JP2004134061A - トラッキング制御装置およびトラッキング制御方法 - Google Patents
トラッキング制御装置およびトラッキング制御方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】書き換えあるいは書き込み可能な記録媒体にデータの記録領域および未記録領域が含まれていても、高い精度および高い安定性でトラッキング制御を行うことのできるトラッキング制御装置およびトラッキング制御方法を提供する。
【解決手段】トラッキング制御装置は、記録媒体のトラックと記録媒体に集光した光ビームの集光位置とのずれ量を示すトラッキングエラー信号を検出し、出力するトラッキングエラー検出部3と、トラッキングエラー信号に基づいて、光ビームの集光位置がトラック上にあるように光ビームを移動させるための駆動信号を生成するトラッキング制御部4とを備え、光ビームの集光位置がデータの記録された記録領域であるか否かに応じて、トラッキングエラー信号および/または駆動信号のゲインを切り替える。
【選択図】図1
【解決手段】トラッキング制御装置は、記録媒体のトラックと記録媒体に集光した光ビームの集光位置とのずれ量を示すトラッキングエラー信号を検出し、出力するトラッキングエラー検出部3と、トラッキングエラー信号に基づいて、光ビームの集光位置がトラック上にあるように光ビームを移動させるための駆動信号を生成するトラッキング制御部4とを備え、光ビームの集光位置がデータの記録された記録領域であるか否かに応じて、トラッキングエラー信号および/または駆動信号のゲインを切り替える。
【選択図】図1
Description
本発明は、光ビームを用いて記録媒体にデータを記録し、または、記録媒体に記録されたデータを読み出す装置に用いられるトラッキング制御装置およびトラッキング制御方法に関する。
図15は、光ディスク装置などの光ビームを用いて記録媒体にデータを記録し、または、記録媒体に記録されたデータを読み出す装置に用いられる従来のトラッキング制御装置の一例を示すブロック図である。図15において、記録媒体(以下、ディスクと記す)1としてDVD−Rディスクが装填されているものとする。光学ヘッド2は、例えば波長650nmの光ビームを照射する半導体レーザ2a、コリメータレンズ2b、偏向ビームスプリッタ2c、波長板2d、集束レンズ2e、光検出ホログラム2f、検出レンズ2g、+1次光検出器2h、−1次光検出器2iおよびトラッキングコイル2jを備える。
半導体レーザ2aから出射した光は、コリメータレンズ2bによって平行光に変換され、偏向ビームスプリッタ2c、波長板2dを通過した後、集束レンズ2eによりディスク1のデータ記録面上に集光される。
集光した光はデータ記録面において反射し、出射光の光路に沿って再び集束レンズ2eおよび波長板2dを通過する。そして、偏向ビームスプリッタ2cによって、出射光の光路から分離されて光検出ホログラム2fに入射する。光検出ホログラム2fは、反射光をトラッキングエラー検出用の−1次光(以下、トラッキングエラー検出用−1次光と記す)とフォーカスエラー検出用の+1次光(以下、フォーカスエラー検出用+1次光と記す)とに分離して回折する。トラッキングエラー検出用−1次光およびフォーカスエラー検出用+1次光はそれぞれ−1次光検出器2iおよび+1次光検出器2hに入射し、電気信号に変換される。
+1次光検出器2hの出力は、ディスク1のデータ記録面における出射光の集光状態を示すフォーカスエラー信号として検出され、フォーカスエラー信号がゼロになるよう、集束レンズ2eの位置が制御される。この制御はフォーカス制御と呼ばれる。フォーカス制御については広く知られているので詳細な説明を省略する。
−1次光検出器2iは、たとえば図16に示すように、2分割された検出領域AおよびBを備える。検出領域AおよびBの境界線が伸びる方向は、トラッキングエラー検出用−1次光におけるディスクのトラックが伸びる方向に対応しており、トラックに対して外周側および内周側の領域を照射した光は、それぞれ検出領域AおよびBに入射する。検出領域AおよびBで検出されたトラッキングエラー検出用−1次光は、電気変換され、信号TR1およびTR2としてトラッキングエラー検出部に出力される。
トラッキングエラー検出部3は−1次光検出器2iの出力信号TR1、TR2を用いてプッシュプル法によりトラッキングエラー信号を生成する。またトラッキングエラー検出部3はプッシュプル法で検出したトラッキングエラーを−1次光検出器2iの出力和(TR1+TR2)で正規化する。このため、トラッキングエラー検出部3の出力信号であるTE信号は式1によって求められる。
TE=(TR1−TR2)/(TR1+TR2) ・・・ (式1)
式1のようにプッシュプル法で検出したトラッキングエラーを信号TR1およびTR2の和(TR1+TR2)で除算する理由は、ディスク1に対する記録・再生中、半導体レーザ2aの出力が変化したり、ディスク1の反射率が変化することによって、ディスク1からの反射光の強さが変化し、トラッキングエラーの検出感度が変化しないようにするためである。
トラッキング制御部4はTE信号に位相補償を施し、信号強度を電流変化に変換してトラッキングコイル2jに出力する。トラッキングコイル2jはトラッキング制御部4の出力にしたがって集束レンズ2eをディスク1の半径方向に駆動する。これにより、光ビームがトラックを外れないように制御することができる。
移送台9は、マイコン10の移送出力に応じてトラッキングコイルによって制御できないような光学ヘッドの大きな半径方向の移動を制御する。たとえば、所定のトラックへ光ヘッドを移動させる場合には、移送台9によって光ヘッドを所定のトラックまで移動させ、トラッキングコイルによってそのトラックを追随するように制御する。
また、特許文献1は、トラッキングエラーTE信号に乗算する電圧を発生する電圧発生部と、電圧発生部の出力電圧をトラッキングエラーTE信号に乗じる乗算部とを備えたトラッキング制御装置を開示している。この装置の電圧発生部は、トラッキングサーボループがOFFになっている状態において、出射光がディスク1上のトラックを横断したときのトラッキングエラーTE信号に基づき、乗算部の出力であるトラッキングエラー信号のレベルが所定値になるように出力電圧を設定する。
従来のトラッキング制御装置では、式1を用いて検出したトラッキングエラーTE信号の振幅はディスク1に情報が記録されている領域および未記録領域において等しい、あるいはほとんど等しいことを前提としていた。
図17(a)および(b)は、DVD−Rのデータ記録領域および未記録領域におけるトラッキングエラーTE信号の振幅の大きさを説明する図である。図17(a)および(b)に示すように、信号TR1および信号TR2の和の値は、記録領域よりも未記録領域のほうが大きい。このため、トラッキングTE信号は逆に未記録領域よりも記録領域のほうが大きくなる。
したがってディスク1に記録領域および未記録領域が混在したとき、トラッキングエラーTE信号の振幅が変化するためにトラッキング制御のループゲインがデータの記録領域と未記録領域とによって変化し、トラッキング制御の制御精度が劣化する、あるいは制御不安定になるという課題があった。
特開昭60−138740号公報
日経エレクトロニクス、pp135−150、No.844、3−31、(2003)
本発明は上記課題を解決するものであり、書き換えあるいは書き込み可能な記録媒体にデータの記録領域および未記録領域が含まれていても、高い精度および高い安定性でトラッキング制御を行うことのできるトラッキング制御装置およびトラッキング制御方法を提供することを目的とする。
本発明のトラッキング制御装置は、記録媒体のトラックと前記記録媒体に集光した光ビームの集光位置とのずれ量を示すトラッキングエラー信号を検出し、出力するトラッキングエラー検出部と、前記トラッキングエラー信号に基づいて、前記光ビームの集光位置が前記トラック上にあるように前記光ビームを移動させるための駆動信号を生成するトラッキング制御部とを備え、前記光ビームの集光位置が、データの記録された記録領域であるか否かに応じて、前記トラッキングエラー信号および/または前記駆動信号のゲインを切り替える。
ある好ましい実施形態において、トラッキング制御装置は、前記トラッキングエラー信号に所定の比例定数を乗ずるトラッキングエラー振幅調整部をさらに備え、前記光ビームの集光位置が前記記録領域であるか否かに応じて前記比例定数を切り替えることにより、前記トラッキングエラー信号のゲインを切り替える。
また、本発明のトラッキング制御装置は、記録媒体のトラックと前記記録媒体に集光した光ビームの集光位置とのずれ量を示すトラッキングエラー信号を検出し、出力するトラッキングエラー検出部と、前記トラッキングエラー信号に基づいて、前記光ビームの集光位置が前記トラック上にあるように前記光ビームを移動させるための駆動信号を生成するトラッキング制御部とを備え、前記記録媒体にデータを記録する動作を行っているか否かに応じて、前記トラッキングエラー信号および/または前記駆動信号のゲインを切り替える。
ある好ましい実施形態において、トラッキング制御装置は、前記トラッキングエラー信号に所定の比例定数を乗ずるトラッキングエラー振幅調整部をさらに備え、前記記録媒体にデータを記録する動作を行っているか否かに応じて、前記比例定数を切り替えることにより、前記トラッキングエラー信号のゲインを切り替える。
ある好ましい実施形態において、トラッキング制御装置は、前記トラッキングエラー検出部、前記トラッキングエラー振幅調整部および前記トラッキング制御部が構成するトラッキング制御ループの任意周波数におけるゲインを測定して記憶するトラッキングゲイン測定部をさらに備え、前記データの記録された記録領域および前記データが記録されていない未記録領域においてそれぞれトラッキングゲイン測定部が測定したゲインの比率を前記比例定数として用いる。
ある好ましい実施形態において、トラッキング制御装置は、前記トラッキングエラー検出部および前記トラッキング制御部が構成するトラッキング制御ループの任意周波数におけるゲインを測定して記憶するトラッキングゲイン測定部をさらに備え、前記データの記録された記録領域および前記データが記録されていない未記録領域においてそれぞれトラッキングゲイン測定部が測定したゲインに基づいて前記ゲインを切り替える。
ある好ましい実施形態において、トラッキング制御装置は、前記トラッキングエラー信号の振幅を計測するトラッキングエラー振幅測定部をさらに備え、前記データの記録された記録領域および前記データが記録されていない未記録領域においてそれぞれトラッキングエラー振幅測定部が測定した振幅の比率を前記比例定数として用いる。
ある好ましい実施形態において、トラッキング制御装置は、前記トラッキングエラー信号の振幅を計測するトラッキングエラー振幅測定部をさらに備え、前記データの記録された記録領域および前記データが記録されていない未記録領域においてそれぞれトラッキングエラー振幅測定部が測定した振幅に基づいて前記ゲインを切り替える。
ある好ましい実施形態において、トラッキング制御装置は、前記記録媒体からの反射光あるいは透過光を検出する光検出部と、前記光検出部の出力に基づいて、前記光ビームの集光位置が前記データの記録された記録領域であるか前記データが記録されていない未記録領域であるかを判断する領域判別部とをさらに備える。
ある好ましい実施形態において、トラッキング制御装置は、前記光ビームを出射する光源をさらに備え、前記光ビームを前記記録媒体に照射してデータを書き込むことにより、前記未記録部を前記記録部に変換し、または、前記光ビームを前記記録媒体に照射してデータを消去することにより、前記記録部を前記未記録部に変換する。
ある好ましい実施形態において、トラッキング制御装置は、前記光ビームの集光位置を前記記録媒体のトラックを横断する方向に移動させる移送部をさらに備え、前記移送部によって光ビームの集光位置を前記記録部および前記未記録部に移動させ、前記記録部および前記未記録部において前記光検出部からそれぞれ得られる出力に基づいて、前記光ビームの集光位置が前記記録部および前記未記録部のいずれにあるかを判別するための領域判別値をあらかじめ決定し、領域判別部は、前記領域判別値と前記光検出部から得られる出力に基づいて、前記光ビームの集光位置が前記記録部にあるか前記未記録部にあるかを判断する。
ある好ましい実施形態において、前記領域判別値は、前記記録部および前記未記録部において前記記録媒体からそれぞれ得られる反射光あるいは透過光の所定の期間におけるピーク値に基づいて決定される。
ある好ましい実施形態において、前記記録媒体は追記型記録媒体である。
ある好ましい実施形態において、前記記録領域は、前記記録媒体の管理情報があらかじめ記録された領域である。
ある好ましい実施形態において、前記記録媒体は、データを記録するときの光ビームの強度を調整するために用いられるテストパターンを書き込む領域を含み、前記テストパターンを書き込む領域を前記記録領域および前記未記録領域として用いる。
ある好ましい実施形態において、前記記録媒体はDVD−Rディスクであり、前記記録領域はデータ領域またはコントロール・データ領域であり、前記未記録領域はパワーキャリブレーション領域である。
ある好ましい実施形態において、前記記録媒体はCD−RディスクあるいはCD−RWディスクであり、前記記録領域はデータ領域またはパワーキャリブレーション領域であり、前記未記録領域はパワーキャリブレーション領域のテスト領域の最初あるいは最後の30ATIPフレームである。
ある好ましい実施形態において、前記記録媒体はDVD−RWディスクであり、前記記録領域はデータ領域、あるいは記録管理領域であり、前記未記録領域はパワーキャリブレーション領域である。
ある好ましい実施形態において、前記記録媒体は、波長405nmの光を用いて記録再生が行われる高密度記録媒体であり、前記記録領域はパーマネント・インフォメーション&コントロール・データ領域またはオプティマム・パワー・コントロール領域内であり、前記未記録領域はオプティマム・パワー・コントロール領域である。
本発明の光ディスク装置は上記いずれかのトラッキング制御装置を含む。
本発明のトラッキング制御方法は、記録媒体のトラックと光ビームの集光位置とのずれ量を検知して、前記光ビームの集光位置が前記記録媒体のトラック上に位置するよう制御するトラッキング制御方法であって、前記光ビームの集光位置がデータの記録された記録領域にある場合において、任意周波数におけるトラッキング制御ループのゲインを第1のゲインとして測定するステップと、前記光ビームの集光位置がデータの記録されていない未記録領域にある場合において、任意周波数におけるトラッキング制御ループのゲインを第2のゲインとして測定するステップと、前記第1のゲインおよび前記第2のゲインに基づき、前記光ビームの集光位置が前記記録領域にあるか前記未記録領域にあるかに応じて、前記トラッキング制御ループのゲインを調整するステップとを包含する。
また、本発明のトラッキング制御方法は、記録媒体のトラックと光ビームの集光位置とのずれ量を検知して、前記光ビームの集光位置が前記記録媒体のトラック上に位置するよう制御するトラッキング制御方法であって、前記光ビームの集光位置がデータの記録された記録領域にある場合において、任意周波数におけるトラッキング制御ループのゲインを第1のゲインとして測定するステップと、前記光ビームの集光位置がデータの記録されていない未記録領域にある場合において、任意周波数におけるトラッキング制御ループのゲインを第2のゲインとして測定するステップと、前記第1のゲインおよび前記第2のゲインに基づき、前記記録媒体にデータを記録する動作を行っているか否かに応じて、前記トラッキング制御ループのゲインを調整するステップとを包含する。
また、本発明のトラッキング制御方法は、記録媒体のトラックと光ビームの集光位置とのずれ量を検知して、前記光ビームの集光位置が前記記録媒体のトラック上に位置するよう制御するトラッキング制御方法であって、前記光ビームの集光位置がデータの記録された記録領域にある場合において、任意周波数におけるトラッキング制御ループのゲインを第1のゲインとして測定するステップと、前記光ビームの集光位置がデータの記録されていない未記録領域にある場合において、任意周波数におけるトラッキング制御ループのゲインを第2のゲインとして測定するステップと、前記第1のゲインおよび前記第2のゲインに基づき、前記記録媒体にデータを記録する動作を行っているか否かに応じて、前記トラッキング制御ループのゲインを調整するステップとを包含する。
ある好ましい実施形態において、トラッキング制御方法は、前記光ビームの記録媒体からの反射光あるいは透過光の強度に基づいて、前記光ビームの集光位置が前記記録領域にあるか前記未記録領域にあるかを判定するステップをさらに包含する。
ある好ましい実施形態において、トラッキング制御方法は、前記未記録領域にデータを記録することによって、前記記録領域を形成するステップをさらに含む。
ある好ましい実施形態において、トラッキング制御方法は、前記記録領域に記録されたデータを消去することによって、前記未記録領域を形成するステップをさらに含む。
また、本発明のトラッキング制御方法は、記録媒体のトラックと前記記録媒体に集光した光ビームの集光位置とのずれ量を示すトラッキングエラー信号を検出するステップと、前記トラッキングエラー信号に基づいて、前記光ビームの集光位置が前記トラック上にあるように前記光ビームを移動させるための駆動信号を生成するステップと、前記光ビームの集光位置が、データの記録された記録領域であるか否かに応じて、前記トラッキングエラー信号および/または前記駆動信号のゲインを切り替えるステップとを包含する。
ある好ましい実施形態において、前記ゲインを切り替えるステップにおいて、前記切り替えを、前記記録媒体にデータを記録する動作を行っているか否かにも応じて行う。
ある好ましい実施形態において、トラッキング制御方法は、前記記録媒体からの反射光あるいは透過光を検出し、前記検出した光に基づいて、前記光ビームの集光位置が前記データの記録された記録領域であるか前記データが記録されていない未記録領域であるかを判断するステップをさらに包含する。
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記いずれかのトラッキング制御方法に規定される各ステップをコンピュータに実行するためのプログラムを記録している。
本発明によれば、光ビームの位置がデータの記録された記録領域であるか否かに応じて、前記トラッキングエラー信号および/または前記駆動信号のゲインを切り替えるため、記録媒体のどの部分を記録あるいは再生している場合でも、トラッキング制御のループゲインを一定にすることができ、高い精度および高い安定性を備えたトラッキング制御装置が実現する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明によるトラッキング制御装置の第1の実施形態を示している。図1に示すトラッキング制御装置は、光ディスク装置などの光ビームを用いて記録媒体にデータを記録し、または、記録媒体に記録されたデータを読み出す装置に用いられる。以下、記録媒体1としてDVD−Rを参照してまず説明するが、記録媒体は、DVD−RW、CD−R,CD−RW、または、他の書き換え型高密度記録媒体であってもよい。トラッキング制御装置51は、光学ヘッド12を備える。光学ヘッド2は、例えば波長650nmの光ビームを照射する半導体レーザ2a、コリメータレンズ2b、偏向ビームスプリッタ2c、波長板2d、集束レンズ2e、光検出ホログラム2f、検出レンズ2g、+1次光検出器2h、−1次光検出器2iおよびトラッキングコイル2jを含む。半導体レーザから出射する光の波長は記録媒体の種類に応じて適宜選択され、また、これらの他の光学系部品も半導体レーザから出射する光に適合するように構成される。
図1は、本発明によるトラッキング制御装置の第1の実施形態を示している。図1に示すトラッキング制御装置は、光ディスク装置などの光ビームを用いて記録媒体にデータを記録し、または、記録媒体に記録されたデータを読み出す装置に用いられる。以下、記録媒体1としてDVD−Rを参照してまず説明するが、記録媒体は、DVD−RW、CD−R,CD−RW、または、他の書き換え型高密度記録媒体であってもよい。トラッキング制御装置51は、光学ヘッド12を備える。光学ヘッド2は、例えば波長650nmの光ビームを照射する半導体レーザ2a、コリメータレンズ2b、偏向ビームスプリッタ2c、波長板2d、集束レンズ2e、光検出ホログラム2f、検出レンズ2g、+1次光検出器2h、−1次光検出器2iおよびトラッキングコイル2jを含む。半導体レーザから出射する光の波長は記録媒体の種類に応じて適宜選択され、また、これらの他の光学系部品も半導体レーザから出射する光に適合するように構成される。
半導体レーザ2aから出射した光は、コリメータレンズ2bによって平行光に変換され、偏向ビームスプリッタ2c、波長板2dを通過した後、集束レンズ2eによりディスク1のデータ記録面上に集光される。
集光した光はデータ記録面において反射し、出射光の光路に沿って再び集束レンズ2eおよび波長板2dを通過する。そして、偏向ビームスプリッタ2cによって、出射光の光路から分離されて光検出ホログラム2fに入射する。なお、本実施形態では、反射光を利用してデータ記録面に記録されたデータを読み出しているが、記録媒体が用いる光に対して透明である場合には、透過光を利用してデータを読み出してもよい。光検出ホログラム2fは、反射光をトラッキングエラー検出用−1次光とフォーカスエラー検出用+1次光とに分離して回折する。トラッキングエラー検出用−1次光およびフォーカスエラー検出用+1次光はそれぞれ−1次光検出器2iおよび+1次光検出器2hに入射し、電気信号に変換される。
+1次光検出器2hの出力は、ディスク1のデータ記録面における出射光の集光状態を示すフォーカスエラー信号として検出され、公知の方法を用いてフォーカスエラー信号がゼロになるよう、集束レンズ2eの位置が制御される。
−1次光検出器2iは、たとえば図16に示すように、2分割された検出領域AおよびBを備える。検出領域AおよびBの境界線が伸びる方向は、トラッキングエラー検出用−1次光におけるディスクのトラックが伸びる方向に対応しており、トラックに対して外周側および内周側の領域を照射した光は、それぞれ検出領域AおよびBに入射する。検出領域AおよびBで検出されたトラッキングエラー検出用−1次光は、電気変換され、信号TR1およびTR2としてトラッキングエラー検出部に出力される。−1次光検出器2iの検出領域は4つに分割されていてもよい。
トラッキング制御装置51は、さらに領域判別部5、トラッキングエラー検出部3、トラッキングエラー振幅測定部7、トラッキングエラー振幅調整部6、トラッキングゲイン測定部8、およびトラッキング制御部を備える。また、これら各部を制御するためのマイコン10を備える。
−1次光検出器2iの出力は、トラッキングエラー検出部3および領域判別部5へ入力される。トラッキングエラー検出部3は−1次光検出器2iの出力信号TR1、TR2を用いてプッシュプル法によりトラッキングエラー信号を生成する。またトラッキングエラー検出部3はプッシュプル法で検出したトラッキングエラーを−1次光検出器2iの出力和(TR1+TR2)で正規化する。このため、トラッキングエラー検出部3の出力であるトラキングエラー信号(TE信号)は式1に示すようになる。
TE=(TR1−TR2)/(TR1+TR2) ・・・ (式1)
TE信号はディスク1のデータ記録面のトラックとデータ記録面に集光した光ビームの集光位置とのずれ量を示している。
領域判別部5は、入力された−1次光検出器2iの出力と予め設定された領域判別値C1を比較し、その大小関係よりディスク1に集光されたビームが情報の記録部に照射されているか否かを判別する。またその出力である判別結果を示すJDG信号を“H”出力あるいは“L”出力のいずれかの論理信号としてトラッキングエラー振幅測定部7およびトラッキングエラー振幅調整部6に出力する。
図2は領域判別部5の構成を示すブロック図である。領域判別部5は、低域通過フィルタ5a加算部5b、比較器5cおよびピーク検出部5dを含む。領域判別部5は3入力2出力系であり、入力として−1次光検出器2iから出力信号TR1、TR2およびマイコン10から領域判別値C1を受け取る。低域通過フィルタ5aは、出力信号TR1、TR2の高周波成分である雑音を除去する。加算部5bは、雑音が除去された出力信号TR1、TR2を受け取って、これらを加算した値を比較器5cに出力する。マイコン10から出力された領域判別値C1も比較器5cに入力される。比較器5cは、加算部5bの出力と領域判別値C1を比較し、加算部5bの出力が領域判別値C1よりも大きいときに“H”を、加算部5bの出力が領域判別値C1よりも小さいときに“L”を出力する。マイコン10が領域判別部5に出力する領域判別値C1の決定方法は後ほど詳細に説明する。ピーク検出部5dは加算部5bの出力およびマイコン10からのクリア信号を受け取り、連続する2つのクリア信号間に受け取る加算部5bの出力のピーク値を検出してマイコン10に出力する。
トラッキングエラー振幅測定部7は所定区間におけるTEのピーク値およびボトム値からTE信号の振幅を測定し、TE信号の振幅を測定した結果を内部のメモリ7aに記憶する。またトラッキングエラー振幅測定部7は、領域判別部5の出力に基づいて、光ヘッド2から出射する光ビームが記録領域を照射している期間のTE信号の振幅と、未記録領域を照射している期間のTE信号の振幅をそれぞれ測定して内部のメモリ7aに記憶する。
図3は、トラッキングエラー振幅測定部7の構成を示すブロック図であり、トラッキングエラー振幅測定部7は、メモリ7a、ピーク検出部7b、ボトム検出部7b’、タイマ7cおよびスイッチ部7dを含む。
トラッキングエラー振幅測定部7は、領域判別部5からのJDG信号およびトラッキングエラー検出部3からのTE信号を受け取る。スイッチ部7dは、JDG信号により制御され、光ビームが記録領域を照射している期間、つまり、JDG信号が“L”となるときに閉じるように構成されている。JDG信号が“L”となるとき、TE信号はピーク検出部7bおよびボトム検出部7b’に入力される。ピーク検出部7bおよびボトム検出部7b’はタイマ7cの出力に応じて所定期間のTE信号のピーク値およびボトム値を検出する。タイマ7cはマイコン10からの測定開始信号にしたがって所定期間をカウントし、ピーク検出およびボトム検出を指示する。ピーク検出部7bおよびボトム検出部7b’が検出したピーク値およびボトム値からJDG信号が“L”のときのTE振幅を検出してメモリ7aに出力し、メモリ7aはTE振幅値を記憶する。
トラッキングエラー振幅調整部6はトラッキングエラー検出部3からのTE信号、および領域判別部5からのJDG信号を入力とし、ディスク1に集光された光ビームが記録領域および未記録領域のいずれかを照射していてもトラッキング制御のループゲインを一定にするように調整する。具体的には、トラッキングエラー振幅調整部6は図4に示すように、第1のゲイン部6a、第2のゲイン部6bおよびスイッチ部6cを含む。
第1のゲイン部6aは、トラッキングエラー検出部3からのTE信号、および、トラッキングエラー振幅測定部7のメモリ7aからTE信号の振幅測定値A1を受け取る。第1のゲイン部6aは第1のトラッキング調整信号としてトラッキングエラー振幅調整部6の出力TENが所定値ANになるようにゲインG1を算出し、TEに乗算する。ゲインG1は式2より算出する。
G1=AN/A1 ・・・ (式2)
また第2のゲイン部6bは、トラッキングエラー検出部3からのTE信号、第1のゲイン部6aからゲインG1およびマイコン10からの比例定数Gcを受け取る。比例定数Gcは、ディスク1に集光されたビームが記録領域にあるか未記録領域にあるかによって生じるTE信号の振幅の差、即ちトラッキング制御ループゲイン差を補間するための補正ゲインである。第2のゲイン部6bは上記のゲインG1および比例定数GcをTEに乗算する。なお、比例定数Gcの決定方法については以下において詳細に説明する。
本実施形態では第1のゲイン部6aから第2のゲイン部6bへG1が出力されるように構成したが、第2のゲイン部6bにトラッキングエラー振幅測定部7内部のメモリ7aからTE振幅測定値A1が入力されるようにし、式2を用いて第2のゲイン部6bがゲインG1を算出するようにしてもよい。このような構成でも同じ効果が得られる。
第1のゲイン部6a、第2のゲイン部6bの出力はスイッチ部6cに入力される。スイッチ部6cは2入力1出力構造を備え、JDG信号により制御される。光ビームがディスク1の記録領域を照射し、JDG信号が“L”であるとき、スイッチ部6cは第1のゲイン部6aの出力を選択する。これにより、トラッキングエラー振幅調整部6は、第1のゲイン部6aの出力をTEN信号として出力する。またJDG信号が“H”であるとき、スイッチ部6cは第2のゲイン部6bの出力を選択する。これにより、トラッキングエラー振幅調整部6は、第2のゲイン部6bの出力をTEN信号として出力する。つまり、トラッキングエラー振幅調整部6は、光ビームの集光位置が記録領域にあるか未記録領域にあるかに応じて、TE信号に掛けられる比例定数を切り替え、TE信号のゲインを切り替え、トラッキングエラー振幅調整部6の出力はトラッキング制御部4に出力される。
トラッキングゲイン測定部8はディスク1に集光された光ビームとディスク1上のトラックとの位置ずれを制御するトラッキング制御のループゲインを測定する。例えば図1に示すトラッキングゲイン測定部8は所定周波数f[Hz]の外乱信号をTENに加算して外乱信号加算前後のTEN信号を測定する。そして、その信号比から所定周波数f[Hz]におけるループゲインを算出する。トラッキングゲイン測定部8は領域判別部5のJDG信号を受け取り、JDG信号が“L”であるときのゲインGlおよびJDG信号が“H”であるときのゲインGhから、振幅補正ゲインGcを算出する。Gcの算出は式3に従う。
Gc=Gl/Gh ・・・ (式3)
具体的には、図5に示すように、トラッキングゲイン測定部8は発振器8a、ゲイン演算部8bおよび調整ゲイン演算部8cを含む。発信器8aはトラッキング制御のループゲインを測定するときに、任意の周波数および振幅の正弦波dをトラッキングエラー振幅調整部6の出力であるTEN信号に加算する。ゲイン演算部8bは、発信器8aがTEN信号に正弦波dを加算している期間、トラッキングエラー振幅調整部6のTEN信号(図中TENinと記す)およびTEN信号と発信器8aの出力を加算した信号(図中TENoutと記す)の絶対値、すなわち、信号の振幅をそれぞれ積分し、積分値の比率から、トラッキング制御ループのゲインを演算し、調整ゲイン演算部8cに出力する。調整ゲイン演算部8cは領域判別部5のJDG信号に応じてゲイン演算部8bの出力を格納し、式3に示すように、記録領域におけるトラッキング制御ループのゲインGlと未記録領域におけるトラッキング制御ループのゲインGhの割合を比例定数Gcとして演算し、トラッキングエラー振幅調整部6に出力する。
トラッキング制御部4はTE信号に位相補償を施し、信号強度を電流変化に変換したものを駆動信号としてトラッキングコイル2jに出力する。トラッキングコイル2jはトラッキング制御部4の出力にしたがって集束レンズ2eをディスク1の半径方向に駆動する。これによりTE信号に基づいて、光ビームの集光位置がディスクのトラック上にあるよう集光レンズ2eが移動し、光ビームがトラックを外れないように制御することができる。
移送台9は、マイコン10の移送出力に応じてトラッキングコイルによって制御できないような光学ヘッドの大きな半径方向の移動を制御する。たとえば、所定のトラックへ光ヘッドを移動させる場合には、移送台9によって光ヘッドを所定のトラックまで移動させ、トラッキングコイルによってそのトラックを追随するように制御する。
次に図6Aおよび図6Bに示すフローチャートを参照して、トラッキング制御装置51の動作シーケンスを説明する。以下で説明する動作シーケンスを実行するための制御方法はコンピュータに読み取り可能なプログラムやファームウエアとしてDSP、EEPROM、RAMなどに記憶されている。
まず、図6A中、「START」で示す動作開始状態では、フォーカス制御が動作している結果、半導体レーザ2aから出射された出射光はディスク1のデータ記録面の任意の位置に集光されているものとする。
具体的には、データ記録面から反射する光は、出射光の光路に沿って集束レンズ2eおよび波長板2dを通過する。そして、偏向ビームスプリッタ2cによって、出射光の光路から分離されて光検出ホログラム2fに入射する。光検出ホログラム2fは、トラッキングエラー検出用−1次光とフォーカスエラー検出用+1次光とに分離して回折する。+1次光検出器2hはフォーカスエラー検出用+1次光を電気信号に変化して出力する。+1次光検出器2hの出力から、集光状態を示すフォーカスエラー信号を生成し、フォーカスエラー信号を所定値に制御するフォーカス位相補償を施す。この信号を用いて集束レンズ2eをディスク1の記録面に対して垂直方向に駆動することにより、フォーカス制御が実現する。
一方、−1次光検出器2iはトラッキングエラー検出用−1次光を電気信号に変換して、トラッキングエラー検出部3および領域判別部5に出力する。トラッキングエラー検出部3は−1次光検出器2iの出力から、出射光とディスク1のトラック中心との位置ずれを示すトラッキングエラー信号を検出する。
最初にマイコン10は領域判別部5に対して領域判別値C1を出力する。またトラッキングエラー振幅調整部6は第1のゲイン部6aおよび第2のゲイン部6bの利得となるゲインG1およびG1+Gcの初期値を設定する(Step1)。
なお、DVD−Rディスクの記録領域におけるピーク検出部5dの出力と未記録領域におけるピーク検出部5dの出力を予め測定しておき、マイコン10が領域判別部5に対して出力する領域判別値C1の初期値をこれら2つの出力の間の値とすることにより、領域判別値C1の初期値の信頼性を確保することができる。
領域判別部5において、低域通過フィルタ5aによって雑音が除去された信号TR1、TR2は加算され、和信号が得られる。マイコン10によって領域判別値C1が設定されると、和信号と領域判別値C1とが比較器5cにより比較されて“H”あるいは“L”の2値化信号であるJDG信号が領域判別部5から出力される。またトラッキングエラー振幅調整部6の第1のゲイン部6aおよび第2のゲイン部6bにそれぞれゲインG1およびG1+Gcが設定される。出射光がディスク1の記録領域にあるか未記録領域にあるかによって、領域判別部5は“H”あるいは“L”のJDG信号を出力する。トラッキングエラー振幅調整部6はトラッキングエラー検出部3からの出力であるTE信号に利得G1あるいは利得G1+Gcを乗算し、JDG信号が”L”である場合には、TE信号に利得G1を乗算した値を出力TENとして出力し、JDG信号が”H”である場合には、TE信号に利得G1+Gcを乗算した値を出力TENとして出力する。ただしこの時点ではトラッキングエラー振幅調整部6におけるゲインG1あるいはG1+Gcは初期値であるため、トラッキングエラー振幅調整部6の出力TENの振幅が所望の大きさであるとは限らない。
次にトラッキングエラー振幅測定部7はTE信号の振幅を測定する。具体的には、JDG信号に基づいて、出射光がディスク1の記録領域にあるとき(JDG信号が”L”)のTE信号の振幅を測定する。測定結果はトラッキングエラー振幅測定部7のメモリ7aに記憶される(Step2)。
次に、TE信号の振幅測定が記録領域で実行されたか否かを判別する。これはStep2の結果としてトラッキングエラー振幅測定部7のメモリ7aに振幅値が記憶されているか否かで判別できる。振幅測定が記録領域で行われなかった場合は、振幅が測定されないので、メモリ7aには結果が残っていない、すなわち、メモリ7aにはゼロが記憶されている。Step2が記録領域で実行されたとき、トラッキングエラー振幅調整部6はトラッキングエラー振幅測定部7のメモリ7aが記憶した振幅A1を取得して第1のゲイン部6aの利得ゲインG1をG2に、第2のゲイン部6bの利得ゲインG1+GcをG2+Gcに更新する。このときゲインG2は既に説明したように、式2を用いてゲインG1を算出し、G1をG2として更新する。TE信号の振幅測定が記録領域で行われなかった場合(Step3においてNOを選択)は第1のゲインおよび第2のゲインは更新しないでそれぞれG1およびG1+Gcのままである。
TE信号の振幅測定が記録領域で実行されて、第1のゲイン部6aおよび第2のゲイン部6bの利得が更新されたとき、トラッキングエラー振幅調整部6の出力TENの振幅は所望の振幅に調整される。トラッキングエラー振幅調整部6の出力TENはトラッキング制御部4に出力されて、位相補償が施される。トラッキング制御部4の出力は駆動信号としてトラッキングコイル2jに出力される。トラッキングコイル2jはトラッキング制御部4の出力に基づいて集束レンズ2eを駆動する、すなわち、トラッキング制御がONになる。
次にマイコン10は光学ヘッド2がディスク1の内周方向に移動するよう移送台9に駆動信号を出力する。移送台9が光学ヘッド2をディスク1の内周方向に移動させた後、出射光がディスク1のリードイン領域のコントロール・データ・ゾーンに照射するようにトラッキング制御部4が集束レンズ2eへ駆動信号を出力する。これにより、トラッキングコイル2jは集束レンズ2eを駆動し、出射光がコントロール・データ・ゾーンに移動する(Step4)。
ここで図7および図8を参照して、DVD−Rディスクのセクタ構造を説明する。図7はDVD−Rディスクの物理セクタの配置を示した図である。データを記録するのに適した半導体レーザ2aの光ビーム強度を調整するためのパワーキャリブレーション領域(Power Calibration Area、PCA)および記録したデータを管理するための記録管理領域(Recording Management Area、 RMA)を備えるR−インフォメーション領域(R-Information Area)がディスク最内周に配置されている。光ビーム強度を調整するたびに、パワーキャリブレーション領域の一部にデータの書き込みがなされるが、パワーキャリブレーション領域には十分な未記録領域が存在する。その外周側にディスク情報等が予め記録されているリードイン領域(Lead-in Area)が配置されている(以下において詳述)。さらに外周側にユーザーデータを記録するためのデータ領域が配置され、ディスク最外周にユーザーデータの終わりとしてリードアウト領域が配置されている。
次に、図8を参照して、リードイン領域における物理セクタの配置を説明する。図8はDVD−Rディスクの物理セクタ構造を示した模式図である。図中括弧内に16進数で表記された値は各ゾーンの先頭セクタを示したものである。
DVD−Rディスクのリードイン領域は内周からイニシャル・ゾーン、リファレンス・コード・ゾーン、バッファ・ゾーン1、コントロール・データ・ゾーン、バッファ・ゾーン2が配置されている。このうちイニシャル・ゾーン、バッファ・ゾーン1、バッファ・ゾーン2は全て0(ゼロ)のデータが記録されている。リファレンス・コード・ゾーンは基本周期の信号が記録され、ディスクへのデータ記録・再生用パラメータを調整するための基準信号として記録されている。コントロール・データ・ゾーンはディスクタイプ等を含むディスク情報が記録されている。つまり、コントロール・データ・ゾーンは記録領域である。
図6Bに示すように、Step2において、TE信号の振幅測定が記録領域で実行されなかった場合(Step5)、マイコン10は、トラッキング制御をOFFにして、トラッキングエラー振幅測定部7にTE信号の振幅を測定させる。このとき出射光はコントロール・データ・ゾーンを照射しており、コントロール・データ・ゾーンは記録領域である。このため、領域判別部5のJDG信号は”L”となり、トラッキングエラー振幅測定部7は、TE信号の振幅を測定する。測定結果はトラッキングエラー振幅測定部7のメモリ7aに記憶される。
トラッキングエラー振幅調整部6はトラッキングエラー振幅測定部7のメモリ7aが記憶した振幅A1を取得し、第1のゲイン部6aの利得ゲインG1をG2に、第2のゲイン部6bの利得ゲインG1+GcをG2+Gcに更新する。このときゲインG2は既に説明したように式2を用いてゲインG1を算出し、G1をG2として更新する。第1のゲインおよび第2のゲインを更新した後にトラッキング制御を再びONする。
Step2において、TE信号の振幅測定が記録領域で実行された場合には、Step5においてNOを選択し、コントロール・データ・ゾーンにおけるTE信号の振幅測定は行わない。
次にトラッキングゲイン測定部8はコントロール・データ・ゾーン(記録領域)におけるトラッキング制御ループのゲインを測定する(Step6)。図5を参照して説明したように、発信器8aから任意の周波数および振幅の正弦波dをトラッキングエラー振幅調整部6の出力TENに加算し、発信器8aから正弦波dが出力されている期間、トラッキングエラー振幅調整部6の出力TEN(図中TENinと記す)およびTENと発信器8aの出力を加算した信号(図中TENoutと記す)の絶対値をそれぞれ積分する。積分値の比率よりトラッキング制御ループのゲインを演算し、調整ゲイン演算部8cに出力する。調整ゲイン演算部8cは領域判別部5の出力JDGが“L”であるので、ゲイン演算部8bの出力を記録領域におけるトラッキング制御ループのゲインGlとして格納する。しかし未記録領域におけるトラッキング制御ループのゲインGhの格納値がないため比例定数Gcは演算しない。その結果、トラッキングエラー振幅調整部の比例定数Gcは更新されない。
マイコン10はコントロール・データ・ゾーンでトラッキング制御ループのゲインを測定した後、領域判別部5のピーク検出部5dにクリア信号を出力する。続いてピーク検出部5dは加算部5bの出力信号のピーク値を測定する。ピーク検出部5dの出力は再びマイコン10に入力されて、記録領域における−1次光検出器2iの出力TR1、TR2の加算信号(TR1+TR2)のピーク値をTSlとして記憶する(Step6)。
次に、マイコン10は光学ヘッド2がリードイン領域のコントロール・データ・ゾーンよりも更に内周方向に移動するよう、移送台9に駆動信号を出力する(Step7)。移送台9はマイコン10の駆動信号に応じて光学ヘッド2をディスク1の内周方向に移動させる。移送台9が光学ヘッド2をディスク1の内周方向に移動させた後に、出射光がディスク1のパワーキャリブレーション領域に照射するようにトラッキング制御部4は集束レンズ2eへの駆動信号を出力し、トラッキングコイル2jを介して集束レンズ2eは出射光をR−インフォメーション領域のパワーキャリブレーション領域に移動させる。
続いてトラッキングゲイン測定部8は未記録領域であるパワーキャリブレーション領域におけるトラッキング制御ループのゲインを測定する。上述のように発信器8aから任意の周波数および振幅の正弦波dをトラッキングエラー振幅調整部6のTEN信号に加算して、発信器8aから正弦波dが出力されている期間、トラッキングエラー振幅調整部6のTEN信号(図中TENinと記す)およびTEN信号と発信器8aの出力を加算した信号(図中TENoutと記す)の絶対値をそれぞれ積分し、積分値の比率よりトラッキング制御ループのゲインを演算し、調整ゲイン演算部8cに出力する。調整ゲイン演算部8cは領域判別部5のJDG信号が“H”であるので、ゲイン演算部8bの出力を未記録領域におけるトラッキング制御ループのゲインGhとして格納する。またマイコン10はパワーキャリブレーション領域でトラッキング制御ループのゲインを測定した後に領域判別部5の内部のピーク検出部5dにクリア信号を出力する。続いてピーク検出部5dは加算部5bの出力信号のピーク値を測定する。ピーク検出部5dの出力は再びマイコン10に入力されて、未記録領域における−1次光検出器2iの出力TR1、TR2の加算信号のピーク値をTShとして記憶する。
トラッキングゲイン測定部8は記録領域におけるトラッキング制御ループのゲインGl、未記録領域におけるトラッキング制御ループのゲインGhより上述の式3を用いて比例定数Gcを算出し、トラッキングエラー振幅調整部6の第2のゲイン部6bに設定する。
続いてStep8に示すように、マイコン10は記録領域におけるTSピーク値TSl、未記録領域におけるTSピーク値TShより領域判別値C1を更新する。C1は式4に従う。
C1=(TSh+TSl)/2 ・・・ (式4)
これにより、ディスク1の記録面に照射された出射光がデータの記録領域および未記録領域のいずれに照射されても、領域判別部5は出射光がディスク1の記録面の記録領域を照射しているか未記録領域を照射しているかを正確に判別できる。また、領域判別部5の判別結果に応じてトラッキングエラー振幅調整部6はトラッキングエラー検出部3の出力に適切な利得を掛け合わせることができる。このため、出射光がデータ記録面の記録領域および未記録領域のいずれを照射している場合であっても、トラッキング制御部4への出力信号は適切な信号強度となるように調整され、高い精度および高い安定性でトラッキング制御を行うことのできるトラッキング制御装置が実現できる。
なお、本実施形態に示した以外にもトラッキング制御ループのゲインを測定する方法として、たとえば、トラッキング制御ループを閉じた状態においてトラッキング制御残差を測定する方法等の種々の方式が提案され、実用されている。これらの方法を用いて、光学ヘッドから出射する光が、ディスク1の記録面の記録領域および未記録領域にある時のトラッキング制御ループのゲインを測定しても本実施形態と同様の効果が得られる。
また録領域判別値C1を更新する際、式4を用いているが、領域判別値C1は式5に示すようにTShとTSlに挟まれた任意の値としても本実施形態と同様の効果が得られる。
TSh<C1<TSl ・・・ (式5)
さらに本実施形態ではコントロール・データ・ゾーンを記録領域として用い、パワーキャリブレーション領域を未記録領域として用いたが、図9Aおよび図9Bに示す動作シーケンスを実行しても同様の効果が得られる。図9Aおよび図9Bに示す動作シーケンスでは、本実施形態における動作シーケンスで用いたコントロール・データ・ゾーンおよびパワーキャリブレーション領域に換えてR−インフォメーション領域の記録管理領域に設けられている記録領域および未記録領域を用いる。たとえば、記録領域は、記録管理領域の中でディスクに記録されたデータの管理情報が記録された領域であり、未記録領域は、記録管理領域の中で管理情報が記録されていない領域である。より具体的には、図9Aに示すように、Step1からStep3を実行した後、Step4において、光ヘッドから出射する光が記録管理領域の記録領域を照射するように光ヘッドを移動させる。また、Step7では、光ヘッドから出射する光が記録管理領域の未記録領域を照射するように光ヘッドを移動させる。図9Aおよび図9Bに示す他の手順は本実施形態と同様にすることによって、上述した効果を得ることができる。
なお本実施形態では、ディスク1としてDVD−Rディスクを示したが、CD−RあるいはCD−RWディスクが装填されたときは図10Aおよび図10Bに示す動作シーケンスを実行することによって、CD−RおよびCD−RWディスクに対応したトラッキング制御装置を実現できる。図10Aおよび図10Bは、図6Aおよび図6Bに示した動作シーケンスに対応するものである。CD−RおよびCD−RWディスクを用いる場合には、TOC(Table of Contents)領域の情報に基づいて検索した記録領域と、パワーキャリブレーション領域内のテスト領域に隣接した最初あるいは最後の30ATIP(Absolute Time In Pre-groove)フレーム間の領域とを用いる。これらの領域は、テスト領域の開始および終了位置を示すものとして容易に検出できるよう情報が記録されていない。つまり、未記録領域である。
具体的には、図10Aに示すように、Step1からStep3を実行した後、Step4において、まず、光ヘッドをTOC領域に移動させて、TOC領域に記録されているデータを取得する。たとえば、最終セッションの位置を読み取る。そして、最終セッションまでの任意の記録領域(記録済みデータ領域)を光ヘッドから出射する光が照射するように、光ヘッドを移動させ、その位置において、Step5を実行する。あるは、記録済みのパワーキャリブレーション領域へ光ヘッドを移動させてもよい。
また、図10Bに示すように、Step7では、パワーキャリブレーション領域内においてテスト領域に隣接した最初あるいは最後の30ATIPフレーム間の領域へ光ヘッドを移動さる。図10Aおよび図10Bに示す他の手順は本実施形態と同様にすることによって、上述した効果を得ることができる。
ディスク1としてDVD−RWディスクが装填されたときは図11Aおよび図11Bに示す動作シーケンスを実行してもよい。図11Aに示すように、Step1からStep3を実行した後、Step4において、光ヘッドをパワーキャリブレーション領域へ移動させる。そして、光ヘッドから光ビームを照射して、テスト記録を行う。その後、テストパターンが記録された領域を記録領域として、TE信号の振幅測定を行う。
また、Step6においてトラッキングゲインの測定およびTSピーク値の測定を行った後、パワーキャリブレーション領域のテストパターンが記録された記録領域に光ビームを照射して、テストパターンを消去する。これにより、テストパターンが記録された領域は未記録領域となる。この消去した領域を未記録領域として用い、トラッキングゲイン測定およびTSピーク値測定を行う。その後、図6Bで説明した手順と同じ手順によって、測定を行うことよって、上記本実施形態と同様の効果を得ることができる。
この場合、図11Aおよび図11Bに示す動作シーケンスにおいて、Step3を実行後、Step7を先に実行し、その後Step4からStep6およびStep8を実行してよい。
なおこのように同一トラックを記録領域および未記録領域として用いる方法は、DVD−RWディスクに対してのみ適用されるものでなく、書き換え型の記録媒体であれば他の規格のものであっても同様の方法を適用することができる。
たとえば、DVDよりも高密度でデータを記録することが可能な書き換え型高密度記録媒体に本実施形態のトラッキング制御装置を適合させることも可能である。たとえば、非特許文献1に開示されている書き換え型高密度記録媒体は相変化型の記録フォーマットを採用し、波長405nmの光を用いてデータの記録および再生を行う。記録容量は、直径12cmのディスクにおいて、最大27GB/層であり、36Mbpsの速度でデータを転送することが可能である。この書き換え型高密度記録媒体は、記録の際の光パワーを調整するために、テスト記録が可能なオプティマム・パワー・コントロール(OPC)領域と、記録媒体の情報を記録されているパーマネント・インフォメーション&コントロール・データ(PIC)領域とを備えている。
図12Aおよび図12Bは、この書き換え型高密度記録媒体に適合したトラッキング制御装置の動作シーケンスを説明するフローチャートである。図12Aに示すように、Step1からStep3を実行した後、Step4において、光ヘッドをOPC領域へ移動させる。そして、光ヘッドから光ビームを照射して、テスト記録を行う。その後、テストパターンが記録された領域を記録領域として、TE信号の振幅測定を行う。
また、Step6においてトラッキングゲインの測定およびTSピーク値の測定を行った後、OPC領域のテストパターンが記録された記録領域に光ビームを照射して、テストパターンを消去する。これにより、テストパターンが記録された領域は未記録領域となる。この消去した領域を未記録領域として用い、トラッキングゲイン測定およびTSピーク値測定を行う。その後、図6Bで説明した手順と同じ手順により測定を行うことによって、上記本実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上述の動作シーケンスにおいて、Step4の換わりにStep4’を実行してもよい。具体的には、Step1からStep3を実行した後、Step4’において、光ヘッドをPIC領域へ移動させ、PIC領域のあらかじめ記録されたデータを用いて、TE信号の振幅を測定してもよい。この場合には、Step7において、光ヘッドをOPC領域へ移動させ、必要に応じてデータの消去を行ったあと、Step8を実行する。
また、図12Aおよび図12Bに示す動作シーケンスにおいて、Step3を実行後、Step7を先に実行し、その後Step4からStep6およびStep8を実行してよい。
また、本実施形態では記録領域および未記録領域におけるトラッキング制御ループゲインを一定にするために、トラッキングエラー信号振幅調整部6にて第1のゲインG1、あるいはG2、第2のゲインG1+Gc、あるいはG2+Gcを切り替えていたが、第1および第2のゲイン切り替え機能をトラッキング制御部4に備えても同様の効果を得ることができる。
さらに本実施形態ではトラッキングエラー検出方式としてプッシュプル方式を採用したが、差動プッシュプル(DPP)方式においても同様の効果が得られる。
(第2の実施形態)
図13は本発明によるトラッキング制御装置の第2の実施形態を示すブロック図である。第1の実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付している。図13に示すトラッキング制御装置52は、第1の実施形態のトラッキングエラー振幅調整部6に換えてトラッキングエラー振幅調整部11を備えている。また、マイコン12はディスク1に対して記録あるいは再生を行うためのゲート信号(以下、WTGT信号と記す)を半導体レーザ2kおよびトラッキングエラー振幅調整部11に出力する。マイコン12は、WTGT信号として、記録時に“H”信号を出力し、再生時に“L”信号を出力する。半導体レーザ2kの出力は記録用または再生用に切り替え可能であり、マイコン12からのWTGT信号出力に応じて半導体レーザ2kの光出力が切り替わる。
図13は本発明によるトラッキング制御装置の第2の実施形態を示すブロック図である。第1の実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付している。図13に示すトラッキング制御装置52は、第1の実施形態のトラッキングエラー振幅調整部6に換えてトラッキングエラー振幅調整部11を備えている。また、マイコン12はディスク1に対して記録あるいは再生を行うためのゲート信号(以下、WTGT信号と記す)を半導体レーザ2kおよびトラッキングエラー振幅調整部11に出力する。マイコン12は、WTGT信号として、記録時に“H”信号を出力し、再生時に“L”信号を出力する。半導体レーザ2kの出力は記録用または再生用に切り替え可能であり、マイコン12からのWTGT信号出力に応じて半導体レーザ2kの光出力が切り替わる。
図14に示すように、トラッキングエラー振幅調整部11は、第1のゲイン部11a、第2のゲイン部11b、スイッチ部11cおよびNAND部11dを含む。第1のゲイン部11a、第2のゲイン部11bおよびスイッチ部11cは第1の実施形態のトラッキングエラー振幅調整部6の対応する要素と同じ働きをする。第1のゲイン部11aおよび第2のゲイン部11bの利得G1、G1+Gc、G2、G2+Gcの決定方法も第1の実施形態で説明した方法と同じである。
NAND部11dは、領域判別部5のJDG信号およびマイコン12からのWTGT信号を受け取って、これら両方の信号が”L”であるときにのみ、スイッチ部11dに信号を出力する。具体的には、WTGT信号およびJDG信号が共に“L”であるとき、すなわち、ディスク1に記録されているデータを再生している状態であり、かつ、出射光が記録領域を照射しているときにのみTE信号に第2のゲイン部11bの利得G1+Gcを乗算した値をTENとして出力する。WTGT信号あるいはJDG信号の少なくともどちらかが“H”信号であるときにはTE信号に第1のゲイン部11aの利得G1を乗算した値をTENとして出力する。
次に、トラッキング制御装置52を用いてディスク1にデータ記録をする動作を説明する。本実施の形態においてもディスク1としてDVD−Rディスクが装填されているものとする。
マイコン12はディスク1にデータの記録を行うように”H”を示すWTGT信号を半導体レーザ2kおよびトラッキングエラー振幅調整部11に出力する。これにより、半導体レーザ2kの出力は、再生用である0.7mWから記録用である5.0mWに切り替えられる。半導体レーザ2kから出力された出射光は、コリメータレンズ2b、偏向ビームスプリッタ2c、波長板2dおよび集束レンズ2eによりディスク1のデータ記録面に集光され、データが記録される。
集光した光はデータ記録面において反射し、出射光の光路に沿って再び集束レンズ2eおよび波長板2dを通過する。そして、偏向ビームスプリッタ2cによって、出射光の光路から分離されて光検出ホログラム2fに入射する。光検出ホログラム2fは、反射光をトラッキングエラー検出用−1次光とフォーカスエラー検出用+1次光とに分離して回折する。トラッキングエラー検出用−1次光およびフォーカスエラー検出用+1次光はそれぞれ−1次光検出器2iおよび+1次光検出器2hに入射し、電気信号に変換される。
+1次光検出器2hの出力は、ディスク1のデータ記録面における出射光の集光状態を示すフォーカスエラー信号として検出され、公知の方法を用いてフォーカスエラー信号がゼロになるよう、集束レンズ2eの位置が制御される。
−1次光検出器2iも第1の実施形態において説明したように、信号TR1およびTR2をトラッキングエラー検出部3に出力する。トラッキングエラー検出部3はプッシュプル法により、TE信号(トラッキングエラー信号)を生成する。
領域判別部5は信号TR1およびTR2を受け取り、これらの和の値と、領域判別値C1を比較し、その大小関係から、ディスク1に集光されたビームが記録領域を照射しているか否かを判別し、JDG信号を出力する。
トラッキングエラー振幅調整部11は上述の通り、マイコン12からのWTGT信号とJDG信号とを制御信号とし、WTGT信号とJDG信号とが共に“L”であるとき、すなわち、ディスク1に記録されているデータを再生している状態であり、かつ、出射光が情報の記録領域を照射されているときのみTE信号に第2のゲイン部11bの利得G1+Gcを乗算した値をTENとし、WTGT信号あるいはJDG信号の少なくともどちらかが“H”信号であるときはTE信号に第1のゲイン部11aの利得G1を乗算した値をTENとする。
したがって、ディスク1にデータを記録するときはマイコン12からのWTGT信号は“H”信号であり、TE信号に第1のゲイン部11aの利得G1を乗算した値をTENとして出力する。本実施形態において、ディスク1はDVD−Rディスクであり、DVD−Rディスクは追記型ディスクである。このため、ディスク1にデータを記録する領域は必ずデータが記録されていない未記録領域である。図4で説明したようにトラッキングエラー振幅調整部6をJDG信号のみを制御信号とする構成にするとディスク1にデータを記録するときにTE信号に第2のゲイン部11bの利得G1+Gcを掛けてしまう可能性があるが、図14に示すようにJDG信号とWTGT信号を制御信号にすることによってディスク1にデータを記録するときにTE信号に第1のゲイン部11aの利得G1を掛けられるようにできる。したがって記録時においてもTE信号振幅は所望の値にし、トラッキング制御ループゲインを一定にすることができ、かつ、トラッキング制御の安定性を実現することができる。
本発明のトラッキング制御装置によれば、書き換えあるいは書き込み可能な記録媒体にデータの記録領域および未記録領域が含まれていても、高い精度および高い安定性でトラッキング制御を行うことができる。このトラッキング制御装置は、光ディスク装置に好適に採用することができる。記録媒体としては、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RWのほか、さらに高密度でデータを記録することが可能な高密度記録媒体や、他のフォーマットを採用する書き換えあるいは書き込み可能な記録媒体を用いることが可能である。
1 ディスク
2 光学ヘッド
2a 半導体レーザ
2b コリメータレンズ
2c 偏向ビームスプリッタ
2d 波長板
2e 集束レンズ
2f 光検出ホログラム
2g 検出レンズ
2h +1次光検出器
2i −1次光検出器
2j トラッキングコイル
2k 半導体レーザ
3 トラッキングエラー検出部
4 トラッキング制御部
5 領域検出領域判別部
5a 低域遮断フィルタ
5b 加算部
5c 比較器
5e ピーク検出部
6 トラッキングエラー振幅調整部
6a 第1のゲイン部
6b 第2のゲイン部
7 トラッキングエラー振幅測定部
7a メモリ
7b ピーク検出
7b’ ボトム検出
7c タイマ
7e スイッチ部
8 トラッキングゲイン測定部
8a 発信器
8b ゲイン演算部
8c 調整ゲイン演算部
9 移送台
10 マイコン
11 トラッキングエラー振幅調整部
11a 第1のゲイン部
11b 第2のゲイン部
11c NAND部
12 マイコン
2 光学ヘッド
2a 半導体レーザ
2b コリメータレンズ
2c 偏向ビームスプリッタ
2d 波長板
2e 集束レンズ
2f 光検出ホログラム
2g 検出レンズ
2h +1次光検出器
2i −1次光検出器
2j トラッキングコイル
2k 半導体レーザ
3 トラッキングエラー検出部
4 トラッキング制御部
5 領域検出領域判別部
5a 低域遮断フィルタ
5b 加算部
5c 比較器
5e ピーク検出部
6 トラッキングエラー振幅調整部
6a 第1のゲイン部
6b 第2のゲイン部
7 トラッキングエラー振幅測定部
7a メモリ
7b ピーク検出
7b’ ボトム検出
7c タイマ
7e スイッチ部
8 トラッキングゲイン測定部
8a 発信器
8b ゲイン演算部
8c 調整ゲイン演算部
9 移送台
10 マイコン
11 トラッキングエラー振幅調整部
11a 第1のゲイン部
11b 第2のゲイン部
11c NAND部
12 マイコン
Claims (29)
- 記録媒体のトラックと前記記録媒体に集光した光ビームの集光位置とのずれ量を示すトラッキングエラー信号を検出し、出力するトラッキングエラー検出部と、
前記トラッキングエラー信号に基づいて、前記光ビームの集光位置が前記トラック上にあるように前記光ビームを移動させるための駆動信号を生成するトラッキング制御部と、を備え、
前記光ビームの集光位置が、データの記録された記録領域であるか否かに応じて、前記トラッキングエラー信号および/または前記駆動信号のゲインを切り替えるトラッキング制御装置。 - 前記トラッキングエラー信号に所定の比例定数を乗ずるトラッキングエラー振幅調整部をさらに備え、
前記光ビームの集光位置が前記記録領域であるか否かに応じて前記比例定数を切り替えることにより、前記トラッキングエラー信号のゲインを切り替える請求項1に記載のトラッキング制御装置。 - 記録媒体のトラックと前記記録媒体に集光した光ビームの集光位置とのずれ量を示すトラッキングエラー信号を検出し、出力するトラッキングエラー検出部と、
前記トラッキングエラー信号に基づいて、前記光ビームの集光位置が前記トラック上にあるように前記光ビームを移動させるための駆動信号を生成するトラッキング制御部と、を備え、
前記記録媒体にデータを記録する動作を行っているか否かに応じて、前記トラッキングエラー信号および/または前記駆動信号のゲインを切り替える、トラッキング制御装置。 - 前記トラッキングエラー信号に所定の比例定数を乗ずるトラッキングエラー振幅調整部をさらに備え、
前記記録媒体にデータを記録する動作を行っているか否かに応じて、前記比例定数を切り替えることにより、前記トラッキングエラー信号のゲインを切り替える請求項3に記載のトラッキング制御装置。 - 前記トラッキングエラー検出部、前記トラッキングエラー振幅調整部および前記トラッキング制御部が構成するトラッキング制御ループの任意周波数におけるゲインを測定して記憶するトラッキングゲイン測定部をさらに備え、
前記データの記録された記録領域および前記データが記録されていない未記録領域においてそれぞれトラッキングゲイン測定部が測定したゲインの比率を前記比例定数として用いる請求項2または4に記載のトラッキング制御装置。 - 前記トラッキングエラー検出部および前記トラッキング制御部が構成するトラッキング制御ループの任意周波数におけるゲインを測定して記憶するトラッキングゲイン測定部をさらに備え、
前記データの記録された記録領域および前記データが記録されていない未記録領域においてそれぞれトラッキングゲイン測定部が測定したゲインに基づいて前記ゲインを切り替える請求項1または3に記載のトラッキング制御装置。 - 前記トラッキングエラー信号の振幅を計測するトラッキングエラー振幅測定部をさらに備え、
前記データの記録された記録領域および前記データが記録されていない未記録領域においてそれぞれトラッキングエラー振幅測定部が測定した振幅の比率を前記比例定数として用いる請求項2または4に記載のトラッキング制御装置。 - 前記トラッキングエラー信号の振幅を計測するトラッキングエラー振幅測定部をさらに備え、
前記データの記録された記録領域および前記データが記録されていない未記録領域においてそれぞれトラッキングエラー振幅測定部が測定した振幅に基づいて前記ゲインを切り替える請求項1または3に記載のトラッキング制御装置。 - 前記記録媒体からの反射光あるいは透過光を検出する光検出部と、前記光検出部の出力に基づいて、前記光ビームの集光位置が前記データの記録された記録領域であるか前記データが記録されていない未記録領域であるかを判断する領域判別部と、
をさらに備える、請求項1、6および8のいずれかに記載のトラッキング制御装置。 - 前記光ビームを出射する光源をさらに備え、
前記光ビームを前記記録媒体に照射してデータを書き込むことにより、前記未記録部を前記記録部に変換し、または、前記光ビームを前記記録媒体に照射してデータを消去することにより、前記記録部を前記未記録部に変換する請求項5から8のいずれかに記載のトラッキング制御装置。 - 前記光ビームの集光位置を前記記録媒体のトラックを横断する方向に移動させる移送部をさらに備え、
前記移送部によって光ビームの集光位置を前記記録部および前記未記録部に移動させ、前記記録部および前記未記録部において前記光検出部からそれぞれ得られる出力に基づいて、前記光ビームの集光位置が前記記録部および前記未記録部のいずれにあるかを判別するための領域判別値をあらかじめ決定し、領域判別部は、前記領域判別値と前記光検出部から得られる出力に基づいて、前記光ビームの集光位置が前記記録部にあるか前記未記録部にあるかを判断する請求項9に記載のトラッキング制御装置。 - 前記領域判別値は、前記記録部および前記未記録部において前記記録媒体からそれぞれ得られる反射光あるいは透過光の所定の期間におけるピーク値に基づいて決定される請求項11に記載のトラッキング制御装置。
- 前記記録媒体は追記型記録媒体である請求項1または3に記載のトラッキング制御装置。
- 前記記録領域は、前記記録媒体の管理情報があらかじめ記録された領域である請求項5から8のいずれかに記載のトラッキング制御装置
- 前記記録媒体は、データを記録するときの光ビームの強度を調整するために用いられるテストパターンを書き込む領域を含み、前記テストパターンを書き込む領域を前記記録領域および前記未記録領域として用いる請求項5から8のいずれかに記載のトラッキング制御装置。
- 前記記録媒体はDVD−Rディスクであり、前記記録領域はデータ領域またはコントロール・データ領域であり、前記未記録領域はパワーキャリブレーション領域である請求項5から8のいずれかに記載のトラッキング制御装置。
- 前記記録媒体はCD−RディスクあるいはCD−RWディスクであり、前記記録領域はデータ領域またはパワーキャリブレーション領域であり、前記未記録領域はパワーキャリブレーション領域のテスト領域の最初あるいは最後の30ATIPフレームである請求項5から8のいずれかに記載のトラッキング制御装置。
- 前記記録媒体はDVD−RWディスクであり、前記記録領域はデータ領域、あるいは記録管理領域であり、前記未記録領域はパワーキャリブレーション領域である請求項5から8のいずれかに記載のトラッキング制御装置。
- 前記記録媒体は、波長405nmの光を用いて記録再生が行われる高密度記録媒体であり、前記記録領域はパーマネント・インフォメーション&コントロール・データ領域またはオプティマム・パワー・コントロール領域内であり、前記未記録領域はオプティマム・パワー・コントロール領域である請求項5から8のいずれかに記載のトラッキング制御装置。
- 請求項1に規定されるトラッキング制御装置を含む光ディスク装置。
- 記録媒体のトラックと光ビームの集光位置とのずれ量を検知して、前記光ビームの集光位置が前記記録媒体のトラック上に位置するよう制御するトラッキング制御方法であって、
前記光ビームの集光位置がデータの記録された記録領域にある場合において、任意周波数におけるトラッキング制御ループのゲインを第1のゲインとして測定するステップと、
前記光ビームの集光位置がデータの記録されていない未記録領域にある場合において、任意周波数におけるトラッキング制御ループのゲインを第2のゲインとして測定するステップと、
前記第1のゲインおよび前記第2のゲインに基づき、前記光ビームの集光位置が前記記録領域にあるか前記未記録領域にあるかに応じて、前記トラッキング制御ループのゲインを調整するステップと、
を包含するトラッキング制御方法。 - 記録媒体のトラックと光ビームの集光位置とのずれ量を検知して、前記光ビームの集光位置が前記記録媒体のトラック上に位置するよう制御するトラッキング制御方法であって、
前記光ビームの集光位置がデータの記録された記録領域にある場合において、任意周波数におけるトラッキング制御ループのゲインを第1のゲインとして測定するステップと、
前記光ビームの集光位置がデータの記録されていない未記録領域にある場合において、任意周波数におけるトラッキング制御ループのゲインを第2のゲインとして測定するステップと、
前記第1のゲインおよび前記第2のゲインに基づき、前記記録媒体にデータを記録する動作を行っているか否かに応じて、前記トラッキング制御ループのゲインを調整するステップと、
を包含するトラッキング制御方法。 - 前記光ビームの記録媒体からの反射光あるいは透過光の強度に基づいて、前記光ビームの集光位置が前記記録領域にあるか前記未記録領域にあるかを判定するステップをさらに包含する請求項21または22に記載のトラッキング制御方法。
- 前記未記録領域にデータを記録することによって、前記記録領域を形成するステップをさらに含む請求項21または22に記載のトラッキング制御方法。
- 前記記録領域に記録されたデータを消去することによって、前記未記録領域を形成するステップをさらに含む請求項21または22に記載のトラッキング制御方法。
- 記録媒体のトラックと前記記録媒体に集光した光ビームの集光位置とのずれ量を示すトラッキングエラー信号を検出するステップと、
前記トラッキングエラー信号に基づいて、前記光ビームの集光位置が前記トラック上にあるように前記光ビームを移動させるための駆動信号を生成するステップと、
前記光ビームの集光位置が、データの記録された記録領域であるか否かに応じて、前記トラッキングエラー信号および/または前記駆動信号のゲインを切り替えるステップと、
を包含するトラッキング制御方法。 - 前記ゲインを切り替えるステップにおいて、前記切り替えを、前記記録媒体にデータを記録する動作を行っているか否かにも応じて行う、請求項26に記載のトラッキング制御方法。
- 前記記録媒体からの反射光あるいは透過光を検出し、前記検出した光に基づいて、前記光ビームの集光位置が前記データの記録された記録領域であるか前記データが記録されていない未記録領域であるかを判断するステップをさらに包含する請求項26に記載のトラッキング制御方法。
- 請求項21、22または26に規定されるトラッキング制御方法の各ステップをコンピュータに実行するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003323437A JP2004134061A (ja) | 2002-09-18 | 2003-09-16 | トラッキング制御装置およびトラッキング制御方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN1310227C (zh) * | 2004-07-30 | 2007-04-11 | 建兴电子科技股份有限公司 | 循轨误差信号产生方法 |
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-
2003
- 2003-09-16 JP JP2003323437A patent/JP2004134061A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7443774B2 (en) | 2003-06-13 | 2008-10-28 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Optical head and data processing apparatus including the same |
US7911908B2 (en) | 2003-06-13 | 2011-03-22 | Panasonic Corporation | Optical head and data processing apparatus including the same |
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