JP2004133226A - 現像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナーを滞留させることなく現像室14内のトナーの減少に応じてトナーコンテナ6から現像室14にトナーを適宜に補給しうるようにすること。
【解決手段】現像室14を有するハウジング8と、現像室14内に配設された撹拌搬送手段28と、トナーコンテナ6とを備えた現像装置2。現像室14は、第1及び第2の搬送路26a及び26bと、連通路27a及び27bとを備えている。トナーコンテナ6にはトナー排出開口62が形成されている。ハウジング8における第1の搬送路26aの外側には、トナー受入開口83を備えると共に連通口81Aを介して第1の搬送路26aに連通された突出領域82が配設されている。トナー受入領域は突出領域82内に設定され、連通口81Aの上縁81aは撹拌搬送手段28の頂部よりも下方に位置付けられる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電式プリンタ、複写機及びファクシミリの如き静電式画像形成機に使用される、静電潜像をトナー像に現像するための現像装置、更に詳しくは、トナーコンテナあるいはトナーホッパなどからなるトナー補給手段には、現像室内へのトナー補給可能状態において、トナー受入開口に連通するよう実質的にトナー受入開口に対向してトナー受入開口の上方に位置するトナー排出開口が形成されている形態の現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記形態の現像装置は、本出願人である京セラミタ株式会社によって開発され、すでに出願されている(特許文献1参照)。特許文献1に開示された現像装置は、トナーの循環径路を規定する現像室を有するハウジングと、トナーを撹拌しながら循環径路を通して搬送するための、現像室内に配設された撹拌搬送手段と、現像室内のトナーを現像すべき静電潜像に適用するためのトナー適用手段と、現像室内にトナーを補給するための、ハウジングに着脱自在に装着されるトナーコンテナとを備えている。現像室には、循環径路中のトナー受入領域の上方に位置するトナー受入開口が形成されている。トナーコンテナはトナーを収容したトナーコンテナケースを含み、トナーコンテナケースには、ハウジングにトナーコンテナが装着された時に、トナー受入開口に対向してその上方に位置するトナー排出開口が形成されている。トナーコンテナは、トナーコンテナケース内に収容されたトナーをトナー排出開口に向けて搬送するトナー搬送手段を備えている。現像室に配設された上記撹拌搬送手段の搬送能力は、トナー受入領域の下流側において局部的に低減せしめられている。
【0003】
上記現像装置においては、トナーを撹拌しながら現像室内に規定されている循環径路を通して搬送する撹拌搬送手段の搬送能力が、その上方にトナー受入開口が配設されているトナー受入領域の下流側において局部的に低減せしめられているので、トナー受入領域においてトナーの滞留(よどみ)が生成される。このようなトナーの滞留量は現像室内のトナー量に応じて変動する。トナーコンテナから現像室へのトナーの補給は、トナーコンテナのトナー搬送手段の駆動制御に直接依存することなく、トナー受入領域におけるトナーの滞留量に応じて、従って現像室内のトナー量に応じて自動的に制御される。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−235933号公報(請求項1〜3、図3、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した形態の従来の現像装置においては、現像室内に配設されたトナー量検出センサからの検出信号に基づいて、トナーコンテナのトナー搬送手段を駆動制御することにより現像室へのトナーの補給量を制御する必要がなくなるので、該センサ及びトナーコンテナのトナー搬送手段を駆動するための専用駆動源が不要となり、したがって、製作コストの低減が可能になるにもかかわらず、現像室内のトナーの減少に応じてトナーコンテナから現像室に適宜にトナーを補給することが可能になる、との優れた効果が得られる。しかしながらその反面、トナー受入領域において、撹拌搬送手段の上方のトナーには、撹拌搬送手段の回転に伴う脈動や振動が伝わりやすく、トナーコンテナからのトナー補給圧力と相俟ってトナーが過剰に圧迫され、トナーの凝集、あるいはブロッキングが生成されてトナーの円滑な流れが阻害されるおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、トナーの搬送路内においてトナーの滞留を生成せしめないにもかかわらず、トナーコンテナあるいはトナーホッパなどからなるトナー補給手段におけるトナー搬送手段を駆動するための専用駆動源を必要とすることなく、従って製作コストを充分に低減することができるにもかかわらず、現像室内のトナーの減少に応じてトナー補給手段から現像室に適宜にトナーを補給することができる、新規かつ改良された現像装置を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、トナー受入領域におけるトナーの過剰な圧迫を確実に回避しながら、トナーコンテナあるいはトナーホッパなどからなるトナー補給手段におけるトナー搬送手段を駆動するための専用駆動源を必要とすることなく、従って製作コストを充分に低減することができるにもかかわらず、現像室内のトナーの減少に応じてトナー補給手段から現像室に適宜にトナーを補給することができる、新規かつ改良された現像装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の一局面によれば、トナーの搬送路を規定する現像室を有するハウジングと、トナーを撹拌しながら搬送路を通して搬送するための、現像室内に配設された撹拌搬送手段と、現像室内のトナーを現像すべき静電潜像に適用するためのトナー適用手段と、現像室内にトナーを補給するためのトナー補給手段とを備え、ハウジングにはトナー受入領域の上方に位置するトナー受入開口が配設されており、トナー補給手段には、現像室内へのトナー補給可能状態において、トナー受入開口に連通するよう実質的にトナー受入開口に対向してトナー受入開口の上方に位置するトナー排出開口が形成されている現像装置において、
ハウジングにおける搬送路の外側には、該トナー受入開口を備えると共に連通口を介して搬送路に連通された突出領域が配設され、トナー受入領域は突出領域内に設定され、連通口の上縁は撹拌搬送手段の頂部よりも下方に位置付けられる、
ことを特徴とする現像装置、が提供される。
【0009】
本発明の他の局面によれば、トナーの循環経路を規定する現像室を有するハウジングと、トナーを撹拌しながら循環経路を通して搬送するための、現像室内に配設された撹拌搬送手段と、現像室内のトナーを現像すべき静電潜像に適用するためのトナー適用手段と、現像室内にトナーを補給するためのトナー補給手段とを備え、循環径路は、トナー適用手段に平行に延在する第1の搬送路と、第1の搬送路とトナー適用手段との間をそれらに沿って延在する第2の搬送路と、第1及び第2の搬送路の両端領域間をそれぞれ連通する連通路とを備え、撹拌搬送手段は、第1の搬送路に配設された第1の撹拌搬送手段と、第2の搬送路に配設された第2の撹拌搬送手段とを備え、ハウジングにはトナー受入領域の上方に位置するトナー受入開口が配設されており、トナー補給手段には、現像室内へのトナー補給可能状態において、トナー受入開口に連通するよう実質的にトナー受入開口に対向してトナー受入開口の上方に位置するトナー排出開口が形成されている現像装置において、
ハウジングにおける第1の搬送路の外側には、該トナー受入開口を備えると共に連通口を介して第1の搬送路に連通された突出領域が配設され、トナー受入領域は突出領域内に設定され、連通口の上縁は第1の搬送路内に配設された第1の撹拌搬送手段の頂部よりも下方に位置付けられる、
ことを特徴とする現像装置、が提供される。
第1の撹拌搬送手段は第1の搬送路に沿って延在する第1の回転螺旋羽根部材から構成され、該連通口の上縁は第1の回転螺旋羽根部材の外径の頂部よりも下方に位置付けられる、ことが好ましい。
ハウジングは、底壁及び第1の搬送路の外側を規定する端壁を備え、端壁は、第1の搬送路内に配設された第1の回転螺旋羽根部材の外側近傍位置を第1の回転螺旋羽根部材に沿って延在する外側近傍領域と、外側近傍領域から外側に突出した該突出領域とを備え、該連通口は端壁の外側近傍領域に形成され、該連通口の下縁は実質的に該底壁の上面により規定されている、ことが好ましい。
第1の回転螺旋羽根部材の最下端は該底壁の上面に近接して配置され、第1の回転螺旋羽根部材を軸方向に見て、第1の回転螺旋羽根部材の外径の最下端を通る接線と一致する水平面から該連通口の上縁までの鉛直長さをXとし、第1の回転螺旋羽根部材の外径をYとしたとき、X≦3/4Yに規定される、ことが好ましい。
第1の回転螺旋羽根部材の最下端は該底壁の上面に近接して配置され、第1の回転螺旋羽根部材を軸方向に見て、第1の回転螺旋羽根部材の外径の最下端を通る接線と一致する水平面から該連通口の上縁までの鉛直長さをXとし、第1の回転螺旋羽根部材の外径をYとしたとき、1/4Y≦Xに規定される、ことが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された現像装置の好適な実施の形態を、添付図面を参照して更に詳細に説明する。
【0011】
図1及び図2には、本発明に従って構成された現像装置の好適実施形態が図示されている。全体を番号2で示す図示の現像装置は、現像装置本体4と、トナー補給手段、実施形態においては、トナーコンテナ6とから構成されている。
【0012】
現像装置本体4はハウジング8を含んでおり、このハウジング8はハウジング本体10とこのハウジング本体10に装着された上面壁部材12とから構成されている。適宜の合成樹脂から成形することができるハウジング本体10の、図1において左半部内には、上面(更に詳しくは左縁部を除く主要部)と左側面とが開放されている現像室14が規定されている。ハウジング本体10は底壁16、両側壁18及び20並びに連結壁22を有する。連結壁22は、両側壁18及び20の、図1において左縁部上縁間を延びている。ハウジング本体10の底壁16は、並列配置された3個の部分である、円弧&水平状部16aと、弧状部16b及び16cを有する。円弧&水平状部16aは、横断面形状が円弧状と水平状との組み合わせからなる。弧状部16b及び16cは、それぞれ、横断面形状が円弧状である。円弧&水平状部16aにおける円弧状部は、隣接する弧状部16b側に存在する。円弧&水平状部16aと弧状部16bとの間には実質的に鉛直上方に延びる隔壁24が形成されており、隔壁24の両側には、それぞれ直線状径路である第1の搬送路26a及び第2の搬送路26bが規定されている。隔壁24の両端はハウジング本体10の両側壁18及び20の内面から離隔されており、隔壁24の両端と側壁18及び20の内面との間には所要間隙が存在する。
【0013】
隔壁24の一端(図2において右端)と側壁18との間の間隙は、第1の搬送路26a及び第2の搬送路26bの各々の一端領域(図2において右端領域)を連通する連通路27aを規定し、また、隔壁24の他端(図2において左端)と側壁20との間の間隙は、第1の搬送路26a及び第2の搬送路26bの各々の他端領域(図2において左端領域)を連通する連通路27bを規定する。従って、相互に平行に延在する第1の搬送路26a及び第2の搬送路26bは、両端領域において連通路27a及び27bを介して相互に連通せしめられており、かくして第1の搬送路26aに沿って延び、次いで第1の搬送路26aの一端領域から連通路27aを介して第2の搬送路26bの一端領域に続き、第2の搬送路26bに沿って延び、そして第2の搬送路26bの他端領域から第1の搬送路26aの他端領域に続く無端状の循環径路が規定されている(後に更に言及する如く、かかる循環径路を通してトナーが循環せしめられる)。換言すれば、上記循環径路は、後述するトナー適用手段40に平行に延在する第1の搬送路26aと、第1の搬送路26aとトナー適用手段40との間を第1の搬送路26a及びトナー適用手段40に沿って延在する第2の搬送路26bと、第1の搬送路26a及び第2の搬送路26bの両端領域間をそれぞれ連通する連通路27a及び27bとを備えている。
【0014】
トナーが搬送される搬送路を構成する、上述した循環径路には、トナーを撹拌しながら循環径路を通して搬送せしめるための撹拌搬送手段28が配設されている。図示の実施形態における撹拌搬送手段28は、第1の搬送路26aに配設されかつ第1の搬送路26aに沿って延在する第1の撹拌搬送手段、実施形態においては第1の回転螺旋羽根部材30aと、第2の搬送路26bに配設されかつ第2の搬送路26bに沿って延在する第2の撹拌搬送手段、実施形態においては第2の回転螺旋羽根部材30bとから構成されている。適宜の合成樹脂から成形することができる第1の回転螺旋羽根部材30aは中心軸部32aと螺旋羽根34aとを有する。同様に、適宜の合成樹脂から成形することができる第2の回転螺旋羽根部材30bも中心軸部32bと螺旋羽根34bとを有する。第1の回転螺旋羽根部材30aはハウジング本体10の両側壁18及び20間に回転自在に装着され、第1の搬送路26aに沿って直線状に延びている。第2の回転螺旋羽根部材30bもハウジング本体10の両側壁18及び20間に回転自在に装着され、第2の搬送路26bに沿って直線状に延びている。第1の回転螺旋羽根部材30aの中心軸部32aの一端部(図2において右端部)及び第2の回転螺旋羽根部材30bの中心軸部32bの一端部(図2において右端部)は側壁18を貫通して突出せしめられており、これらの突出端には、それぞれ入力歯車32c及び32dが固定されている。現像装置2が画像形成機の所定位置に装着されると、第1の回転螺旋羽根部材30aの入力歯車32c及び第2の回転螺旋羽根部材30bの入力歯車32dは、それぞれ図示しない伝動歯車に噛み合わされ、電動モータでよい駆動源(不図示)に駆動連結される。図示しない駆動源が付勢されると、第1の回転螺旋羽根部材30a及び第2の回転螺旋羽根部材30bは、それぞれ、図1及び図2に矢印36で示す同じ方向に同一の回転数(r.p.m)で回転駆動される。
【0015】
図2を参照することによって明確に理解されるとおり、第1の回転螺旋羽根部材30aの螺旋羽根34aと第2の回転螺旋羽根部材30bの螺旋羽根34bとは、いわゆる螺旋方向が逆に設定されており、第一の螺旋羽根部材30aが矢印36で示す方向に回転せしめられることによって、第1の搬送路26aを通してトナーが矢印37で示す方向に搬送され、第2の回転螺旋羽根部材30bが矢印36で示す方向に回転せしめられることによって、第2の搬送路26bを通してトナーが矢印38で示す方向に搬送される。
【0016】
ハウジング8には、トナー受入領域の上方に位置するトナー受入開口83が配設されている。ハウジング8における第1の搬送路26aの外側(第2の搬送路26bに対向する側とは反対側における外側)には突出領域82が配設されている。突出領域82は連通口81Aを介して第1の搬送路26aに連通されている。上記トナー受入領域は突出領域82内に設定され、突出領域82の上縁部は、上方に開口する上記トナー受入開口83をなしている。連通口81Aの上縁81aは、撹拌搬送手段28の外径の頂部、実施形態においては、第1の搬送路26a内に配設された第1の回転螺旋羽根部材30aの螺旋羽根34aの外径の頂部よりも下方に位置付けられる。
【0017】
更に具体的に説明すると、ハウジング8は、第1の搬送路26aの外側を規定する端壁80を備えている。ハウジング本体10の底壁16における円弧&水平状部16aの水平状部から実質的に鉛直上方に延び出す端壁80は、第1の搬送路26a内に配設された第1の撹拌搬送手段である第1の回転螺旋羽根部材30aの外側近傍位置を第1の回転螺旋羽根部材30aに沿って延在する外側近傍領域81と、外側近傍領域81から外側に突出した突出領域82を備えている。突出領域82は、第1の搬送路26aにおける、トナー搬送方向に間隔をおいて対向する一対の突出壁82aと、一対の突出壁82a間を延在する突出外側壁82bと、一対の突出壁82a間を延在する突出底壁82cを備えている。突出壁82aの各々は、外側近傍領域81から外側に突出しかつ鉛直方向に延在すると共に、各々の上端面は下方に突出する弧状面により形成されている。突出底壁82cは、円弧&水平状部16aにおける水平状部を、端壁80の外側近傍領域81から外側に若干突出せしめてなる。端壁80の突出外側壁82bは、ハウジング8の下から上に向かって外側にほぼ直線状に傾斜する傾斜部と、傾斜部の上端から実質的に鉛直上方に延びる鉛直部とを備えている。換言すれば、突出外側壁82bは、ハウジング8の突出底壁82cの外縁から上方に外側に向かってほぼ直線状に傾斜する傾斜部と、傾斜部の上端から実質的に鉛直上方に延びる鉛直部とを備えている。この構成は、後述するとおりにして突出領域82内に受け入れられたトナーを第1の搬送路26aに円滑に排出し、トナーの残留を防止するのに寄与する。
【0018】
突出領域82が配設された領域における、端壁80の外側近傍領域81には、第1の搬送路26aと突出領域82とを連通する連通口81Aが配設されている。連通口81Aは、図示はされていないが矩形をなしており、その下縁は、実質的に底壁16の上面、実施形態においては円弧&水平状部16aの水平状部の上面(内面)により規定され、両側縁は突出領域82の突出壁82aの各々の相互に対向する内面と同一面上に存在し、また上縁81aは、撹拌搬送手段28の外径の頂部、実施形態においては、第1の搬送路26a内に配設された第1の回転螺旋羽根部材30aにおける螺旋羽根34aの外径の頂部よりも下方に位置付けられる。
【0019】
現像室14におけるトナー受入領域は上記突出領域82内に設定される。突出領域82は、上方に開口せしめられたトナー受入開口83を備えている。この実施形態において、トナー受入開口83は、突出領域82を構成する一対の突出壁82aの上縁部と、突出外側壁82bの上縁部と、端壁80の外側近傍領域81の一部領域(突出領域82が配設された領域における、端壁80の外側近傍領域81)における上縁部、との間で、第1の搬送路26aの外側において形成される。突出領域82の上記トナー受入開口83は平面から見てほぼ矩形状をなしている。現像室14におけるトナー受入領域は、この実施形態においては、突出領域82の下縁部(連通口81Aを含む)に設定されているといえる。
【0020】
第1の搬送路26a内に配設された第1の回転螺旋羽根部材30aの螺旋羽根34aの最下端(外径の最下端)は、図1に示されているように、底壁16における円弧&水平状部16aの水平状部の上面(内面)に近接して配置されている。第1の回転螺旋羽根部材30aを軸方向に見て、第1の回転螺旋羽根部材30aの螺旋羽根34aの外径の最下端を通る接線と一致する水平面から連通口81Aの上縁81aまでの鉛直長さをXとし、第1の回転螺旋羽根部材30aの螺旋羽根34aの外径をYとしたとき、X≦3/4Yに規定される、及び/又は、1/4Y≦Xに規定される、ことが好ましい。
【0021】
本発明においては、撹拌搬送手段28のトナーの搬送能力は、先に述べた従来装置における如く上記トナー受入領域の下流側において低減せしめられおらず、全体として同じ(単位ピッチ当り)である。すなわち実施形態においては、第1の回転螺旋羽根部材30aと第2の回転螺旋羽根部材30bとは相互に実質的に同じ構成を有している。すなわち、第1の回転螺旋羽根部材30a及び第2の回転螺旋羽根部材30bの各々の螺旋羽根34a及び34bの外径及びピッチ、中心軸部32a及び32bの直径はそれぞれ実質的に同一に規定されている。
【0022】
ハウジング本体10における底壁6の弧状部16cの上方にはトナー適用手段40が配設されている。このトナー適用手段40は、ハウジング本体10の側壁18及び20間に回転自在に装着された現像スリーブ41を含んでいる。この現像スリーブ41内には静止永久磁石(図示していない)が配置されている。現像スリーブ41が固定されている回転軸42の一端部は側壁18を貫通して突出せしめられており、かかる突出端には入力歯車43が固定されている。現像装置2が画像形成機の所定位置に装着されると、この入力歯車43は、図示しない伝動歯車の一つに噛み合わされ、電動モータでよい駆動源(不図示)に駆動連結される。この駆動源は、上記第1及び第2の回転螺旋羽根部材30a及び30bの駆動源と共通の駆動源である。したがってこの駆動源が付勢されると、現像スリーブ41が矢印39で示す方向に回転せしめられる。現像スリーブ41に関連せしめて穂切手段44が配設されている。現像室14内にはトナーのみから成る一成分現像剤が収容され、かかる現像剤、すなわちトナーは矢印36で示す方向に回転せしめられる第1の回転螺旋羽根部材30a及び第2の回転螺旋羽根部材30bの作用によって上記循環径路を通して循環搬送される。トナー適用手段40は、矢印39で示す方向に回転せしめられる現像スリーブ41の周表面上にトナーを保持し、かかるトナーを現像域45を通して搬送する。穂切手段44は現像スリーブ41の周表面に保持されて現像域45に搬送されるトナーの層厚さを規制する。現像域45においてはトナーが現像すべき静電潜像に適用され、かくして静電潜像がトナー像に現像される。
【0023】
ハウジング本体10には上記上面壁部材12が装着される。上面壁部材12は現像室14の上面を覆う上面壁50を有する。上面壁50の周縁には、下方に延び出すフランジ部が形成されている。このうち、幅方向(図1において紙面に垂直な方向)に対向する一対のフランジ部51(図1においては片方のフランジ部51のみが図示されている)の下端面は、側壁18及び20の上端面に図示しないシール部材を介して載置される。上記幅方向に直交する方向に対向する一対のフランジ部のうち、片方(図1において左方)のフランジ部52の下端面は、上記連結壁22の上面に図示しないシール部材を介して載置され、他方(図1において右方)のフランジ部53の下端面は、上記端壁80における外側近傍領域81の上端面に図示しないシール部材を介して載置される。ハウジング8における上記突出領域82は上方に開口せしめられている。なお、突出領域82の開口には図示しない現像室シャッタを配設し、現像室シャッタを開位置と閉位置とに選択的に移動させることにより、該開口を開閉しうるよう構成することがことが好ましい。
【0024】
図示の実施形態におけるトナーコンテナ6はトナーコンテナケース60を含んでいる。トナーコンテナケース60は上面が開口した箱状トナーコンテナ本体61と、このトナーコンテナ本体61に超音波溶接の如き適宜の手段によって固定される蓋体62とから構成されている。トナーコンテナ本体61の底壁は横断面形状が弧状である2個の弧状部61a及び61bを有する。弧状部61aの曲率半径は比較的大きく、弧状部61bの曲率半径は比較的小さい。弧状部61bの曲率半径は、ハウジング8の端壁80における突出領域82を構成する一対の突出壁82aの上端面に形成されている弧状部及びトナー受入開口83の上端面に形成されている弧状部(後述する)の曲率半径に対応せしめられている。トナーコンテナ本体61にはトナー排出開口62が形成されている。トナー排出開口62は、弧状部61bから下方に延び出す筒状部により形成されている。トナー排出開口62を構成する筒状部は横断面が長方形をなし、その上端は弧状部61aの内面に開口し、下端は下方に向かって開口している。トナー排出開口62の横断面寸法は、ハウジング8における上記突出領域82のトナー受入開口83のそれよりも小さい。ハウジング8にトナーコンテナ6が所要とおりに装着されると、トナーコンテナ本体61の弧状部61bの下面が、上記一対の突出壁82aの上端面を規定している弧状部に図示しないシール部材を介して載置せしめられ、トナー排出開口62は、ハウジング8の上記突出領域82内に突出せしめられる。トナー排出開口62の下端は、少なくとも上記連通口81Aの上縁81aよりも高い位置、実施形態においては、第1の回転螺旋羽根部材30aの螺旋羽根34aの外径の頂部とほぼ同じ高さに位置付けられている。この装着状態において、トナー排出開口62の外周面と、上記突出領域82の内周面(トナー受入開口83)との間には隙間が形成される。トナーコンテナ本体61の弧状部61bの下面の一部領域は、突出領域82を構成する突出外側壁82bの傾斜内側面に図示しないシール部材を介して載置せしめられ、また、弧状部61bの下面の他の一部領域は、上面壁部材12における上面壁50のフランジ部53の外側面に図示しないシール部材を介して載置せしめられる。これらのシール部材は、ハウジング8側に配設されている。
【0025】
トナーコンテナ本体61は、図1において紙面に垂直な方向に間隔をおいて一対の側壁63を有している(図1には片方の側壁63のみが図示されている)。他方の側壁63には図示しない円形開口が形成されており、かかる開口を通してトナーコンテナケース60内にトナーが充填される。トナーコンテナケース60内にトナーを充填した後に、上記開口に図示しない閉鎖部材が固着されて上記開口が閉鎖される。トナーコンテナ本体61の両側壁63間には、弧状部61aに沿って延在するトナー搬送手段64と、弧状部61bに沿って延在するトナー搬送手段65とが配設されている。トナー搬送手段64は両側壁63間に回転自在に装着された回転支持軸64aと、この回転支持軸64aに固定された複数個の矩形搬送片64bとから構成されている。搬送片64bの各々は適宜の合成樹脂フィルム又はシートから形成することができる。回転支持軸64aの片端部は片方の側壁63を貫通して突出せしめられており、かかる片端部には図示しない入力歯車が固定されている。
【0026】
トナー搬送手段65は、中心軸部65aと螺旋羽根65bとを有する回転螺旋羽根部材から構成されている。中心軸部65aの片端部は片方の側壁63を貫通して突出せしめられており、かかる片端部には図示しない入力歯車が固定されている。この入力歯車はトナー搬送手段64の上記入力歯車に噛み合わされている。ハウジング8にトナーコンテナ6が所要とおりに装着されると、トナー搬送手段65の入力歯車が、第1の回転螺旋羽根部材30aの入力歯車32c及び第2の回転螺旋羽根部材30bの入力歯車32dと図示しない上記駆動源とを駆動連結する伝動歯車の一つに噛み合わされる。したがって、上記駆動源が付勢されると、上述したとおり現像室14に配設されている第1の回転螺旋羽根部材30a、第2の回転螺旋羽根部材30b及び現像スリーブ41がそれぞれ矢印36及び39で示す方向に回転せしめられることに加えて、トナーコンテナ6のトナー搬送手段64及び65もそれぞれ矢印66及び67で示す方向に回転せしめられる。トナー搬送手段64が矢印66で示す方向に回転せしめられることによって、搬送片64bの作用によって弧状部61a上に存在するトナーが弧状部61b上に搬送され、トナー搬送手段65が矢印67で示す方向に回転せしめられることによって、弧状部61b上のトナーがトナー排出開口62に向けて搬送せしめられる。本発明に従って構成された図示の実施形態においては、トナーコンテナ6のトナー搬送手段64及び65を回転せしめるための専用駆動源を必要としないことが注目されるべきである。
【0027】
トナーコンテナケース60内にはコンテナシャッタ70が配設されている。コンテナシャッタ70は両端部が円筒形状をなし、中間部に存在するシャッタ部72はほぼ200度の角度範囲にわたる弧状をなしている。シャッタ部72には長方形でよいトナー通過開口74が形成されている。このトナー通過開口74の大きさはトナーコンテナ本体61に形成されている上記トナー排出開口62と実質上同一でよい。シャッタ部72の外周面には、トナー通過開口74に沿って延びる長方形状でよいシール部材76が貼着されている。スポンジの如き柔軟な材料から形成することができるシール部材76の寸法は、上記トナー排出開口62よりも幾分大きいのが好都合である。コンテナシャッタ70はトナーコンテナ本体61の弧状部61b内に配置され、上記トナー搬送手段65はコンテナシャッタ70の両端部を貫通して延びている。トナーコンテナ本体61の他方の側壁63には、図示しない旋回操作部材が回転自在に配設され、旋回操作部材の一端部はコンテナシャッタ70の軸方向の一端部に連結され、他端部はトナーコンテナ本体61の他方の側壁63から外方に突出している。トナーコンテナ本体61の外側から上記旋回操作部材を旋回操作することにより、コンテナシャッタ70を、トナー排出開口62を閉じる図示しない閉位置と、トナー通過開口74がトナー排出開口62の上方に整合して位置付けられる開位置(図1参照)とのいずれかに旋回させて位置付けることができる。トナーコンテナ6が現像装置本体4のハウジング8に離脱自在に装着されていないときには、コンテナシャッタ70は閉位置に位置付けられている。コンテナシャッタ70が閉位置に位置付けられると、シール部材76が、トナー排出開口62をシールして閉塞するので、トナーの洩れは十分確実に防止される。
【0028】
図1に図示する如く、トナーコンテナ6は現像装置本体4のハウジング8に離脱自在に装着される。図示しない現像室シャッタを開位置に移動させて突出領域82の上縁開口を開いた状態で、トナーコンテナ6をハウジング8の所要位置に装着すると、先にも述べたように、トナーコンテナ本体61のトナー排出開口62(筒状部)の下端は、突出領域82内に突出せしめられる。トナーコンテナ6をハウジング8の所要位置に装着した後、上記旋回操作部材を操作して、コンテナシャッタ70を開位置に位置付ける。図1に示されているように、コンテナシャッタ70のトナー通過開口74が、トナーコンテナ本体61のトナー排出開口62と整合させられて、トナー排出開口62が開放される。従って、トナーコンテナケース60内のトナーがトナー通過開口74、トナー排出開口62及びトナー受入開口83を通して現像室14内に供給される。なお、この場合、トナーコンテナ6をハウジング8の所要位置に装着する時点において、現像室14内にはトナーが存在しない空の状態である、と想定している。トナーコンテナケース60内のトナーが現像室14内に所要量供給され、現像室14内に充填されたトナーの上面(レベル)Sが連通口81Aの上縁81aに達すると、連通口81Aは実質的に閉塞される。次いで、トナーコンテナ6から補給されるトナーは、突出領域82内の空間を充填しはじめ、突出領域82内を充填したトナーの上面Sがトナー排出開口62の下端に達すると、その時点でトナーコンテナケース60内から現像室14内へのトナーの供給が抑制され、自動的にトナーの供給が停止される。
【0029】
上述したとおりの形態の図示の現像装置においては、現像室14内にはトナーのみからなるいわゆる一成分現像剤が充填される。現像が遂行されると、トナー適用手段40によってトナーが静電潜像に適用されるので、現像の遂行に応じてトナーが消費される。従って、トナーの消費に応じて現像室14内にトナーを適宜に補給することが重要である。本発明に従って構成された図示の現像装置においては、トナーコンテナ6に配設されているトナー搬送手段64及び65を必要に応じて選択的に回転せしめるための専用駆動源を必要とすることなく、トナーコンテナ6から現像室14へのトナーの補給が適切に制御される。更に詳述すると、本発明に従って構成された図示の現像装置においては、現像を遂行するために図示しない上記駆動源を付勢してトナー適用手段40と共に撹拌搬送手段28(すなわち第1の回転螺旋羽根部材30a及び第2の回転螺旋羽根部材30b)を回転せしめると、トナーコンテナ6のトナー搬送手段64及び65も上記駆動源に連結されている故に、トナーコンテナ6のトナー搬送手段64及び65も駆動され、従ってトナーコンテナケース60内においてトナーがトナー通過開口74及びトナー排出開口62に向けて搬送される。
【0030】
一方、現像室14内においては、現像室14内に充填されたトナーの上面Sが連通口81Aの上縁81aに達した状態で、連通口81Aは実質的に閉塞され、しかも、突出領域82内における、連通口81Aと、トナーコンテナ6のトナー排出開口62の下端との間の空間はトナーにより充填されているので、現像室14内に充填された所要量のトナーが消費されない限り、トナーの供給(補給)は実質的に停止されている。しかしながら、現像室14内に充填された所要量のトナーが消費されると、現像室14内に充填されたトナーの上面Sは連通口81Aの上縁81aよりも下降するので、該上面Sの下降に従ってトナーコンテナ6のトナー排出開口62から自動的にトナーが補給される。現像室14内にトナーが補給されると、該上面Sが上昇して再び連通口81Aの上縁81aに達し、連通口81Aが実質的に閉塞されてトナーの供給は停止される。従って、現像室14内へのトナーの進入に対する抑制度合いが現像室14内のトナー量によって変動せしめられ、トナー量が低減すると現像室14内へのトナーの導入が増大し、トナー量が増大すると現像室14内へのトナーの導入が減少する。かくして、トナーコンテナ6のトナー搬送手段64及び65の駆動制御に直接依存することなく、現像室14へのトナーの補給が適切に制御される。すなわち、本発明による上記現像装置2によれば、トナーコンテナ6内に収容されたトナーが実質的に全て排出され、更に、突出領域82内のトナーの上面Sが連通口81Aの上縁81aまで下降するまで、現像室14内のトナーの上面Sは、連通口81Aの上縁81aのレベルに一致するよう常に自動的に調整されるのである。なお、ハウジング8の上記突出領域82内の上部空間に負圧が生成されないように、突出領域82に面した端壁80の外側近傍領域81の上端部に図示しない通気孔を形成することが好ましい。
【0031】
上記説明から容易に理解されるように、本発明による上記現像装置2によれば、撹拌搬送手段28のトナーの搬送能力は、先に述べた従来装置における如く上記トナー受入領域の下流側において低減せしめられおらず、全体として同じ(単位ピッチ当り)であるので、上記トナー受入領域に隣接した、第1の搬送路26aにおける領域においてトナーの滞留が生成されることはない。また、本願発明に係る現像装置2において、ハウジング8における第1の搬送路26aの外側には、トナー受入開口83を備えると共に連通口81Aを介して第1の搬送路26aに連通された突出領域82が配設され、トナー受入領域は突出領域82内に設定されている。つまり、トナー受入領域は、第1のトナー搬送路26aに対し外側に外れた位置に存在する突出領域82に設定され、突出領域82にトナー受入開口83が形成されているので、トナー補給手段を構成するトナーコンテナ6からの補給トナーが第1のトナー搬送路26aの真上から補給されるのではなく、搬送路の一部を規定する第1のトナー搬送路26aの外側の突出領域82から補給されるので、撹拌搬送手段28の一部を構成する第1の回転螺旋羽根部材30aの回転に伴うトナーの脈動や振動が回避できる。その結果、トナー受入領域において、トナーの凝集、あるいはブロッキングが生成されてトナーの円滑な流れが阻害されるおそれがなくなるので、現像室14内のトナーの減少に応じてトナーコンテナ6から現像室14に適宜にトナーを補給することができる。すなわち本願発明によれば、トナーの搬送路、実施形態においては第1の搬送路26a内においてトナーの滞留を生成せしめないにもかかわらず、トナーコンテナ6におけるトナー搬送手段64及び65を駆動するための専用駆動源を必要とすることなく、従って製作コストを充分に低減し、かつ、現像室14内のトナーの減少に応じてトナーコンテナ6から現像室14に適宜にトナーを補給することができる。また、トナー受入領域におけるトナーの過剰な圧迫を確実に回避しながら、トナーコンテナ6におけるトナー搬送手段64及び65を駆動するための専用駆動源を必要とすることなく、従って製作コストを充分に低減することができるにもかかわらず、現像室14内のトナーの減少に応じてトナーコンテナ6から現像室14に適宜にトナーを補給することができる。なお、本発明は、特に、流動性の高いトナーを使用した場合に好適である。また、上記実施形態において、トナー受入領域が設定される突出領域82は、第1の搬送路26aの最上流位置よりも下流側の位置に設定されているが、最上流位置ないしはその近傍位置に設定してもよく、あるいは中央よりも下流位置に設定してもよい。この実施形態においても実質的に上記したのと同じ作用効果を得ることができる。
【0032】
トナーコンテナケース60内のトナーが消尽された場合には、トナーコンテナ6を交換することが必要である。この場合には、トナーコンテナ本体61の外側から上記旋回操作部材を旋回操作して、コンテナシャッタ70を、トナー排出開口62を閉じる閉位置に位置付けた後に、トナーコンテナ6を現像装置本体4のハウジング8から離脱させることができる。次いで、図示しない現像室シャッタを開位置から閉位置に移動せしめ、かくして現像室14の突出領域82における上縁開口を閉塞する。トナーコンテナ6をハウジング8から離脱せしめた後においては、上述した手順にて新しいトナーコンテナ6をハウジング8に装着することができる。上記旋回操作部材を旋回操作して、コンテナシャッタ70を開位置に位置付けてトナー排出開口62を開く。かくして、新しいトナーコンテナ6から現像室14内にトナーを適宜に補給することが可能になる。
【0033】
本発明による現像装置2においてはまた、連通口81Aの上縁81aは撹拌搬送手段、実施形態においては第1の回転螺旋羽根部材30aにおける螺旋羽根34aの頂部よりも下方に位置付けられている。したがって、上記したように、トナートナーコンテナ6内に収容されたトナーが実質的に全て排出され、更に、突出領域82内のトナーの上面Sが連通口81Aの上縁81aまで下降するまで、現像室14内のトナーの上面Sは、連通口81Aの上縁81aのレベルに一致するよう常に自動的に調整されるのであるが、該レベルは、第1の回転螺旋羽根部材30aにおける螺旋羽根34aの頂部よりも下方に位置付けられるので、撹拌搬送手段28に対するトナーの搬送による負荷が低減されると共にトナーの流動性が確保される。その結果、トナーの凝集やブロッキングが防止され、トナーの円滑な流れが保証される。
【0034】
本発明による現像装置2においてはまた、連通口81Aの下縁は実質的に底壁16の上面、実施形態においては、底壁16の円弧&水平状部16aにおける水平状部の上面より規定されているので、突出領域82から第1の搬送路26a内へのトナーの円滑な流入が保証される。
【0035】
本発明による現像装置2においてはまた、第1の回転螺旋羽根部材30aの螺旋羽根34aの外径の最下端は、底壁16の上面、実施形態においては、底壁16の円弧&水平状部16aの上面に近接して配置され、第1の回転螺旋羽根部材30aを軸方向に見て、第1の回転螺旋羽根部材30aの螺旋羽根34aの外径の最下端を通る接線と一致する水平面から連通口81Aの上縁81aまでの鉛直長さをXとし、回転螺旋羽根部材30aの螺旋羽根34aの外径をYとしたとき、X≦3/4Yに規定されることが好ましい。このような構成により、撹拌搬送手段28に対するトナーの搬送による負荷が低減されると共にトナーの流動性が確保され、その結果、トナーの凝集やブロッキングが防止され、トナーの円滑な流れが保証される、との効果を実用的に確保することを可能にする。
【0036】
また、1/4Y≦Xに規定することによっても、上記効果を実用的に確保することを可能にする。
【0037】
更にはまた、1/4Y≦X≦3/4Yとした場合には、上記効果を実用的に確保することを容易に可能にする。
【0038】
次に、図3及び図4を参照して、本発明による現像装置2の他の実施形態について説明する。ハウジング8には、上記突出領域82と、突出領域82内において上下方向に延在する筒状部から形成されるトナー受入開口83とが配設され、トナー受入領域は突出領域82内に設定されている。ほぼ矩形状の横断面を有するトナー受入開口83の下端は、先の実施形態におけるのと実質的に同じ位置に位置付けられている。トナー受入開口83の上端面は、下方に突出する弧状部により規定されている。この弧状部は、上記突出壁82aの各々の上端面を規定する弧状部と実質的に同じ形状及び大きさをなし、各弧状部の曲率半径の中心は、実質的に共通の軸線上に存在する。トナー受入開口83を形成する筒状部は端壁80と一体に形成され、該筒状部の外周面と、一対の突出壁82a、突出外側壁82b及び端壁80の上記外側近傍領域81との間には隙間が形成されている。実施形態において、該筒状部は、該筒状部と、突出外側壁82b及び端壁80の上記外側近傍領域81との間にそれぞれ配設されたブリッジ83aを介して端壁80と一体に形成されている。
【0039】
他方、トナーコンテナ6のトナーコンテナ本体61の弧状部61bにはトナー排出開口62が形成されている。トナー排出開口62は、先の実施形態における如く弧状部61bから下方に延び出す筒状部により形成されているのではなく、弧状部61bそれ自体に形成されている。トナー排出開口62は横断面が長方形をなし、その横断面寸法は、ハウジング8の上記突出領域82内に配設された上記トナー受入開口83と実質的に同じである。トナーコンテナ6がハウジング8に所要とおりに装着された時、弧状部61bの下面の一部領域は、ハウジング8の上記突出壁82a及びトナー受入開口83の上端面を規定する弧状部に密着せしめられる(好ましくは、図示しないシール部材を介して)。トナーコンテナ6のトナー排出開口62は、トナー受入開口83の上端に密接して連通させられる。図3及び図4に示されている本発明による現像装置2の他の実施形態におけるその他の構成は、図1及び図2に示されている本発明による現像装置2の実施形態と実質的に同じであり、したがって図面における同一部分は同一符号で示し、更なる説明は省略する。
【0040】
上記説明から容易に理解されるように、図3及び図4に示されている本発明による現像装置2の他の実施形態が、図1及び図2に示されている本発明による現像装置2の実施形態に対し相違するところは、上記筒状部が、先の実施形態においては、トナーコンテナ6側に配設されたトナー排出開口62から構成されているのに対し、他の実施形態においては、ハウジング8に一体に形成されたトナー受入開口83から構成されていること、である。したがって、図3及び図4に示されている本発明による現像装置2の他の実施形態より奏せられる作用効果は、図1及び図2に示されている本発明による現像装置2の実施形態により奏せられる作用効果と実質的に同じであるので、更なる説明は省略する。
【0041】
なお、上記二つの実施形態において、トナー排出開口62に上記筒状部を配設しない他の実施形態も可能である。この場合、トナー排出開口62の下面の位置を、上記実施形態における筒状部の下端位置まで下げることが好ましい。また、上記実施形態において、突出領域82は、第1の搬送路26aにおけるトナー搬送方向の、比較的短い一部の領域にわたって形成されているが、更に長い領域あるいは全領域にわたって形成する実施形態も可能である。この場合、トナー排出開口62も、上記実施形態におけると同様に、第1の搬送路26aにおけるトナー搬送方向の、比較的短い一部の領域にわたって形成しても、更に長い領域あるいは全領域にわたって形成してもよい。
【0042】
なお、本発明に係る上記実施形態においては、本発明の特徴を可能な限り簡潔明瞭に示すために、トナーコンテナ6を解除自在にロックするロック手段及び現像室シャッタを含む上面壁部材12、及びコンテナシャッタ70を含むトナーコンテナ6などの構成は最小限に簡略化した形態で示されている。しかしながら、上記した本発明の特徴をなす構成を除く、上記各部材の構成については、基本的には、先に紹介した特許文献1に開示された構成を利用することでよく、それらの詳細については特許文献1に説明されているのでそれに委ね、本明細書及び図面においては省略する。もちろん、本発明の特徴をなす上記構成を除く他の構成については、特許文献1に開示された構成を利用してもしなくてもよい。
【0043】
また、上記実施形態において、現像室14内へトナーを補給するためのトナー補給手段は、ハウジング8に離脱自在に装着されるトナーコンテナ6から構成されているが、これに限定されるものではなく、ハウジング8及び/又は画像形成機本体に離脱自在に装着されるトナーコンテナ6であればよい。更にはまた、他のトナー補給手段、例えば、ハウジング8及び/又は画像形成機本体に装着されて、収容されたトナーが消尽された場合にはトナーが補給されるトナーホッパ(現像室14内にトナーを搬送・補給するための搬送手段を備えている)であってもよい。いずれの形態のトナー補給手段であっても、現像室14内へのトナー補給可能状態において、トナー受入開口54又はこれに相当するトナー受入開口に連通するよう、実質的にトナー受入開口54又はこれに相当するトナー受入開口に対向してトナー受入開口54又はこれに相当するトナー受入開口の上方に位置するトナー排出開口62又はこれに相当するトナー排出開口が形成されていることが必須である。
【0044】
トナー補給手段が、少なくとも画像形成機本体に装着されるトナーコンテナ6又はトナーホッパから構成される場合には、これらが現像室14内へのトナー補給可能状態となる所要位置に位置付けられた状態において、トナー排出開口62又はこれに相当するトナー排出開口は、トナー受入開口54又はこれに相当するトナー受入開口に連通するよう、トナー受入開口54又はこれに相当するトナー受入開口の上方に整合して(対向して)位置付けられる場合が一般的である。しかしながら、上方位置ではあっても、レイアウト上、横方向にずれた位置に位置付けられる場合もある。この場合、トナー排出開口62又はこれに相当するトナー排出開口と、トナー受入開口54又はこれに相当するトナー受入開口との間には、適宜の連通路、すなわちトナーの自由落下を許容する適宜の連通路が配設されることはいうまでもない。したがって、本発明において、“トナー補給手段には、現像室内へのトナー補給可能状態において、トナー受入開口に連通するよう実質的にトナー受入開口に対向してトナー受入開口の上方に位置するトナー排出開口が形成されている”とは、いずれの実施形態をも含むことを意味するものである。また上記説明から容易に理解されるように、本発明における現像装置において、“現像室内にトナーを補給するためのトナー補給手段を備え”とは、トナー補給手段が現像装置本体4に直接装着される実施形態、トナー補給手段が画像形成機本体に装着ないし配設される実施形態、あるいはトナー補給手段が画像形成機本体と現像装置本体4とに跨がって装着される実施形態、のいずれをも含むものである。現像装置本体4が、あるいはまた現像装置2が、それぞれユニットとして画像形成機本体に離脱自在に装着される実施形態も本発明に含まれることはいうまでもない。
【0045】
【発明の効果】
本発明による現像装置によれば、トナーの搬送路内においてトナーの滞留を生成せしめないにもかかわらず、トナーコンテナあるいはトナーホッパなどからなるトナー補給手段におけるトナー搬送手段を駆動するための専用駆動源を必要とすることなく、従って製作コストを充分に低減することができるにもかかわらず、現像室内のトナーの減少に応じてトナー補給手段から現像室に適宜にトナーを補給することができる。また、トナー受入領域におけるトナーの過剰な圧迫を確実に回避しながら、トナーコンテナあるいはトナーホッパなどからなるトナー補給手段におけるトナー搬送手段を駆動するための専用駆動源を必要とすることなく、従って製作コストを充分に低減することができるにもかかわらず、現像室内のトナーの減少に応じてトナー補給手段から現像室に適宜にトナーを補給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された現像装置の好適実施形態を示す断面図。
【図2】図1に示す現像装置における現像装置本体の水平断面図。
【図3】本発明に従って構成された現像装置の他の実施形態を示す断面図。
【図4】図3に示す現像装置における現像装置本体の水平断面図。
【符号の説明】
2 現像装置
4 現像装置本体
6 トナーコンテナ
8 ハウジング
14 現像室
24 隔壁
26a 第1の搬送路
26b 第2の搬送路
27a、27b 連通路
28 撹拌搬送手段
30a 第1の回転螺旋羽根部材(第1の撹拌搬送手段)
32a 中心軸部
34a 螺旋羽根
30b 第2の回転螺旋羽根部材(第2の撹拌搬送手段)
32b 中心軸部
34b 螺旋羽根
40 トナー適用手段
61 トナーコンテナ本体
62 トナー排出開口
80 端壁
81 外側近傍領域
81A 連通口
81a 上縁
82 突出領域
82a 突出壁
82b 突出外側壁
83 トナー受入開口

Claims (6)

  1. トナーの搬送路を規定する現像室を有するハウジングと、トナーを撹拌しながら搬送路を通して搬送するための、現像室内に配設された撹拌搬送手段と、現像室内のトナーを現像すべき静電潜像に適用するためのトナー適用手段と、現像室内にトナーを補給するためのトナー補給手段とを備え、ハウジングにはトナー受入領域の上方に位置するトナー受入開口が配設されており、トナー補給手段には、現像室内へのトナー補給可能状態において、トナー受入開口に連通するよう実質的にトナー受入開口に対向してトナー受入開口の上方に位置するトナー排出開口が形成されている現像装置において、
    ハウジングにおける搬送路の外側には、該トナー受入開口を備えると共に連通口を介して搬送路に連通された突出領域が配設され、トナー受入領域は突出領域内に設定され、連通口の上縁は撹拌搬送手段の頂部よりも下方に位置付けられる、
    ことを特徴とする現像装置。
  2. トナーの循環経路を規定する現像室を有するハウジングと、トナーを撹拌しながら循環経路を通して搬送するための、現像室内に配設された撹拌搬送手段と、現像室内のトナーを現像すべき静電潜像に適用するためのトナー適用手段と、現像室内にトナーを補給するためのトナー補給手段とを備え、循環径路は、トナー適用手段に平行に延在する第1の搬送路と、第1の搬送路とトナー適用手段との間をそれらに沿って延在する第2の搬送路と、第1及び第2の搬送路の両端領域間をそれぞれ連通する連通路とを備え、撹拌搬送手段は、第1の搬送路に配設された第1の撹拌搬送手段と、第2の搬送路に配設された第2の撹拌搬送手段とを備え、ハウジングにはトナー受入領域の上方に位置するトナー受入開口が配設されており、トナー補給手段には、現像室内へのトナー補給可能状態において、トナー受入開口に連通するよう実質的にトナー受入開口に対向してトナー受入開口の上方に位置するトナー排出開口が形成されている現像装置において、
    ハウジングにおける第1の搬送路の外側には、該トナー受入開口を備えると共に連通口を介して第1の搬送路に連通された突出領域が配設され、トナー受入領域は突出領域内に設定され、連通口の上縁は第1の搬送路内に配設された第1の撹拌搬送手段の頂部よりも下方に位置付けられる、
    ことを特徴とする現像装置。
  3. 第1の撹拌搬送手段は第1の搬送路に沿って延在する第1の回転螺旋羽根部材から構成され、該連通口の上縁は第1の回転螺旋羽根部材の外径の頂部よりも下方に位置付けられる、請求項2記載の現像装置。
  4. ハウジングは、底壁及び第1の搬送路の外側を規定する端壁を備え、端壁は、第1の搬送路内に配設された第1の回転螺旋羽根部材の外側近傍位置を第1の回転螺旋羽根部材に沿って延在する外側近傍領域と、外側近傍領域から外側に突出した該突出領域とを備え、該連通口は端壁の外側近傍領域に形成され、該連通口の下縁は実質的に該底壁の上面により規定されている、請求項3記載の現像装置。
  5. 第1の回転螺旋羽根部材の最下端は該底壁の上面に近接して配置され、第1の回転螺旋羽根部材を軸方向に見て、第1の回転螺旋羽根部材の外径の最下端を通る接線と一致する水平面から該連通口の上縁までの鉛直長さをXとし、第1の回転螺旋羽根部材の外径をYとしたとき、X≦3/4Yに規定される、請求項4記載の現像装置。
  6. 第1の回転螺旋羽根部材の最下端は該底壁の上面に近接して配置され、第1の回転螺旋羽根部材を軸方向に見て、第1の回転螺旋羽根部材の外径の最下端を通る接線と一致する水平面から該連通口の上縁までの鉛直長さをXとし、第1の回転螺旋羽根部材の外径をYとしたとき、1/4Y≦Xに規定される、請求項4又は請求項5記載の現像装置。
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