JP2004134122A - フルカラー表示素子 - Google Patents

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Norito Ito
伊 藤 範 人
Goji Ishizaki
石 崎 剛 司
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Abstract

【課題】外光反射を低減してコントラスト低下を抑制すると同時に、発光光を効率的に取り出すことが可能なフルカラー表示素子を提供する。
【解決手段】本発明のフルカラー表示素子は、円偏光板と、選択反射型フィルタと、自発光素子とをこの順に備える表示素子であって、前記円偏光板と前記選択反射型フィルタとの間、または、前記選択反射型フィルタと自発光素子との間に、吸収型カラーフィルタが設けられてなることを特徴とする。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自己発光型表示素子に関し、より詳しくは、フルカラー型の自己発光表示素子に関する。
【0002】
【従来技術】
電界発光素子は、対抗する電極から注入された正孔および電子(キャリア)が、発光層内で結合し、そのエネルギーで発光層中の蛍光物質を励起し、蛍光物質に応じた色の発光が得られるものであり、自発光型の面上表示素子として注目されている。
【0003】
その中でも、有機物質を発光材料として用いた有機電界発光素子は、印加電圧が10V程度であっても高輝度な発光が得られ、かつ素子構造が単純かつサブミクロンオーダーの膜厚で構成されるため軽量化が可能等の特徴がありディスプレイへの応用が期待されている。
【0004】
また、有機電界発光(以下、有機ELともいう。)素子のカラー化方法としては、図1に示すように、白色発光を示す有機電界発光素子に吸収型カラーフィルタを配置する方法、図2に示しように各画素がR、G、B発光する方法が挙げられる。ここで、有機電界発光素子は液晶素子とは異なり光シャッター機能を持たないため、外光がそのまま表示に反映されディスプレイのコントラスト低下を招くことが問題となっている。
【0005】
例えば、前者の場合、図1に示すように白色電界発光素子の上にR、G、Bそれぞれを透過する(その他の色は吸収する)吸収型のカラーフィルタを配置した構造となる。ここで、緑の画素について具体的に説明すると、有機電界発光素子からの白色発光は、吸収型カラーフィルタ(Rを透過)を通過し、Rを表示することとなり、発光色のうち最大1/3が表示に寄与する。一方、外光は吸収型カラーフィルタを通過した1/3の光(R)が、背面の金属電極により反射し、再度カラーフィルタを通過して表示される。
【0006】
次に、後者の場合、図2に示すように、有機電界発光素子は各画素がR、G、B発光する構造となる。ここで、Gの画素について具体的に説明すると、発光光は、全て表示に寄与するが、外光も全て反射される。結果としてコントラストの低下の原因となる。
【0007】
また、かかる外光の影響をカットする従来技術としては、図3に示すように、円偏光板を表示部上に配置した構造が挙げられる。ここで、円偏光板とは直線偏光板と1/4λ板を張り合わせた構造を持ち、無偏光の光が1/4λ板から入射した場合、右または左のいずれか一方の光を透過し、その他は直線偏光板に吸収されるものであり、無偏光状態の光の透過率は、一般的に40〜50%と半減する。また、右または左の制御は直線偏光板と1/4λ板との張り合わせ角度により決定される。
【0008】
G画素について、図3を用いて具体的に説明すると、円偏光板を通過した外光は、右または左のいずれか一方の円偏光のみが通過し、他方は吸収される。通過した円偏光は背面の金属電極により円偏光状態が反転し、再び円偏光板に到達して全て吸収される。その結果、外光の影響は無くなる。また、発光光については、有機電界発光素子の場合には発光光は無偏光状態で放射されるため、無偏光状態の光が円偏光板に到達して半分が吸収される。そのため、表示に寄与するのは発光光のうち1/2となる。
【0009】
また、別の方法としては、特開平8−321380号公報に記載のように、観測者側からみて吸収型カラーフィルタ、有機電界発光素子(R、G、B発光)の順に配置することにより余分な外光を吸収型カラーフィルタにより吸収し有機電界発光層への光ダメージを小さくする方法が挙げられる(特許文献1参照)。この方法によれば、図4に示すように、外光成分のうち吸収型カラーフィルタで、概ね2/3がカットされ発光光はカラーフィルタ部分での若干の吸収を除けばほぼ100%透過となる。しかし、かかる方法によっても、外光成分の影響が1/3に減少するものの、未だ不十分の値である。
【0010】
現在までのところ、有機電界発光素子の最大の問題点は素子寿命であり、高輝度での素子駆動は素子劣化を早めるため、素子寿命の観点より、低い駆動電圧で高輝度が得られるような素子製作が必要となる。そこで、外光カットは完全ではないが発光光を効率的に表示に寄与させる方法が必要となる。
【0011】
一方、コレステリック規則性を有する液晶(以下、コレステリック液晶という。)を用いた光学素子が知られている。かかるコレステリック液晶は、図10に示すように、右または左円偏光のうちいずれか一方の円偏光反射し、他方を通過する特性を有する。(図中では、右円偏光を透過させる。)コレステリック液晶は、液晶分子が螺旋状に連なった構造を持ち、螺旋のねじれ方向と同一方向の円偏光を反射し、その螺旋ピッチ(液晶分子の方向が一回転する距離)に応じて反射光の波長が決定される。一般に、コレステリックの螺旋ピッチをp、コレステリック液晶の平均屈折率をn、反射中心波長をλとすると、λ=npを満たす波長を反射する(選択反射)。また、実際の液晶分子は、長軸方向と短軸方向との屈折率差(複屈折率Δn)があるため、この選択反射波長(Δλ)は、Δλ=Δn・pとなり、図16に示すように、選択反射波長はある程度の幅を持つ。
【0012】
このような特徴を有するコレステリック液晶を、カラーフィルタや偏光分離層のような光学部材として液晶表示装置に組み込むと、バックライトの光が吸収されず表示に寄与するため輝度向上効果が得られる。
【0013】
特開2002−215067号公報には、かかるコレステリック液晶を有機電界発光素子に使用することにより、発光光を効率よく表示に寄与させ、明るい表示を実現できる有機電界発光素子が開示されている(特許文献2参照)。
【0014】
【特許文献1】
特開平8−321380号公報
【特許文献2】
特開2002−215067号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにコレステリック液晶を用いた偏光分離層を自己発光型表示素子に組み込むことにより、効率的に外光の影響を抑制し、明るい環境下でも高いコントラストを有する表示を実現することはできる。
【0016】
しかしながら、かかるコレステリック液晶と有機ELとを組み合わせてフルカラー表示を実現しようとすると、特開2002−215067号公報の表示装置では、上記のG画素を例にとると、外光のうちRとBの光成分は左円偏光板で吸収されるが、実際は、かかる吸収が下記の理由により完全ではなく、吸収されなかった光が、漏れ光となって観測者側に出射されるため、コントラスト比が低下すると考えられる。
【0017】
すなわち、実際の円偏光板は完全なものではないため、無偏光の光が、例えば左円偏光板に入射した時には、若干の右円偏光も通過する。当該円偏光板はその性質上、波長依存性があるため、RGBすべての波長域において一方の円偏光のみを完全に透過させることが困難である。
【0018】
また、円偏光板は、垂直入射の時に最大の偏光分離能を有するため、例えば左円偏光板に対して、ある入射角をもって入射した光は左円偏光のみならず、右円偏光もある程度出射してしまう。実際の表示装置では、外光が円偏光板に対してあらゆる角度から入射するため、いわゆる漏れ光の影響が大きくなる。
【0019】
さらに、実際の表示素子では、屈折率の異なる層(例えば、偏光板、ガラス基板、コレステリック層、有機EL等の各層)から構成されているため、各界面での反射光が発生し、かかる反射光も漏れ光となる。
【0020】
フルカラー表示の表示素子とする場合には、隣接する各画素間において、斜め入射した光が、隣の画素に入射するため(例えば、R画素からのRの反射光が、隣のG画素に入射するような場合)、上記のような理由により、かかる光が漏れ光となる。
【0021】
すなわち本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外光反射を低減してコントラスト低下を抑制すると同時に、発光光を効率的に取り出すことが可能なフルカラー表示素子を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の表示素子は、円偏光板と、選択反射型フィルタと、自発光素子とをこの順に備える表示素子であって、前記円偏光板と前記選択反射型フィルタとの間、または、前記選択反射型フィルタと自発光素子との間に、吸収型カラーフィルタが設けられてなることを特徴とするものである。また、前記選択反射型フィルタが、コレステリック液晶フィルタであることが好ましく、さらに、前記コレステリック液晶フィルタが、前記円偏光板の偏光方向と同一方向の偏光のみ透過し、前記偏光方向と逆方向の偏光を反射するものであることがより好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について、図を参照しながらさらに詳細に説明する。
【0024】
本発明にかかる表示素子の第一の実施形態として、白色発光素子を用いる場合の当該素子の断面構造の概略を図5に示す。当該表示素子は、観測者側から、円偏光板、吸収型カラーフィルタ、広帯域コレステリック液晶フィルタ、白色有機電界発光素子が、この順で配置された構造を有している。なお、吸収型カラーフィルタと広帯域コレステリック液晶フィルタとの配置順序は、入れ替わっていてもよい。
【0025】
本発明にかかる表示素子の第二の実施態様として、RGB発光素子が画素毎にパターニングされている有機電界発光素子(以下RGB並置型発光素子という)を用いる場合の当該素子の断面構造の概略を図6に示す。当該表示素子は、観測者側から、円偏光板、吸収型カラーフィルタ、広域型コレステリック液晶フィルタ、RGB並置型発光素子がこの順で配置された構造を有している。第二の実施態様においても、吸収型カラーフィルタと広帯域コレステリック液晶フィルタとの配置順序は、入れ替わっていてもよい。
【0026】
また、本発明にかかる表示素子の第三の実施態様として、RGB並置型発光素子の各色に対応した位置に、狭帯域コレステリック液晶フィルタが配置された構造を有する表示素子の断面構造の概略図を図7に示す。なお、本態様においても、吸収型カラーフィルタと狭帯域コレステリック液晶フィルタとの配置順序は、入れ替わっていてもよい。
【0027】
さらに、本発明にかかる表示素子の第四の実施態様として、白色発光素子を用いた場合であって、反射波長帯域の異なる狭帯域コレステリック液晶フィルタを2種用いた当該表示素子の断面構造の概略図を図8に示す。当該表示素子は、観測者側から、円偏光板、吸収型カラーフィルタ、全光(右円偏光+左円偏光)反射狭帯域コレステリック液晶フィルタ1、全光反射狭帯域コレステリック液晶フィルタ2、白色有機電界発光素子が、この順で配置された構造を有している。なお、吸収型カラーフィルタと全光反射狭帯域コレステリック液晶フィルタとの配置順序は、入れ替わっていてもよい。
【0028】
なお、上述の本発明の表示素子には、適宜、保護膜やガラス基板が配置されていてもよいことは言うまでもない。
【0029】
次に、これらの表示素子を構成する各部材と、その光学的作用について説明する。
【0030】
<円偏光板>
円偏光板は、右または左のいずれの偏光を通過させるものでもよいが、コレステリック液晶フィルタで透過できる円偏光方向と同一方向の円偏光板を用いる必要がある。当該円偏光板の円偏光方向が、コレステリック液晶フィルタを通過できる円偏光方向と逆向きであると、電界発光素子からコレステリック液晶フィルタを通過した光と、円偏光板を通過する光とが逆方向の円偏光となり、1/4λ位相差板により直線偏光板の偏光方向と垂直な直線偏光に変換されるため当該直線偏光板に吸収されてしまい、発光光は表示に寄与しなくなってしまうからである。
【0031】
上記のように円偏光板は、直線偏光板と1/4λ位相差板からなるが、一般的に位相差板は波長により位相差(レタデーション)が異なる。そのため、一枚の位相差板で円偏光を形成すると、ある波長では(例えば550nm)完全な円偏光を透過するが、その他の波長(例えば、450nmや650nm)では本来吸収されるはずの円偏光も透過してしまう。このような波長依存性(波長分散)を抑制するため、円偏光板は直線偏光と各波長毎(例えば、450nm(青)、550nm(緑)、650nm(赤))に最適なレタデーションが得られるように調整された位相差層により形成されることが望ましい。レタデーションは、一般的に、R=Δn・dで与えられる(ここで、Δnは複屈折率であり分子の長軸の屈折率をn、短軸をnとしたときに|n−n|で与えられ、dは位相差層の膜厚である)ため、広帯域なλ/4位相差板が望まれる。このような位相差板のレタデーションは、R、G、Bの各波長領域毎に、1/4λ位相差板の厚みにより調製することができる。上記のように、各色ごとに、すなわち各波長領域ごとに、位相差板の厚みを調整することにより、実際のレタデーションを理想値に近づけることができ、波長分散を抑制することができる。
【0032】
なお、レターでションの調製は、各画素ごとに位相差板をパターニングすることによってもできるが、位相差板として重合型液晶を用いることにより波長分散の少ない位相差板を得ることができる。また、コレステリック液晶層としてネマティック液晶にカイラル剤を添加したカイラルネマティック液晶を用いた場合には、位相差板の重合型液晶として、前記カイラルネマティック液晶や前記ネマティック液晶を用いることにより、コレステリック液晶層と位相差板の屈折率差が最も小さくなり、位相差板とコレステリック層間で生じる界面反射成分を低減することができる。
【0033】
複数枚組み合わせて広帯域化する従来の位相差板としてはポリオレフィン、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリスチレン、ノルボルネン系等の樹脂を用いた配向フィルム位相差板を使用することができる。
【0034】
重合型液晶としては、ネマティック液晶やコレステリック液晶を用いることができ、かかる材料としては、重合性モノマー分子、重合性オリゴマー分子または液晶ポリマー等を使用することができる。具体的には、下記に示すような化合物を用いることができ、必要に応じて、2種以上の化合物を含んでもよい。
【0035】
【化1】
Figure 2004134122
また、ネマティック液晶にカイラル剤を加えた、コレステリック規則性を有するカイラルネマティック液晶を使用することもできる。カイラル剤としては、下記に示すような化合物やキラルドーパント液晶S−811(Merck社製)等を用いることができる。
【0036】
【化2】
Figure 2004134122
なお、これらの重合性液晶を形成する場合には、適宜、光重合開始剤を添加することが好ましい。
【0037】
配向能を有する基材としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース、トリアセチルロースおよびその部分鹸化物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を用いることができる。これらの基材フィルムは、2種以上のフィルムを積層させたラミネートフィルムであってもよく、また一軸延伸または二軸延伸されたフィルムであってもよい。また、ガラス等の透光性基材上に成膜されていてもよい。さらに、基材フィルム表面には、親水処理や疎水処理等の表面処理をあらかじめ施しておくこともできる。
【0038】
上記の基材フィルムは、配向能を有する必要があるが、基材フィルムに配向膜を積層させるか、または基材フィルムもしくはこれに積層された配向膜をラビングすることにより、基材フィルムに配向能を付与することができる。配向膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等が通常使用される。また、ラビング処理は、レーヨン、綿、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート等の材料から選択されるラビング布を金属ロールに巻きつけ、これをフィルムに接した状態で回転させるか、ロールを固定したまま基材フィルムを搬送することにより、フィルム面をラビングで摩擦する方法が通常用いられる。
【0039】
これら基材上にネマティックまたはコレステリック規則性を有する光重合型液晶等の放射線硬化型液晶を塗布し、未硬化のネマティックまたはコレステリック液晶膜を形成する。液晶層を硬化させる方法として、三次元架橋方法を用いる場合は、例えば、液晶分子に光重合開始剤を添加して紫外線照射によって硬化させる。また、直接電子線を照射して硬化させる方法を用いることもできる。このようにして液晶分子を三次元架橋して硬化させ位相差板を得ることができる。なお、配向した液晶を形成するに際して、重合性モノマー分子もしくは重合性オリゴマー分子、または液晶ポリマーを溶剤に溶解してコーティング液とし、配向能を有する基材上に塗布するようにしてもよい。その場合には三次元架橋を行うか、または冷却前に乾燥を行う必要がある。また、特開2001−159708号公報に開示されているように、仮支持体に配向膜を設けてその上に液晶層を塗布し、基材上に転写することによっても位相差板を形成することができる。この際、基材と液晶層との密着性を上げるため、特開平8−278491号公報に記載されているように、基材と液晶層との間に接着層を設けてもよい。
【0040】
光重合開始剤としては、ベンジル(ビベンゾイルとも言う)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げることができる。なお、光重合開始剤の他に増感剤を、本発名の目的が損なわれない範囲で添加することもできる。
【0041】
このような光重合開始剤の添加量としては、一般的には0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは、0.5〜5質量%の範囲で重合性液晶材に添加することができる。
【0042】
また、上記の液晶材料は、位相差板として機能するためには屈折率異方性を有するように形成される必要がある。この屈折率異方性は、用いる液晶材料や基材表面の配向能により異なるものではあるが、一般的には、配向方向に平行な面において、配向方向に直角なX軸と配向方向に平行なY軸を仮定した場合に、X軸方向の屈折率nとY軸方向の屈折率nとの差Δn、すなわち、
Δn=|n−n
が、0.05以上、好ましくは0.1以上であることが好ましい。この程度の屈折率異方性を有する位相差板でなければ、実用上位相差板の厚み等において問題が生じる可能性があるからである。
【0043】
<吸収型カラーフィルタ>
本発明の表示素子では、所定の円偏光を選択反射することができるコレステリック液晶フィルタと、吸収型カラーフィルタとを組み合わせることで、有機EL表示素子のコントラスト比を向上させることができるものである。ここで、吸収型カラーフィルタとは、例えば、Gのカラーフィルタでは、RおよびBの波長域の光を吸収することのできるカラーフィルタを意味する。当該カラーフィルタは、従来のカラーフィルタ、例えば、顔料カラーフィルタ等を用いることができる。
【0044】
なお、本発明の表示素子では、図9に示すように、吸収型カラーフィルタを用いずに、広帯域コレステリック液晶フィルタのみでフルカラー表示の素子とすることもできる。かかる場合は、コントラスト比は落ちるものの、吸収型のカラーフィルタを用いないため、表示素子の輝度を向上させることができる。
【0045】
また、吸収型カラーフィルタは、背面方向(有機電界発光素子側)からの光が画素間で観測者側に漏れるのを防止するため、通常市販されているような画素間にブラックマトリクスが配置されたものを用いることができる。ブラックマトリクスは、外光の影響を低減するために、観測者側に低反射率層が設けられている必要があるが、背面側に高反射率層が設けられていることが好ましい。背面側からの発光光をブラックマトリクスで積極的に反射させることにより、発光光を有効に利用することができる。
【0046】
<保護膜>
(1)カラーフィルタの保護膜
本発明の表示素子においては、吸収型カラーフィルタ層の上に保護層を設けることが好ましい。かかる保護層を設けることにより、当該カラーフィルタ表面を平坦化できだけでなく、耐溶剤性や配向膜形成時の耐溶剤性も向上する。また、アウトガスを防止できるため、有機EL素子の劣化を抑制できる。
【0047】
(2)コレステリックの保護膜
上記と同様に、本発明の表示素子では、コレステリック液晶層の上に保護層を設けることが好ましい。かかる保護膜により、コレステリック層の平坦化や、耐溶剤性の向上が図られる。また、また当該液晶層からのアウトガスによる有機電界発光素子の劣化を防止することができる。
【0048】
上記の保護膜は、アクリル樹脂等の有機系材料や、酸化珪素等の無機系材料を用いることができるが、アウトガスを防止するためには、酸化珪素を用いることがより好ましい。
【0049】
<広帯域コレステリック液晶層>
本発明の表示素子では、当該表示素子を構成する広帯域コレステリック液晶層の選択反射波長域が、有機電界発光素子から放射される光の波長範囲よりも、長波長側で広域である。一般に、コレステリック液晶に入射された光の入射角と反射波長とは、下記のような依存性を有し、当該液晶膜に垂直に入射する光よりも、斜めに入射する光の方が、反射波長が短波長側にシフトするからである。
【0050】
λ(θ)=λ×cos(sin−1(sinθ/n))
ここで、λ(θ)は、入射角度θの時の選択反射中心波長であり、λは垂直入射すなわち、入射角度0°の時の選択反射中心波長であり、θは、コレステリック液晶層への入射角度であり、nはコレステリック液晶層の平均屈折率である。
【0051】
例えば、nが1.5のとき、垂直入射(θ=0)で、選択反射中心波長(λ)が650nmの場合、入射角を45°とすると(θ=45)、選択反射中心波長は、573nmとなり、約80nmの短波長シフトが観測される。すなわち、垂直入射の場合には、赤色を反射するが、入射角を45°にした場合には、黄色〜橙色の光を反射する。
【0052】
これは、図15に示すように、コレステリック液晶層を0°入射に対して400〜670nmの光を反射するように作成した場合、入射角が45°では約80nmの反射波長の短波長シフトが起きるため、斜め方向から入射する赤色の光は、コレステリック液晶層で反射されずに透過してしまうこととなる。この透過した光は、右または左の区別なく透過するため円偏光板に入射すると、右または左のいずれかの成分がそこで吸収されるため、光の利用効率が低下する。また、有機電界発光素子による発光は指向性が無く完全拡散面での発光である。そのため、コレステリック液晶層に入射する有機電界発光素子からの光の大部分は、その入射角が0°よりも大きくなる。
【0053】
したがって、図15に示すように、あらかじめコレステリック液晶層の選択反射波長の長波長側のみを長波長側にシフトさせておくことが好ましい。このように、選択反射波長を長波長側にシフトさせることにより、コレステリック液晶層に略650nmの赤色の光が斜めに入射した場合でも、当該液晶層で反射することができる。
【0054】
コレステリック液晶層の選択反射波長の長波長側へのシフト量としては、当該選択反射波長の長波長端から100nm程度が好ましいく、より好ましくは150nmである。このような広帯域反射のコレステリック液晶層は、螺旋ピッチの異なるコレステリック液晶層を積層することにより、反射光の波長バンド幅を広帯域にすることができる。これらについては特開2001−4843の公報において、本願出願人により詳細な開示がなされている。
【0055】
<狭帯域コレステリック液晶フィルタ>
本発明の第三の実施態様においては、RGB並置型発光素子の各色に対応した位置に、狭帯域コレステリック液晶フィルタが配置された構造を有する表示素子となっている(図7参照)。すなわち、赤色発光の発光素子に対応する位置に、赤色波長域を反射する前記狭帯域コレステリック液晶フィルタが配置され、緑色発光の発光素子に対応する位置に、緑色波長域を反射する前記狭帯域コレステリック液晶フィルタが配置され、青色発光の発光素子に対応する位置に、青色波長域を反射する前記狭帯域コレステリック液晶フィルタが配置されている。
【0056】
このような各色を選択的に反射することができる狭帯域コレステリック液晶フィルタの製造方法としては、WO00/34808号公報に記載されているように、活性光線照射によりカイラルパワーが失活するカイラル剤を含有するコレステリック材料に活性光線を照射し、その照射量により選択反射波長を変える技術が利用可能であるが、特にこれらの製造方法に限定される訳ではない。
【0057】
また、狭帯域コレステリック液晶フィルタの選択反射波長領域を長波長側にシフトさせておくことが好ましい。これは、上記に説明したように、当該液晶フィルタに入射光が斜めから入射した場合には、垂直に入射する場合に比較して、反射波長が短波長側にシフトするため、長波長域の光を当該液晶層で反射できず、透過した場合は円偏光板で吸収されてしまうため、光の利用効率が低下してしまうからである。
【0058】
具体的には、図16に示すように、垂直入射で640nmの光(R)を反射するようにコレステリック層を調整した場合(すなわちRの発光素子に対応するように調整)、斜め45°からの入射光に対しては575nmの光を反射することになり、約70nmの短波長シフトがおこるため、640nmの光が入射しても透過してしまう。640nmの光が斜めから入射しても、当該液晶フィルタで反射させるためには、あらかじめ、選択反射中心波長を長波長側にシフトさせたコレステリック液晶フィルタを調整しておく必要がある。シフト量の範囲は100nm程度が好ましく、より好ましくは150nmである。
【0059】
なお、有機ELからの発光光を効率よく反射させるためには、図17に示すように、コレステリック層の反射帯域を拡げてもよく、かかる場合は、好ましくは長波長側に50nm、より好ましくは、長波長側に100nm反射帯域が拡張したコレステリック液晶フィルタを用いることができる。
【0060】
また、各反射波長帯域を有する狭帯域コレステリック液晶フィルタは、その各フィルタ間の境界部分(各画素間の境界部分)に遮光層が設けられていることが好ましい。かかる遮光層を各画素間の境界部分に設けることにより、バックライトからの光が各色の間から漏れてコントラスト比が低下するのを防止し、また外光がTFTに到達することによるオフ抵抗の低下を防ぐことができる。遮光層は、黒色顔料やCrとCrO等の金属からなるものが好適に用いられる。
【0061】
<光学的作用>
本発明にかかる表示素子の第一の実施態様の光学的作用について、図10に示す外光および発光光の光線追跡図を参照しながら詳細に説明する。なお、図10中のカッコ内の数字は、光量の相対的変化量を示すものである。
【0062】
吸収型カラーフィルタが、緑(G)の光を透過する画素を一例に、本発明の表示素子の光学的作用について説明するが、他の色(RおよびB)についても同様である。
【0063】
図5に示すように、本発明の表示素子は、観測者側から、円偏光板、透明基材、吸収型カラーフィルタ、広帯域コレステリック液晶フィルタ、白色発光素子、反射電極、がこの順で構成されている。また、本発明の表示素子は、有機電界発光素子の2枚の電極構造が、観測者側から順に透明電極、金属電極が配置されている。かかる金属電極は、観測者側から順に、透明電極、金属反射膜と反射機能を有する金属、が配置されていてもよい。
【0064】
外光は、まず直線偏光板と位相差板とからなる円偏光板(例えば、左偏光板)を透過する際に、右偏光部分が吸収されて、左円偏光になる。この円偏光は、外光の光の強度を1とした場合、1/2の強度になっている。次に、この左円偏光は、吸収型カラーフィルタでG以外の光(BとR)が吸収され、透過する光は1/3になるため、外光と比較すると、全体で1/6の光強度になる。次に、この吸収型カラーフィルタを通過した光は、広帯域コレステリック液晶フィルタを通過するが、この際、当該コレステリック液晶フィルタが右円偏光のみを反射するものを使用しておく。このような液晶フィルタを用いることにより、左円偏光の光は当該フィルタでは吸収されずに、金属電極に到達する。外光からの光は、当該金属電極で反射される際に、位相が反転し右円偏光となる。右円偏光に反転した光は、広帯域コレステリック液晶フィルタに到達するがそこで反射され、再度、金属電極に到達する。金属電極で反射した円偏光は、位相が再び反転し右円偏光から左円偏光に変換される。この左円偏光に変換された光は、広帯域コレステリック層に再度入射するが、偏光方向が左方向であるため、当該コレステリック層では反射されずに透過し、吸収型カラーフィルタに到達する。吸収型カラーフィルタでは、BおよびRの光は吸収されず、そのまま透過し観測者側に出射される。したがって、外光から入射光強度を1とした場合に、金属電極で反射されて外部に出射される光の強度は1/6となる。このように、本発明の表示素子を用いた場合には、従来の表示装置では反射光の光の強度が1/3であったのに比較して1/6となり、外光の影響が約50%減少する。
【0065】
一方、発光光については、有機電界発光層での発光は、偏光されていない無偏光発光であるため、広帯域コレステリック液晶フィルタ層で右円偏光成分が反射され、左円偏光成分は透過する。この透過した左円偏光成分の光は、発光光の強度を1とした場合、1/2の光強度になっている。次に、透過した左円偏光成分は吸収型カラーフィルタへ入射し、この場合にはG以外の光、すなわちRおよびBの光は当該カラーフィルタで吸収されるため、透過光強度は1/3となる。次に、吸収型カラーフィルタを透過したG光は、円偏光板(左)を透過し観測者側に出射される。したがって、発光層から直接観察者側に出射される光は、発光層での光の強度の1/6になる。また、当該コレステリック液晶フィルタで反射された右円偏光成分の光は、金属電極で位相が反転し偏光方向が逆となるため、左円偏光となり、上記の経路と同一の経路により観測者側に出射される。したがって、観測者側に出射される光の強度は、1/6と1/6との光が足しあわされるため、有機電界発光層からの発光光を1とすると、1/3であり、従来と同様の光の利用効率である。すなわち、発光光の利用効率は従来と同様の1/3であり、かつ外光の影響が1/3から1/6に半減するため、コントラスト(発光時と非発光時との輝度の比)が向上する。
【0066】
次に、本発明にかかる表示素子の第2の実施態様である、有機電界発光素子がRGB発光である場合の光学的作用を説明する。
【0067】
図6には、広帯域コレステリック液晶フィルタを使用する場合の態様(第二の態様)である、表示素子の断面構造を示し、外光および発光光の光線追跡図を図9に示す。有機電界発光素子が白色発光からRGB発光を示す以外は、図5に示す構造と同様であるが、当該有機電界発光素子(RGB並置型発光素子)の各色の画素に対応した位置に、同色の吸収型カラーフィルタが配置されている。また、広帯域コレステリック液晶フィルタは、上記の第一の態様の表示素子と同様に、右円偏光のみを反射するものを使用している。なお、RGB発光の有機電界発光素子として、低分子系または高分子系のどちらを用いてもよい。以下、吸収型カラーフィルタおよび有機電界発光素子の発光光がGである場合を一例に、本発明の表示素子の光学的作用について説明するが、他の色(RおよびB)であっても同様であることは言うまでもない。
【0068】
外光については、上記図11を用いて説明した本発明の第一の態様の表示素子を同様に、外光から入射光強度を1とすると、観測者側への出射光強度は1/6であり、第一の態様と同じである。
【0069】
一方、有機電界発光素子からでたG(グリーン)の発光光は、広帯域コレステリックカラーフィルタを通過する際に、右円偏光成分が反射されるため、当該コレステリックフィルタを通過する光は、発光光強度の1/2の左円偏光になる。この通過した左円偏光の光は、吸収型カラーフィルタに達するが、当該吸収型カラーフィルタは、有機電界発光素子の各色に対応した位置に同色のカラーフィルタが設けられている。そのためGの発光光は、吸収型カラーフィルタで吸収されず、そのまま円偏光板を通過して観測者側に出射される。一方、広域型コレステリック液晶フィルタで反射された右円偏光のGの光は、金属電極で反射される際に位相が反転し、左円偏光となって吸収型カラーフィルタに達する。当該左円偏光はGの光であるため、Gの吸収型カラーフィルタでは吸収されず、そのまま円偏光板を通過して観測者側に出射される。すなわち、RGB並置型発光素子から出射されるGの光の強度を1とすると、前者の経路により観測者側に出射される光が1/2であり、後者の経路から出射される光が1/2であるため、出射光は1となる。
【0070】
したがって、従来の表示素子の出射光強度の0に対しては外光の影響が増加するものの、発光光の入射強度を1としたときの観測者側に出射される光の強度は1となり、従来の1/2の2倍の光利用効率を実現することができる。
【0071】
次に、第三の態様である、狭帯域コレステリック液晶フィルタを使用する場合の表示素子断面構造を図7に、光追跡図を図12に示す。本態様の表示素子は、第二の態様における広帯域コレステリック液晶フィルタを、狭帯域コレステリック液晶フィルタに置換した構造を有する。また、赤色発光の発光素子に対応する位置に、赤色波長域を反射する前記狭帯域コレステリック液晶フィルタが配置され、緑色発光の発光素子に対応する位置に、緑色波長域を反射する前記狭帯域コレステリック液晶フィルタが配置され、青色発光の発光素子に対応する位置に、青色波長域を反射する前記狭帯域コレステリック液晶フィルタが配置されている。さらに、これらの各波長域のコレステリック液晶フィルタの上面には、各波長域に対応した吸収型カラーフィルタが配置されている。
【0072】
RGB並置型発光素子の発光光のうち、Gの光について説明するが、他の色でも同様であることは言うまでもない。
【0073】
外光による影響は、第一の態様や第二の態様と同様に、外光の光強度を1とすると、観測者側に出射される光の強度は1/6となる。一方、発光光(G)は、狭帯域コレステリック液晶フィルタで、1/2光が左円偏光成分として透過し、1/2の光が、右円偏光成分として反射される。上記の右円偏光成分として透過したGの光は、吸収型カラーフィルタおよび円偏光板で吸収されることなく観測者側に出射し、また上記の右円偏光成分として反射されたGの光は、金属電極で反射されて位相が反転し左円偏光となって観測者側に出射される。すなわち、この場合も、発光光の全てを観測者側に出射することができる。
【0074】
次に、第四の態様である表示素子について、当該表示素子断面構造を図8に、光追跡図を図13に示す。本態様の表示素子は、波長域の異なる2種類の狭帯域コレステリック液晶フィルタと吸収型カラーフィルタとを重ね合わせた構造を有する。すなわち、白色発光素子を用い、反射光帯域が異なる2種類の狭域型コレステリック液晶フィルタと、その2種類の反射光帯域とは異なる吸収波長域を有する吸収型カラーフィルタとを互いに重ねあわせた構造を有している。例えば、第一の狭帯域コレステリック液晶フィルタの反射帯域がBであれば、その上面に配置される第二の狭帯域コレステリック液晶フィルタの反射帯域はRであり、さらにその上面に配置される吸収型カラーフィルタの吸収波長域はGである。なお、第一の狭帯域コレステリック液晶フィルタと第二の狭帯域コレステリック液晶フィルタとの偏光方向は同じ(例えば右円偏光のみ反射する)にしておく。
【0075】
上記の構造を有する表示素子について、外光は、円偏光板を透過して1/2の左円偏光になり、吸収型カラーフィルタ(G)でRとBが吸収されて、1/6となる。吸収型カラーフィルタを透過した左円偏光の光は、RまたはBの反射帯域を有する2種類の狭帯域コレステリック液晶フィルタでは吸収されず、金属電極で反射されて位相が反転して右円偏光となる。当該右円偏光を有するGの光は、RまたはBの反射帯域を有する2種類の狭帯域コレステリック液晶フィルタでは吸収されず、またGの吸収型カラーフィルタでも吸収されることはない。当該吸収型カラーフィルタを透過したGの左円偏光の光は、円偏光板によって吸収されるため、観測者側には出射しないことになる。
【0076】
一方、発光光は、Bの狭帯域コレステリック液晶フィルタによって、Bの光の左円偏光成分(1/6)のみが反射される。当該フィルタを透過した光は、次に、Rの狭帯域コレステリック液晶フィルタで、Bの光の左円偏光成分(1/6)のみが反射される。各狭帯域コレステリック液晶フィルタで反射された、BまたはRの光は、金属電極で反射され位相が反転して右円偏光になるが、Gの吸収型カラーフィルタで吸収される。すなわち、観測者側に出射される光の強度は、発光光(白色)を1とすると、1/3(Gとしては1)となる。
【0077】
したがって、第四の態様の表示素子では、発光光の利用効率は従来と同様の1/3であり、かつ外光の影響が1/3から0に減少するため、コントラスト(発光時と非発光時との輝度の比)が向上する。
なお、図14に示すように、円偏光選択反射部分(コレステリック液晶フィルタ部分)を、各反射帯域の異なる、挟帯域コレステリック液晶フィルタ(左円偏反射)と、挟帯域コレステリック液晶フィルタ(全光反射)と、挟帯域コレステリック液晶フィルタ(全光反射)とで構成することもできる。このような構成にすることにより、外光からの影響は、1/6に抑えることができ、かつ、白色有機EL発光光の利用効率を1/3(G光としては1)に高めることができる。
【0078】
【発明の効果】
本発明の表示素子では、コレステリック液晶フィルタと吸収型カラーフィルタとを組み合わせることにより、外光の反射を低減しコントラスト低下を抑制すると同時に、発光光を効率的に取り出すことが可能な有機電界発光素子が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術である、白色発光を示す有機EL素子の模式断面図である。
【図2】従来技術である、並置型の有機EL素子の模式断面図である。
【図3】従来技術である、円偏光素子が配置された有機EL素子の模式断面図である。
【図4】従来技術である、吸収型カラーフィルタを配置した有機EL素子の模式断面図である。
【図5】本発明の表示素子の模式断面図を示したものである。
【図6】本発明の他の態様の表示素子の模式断面図を示したものである。
【図7】本発明の他の態様の表示素子の模式断面図を示したものである。
【図8】本発明の他の態様の表示素子の模式断面図を示したものである。
【図9】本発明の他の態様の表示素子の模式断面図を示したものである。
【図10】本発明の表示素子における光線追跡図を示したものである。
【図11】本発明の表示素子における他の態様の光線追跡図を示したものである。
【図12】本発明の表示素子における他の態様の光線追跡図を示したものである。
【図13】本発明の表示素子における他の態様の光線追跡図を示したものである。
【図14】本発明の表示素子における他の態様の光線追跡図を示したものである。
【図15】本発明の表示素子に使用する広帯域コレステリック液晶フィルタ特性を示したものである。
【図16】本発明の表示素子に使用する挟帯域コレステリック液晶フィルタ特性を示したものである。
【図17】本発明の表示素子に使用する挟帯域コレステリック液晶フィルタの別の態様のフィルタ特性を示したものである。

Claims (15)

  1. 円偏光板と、選択反射型フィルタと、自発光素子とをこの順に備える表示素子であって、前記円偏光板と前記選択反射型フィルタとの間、または、前記選択反射型フィルタと自発光素子との間に、吸収型カラーフィルタが設けられてなる、ことを特徴とする、表示素子。
  2. 前記選択反射型フィルタが、コレステリック液晶フィルタである、請求項1に記載の表示素子。
  3. 前記コレステリック液晶フィルタが、前記円偏光板の偏光方向と同一方向の偏光のみ透過し、前記偏光方向と逆方向の偏光を反射する、請求項1または2に記載の表示素子。
  4. 前記自発光型素子が、一対の対抗電極を有する電界発光素子であり、前記対抗電極のうち前記円偏光板側に設けられた電極が、透明電極であり、他側に設けられた電極が金属電極である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示素子。
  5. 前記電界発光素子が、白色発光素子から構成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示素子。
  6. 前記電界発光素子が、複数の画素を構成し、各画素毎にそれぞれ赤色発光の発光素子、緑色発光の発光素子、および青色発光の発光素子からなるカラー発光素子である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示素子。
  7. 前記コレステリック液晶フィルタが、少なくとも前記白色発光素子から放射される光の発光波長領域全てを反射する広帯域コレステリック液晶フィルタである請求項5に記載の表示素子。
  8. 前記広帯域コレステリック液晶フィルタが、前記白色発光素子から放射される光の発光波長領域よりも、長波長領域の光を反射できる、請求項7に記載の表示素子。
  9. 前記コレステリック液晶フィルタが、前記カラー発光素子の画素毎にパターニングされた、狭帯域コレステリック液晶フィルタであり、赤色発光の発光素子に対応する位置に、赤色波長域を反射する前記狭帯域コレステリック液晶フィルタが配置され、緑色発光の発光素子に対応する位置に、緑色波長域を反射する前記狭帯域コレステリック液晶フィルタが配置され、青色発光の発光素子に対応する位置に、青色波長域を反射する前記狭帯域コレステリック液晶フィルタが配置されてなる、請求項6に記載の表示素子。
  10. 前記吸収型カラーフィルタが、前記カラー発光素子の画素毎にパターニングされてなり、赤色発光の発光素子に対応する位置に、赤色波長域を透過する前記吸収型カラーフィルタが配置され、緑色発光の発光素子に対応する位置に、緑色波長域を透過する前記吸収型カラーフィルタが配置され、青色発光の発光素子に対応する位置に、青色波長域を透過する前記吸収型カラーフィルタが配置されてなる、請求項9に記載の表示素子。
  11. 前記狭帯域コレステリック液晶フィルタが、各色の発光素子から放射される光の発光波長よりも、長波長領域の光を反射できる、請求項9または10に記載の表示素子。
  12. 前記円偏光板が、直線偏光板と位相差板からなり、前記位相差板が、前記カラー発光素子の画素毎にパターニングされている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の表示素子。
  13. 前記位相差板が、各色に対応した画素ごとに、異なるレタデーションを有する、請求項12に記載の表示素子。
  14. 前記位相差板が、重合型液晶からなる、請求項13に記載の表示素子。
  15. 前記の画素毎にパターニングされた表示素子において、各画素の境界部分に遮光層を設けてなる、請求項9〜14のいずれか1項に記載の表示素子。
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