32、311、321…固体電解質部材
50…保護膜 51…絶縁部材
60、61、62、63、64、65…マスク層
71、72…犠牲材
【発明の属する技術分野】
本発明は、厚みを小さくでき且つ構造が単純な平面型燃料電池及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の小型化に伴い、情報関連機器、通信機器等の携帯機器分野では、これらの機器に用いる電源としてエネルギー密度の高い燃料電池が注目されており、実用化研究が盛んである。
【0003】
携帯機器分野に燃料電池を用いるためには、燃料電池の小型化の要求と共に、機器内への搭載の自由度を向上するために厚みの小さい平面型燃料電池を実現することが要求される。
【0004】
従来の平面型燃料電池は、図9に示すように、カソード93とアノード94とを電解質膜95を挟んで重ねるように対向配置した単位セルを同じ電極膜が同じ面に並ぶように複数配列し、互いに隣接する電極91、92の背面側をZ字状接続板97で電気的に接続した構造をもつ(特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−56855号公報 (第1頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の平面型燃料電池では隣接する単位セルの電極間を電気的に接続することが困難であった。従来技術の平面型燃料電池における単位セルの電極は両面に存在するために、その間を接続する為には単位セルの存在する面を貫通して、両面を接続するZ字状接続板97のような複雑な部材を用いることが必要である。Z字状接続板97のような複雑な部材の作製はコスト面で不利である。また、これ以上、平面型燃料電池全体の厚みを小さくすることが困難であった。
【0007】
そこで本発明では、従来技術の平面型燃料電池よりも厚みを小さくすることができる平面型燃料電池を提供することを解決すべき課題とする。また、本発明では、従来技術の平面型燃料電池よりも容易に製造できる平面型燃料電池の製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び効果】
上記課題を解決する目的で鋭意研究を行った結果、本発明者は、それぞれの一端面が対向するように配設され、略同一平面に形成された略平面状のカソード及びアノードと、該カソードの該一端面及び/又は一端部と、該アノードの該一端面及び/又は一端部とに接合された固体電解質部材と、該カソード及び該アノードの厚み方向の同一面側にそれぞれ設けられた酸化剤流路及び燃料流路をもつ基部と、をもつ単位セルを有することを特徴とする平面型燃料電池を発明した(請求項1)。
【0009】
カソード及びアノードを略同一平面上に配設し、その間に固体電解質部材を設けることで、酸化剤及び燃料を電極膜に供給する酸化剤流路及び燃料流路をそれぞれの電極膜に対して同一面側に設けることが可能となった。つまり、平面型燃料電池を構成する単位セルは酸化剤(燃料)流路及び酸化剤(燃料)電極膜を積層した厚み(場合によっては更に固体電解質部材を積層した厚み)にまで小さくできる。それぞれの要素の厚みは従来の平面型燃料電池における要素と同様であると考えられるので、全体としては平面型燃料電池の厚みを従来よりも大幅に小さくできる。
【0010】
つまり、従来技術の平面型燃料電池のように、酸化剤流路、カソード、固体電解質部材、アノード及び燃料流路をこの順に積層した構造をもつ単位セルよりも、本発明の平面型燃料電池の単位セルはその厚みを小さくできる。
【0011】
更に固体電解質部材、カソード及びアノードをセパレータ等で挟む構造ではないので、これらの要素に加わる応力が低減され必要強度の条件が低くなる。従って、これらの要素を構成する材料選択の幅が広がる利点がある。
【0012】
そして、本発明の平面型燃料電池は、電気的に直列に接合され、且つ厚み方向の両面が略面一に繰り返し配設された複数個の前記単位セルを有することが好ましい(請求項2)。複数の単位セルを接続することで、平面型燃料電池の出力電圧を向上できる。複数の単位セルを接続する場合でも、複数の単位セルを同一平面上で直列につなぐことで、平面型燃料電池の厚みを小さくできる。本発明の平面型燃料電池の単位セルは、カソードとアノードとが両端部に位置するので、直列接続時に電極膜間の接合が容易である。
【0013】
また、複数の単位セルを直列に接続する場合には、低導イオン性で且つ導電性である材料から構成され、互いに隣接する前記単位セルの一方の前記アノードと他方の前記カソードとを電気的に接続する接続部材を有することが好ましい(請求項3)。隣接する単位セル間の接続は、隣接する単位セルの一方のカソードと他方のアノードとを直接接合することで達成できるが、その間に接続部材を介することで、単位セル間のプロトン伝導が抑制できる。単位セル間でのプロトン伝導を抑制すると発電効率を向上できる。
【0014】
そして、前記固体電解質部材は前記カソード及び前記アノードの前記酸化剤流路及び前記燃料流路に対して反対側の面を被覆することが、生成するプロトンの電極膜中における伝導抵抗を低減するので好ましい(請求項4)。
【0015】
また、プロトン伝導に伴う内部抵抗を減少して出力を向上するために、前記単位セル内における前記酸化剤流路と前記燃料流路との隔壁は、前記酸化剤流路側に屈曲した前記カソードの端部、前記固体電解質部材、及び前記燃料流路側に屈曲した前記アノードの端部の順に接合される接合体と、該接合体を狭持する一組の櫛歯形状の支持体とからなることが好ましい(請求項5)。更には、前記単位セル内の前記カソード及び前記アノードの接合面は波形であることが好ましい(請求項6)。
【0016】
更に、上記課題を解決する本発明の平面型燃料電池の製造方法は、略同一平面上に配設される一組の燃料流路及び酸化剤流路をもつ複数組の単位セル流路を略同一平面上に配設されるように平面状の基部上に形成する工程と、該基部上であって、該燃料流路及び該酸化剤流路の内部に犠牲材を充填する工程と、該基部上であって、該酸化剤流路及び該燃料流路内の該犠牲材上にそれぞれカソード及びアノードを形成する工程と、カソード及びアノードの間であって該基部上に固体電解質部材を形成する工程と、該犠牲材を除去する工程と、を有することを特徴とする(請求項7)。本発明の製造方法によると、前述した本発明の平面型燃料電池を簡単に製造できる。
【0017】
そして、前記カソード及び前記アノードを形成する工程は、前記基部上に電極膜を形成する工程と、前記酸化剤流路及び前記燃料流路の間の該電極膜の一部を除去し、該電極膜を該カソード及び該アノードに分割する工程と、をもつことが好ましい(請求項8)。
【0018】
また、低導イオン性で且つ導電性である材料から構成され、互いに隣接する前記単位セル流路の一方に接する前記アノードと他方に接する前記カソードとを電気的に接続する接続部材を形成する工程を有することが好ましい(請求項9)。
【0019】
【発明の実施の形態】
〔平面型燃料電池〕
本実施形態の平面型燃料電池は、カソードとアノードと固体電解質部材と基部とをもつ単位セルを有する。カソードとアノードとは略平面状であって、それぞれの一端部が対向するように配設され、略同一平面上に形成される。基部には酸化剤流路及び燃料流路が形成され、酸化剤流路及び燃料流路は略同一平面上に形成されるカソード及びアノードの同一面側に形成される。また、一つの単位セルでは出力の大きさが限られるので、本実施形態の平面型燃料電池は、必要に応じて複数個の単位セルを直列乃至は並列に接続できる。
【0020】
一つの単位セルの大きさは特に限定しない。厚みについては、原理的にカソード等及び酸化剤流路等の厚みを加えた厚さにまで小さくすることができる。本平面型燃料電池は、従来の燃料電池のように固体電解質部材等をセパレータで狭持する構造ではなく、複数の単位セルを接続しても従来の燃料電池におけるスタックのような応力が個々の単位セル内部の固体電解質部材等に加わることがないので、固体電解質部材、カソード及びアノードを構成する材料を選択する幅が広がる利点がある。また、固体電解質部材等の個々の構成要素に強度がそれほど必要でないので、それぞれの構成要素を更に薄くすることが可能となり、更なる厚みの低減ができる。
【0021】
(カソード及びアノード)
本平面型燃料電池に適用できる酸化剤及び燃料の種類は特に限定されない。例えば後述する固体電解質部材を高分子固体電解質から形成する場合には燃料として水素ガス、メタノール等が採用でき、酸化剤として酸素ガス、空気等が採用できる。
【0022】
カソード及びアノードは略平面状であって、それぞれの一端部が対向するように配設されており、略同一平面上に形成されている。「一端面」の意味については固体電解質部材の欄で説明する。従来の燃料電池ではカソード及びアノードはそれぞれの厚み方向に積層されていたが、本平面型燃料電池では略同一平面上に形成されることで平面型燃料電池に占める電極膜の厚みを小さくすることができる。なお、カソード及びアノードの形状はおよそ平面状であれば良く、例えばその一端部の屈曲、全体としてのの僅かな湾曲等の僅かな変形があっても良い。
【0023】
更に、カソード及びアノードを膜厚方向に積層した場合にはカソード及びアノードの面積・形状は同一にする必要があったが、カソード及びアノードの配置を略同一平面上に形成することで、カソード及びアノードの形状・面積の自由度が高くできる。例えば、電池反応における酸化剤と燃料との化学量論比から、アノードの面積をカソードの面積の2倍とすることで電池反応がより効率的に進行する。
【0024】
なお、本明細書における「カソード」、「アノード」とはそれぞれ酸素ガスや空気等の酸化剤に接する側の電極膜及び水素ガスやメタノール等の燃料が接する電極膜を意味する。それぞれの電極膜では燃料の酸化反応や、燃料の酸化反応により生成したプロトン等と酸化剤との反応を触媒している膜である。
【0025】
カソード及びアノードの具体的な構成は特に限定しない。例えば、一般的なカソード及びアノードの構成を採用できる。例えば炭素材料等からなる担体上に触媒金属としての白金等の貴金属を担持した触媒粉末を製膜したものが挙げられる。触媒粉末の製膜方法としては、プロトン伝導を確保するマトリックスとしての固体電解質中に触媒粉末を分散させて製膜する方法がある。固体電解質としては後述する固体電解質部材にて詳細に説明を行う。カソード及びアノードはその他にも白金等の触媒金属単独の粉末等でも形成することができる。
【0026】
(固体電解質部材)
固体電解質部材はカソード及びアノードの間を接合する。固体電解質部材は、カソード及びアノードの一端面及び/又は一端部に接合されている。固体電解質部材はカソード及びアノードの間のプロトン伝導を確保する部材である。両電極膜間のプロトン伝導抵抗を低減することができるので、固体電解質部材は少なくとも両電極の一端面に接合されることが好ましい。
【0027】
ここで、カソード及びアノードの「一端面」とは、成形された電極膜の厚み方向に対して、垂直方向の端面を意味し、「一端部」とはカソード及びアノードの厚み方向の両面又は一面のうち、前述の一端面に接する一部を意味する。
【0028】
従来の平面型燃料電池では固体電解質部材はカソード及びアノードの膜厚方向の間に狭持されていたが、本平面型燃料電池では略同一平面上に形成されたカソード及びアノードの間に狭持されている。つまり、固体電解質部材は、カソード及びアノードが膜厚方向に対して垂直方向に並べられた間に配設されている。
【0029】
また、固体電解質部材とカソード及びアノードの間は分子レベルで密着することが、プロトン伝導性向上の観点から好ましい。固体電解質部材は燃料電池反応を担うイオン(例えばプロトン)伝導性をもち、電子伝導性をもたない固体電解質から構成される。固体電解質は高分子固体電解質や、無機系固体電解質(水和酸化タングステン等)或いは有機−無機複合電解質(シリカ系材料+スルホン化高分子等)が採用できる。高分子固体電解質としてはナフィオン(製品名)等のパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子材料がよく知られている。
【0030】
更に、固体電解質部材はカソード及びアノードの酸化剤流路及び燃料流路に対して反対側の面を被覆することができる。カソード及びアノードには電池反応により生成したプロトンが伝導する。プロトンの伝導は、カソード及びアノードの厚み方向に対して垂直方向である。従って、プロトンの伝導抵抗を小さくするにはカソード及びアノードの厚みを大きくして、プロトンが伝導可能な断面積を大きくすることが望ましい。プロトン伝導度を向上するためには単純にカソード及びアノードの厚みを大きくしても良いが、カソード及びアノードに含まれる触媒粉末に担持された触媒金属は高価であること、触媒粉末の量はある程度以上存在すればその効果は飽和すること等の理由から、触媒粉末を含まずにプロトン伝導性を確保できる材料である固体電解質部材からなる膜をカソード及びアノードの膜厚方向に接合することで、電極膜の膜厚方向に対して垂直方向のプロトン伝導性を向上できる。
【0031】
固体電解質部材を介して接合されるカソード及びアノードの接合面は直線とすることもできるし、曲線とすることもできる。接合面をそれぞれ曲線とすることにより、その間に狭持される固体電解質部材のプロトンが伝導できる部分の面積を広がる。好ましい曲線として波形が例示できる。
【0032】
(基部)
カソード、アノード及び固体電解質部材が以上の位置関係で配設されているので、基部に形成された酸化剤流路及び燃料流路をカソード及びアノードの同一面側に形成・配設することができる。従って、本平面型燃料電池は全体として厚みを小さくできる。
【0033】
酸化剤流路及び燃料流路をもつ基部は物理的・化学的に安定性の高い材料から構成されることが好ましい。例えば、Si、SiO2、PEEK、PES、PTFE等の耐薬品性樹脂を用いることが好ましい。
【0034】
単位セル内においてプロトン伝導面積を広くする目的で、基部における単位セル内での酸化剤流路及び燃料流路の間の隔壁は、カソード、固体電解質部材及びアノードの順で接合された接合体から構成することが好ましい。接合体におけるカソード及びアノードは前述したカソード及びアノードの端部を酸化剤流路及び燃料流路側に屈曲した部分とすることができる。接合体における固体電解質部材は前述した固体電解質部材にT字状に接合して形成できる。更に、接合体を支持・補強する部材としての支持体により接合部を狭持することができる。支持体は櫛歯形状であり、接合体を両側から狭持する部材である。櫛歯形状とすることで、支持体は接合体における酸化剤及び燃料の透過を阻害しない。支持体は酸化剤流路及び燃料流路の壁面として基部と一体的に形成できる。
【0035】
(複数の単位セルの接続した平面型燃料電池)
複数の単位セルを接続する場合には、平面型燃料電池の厚みを小さくするために、隣接する単位セルの厚み方向の両面を略面一に繰り返し配設することが好ましい。隣接する単位セルの厚み方向の両面を略面一に繰り返し配設するためには、隣接する単位セル間において、カソード及びアノードと、酸化剤流路及び燃料流路との位置関係を揃えることで容易に実現できる。
【0036】
また、複数の単位セルを接続する方法としては、隣接する一方の単位セルのカソードと他方の単位セルのアノードとを直接接合することで簡便に単位セル間を電気的に接続できる。カソードとアノードとの接合は別個に形成した後に接合する方法のほか、それぞれの電極膜を最初から一体として形成しても良い。
【0037】
なお、カソード及びアノードはプロトン伝導性を有するので、電極膜を直接接合する場合にはカソード及びアノードの接合部分の断面積が他の部分より小さくする等の方法でプロトンが隣接する単位セル間で伝導しないようにすることが好ましい。
【0038】
更に単位セル間でのプロトンの伝導を抑制するために、低導イオン性で且つ導電性である材料から構成される接続部材を用いて、隣接する単位セル間を接続することが好ましい。接続部材に適用できる好ましい材料としては金、銀、白金、炭素材料等の耐食性に優れた材料が好ましい。特に加工性の観点からは銀、金、白金等の金属が例示できる。
【0039】
(その他)
本平面型燃料電池はその他にも種々の構成要素をもつことができる。例えばカソード、アノード及び固体電解質部材を保護する保護膜や、平面型燃料電池の外部に電力を取り出す外部電極等である。保護膜は例えばSiO2により形成することができる。外部電極は銀、金、白金や炭素材料から構成できる。
【0040】
更に、酸化剤流路及び燃料流路にそれぞれ酸化剤及び燃料を供給する酸化剤供給装置及び燃料供給装置をもつことができる。また、カソード及びアノード上には必要に応じて拡散層を設けることもできる。
【0041】
〔平面型燃料電池の製造方法〕
本実施形態における平面型燃料電池の製造方法は、燃料流路及び酸化剤流路からなる単位セル流路を形成する工程と、犠牲材を充填する工程と、カソード及びアノードを形成する工程と、固体電解質部材を形成する工程と、犠牲材を除去する工程とを有する。本実施形態の平面型燃料電池の製造方法により製造される平面型燃料電池は前述した本実施形態の平面型燃料電池である。
【0042】
(燃料流路及び酸化剤流路を形成する工程)
本工程は、酸化剤流路及び燃料流路を基部に形成する工程である。酸化剤流路及び燃料流路は、基部上で略同一平面上に配設される。製造する平面型燃料電池が複数の単位セルをもつ場合には、酸化剤流路及び燃料流路からなる単位セル流路を必要なだけ複数組、略同一平面上に配設されるように平面状の基部上に形成する。
【0043】
本工程は、基部に対してリソグラフィー・機械的加工等により酸化剤流路及び燃料流路を形成する。リソグラフィーを採用すると、生産性良く酸化剤流路及び燃料流路を形成することができる。リソグラフィーを採用する場合には、シリコン材料等からなる基部を用いることが好ましい。基部上に、フォトレジスト等の感光性マスク材料を用いて、基部上に形成する酸化剤流路及び燃料流路の形状をマスク層として転写・形成する。形成したマスク層に対して、ドライエッチングにより酸化剤流路及び燃料流路を形成する。ドライエッチングは特に異方性エッチングを適用することが好ましい。マスク層は適宜除去する。
【0044】
(犠牲材を充填する工程)
本工程は、前行程で形成した酸化剤流路及び燃料流路の内部に犠牲材を充填する工程である。犠牲材は最終的には取り除かれる部材である。犠牲層を設けることで酸化剤流路及び燃料流路の空間となる部分を保ったまま、加工を続行できる。犠牲材としては本実施形態の製造方法により製造される平面型燃料電池の要素を浸食等の悪影響を与えず、簡単に取り除くことができる材料が選択される。また、以後の工程で変質等して取り除くことができなくなる、平面型燃料電池の構成要素に悪影響を与える等の不都合が生じない材料であることも必要である。
【0045】
例えば、犠牲材としてはSiO2−P2O5が採用できる。SiO2−P2O5は以後の工程における安定性に優れると共に、水等の他の構成要素に対しては無害な物質により容易に除去できる材料である。
【0046】
犠牲材としてSiO2−P2O5を用いる場合に、酸化剤流路及び燃料流路の内部に犠牲材を充填する方法としては、ゾルゲル法により基材全面にP2O5−SiO2を塗布・乾燥させた後に基材が露出するまでエッチングを行うなどの方法がある。
【0047】
犠牲材としてはその他にエポキシ系レジストやポリジメチルシロキサン等が採用できる。
【0048】
(カソード及びアノードを形成する工程)
本工程は酸化剤流路及び燃料流路内に充填された犠牲材上にそれぞれカソード及びアノードを形成する工程である。本工程ではカソード及びアノードを構成する触媒粉末及び固体電解質からなるペーストをそれぞれの犠牲材上に塗布・乾燥することで形成できる。また、蒸着・スパッタリング等で犠牲材上に触媒金属を付着させることでも形成できる。
【0049】
単位セル内においてカソード及びアノードは空間的に分割される必要がある。カソード及びアノードを形成する当初から両者を分割しても良いし、連続した電極膜を形成した後にカソード及びアノードの境界上の電極膜の一部を除去することで、形成した電極膜をカソード及びアノードに分割することもできる。
【0050】
(固体電解質部材を形成する工程)
本工程は、カソード及びアノードの間に固体電解質部材を形成する工程である。固体電解質部材を形成する方法としては、例えば固体電解質を適正な溶媒(犠牲材に影響を与えない溶媒)で溶解したペーストを塗布・乾燥することで形成できる。
【0051】
(犠牲材を除去する工程)
本工程は、犠牲材を除去する工程である。犠牲材を選択的に除去できる方法であれば特に限定しない。前述したように、犠牲材のみを溶解する溶剤によって除去したり、犠牲材のみと反応して犠牲材を取り除くことができる試薬(例えば、酸等)を用いた反応性エッチングを採用することもできる。
【0052】
(その他の工程)
複数の単位セルを接続した平面型燃料電池を製造する場合には、低導イオン性で且つ導電性である材料から構成され、互いに隣接する単位セル流路の一方に接するアノードと他方に接するカソードとを電気的に接続する接続部材を形成する工程を有することが好ましい。
【0053】
【実施例】
以下に本発明の平面型燃料電池及びその製造方法について更に詳細に説明する。なお、以下に示す図は模式図でありその縮尺、細部の形状等は正確なものではない。そして、各図において、同様の構成要素には同じ符号を付して説明することもある。また、本実施例では単位セルが2つ直列に接続された平面型燃料電池を例に挙げて説明しているが、1つの単位セルからなる平面型燃料電池、3つ以上の単位セルを接続した平面型燃料電池、並びに単位セルを並列に接続した平面型燃料電池についても基本的に以下の説明と同様である。
【0054】
(実施例1)
(構成)
本実施例の平面型燃料電池は、図1に示すように、酸化剤流路11、13及び燃料流路12、14が形成された基部10と、カソード21、23及びアノード22、24と、固体電解質部材31、32と、保護膜50と、外部電極41、42とを有する。本平面型燃料電池は厚みが420μmである。
【0055】
本実施例の平面型燃料電池は2つの単位セルを直列に接続したものであって、それぞれの単位セルは、ほぼ同様の構成をもつ。従って、一方の単位セル(図面左方)についてと、異なる部分及び2つの単位セルの接続に関する部分のみを詳細に説明する。
【0056】
シリコンから形成された基部10に形成された酸化剤流路11及び燃料流路12は厚み30μmの隔壁101によって分離されている。酸化剤流路11及び燃料流路12の底面の基部10の厚みは150μmである。
【0057】
カソード21及びアノード22は同一平面上に形成されている。アノード22がカソード21よりも倍の面積をもつ。カソード21及びアノード22は担体としてのカーボンブラック上に白金を担持した触媒粉末を固体電解質としてのナフィオンに分散させた材料である。カソード21及びアノード22はそれぞれ厚みが10μmである。
【0058】
カソード21及びアノード22はそれぞれの一端面で固体電解質部材311を狭持している。固体電解質部材31は酸化剤流路11及び燃料流路12のプロトン伝導性を向上するために基部10の隔壁101内にまで侵入している。固体電解質部材31はナフィオン(商標)から構成される。カソード21及びアノード22を隔離する固体電解質部材311の厚みは20μmである。固体電解質部材31は、プロトン伝導性向上の目的で、カソード21及びアノード22の酸化剤流路11及び燃料流路12に対して反対側の面を被覆する。被覆した固体電解質部材31の厚みは150μmである。
【0059】
固体電解質部材31は保護膜50により保護されている。保護膜50は図面右方の単位セルの固体電解質部材32も保護している。保護膜によって、固体電解質部材31、32を物理的に保護するほか、固体電解質部材31、32から水分が蒸発することを防止する。保護膜50はSiO2により形成されている。
【0060】
カソード21には炭素材料から構成される外部電極41(カソード)が接続されている。図面右方の単位セルのアノード24には外部電極42(アノード)が接続されている。
【0061】
単位セル間の接続は図面左方の単位セルのアノード22と、図面右方の単位セルのカソード23とを一体的に形成することで導電性を確保している。アノード22とカソード23との間のプロトン伝導を防止するために、2つの単位セルを区画する隔壁の厚みを大きくすると共に、保護膜50と一体的に形成されている絶縁部材51により断面積を小さく制限している。
【0062】
(作用)
酸化剤流路11、13及び燃料流路12、14にそれぞれ酸化剤としての空気と燃料としての水素ガスとを供給する。空気は図面奥から手前側に、水素ガスは手前側から図面奥にそれぞれ流れている。
【0063】
供給された水素ガスはアノード22、24に拡散し、酸化されてプロトンを生成する。生成したプロトンは、各単位セル内にて図中の矢印の方向(左方)固体電解質部材311、321を伝導してそれぞれ対応する酸化剤電極21、23に到達する。アノード22、24では水素ガスの酸化により電子が生成する。生成した電子は、図中の矢印の方向(右方)に移動し、外部電極42から負荷(図略)を通過して外部電極41に到達する。
【0064】
酸化剤電極21、23に到達したプロトンは同じく到達した電子と共に、酸化剤電極21、23に拡散してきた空気中の酸素ガスと反応して水を生成する。電池反応により生成するプロトンは優先的に固体電解質部材311、321を伝導していき、単位セル間の接続部分には伝導しがたい。
【0065】
以上説明したように、本実施例の平面型燃料電池における厚み方向の構成要素(1つの単位セル内では、厚み方向に、流路を形成する基部、電極膜、固体電解質部材及び保護膜を順にもつ)が従来の平面型燃料電池及び燃料電池における厚み方向の構成要素(1つの単位セル内では、厚み方向に、セパレータ、拡散層、カソード、固体電解質膜、アノード、拡散層及びセパレータを順にもつ)と比較して少ないので小型化が可能である。また、複数の単位セルを接続するときに、隣接する単位セル間をそのまま接続することで、電気的な接続が達成できるので複雑な接続構造を採用する必要がない。これは接続する単位セルの個数には依存しない。
【0066】
(実施例2)
本実施例では実施例1で説明した平面型燃料電池とほぼ同じ平面型燃料電池について製造する方法を説明する。本実施例で製造する平面型燃料電池は実施例1の平面型燃料電池よりも単位セルの数が多いことが相違点である。
【0067】
(製造方法)
本実施例の平面型燃料電池を製造する方法は、図2に示すように、燃料流路及び酸化剤流路を形成する工程(図2(a))と、犠牲材を充填する工程(図2(b))と、カソード及びアノードを形成する工程(図2(c)、図3(a、b))と、固体電解質部材を形成する工程(図3(c))と、保護膜を形成する工程(図4(a、b))と、犠牲材を除去する工程(図4(c))とを有する。
【0068】
(燃料流路及び酸化剤流路を形成する工程)
図2(a)に示すように、シリコンからなる基部10に酸化剤流路11及び燃料流路12を形成する。基部10上にフォトレジストを用いて酸化剤流路11及び燃料流路12の形状をマスク層として転写した後に、ドライエッチング(異方性)を行うことで、酸化剤流路11及び燃料流路12を形成できる。その後、マスク層を除去する。
【0069】
(犠牲材を充填する工程)
図2(b)に示すように、犠牲材としてのSiO2−P2O5を酸化剤流路11及び燃料流路12内部に充填する。SiO2−P2O5の充填はゾルゲル法により行う。流路部分にのみ充填を行うことが適切であるが、流路のみに充填できない場合には以下の工程で流路にのみSiO2−P2O5を残留させる。▲1▼基材全面にSiO2−P2O5の水溶液を塗布し、乾燥させる。▲2▼基材が露出するまでエッチングを行うことで流路にのみSiO2−P2O5を残留させる。
【0070】
(カソード及びアノードを形成する工程)
図2(c)に示すように、形成した犠牲層71、72を含めた基部10上に電極膜20を形成する。電極膜20は白金を蒸着することで形成する。図3(a、b)に示すように、電極膜20上にマスク層60を形成し、電極膜20を分割して固体電解質部材を充填するスリット81を隔壁101上に転写・エッチングする。その後、マスク層61、62を除去する。
【0071】
(固体電解質部材を形成する工程)
図3(c)に示すように、カソード21及びアノード22上並びにスリット81に固体電解質部材30を形成する固体電解質部材30は固体電解質としてのナフィオンからなるペーストを塗布・乾燥することで形成する。
【0072】
(保護層を形成する工程)
固体電解質部材30上にマスク層を形成する。図4(a)に示すように、形成したマスク層に絶縁部材が形成される部位を転写・エッチングを行う。その後、マスク層63、64、65を除去した後に、図4(b)に示すように、保護層50及び絶縁部材51を形成する。保護層50及び絶縁部材51はSiO2などの化学的に安定な絶縁体をPVD・光CVDなどの低温薄膜形成法により蒸着することで形成する。溶媒の使用を考慮すると溶液流延法によっても形成できる。
【0073】
(犠牲材を除去する工程)
最後に、図4(c)に示すように、犠牲層71、72を水に溶解させて除去することで、犠牲層71、72の部位にそれぞれ酸化剤流路11及び燃料流路12が形成できる。犠牲層の除去は強酸性液体(例えばフッ化水素水)によってSiO2−P2O5を除去できる。
【0074】
以上説明したように、本実施例の製造方法は汎用されている半導体等の製造方法と同様の方法であり、簡単に平面型燃料電池を製造することができる。
【0075】
(実施例1の変形例1)
本変形例は実施例1の平面型燃料電池において隣接する単位セル間を銀から構成される接続部材で接続したものである。本構造は、実施例2の製造方法を利用して容易に実現できる。具体的には、保護層及び絶縁部材を形成する工程において、絶縁部材となる部位のエッチングを更に進行させて電極膜を完全に除去した後に、銀を蒸着等により絶縁部材が形成されるスリットの底部に堆積させ接続部材とする方法である。接続部材は、固体電解質部材31の汚染防止のために電極膜21、22、23、24にのみ接している。
【0076】
接続部材によって、隣接する単位セル間でのプロトン伝導が極めて効果的に抑制できるので、電池反応をより効率的に進行させることができる。
【0077】
(実施例1の変形例2)
本変形例は実施例1の平面型燃料電池においてカソード21及びアノード22の接合面を波形とした以外は同様の構成をもつ。接合面を波形とするには実施例2の製造方法を利用して容易に実現できる。具体的には、実施例2の燃料流路及び酸化剤流路を形成する工程において形成する流路11、12間の隔壁101の形状及び固体電解質部材を形成する工程において形成するスリット81の形状を波形とする方法である。隔壁101の形状及びスリット81の形状は波形とすることで複雑になるが、リソグラフィーにより形成するので特に工程は複雑にならない。
【0078】
カソード21及びアノード22の接合面を波形とすることにより、プロトン伝導に寄与する固体電解質部材311の面積を増加することができるので、燃料電池の効率を向上できる。
【0079】
(実施例1の変形例3)
本変形例は、図5に示すように、実施例1の平面型燃料電池において、段差部211、221、222、231をなくし、すべてのカソード及びアノードを一様に面一とした以外は同様の構成をもつ。
【0080】
(実施例3)
本実施例は、図6に示すように、実施例1の平面型燃料電池において、段差部211、221、222、231をなくすと共に、単位セル内部の隔壁101及び102を接合体A、B及び接合体A、Bを狭持する支持体(図略)により形成したものである。接合体A、Bはカソード21、23及びアノード22、24のそれぞれ屈曲した端部211、231、221、241と固体電解質部材311、321により構成される。具体的に図面左方の単位セルにおける接合体Aでは端部211、固体電解質部材311及び端部221の順に接合している。図面右方の単位セルにおける接合体Bでは端部231、固体電解質部材321及び端部241の順に接合している。それぞれの接合体A、Bは基部10上に形成された櫛歯形状の支持体により狭持され強度を確保している。
【0081】
平面型燃料電池の製造方法において、端部211、221、231、241を形成する方法としては実施例2におけるカソード及びアノードを形成する工程で電極膜20を塗布する前に端部211、221、231、241に相当する部位をリソグラフィーによりスリットを形成することで達成できる。同時に支持体についてもリソグラフィーにて形成可能である。
【0082】
単位セル内における隔壁を接合体で置換することにより、プロトン伝導に寄与するカソード及びアノード並びに固体電解質部材の面積を増加することができるので、燃料電池の効率を向上できる。
【0083】
(実施例4)
本実施例は、図7に示すように、実施例1の平面型燃料電池において、段差部211、221、222、231をなくすと共に、カソード21、23及びアノード22、24の流路11、12、13、14に対して反対側に形成された固体電解質部材30がない構造をもつ以外は同様の構成をもつ。固体電解質部材31、32はガスバリア性を確保する目的で、保護膜50にも侵入している。本実施例の平面型燃料電池は固体電解質の使用量を低減できる。
【0084】
(変形例)
本変形例は、図8に示すように、実施例1の平面型燃料電池において、基部10に形成された酸化剤流路11、13及び燃料流路12、14がそれぞれ往復して流れることができる流路111、112、131、132、121、122、141、142に分割されている。水素ガスは水素ガス供給口から供給され流路111、112、131、132の順に流れて、排出口から排出される。空気は空気供給口から供給されて流路142、141、122、121の順に流れて、排出口から排出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の平面型燃料電池の断面模式図である。
【図2】実施例2における平面型燃料電池の製造方法を示した断面模式図である。
【図3】実施例2における平面型燃料電池の製造方法を示した断面模式図である。
【図4】実施例2における平面型燃料電池の製造方法を示した断面模式図である。
【図5】実施例1の変形例3の平面型燃料電池の断面模式図である。
【図6】実施例3の平面型燃料電池の断面模式図である。
【図7】実施例4の平面型燃料電池の断面模式図である。
【図8】変形例の平面型燃料電池の基部の水平方向の断面模式図である。
【図9】従来技術の平面型燃料電池の断面模式図である。
【符号の説明】
10…基部 11、13、111、112、131、132…酸化剤流路
12、14、121、122、141、142…燃料流路
20…電極膜 21、23…カソード 22、24…アノード
30、31、32、311、321…固体電解質部材
50…保護膜 51…絶縁部材
60、61、62、63、64、65…マスク層
71、72…犠牲材
Claims (9)
- それぞれの一端面が対向するように配設され、略同一平面に形成された略平面状のカソード及びアノードと、
該カソードの該一端面及び/又は一端部と、該アノードの該一端面及び/又は一端部とに接合された固体電解質部材と、
該カソード及び該アノードの厚み方向の同一面側にそれぞれ設けられた酸化剤流路及び燃料流路をもつ基部と、をもつ単位セルを有することを特徴とする平面型燃料電池。 - 電気的に直列に接合され、且つ厚み方向の両面が略面一に繰り返し配設された複数個の前記単位セルを有する請求項1に記載の平面型燃料電池。
- 低導イオン性で且つ導電性である材料から構成され、互いに隣接する前記単位セルの一方の前記アノードと他方の前記カソードとを電気的に接続する接続部材を有する請求項2に記載の平面型燃料電池。
- 前記固体電解質部材は前記カソード及び前記アノードの前記酸化剤流路及び前記燃料流路に対して反対側の面を被覆する請求項1〜3のいずれかに記載の平面型燃料電池。
- 前記単位セル内における前記酸化剤流路と前記燃料流路との隔壁は、前記酸化剤流路側に屈曲した前記カソードの端部、前記固体電解質部材、及び前記燃料流路側に屈曲した前記アノードの端部の順に接合される接合体と、該接合体を狭持する一組の櫛歯形状の支持体とからなる請求項1〜4のいずれかに記載の平面型燃料電池。
- 前記単位セル内の前記カソード及び前記アノードの接合面は波形である請求項1〜5のいずれかに記載の平面型燃料電池。
- 略同一平面上に配設される一組の燃料流路及び酸化剤流路をもつ複数組の単位セル流路を略同一平面上に配設されるように平面状の基部上に形成する工程と、
該基部上であって、該燃料流路及び該酸化剤流路の内部に犠牲材を充填する工程と、
該基部上であって、該酸化剤流路及び該燃料流路内の該犠牲材上にそれぞれカソード及びアノードを形成する工程と、
カソード及びアノードの間であって該基部上に固体電解質部材を形成する工程と、
該犠牲材を除去する工程と、を有することを特徴とする平面型燃料電池の製造方法。 - 前記カソード及び前記アノードを形成する工程は、前記基部上に電極膜を形成する工程と、前記酸化剤流路及び前記燃料流路の間の該電極膜の一部を除去し、該電極膜を該カソード及び該アノードに分割する工程と、をもつ請求項7に記載の平面型燃料電池の製造方法。
- 低導イオン性で且つ導電性である材料から構成され、互いに隣接する前記単位セル流路の一方に接する前記アノードと他方に接する前記カソードとを電気的に接続する接続部材を形成する工程を有する請求項7又は8に記載の平面型燃料電池の製造方法。
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