JP2004131230A - 乗客コンベアの移動手すり駆動プーリ - Google Patents

乗客コンベアの移動手すり駆動プーリ Download PDF

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Koji Yamashita
山下 浩二
Masashi Masuda
増田 正志
Kiyoshi Naganuma
長沼 清
Makoto Shimodera
下寺 誠
Toshiyuki Tadokoro
田所 俊之
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Hitachi Building Systems Co Ltd
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Hitachi Building Systems Co Ltd
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Abstract

【課題】機器の脱着等の手間を要せず、容易に駆動ゴムリングの摩耗限界を知ることができる乗客コンベアの移動手すり駆動プーリの提供。
【解決手段】移動手すりの裏面側に接触する駆動ゴムリング16の中間層18に、芳香剤21が封入されるマイクロカプセル20を埋設し、このマイクロカプセル20の一部を駆動ゴムリング13の摩耗限界となる位置よりも外周側に配置した。これにより、駆動ゴムリング13がその摩耗限界に達する前まで磨耗したとき、中間層18が摩耗してマイクロカプセル20が破壊されるので、芳香剤21が流出して周囲に臭気を放つことで駆動ゴムリング16の磨耗を報知できる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高摩擦材で構成される駆動ゴムリングを外周に備え、移動手すりを駆動する乗客コンベアの移動手すり駆動プーリに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は一般的な乗客コンベアの移動手すり駆動プーリを示す側面図、図6は図5のA−A線に沿う縦断面図、図7は図5のB部を示す正面図、図8は図7のC−C線に沿う縦断面図、図9は図5の駆動プーリを備えた乗客コンベアの全体構成を示す側面図である。
【0003】
一般に乗客コンベアは、図9に示すように、フレ−ム1内に設けられた駆動機2と、フレ−ム1内の一端側に設けられ、駆動機2と駆動チェーン3で巻き介され回転駆動する駆動輪4と、フレ−ム1内の駆動輪4の他端側に設けられ、駆動輪4と踏段チェーン5で巻き介され回転駆動する従動輪6と、乗客を運ぶために踏段チェーン5に無端状に連結され走行する複数の踏段7と、これらの踏段7の側方のフレ−ム1上に立設する欄干8と、この欄干8の外周を無端状に走行する移動手すり9と、この移動手すり9の裏面側に接触し、移動手すり9を駆動する駆動プーリ10と、移動手すり9の表面に接触し移動手すり9を案内する複数のガイドローラ11と、駆動輪4からの動力を駆動プーリ10に伝達する駆動チェーン12とを含んで構成されている。
【0004】
駆動プーリ10の動力を移動手すり9に効率的に伝達する高い摩擦力を得るため、図6および図7に示すように、駆動プーリ10の外周には、摩擦係数の高いゴム材などの高摩擦材で構成される駆動ゴムリング13が配設されており、この駆動ゴムリング13は、図8に示すように、駆動プーリ10にサラねじ14で固定されている。
【0005】
このような従来の駆動プーリ10では、高摩擦材で構成される駆動ゴムリング13を移動手すり9の裏面側に押し付けて回転駆動することにより、駆動ゴムリング13と移動手すり9との間で摩擦力を発生し、移動手すり9を走行させている。そして、駆動ゴムリング13は移動手すり9の走行に応じて経年摩耗するので、駆動ゴムリング13の摩耗量が使用限界を越えると、駆動ゴムリング13を固定しているサラねじ14の頭部が露出して、移動手すり9の裏面を傷つけて寿命を低下させるなどの不都合がある。よって、駆動ゴムリング13の摩耗量を測定し、使用限度内にあるか否かを確認する点検作業を定期的に実施している。
【0006】
そこで、上述した点検作業を容易とする従来技術として、摩耗量がある一定値に達した部分に着色部を設け、接触面に着色することで検知するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−316068号公報
(段落番号0009〜0011、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術にあっては、移動手すり裏面の着色有無を確認するため移動手すりを外すか、あるいは、乗客コンベアの外装板等を取外してフレーム内部を確認する手間がかかるという問題がある。
【0009】
本発明は、上述した従来技術における実情に鑑みてなされたもので、その目的は、機器の脱着等の手間を要せず、容易に駆動ゴムリングの摩耗限界を知ることのできる乗客コンベアの移動手すり駆動プーリを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、無端状の移動手すりの裏面側に接触し摩擦係数の高い高摩擦材で構成される駆動ゴムリングを外周に備え、この駆動ゴムリングを前記移動手すりに押し付けることで摩擦力により前記移動手すりを駆動する乗客コンベアの移動手すり駆動プーリにおいて、前記駆動ゴムリングに、臭気を発する液体が封入される密閉空間を埋設するとともに、この密閉空間の少なくとも一部を、前記駆動ゴムリングの摩耗限界となる位置よりも外周側に配置した構成とした。
【0011】
このように構成した本発明では、駆動ゴムリングが摩耗してその磨耗限界に達する前に、駆動ゴムリングに埋設した密閉空間の少なくとも一部が露出して穴があき、この密閉空間に封入した液体が流出して周囲に臭気が発せられる。これによって、周囲に発せられる臭気を保守作業員などが感知することで、機器の脱着等の手間を要せず容易に駆動ゴムリングの摩耗限界を知ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の乗客コンベアの移動手すり駆動プーリの実施の形態を図に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施形態に係わる乗客コンベアの移動手すり駆動プーリを示す側面図、図2は図1のD−D線に沿う縦断面図である。なお、図1、図2において前述した図5〜図9に示すものと同等のものには同一符号を付してある。
【0014】
図1に示す本実施形態の駆動プーリ15では、前述した図5〜図9に示すものと比べて、駆動ゴムリング16が内周層17、中間層18および外周層19という3層構造で形成されており、内周層17および外周層19はそれぞれ天然ゴムやブタジェンゴムなどの摩擦係数の高い高摩擦材で構成され、中間層18は天然ゴムやブタジェンゴムなどの摩擦係数の高い高摩擦材に、例えば、臭気を発する液体を封入したマイクロカプセル20を混合し、加硫成形したもので形成されている点が異なっており、その他の構成は基本的に同様である。
【0015】
図1に示すように、中間層18および外周層19の境界線は、固定用サラねじ14の頭部よりもやや外周側に位置しており、すなわち、駆動ゴムリング16の摩耗限界となる位置よりも外周側に中間層18が配置されている。この中間層18に混合されるマイクロカプセル20には、臭気を発する液体、例えば液状の芳香剤21が封入されるとともに、図示しない高分子樹脂の薄い膜で密閉されており、一般的には40〜50μmの球体である。
【0016】
この実施形態にあっては、駆動ゴムリング16の外周層19が図6の移動手すり9の裏面に接触して摩擦力で移動手すり9を駆動する。そして、経年使用により駆動ゴムリング13がその摩耗限界であるサラねじ14の頭部に達する前まで磨耗したとき、外周層19が摩滅してなくなるので、中間層18が移動手すり9と接触するようになる。次いで、中間層18も次第に摩耗するとき、中間層18内に混合されたマイクロカプセル20が破壊されるので芳香剤21が外部に流出して周囲に臭気を放つようになる。
【0017】
このように構成した実施形態にあっては、駆動ゴムリング16がその摩耗限界に達する前まで磨耗したとき、マイクロカプセル20の芳香剤21が外部に流出して周囲に臭気が放たれるので、この臭気を保守作業員などが感知することで駆動ゴムリング15の摩耗状態を知り、駆動ゴムリング15の摩耗限界に達する前に駆動ゴムリング15の交換を計画することができる。
【0018】
また、この実施形態では、中間層18に混合するマイクロカプセル20の量を調整することで、発生する臭気の強さを調整することができる。
【0019】
なお、上記実施形態では、中間層18に混合されるマイクロカプセル20により、駆動ゴムリング16に埋設され、少なくとも一部が駆動ゴムリング16の摩耗限界となる位置よりも外周側に配置される密閉空間が構成されている。
【0020】
さらに、上記実施形態では、駆動ゴムリング16を内周層17、中間層18および外周層19という3層構造で形成した場合を例示したが、この3層構造の代わりに、中間層18を内周層17を含んだ厚さにすることにより2層構造にしてもよく、さらに、中間層18は全周に均一に配置する必要はなく、駆動ゴムリング16の円周上に断続して配置してもよい。
【0021】
さらに、上記実施形態では、内周層17、中間層18および外周層19を同一の材料で形成した場合を例示したが、この同一の材料で形成する代わりに、内周層17および外周層19の材料と中間層18の材料とが違うものであっても、中間層18と内周層17および外周層19と接着性の良い材料であればよく、すなわち、使用中に中間層18と内周層17および外周層19との接合部が剥離するようなことなく強固に接着されていればよい。
【0022】
図3は本発明の他の実施形態に係わる乗客コンベアの駆動ゴムリングを示す側面図、図4は図3のE−E線に沿う縦断面図である。なお、図3、図4において前述した図1、図2、図5〜図9に示すものと同等のものには同一符号を付してある。
【0023】
図1に示す本実施形態の駆動プーリ22では、前述した図1、図2に示すものと比べて、例えば、天然ゴムやブタジェンゴムなどからなる駆動ゴムリング23が、外周面から径方向に形成される複数の細い不貫通穴24と、これらの不貫通穴24の開口端を閉塞する蓋体25と、不貫通穴24に封入され、臭気を発する液体、例えば芳香剤26とを有している点が異なっており、他の構成は基本的に同等である。
【0024】
蓋体25は、例えば駆動ゴムリング23と同じ材質、すなわち天然ゴムやブタジェンゴムなどで形成されており、この蓋体25を不貫通穴24の開口端(図3の上端)に挿入して接着固定することで密閉空間が形成されている。また、この密閉空間の上辺が駆動ゴムリング23の摩耗限界であるサラねじ14の頭部よりもやや外周側に位置するように、蓋体25の厚さもしくは接着位置が設定されている。すなわち、これらの不貫通穴24および蓋体25により、駆動ゴムリング23に埋設され、少なくとも一部が駆動ゴムリング23の摩耗限界となる位置よりも外周側に配置される密閉空間が構成されている。
【0025】
この実施形態にあっては、経年使用により駆動ゴムリング23がその摩耗限界であるサラねじ14の頭部に達する前まで磨耗したとき、蓋体25も摩耗して不貫通穴24に穴があくので、この不貫通穴24に封入された芳香剤26が外部に流出して周囲に臭気を放つようになる。
【0026】
このように構成した実施形態でも、駆動ゴムリング23がその摩耗限界に達する前まで磨耗したとき、不貫通穴24から芳香剤26が外部に流出して周囲に臭気が放たれるので、この臭気を保守作業員などが感知することで駆動ゴムリング23の摩耗状態を知り、駆動ゴムリング23の摩耗限界に達する前に駆動ゴムリング23の交換を計画することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、駆動ゴムリングが摩耗してその磨耗限界に達する前に、駆動ゴムリングに埋設される密閉空間から液体が外部に流出して臭気が発せられるので、周囲に発せられる臭気を保守作業員などが感知することにより、機器の脱着等の手間を要せず容易に駆動ゴムリングの摩耗限界を知ることができる。したがって、保守点検作業を効率よく計画的に行える乗客コンベアの移動手すり駆動プーリを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる乗客コンベアの移動手すり駆動プーリを示す側面図である。
【図2】図1のD−D線に沿う縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係わる乗客コンベアの駆動ゴムリングを示す側面図である。
【図4】図3のE−E線に沿う縦断面図である。
【図5】一般的な乗客コンベアの移動手すり駆動プーリを示す側面図である。
【図6】図5のA−A線に沿う縦断面図である。
【図7】図5のB部を示す正面図である。
【図8】図7のC−C線に沿う縦断面図である。
【図9】図5の駆動プーリを備えた乗客コンベアの全体構成を示す側面図である。
【符号の説明】
15 駆動プーリ
16 駆動ゴムリング
17 内周層
18 中間層
19 外周層
20 マイクロカプセル(密閉空間)
21 芳香剤(液体)
22 駆動プーリ
23 駆動ゴムリング
24 不貫通穴
25 蓋体
26 芳香剤(液体)

Claims (1)

  1. 無端状の移動手すりの裏面側に接触し摩擦係数の高い高摩擦材で構成される駆動ゴムリングを外周に備え、この駆動ゴムリングを前記移動手すりに押し付けることで摩擦力により前記移動手すりを駆動する乗客コンベアの移動手すり駆動プーリにおいて、
    前記駆動ゴムリングに、臭気を発する液体が封入される密閉空間を埋設するとともに、この密閉空間の少なくとも一部を、前記駆動ゴムリングの摩耗限界となる位置よりも外周側に配置したことを特徴とする乗客コンベアの移動手すり駆動プーリ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006341999A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Inventio Ag 柔軟なハンドレールを駆動するホイール
JP2017095268A (ja) * 2015-11-27 2017-06-01 東芝エレベータ株式会社 乗客コンベア

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