JP2004130712A - 液体補給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易かつ確実に液体の補給を行い、また確実かつ安全に補給装置の廃棄が行うことのできる液体補給装置を提供すること。
【解決手段】シリンダと、ピストンと、注入部材とを有し、注射器構造の液体補給装置であって、前記シリンダの前記ピストン上方側に液体溜め部が構成され、前記ピストンに挿通して該ピストンと一体的に前記注入部材が配設され、液体の補給終了後、前記注入部材が前記シリンダ内に収納されることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】シリンダと、ピストンと、注入部材とを有し、注射器構造の液体補給装置であって、前記シリンダの前記ピストン上方側に液体溜め部が構成され、前記ピストンに挿通して該ピストンと一体的に前記注入部材が配設され、液体の補給終了後、前記注入部材が前記シリンダ内に収納されることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、注入部材からインク等の液体を補給する、注射器構造の液体補給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インク等の液体を吐出して記録媒体に対して記録を行う記録装置が普及している。インクを記録媒体に噴射して記録を行うインクジェット装置においては、小型化の要望が強くなっている。そのため、従来記録装置のキャリッジ上と記録装置本体側とに別々に設けられていた記録手段としての記録ヘッドと液体を貯蔵するインクカートリッジとを、一体的にキャリッジ上に配置することで小型化が図られている。
【0003】
キャリッジ上に記録ヘッドやインクカートリッジを配置する場合の形態としては、記録ヘッドとインクカートリッジが一体構造となっているもの、記録ヘッドとインクカートリッジが分離可能なものがある。以下、インクカートリッジとは特に説明しない限り双方の形態を意味するものとする。
【0004】
上述のインクカートリッジは、通常、記録ができなくなった段階で新規のインクカートリッジと交換される。しかし、記録ヘッドを有するインクカートリッジでは記録ヘッド側にインク供給がされなくなった状態でも、記録ヘッド自体はまだその吐出性能を十分に発揮することができる。従って、インクがなくなった時に新規のインクカートリッジに交換することは、記録ヘッドの本来の製品寿命まで使用しないことになり、コストパフォーマンスの観点から改善の余地があった。
【0005】
そこで、インクがなくなったインクカートリッジに対して、シリンダに装着固定された注射針をインクカートリッジ内にあるスポンジ等の吸収体に突き刺し、ピストン加圧によりインクを充填する、医療用注射器構造の液体補給装置がある。該液体補給装置を利用することで、インクを再充填して繰り返しインクカートリッジの使用を可能とし、記録ヘッド本来の製品寿命程度まで使用する(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。インクカートリッジにインクを充填するための補給装置として注射器構造よりも簡便な構成の補給装置はない。
【0006】
【特許文献1】
特開平08−290582号公報(図13)
【特許文献2】
特開平11−320903号公報(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、注射器構造の補給装置を使用した場合、注射針部分の扱いは危険であり、法的には注射針の廃棄処理は再使用不可能とせねばならず、扱いにくいといった問題もある。
【0008】
また、インクの充填時にインクカートリッジ内の充填状況が分かり難く、インクカートリッジ内の吸収体に均一にインクを拡散させつつ充填することは困難であった。この結果、インクがインクカートリッジより溢れたり、反面インクカートリッジに充填しきれなかったりすることがあった。このため、インクの充填時には注射針の位置を変化させたり、長時間費やしてゆっくりと注入する必要があった。
【0009】
更に、インクの充填時に針位置を固定して充填すると、スポンジが針穴に詰まったり、針穴周辺部の充填インクの拡散が遅かったりすると、インク充填のために過大な操作力が必要になる。このため、操作者は絶えず針位置を変化させつつ、充填作業を行なわなければならなかった。
【0010】
そこで本発明の目的は、容易かつ確実に液体の補給を行い、また安全に補給装置の廃棄を行うことのできる液体補給装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、本発明の代表的な構成は、シリンダと、ピストンと、注入部材とを有し、注射器構造の液体補給装置であって、前記シリンダの前記ピストン上方側に液体溜め部が構成され、前記ピストンに挿通して該ピストンと一体的に前記注入部材が配設され、液体の補給終了後、前記注入部材が前記シリンダ内に収納されることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図面を用いて説明する。図1は第1実施形態における液体補給装置の断面図である。図1に示すように液体補給装置Aは、液体としてのインク4を貯蔵するシリンダ1と、インク4を注入するためのピストン2と、ピストン2に取り付けられインク4を注入する注射針状の注入部材3と、を有する。
【0013】
液体補給装置Aの未使用時において、シリンダ1には、ピストン2上方側に液体溜め部が構成され、補給する液体であるインク4と空気又は不活性ガス等の気体5とが封入されている。また、注入部材3はピストン2の下方から上方に貫通して取り付けられている。このため液体補給装置Aは、使用時にピストン2を引き抜くことで、ピストン2の上方に封入されているインク4が注入部材3を通って注入される構成になっている。
【0014】
具体的に説明すると、液体補給装置Aの使用時には、まず、液体補給装置Aの注入部材3をインクカートリッジ11内にあるフェルトやスポンジ等の吸収体12へ差し込む。そして取手部2aを持って軸部2bを通じてピストン2を上昇させると、ピストン2は、シリンダ1のガイド部1aに周囲をガイドされつつ上昇する。ピストン2が上昇して、シリンダ1内のピストン2より上方側の容積が小さくなるとピストン2上方側の内圧が上昇し、インク4は注入部材3を通過して、記録装置のインクカートリッジ11内の吸収体12内に注入される。
【0015】
この際、ピストン2を上昇させてピストン2の下方側に空間ができた時、シリンダ1の下方へ外気が入るように大気連通部1bが設けられている。このため、ピストン下方が真空状態になることを防ぎ、ピストン2を上昇させやすい。また、ピストン2にはゴム又はプラスチック製のOリング2cが付帯されているため、ピストン2の上昇時にインク4がピストン2とシリンダ1内壁との隙間から漏れ出てしまうことはない。
【0016】
このように、液体補給装置Aによりインクをインクカートリッジ11に充填する際には、注入部材3が上昇しつつインクが注入される。このため、操作者が操作力軽減のために意図的に注入部材3の先端である注入口3aの位置を変化させる必要はなく、簡単で速やかにインクの充填を行うことが出来る。また、注入部材3が動きつつインク4を注入するため、注入口3aに吸収体12の一部が詰まるという不具合を防止することもできる。
【0017】
注入部材3は、ピストン2がシリンダ1の上端にあるとき、シリンダ1内に収容されるような長さ寸法に構成されている。このためインクの充填が進み、シリンダ1内のインク4が完全に充填されると、注入部材3はシリンダ1に収容される。
【0018】
図2は図1の右側面から見た断面図である。図2に示すように、シリンダ1内部側の上端には突起部1cが、ピストン2の上側には突起部2dが、それぞれ設けられている。
【0019】
上述のようにインク4を完全に充填した後、注入部材3がシリンダ1に収容されるが、このとき突起部1cと突起部2dとが当接する。図1に示すように注入部材3はピストン2に偏心して(ピストン軸中心から離れた位置に)取り付けられており、図2に示すように両突起部1c、2dはカム状になっているため、突起部1cと突起部2dとが当接すると、シリンダ1の突起部1cはピストン2をねじり、注入部材3を弾性的に変形させる。
【0020】
そして更にピストン2が上昇すると、注入部材3の先端にある注入口3aは、シリンダ1のガイド部1aから外れる。すると、注入部材3がシリンダ1の内部で変形前の形状に復元するため、注入口3aはシリンダ1の内壁に刺さって固定される。このように注入部材3は、確実に固定されるため、再びガイド部1aに戻ることはなく、液体補給装置Aの使用後の安全性が確保される。
【0021】
尚、インクの充填後、ピストン2の上部に残留した気体5は、ピストン2のねじり動作が行われるときに排出されるため、ピストン2の上昇抵抗が少なくて済む。また気体5は、インク4の充填時にはエアダンパの機能をも果たすため、注入圧力衝撃が少なくなる。
【0022】
更に、シリンダ1上部に封入された気体5は、インク4を完全に充填し終わるまでインク4を下方に押し続ける。このため、インク4全量を余すことなく使い切ることができる。また、インクカートリッジ11より注入部材3が抜けてからのインク4のタレを防止することができる。
【0023】
以上のように本発明の液体補給装置は、注射器構造であるため、インクカートリッジにインクを充填するためには最も簡便な構成である。また、インクの補給過程において注入口の位置を上昇させつつインクを充填する。注入部材の移動量とインクの補給量とは比例することから、インクカートリッジの吸収体にインクを均一に吸収させることができ、インク充填量に見合った量のインクを容易かつ確実に充填することができる。また、補給後には注入部材が確実にシリンダ内に収納されて固定される構成としたため、安全に液体補給装置を廃棄することが可能となる。
【0024】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図面を用いて説明する。図3は第2実施形態における液体補給装置の断面図である。前述した実施形態と同様の構成については同様の符号を付し説明を省略する。
【0025】
図3に示すように、本実施形態の液体補給装置Bは、シリンダ1内壁の上部にピストン2の戻りを防止する戻り防止突起1dを設ける。このため、インク4をインクカートリッジ11に充填した後、気体5を排出し、ピストン2の上昇が終了する位置にくると、Oリング2cのある位置に戻り防止突起1dが嵌入し、ピストン2の動きを止める。すると、ピストン2と一体的に構成されている注入部材3が再びガイド部1aから注入口3aを出すことはなく、安全である。
【0026】
尚、本実施形態においても、シリンダ1内でピストン2の上部にはインク4及び気体5を封入するが、気体5の量をおよそ戻り防止突起1dの位置にするのが好ましい。ピストン2が上昇して戻り防止突起1dに当たると操作者にかかる負荷は増えるが、一方インク4を補給していた注入部材3が気体5の排出をし始める時には負荷が減り、これらの負荷は相殺する関係にある。このため、戻り防止突起1dの位置に気体5があると、操作者がピストン2を上昇させる際に戻り防止突起1dがあっても、負荷を感じることなく操作を行なうことができる。
【0027】
(他の実施形態)
第2実施形態においては、シリンダ1内壁の上部に戻り防止突起1dを形成したが、これに限るものではなく、インク4の補給終了後に注入部材3がシリンダ1に収納された位置でピストン2を固定すればよい。このため、例えば図4に示すように軸部2bに戻り防止突起2eを配設し、インク4の補給が終了した後にピストン2の軸部2bをシリンダ1から引き抜くと、戻り防止突起2eがピストン2の戻りをとめる構成にしてもよい。
【0028】
その他、本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0029】
[実施態様1]
シリンダと、ピストンと、注入部材とを有し、注射器構造の液体補給装置であって、前記シリンダの前記ピストン上方側に液体溜め部が構成され、前記ピストンに挿通して該ピストンと一体的に前記注入部材が配設され、液体の補給終了後、前記注入部材が前記シリンダ内に収納されることを特徴とする液体補給装置。
【0030】
[実施態様2]
実施態様1に記載の液体補給装置であって、前記ピストンが前記シリンダの上端に近づくと、前記注入部材は、該注入部材をガイドする前記シリンダのガイド部から外れる長さ寸法であることを特徴とする液体補給装置。
【0031】
[実施態様3]
実施態様1又は2に記載の液体補給装置であって、前記注入部材が、前記ピストンの軸中心から離れた位置に配置されることを特徴とする液体補給装置。
【0032】
[実施態様4]
実施態様1乃至3のいずれかに記載の液体補給装置であって、前記液体溜め部には、気体と補給する液体とが2層に封入されることを特徴とする液体補給装置。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、シリンダのピストン上方側に液体溜め部を構成し、前記ピストンに挿通して該ピストンと一体的に前記注入部材を配設し、液体の補給終了後に、前記注入部材を前記シリンダ内に収納する。
【0034】
補給終了後に注入部材をシリンダ内に収納するため、液体補給装置は安全に廃棄することができる。また、ピストンを上昇させながら液体を注入することで注入部材の位置を絶えず変化させつつ液体の補給ができるため、例えばインクカートリッジ内に対して、均一に液体を補給することができる。このため、容易かつ確実に液体の補給を行い、また安全に補給装置の廃棄を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における液体補給装置の断面図である。
【図2】図1の右側面から見た断面図である。
【図3】第2実施形態における液体補給装置の断面図である。
【図4】他の実施形態における液体補給装置の断面図である。
【符号の説明】
A …液体補給装置、B …液体補給装置、
1 …シリンダ、
1a …ガイド部、1b …大気連通部、
1c …突起部、1d …戻り防止突起、
2 …ピストン、
2a …取手部、2b …軸部、2c …Oリング、
2d …突起部、2e …戻り防止突起、
3 …注入部材、3a …注入口、
4 …インク、5 …気体、
11 …インクカートリッジ、12 …吸収体
【発明の属する技術分野】
本発明は、注入部材からインク等の液体を補給する、注射器構造の液体補給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インク等の液体を吐出して記録媒体に対して記録を行う記録装置が普及している。インクを記録媒体に噴射して記録を行うインクジェット装置においては、小型化の要望が強くなっている。そのため、従来記録装置のキャリッジ上と記録装置本体側とに別々に設けられていた記録手段としての記録ヘッドと液体を貯蔵するインクカートリッジとを、一体的にキャリッジ上に配置することで小型化が図られている。
【0003】
キャリッジ上に記録ヘッドやインクカートリッジを配置する場合の形態としては、記録ヘッドとインクカートリッジが一体構造となっているもの、記録ヘッドとインクカートリッジが分離可能なものがある。以下、インクカートリッジとは特に説明しない限り双方の形態を意味するものとする。
【0004】
上述のインクカートリッジは、通常、記録ができなくなった段階で新規のインクカートリッジと交換される。しかし、記録ヘッドを有するインクカートリッジでは記録ヘッド側にインク供給がされなくなった状態でも、記録ヘッド自体はまだその吐出性能を十分に発揮することができる。従って、インクがなくなった時に新規のインクカートリッジに交換することは、記録ヘッドの本来の製品寿命まで使用しないことになり、コストパフォーマンスの観点から改善の余地があった。
【0005】
そこで、インクがなくなったインクカートリッジに対して、シリンダに装着固定された注射針をインクカートリッジ内にあるスポンジ等の吸収体に突き刺し、ピストン加圧によりインクを充填する、医療用注射器構造の液体補給装置がある。該液体補給装置を利用することで、インクを再充填して繰り返しインクカートリッジの使用を可能とし、記録ヘッド本来の製品寿命程度まで使用する(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。インクカートリッジにインクを充填するための補給装置として注射器構造よりも簡便な構成の補給装置はない。
【0006】
【特許文献1】
特開平08−290582号公報(図13)
【特許文献2】
特開平11−320903号公報(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、注射器構造の補給装置を使用した場合、注射針部分の扱いは危険であり、法的には注射針の廃棄処理は再使用不可能とせねばならず、扱いにくいといった問題もある。
【0008】
また、インクの充填時にインクカートリッジ内の充填状況が分かり難く、インクカートリッジ内の吸収体に均一にインクを拡散させつつ充填することは困難であった。この結果、インクがインクカートリッジより溢れたり、反面インクカートリッジに充填しきれなかったりすることがあった。このため、インクの充填時には注射針の位置を変化させたり、長時間費やしてゆっくりと注入する必要があった。
【0009】
更に、インクの充填時に針位置を固定して充填すると、スポンジが針穴に詰まったり、針穴周辺部の充填インクの拡散が遅かったりすると、インク充填のために過大な操作力が必要になる。このため、操作者は絶えず針位置を変化させつつ、充填作業を行なわなければならなかった。
【0010】
そこで本発明の目的は、容易かつ確実に液体の補給を行い、また安全に補給装置の廃棄を行うことのできる液体補給装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、本発明の代表的な構成は、シリンダと、ピストンと、注入部材とを有し、注射器構造の液体補給装置であって、前記シリンダの前記ピストン上方側に液体溜め部が構成され、前記ピストンに挿通して該ピストンと一体的に前記注入部材が配設され、液体の補給終了後、前記注入部材が前記シリンダ内に収納されることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図面を用いて説明する。図1は第1実施形態における液体補給装置の断面図である。図1に示すように液体補給装置Aは、液体としてのインク4を貯蔵するシリンダ1と、インク4を注入するためのピストン2と、ピストン2に取り付けられインク4を注入する注射針状の注入部材3と、を有する。
【0013】
液体補給装置Aの未使用時において、シリンダ1には、ピストン2上方側に液体溜め部が構成され、補給する液体であるインク4と空気又は不活性ガス等の気体5とが封入されている。また、注入部材3はピストン2の下方から上方に貫通して取り付けられている。このため液体補給装置Aは、使用時にピストン2を引き抜くことで、ピストン2の上方に封入されているインク4が注入部材3を通って注入される構成になっている。
【0014】
具体的に説明すると、液体補給装置Aの使用時には、まず、液体補給装置Aの注入部材3をインクカートリッジ11内にあるフェルトやスポンジ等の吸収体12へ差し込む。そして取手部2aを持って軸部2bを通じてピストン2を上昇させると、ピストン2は、シリンダ1のガイド部1aに周囲をガイドされつつ上昇する。ピストン2が上昇して、シリンダ1内のピストン2より上方側の容積が小さくなるとピストン2上方側の内圧が上昇し、インク4は注入部材3を通過して、記録装置のインクカートリッジ11内の吸収体12内に注入される。
【0015】
この際、ピストン2を上昇させてピストン2の下方側に空間ができた時、シリンダ1の下方へ外気が入るように大気連通部1bが設けられている。このため、ピストン下方が真空状態になることを防ぎ、ピストン2を上昇させやすい。また、ピストン2にはゴム又はプラスチック製のOリング2cが付帯されているため、ピストン2の上昇時にインク4がピストン2とシリンダ1内壁との隙間から漏れ出てしまうことはない。
【0016】
このように、液体補給装置Aによりインクをインクカートリッジ11に充填する際には、注入部材3が上昇しつつインクが注入される。このため、操作者が操作力軽減のために意図的に注入部材3の先端である注入口3aの位置を変化させる必要はなく、簡単で速やかにインクの充填を行うことが出来る。また、注入部材3が動きつつインク4を注入するため、注入口3aに吸収体12の一部が詰まるという不具合を防止することもできる。
【0017】
注入部材3は、ピストン2がシリンダ1の上端にあるとき、シリンダ1内に収容されるような長さ寸法に構成されている。このためインクの充填が進み、シリンダ1内のインク4が完全に充填されると、注入部材3はシリンダ1に収容される。
【0018】
図2は図1の右側面から見た断面図である。図2に示すように、シリンダ1内部側の上端には突起部1cが、ピストン2の上側には突起部2dが、それぞれ設けられている。
【0019】
上述のようにインク4を完全に充填した後、注入部材3がシリンダ1に収容されるが、このとき突起部1cと突起部2dとが当接する。図1に示すように注入部材3はピストン2に偏心して(ピストン軸中心から離れた位置に)取り付けられており、図2に示すように両突起部1c、2dはカム状になっているため、突起部1cと突起部2dとが当接すると、シリンダ1の突起部1cはピストン2をねじり、注入部材3を弾性的に変形させる。
【0020】
そして更にピストン2が上昇すると、注入部材3の先端にある注入口3aは、シリンダ1のガイド部1aから外れる。すると、注入部材3がシリンダ1の内部で変形前の形状に復元するため、注入口3aはシリンダ1の内壁に刺さって固定される。このように注入部材3は、確実に固定されるため、再びガイド部1aに戻ることはなく、液体補給装置Aの使用後の安全性が確保される。
【0021】
尚、インクの充填後、ピストン2の上部に残留した気体5は、ピストン2のねじり動作が行われるときに排出されるため、ピストン2の上昇抵抗が少なくて済む。また気体5は、インク4の充填時にはエアダンパの機能をも果たすため、注入圧力衝撃が少なくなる。
【0022】
更に、シリンダ1上部に封入された気体5は、インク4を完全に充填し終わるまでインク4を下方に押し続ける。このため、インク4全量を余すことなく使い切ることができる。また、インクカートリッジ11より注入部材3が抜けてからのインク4のタレを防止することができる。
【0023】
以上のように本発明の液体補給装置は、注射器構造であるため、インクカートリッジにインクを充填するためには最も簡便な構成である。また、インクの補給過程において注入口の位置を上昇させつつインクを充填する。注入部材の移動量とインクの補給量とは比例することから、インクカートリッジの吸収体にインクを均一に吸収させることができ、インク充填量に見合った量のインクを容易かつ確実に充填することができる。また、補給後には注入部材が確実にシリンダ内に収納されて固定される構成としたため、安全に液体補給装置を廃棄することが可能となる。
【0024】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図面を用いて説明する。図3は第2実施形態における液体補給装置の断面図である。前述した実施形態と同様の構成については同様の符号を付し説明を省略する。
【0025】
図3に示すように、本実施形態の液体補給装置Bは、シリンダ1内壁の上部にピストン2の戻りを防止する戻り防止突起1dを設ける。このため、インク4をインクカートリッジ11に充填した後、気体5を排出し、ピストン2の上昇が終了する位置にくると、Oリング2cのある位置に戻り防止突起1dが嵌入し、ピストン2の動きを止める。すると、ピストン2と一体的に構成されている注入部材3が再びガイド部1aから注入口3aを出すことはなく、安全である。
【0026】
尚、本実施形態においても、シリンダ1内でピストン2の上部にはインク4及び気体5を封入するが、気体5の量をおよそ戻り防止突起1dの位置にするのが好ましい。ピストン2が上昇して戻り防止突起1dに当たると操作者にかかる負荷は増えるが、一方インク4を補給していた注入部材3が気体5の排出をし始める時には負荷が減り、これらの負荷は相殺する関係にある。このため、戻り防止突起1dの位置に気体5があると、操作者がピストン2を上昇させる際に戻り防止突起1dがあっても、負荷を感じることなく操作を行なうことができる。
【0027】
(他の実施形態)
第2実施形態においては、シリンダ1内壁の上部に戻り防止突起1dを形成したが、これに限るものではなく、インク4の補給終了後に注入部材3がシリンダ1に収納された位置でピストン2を固定すればよい。このため、例えば図4に示すように軸部2bに戻り防止突起2eを配設し、インク4の補給が終了した後にピストン2の軸部2bをシリンダ1から引き抜くと、戻り防止突起2eがピストン2の戻りをとめる構成にしてもよい。
【0028】
その他、本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0029】
[実施態様1]
シリンダと、ピストンと、注入部材とを有し、注射器構造の液体補給装置であって、前記シリンダの前記ピストン上方側に液体溜め部が構成され、前記ピストンに挿通して該ピストンと一体的に前記注入部材が配設され、液体の補給終了後、前記注入部材が前記シリンダ内に収納されることを特徴とする液体補給装置。
【0030】
[実施態様2]
実施態様1に記載の液体補給装置であって、前記ピストンが前記シリンダの上端に近づくと、前記注入部材は、該注入部材をガイドする前記シリンダのガイド部から外れる長さ寸法であることを特徴とする液体補給装置。
【0031】
[実施態様3]
実施態様1又は2に記載の液体補給装置であって、前記注入部材が、前記ピストンの軸中心から離れた位置に配置されることを特徴とする液体補給装置。
【0032】
[実施態様4]
実施態様1乃至3のいずれかに記載の液体補給装置であって、前記液体溜め部には、気体と補給する液体とが2層に封入されることを特徴とする液体補給装置。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、シリンダのピストン上方側に液体溜め部を構成し、前記ピストンに挿通して該ピストンと一体的に前記注入部材を配設し、液体の補給終了後に、前記注入部材を前記シリンダ内に収納する。
【0034】
補給終了後に注入部材をシリンダ内に収納するため、液体補給装置は安全に廃棄することができる。また、ピストンを上昇させながら液体を注入することで注入部材の位置を絶えず変化させつつ液体の補給ができるため、例えばインクカートリッジ内に対して、均一に液体を補給することができる。このため、容易かつ確実に液体の補給を行い、また安全に補給装置の廃棄を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における液体補給装置の断面図である。
【図2】図1の右側面から見た断面図である。
【図3】第2実施形態における液体補給装置の断面図である。
【図4】他の実施形態における液体補給装置の断面図である。
【符号の説明】
A …液体補給装置、B …液体補給装置、
1 …シリンダ、
1a …ガイド部、1b …大気連通部、
1c …突起部、1d …戻り防止突起、
2 …ピストン、
2a …取手部、2b …軸部、2c …Oリング、
2d …突起部、2e …戻り防止突起、
3 …注入部材、3a …注入口、
4 …インク、5 …気体、
11 …インクカートリッジ、12 …吸収体
Claims (1)
- シリンダと、ピストンと、注入部材とを有し、注射器構造の液体補給装置であって、
前記シリンダの前記ピストン上方側に液体溜め部が構成され、
前記ピストンに挿通して該ピストンと一体的に前記注入部材が配設され、
液体の補給終了後、前記注入部材が前記シリンダ内に収納されることを特徴とする液体補給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002298743A JP2004130712A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | 液体補給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002298743A JP2004130712A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | 液体補給装置 |
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JP2004130712A true JP2004130712A (ja) | 2004-04-30 |
Family
ID=32288065
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2004130712A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107264057A (zh) * | 2017-06-23 | 2017-10-20 | 安徽新华印刷股份有限公司 | 一种喷墨打印机墨盒 |
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2002
- 2002-10-11 JP JP2002298743A patent/JP2004130712A/ja active Pending
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CN107264057A (zh) * | 2017-06-23 | 2017-10-20 | 安徽新华印刷股份有限公司 | 一种喷墨打印机墨盒 |
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