JP2004132481A - 二部材の連結構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】二部材の位置決めの取付精度の向上。
【解決手段】二部材の連結構造は、頭部33の近傍に大径雄ねじ部35を備えるとともに、先端部に大径ねじ部より小径の位置合わせ用の棒状部を有し、棒状部と大径雄ねじ部との間に棒状部の外径と大径雄ねじ部の外径との中間の外径を有する小径雄ねじ部31を備えるボルト3と、大径雄ねじ部が螺合する大径雌ねじ部46を有し、大径雄ねじ部が大径雌ねじ部に螺合した状態で棒状部の少なくとも一部が外側に突出する第一の部材と、大径雄ねじ部と大径雌ねじ部とが螺合して第一の部材から少なくとも棒状部の一部が外側に突出している状態で位置合わせされて後、ボルトを螺進することにより小径雄ねじ部のみが螺合して第一の部材に締結される小径雌ねじ部23を備える第二の部材とからなる。
【選択図】図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二つの部材を位置合わせした後に締結して連結する、特にはエンジンを車体に連結する場合の二部材の連結構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両にエンジンを搭載する場合、車体のエンジンルームの例えば三箇所にインシュレータを内蔵した取付ブラケットを固定しておき、その取付ブラケットにエンジンに固定されたエンジンブラケットを連結して搭載するものである。このような取付ブラケットとエンジンブラケットとによるエンジンの連結構造にあって、取付ブラケットが固定された車体が、例えばエンジンの上方から下降して、エンジンの搭載作業がなされるものであり、連結の際に取付ブラケットとエンジンブラケットとの位置合わせを行う必要がある。このために、取付ブラケットに貫通孔を設けておくとともに、エンジンブラケットに位置決め機能を有するスタッドボルトを設けておき、貫通孔にスタッドボルトを挿入して取付ブラケットに対するエンジンブラケットの位置決めを行い、位置決め後、貫通孔を突き抜けて取付ブラケットの表面から突出したスタッドボルトにナットを螺合することにより、取付ブラケットとエンジンブラケットとを締結して連結するものである。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開20001−105897号公報(段落0028、図1及び図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような構成のものであると、スタッドボルトのねじ山が破壊されることを防ぐとともに、位置合わせの際のスタッドボルトの貫通孔への挿入を容易にするために、取付ブラケットの貫通孔の内径を大きめ、つまり位置決めを行う際にスタッドボルトが貫通孔の内面に接触しない大きさにする必要がある。しかしながら、このように貫通孔の内径を大きめに設定すると、貫通孔の内径とスタッドボルトとの間に生じる間隙の分だけ、スタッドボルトにナットを螺合させて取付ブラケットとエンジンブラケットとを締結した際に移動し得る状態となり、位置合わせをしたにもかかわらず取付精度が低下することになる。
【0005】
このような不具合に対応して、エンジンブラケットのスタッドボルトを固定した位置の近傍にガイド部を設け、そのガイド部により取付ブラケットを案内して、エンジンブラケットの位置決めを行うことが考えられる。しかしながら、このような構成にあっては、ガイド部は、スタッドボルトがエンジンブラケットから突出している長さ以上の高さを有していないと、有効に取付ブラケットを案内し得ないものとなる。このため、取付の際にのみ必要なガイド部に比較的大きなスペースを占有されることになり、スペースの有効利用の観点から見て不利である。
【0006】
加えて、スタッドボルトであるので、エンジンブラケットと取付ブラケットとを締結するのにナットが必要であり、部品点数を増加させるととともに、スタッドボルトの取り付け及びナットの締め付けと言った作業の増加もあり、全体として作業性が悪かった。
【0007】
そこで本発明は、以上の不具合を解決することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の二部材の連結構造は、頭部の近傍に大径雄ねじ部を備えるとともに、先端部に大径ねじ部より小径の位置合わせ用の棒状部を有し、棒状部と大径雄ねじ部との間に棒状部の外径と大径雄ねじ部の外径との中間の外径を有する小径雄ねじ部を備えるボルトと、大径雄ねじ部が螺合する大径雌ねじ部を有し、大径雄ねじ部が大径雌ねじ部に螺合した状態で棒状部の少なくとも一部が外側に突出する第一の部材と、大径雄ねじ部と大径雌ねじ部とが螺合して第一の部材から少なくとも棒状部の一部が外側に突出している状態で位置合わせされた後、ボルトを螺進することにより小径雄ねじ部のみが螺合して第一の部材に締結される小径雌ねじ部を備える第二の部材とからなることを特徴とする。
【0009】
このような構成であれば、第一の部材の大径雌ねじ部に、ボルトの大径雄ねじ部を螺合させて、第一の部材にボルトを取り付けることにより、ボルトの先端部の少なくとも一部が第一の部材から外側に突出するので、ボルトの先端部が第二の部材に対して位置決めのためのノックピンとして機能する。そして、第一の部材に対して第二の部材が位置決めされた後に、ボルトを螺進して小径雄ねじ部のみを第二の部材の小径雌ねじ部と螺合させることにより、第一の部材と第二の部材との締結が完了する。
【0010】
したがって、締結に使用するボルトを、その先端部を利用して、第一の部材の第二の部材に対する位置を合わせることが可能になり、位置合わせのための専用のノックピンのような部材を削減することが可能になる。しかも、ボルトの先端部の外径が第二の部材の小径雌ねじ部の内径より小さくとも、第二の部材がその小径雌ねじ部とボルトの小径雄ねじ部との螺合により第一の部材と第二の部材とが締結されることになるので、第二の部材とボルトとの間に間隙が生じず、締結の精度を向上させることが可能となる。加えて、ボルトにより位置合わせ作業を行うとともに、ナットを用いることなくボルトを螺進させるのみで締結作業を行うので、作業を連続させることが可能となり、作業性を向上させることが可能となる。
【0011】
締結作業における螺進時の大径雄ねじ部と小径雄ねじ部との干渉を防ぐためには、ボルトは、大径雄ねじ部と大径雌ねじ部とを螺合させた状態での双方の部材の位置合わせの後に螺進された際に、小径雄ねじ部が小径雌ねじ部に螺合する前に、大径雄ねじ部が大径雌ねじ部から抜け出るように、大径雄ねじ部と小径雄ねじ部とを離間させて設けてあるものが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0013】
この実施の形態では、二部材の締結構造として、エンジン1を車体に搭載する場合を説明する。図1に示すエンジン1は、いわゆる横置きタイプのもので、図示しない車体に対してその駆動軸を車体の幅方向に一致させて、車体に三箇所を連結して搭載されるものである。連結箇所は、この分野でよく知られたものと同じであってよく、例えばエンジン1と一体化されたトランスミッションの部位と、エンジンルームの後壁の部位と、トランスミッションと背向する端面つまりエンジン1の正面側の部位とである。そして、この実施の形態にあっては、上述の第三の部位における連結に適用されるもので、エンジン1に取り付けられる第一の部材であるエンジンブラケット4と、車体に取り付けられる第二の部材である車体側マウント部材2とを締結することによりエンジンブラケット4と車体側マウント部材2とが連結されるものである。
【0014】
車体側マウント部材2は、図2及び図3に示すように、図示しない取付軸が挿入される貫通孔22aを有してエンジン1の振動を抑制する例えばゴム製のインシュレータ22を円筒部21の内部に備えるとともに、その円筒部21と一体に形成されてエンジン1の締結箇所に締結される締結部22とからなる。締結部22は、平面視形状をほぼ長円形状をしており、円筒部21と背向する側面部分は軽量化のために肉抜きがしてある。そして、締結部22の一端近傍には、後述するボルト3が螺合する小径雌ねじ部23が所定長で形成してあるとともに、その小径雌ねじ部23に連通する小径貫通孔24が形成してある。小径貫通孔24は、車体に取り付けられた際に下となる下面から所定の長さ例えば約5mm程度に設定してあり、その内径はボルト3の小径雄ねじ部31の山部分の外径とほぼ同じかもしくは若干大きく設定している。つまり、小径貫通孔24の内径は、小径雄ねじ部31が無理なく通る大きさに設定してある。この小径貫通孔24に連続して、その上側に小径雌ねじ部23が例えば20mm以上の長さで形成してある。そして、締結部22の他端近傍には、小径雌ねじ部23と同じ雌ねじ孔25が設けてある。
【0015】
ボルト3は、図4に示すように、小径雄ねじ部31、先端部32、頭部33、首部34、大径雄ねじ部35、及び胴部36を備えている。小径雄ねじ部31は、例えば呼び名をM10とする雄ねじと同等であり、雄ねじの形成されていない丸棒状の先端部32に連続して形成され、例えば約20mmの長さを有している。先端部32は、小径雄ねじ部31から先の部分であり、先端部32の先端部分32aは、位置決めの際の小径貫通孔24への挿入を容易にするために円錐形状に形成してある。小径雄ねじ部31と大径雄ねじ部35との間には、雄ねじが形成されていない丸棒状の胴部36が、例えば長さ約28mm程度、外径約11mm程度で形成してある。大径雄ねじ部35は、例えば呼び名をM12とする雄ねじと同等であり、約5mm程度の長さを有している。この大径雄ねじ部35と六角柱形状の頭部33との間に形成される首部34は、雄ねじの形成されていない丸棒状のもので、外径を例えば約10mmとし、長さを例えば約30mm程度にしてある。この実施の形態のボルト3は、小径雄ねじ部31と大径雄ねじ部35とのねじピッチを異ならして形成してある。
【0016】
エンジンブラケット4は、平面視形状をほぼコ字形状としたもので、エンジン1の前面、すなわちオルタネータやウォータポンプなどの補機を駆動するためのベルトなどが取り付けられた面に対向して固定されるものである。このエンジンブラケット4は、ベルトカバー11を取り囲むようにしてエンジン1に取り付けられるもので、側面及び前面に取付ボルト5により締結されるものである。エンジンブラケット4は、車体側マウント部材2を取り付ける取付部41の両端部分には、車体側マウント部材2の締結部22を案内するガイド部42,43が設けてあるとともに、そのガイド部42,43の近傍にボルト3を含む締結用のボルト3を挿入するボルト孔44,45が設けてある。このガイド部42,43は、その上面部分がすり鉢形状の一部をなしており、製造ラインにおいてエンジン1が下方から上昇した際、あるいは車体が上方から降下した際に、車体に取り付けられた車体側マウント部材2が取付部41に案内されるようにしてあるとともに、取付部41に車体側マウント部材2が接触した際に、その位置調整をし得るように対向する面が凹面となっている。また、ボルト孔44,45のうち、例えば、エンジン1の正面に向かって右側のボルト孔44には、ボルト3が位置決めピンとして機能する場合に螺合される大径雌ねじ部46が設けてある。一方、ボルト孔45は、雌ねじが形成されてない例えば呼び名がM10のボルトのための貫通孔である。
【0017】
この大径雌ねじ部46は、図5に示すように、取付部41の下面から例えば約16mm程度の長さで形成してあり、その上側にはボルト3の大径雄ねじ部35が通り抜けるに十分な内径例えば約13mm程度の貫通孔47が設けてある。つまり、大径雌ねじ部46は、取付部41の厚みに対応するものであるが、ボルト3の大径雄ねじ部35と螺合した際に、ボルト3の先端部32の少なくとも一部が取付部41の上面から突出する位置に形成してある。この実施の形態にあっては、大径雄ねじ部35が大径雌ねじ部46と螺合した場合には、先端部32のほぼ全体が取付部41の上面から突出するように取付部41の厚みが設定してある。
【0018】
このような構成において、製造ラインに搬送されたエンジン1には、あらかじめエンジンブラケット4が5本の取付ボルトにより取り付けてある。また、エンジンブラケット4には、図6の(a)に示すように、ボルト3が大径雄ねじ部35を大径雌ねじ部46に螺合させて取り付けてある。したがって、小径雄ねじ部31がボルト孔44から露出することなく、ボルト3の先端部32がエンジンブラケット4の取付部41の上面から突出しており、この時点あるいはこの位置では、ボルト3は位置決めピンとして機能する。このように、小径雄ねじ部31がボルト孔44から露出することがないので、位置合わせ作業を行っている間に、締結のためのねじ部分が損傷することを未然に防止することができ、その後の締結作業を確実なものにすることができる。そして、このエンジン1の上方に車体が搬送されてくると、エンジン1を車両に向かって上昇させる。
【0019】
エンジン1が車両に接近してエンジンブラケット4と車体側マウント部材2とが接近すると、車体側マウント部材2の締結部22の一方の端の下面部分がエンジンブラケット4のガイド部43に案内されるようにする。そして、エンジン1がさらに上昇すると、ボルト3の先端部32が車体側マウント部材2の締結部22の小径貫通孔24を経て小径雌ねじ部23へと進入する。この後、エンジンブラケット4に車体側マウント部材2が密着した状態でエンジン1の上昇を停止する。
【0020】
ボルト3の先端部32の外径は、小径雌ねじ部23の内径とほぼ等しいので、エンジン1は車体搭載位置に対して設定された位置にほぼ配置される。このようにして、ボルト3の先端部32により位置決めした後、この先端部32を回転の中心軸としてエンジン1を水平方向に回動し、エンジン1の車体に対する最終的な位置決め言い換えれば位置決めの微調整を行うものである。
【0021】
以上のようにして車体とエンジン1との位置合わせが完了した後、ボルト3を回して螺進させる。位置合わせを完了した時点では、大径雄ねじ部35がエンジンブラケット4の大径雌ねじ部46とのみ螺合しているので、ボルト3を回転することによりボルト3が上方に移動する。この場合、大径雄ねじ部35は、上述のように、5mm程度しかなく、また車体側マウント部材2の小径貫通孔24の長さも約5mm程度である。したがって、ボルト3をエンジンブラケット4に螺着した状態から、ボルト3を約6mm程度螺進させると、大径雄ねじ部35と大径雌ねじ部46との螺合状態は解除され、図6の(b)に示すように、大径雄ねじ部35は貫通孔47に達する。貫通孔47は、雌ねじが形成されていないため、大径雄ねじ部35は自由に回転し得るものである。そしてこの時、小径雌ねじ部23が小径貫通孔24の上側にあるため、ボルト3が上記のように螺進した状態では、まだ小径雄ねじ部31は小径雌ねじ部23に螺合しない。
【0022】
ボルト3が大径雌ねじ部46と小径雌ねじ部23とのいずれとも螺合していない状態から、ボルト3を上方に付勢しながら回転すると、小径雄ねじ部31が小径雌ねじ部23に螺合する。この後、さらにボルト3を回すと、図6の(c)に示すように、小径雄ねじ部31と小径雌ねじ部23とがその全長に亘って螺合する。そして、雌ねじ孔25に図示しないボルトを螺合させることによって、ボルト3及び雌ねじ孔25に螺合されたボルトが、車体用マウント部材2とエンジンブラケット4とを締結して車体用マウント部材2とエンジンブラケット4とが連結される。
【0023】
このように、ボルト3をまずエンジンブラケット4に仮止めしておいて、位置決め用のノックピンとして機能させ、その後締め付けることにより、エンジンブラケット4と車体用マウント部材2との二部材を締結するものである。したがって、あらかじめ位置決めのためのノックピンをエンジンブラケット4に設けることなく位置決めをすることができ、その後連続して締結作業を実施することができる。このため、エンジン1を車体に搭載する際の作業が位置決めから締結まで連続して一連に実施できるので、作業性を向上させることができる。加えて、エンジンブラケット4にノックピンを形成しておく必要がないので、エンジンブラケット4の製造原価を低減することができる。
【0024】
しかも、この実施の形態のように、大径雄ねじ部35と小径雄ねじ部31とを離間して設け、エンジンブラケット4に大径雌ねじ部46をエンジンブラケット4の下面から所定の位置にのみ設けるとともに、車体用マウント部材2に小径雌ねじ部23を車体用マウント部材2の下面から所定の距離離れた位置から形成することにより、大径雄ねじ部35が大径雌ねじ部46と、小径雄ねじ部31が小径雌ねじ部23と、それぞれ同時に螺合することがない。
【0025】
したがって、大径雄ねじ部35と小径雄ねじ部31とを異なるピッチで形成することができる。つまり、例えば、ボルト3を仮止めするための大径雄ねじ部35のピッチを粗くし、二部材の締結のための小径雄ねじ部31のピッチを細かくすることができる。このような構成にすれば、ピッチの粗い大径雄ねじ部35ではボルト3を少ない回転でエンジンブラケット4に螺着することができ、仮止め作業の作業時間を短くすることができる。また、小径雄ねじ部31のピッチを細かくすることにより、より強力に車体用マウント部材2とエンジンブラケット4とを締結することができる。加えて、スタッドボルトにより締結する場合に比べて、ボルト3のみにより締結することができるので、スタッドボルトに螺合させるナットが不要となり、締結のための部品点数を減じることができる。
【0026】
さらには、大径雄ねじ部35が胴部36により小径雄ねじ部31から離間しているので、締結が完了した状態で大径雄ねじ部35が車体側マウント部材2に侵入することがない。つまり、車体側マウント部材2の小径貫通孔24の内径を、大径雄ねじ部35が挿入される大きさに形成する必要がない。したがって、ボルト3の先端部32により位置決めを行う際に、先端部32と小径貫通孔24との間隙を最小限に設定することができ、位置決め精度を向上させることができる。
【0027】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
【0028】
上記実施の形態では、エンジン1を車体に搭載する場合に締結する部材に対して適用したものを説明したが、車両の分野に限らず、家庭電化製品や通信機器、さらにはプレハブ住宅などの建築物や製造工場の製造設備などの各分野において、位置決めを必要とする二部材を締結する場合の構造に適用されるものであってよい。すなわち、一本のボルトにより、一方の部材に対して他方の部材を位置決めし、その後、ナットを使用せずに位置決めに使用したボルトを用いて両方の部材を締結して連結する構造に対して適用するものであってよい。
【0029】
また、上記実施の形態では、大径雄ねじ部35と小径雄ねじ部31とが胴部36により離間したものを説明したが、両雄ねじ部35,31のピッチが同じであれば、連続しているものであってよい。
【0030】
加えて、上記実施の形態において説明した車体用マウント部材2、ボルト3及びエンジンブラケット4における各部の寸法は一例であり、これに限定されるものではない。
【0031】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、第一の部材の大径雌ねじ部に、ボルトの大径雄ねじ部を螺合させて、第一の部材にボルトを取り付けることにより、ボルトの先端部の少なくとも一部が第一の部材から外側に突出するので、第一の部材と第二の部材とを締結するためのボルトを、二部材の位置決めのためのピンとして機能させることができる。そして、第一の部材に対して第二の部材が位置決めされた後に、ボルトを螺進して小径雄ねじ部のみを第二の部材の小径雌ねじ部と螺合させることにより、第一の部材と第二の部材との締結を完了することができる。
【0033】
したがって、位置合わせのための専用のノックピンのような部材を削減することができる。しかも、ボルトの先端部の外径が第二の部材の小径雌ねじ部の内径より小さくとも、第二の部材がその小径雌ねじ部とボルトの小径雄ねじ部との螺合により第一の部材と第二の部材とが締結されることになるので、第二の部材とボルトとの間に間隙が生じず、締結の精度を向上させることができる。加えて、一本のボルトにより、位置合わせ作業と締結作業とを行うので、作業を連続させることが可能となり、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す斜視図。
【図2】同実施の形態の車体側マウント部材の正面図。
【図3】同実施の形態の車体側マウント部材の右側面図。
【図4】同実施の形態のボルトの正面図。
【図5】同実施の形態のエンジンブラケットの要部を拡大して示す断面図。
【図6】同実施の形態における位置決めから締結までの作業を示す工程説明図。
【符号の説明】
2…車体側マウント部材
3…ボルト
4…エンジンブラケット
23…小径雌ねじ部
31…小径雄ねじ部
32…先端部
33…頭部
35…大径雄ねじ部
46…大径雌ねじ部

Claims (2)

  1. 頭部の近傍に大径雄ねじ部を備えるとともに、先端部に大径ねじ部より小径の位置合わせ用の棒状部を有し、棒状部と大径雄ねじ部との間に棒状部の外径と大径雄ねじ部の外径との中間の外径を有する小径雄ねじ部を備えるボルトと、
    大径雄ねじ部が螺合する大径雌ねじ部を有し、大径雄ねじ部が大径雌ねじ部に螺合した状態で棒状部の少なくとも一部が外側に突出する第一の部材と、
    大径雄ねじ部と大径雌ねじ部とが螺合して第一の部材から少なくとも棒状部の一部が外側に突出している状態で位置合わせされた後、ボルトを螺進することにより小径雄ねじ部のみが螺合して第一の部材に締結される小径雌ねじ部を備える第二の部材とからなることを特徴とする二部材の連結構造。
  2. ボルトは、大径雄ねじ部と大径雌ねじ部とを螺合させた状態での双方の部材の位置合わせの後に螺進された際に、小径雄ねじ部が小径雌ねじ部に螺合する前に、大径雄ねじ部が大径雌ねじ部から抜け出るように、大径雄ねじ部と小径雄ねじ部とを離間させて設けてあることを特徴とする請求項1記載の二部材の連結構造。
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