JP2004132748A - 電動パワーステアリング装置のトルクセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】スペーサによるトルク検出用コイルと温度補償用コイル間の位置精度の低下を防止でき、これによりトルクセンサの検出精度の悪化を防止できる。
【解決手段】ほぼ同軸上に配置された入力軸及び出力軸と、前記入力軸と出力軸との間に発生するトルクを検出する一対のトルク検出用コイルと温度補償用コイル検出コイルと、該両各検出コイルをそれぞれ包囲状態で収容する磁性材料からなるヨーク部材と、前記両ヨーク部材間に介装されて、両検出コイルの軸方向間隔を決定する環状のスペーサ10とを備えた電動パワーステアリング装置のトルクセンサである。前記スペーサを、外輪20と該外輪の内周面20aに圧入される内輪21との二重の円筒状の非磁性金属材であるアルミ合金材によって構成した。また、前記外輪の内周面に、前記両ヨーク部材と係合して該ヨーク部材の周方向の位置決めをする軸方向突起22,23を設けた。
【選択図】 図7
【解決手段】ほぼ同軸上に配置された入力軸及び出力軸と、前記入力軸と出力軸との間に発生するトルクを検出する一対のトルク検出用コイルと温度補償用コイル検出コイルと、該両各検出コイルをそれぞれ包囲状態で収容する磁性材料からなるヨーク部材と、前記両ヨーク部材間に介装されて、両検出コイルの軸方向間隔を決定する環状のスペーサ10とを備えた電動パワーステアリング装置のトルクセンサである。前記スペーサを、外輪20と該外輪の内周面20aに圧入される内輪21との二重の円筒状の非磁性金属材であるアルミ合金材によって構成した。また、前記外輪の内周面に、前記両ヨーク部材と係合して該ヨーク部材の周方向の位置決めをする軸方向突起22,23を設けた。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動パワーステアリング装置に用いられるトルクセンサの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動パワーステアリング装置に適用されるトルクセンサとしては、例えば、本出願人が先に出願した特願2001−383568に記載されているようなものがある。
【0003】
概略を説明すれば、このトルクセンサは、入力軸と出力軸との間に介装されたトーションバーと、前記出力軸に設けられていて電動機の駆動軸に設けられたウォームシャフトと噛み合って前記出力軸に操舵補助力を伝達するウォームホイールと、前記出力軸側に固定されていて少なくとも軸方向一側面に円周方向所定間隔のもとに切欠部が複数形成された磁性材料よりなる被包囲部材と、該被包囲部材における切欠部が形成された面と軸方向両面においてそれぞれ対向する状態でその基部が前記入力軸側に固定されていて、前記被包囲部材における切欠部に対応し軸方向に貫通する切欠部が円周方向所定間隔のもとに複数形成された磁路遮断部を構成する導電性かつ非磁性材料よりなる一対の包囲部材と、前記被包囲部材および前記一対の包囲部材を挟んで軸方向に対向する状態で設けられていて前記被包囲部材の切欠部および非切欠部と両包囲部材の切欠部との重なり具合の変化をインピーダンス変化に基づいて検出することにより前記入力軸と出力軸との間に発生するトルクを検出する一対の検出コイルと、該両各検出コイルをそれぞれ包囲状態で収容する磁性材料からなる各ヨーク部材と、前記被包囲部材、両包囲部材、両検出コイルおよびヨーク部材を収容すると共に前記両各検出コイルをそれぞれ収容したヨーク部材が固定されるハウジングとを備えている。
【0004】
また、前記入力軸の最大外径部が前記被包囲部材、包囲部材および検出コイルを収容するヨーク部材の内径よりも小径に形成されている。
【0005】
さらに、前記トルク検出用コイル側のヨーク部材と温度補償用コイル側のヨーク部材との間には、非導電性部材である合成樹脂材料の円筒状のスペーサが介装されている。
【0006】
このスペーサは、その内側上部にトルク検出用コイル側のヨーク部材における固定フランジ部を軸方向において位置決め係止する環状段差面が一体に形成されていると共に、内側下部に温度補償用コイル側のヨーク部材における固定フランジ部を軸方向において位置決め係止する環状段差面が形成されている。また、スペーサの上端内周面と下端内周面には、前記両フランジ部の外周面に形成された切欠部が係合して周方向において位置決めする軸方向突部がスペーサの成形と同時に一体に形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記先願におけるトルクセンサにあっては、前記スペーサによって各ヨーク部材の軸方向の位置決めがなされるようになっているものの、全体が合成樹脂材によって形成されているため、ハウジング内の熱によっていわゆるへたり現象が発生して、部分的に変形しまうおそれがある。
【0008】
また、このスペーサの射出成形の際に、成形精度の悪化などに起因して前記環状段差面のコーナー部が直角ではなく僅かにR形状になってしまうおそれがある。
【0009】
この結果、前記各ヨーク部材間(検出コイル間)の軸方向の位置決め精度が低下して位置ずれが生じ、各ヨーク部材と前記包囲部材との間のいわゆるエアーギャップが不均一になって、トルクセンサの検出特性が変化してしまうおそれがある。
【0010】
したがって、前記R形状の形成部位を事後的に切削加工などによって直角に成形しなければならず、加工コストの高騰が余儀なくされている。
【0011】
本発明は、前記先願発明の技術的課題に鑑みて案出したもので、スペーサによる各ヨーク部材の位置決め精度を向上し得る電動パワーステアリング装置のトルクセンサを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、とりわけ、スペーサを、外輪と該外輪の内周面に圧入される内輪との二重の円筒状の非磁性金属材によって構成したことを特徴としている。
【0013】
スペーサを合成樹脂材ではなく、例えば合成樹脂系の材料と線膨張係数がほぼ同一のアルミ合金などの金属材によって形成したため、ハウジング内での熱による経時的な劣化が抑制される。この結果、検出コイル間の位置精度の低下を防止できることから、トルクセンサの検出精度の悪化を防止できる。
【0014】
また、環状段差のコーナー部にR形状が発生することがないことから、事後的な切削加工が不要になり、加工コストの低廉化が図れる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記外輪の内周面に、前記ヨーク部材と係合して該ヨーク部材の周方向の位置決めをする係合部を設けたことを特徴としている。
【0016】
したがって、この発明によれば、係合部によってヨーク部材の周方向の位置決めも可能になるばかりか、スペーサがアルミ合金などの金属材によって形成されていることから、外輪側の係合部を例えばかしめ等の簡易な方法によって成形することができる。よって、かかる係合部の成形作業も容易になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる電動パワーステアリング装置のトルクセンサの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本実施形態のトルクセンサTSが適用される電動パワーステアリング装置の全体概略図であり、この図に示すように、ステアリングホイールSWを手動で回転させると、回転軸Sの回転がラックR&ピニオンPによりラックRの直線運動に変換され、これにより、左右の前輪TL、TRの向きを変更(操舵)することができる。また、ピニオンPを電動モータMにより減速ギヤGを介し回転可能に構成することにより、前記手動による操舵力の補助が行われるようになっている。
【0019】
また、前記電動モータMは、手動による操舵力を検出する前記トルクセンサTSからの信号に基づいて、車載のコントロールユニットECUに組み込まれたマイコンによりその駆動制御が行われ、これにより、手動による操舵力の補助制御が行われる。なお、同図において、Ryはフェールセーフ用のリレー、Bは車載のバッテリである。
【0020】
前記トルクセンサTSは、図2〜図10に示すように構成され、図2は車両用電動パワーステアリング装置のトルクセンサTSを示す縦断面図、図3は同分解斜視図であり、図2及び図3において、1はハウジング、2は第1回転軸である入力軸、3は第2回転軸である出力軸、4は弾性体であるトーションバー、5は被包囲部材、6は第1磁路遮断部であるトルク検出側包囲部材、7は第2磁路遮断部である温度補償側包囲部材、8は検出コイルであるトルク検出用コイル、9は別異の検出コイルである温度補償用コイル、10はスペーサ、11はベース部材、12は皿ばね、13は出力軸側ウォームホイール、14はモータ軸側ウォームシャフトを示している。
【0021】
前記ハウジング1は、前記トルクセンサTC部分が主に収容される上部ハウジング110と、前記減速ギヤG部分が主に収容される中央ハウジング120と、ラックR&ピニオンP部分が主に収容される下部ハウジング130とに分割形成されて、それぞれ軸方向に組み付けることにより1つのハウジング1が構成されるようになっている。
【0022】
すなわち、中央ハウジング120の上部に備えた大径部120a内に上部ハウジング110の下端開口縁部110aを挿入すると共に、フランジ部110bを中央ハウジング120の開口部上端面に当接係止させた状態とし、この状態で、ボルト等により上部ハウジング110と中央ハウジング120とが締結固定される。
【0023】
また、下部ハウジング130の上端部に備えた大径部130a内に中央ハウジング120の下部に備えた小径部120bを装着すると共に、大径部130aの上端面を中央ハウジング120における環状段差面120cに当接係止させた状態とし、この状態で、ボルト等により中央ハウジング120と下部ハウジング130とが締結固定されるようになっている。
【0024】
前記入力軸2および出力軸3は、前記各ハウジング110、120、130内に軸受けベアリング1a、1b、1cを介してそれぞれ回転自在に支持された状態で、同軸上に配置されている。
【0025】
前記トーションバー4は、前記入力軸2の軸心穴2a内に回転可能に挿入され、その一端が軸心穴2aの奥側で入力軸2に対しピン2bで固定される一方、もう一端側は出力軸3の軸心穴3aに圧入されている。
【0026】
また、前記入力軸2には、ステアリングホイールSWが連結されていて、このステアリングホイールSWの操舵力が、入力軸2、トーションバー4、および、出力軸3を経由し、出力軸3の下端に設けられたラックR&ピニオンPによりラックRの直線運動に変換され、左右の前輪TL、TRに伝達されるようになっている。
【0027】
前記被包囲部材5は、前記トルク検出用コイル8および温度補償用コイル9で発生する磁界の磁路を構成するものであり、このためステンレス等の磁性材料で焼結加工により形成され、上部ハウジング110内において出力軸3の上端部(入力軸2側端部)に本体部31とは環状段差面32を形成して設けられた小径部33の外周に圧入結合されている。(図5参照)
この被包囲部材5は、図4にその詳細斜視図を示すように、その中心部に前記小径部33に圧入結合するための結合穴50を有する環状基部の外周側には非切欠部(磁路形成部)52を残し、円周方向所定間隔のもとに軸方向に貫通する切欠部51が複数(この実施の形態では8個)形成されている。
【0028】
前記トルク検出用コイル8は、インピーダンス変化に基づいて入力軸2と出力軸3との間に作用するトルクを検出するためのもので、図2及び図3に示すように、被包囲部材5の入力軸2側の面と軸方向に対面する状態で、その下面以外を包囲するヨーク部材80を介して上部ハウジング110側に固定され、被包囲部材5およびヨーク部材80を磁路とする磁界を発生させる。
【0029】
前記ヨーク部材80は、図5に示すように、前記被包囲部材5と対向する下面以外を包囲する断面門型の本体部を構成する上面包囲部80aと、内周包囲部80bと、外周包囲部80cおよび、該外周包囲部80cの下端開口端縁部から外向きに突出された固定フランジ部80dとによって構成されている。そして、固定フランジ部80dが突出される外周包囲部80cは、固定フランジ部80d方向への磁束の漏れを防止するためにその肉厚が上面包囲部80aおよび内周包囲部80bの肉厚より厚めに形成されている。
【0030】
前記温度補償用コイル9は、前記トルク検出用コイル8でトルクを検出する際に温度変化に基づく検出値の変動を修正するためのもので、被包囲部材5の出力軸3側の面と軸方向に対面する状態で、その上面以外を包囲するヨーク部材90を介して上部ハウジング110側に固定され、被包囲部材5およびヨーク部材90を磁路とする磁界を発生させる。
【0031】
前記ヨーク部材90は、図5に示すように、前記被包囲部材5と対向する上面以外を包囲する断面門型の本体部を構成する下面包囲部90aと、内周包囲部90bと、外周包囲部90cおよび該外周包囲部90cの上端開口端縁部から外向きに突出された固定フランジ部90dとによって構成されている。そして、固定フランジ部90dが突出される外周包囲部90cは、固定フランジ部90d方向への磁束の漏れを防止するためにその肉厚が上面包囲部90aおよび内周包囲部90bの肉厚より厚めに形成されている。
【0032】
前記スペーサ10は、トルク検出用コイル8側のヨーク部材80と温度補償用コイル9側のヨーク部材90との軸方向間隔を決定するために介装されるもので、内外二重の内外輪20,21によって構成されている。
【0033】
すなわち、このスペーサ10は、図6及び図7にも示すように、円筒状の外輪20と該外輪20の内周面に圧入される内輪21との二重の円筒状の非磁性体金属材であるアルミ合金材料によって形成され、外輪20は、肉厚が内輪21よりも薄肉に形成されていると共に、上下幅Wが内輪21の上下幅W1よりも大きく形成されている。一方、内輪21は、単純な円筒状に形成されて、外輪20の内周面20aの底部付近まで圧入されている。また、内輪21の上面には、ヨーク部材80における固定フランジ部80dを軸方向において位置決め係止する環状段差面21aが形成され、下面には、ヨーク部材90における固定フランジ部90dを軸方向において位置決め係止する環状段差面21bが形成されている。
【0034】
すなわち、両環状段差面21a、21b相互間の軸方向長さでトルク検出用コイル8と温度補償用コイル9との軸方向位置関係が決定されるようになっている。
【0035】
また、前記外輪20の内周面20aの上端側と下端側には、前記ヨーク部材80およびヨーク部材90を周方向において位置決め係合する係合部である軸方向突部22、23が内方へのプレスかしめ加工によって形成されている一方、両固定フランジ部80d、90dの外周面には軸方向突部22、23が係合する切欠部80e、90eが形成されている。なお、この両切欠部80e、90eは、両各コイルハーネス8a、9aの突出方向を周方向において一致させた状態で周方向に一致する位置に形成される一方、前記両軸方向突部22、23も周方向において一致する位置に形成されている。すなわち、前記軸方向突部22、23と切欠部80e、90eとで請求の範囲の相対回転阻止手段が構成されている。
【0036】
前記ベース部材11は、その下端フランジ部11aを中央ハウジング120における大径部120aの内側に形成された係止段部120d上に係止させた状態で組み込まれるもので、その上端小径円筒部11bの内側にヨーク部材90における本体部を収容する環状凹部11cが形成されている。そして、前記小径円筒部11bが前記スペーサ10の下端開口部から挿入され、その上端面にヨーク部材90の固定フランジ部90dを当接係止させた状態で組み付けられる。すなわち、このベース部材11の軸方向長さにより、中央ハウジング120(ハウジング1)とトルク検出用コイル8および温度補償用コイル9との軸方向位置関係が決定されることになる。
【0037】
そして、前記小径円筒部11bの外周面には、スペーサ10の軸方向突部23が係合する切欠部11dが形成されている。なお、この切欠部11dに軸方向突部23が係合した状態で、コイルハーネス9aの突出位置とベース部材11に形成されたハーネス引き出し溝11eとが周方向において一致するようになっている。
【0038】
また、前記スペーサ10の外輪20の上端部には、図6及び図7に示すように、円周方向の180°の位置にそれぞれ一対の位置決め用突起24a、24bが一体に形成されている。この両位置決め用突起24a、24bは、外輪20の上端部の一部をプレスによって外方へ切り起こしたもので、平面ほぼコ字形状に形成されている。一方、この各位置決め用突起24a、24bと径方向に対向する上部ハウジング110の内周面には、前記位置決め用突起24a、24bが係合する図示しない軸方向係合溝が形成されている。そして、この軸方向係合溝に位置決め用突起24a、24bを係合させた状態において、前記コイルハーネス8a、9aの突出方向と上部ハウジング110の一側に形成された配線ボックス110eとが一致するようになっている。つまり、前記各位置決め用突起24a、24bと軸方向係合溝とによって上部ハウジング110とスペーサ10との相対回転が阻止されるようになっている。
【0039】
前記固定フランジ部80dと上部ハウジング110の内部の軸方向中間部に形成された環状段部110bとの間に皿ばね12を介装させた状態で中央ハウジング120に対する上部ハウジング110の組み付けおよびボルト等による締結固定が行われることにより、皿ばね12の付勢力により両ヨーク部材80、90(トルク検出用コイル8、温度補償用コイル9)の位置ずれを防止し、軸方向位置関係を維持させた状態でハウジング1への組み付けが行われる。
【0040】
前記トルク検出側包囲部材6は、その内周側円筒部60を入力軸2外周にかしめることにより、入力軸2に対する組み付け固定がなされている。すなわち、図8に入力軸2を示すように、この入力軸2の下端部寄りの位置に形成された最大外径部2cの外周面に周方向溝2dと複数の軸方向溝2eとが形成され、両溝2d、2eの交差点部分で凹部2fが形成されており、ポンチ等のかしめ具で前記内周側円筒部60を凹部2f内に打ち込んで嵌合させたかしめ状態とすることにより、入力軸2に対しトルク検出側包囲部材6が周方向および軸方向において位置決めされた状態で組み付け固定される。
【0041】
前記トルク検出側包囲部材6は、以上のようにその内周側円筒部60を入力軸2に固定することにより、前記被包囲部材5とトルク検出用コイル8との間に所定のクリアランスをもって介装されている。そして、このトルク検出側包囲部材6には、図9〜図11にその詳細を示すように、前記被包囲部材5における切欠部51および非切欠部52の数に対応し軸方向に貫通する窓部(切欠部)61が円周方向所定間隔のもとに複数(この実施の形態では8個)形成されている。なお、各窓部61の周方向幅が被包囲部材5の非切欠部52を挿入可能とするクリアランスを持ちつつ両者がほぼ同一幅に形成されている。
【0042】
すなわち、トルク検出側包囲部材6の窓部61および非切欠部62と前記被包囲部材5の切欠部51および非切欠部52との重なり具合の変化をインピーダンス変化に基づいて検出することにより入力軸2と出力軸3との間に発生するトルクを検出するためのものであり、このため、トルク検出側包囲部材6は、アルミニウム等の導電性かつ非磁性材料で形成されている。
【0043】
前記温度補償用包囲部材7は、前記被包囲部材5と温度補償用コイル9との間に介装されるもので、その内周側は出力軸3側には固定されないフリーの状態で温度補償用包囲部材7の外周に形成される外筒部(接続部)73とトルク検出側包囲部材6の外筒部(接続部)63とが互いに軸方向に延長され一体に連結することにより、トルク検出側包囲部材6と一体に回動するように構成されている。
【0044】
そして、図9に示すように、トルク検出側包囲部材6の窓部61と温度補償側包囲部材7の窓部71とが回動角で222度ずれた状態に配置されると共に、入力軸2側に回転力が加わっていないトルク値0の状態で、トルク検出側包囲部材6の各窓部61と温度補償側包囲部材7の各窓部71との間における各非切欠部62、72の幅が被包囲部材5の各非切欠部52を挿入可能とするクリアランスを持ちつつ、両者がほぼ周方向幅と同一幅に形成された状態となっており、この幅部分に被包囲部材5の各非切欠部52が丁度軸方向に重なる状態に配置されている。
【0045】
また、温度補償側包囲部材7は、図11に示すように、各窓部71の軸心側がそれぞれ軸心穴(挿通穴)74と連通する切り欠き状に形成されることにより、前記被包囲部材5における環状基部および被切欠部(磁路形成部)52が温度補償側包囲部材7を軸方向に通過可能となっている。
【0046】
そして、前記入力軸2におけるの最大外径部2cが、前記トルク検出用包囲部材6における内周側円筒部60の内径はもちろん、前記被包囲部材5における結合穴50の内径、トルク検出用コイル8および温度補償用コイル9を収容するヨーク部材80、90の内径よりも小径に形成されて、これら全てのセンサ部材が入力軸2側から組み付けられるようになっている。
【0047】
以下、各部材の組み付け手順について説明する。
(イ)出力軸3にはその軸心穴3aに対しトーションバー4の下端をスプライン結合すると共に、トーションバー4の上端部を入力軸2の軸心穴2a内に挿入した状態で、トーションバー4および入力軸2を直径方向に貫通するピン装着穴2gを穿設し、この装着穴2gにピン2cを圧入装着することによりトーションバー4の上端部側を入力軸2に固定する。なお、ピン装着穴2gの穿設加工時に発生する切削油や切粉の除去処理をした後、次の工程に進む。
【0048】
この後、アルミリングを出力軸3に圧入するベアリング1bが圧入固定された出力軸3を中央ハウジング120の下方から挿通させ、ベアリング1bを小径部120b内面に挿入し、ロックナットで固定することにより、中央ハウジング120に対し出力軸3の中間部を回転自在に軸支した状態に組付ける。
(ロ)中央ハウジング120内において、出力軸3にウォームホイール13を圧入固定する。
(ハ)ベース部材11の下端フランジ部11aを中央ハウジング120における大径部120a内に形成された環状段差面120d上に係止させた状態で組み付ける。
(ニ)ベース部材11の環状凹部11c内にヨーク部材90の本体部を収容し、かつ、固定フランジ部90dをベース部材11の上端小径円筒部11bの上端面に当接係止させた状態でヨーク部材90(温度補償用コイル9)を組み付ける。
(ホ)出力軸3の上端小径部33に被包囲部材5の結合穴50を圧入して組み付ける。その際、温度補償用コイル9と被包囲部材5相互間のクリアランスをセンサなどで計測しながら被包囲部材5の軸方向位置決めが行われる。
(ヘ)外筒部73、63を介して温度検出側包囲部材7が一体化されたトルク検出側包囲部材6は、その内周側円筒部60を入力軸2の最大外形部2cの外周にかしめることにより、入力軸2に対し組み付け固定する。その際、温度検出側包囲部材7は、前述のように、前記被包囲部材5における環状基部および被切欠部(磁路形成部)52が温度補償側包囲部材7を軸方向に通過可能となっているため、この温度検出側包囲部材7を被包囲部材5と温度補償用コイル9との間に所定のクリアランスが形成されるように軸方向配置させると共に、トルク検出用コイル8および温度補償用コイル9で検出されるインピーダンスの差が0になる位置とし、この状態でポンチ等のかしめ具で前記内周側円筒部60を凹部2f内に打ち込んで嵌合させたかしめ状態とすることにより、入力軸2に対しトルク検出側包囲部材6および温度補償側包囲部材7を軸方向および周方向において位置決め調整した状態で組み付け固定する。
(ト)スペーサ10における下向きの環状段差面21bを温度補償用コイル9側のヨーク部材90における固定フランジ部90dの上面に当接係止させた状態で、スペーサ10を組み付ける。その際、スペーサ10側に形成された軸方向突部23を固定フランジ部90d側に形成された切欠部90eおよびベース部材11側に形成された切欠部11dに係合させることにより、周方向に位置決めした状態で組み付ける。これにより、温度補償用コイル9におけるコイルハーネス9aとベース部材11におけるハーネス引き出し溝11eの周方向位置を一致させることができる。
(チ)固定フランジ部80dをスペーサ10における上向きの環状段差面21aに当接係止させた状態でヨーク部材80(トルク検出用コイル8)を組み付ける。その際、スペーサ10側に形成された軸方向突部22を固定フランジ部80d側に形成された切欠部80eに係合させることにより、周方向に位置決めした状態で組み付ける。これにより、予め設定された両環状段差面21a、21bの相互間隔により、トルク検出側包囲部材6を被包囲部材5とトルク検出用コイル8との間に所定のクリアランスのもとに配置させた状態とすることができると共に、トルク検出用コイル8と温度補償用コイル9における両コイルハーネス8a、9aの突出位置を周方向において一致させることができる。
(リ)ヨーク部材80における固定フランジ部80d上に皿ばね12を載置した状態で、中央ハウジング120に対し上部ハウジング110の組み付を行う。
【0049】
すなわち、入力軸2を上部ハウジング110の軸心穴内に圧入固定されたベアリング1a内に挿入することにより、上部ハウジング110に対し入力軸2を回転自在に軸支状態とし、中央ハウジング120の上部に備えた大径部120a内に上部ハウジング110の下端開口縁部110aを挿入すると共に、フランジ部110bを中央ハウジング120の開口部上端面に当接係止させた状態とし、この状態で、ボルト等により上部ハウジング110と中央ハウジング120とを軸方向に締結固定することにより、固定フランジ部80dと環状段部110dとの間で皿ばね12が押圧圧縮され、その強い反発力により、ヨーク部材80と、スペーサ10、ヨーク部材90およびベース部材11が、皿ばね12と環状段部110dとの間に軸方向に挟持された状態で固定される。そして、上部ハウジング110の組み付けの際に、上部ハウジング110の内周面に形成された軸方向係合溝122にスペーサ10の外周に形成された位置決め用突起24a、24bを係合させた状態で組み付けることにより、コイルハーネス8a、9aの突出方向と上部ハウジング110の一側に形成された配線ボックス110eとを周方向において一致させることができる。
(ヌ)中央ハウジング120の小径部120bを下部ハウジング130の大径部130a内に挿入させると同時に、出力軸3を回転させながらピニオンPをラックRに噛み合わせて行き、最後に、下部ハウジング130内に圧入固定されたベアリング1c内に出力軸3の下端を挿入させることにより、下部ハウジング130に対し出力軸3の下端部を回転自在に軸支した状態に組み付ける。
【0050】
次に、このトルクセンサTSの作用・効果を説明する。
【0051】
この実施の形態のトルクセンサTSは、前述のように構成されるため、トルク0の状態では、トルク検出側包囲部材6および温度補償側包囲部材7の非切欠部62、72により、それぞれ磁界が完全に遮断された状態、または少量の磁界が発生している状態となっており、このため、トルク検出用コイル8および温度補償用コイル9で検出されるインピーダンス値の差は略0(トルク値0)となっている。
【0052】
次に、トルク値0の状態から、入力軸2側に回転力が作用すると、入力軸2の回転力がトーションバー4を介して出力軸3側に伝達される際に、トルク量に応じてトーションバー4が捻じれることで、被包囲部材5とトルク検出側包囲部材6とが相対回動し、これにより、被包囲部材5の各非切欠部がトルク検出側包囲部材6の各窓部61側と重なる方向に相対回動するため、相対回動量に応じトルク検出用コイル8で検出されるインピーダンス値が変化する一方、これとは逆に、被包囲部材5の各非切欠部が温度補償側包囲部材7の各非切欠部72と重なる方向に相対回動するため、インピーダンス値の差が略0を中心としてインピーダンス値が互いにプラスとマイナスの逆方向に変化することになる。
【0053】
そこで、トルク検出用コイル8で検出されるプラス方向のインピーダンス値と、温度補償用コイル9で検出されたマイナス方向のインピーダンス値との差分値を検出することにより、常に温度補償された状態のトルク値を検出することができると共に、トルク検出用コイル8と温度補償用コイル9でそれぞれ検出される両インピーダンス値の差分値として大きな値が得られるため、トルク検出精度を高めることができる。
【0054】
また、この実施の形態にあっては、前記入力軸2における最大外径部2cが、トルク検出側包囲部材6における内周側円筒部60の内径はもちろん、出力軸3側に固定される被包囲部材5における結合穴50の内径、トルク検出用コイル8および温度補償用コイル9を収容するヨーク部材80、90の内径よりも小径に形成したことにより、入力軸2と出力軸3とをトーションバー4を介して接続した後からでも、入力軸2側に固定される両包囲部材6、7はもちろん、出力軸3側に固定される被包囲部材5の他、ハウジング1側に固定されるトルク検出用コイル8および温度補償用コイル9をも全て入力軸2側から装着することができるようになる。従って、組み付け作業性を向上させることができるようになるという効果が得られる。
【0055】
また、両包囲部材6、7が入力軸2側に固定されるため、両包囲部材6、7を固定した後に入力軸2側のトルク検出用コイル8を挿入することができるため、両包囲部材6、7を容易に入力軸2に固定することができるようになる。
【0056】
さらに、前記温度補償側包囲部材7には、その中心部に入力軸2および被包囲部材5における環状基部を貫通可能な軸心穴74が形成されていると共に、被包囲部材5の各非切欠部52と対向する部分には軸心穴74と連通し非切欠部52を貫通可能な状態で各窓部71が放射状に形成された構成としたことで、被包囲部材5が温度補償側包囲部材7を軸方向に貫通可能であり、このため、出力軸3に被包囲部材5を装着固定した後に、トルク検出側包囲部材6と温度補償側包囲部材7とが外筒部63、73介して一体に形成された構造の包囲部材を入力軸2側から挿入し、被包囲部材5の軸方向両面から挟む状態でトルク検出側包囲部材6と温度補償側包囲部材7を組み付け配置することができるようになり、従って、組み付け作業性をさらに向上させることができるようになる。
【0057】
また、前記トルク検出側包囲部材6の内周側円筒部60を入力軸2における最大外径部2cの外周面に予め形成された凹部2f内に嵌合する状態でかしめることにより入力軸2に対し固定するようにしたことで、被包囲部材5とトルク検出用コイル8および温度補償用コイル9との位置関係の調整によるセンサ出力の微調整が可能となるもので、このセンサ出力の微調整後に上記かしめを行うことにより、入力軸2と両包囲部材6、7との相対回転および軸方向移動を防止することができる。
【0058】
また、前記両ヨーク部材80、90相互間にトルク検出用コイル8と温度補償用コイル9の軸方向間隔を決定する環状のスペーサ10を介装したため、トルク検出用コイル8と温度補償用コイル9との相互間の位置関係を維持した状態での組み付けが可能となり、これにより、両ヨーク部材80、90(両コイル8、9)相互間のクリアランス管理を容易に行うことができるようになる。
【0059】
また、スペーサ10を設けたことで、入力軸2側のトルク検出用コイル8をハウジング1側に固定する必要がなくなるため、入力軸2側の上部ハウジング110を装着する前に、全てのセンサ部材を組み付けることができるようになる。
【0060】
しかも、前記スペーサ10を、従来の合成樹脂材に代えて該合成樹脂系の材料と線膨張係数がほぼ同一のアルミ合金材により外輪20と内輪21の二重の円筒部材によって形成し、外輪20の内周面20aに内輪21を圧入することによって環状段差面21a、21bを形成したため、ハウジング110内での熱による経時的な劣化が抑制される。この結果、両ヨーク部材80、90相互間の軸方向の位置、つまりトルク検出用コイル8と温度補償用コイル9間の位置精度の低下を防止できることから、トルクセンサTSの検出精度の悪化を防止できる。
【0061】
また、環状段差面21a、21bのコーナー部にR形状が発生することがないことから、事後的な切削加工が不要になり、加工コストの低廉化が図れる。
【0062】
さらに、前述のように、各軸方向突部21a、21bによる両ヨーク部材80,90の周方向の位置決めの容易性や、前記各位置決め用突起24a、24bと軸方向係合溝とによって上部ハウジング110とスペーサ10との相対回転が阻止効果が得られるばかりか、外輪20がアルミ合金材によって形成されいることから、前記軸方向突部21a、21bや各位置決め用突起24a、24bをプレスによるかしめ加工によって成形することができることから、かかる成形加工作業が容易であり、コストの高騰を防止できる。
【0063】
また、以上のようなトルクセンサTSを組み立てる際には、前述のように、まず、入力軸2と出力軸3とをトーションバ4を介して接続した後に、トルク検出用コイル8等のセンサ部材を入力軸2および出力軸3に挿入して組み付けるようにすることが好ましい。すなわち、入力軸2と出力軸3とを接続する際には、トーションバー4の上端部をピン2cで入力軸2側に固定するために、ピン装着穴2gを穿設加工する必要があり、このため、切削粉などのコンタミや切削油等が発生するため、トルク検出用コイル8等のセンサ部材を挿入した後、入力軸2および出力軸3の接続を行った場合は、トルク検出用コイル8等のセンサ部材にコンタミや油等が付着する恐れがあるからである。
【0064】
そこで、この実施の形態では、前述のように、トルク検出用コイル8等の全てのセンサ部材を入力軸2側から組み付け固定する前に、トーションバー4の上端部をピン2cで入力軸2側に固定するためのピン装着穴2gの穿設加工およびピン2cの嵌入固定を行うようにしたことで、トルク検出用コイル8等のセンサ部材にコンタミや油等が付着することを防止できるようになる。
【0065】
また、前記両ヨーク部材80、90とスペーサ10との間には相対回転をそれぞれ阻止する切欠部80e、90eと軸方向突部22、23を備えたことで、両コイル8、9における両コイルハーネス8a、9aの突出位置を一致させ、かつ、前記スペーサ10と上部ハウジング110との間には両者間の相対回転を阻止する位置決め用位置決め用突起24a、24bと軸方向係合溝とを備えた構成としたことで、両コイル8、9における両コイルハーネス8a、9aの突出位置と上部ハウジング110に設けられる配線ボックス110eの位置とを一致させた状態での組み付けが可能となり、これにより、組み付け作業性を向上させることができるようになる。
【0066】
また、ハウジング1に対する両ヨーク部材80、90の固定が、両包囲部材6、7および被包囲部材5と対向する面以外を包囲する断面門型の本体部における外周包囲部80c、90c側の開口端縁部から外向きに突出する固定フランジ部80d、90dにおいて行われるようにしたため、両ヨーク部材80、90における磁界の磁路を構成する本体部の内部応力を変化させることなしにハウジング1への組み付け固定が可能となり、これにより、所望のトルク検出精度を得ることができるようになる。
【0067】
また、前記両ヨーク部材80、90を、スペーサ10が相互間に介装された両固定フランジ部80d、90dの部分において皿ばね12およびベース部材11を介して軸方向に押圧された状態でハウジング1に対して固定するようにしたことで、皿ばね12を介装するだけで、両ヨーク部材80、90における磁界の磁路を構成する本体部の内部応力を変化させることなしにハウジング1への組み付け固定を容易に行うことができるようになると共に、皿ばね12の付勢力により両ヨーク部材80、90(トルク検出用コイル8、温度補償用コイル9)の位置ずれを防止することができるようになる。
【0068】
また、前記スペーサ10が相互間に介装された両固定フランジ部80d、90dの部分において軸方向に介装されたベース部材11を介して軸方向に押圧した状態で両ヨーク部材80、90をハウジング1に対して固定するようにしたことで、ハウジング1自体を設計変更することなしに、ベース部材11を変更するだけで、ハウジング1、両包囲部材7、8および被包囲部材5に対する両ヨーク部材80、90(トルク検出用コイル8、温度補償用コイル9)の軸方向取り付け位置を容易に変更することができるようになる。
【0069】
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0070】
例えば、発明の実施の形態では、入力軸2側に包囲部材を設け、出力軸3側に被包囲部材を設けたが、逆であってもよい。
【0071】
また、前記トルク検出用コイル8を下段に配置し、温度補償用コイル9を上段に配置することも可能である。
【0072】
また、発明の実施の形態では、ハウジング1を組み付けた後に、ピン装着穴2dを穿設加工およびピン2cの圧入を行ったが、ハウジング1の組み付け前に行うようにしてもよい。
【0073】
さらに、スペーサ10の内外輪20,21の成形材料は、アルミ合金材に限定されるものではなく、他の非磁性体金属によって形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるトルクセンサが適用される電動パワーステアリング装置を示す全体概略図である。
【図2】同電動パワーステアリング装置を示す縦断面図である。
【図3】発明の実施の形態の電動パワーステアリング装置を示す分解斜視図である。
【図4】同電動パワーステアリング装置における被包囲部材を示す斜視図である。
【図5】同電動パワーステアリング装置を示す要部拡大断面図である。
【図6】本実施形態に供されるスペーサを一部切欠して示す平面図である。
【図7】図6のA−A線断面図である。
【図8】電動パワーステアリング装置における入力軸を示す正面図である。
【図9】トルクセンサにおける両包囲部材を示す平面図である。
【図10】図9のB−B線断面図である。
【図11】トルクセンサにおける両包囲部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
SW…ステアリングホイール
TS…電動パワーステアリング装置
1…ハウジング
2…入力軸(第1回転軸)
3…出力軸(第2回転軸)
4…トーションバー(弾性体)
5…被包囲部材
6…トルク検出側包囲部材
7…温度補償側包囲部材
8…トルク検出用コイル(検出コイル)
9…温度補償用コイル(検出コイル)
10…スペーサ
20…外輪
21…内輪
21a…環状段差面
21b…環状段差面
22…軸方向突部
23…軸方向突部
24a、24b…位置決め用突起
80・90…ヨーク部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動パワーステアリング装置に用いられるトルクセンサの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動パワーステアリング装置に適用されるトルクセンサとしては、例えば、本出願人が先に出願した特願2001−383568に記載されているようなものがある。
【0003】
概略を説明すれば、このトルクセンサは、入力軸と出力軸との間に介装されたトーションバーと、前記出力軸に設けられていて電動機の駆動軸に設けられたウォームシャフトと噛み合って前記出力軸に操舵補助力を伝達するウォームホイールと、前記出力軸側に固定されていて少なくとも軸方向一側面に円周方向所定間隔のもとに切欠部が複数形成された磁性材料よりなる被包囲部材と、該被包囲部材における切欠部が形成された面と軸方向両面においてそれぞれ対向する状態でその基部が前記入力軸側に固定されていて、前記被包囲部材における切欠部に対応し軸方向に貫通する切欠部が円周方向所定間隔のもとに複数形成された磁路遮断部を構成する導電性かつ非磁性材料よりなる一対の包囲部材と、前記被包囲部材および前記一対の包囲部材を挟んで軸方向に対向する状態で設けられていて前記被包囲部材の切欠部および非切欠部と両包囲部材の切欠部との重なり具合の変化をインピーダンス変化に基づいて検出することにより前記入力軸と出力軸との間に発生するトルクを検出する一対の検出コイルと、該両各検出コイルをそれぞれ包囲状態で収容する磁性材料からなる各ヨーク部材と、前記被包囲部材、両包囲部材、両検出コイルおよびヨーク部材を収容すると共に前記両各検出コイルをそれぞれ収容したヨーク部材が固定されるハウジングとを備えている。
【0004】
また、前記入力軸の最大外径部が前記被包囲部材、包囲部材および検出コイルを収容するヨーク部材の内径よりも小径に形成されている。
【0005】
さらに、前記トルク検出用コイル側のヨーク部材と温度補償用コイル側のヨーク部材との間には、非導電性部材である合成樹脂材料の円筒状のスペーサが介装されている。
【0006】
このスペーサは、その内側上部にトルク検出用コイル側のヨーク部材における固定フランジ部を軸方向において位置決め係止する環状段差面が一体に形成されていると共に、内側下部に温度補償用コイル側のヨーク部材における固定フランジ部を軸方向において位置決め係止する環状段差面が形成されている。また、スペーサの上端内周面と下端内周面には、前記両フランジ部の外周面に形成された切欠部が係合して周方向において位置決めする軸方向突部がスペーサの成形と同時に一体に形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記先願におけるトルクセンサにあっては、前記スペーサによって各ヨーク部材の軸方向の位置決めがなされるようになっているものの、全体が合成樹脂材によって形成されているため、ハウジング内の熱によっていわゆるへたり現象が発生して、部分的に変形しまうおそれがある。
【0008】
また、このスペーサの射出成形の際に、成形精度の悪化などに起因して前記環状段差面のコーナー部が直角ではなく僅かにR形状になってしまうおそれがある。
【0009】
この結果、前記各ヨーク部材間(検出コイル間)の軸方向の位置決め精度が低下して位置ずれが生じ、各ヨーク部材と前記包囲部材との間のいわゆるエアーギャップが不均一になって、トルクセンサの検出特性が変化してしまうおそれがある。
【0010】
したがって、前記R形状の形成部位を事後的に切削加工などによって直角に成形しなければならず、加工コストの高騰が余儀なくされている。
【0011】
本発明は、前記先願発明の技術的課題に鑑みて案出したもので、スペーサによる各ヨーク部材の位置決め精度を向上し得る電動パワーステアリング装置のトルクセンサを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、とりわけ、スペーサを、外輪と該外輪の内周面に圧入される内輪との二重の円筒状の非磁性金属材によって構成したことを特徴としている。
【0013】
スペーサを合成樹脂材ではなく、例えば合成樹脂系の材料と線膨張係数がほぼ同一のアルミ合金などの金属材によって形成したため、ハウジング内での熱による経時的な劣化が抑制される。この結果、検出コイル間の位置精度の低下を防止できることから、トルクセンサの検出精度の悪化を防止できる。
【0014】
また、環状段差のコーナー部にR形状が発生することがないことから、事後的な切削加工が不要になり、加工コストの低廉化が図れる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記外輪の内周面に、前記ヨーク部材と係合して該ヨーク部材の周方向の位置決めをする係合部を設けたことを特徴としている。
【0016】
したがって、この発明によれば、係合部によってヨーク部材の周方向の位置決めも可能になるばかりか、スペーサがアルミ合金などの金属材によって形成されていることから、外輪側の係合部を例えばかしめ等の簡易な方法によって成形することができる。よって、かかる係合部の成形作業も容易になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる電動パワーステアリング装置のトルクセンサの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本実施形態のトルクセンサTSが適用される電動パワーステアリング装置の全体概略図であり、この図に示すように、ステアリングホイールSWを手動で回転させると、回転軸Sの回転がラックR&ピニオンPによりラックRの直線運動に変換され、これにより、左右の前輪TL、TRの向きを変更(操舵)することができる。また、ピニオンPを電動モータMにより減速ギヤGを介し回転可能に構成することにより、前記手動による操舵力の補助が行われるようになっている。
【0019】
また、前記電動モータMは、手動による操舵力を検出する前記トルクセンサTSからの信号に基づいて、車載のコントロールユニットECUに組み込まれたマイコンによりその駆動制御が行われ、これにより、手動による操舵力の補助制御が行われる。なお、同図において、Ryはフェールセーフ用のリレー、Bは車載のバッテリである。
【0020】
前記トルクセンサTSは、図2〜図10に示すように構成され、図2は車両用電動パワーステアリング装置のトルクセンサTSを示す縦断面図、図3は同分解斜視図であり、図2及び図3において、1はハウジング、2は第1回転軸である入力軸、3は第2回転軸である出力軸、4は弾性体であるトーションバー、5は被包囲部材、6は第1磁路遮断部であるトルク検出側包囲部材、7は第2磁路遮断部である温度補償側包囲部材、8は検出コイルであるトルク検出用コイル、9は別異の検出コイルである温度補償用コイル、10はスペーサ、11はベース部材、12は皿ばね、13は出力軸側ウォームホイール、14はモータ軸側ウォームシャフトを示している。
【0021】
前記ハウジング1は、前記トルクセンサTC部分が主に収容される上部ハウジング110と、前記減速ギヤG部分が主に収容される中央ハウジング120と、ラックR&ピニオンP部分が主に収容される下部ハウジング130とに分割形成されて、それぞれ軸方向に組み付けることにより1つのハウジング1が構成されるようになっている。
【0022】
すなわち、中央ハウジング120の上部に備えた大径部120a内に上部ハウジング110の下端開口縁部110aを挿入すると共に、フランジ部110bを中央ハウジング120の開口部上端面に当接係止させた状態とし、この状態で、ボルト等により上部ハウジング110と中央ハウジング120とが締結固定される。
【0023】
また、下部ハウジング130の上端部に備えた大径部130a内に中央ハウジング120の下部に備えた小径部120bを装着すると共に、大径部130aの上端面を中央ハウジング120における環状段差面120cに当接係止させた状態とし、この状態で、ボルト等により中央ハウジング120と下部ハウジング130とが締結固定されるようになっている。
【0024】
前記入力軸2および出力軸3は、前記各ハウジング110、120、130内に軸受けベアリング1a、1b、1cを介してそれぞれ回転自在に支持された状態で、同軸上に配置されている。
【0025】
前記トーションバー4は、前記入力軸2の軸心穴2a内に回転可能に挿入され、その一端が軸心穴2aの奥側で入力軸2に対しピン2bで固定される一方、もう一端側は出力軸3の軸心穴3aに圧入されている。
【0026】
また、前記入力軸2には、ステアリングホイールSWが連結されていて、このステアリングホイールSWの操舵力が、入力軸2、トーションバー4、および、出力軸3を経由し、出力軸3の下端に設けられたラックR&ピニオンPによりラックRの直線運動に変換され、左右の前輪TL、TRに伝達されるようになっている。
【0027】
前記被包囲部材5は、前記トルク検出用コイル8および温度補償用コイル9で発生する磁界の磁路を構成するものであり、このためステンレス等の磁性材料で焼結加工により形成され、上部ハウジング110内において出力軸3の上端部(入力軸2側端部)に本体部31とは環状段差面32を形成して設けられた小径部33の外周に圧入結合されている。(図5参照)
この被包囲部材5は、図4にその詳細斜視図を示すように、その中心部に前記小径部33に圧入結合するための結合穴50を有する環状基部の外周側には非切欠部(磁路形成部)52を残し、円周方向所定間隔のもとに軸方向に貫通する切欠部51が複数(この実施の形態では8個)形成されている。
【0028】
前記トルク検出用コイル8は、インピーダンス変化に基づいて入力軸2と出力軸3との間に作用するトルクを検出するためのもので、図2及び図3に示すように、被包囲部材5の入力軸2側の面と軸方向に対面する状態で、その下面以外を包囲するヨーク部材80を介して上部ハウジング110側に固定され、被包囲部材5およびヨーク部材80を磁路とする磁界を発生させる。
【0029】
前記ヨーク部材80は、図5に示すように、前記被包囲部材5と対向する下面以外を包囲する断面門型の本体部を構成する上面包囲部80aと、内周包囲部80bと、外周包囲部80cおよび、該外周包囲部80cの下端開口端縁部から外向きに突出された固定フランジ部80dとによって構成されている。そして、固定フランジ部80dが突出される外周包囲部80cは、固定フランジ部80d方向への磁束の漏れを防止するためにその肉厚が上面包囲部80aおよび内周包囲部80bの肉厚より厚めに形成されている。
【0030】
前記温度補償用コイル9は、前記トルク検出用コイル8でトルクを検出する際に温度変化に基づく検出値の変動を修正するためのもので、被包囲部材5の出力軸3側の面と軸方向に対面する状態で、その上面以外を包囲するヨーク部材90を介して上部ハウジング110側に固定され、被包囲部材5およびヨーク部材90を磁路とする磁界を発生させる。
【0031】
前記ヨーク部材90は、図5に示すように、前記被包囲部材5と対向する上面以外を包囲する断面門型の本体部を構成する下面包囲部90aと、内周包囲部90bと、外周包囲部90cおよび該外周包囲部90cの上端開口端縁部から外向きに突出された固定フランジ部90dとによって構成されている。そして、固定フランジ部90dが突出される外周包囲部90cは、固定フランジ部90d方向への磁束の漏れを防止するためにその肉厚が上面包囲部90aおよび内周包囲部90bの肉厚より厚めに形成されている。
【0032】
前記スペーサ10は、トルク検出用コイル8側のヨーク部材80と温度補償用コイル9側のヨーク部材90との軸方向間隔を決定するために介装されるもので、内外二重の内外輪20,21によって構成されている。
【0033】
すなわち、このスペーサ10は、図6及び図7にも示すように、円筒状の外輪20と該外輪20の内周面に圧入される内輪21との二重の円筒状の非磁性体金属材であるアルミ合金材料によって形成され、外輪20は、肉厚が内輪21よりも薄肉に形成されていると共に、上下幅Wが内輪21の上下幅W1よりも大きく形成されている。一方、内輪21は、単純な円筒状に形成されて、外輪20の内周面20aの底部付近まで圧入されている。また、内輪21の上面には、ヨーク部材80における固定フランジ部80dを軸方向において位置決め係止する環状段差面21aが形成され、下面には、ヨーク部材90における固定フランジ部90dを軸方向において位置決め係止する環状段差面21bが形成されている。
【0034】
すなわち、両環状段差面21a、21b相互間の軸方向長さでトルク検出用コイル8と温度補償用コイル9との軸方向位置関係が決定されるようになっている。
【0035】
また、前記外輪20の内周面20aの上端側と下端側には、前記ヨーク部材80およびヨーク部材90を周方向において位置決め係合する係合部である軸方向突部22、23が内方へのプレスかしめ加工によって形成されている一方、両固定フランジ部80d、90dの外周面には軸方向突部22、23が係合する切欠部80e、90eが形成されている。なお、この両切欠部80e、90eは、両各コイルハーネス8a、9aの突出方向を周方向において一致させた状態で周方向に一致する位置に形成される一方、前記両軸方向突部22、23も周方向において一致する位置に形成されている。すなわち、前記軸方向突部22、23と切欠部80e、90eとで請求の範囲の相対回転阻止手段が構成されている。
【0036】
前記ベース部材11は、その下端フランジ部11aを中央ハウジング120における大径部120aの内側に形成された係止段部120d上に係止させた状態で組み込まれるもので、その上端小径円筒部11bの内側にヨーク部材90における本体部を収容する環状凹部11cが形成されている。そして、前記小径円筒部11bが前記スペーサ10の下端開口部から挿入され、その上端面にヨーク部材90の固定フランジ部90dを当接係止させた状態で組み付けられる。すなわち、このベース部材11の軸方向長さにより、中央ハウジング120(ハウジング1)とトルク検出用コイル8および温度補償用コイル9との軸方向位置関係が決定されることになる。
【0037】
そして、前記小径円筒部11bの外周面には、スペーサ10の軸方向突部23が係合する切欠部11dが形成されている。なお、この切欠部11dに軸方向突部23が係合した状態で、コイルハーネス9aの突出位置とベース部材11に形成されたハーネス引き出し溝11eとが周方向において一致するようになっている。
【0038】
また、前記スペーサ10の外輪20の上端部には、図6及び図7に示すように、円周方向の180°の位置にそれぞれ一対の位置決め用突起24a、24bが一体に形成されている。この両位置決め用突起24a、24bは、外輪20の上端部の一部をプレスによって外方へ切り起こしたもので、平面ほぼコ字形状に形成されている。一方、この各位置決め用突起24a、24bと径方向に対向する上部ハウジング110の内周面には、前記位置決め用突起24a、24bが係合する図示しない軸方向係合溝が形成されている。そして、この軸方向係合溝に位置決め用突起24a、24bを係合させた状態において、前記コイルハーネス8a、9aの突出方向と上部ハウジング110の一側に形成された配線ボックス110eとが一致するようになっている。つまり、前記各位置決め用突起24a、24bと軸方向係合溝とによって上部ハウジング110とスペーサ10との相対回転が阻止されるようになっている。
【0039】
前記固定フランジ部80dと上部ハウジング110の内部の軸方向中間部に形成された環状段部110bとの間に皿ばね12を介装させた状態で中央ハウジング120に対する上部ハウジング110の組み付けおよびボルト等による締結固定が行われることにより、皿ばね12の付勢力により両ヨーク部材80、90(トルク検出用コイル8、温度補償用コイル9)の位置ずれを防止し、軸方向位置関係を維持させた状態でハウジング1への組み付けが行われる。
【0040】
前記トルク検出側包囲部材6は、その内周側円筒部60を入力軸2外周にかしめることにより、入力軸2に対する組み付け固定がなされている。すなわち、図8に入力軸2を示すように、この入力軸2の下端部寄りの位置に形成された最大外径部2cの外周面に周方向溝2dと複数の軸方向溝2eとが形成され、両溝2d、2eの交差点部分で凹部2fが形成されており、ポンチ等のかしめ具で前記内周側円筒部60を凹部2f内に打ち込んで嵌合させたかしめ状態とすることにより、入力軸2に対しトルク検出側包囲部材6が周方向および軸方向において位置決めされた状態で組み付け固定される。
【0041】
前記トルク検出側包囲部材6は、以上のようにその内周側円筒部60を入力軸2に固定することにより、前記被包囲部材5とトルク検出用コイル8との間に所定のクリアランスをもって介装されている。そして、このトルク検出側包囲部材6には、図9〜図11にその詳細を示すように、前記被包囲部材5における切欠部51および非切欠部52の数に対応し軸方向に貫通する窓部(切欠部)61が円周方向所定間隔のもとに複数(この実施の形態では8個)形成されている。なお、各窓部61の周方向幅が被包囲部材5の非切欠部52を挿入可能とするクリアランスを持ちつつ両者がほぼ同一幅に形成されている。
【0042】
すなわち、トルク検出側包囲部材6の窓部61および非切欠部62と前記被包囲部材5の切欠部51および非切欠部52との重なり具合の変化をインピーダンス変化に基づいて検出することにより入力軸2と出力軸3との間に発生するトルクを検出するためのものであり、このため、トルク検出側包囲部材6は、アルミニウム等の導電性かつ非磁性材料で形成されている。
【0043】
前記温度補償用包囲部材7は、前記被包囲部材5と温度補償用コイル9との間に介装されるもので、その内周側は出力軸3側には固定されないフリーの状態で温度補償用包囲部材7の外周に形成される外筒部(接続部)73とトルク検出側包囲部材6の外筒部(接続部)63とが互いに軸方向に延長され一体に連結することにより、トルク検出側包囲部材6と一体に回動するように構成されている。
【0044】
そして、図9に示すように、トルク検出側包囲部材6の窓部61と温度補償側包囲部材7の窓部71とが回動角で222度ずれた状態に配置されると共に、入力軸2側に回転力が加わっていないトルク値0の状態で、トルク検出側包囲部材6の各窓部61と温度補償側包囲部材7の各窓部71との間における各非切欠部62、72の幅が被包囲部材5の各非切欠部52を挿入可能とするクリアランスを持ちつつ、両者がほぼ周方向幅と同一幅に形成された状態となっており、この幅部分に被包囲部材5の各非切欠部52が丁度軸方向に重なる状態に配置されている。
【0045】
また、温度補償側包囲部材7は、図11に示すように、各窓部71の軸心側がそれぞれ軸心穴(挿通穴)74と連通する切り欠き状に形成されることにより、前記被包囲部材5における環状基部および被切欠部(磁路形成部)52が温度補償側包囲部材7を軸方向に通過可能となっている。
【0046】
そして、前記入力軸2におけるの最大外径部2cが、前記トルク検出用包囲部材6における内周側円筒部60の内径はもちろん、前記被包囲部材5における結合穴50の内径、トルク検出用コイル8および温度補償用コイル9を収容するヨーク部材80、90の内径よりも小径に形成されて、これら全てのセンサ部材が入力軸2側から組み付けられるようになっている。
【0047】
以下、各部材の組み付け手順について説明する。
(イ)出力軸3にはその軸心穴3aに対しトーションバー4の下端をスプライン結合すると共に、トーションバー4の上端部を入力軸2の軸心穴2a内に挿入した状態で、トーションバー4および入力軸2を直径方向に貫通するピン装着穴2gを穿設し、この装着穴2gにピン2cを圧入装着することによりトーションバー4の上端部側を入力軸2に固定する。なお、ピン装着穴2gの穿設加工時に発生する切削油や切粉の除去処理をした後、次の工程に進む。
【0048】
この後、アルミリングを出力軸3に圧入するベアリング1bが圧入固定された出力軸3を中央ハウジング120の下方から挿通させ、ベアリング1bを小径部120b内面に挿入し、ロックナットで固定することにより、中央ハウジング120に対し出力軸3の中間部を回転自在に軸支した状態に組付ける。
(ロ)中央ハウジング120内において、出力軸3にウォームホイール13を圧入固定する。
(ハ)ベース部材11の下端フランジ部11aを中央ハウジング120における大径部120a内に形成された環状段差面120d上に係止させた状態で組み付ける。
(ニ)ベース部材11の環状凹部11c内にヨーク部材90の本体部を収容し、かつ、固定フランジ部90dをベース部材11の上端小径円筒部11bの上端面に当接係止させた状態でヨーク部材90(温度補償用コイル9)を組み付ける。
(ホ)出力軸3の上端小径部33に被包囲部材5の結合穴50を圧入して組み付ける。その際、温度補償用コイル9と被包囲部材5相互間のクリアランスをセンサなどで計測しながら被包囲部材5の軸方向位置決めが行われる。
(ヘ)外筒部73、63を介して温度検出側包囲部材7が一体化されたトルク検出側包囲部材6は、その内周側円筒部60を入力軸2の最大外形部2cの外周にかしめることにより、入力軸2に対し組み付け固定する。その際、温度検出側包囲部材7は、前述のように、前記被包囲部材5における環状基部および被切欠部(磁路形成部)52が温度補償側包囲部材7を軸方向に通過可能となっているため、この温度検出側包囲部材7を被包囲部材5と温度補償用コイル9との間に所定のクリアランスが形成されるように軸方向配置させると共に、トルク検出用コイル8および温度補償用コイル9で検出されるインピーダンスの差が0になる位置とし、この状態でポンチ等のかしめ具で前記内周側円筒部60を凹部2f内に打ち込んで嵌合させたかしめ状態とすることにより、入力軸2に対しトルク検出側包囲部材6および温度補償側包囲部材7を軸方向および周方向において位置決め調整した状態で組み付け固定する。
(ト)スペーサ10における下向きの環状段差面21bを温度補償用コイル9側のヨーク部材90における固定フランジ部90dの上面に当接係止させた状態で、スペーサ10を組み付ける。その際、スペーサ10側に形成された軸方向突部23を固定フランジ部90d側に形成された切欠部90eおよびベース部材11側に形成された切欠部11dに係合させることにより、周方向に位置決めした状態で組み付ける。これにより、温度補償用コイル9におけるコイルハーネス9aとベース部材11におけるハーネス引き出し溝11eの周方向位置を一致させることができる。
(チ)固定フランジ部80dをスペーサ10における上向きの環状段差面21aに当接係止させた状態でヨーク部材80(トルク検出用コイル8)を組み付ける。その際、スペーサ10側に形成された軸方向突部22を固定フランジ部80d側に形成された切欠部80eに係合させることにより、周方向に位置決めした状態で組み付ける。これにより、予め設定された両環状段差面21a、21bの相互間隔により、トルク検出側包囲部材6を被包囲部材5とトルク検出用コイル8との間に所定のクリアランスのもとに配置させた状態とすることができると共に、トルク検出用コイル8と温度補償用コイル9における両コイルハーネス8a、9aの突出位置を周方向において一致させることができる。
(リ)ヨーク部材80における固定フランジ部80d上に皿ばね12を載置した状態で、中央ハウジング120に対し上部ハウジング110の組み付を行う。
【0049】
すなわち、入力軸2を上部ハウジング110の軸心穴内に圧入固定されたベアリング1a内に挿入することにより、上部ハウジング110に対し入力軸2を回転自在に軸支状態とし、中央ハウジング120の上部に備えた大径部120a内に上部ハウジング110の下端開口縁部110aを挿入すると共に、フランジ部110bを中央ハウジング120の開口部上端面に当接係止させた状態とし、この状態で、ボルト等により上部ハウジング110と中央ハウジング120とを軸方向に締結固定することにより、固定フランジ部80dと環状段部110dとの間で皿ばね12が押圧圧縮され、その強い反発力により、ヨーク部材80と、スペーサ10、ヨーク部材90およびベース部材11が、皿ばね12と環状段部110dとの間に軸方向に挟持された状態で固定される。そして、上部ハウジング110の組み付けの際に、上部ハウジング110の内周面に形成された軸方向係合溝122にスペーサ10の外周に形成された位置決め用突起24a、24bを係合させた状態で組み付けることにより、コイルハーネス8a、9aの突出方向と上部ハウジング110の一側に形成された配線ボックス110eとを周方向において一致させることができる。
(ヌ)中央ハウジング120の小径部120bを下部ハウジング130の大径部130a内に挿入させると同時に、出力軸3を回転させながらピニオンPをラックRに噛み合わせて行き、最後に、下部ハウジング130内に圧入固定されたベアリング1c内に出力軸3の下端を挿入させることにより、下部ハウジング130に対し出力軸3の下端部を回転自在に軸支した状態に組み付ける。
【0050】
次に、このトルクセンサTSの作用・効果を説明する。
【0051】
この実施の形態のトルクセンサTSは、前述のように構成されるため、トルク0の状態では、トルク検出側包囲部材6および温度補償側包囲部材7の非切欠部62、72により、それぞれ磁界が完全に遮断された状態、または少量の磁界が発生している状態となっており、このため、トルク検出用コイル8および温度補償用コイル9で検出されるインピーダンス値の差は略0(トルク値0)となっている。
【0052】
次に、トルク値0の状態から、入力軸2側に回転力が作用すると、入力軸2の回転力がトーションバー4を介して出力軸3側に伝達される際に、トルク量に応じてトーションバー4が捻じれることで、被包囲部材5とトルク検出側包囲部材6とが相対回動し、これにより、被包囲部材5の各非切欠部がトルク検出側包囲部材6の各窓部61側と重なる方向に相対回動するため、相対回動量に応じトルク検出用コイル8で検出されるインピーダンス値が変化する一方、これとは逆に、被包囲部材5の各非切欠部が温度補償側包囲部材7の各非切欠部72と重なる方向に相対回動するため、インピーダンス値の差が略0を中心としてインピーダンス値が互いにプラスとマイナスの逆方向に変化することになる。
【0053】
そこで、トルク検出用コイル8で検出されるプラス方向のインピーダンス値と、温度補償用コイル9で検出されたマイナス方向のインピーダンス値との差分値を検出することにより、常に温度補償された状態のトルク値を検出することができると共に、トルク検出用コイル8と温度補償用コイル9でそれぞれ検出される両インピーダンス値の差分値として大きな値が得られるため、トルク検出精度を高めることができる。
【0054】
また、この実施の形態にあっては、前記入力軸2における最大外径部2cが、トルク検出側包囲部材6における内周側円筒部60の内径はもちろん、出力軸3側に固定される被包囲部材5における結合穴50の内径、トルク検出用コイル8および温度補償用コイル9を収容するヨーク部材80、90の内径よりも小径に形成したことにより、入力軸2と出力軸3とをトーションバー4を介して接続した後からでも、入力軸2側に固定される両包囲部材6、7はもちろん、出力軸3側に固定される被包囲部材5の他、ハウジング1側に固定されるトルク検出用コイル8および温度補償用コイル9をも全て入力軸2側から装着することができるようになる。従って、組み付け作業性を向上させることができるようになるという効果が得られる。
【0055】
また、両包囲部材6、7が入力軸2側に固定されるため、両包囲部材6、7を固定した後に入力軸2側のトルク検出用コイル8を挿入することができるため、両包囲部材6、7を容易に入力軸2に固定することができるようになる。
【0056】
さらに、前記温度補償側包囲部材7には、その中心部に入力軸2および被包囲部材5における環状基部を貫通可能な軸心穴74が形成されていると共に、被包囲部材5の各非切欠部52と対向する部分には軸心穴74と連通し非切欠部52を貫通可能な状態で各窓部71が放射状に形成された構成としたことで、被包囲部材5が温度補償側包囲部材7を軸方向に貫通可能であり、このため、出力軸3に被包囲部材5を装着固定した後に、トルク検出側包囲部材6と温度補償側包囲部材7とが外筒部63、73介して一体に形成された構造の包囲部材を入力軸2側から挿入し、被包囲部材5の軸方向両面から挟む状態でトルク検出側包囲部材6と温度補償側包囲部材7を組み付け配置することができるようになり、従って、組み付け作業性をさらに向上させることができるようになる。
【0057】
また、前記トルク検出側包囲部材6の内周側円筒部60を入力軸2における最大外径部2cの外周面に予め形成された凹部2f内に嵌合する状態でかしめることにより入力軸2に対し固定するようにしたことで、被包囲部材5とトルク検出用コイル8および温度補償用コイル9との位置関係の調整によるセンサ出力の微調整が可能となるもので、このセンサ出力の微調整後に上記かしめを行うことにより、入力軸2と両包囲部材6、7との相対回転および軸方向移動を防止することができる。
【0058】
また、前記両ヨーク部材80、90相互間にトルク検出用コイル8と温度補償用コイル9の軸方向間隔を決定する環状のスペーサ10を介装したため、トルク検出用コイル8と温度補償用コイル9との相互間の位置関係を維持した状態での組み付けが可能となり、これにより、両ヨーク部材80、90(両コイル8、9)相互間のクリアランス管理を容易に行うことができるようになる。
【0059】
また、スペーサ10を設けたことで、入力軸2側のトルク検出用コイル8をハウジング1側に固定する必要がなくなるため、入力軸2側の上部ハウジング110を装着する前に、全てのセンサ部材を組み付けることができるようになる。
【0060】
しかも、前記スペーサ10を、従来の合成樹脂材に代えて該合成樹脂系の材料と線膨張係数がほぼ同一のアルミ合金材により外輪20と内輪21の二重の円筒部材によって形成し、外輪20の内周面20aに内輪21を圧入することによって環状段差面21a、21bを形成したため、ハウジング110内での熱による経時的な劣化が抑制される。この結果、両ヨーク部材80、90相互間の軸方向の位置、つまりトルク検出用コイル8と温度補償用コイル9間の位置精度の低下を防止できることから、トルクセンサTSの検出精度の悪化を防止できる。
【0061】
また、環状段差面21a、21bのコーナー部にR形状が発生することがないことから、事後的な切削加工が不要になり、加工コストの低廉化が図れる。
【0062】
さらに、前述のように、各軸方向突部21a、21bによる両ヨーク部材80,90の周方向の位置決めの容易性や、前記各位置決め用突起24a、24bと軸方向係合溝とによって上部ハウジング110とスペーサ10との相対回転が阻止効果が得られるばかりか、外輪20がアルミ合金材によって形成されいることから、前記軸方向突部21a、21bや各位置決め用突起24a、24bをプレスによるかしめ加工によって成形することができることから、かかる成形加工作業が容易であり、コストの高騰を防止できる。
【0063】
また、以上のようなトルクセンサTSを組み立てる際には、前述のように、まず、入力軸2と出力軸3とをトーションバ4を介して接続した後に、トルク検出用コイル8等のセンサ部材を入力軸2および出力軸3に挿入して組み付けるようにすることが好ましい。すなわち、入力軸2と出力軸3とを接続する際には、トーションバー4の上端部をピン2cで入力軸2側に固定するために、ピン装着穴2gを穿設加工する必要があり、このため、切削粉などのコンタミや切削油等が発生するため、トルク検出用コイル8等のセンサ部材を挿入した後、入力軸2および出力軸3の接続を行った場合は、トルク検出用コイル8等のセンサ部材にコンタミや油等が付着する恐れがあるからである。
【0064】
そこで、この実施の形態では、前述のように、トルク検出用コイル8等の全てのセンサ部材を入力軸2側から組み付け固定する前に、トーションバー4の上端部をピン2cで入力軸2側に固定するためのピン装着穴2gの穿設加工およびピン2cの嵌入固定を行うようにしたことで、トルク検出用コイル8等のセンサ部材にコンタミや油等が付着することを防止できるようになる。
【0065】
また、前記両ヨーク部材80、90とスペーサ10との間には相対回転をそれぞれ阻止する切欠部80e、90eと軸方向突部22、23を備えたことで、両コイル8、9における両コイルハーネス8a、9aの突出位置を一致させ、かつ、前記スペーサ10と上部ハウジング110との間には両者間の相対回転を阻止する位置決め用位置決め用突起24a、24bと軸方向係合溝とを備えた構成としたことで、両コイル8、9における両コイルハーネス8a、9aの突出位置と上部ハウジング110に設けられる配線ボックス110eの位置とを一致させた状態での組み付けが可能となり、これにより、組み付け作業性を向上させることができるようになる。
【0066】
また、ハウジング1に対する両ヨーク部材80、90の固定が、両包囲部材6、7および被包囲部材5と対向する面以外を包囲する断面門型の本体部における外周包囲部80c、90c側の開口端縁部から外向きに突出する固定フランジ部80d、90dにおいて行われるようにしたため、両ヨーク部材80、90における磁界の磁路を構成する本体部の内部応力を変化させることなしにハウジング1への組み付け固定が可能となり、これにより、所望のトルク検出精度を得ることができるようになる。
【0067】
また、前記両ヨーク部材80、90を、スペーサ10が相互間に介装された両固定フランジ部80d、90dの部分において皿ばね12およびベース部材11を介して軸方向に押圧された状態でハウジング1に対して固定するようにしたことで、皿ばね12を介装するだけで、両ヨーク部材80、90における磁界の磁路を構成する本体部の内部応力を変化させることなしにハウジング1への組み付け固定を容易に行うことができるようになると共に、皿ばね12の付勢力により両ヨーク部材80、90(トルク検出用コイル8、温度補償用コイル9)の位置ずれを防止することができるようになる。
【0068】
また、前記スペーサ10が相互間に介装された両固定フランジ部80d、90dの部分において軸方向に介装されたベース部材11を介して軸方向に押圧した状態で両ヨーク部材80、90をハウジング1に対して固定するようにしたことで、ハウジング1自体を設計変更することなしに、ベース部材11を変更するだけで、ハウジング1、両包囲部材7、8および被包囲部材5に対する両ヨーク部材80、90(トルク検出用コイル8、温度補償用コイル9)の軸方向取り付け位置を容易に変更することができるようになる。
【0069】
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0070】
例えば、発明の実施の形態では、入力軸2側に包囲部材を設け、出力軸3側に被包囲部材を設けたが、逆であってもよい。
【0071】
また、前記トルク検出用コイル8を下段に配置し、温度補償用コイル9を上段に配置することも可能である。
【0072】
また、発明の実施の形態では、ハウジング1を組み付けた後に、ピン装着穴2dを穿設加工およびピン2cの圧入を行ったが、ハウジング1の組み付け前に行うようにしてもよい。
【0073】
さらに、スペーサ10の内外輪20,21の成形材料は、アルミ合金材に限定されるものではなく、他の非磁性体金属によって形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるトルクセンサが適用される電動パワーステアリング装置を示す全体概略図である。
【図2】同電動パワーステアリング装置を示す縦断面図である。
【図3】発明の実施の形態の電動パワーステアリング装置を示す分解斜視図である。
【図4】同電動パワーステアリング装置における被包囲部材を示す斜視図である。
【図5】同電動パワーステアリング装置を示す要部拡大断面図である。
【図6】本実施形態に供されるスペーサを一部切欠して示す平面図である。
【図7】図6のA−A線断面図である。
【図8】電動パワーステアリング装置における入力軸を示す正面図である。
【図9】トルクセンサにおける両包囲部材を示す平面図である。
【図10】図9のB−B線断面図である。
【図11】トルクセンサにおける両包囲部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
SW…ステアリングホイール
TS…電動パワーステアリング装置
1…ハウジング
2…入力軸(第1回転軸)
3…出力軸(第2回転軸)
4…トーションバー(弾性体)
5…被包囲部材
6…トルク検出側包囲部材
7…温度補償側包囲部材
8…トルク検出用コイル(検出コイル)
9…温度補償用コイル(検出コイル)
10…スペーサ
20…外輪
21…内輪
21a…環状段差面
21b…環状段差面
22…軸方向突部
23…軸方向突部
24a、24b…位置決め用突起
80・90…ヨーク部材
Claims (2)
- ほぼ同軸上に配置された第1回転軸及び第2回転軸と、
前記第1回転軸と第2回転軸との間に発生するトルクを検出する一対の検出コイルと、
該両各検出コイルをそれぞれ包囲状態で収容する磁性材料からなるヨーク部材と、
前記両ヨーク部材間に介装されて、両検出コイルの軸方向間隔を決定する環状のスペーサとを備えた電動パワーステアリング装置のトルクセンサであって、
前記スペーサを、外輪と該外輪の内周面に圧入される内輪との二重の円筒状の非磁性金属材によって構成したことを特徴とする電動パワーステアリング装置のトルクセンサ。 - 前記外輪の内周面に、前記ヨーク部材と係合して該ヨーク部材の周方向の位置決めをする係合部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置のトルクセンサ。
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JP2007118927A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-05-17 | Nsk Ltd | 電動パワーステアリング装置 |
JP2019516990A (ja) * | 2016-05-17 | 2019-06-20 | エルジー イノテック カンパニー リミテッド | センサ装置 |
CN112334745A (zh) * | 2018-07-03 | 2021-02-05 | 阿自倍尔株式会社 | 扭矩传感器 |
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2002
- 2002-10-09 JP JP2002295545A patent/JP2004132748A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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