JP2004131539A - 微粒子配列構造体及びその製造方法、並びに光学媒体 - Google Patents

微粒子配列構造体及びその製造方法、並びに光学媒体 Download PDF

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貝野 由利子
Hikari Ishimoto
石本 光
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Abstract

【課題】微粒子集合体における粒子の配列方向及びその形成速度を制御する手段を備え、適用範囲が広く、機械的強度に優れた微粒子配列構造体及びその製造方法、並びに光学媒体を提供する。
【解決手段】高分子ゲルの3次元網目構造内の空隙5に微粒子分散液3を充填し、膨潤状態7の高分子ゲルを形成する。次に、分散媒2の蒸発又は高分子ゲルの収縮により、空隙5内の微粒子分散液3中の分散媒2の量を減少させることにより、微粒子分散液3から微粒子1を堆積させ、自己組織化的に微粒子集合体4を形成させる。適切な高分子ゲルを選択し、それを取りまく環境条件を調節することにより、微粒子集合体4の構造や形成速度を制御できる。微粒子集合体は、高分子ゲルに保持されているので機械的な強度に優れ、塗布等の方法で高分子ゲルが付着可能なすべての物体の表面に形成することができ、特定の波長の光を選択的に反射する光学媒体として有用である。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型スクリーンの製造や表面塗装等に用いられる光学媒体として有用な微粒子配列構造体及びその製造方法、並びに光学媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
微粒子を自己組織化的に集合させて、微粒子が3次元的に規則正しく周期的に配列した微粒子集合体を作るための方法として、種々の方法が報告されている(非特許文献1及び2参照。)。
【0003】
その1つに、引き上げ法がある。引き上げ法では、例えば微粒子を分散媒に分散させて微粒子分散液とし、ここに微粒子に対して親和性のよい基板を垂直に差し込んだ後、この基板を微粒子分散液から引き上げていく。この基板の引き上げ時に、適量の微粒子分散液を基板表面に移し取る。その後、移し取られた微粒子分散液から分散媒が蒸発していく過程で、微粒子の自己組織化が起こり、微粒子が規則的に配列した微粒子集合体が基板上に形成される(非特許文献3〜5参照。)。
【0004】
他の方法に、自然沈降法がある。自然沈降法では、引き上げ法と同様に微粒子分散液を調製した後、基板を微粒子分散液の下部に静置する。微粒子は、自身の重みによって徐々に基板上に沈降し、微粒子が規則的に配列した微粒子集合体が形成される(非特許文献6参照。)。
【0005】
更に別の方法もある。この方法では、微粒子よりも大きなスペーサーを挟んだマイクロセルを、微粒子分散液に垂直に差し込み、静置する。微粒子分散液は、毛管現象によりセル内に充填される。その後、セル内に充填された微粒子分散液から分散媒が蒸発していく過程で、微粒子の自己組織化が起こり、微粒子が規則的に配列した微粒子集合体がセル内に形成される(非特許文献7及び8参照。)。
【0006】
図7は、微粒子1が規則的に配列した微粒子集合体4が、微粒子分散液3から自己組織化的に形成される過程を示す説明図である。即ち、シリカ微粒子などの球形の微粒子1を水などの分散媒2に分散させた後、重力による自然沈降又は蒸発による分散媒2の減少によって、分散液3から微粒子1を徐々に基板10上に堆積させる。
【0007】
粒子径が同一であれば、シリカ微粒子のような球形の粒子が最も密につまった配列構造は、最密充填構造である。従って、微粒子1を緻密に集合させることによって、少なくとも部分的には最密充填構造をとる微粒子集合体4を、自己組織化的に形成させることができる。
【0008】
【非特許文献1】
P. Jiang et al.,“ Chem. Mater.”,1999年,11,2132
【非特許文献2】
Y. Xia et al.,“ Adv. Mater.”,2000年,12(10),693
【非特許文献3】
K. Nagayama,“ J. Soc. Powder Technol. Japan”,1995年,32,476
【非特許文献4】
J. D. Joannopoulos,“ Nature”,2001年,414(15),257
【非特許文献5】
Yong−Hong Ye et al.,“ Appl. Phys. Lett.”,2001年,78(1),52
【非特許文献6】
H. Miguez et al.,“ Adv. Mater.”,1998年,10(6),480
【非特許文献7】
Y. Younan Xia et al.,“ Adv. Mater.”,2000年,12,693
【非特許文献8】
B. Gates et al.,“ Adv. Mater.”,1999年,11,466
【0009】
【発明に至る経過】
本出願者は、上記の微粒子集合体の形成方法について鋭意検討した結果、特願P2001−380670において、引き上げ回転法を提案した(以下、特願P2001−380670に係る発明を先願発明と称する。)。
【0010】
この引き上げ回転法では、引き上げ法と同様に、基板の浸漬と引き上げと乾燥を1サイクルとし、このサイクルを繰り返すことによって微粒子集合体を形成する。しかし、高濃度の微粒子溶液を用いることによって、1サイクルで複層の微粒子配列を形成し、作製工程に要する時間を、従来の引き上げ法に比べて大幅に短縮することができる。高濃度の微粒子溶液を用いることによって生じやすくなる厚さむらは、1サイクルごとに基板を回転させることにより抑制する。
【0011】
図8は、先願発明に基づく引き上げ回転法によって、水に分散させた直径280nmのシリカ微粒子11から形成した、シリカ微粒子集合体14の反射スペクトル(a)及び微粒子の配列構造(b)である。ここで、反射スペクトルは、図8(b)に示すように、微粒子層の面に垂直に白色光を入射させ、面に垂直に反射した反射光のスペクトルを測定している。
【0012】
図8(a)から、反射率は、波長624.5nmの光(赤色光)において最大になり、その反射率は54%と比較的高く、しかも、そのピークの半値幅は約30nmと狭いことがわかる。
【0013】
結晶を形成している原子や分子によるX線の干渉では、ブラッグの法則が成り立つことが知られている。又、光は、一般に、その波長と同程度の間隔(ピッチ)で繰り返される微粒子の周期的配列構造によって反射を受けやすいことが知られている。そこで、シリカ微粒子層による可視光の反射でも、ブラッグ反射の条件と類似した関係が成り立つとすると、最も反射を受けやすい光の波長λと微粒子層の間隔(ピッチ)dの間に
kλ=2nd
の関係が成り立つ。但し、ここで、n は微粒子の構成材料のモード屈折率であり、kは正の整数である。
【0014】
一方、微粒子の配列構造に関しては、確定されたものではないが、最密充填構造であると仮定してみる。最密充填構造には、面内での粒子の配列位置が異なる3つの微粒子層(A層、B層及びC層)が繰り返される立方最密構造と、面内での粒子の配列位置が異なる2つの微粒子層(A層及びB層)が繰り返される六方最密構造とがあるが、隣接する2つの微粒子層の間隔(ピッチ)dは同じで、微粒子の直径Dとの間に
d=(2×3)1/2 D/3
の関係がある。
【0015】
上記の2つの式に、Dとしてシリカ微粒子の直径280nm、n としてシリカ微粒子のモード屈折率1.36を代入して、k=1とすると、最も反射されやすい波長として、λ=622nmを得る。これは、実測値λ=624.5nmとよく一致する。
【0016】
以上の考察から、自己組織化的に形成された図8(b)のシリカ微粒子集合体14では、少なくとも部分的に最密充填構造からなる周期的な粒子配列が形成され、これが、624.5nmを中心波長とする光の反射の主因になっていると考えられる。
【0017】
また、シリカ微粒子集合体によって反射される光の波長λとシリカ微粒子の直径Dとの間には、図9に示すような比例関係があると考えられる。従って、適切な微粒子の直径Dを選択すれば、所望の波長λの光を選択的に反射する微粒子集合体を形成することができる。
【0018】
即ち、粒子径280nmのシリカ微粒子を用いれば、赤色光(波長約625nm)を反射する微粒子集合体を形成することができ、粒子径235nmのシリカ微粒子を用いれば、緑色光(波長約525nm)を反射する微粒子集合体を形成することができ、粒子径212nmのシリカ微粒子を用いれば、青色光(波長約475nm)を反射する微粒子集合体を形成することができる。このように、自己組織化的に形成されたシリカ微粒子集合体は、反射材等の光学媒体として有用な材料である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、引き上げ回転法も含めて、従来の微粒子集合体の形成方法には、いくつかの問題点がある。
【0020】
問題点の1つは、粒子の配列方向を制御する手段が基板表面の向きしかないことである。図8(b)を用いて説明すると、基板10の上に堆積する微粒子層は、点線で示すように基板10の面に平行に形成される。微粒子層の向きは、基板の向きによって決まってしまい、基板の向きと独立に微粒子層を配向させる手段がない。
【0021】
従って、例えば、平らな基板に微粒子層を形成すると、基板上のすべての粒子の配列方向が一定方向に揃ってしまうため、用途によっては不都合なことがある。例えば、反射型スクリーンの反射材として用いた場合、反射光の指向性が強くなりすぎ、特定方向にだけ画像が反射され、画像の見えない死角が生じるといったことが起こる可能性がある。
【0022】
他の問題点の1つは、微粒子を緻密に集合させようとする原動力が、重力又は分散媒の表面張力に限られていることである。重力を利用する自然沈降法では、微粒子を堆積させる基板面は、水平又はほぼ水平に置かれていることが必要である。表面張力を利用する引き上げ法では、表面張力が微粒子同士を結びつける力として作用するためには、分散媒の表面に微粒子が一部露出する特殊な状況が必要である。
【0023】
従って、自然沈降法や引き上げ法を適用できる対象や条件は、大きく制限される。例えば、天井や壁面等の、既に設置されている構造物の表面に、微粒子分散液を塗布し、自在に微粒子層を形成するというようなことはできない。
【0024】
また、別の問題点として、微粒子集合体は基板の上に堆積しているだけであり、機械的な強度に乏しく、何らかの補強材が必要になるということもある。
【0025】
更に他の問題点として、微粒子を微粒子分散液から分離させる作用が、重力による沈降と蒸発による分散媒の減少に限られていることがある。このため、微粒子集合体の形成速度を制御することが難しい。
【0026】
本発明の目的は、上記のような実情に鑑み、微粒子集合体における粒子の配列方向及びその形成速度を制御する手段を備え、適用範囲が広く、機械的強度に優れた微粒子配列構造体及びその製造方法、並びに光学媒体を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、規則的な配列構造を有する微粒子集合体が、高分子ゲルの3次元網目構造内に保持されている、微粒子配列構造体に係わり、又、高分子ゲルの3次元網目構造内に微粒子分散液を充填する工程と、前記微粒子分散液中の分散媒の量を制御することにより、前記微粒子を集合させる工程とを有する、前記微粒子配列構造体の製造方法に係わるものである。
【0028】
また、規則的な配列構造を有する微粒子集合体が、高分子ゲルの3次元網目構造内に保持されている、微粒子配列構造体からなる光学媒体に係わるものである。
【0029】
前記高分子ゲルとは、前記3次元網目構造を持ち、あらゆる溶媒に不溶の高分子及びその膨潤体と定義されている。高分子鎖と高分子鎖を繋ぎ、前記3次元網目構造を作る部分を架橋点と呼ぶ。その架橋方法は化学的結合(共有結合、イオン結合、配位結合)であっても、物理的結合(水素結合やファンデルワールス力や物理的な絡み合いも含む、非化学結合的結びつき)であってもよい。
【0030】
前記高分子ゲルは、前記3次元網目構造で囲まれる空隙に種々の媒体(空気、油、溶媒、溶液等)を保持することができる。一般的には、この媒体は溶媒や溶液などの液体を指す場合が多い。
【0031】
前記高分子ゲルは、それを取りまく環境の変化や保持している液体の変化によって、前記3次元網目構造が変化し、前記空隙に保持する液体の量が変化して、可逆的な体積変化を起こす。これがゲルの膨潤と収縮と呼ばれる挙動である(長田義仁ら,「ゲルハンドブック」,エヌ・ティー・エス,1997年)。
【0032】
本発明の主要な特徴は、前記微粒子集合体を前記高分子ゲルの前記3次元網目構造内に保持し、前記微粒子集合体の構造や形成速度を、前記高分子ゲルを介して制御するようにしたことである。
【0033】
即ち、本発明によれば、前記規則的な配列構造を有する微粒子集合体は、それに対応して適切に選ばれた前記高分子ゲルの、前記3次元網目構造内の前記空隙に保持された前記微粒子分散液から堆積し、自己組織化的に形成されるので、その大きさや粒子の配列方向を、前記高分子ゲルの前記3次元網目構造を介して制御することができる。
【0034】
例えば、前記空隙の各々に形成される前記微粒子集合体の微粒子層を一定の方向に配向させたい場合には、同一構造が周期的に繰り返される前記高分子ゲルに保持する。このようにすれば、前記高分子ゲルの前記空隙に形成される前記微粒子集合体は、それぞれ、互いに類似したものになり、その大きさや粒子の配列方向も揃うことになる。
【0035】
他方、前記空隙に形成される前記微粒子集合体の前記微粒子層の配向にばらつきを持たせたい場合には、規則的な構造を持たない前記高分子ゲルに保持する。このようにすれば、前記空隙に形成される前記微粒子集合体は、それぞれの前記空隙の条件に対応したものになり、大きさや粒子の配列方向は多様なものになる。
【0036】
また、本発明によれば、前記空隙に保持された前記微粒子集合体を緻密に集合させようとする原動力は、前記空隙を狭めようとする前記高分子ゲルの形態形成力である。この力は、前記高分子ゲルを取りまく環境を調節することによって制御可能であり、しかも、基板面の向き等に無関係に、前記微粒子を集合させようとする力として作用させることができる。
【0037】
このため、対象とする物体の表面に、塗布等の方法で前記高分子ゲル又はその分散液を付着させ乾燥させることによって、その物体の表面上に前記微粒子集合体を設けることができる。この方法は、前記高分子ゲルが付着できるものであれば、どのような物体に対しても適用可能である。例えば、天井や壁面等の、既に設置されている構造物の表面に、自在に前記微粒子層を形成することができる。
【0038】
また、前記微粒子集合体は、前記高分子ゲルに包み込まれて保持されているので、機械的な強度が向上し、衝撃から保護される。前記微粒子配列構造体の形状は、前記高分子ゲルが固体化するときの形状によって決まるので、型を用いて成形すること等により、ほとんどどのような形状でもとらせることができる。
【0039】
本発明の前記微粒子配列構造体の製造方法によれば、前記高分子ゲルを取りまく環境を調節することによって、前記3次元網目構造内の前記空隙に保持される分散媒の量を制御し、これを介して前記微粒子分散液からの前記微粒子の堆積速度を制御することができる。
【0040】
本発明によれば、反射型スクリーンの製造や表面塗装に用いられる光学媒体は、前記微粒子配列構造体によって構成される。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明において、前記高分子ゲルの前記空隙内に保持される分散媒の量は、単に分散媒を蒸発させ前記高分子ゲルを乾燥させることによって減少させてもよいが、前記高分子ゲルの収縮によって減少させてもよい。
【0042】
即ち、前記高分子ゲルを取りまく環境を調節して、前記高分子ゲルの収縮を引き起こし、前記空隙内から分散媒を排出させる。この分散媒の減少によって、前記空隙内に保持されている前記微粒子分散液から前記微粒子が分離して堆積し、自己組織化的な前記微粒子集合体の形成が助長される。
【0043】
例えば、ある種の前記高分子ゲルは、分散媒を吸収して膨潤した状態で温度を上昇させると、徐々に保持していた分散媒を吐き出し、前記高分子ゲルは収縮する。この時、前記高分子ゲルの中では、分散媒の流れが生じている。
【0044】
一方、前記微粒子が自己組織化的に集合して、規則的な周期構造を形成するためには、前記微粒子自身が適正な位置へ向かって媒体の中を移動できる環境、即ち、液体層を必要とする(K. Nagayama, J. Soc. Powder Technol.,Japan,(1995),32,476)。前記微粒子が、前記高分子ゲルの収縮による分散媒の流れに乗って協同的に移動することができれば、自己組織化的な前記微粒子集合体の形成は容易になる。
【0045】
本発明において、前記高分子ゲルの前記3次元網目構造内の前記空隙の各々に形成される前記微粒子集合体の大きさや粒子の配列方向を揃えるには、前記高分子ゲルの前記網目構造が繰り返されているのがよく、また、前記高分子ゲルの収縮が異方性をもって起こるのがよい。その理由は、次の通りである。
【0046】
即ち、同一構造が周期的に繰り返される前記高分子ゲルでは、各々の前記空隙に保持されている前記微粒子分散液を取りまく環境も類似したものになり、前記微粒子集合体の大きさや粒子の配列方向も揃うことになる。また、前記空隙が特定の方向性をもって収縮すれば、その中に形成される前記微粒子集合体も、特定の方向性をもって形成されやすくなる。
【0047】
本発明において、前記微粒子の材料は、原理的には何でもよいが、前記微粒子がシリカ又はポリスチレンの微粒子であるのがよく、可視光反射層等の光学媒体を形成するには、シリカ微粒子が特に好ましい。
【0048】
また、前記高分子ゲルも、特に材質は問わず、天然高分子、生体高分子及び合成高分子の何でもよい。ただし、温度上昇によって収縮を起こす前記高分子ゲルとしてアクリル系高分子が好ましく、同一構造が周期的に繰り返される部分構造を持つ前記高分子ゲルとして寒天が好ましい。
【0049】
また、前記微粒子配列構造体を、反射材や塗装材などの光学媒体として利用するのがよい。シリカ微粒子等の微粒子の直径を選択するだけで、特定の波長の光を選択的に反射する前記光学媒体を形成することができる。
【0050】
また、前記高分子ゲルに刺激を加えることにより、前記高分子ゲルの収縮を引き起こし、前記微粒子を自己組織化的に集合させるのがよい。前記高分子ゲルに与える刺激とは、外部から前記高分子ゲルに加えられる環境条件の変化であって、具体的には、温度変化、分散液の組成の変化、光照射、電界の印加及び磁界の印加からなる群の中から選ばれた少なくとも1種である。
【0051】
ここで、前記分散液の組成の変化とは、分散媒の増減や新たな分散媒の追加、分散質の増減や新たな分散質の追加、共存化合物の有無やその種類の変化、及びpHや各種イオン濃度の変化等である。
【0052】
また、前記高分子ゲルの前記3次元網目構造内の前記空隙の中に前記微粒子分散液を充填するには、前記高分子ゲルの構成単量体又はその前駆体を重合させる系に前記微粒子分散液を混合し、前記重合によって前記高分子ゲルを生成させるのがよい。
【0053】
また、前記単量体のかわりに鎖状に重合させた重合体(マクロモノマー)を用い、この間を架橋して前記高分子ゲルを合成してもよい。
【0054】
次に、本発明の好ましい実施の形態を、図1参照下に具体的に説明する。
【0055】
図1の左半分は、膨潤状態7にある高分子ゲルを表す。膨潤状態7では、高分子鎖6によって形成された3次元網目構造内の空隙5内で、取り込まれた微粒子1は、多量の分散媒2の中で1個ずつばらばらに分散している。図1の右半分は、収縮状態8にある高分子ゲルを表す。空隙5中の分散媒2は少なく、分散しきれなかった微粒子1が堆積して、規則的に配列した微粒子集合体4を形成している。
【0056】
両者の違いは、空隙5中の分散媒2の量の相違である。従って、高分子ゲルの空隙5内の分散媒2の量を減少させ、膨潤状態7から収縮状態8への高分子ゲルの状態変化を引き起こしてやれば、これを介して自己組織化的な微粒子集合体4の形成を助長することができる。
【0057】
空隙5内の分散媒2の量を減少させる方法としては、蒸発による分散媒2の減少であってもよいし、外部刺激の印加によって誘起される高分子ゲルの収縮であってもよい。
【0058】
【実施例】
次に、本発明の好ましい実施例を図面参照下に具体的に説明する。
【0059】
実施例1
ここでは、高分子ゲルの例としてアクリル系高分子を用い、微粒子としてシリカ微粒子を用いて、温度上昇によって誘起される高分子ゲルの収縮を駆動力にして、シリカ微粒子集合体が高分子ゲルに保持された微粒子集合体−高分子ゲル複合体を形成することが可能であることを示した。
【0060】
図2は、その工程を示す説明図である。
【0061】
まず、容器31に高分子ゲルを形成するモノマーとしてN−イソプロピルアクリルアミド(CH=CHCONHCH(CH)(NIPA)1gをとり、架橋剤であるN,N’−メチレンビスアクリルアミド(BIS)0.04g、及び重合開始剤である過硫酸アンモニウム(APS)0.008gとともに、精製水に溶解させ、5mlの水溶液とした。この水溶液に、20質量%のシリカ微粒子(直径280nm)を水に分散させた分散液を3mlを加え、精製水を2ml追加して、全体積を10mlとした。
【0062】
上記の分散液を氷冷しながら30分間窒素でバブリングし、ここに重合促進剤としてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)を5.4μl加えた。
【0063】
上記の反応液16を反応容器32に移し、冷蔵庫内で4℃に保ちながら24時間重合させ、シリカ微粒子分散液を含有する高分子ゲル17を得た。
【0064】
反応容器32としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シート製のコの字形スペーサ33を2枚のソーダガラス板(大きさ10cm×10cm)34で挟んで、クリップ35でとめたものを用いた。このような反応容器を用いると、PTFEシートの厚さを変えることにより、種々の厚さの高分子ゲル17を作製することができる。ここでは、板状で、厚さが0.2mm及び1mmである2種類の高分子ゲル17を作製した。
【0065】
上記のシリカ微粒子分散液含有高分子ゲル17をタブレット状に切り出し、精製水で洗浄後、水中に保ったまま、0.1〜0.2℃/hr(好ましくは、0.13℃/hr)の速度で25℃から38℃まで昇温させ、その後、60時間38℃に保った。
【0066】
N−イソプロピルアクリルアミドを重合して作った高分子ゲルは、水中で感温性を示すゲルになることが知られており、33℃付近を境に、これより低温では膨潤し、これより高温では収縮する(Y. Hirokawa, T. Tanaka, J. Chem. Phys.,(1984),81,6379)。よって、上記のように38℃に保つことによって、この高分子ゲルを収縮させることができる。
【0067】
図3に、作製した直後のシリカ微粒子分散液含有高分子ゲル17の写真(a)と、加熱処理によって収縮した後の高分子ゲル18の写真(b)を示す。写真(a)では、シリカ微粒子分散液含有高分子ゲル17は、白く見えている。これは、シリカ微粒子分散液含有高分子ゲル17中のシリカ微粒子は、1個ずつ分散しているので、光を散乱しやすいためと考えられる。
【0068】
一方、収縮後の高分子ゲル18の写真(b)では、ゲルの収縮によりシリカ微粒子の密度が高くなっているにも関わらず、ほぼ透明に見えている。これは、シリカ微粒子による光の散乱がほとんど無くなったことを意味し、ゲルの収縮にともなって、1個ずつ分散していたシリカ微粒子が集合体を形成したことを示す証拠であると考えられる。
【0069】
収縮によって得られるシリカ微粒子集合体の粒子層の厚さ(積層段数)は、シリカ微粒子高分子ゲルを調製する際の、モノマー(N−イソプロピルアクリルアミド)の濃度、架橋密度(N−イソプロピルアクリルアミドに対するN,N’−メチレンビスアクリルアミドの量)、及び重合開始剤の量(過硫酸アンモニウム及びN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンのモノマーに対する量)を調節することで、制御することができる。
【0070】
また、反応容器として、図2(b)に示す、親水処理したガラス基板37にPTFE製の枠38を重ねた反応容器36を用いてもよい。この場合には、反応液16の量と反応容器36の断面積との比率を変えることによって、高分子ゲル18の厚さを制御することができる。また、PTFE製の枠38の形状を変えることにより、様々な形状の高分子ゲル18を作製できる。
【0071】
実験に用いたシリカ微粒子の直径を220〜280nmの間で変化させ、分散液におけるシリカ微粒子の濃度を2〜15質量%の間で変化させたが、同様の結果を得た。高分子ゲルの原料の濃度は、上記の実験では0.5mol/lであったが、これを1mol/l又は1.33mol/lに変えても、同様の結果を得た。また、N−イソプロピルアクリルアミドとN,N’−メチレンビスアクリルアミドとのモル比は、上記の実験では40:1であったが、これを20:1に変えても、同様の結果を得た。
【0072】
ここでは、温度上昇よって高分子ゲルの収縮を引き起こしたが、分散媒の変化によって高分子ゲルの収縮を引き起こしてもよい。
【0073】
なお、過硫酸アンモニウム及びN,N,N’,N’−テトラエチルメチレンジアミンはN−イソプロピルアクリルアミドに対して0.35モル%加えているが、これは高分子ゲルを作るのに標準的な重合開始剤の量である。一般的には、重合開始剤の量を増加させると、よりやわらかいゲル、即ち、よく膨潤するゲルが得られる。
【0074】
実施例2
ここでは、高分子ゲルの例として寒天を用い、ゲルの網目構造に規則性を持たせること、又は、その収縮に異方性を持たせること(収縮の方向が、ある程度特定の方向に決まっていること)により、より規則的な自己組織化が起こりうることを示した。
【0075】
なお、ここでも微粒子としては、シリカ微粒子を用いた。シリカ微粒子分散液を含有した寒天ゲルを室温で乾燥させ、シリカ微粒子集合体−寒天ゲル複合体を形成した。
【0076】
図4に、寒天の高分子鎖の概略図を示す。寒天は、天然高分子ゲルの一つである。寒天は、温度の変化によって、高分子鎖がランダムコイルの形状をとる状態(a)、二重らせんの形状をとる状態(b)、及び二重らせん構造の高分子鎖が会合した状態(ゲルの状態)(c)の間で可逆的に状態変化しうることが知られている。
【0077】
特に、ゲルの状態では、二重らせん構造の高分子鎖が会合して平行に配列した構造(c)がその中に存在している(長田義仁ら, ゲルハンドブック, エヌ・ティー・エス (1997))。このようなゲル内の規則的な構造が保たれたままゲルが収縮すれば、このゲルの規則構造に対応した構造をもつ微粒子集合体が作られると考えられる。
【0078】
20質量%のシリカ微粒子(直径280nm)を水に分散させた分散液に、粉寒天0.2gを加え、90℃で3分間加熱して寒天を完全に溶解させた後、0.2mmのスペーサーを挟んだセルに流し込み、室温で1日放置した。その結果、シリカ微粒子を水に分散させた分散液と同様の真っ白な板状のシリカ微粒子分散液を含有した寒天ゲルが得られた。
【0079】
上記のシリカ微粒子分散液含有寒天ゲルをセルから取り出し、室温で放置して、蒸発により水分を除去した。乾燥後の寒天ゲルは、薄いピンク色を呈した。
【0080】
図5は、乾燥後の寒天ゲル(シリカ微粒子集合体−寒天ゲル複合体)の可視光反射スペクトルである。570nm付近に反射率のピークが観測された。乾燥後の寒天ゲルの測定点1〜3のどの部分においても、同様の反射スペクトルが観測された。このピークは、乾燥前のシリカ微粒子分散液含有寒天ゲルには見られなかったものである。
【0081】
上記の反射率のピークの波長は、図8(a)に示した、先願発明の好ましい実施の形態において観測された反射スペクトルのピーク波長と類似している。このことから、図5の反射スペクトルも図8(a)の反射スペクトルと同様、規則的に配列したシリカ微粒子集合体によるブラッグ反射であると考えられる。
【0082】
図6は、実施例1及び実施例2で得られたシリカ微粒子集合体−高分子ゲル複合体の構造の相違を説明する概略説明図である。
【0083】
上記したアクリル系高分子ゲルでは、高分子鎖に規則性が無いため、図6(a)に示すように、空隙に形成される各シリカ微粒子集合体における微粒子層の配列方向(点線)が揃うことは無い。このため、入射光は、様々な角度で微粒子層に入射し反射されるので、厳密な意味でのブラッグ反射は観察されない。しかし、各シリカ微粒子集合体は規則的配列構造からなるため、そこからそれぞれの反射が得られ、全体として一定の反射特性を示すことになる。
【0084】
一方、寒天ゲルでは、前述した二重らせん構造の高分子鎖が会合した状態が各所に存在し、ゲルの網目構造に規則性があるとともに、空隙の収縮が二重らせん構造の向きに対応して起こる。このため、図6(b)に示すように、空隙に形成される各シリカ微粒子集合体における微粒子層の配列方向(点線)が一定方向に揃う。このため、入射光は、同じ角度で各微粒子層に入射し反射されるので、ブラッグ反射が観察される。
【0085】
図8(a)と比べると、図5の反射スペクトルのピークの半値幅は大きく、ピークの高さも低い。この原因としては、微粒子層の配列方向の制御が十分でないことや微粒子層の積層段数が十分でないこと等が考えられる。この問題点は、より適した高分子ゲルを選択することで解決できる。
【0086】
上記のように、ゲルの網目構造に規則性を持つ高分子ゲルを用いることで、特定の波長の光を選択的に反射することのできる材料を作製できることが示された。この波長は、シリカ微粒子の直径を変えることで自在に変更できる。従って、この材料は、指向性が小さく、暗黒部を鮮明に表示できる反射型スクリーン或いは反射フィルタ等の作製に用いる光学媒体として利用することができる。
【0087】
また、見る角度によって色が玉虫色に変化して輝く、車や家の外壁・内壁等の表面塗装材や、天然のオパールでは達成できない、特異な形状にすることも可能な人工オパール等の装飾材等として利用することもできる。
【0088】
このような製品の形状は、例えば成形型を用いた成形により任意に得ることができるので、種々の形状の光学媒体、例えば内部が空洞の導波路等として有用となる。
【0089】
以上、本発明を実施の形態及び実施例に基づいて説明したが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0090】
【発明の作用効果】
本発明の主要な特徴は、微粒子集合体を、高分子ゲルの3次元網目構造内に保持し、微粒子集合体の構造や形成速度を、高分子ゲルを介して制御するようにしたことである。
【0091】
即ち、本発明によれば、規則的な配列構造を有する微粒子集合体は、それに対応して適切に選ばれた高分子ゲルの、3次元網目構造内の空隙に保持された微粒子分散液から堆積し、自己組織化的に形成されるので、その大きさや粒子の配列方向を、高分子ゲルの3次元網目構造を介して制御することができる。
【0092】
例えば、空隙の各々に形成される微粒子集合体の微粒子層を一定の方向に配向させたい場合には、同一構造が周期的に繰り返される高分子ゲルに保持する。このようにすれば、高分子ゲルの空隙に形成される微粒子集合体は、それぞれ、互いに類似したものになり、その大きさや粒子の配列方向も揃うことになる。
【0093】
他方、空隙に形成される微粒子集合体の微粒子層の配向にばらつきを持たせたい場合には、規則的な構造を持たない高分子ゲルに保持する。このようにすれば、空隙に形成される微粒子集合体は、それぞれの空隙の条件に対応したものになり、大きさや粒子の配列方向は多様なものになる。
【0094】
また、本発明によれば、空隙に保持された微粒子集合体を緻密に集合させようとする原動力は、空隙を狭めようとする高分子ゲルの形態形成力である。この力は、高分子ゲルを取りまく環境を調節することによって制御可能であり、しかも、基板面の向き等に無関係に、微粒子を集合させようとする力として作用させることができる。
【0095】
このため、対象とする物体の表面に、塗布等の方法で高分子ゲル又はその分散液を付着させ乾燥させることによって、その物体の表面上に微粒子集合体を設けることができる。この方法は、高分子ゲルが付着できるものであれば、どのような物体に対しても適用可能である。例えば、天井や壁面等の、既に設置されている構造物の表面に、自在に前記微粒子層を形成することができる。
【0096】
また、微粒子集合体は、高分子ゲルに包み込まれて保持されているので、機械的な強度が向上し、衝撃から保護される。微粒子配列構造体の形状は、高分子ゲルが固体化するときの形状によって決まるので、型を用いて成形すること等により、ほとんどどのような形状でもとらせることができる。
【0097】
本発明の微粒子配列構造体の製造方法によれば、高分子ゲルを取りまく環境を調節することによって、3次元網目構造内の空隙に保持される分散媒の量を制御し、これを介して微粒子分散液からの微粒子の堆積速度を制御することができる。
【0098】
微粒子配列構造体は、反射材や塗装材などの光学媒体として利用できる有用な材料である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態に基づき、高分子ゲルの収縮によって微粒子集合体の形成を助長する原理を説明する説明図である。
【図2】本発明の実施例1におけるシリカ微粒子分散液含有高分子ゲルの作製工程を示す説明図である。
【図3】同、作製したシリカ微粒子分散液含有高分子ゲルの写真(a)と、加熱処理によって収縮した後の高分子ゲルの写真(b)である。
【図4】寒天の高分子鎖の概略図である。
【図5】乾燥後の寒天ゲル(シリカ微粒子集合体−寒天ゲル複合体)の可視光反射スペクトルである。
【図6】シリカ微粒子集合体−高分子ゲル複合体の構造の相違を説明する概略図である。
【図7】自己組織化的に微粒子集合体を形成する方法を示す説明図である。
【図8】先願発明に基づく引き上げ回転法によって形成されたシリカ微粒子集合体の、反射スペクトル(a)と微粒子の配列構造を示す概略断面図(b)である。
【図9】同、シリカ微粒子集合体によってブラッグ反射される波長とシリカ微粒子の直径との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…微粒子、2…分散媒、3…微粒子分散液、4…微粒子集合体、5…空隙、
6…高分子鎖、7…膨潤状態、8…収縮状態、10…基板、
11…シリカ微粒子、14…シリカ微粒子集合体、16…反応液、
17…シリカ微粒子分散液を含有する高分子ゲル、
18…収縮後のシリカ微粒子含有高分子ゲル、21…入射光、22…反射光、
31…容器、32…反応容器、33…PTFEシート製のコの字形スペーサ、
34…ソーダガラス板、35…クリップ、36…反応容器、
37…親水処理したガラス基板、38…PTFE製の枠

Claims (22)

  1. 規則的な配列構造を有する微粒子集合体が、高分子ゲルの3次元網目構造内に保持されている、微粒子配列構造体。
  2. 前記微粒子集合体が、前記高分子ゲルの収縮によって自己組織化的に形成された、請求項1に記載した微粒子配列構造体。
  3. 前記高分子ゲルの前記3次元網目構造が繰り返されている、請求項1に記載した微粒子集合体と高分子ゲルとの複合体。
  4. 前記高分子ゲルの収縮が異方性をもって起こる、請求項2に記載した微粒子配列構造体。
  5. 前記微粒子がシリカ又はポリスチレンの微粒子である、請求項1に記載した微粒子配列構造体。
  6. 前記高分子ゲルがアクリル系高分子又は寒天である、請求項1に記載した微粒子配列構造体。
  7. 特定の波長の光を反射する光学媒体を形成する、請求項1に記載した微粒子配列構造体。
  8. 規則的な配列構造を有する微粒子集合体が、高分子ゲルの3次元網目構造内に保持されている、微粒子配列構造体からなる光学媒体。
  9. 前記微粒子集合体が、前記高分子ゲルの収縮によって自己組織化的に形成された、請求項8に記載した微粒子配列構造体からなる光学媒体。
  10. 前記高分子ゲルの前記3次元網目構造が繰り返されている、請求項8に記載した微粒子配列構造体からなる光学媒体。
  11. 前記高分子ゲルの収縮が異方性をもって起こる、請求項9に記載した微粒子配列構造体からなる光学媒体。
  12. 前記微粒子がシリカ又はポリスチレンの微粒子である、請求項8に記載した微粒子配列構造体からなる光学媒体。
  13. 前記高分子ゲルがアクリル系高分子又は寒天である、請求項8に記載した微粒子配列構造体からなる光学媒体。
  14. 特定の波長の光を反射する、請求項8に記載した微粒子配列構造体からなる光学媒体。
  15. 規則的な配列構造を有する微粒子集合体が、高分子ゲルの3次元網目構造内に保持されている、微粒子配列構造体の製造方法であって、
    高分子ゲルの3次元網目構造内に微粒子分散液を充填する工程と、
    前記微粒子分散液中の分散媒の量を制御することにより、前記微粒子を集合
    させる工程と
    を有する、微粒子配列構造体の製造方法。
  16. 前記高分子ゲルに刺激を与えることにより、前記高分子ゲルの収縮を引き起こし、前記微粒子を自己組織化的に集合させる、請求項15に記載した微粒子配列構造体の製造方法。
  17. 前記高分子ゲルに与える前記刺激が、温度変化、溶液組成の変化、光照射、電界の印加及び磁界の印加からなる群の中から選ばれた少なくとも1種である、請求項16に記載した微粒子集合体と高分子ゲルとの複合体の製造方法。
  18. 前記高分子ゲルとして、前記3次元網目構造が繰り返されている高分子ゲルを用いる、請求項15に記載した微粒子配列構造体の製造方法。
  19. 前記高分子ゲルの収縮を異方性をもって起こさせる、請求項16に記載した微粒子配列構造体の製造方法。
  20. 前記微粒子としてシリカ又はポリスチレンの微粒子を用いる、請求項15に記載した微粒子配列構造体の製造方法。
  21. 前記高分子ゲルとしてアクリル系高分子又は寒天を用いる、請求項15に記載した微粒子配列構造体の製造方法。
  22. 前記高分子ゲルの構成単量体又はその前駆体を重合させる系に前記微粒子分散液を混合し、前記重合によって前記高分子ゲルを生成させる、請求項15に記載した微粒子配列構造体の製造方法。
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