JP2004130324A - レーザ発振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】アシストガスのレーザ発振器内への混入や戻り光によるレーザ発振器の温度上昇による障害の発生を防止することを目的とする。
【解決手段】レーザ加工機のレーザ発振器1において、レーザ発振器1の出力ミラー5からレーザ光出口1Aまでの内部空間13にアシストガスが入り込むことを防止するために、内部空間13に空気を供給するエアーパージを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】レーザ加工機のレーザ発振器1において、レーザ発振器1の出力ミラー5からレーザ光出口1Aまでの内部空間13にアシストガスが入り込むことを防止するために、内部空間13に空気を供給するエアーパージを備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ加工機のレーザ発振器に係り、特に、レーザ発振器の出力ミラーからレーザ光出口までの内部空間に、エアーパージや火災センサ等を備えたレーザ発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は、従来のレーザ発振器100を用いたレーザ加工機の概略構成を示す図である。
【0003】
従来のレーザ発振器100は、リアミラーと出力ミラーとこれらの各ミラー間に設けられたレーザ媒質とこのレーザ媒質を励起するためのエネルギー源である励起電源とによって上記出力ミラーから出射するレーザ光を作り出すレーザ共振器を備え、上記出力ミラーと上記レーザ発振器100のレーザ光出口100Aとの間には、このレーザ光出口100Aからのレーザ光の出射を一時的に遮断するためのシャッターユニットが設けられている。
【0004】
レーザ発振器100の外部には、ミラー102が設けられており、レーザ光出口100Aから出射されたレーザ光LBは、このレーザ光LBの進行方向に長く設けられた光軸パイプ104A内を進行し、ミラー102で、上記光軸パイプ104Aが長く設けられている方向とは、たとえばほぼ直角な方向に反射され、上記光軸パイプ104Aとはほぼ直角な方向に長く設けられた光軸パイプ104B内を進行する。
【0005】
光軸パイプ104Bの終端部には、集光レンズ106が設けられており、この集光レンズ106によって、上記光軸パイプ104B内を進行してきたレーザ光LBが集光され、この集光されたレーザ光LBが、光軸パイプ104Bの一端部側(ワークW側の一端部側)に設けられたノズル108からワークWに照射され、このワークWにたとえば切断等の加工を施すようになっている。
【0006】
集光レンズ106とノズル108との間の光軸パイプ104Bの側壁には、ワークWを加工するときに使用されるアシストガスを供給するためのアシストガス供給孔110が設けられている。
【0007】
また、光軸パイプ104Bの内壁と集光レンズ106の外周との間は、シール材112によって、気密性が確保され、アシストガス供給孔110から供給されたアシストガスが、光軸パイプ104A、104Bで形成されたレーザ光LBの光路であって、上記集光レンズ106よりも上記レーザ発振器100側に存在する光路内や上記レーザ発振器100内に入り込まないようになっている(たとえば、非特許文献1参照)。
【0008】
【非特許文献1】
川澄博道著「レーザ加工技術」日刊工業新聞社、昭和61年7月10日、p32の図2.30(a)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、レーザ加工機の長年の使用により、たとえばワークWの加工箇所から受ける熱により、上記シール材112が劣化し、光軸パイプ104Bの内壁と集光レンズ106の外周との間の気密性が失われると、アシストガス供給孔110から供給されたアシストガスが、シール材112から漏れて、光軸パイプ104B、104A内を通って、密閉度の高いレーザ発振器100内に入りこみ、不具合が発生するおそれがある。
【0010】
たとえば、上記アシストガスが酸素である場合、レーザ発振器100内の酸素濃度が上昇し、上記レーザ発振器100内に設けられている上記レーザ発振器100の構成部品が酸化によって正常に機能しなくなるという不具合が発生する場合がある。
【0011】
また、ワークWを加工した際に、このワークWで乱反射されたレーザ光LBが戻り光を形成し、この戻り光が、光軸パイプ104B、104A内を通って、上記レーザ発振器100内に侵入し、レーザ発振器100の温度が上昇し、上記レーザ発振器100内に設けられている上記レーザ発振器100の構成部品がダメージを受けて正常に機能しなくなるという不具合が発生する場合がある。
【0012】
ここで、レーザ加工機のレーザ発振器において、アシストガスのレーザ発振器内への混入や戻り光によるレーザ発振器の温度上昇によっても、レーザ発振器に障害が発生しないようにすることが重要である。
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、アシストガスのレーザ発振器内への混入や戻り光によるレーザ発振器の温度上昇による障害の発生を防止することができるレーザ発振器を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、レーザ加工機のレーザ発振器において、上記レーザ発振器の出力ミラーからレーザ光出口までの内部空間にアシストガスが入り込むことを防止するために、上記内部空間に空気を供給するエアーパージを備えたレーザ発振器である。
【0015】
請求項2に記載の本発明は、レーザ加工機のレーザ発振器において、上記レーザ発振器の出力ミラーからレーザ光出口までの内部空間に火災センサを備え、上記レーザ発振器の稼動中、上記火災センサが火災の発生を検知したときに、警報を出力しまたは上記レーザ発振器の稼動を停止する制御手段を備えたレーザ発振器である。
【0016】
請求項3に記載の本発明は、アシストガスとして酸素を用いるレーザ加工機のレーザ発振器において、上記レーザ発振器の出力ミラーからレーザ光出口までの内部空間の酸素濃度を検出可能な酸素センサを備え、上記レーザ発振器の稼動中、上記酸素センサが検出した酸素濃度が所定の値を超えたときに、警報を出力しまたは上記レーザ発振器の稼動を停止する制御手段を備えたレーザ発振器である。
【0017】
請求項4に記載の本発明は、レーザ加工機のレーザ発振器において、上記レーザ発振器の出力ミラーからレーザ光出口までの内部空間に設けられ、ワークを加工しているときに上記ワークで反射されて上記内部空間に戻ってきた光を、上記戻ってきた光と交差する方向に反射可能な反射手段と、上記反射手段によって反射した光が到達する部位の温度を計測可能な温度センサと、上記レーザ発振器の稼動中、上記部位の温度が所定の温度以上になったことを上記温度センサが検出したときに、警報を出力しまたは上記レーザ発振器の稼動を停止する制御手段とを備えたレーザ発振器である。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係るレーザ加工機のレーザ発振器1の概略構成を示す図である。
【0019】
レーザ発振器1は、筐体3を備え、この筐体3の内部の一端部側には、従来のレーザ発振器100とほぼ同様に、出力ミラー5、リアミラー7、レーザ媒質9、励起電源(図示せず)で構成されたレーザ共振器11が設けられている。
【0020】
筐体3の他端部側には、レーザ共振器11で生成され、出力ミラー5から出射されたレーザ光LBを、レーザ発振器1の外部に出射するためのレーザ光出口1Aが設けられている。
【0021】
そして、レーザ発振器1のレーザ光出口1Aと、レーザ加工機が加工するワークWとの間には、図2に示す上記従来のレーザ加工機とほぼ同様に、光軸パイプ104A、ミラー102、アシストガス供給孔110と集光レンズ106を備えた光軸パイプ104Bが設けられ、レーザ光出口1Aから出射されたレーザ光LBが、上記光軸パイプ104A、104B、ミラー102、集光レンズ106で形成される光路を通って、ワークWまで到達しワークWに照射され、ワークWに加工を施すようになっている。
【0022】
また、上記従来のレーザ加工機とほぼ同様に、光軸パイプ104Bの内壁と集光レンズ106の外周との間は、シール材112によって、気密性が確保され、アシストガス供給口110から供給されたアシストガスが、レーザ発振器1側には流れ込まないようになっている。
【0023】
レーザ発振器1の筐体3の内部であって、レーザ共振器11の出力ミラー5とレーザ光出口1Aとの間には内部空間13が設けられ(形成され)ている。なお、上記内部空間13は、たとえば、出力ミラ−5からレーザ光出口1Aに向かって順に設けられている、光軸パイプ15Aとシャッターユニット17の筐体19と光軸パイプ15Bとによって形成されている。
【0024】
すなわち、筐体3の内壁であってレーザ光出口1Aの外周縁に、筒状の光軸パイプ15Bの一端部側が上記レーザ光出口1Aを囲うように接続されて固定されている。また、シャッターユニット17の筐体19の一端部側の壁に設けられた貫通孔の外周縁に、上記光軸パイプ15Bの他端部側が、上記筐体19の一端部側の壁に設けられた貫通孔を囲うように接続されて固定されている。
【0025】
さらに、シャッターユニット17の筐体19の他端部側の壁に設けられた貫通孔の外周縁に、光軸パイプ15Aの一端部側が上記筐体19の他端部側の壁に設けられた貫通孔を囲うように接続されて固定され、出力ミラー5の一端部側の面(レーザ光LBが出射(発射)される面)に、光軸パイプ15Aの他端部側が接続されて固定されている。
【0026】
なお、上記各部材同士の接続部分は気密性が保たれている。つまり、内部空間13と、内部空間13以外の空間との間では、レーザ光出口1Aを除いて、空気等が流通できないようになっている。
【0027】
また、レーザ発振器1では、上記内部空間13に、アシストガスが入り込むことを防止するために、上記内部空間13に空気を供給するエアーパージが設けられている。なお、上記エアーパージは、図1に示すエアー供給部21から、上記内部空間13に、たとえば大気圧やアシストガスの供給圧力よりも僅かに圧力の高い清浄な圧縮エアーを供給することによって行われる。
【0028】
また、シャッターユニット17の筐体19の内部には、ダンパーブロック23が一体的に設けられ、このダンパーブロック23には、出力ミラー5から出射されたレーザ光LBの光路となる貫通孔23Aが形成されている。
【0029】
ダンパーブロック23には、レーザ発振器1から発射したレーザ光LBでワークWを加工しているときに、上記ワークWで反射されて内部空間13に戻ってきた光を、この戻ってきた光Bと交差する方向(たとえばほぼ直角な方向)に反射可能な反射手段の例である反射面23Bが形成されている。
【0030】
上記反射面23Bは、レーザ光出口1Aと対向する側にほぼ平面状に設けられ、上記戻ってきた光Bと所定の角度(たとえば45°の角度)で交差している。また、上記反射面23Bは、上記貫通孔23Aの周りを囲うように形成されている。
【0031】
さらに、詳しく説明すると、レーザ共振器11から発射されたレーザ光LBの断面形状がたとえばほぼ円形である場合、上記レーザ光LBでワークWを加工しているときに、上記ワークWで反射されて内部空間13に戻ってくる光Bの断面形状もほぼ円形になる。また、上記レーザ光LBと上記戻り光Bとの軸心は互いにほぼ一致しており、しかも、上記戻り光Bの直径は上記レーザ光LBの直径のほぼ2倍になっている。
【0032】
そこで、上記反射面23Bは、上記戻り光Bをできるだけ反射できるように、上記戻り光Bの外周を囲い、上記戻り光Bの断面よりも大きく形成されている。
【0033】
また、ダンパーブロック23には、貫通孔23Aと上記反射面23Bの箇所で連通し、上記貫通孔23Aに対してほぼ直角に設けられた貫通孔23BCが形成されている。上記貫通孔23Cの出口側には、レーザ光LBの吸収装置であるダンパー25が設けられている。
【0034】
さらに、ダンパーブロック23の反射面23Bの近傍には、ワークWに照射するレーザ光LBを一時的に遮断するときに使用するシャッター27が設けられている。シャッター27は、ダンパーブロック23の反射面23Bに対向する側に、出力ミラー5から出射され、貫通孔23A内を進行してきたレーザ光LBを反射して、レーザ光LBがレーザ出口1Aから出射されないようにするための反射面を具備する。この反射面で反射されたレーザ光は、貫通孔23Cを通ってダンパー25に到達し、ダンパー25で吸収される。
【0035】
また、シャッター27は、たとえば、図1の紙面に対して垂直な方向に、図示しないアクチュエータによって移動自在に設けられており、シャッター27の反射面が、貫通孔23A、23Cを塞いでいるときは、レーザ光LBはダンパー25を照射して吸収され、シャッター27の反射面が、貫通孔23A、23Cを塞いでいないときは、レーザ光LBはレーザ光出口1Aから出射されてワークWを加工できるようになっている。
【0036】
また、ダンパーブロック23の反射面25Bによって反射された戻り光Bが到達する部位には、この部位の温度を計測可能な温度センサ29が設けられている。より詳細には、たとえば、シャッターユニット17の筐体19の上記部位に、反射面23Bで反射された戻り光Bを吸収することによって温度が上昇する受光部材31が設けられ、上記温度センサ29が上記受光部材31の温度を計測できるようになっている。
【0037】
また、上記内部空間13内(たとえば、シャッターユニット17の筐体19の内壁)には、上記内部空間13内の酸素濃度を検出(計測)可能な酸素センサ33や、レーザ発振器1で火災が発生したことを検知可能な火災センサ35が設けられている。なお、火災センサ35として、内部空間13内の温度を検出可能な温度センサ、内部空間13内の輻射熱を計測可能なセンサ、内部空間13内の煙の発生を、たとえば透過型光センサによって検出可能な煙センサ、内部空間13内の炭化水素の濃度を検出可能なセンサ等を考えることができる。
【0038】
また、レーザ発振器1を制御する制御手段の例である制御部37は、上記レーザ発振器1の稼動中に、上記反射面23Bで反射された上記戻り(反射光)Bで照射されている部位である上記受光部材31の温度が所定の温度以上になったことを温度センサ29が検出し、この検出した旨の信号を上記温度センサ29から受け取ったときに、図示しない警報出力部から警報を出力し、または上記レーザ発振器1の稼動を停止する(たとえば、レーザ媒質9を励起するためのエネルギー源である励起電源の稼動を停止する)ものである。
【0039】
また、上記制御部37は、上記レーザ発振器1の稼動中に、火災の発生を火災センサ35が検知し、この検知した旨の信号を上記火災センサ35から受け取ったときに、図示しない警報出力部から警報を出力し、または上記レーザ発振器1の稼動を停止する(たとえば、レーザ媒質9を励起するためのエネルギー源である励起電源を停止する)ものである。
【0040】
また、上記制御部37は、上記レーザ発振器1の稼動中に、内部空間13の酸素濃度が所定の値(たとえば25%)を超えたことを酸素センサ33が検出し、この検出した旨の信号を上記酸素センサ33から受け取ったときに、図示しない警報出力部から警報を出力し、または上記レーザ発振器1の稼動を停止する(たとえば、レーザ媒質9を励起するためのエネルギー源である励起電源の稼動を停止する)ものである。
【0041】
レーザ発振器1によれば、このレーザ発振器1が使用されているレーザ加工機の長年の使用により、レーザ発振器1の出口1AとワークWとの間で光路を形成している光軸パイプ104B(図2参照)と、上記光路中に設けられた集光レンズ(図2参照)との間のシール材112(図2参照)が劣化し、光軸パイプ104Bの内壁と集光レンズ106の外周との間の気密性が失われ、さらに、集光レンズ106とノズル108(図2参照)との間に設けられたアシストガス供給孔110からアシストガスが供給されていても、エアー供給部21でレーザ発振器1の内部空間13をエアーパージしているので、上記劣化したシール材112を通過して、アシストガスが内部空間13や、レーザ光出口1Aと集光レンズ106との間の光路に漏れ出すおそれが無くなる。
【0042】
そして、アシストガス供給孔110から供給されたアシストガスが、シール材112から漏れて、光軸パイプ104B、104A内を通って、レーザ発振器1内に入りこみ、不具合が発生することを防止することができる。
【0043】
ここで、上記エアーパージの圧力は、アシストガスの圧力よりも僅かに高いことが望ましい。
【0044】
なお、上記シール材112から漏れ出したアシストガスが、レーザ発振器1の内部空間13に入り込まないように、たとえば、レーザ光出口1Aを、ジンクセレナイド(ZnSe)等で形成された透過光学系物質で塞ぐことも考えられるが、この透過光学系は一般的に高価であり、しかも、レーザ光LBを長時間に亘って透過させることによって経年変化(劣化)し、レーザ光LBがワークWに的確に照射されなくなるおそれがあるが、レーザ発振器1では、上述のような透過光学系を使用していないので、装置の構成を簡素化し価格の上昇を押さえることができると共に、経年変化による不安定なレーザ加工の発生を回避することができる。
【0045】
また、上記アシストガスが酸素である場合、レーザ発振器1内の酸素濃度が上昇し、上記レーザ発振器1内に設けられている上記レーザ発振器1の構成部品が酸化によって正常に機能しなくなるおそれを回避することができると共に、レーザ発振器1内の酸素濃度が高くなって、上記レーザ発振器1内に設けられている電気接点で発生する火花が、たとえば上記レーザ発振器1内のケーブル等の構成部材に引火し、上記レーザ発振器1で火災が発生するという事態を回避することができる。
【0046】
また、レーザ発振器1によれば、レーザ発振器1の稼動中に、火災センサ35が火災の発生を検知したときに、警報が出力されるので、上記警報に基づいてオペレータがただちにレーザ発振器1の消化作業することができ、レーザ発振器1の延焼を防ぐことができる。一方、レーザ発振器1の稼動中に、火災センサ35が火災の発生を検知したときに、レーザ発振器1の稼動が自動的に停止されるので、レーザ発振器1内に、たとえば、レーザ共振器11等から、熱エネルギが供給されることがなくなり、上記発生した火災が鎮火しやすくなる。
【0047】
また、レーザ発振器1によれば、レーザ発振器1の稼動中に、酸素センサ33が所定の濃度以上の酸素濃度を検出したときに、警報が出力されるので、上記警報に基づいて、オペレータがただちにレーザ発振器1の稼動を停止することができ、レーザ発振器1の酸素濃度の上昇による火災等の不具合の発生を未然に防ぐことができる。一方、レーザ発振器1の稼動中に、酸素センサ33が所定の酸素濃度以上の酸素濃度を検出したときに、レーザ発振器1の稼動が自動的に停止されるので、レーザ発振器1の酸素濃度の上昇による火災等の不具合の発生を未然に防ぐことができる。
【0048】
さらに、レーザ発振器1によれば、このレーザ発振器1を用いたレーザ加工機でワークWを加工しているときに、上記ワークWで乱反射されたレーザ光が戻り光Bを形成し、この戻り光Bが、光軸パイプ104B、104A内を通って、上記レーザ発振器1内に侵入しても、上記戻り光Bを反射し、この反射先に受光部材31を設け、この受光部材31の温度が所定の温度以上の温度になったことを温度センサ29が検出したときに、警報が出力されるので、上記警報に基づいて、オペレータがただちにレーザ発振器1の稼動をたとえば停止し、また出力を減少させることができ、レーザ発振器1の温度の上昇による不具合(たとえば、火災の発生や、上記レーザ発振器1内に設けられている上記レーザ発振器1の構成部品が熱によるダメージを受けて正常に機能しなくなる弊害)の発生を未然に防ぐことができる。
【0049】
一方、同様に、上記戻り光Bによって、受光部材31の温度が所定の値以上の温度になったことを温度センサ29が検出したときに、レーザ発振器1の稼動が自動的に停止されるので、レーザ発振器1の温度の上昇による不具合の発生を未然に防ぐことができる。
【0050】
なお、上記受光部材31は、戻り光Bの照射エネルギーを蓄積する(換言すれば時間で積分する)ので、戻り光Bの強度が時間によって変動しても、内部空間13等、レーザ発振器1内の、戻り光Bに起因する温度上昇を正確に検出することができる。
【0051】
また、酸素センサ33は一般的に経年変化によって劣化しやすいので、このような劣化しやすい酸素センサを使用している場合には、たとえば、新品の酸素センサを取り付けてからの時間を制御部37がカウントし、上記時間が所定の時間(たとえば1年間)を超えた場合、上記酸素センサを新品に交換すべき旨の注意を、図示しない表示手段等で出力表示すれば、この表示基づいてオペレータが上記酸素センサを新品酸素センサに忘れずに交換でき、酸素センサ33の機能を常に維持することができる。
【0052】
さらに、レーザ光発振器1において、このレーザ光発振器1の内部空間13に常時エアーパージするのではなく、レーザ発振器1の稼動中だけエアーパージすうように、制御部37で制御してもよいし、酸素センサ33が所定の値以上の酸素濃度を検出したときに、エアーパージをするように、制御部37で制御してもよい。
【0053】
このように制御すれば、エアー供給部21が内部空間13に常にエアーを供給する必要がなくなるので、エアーパージ用のエアーの消費量を削減することができ、レーザ発振器1のランニングコストを低くおさえることができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、レーザ発振器1において、アシストガスのレーザ発振器内への混入や戻り光によるレーザ発振器の温度上昇による障害の発生を未然に防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るレーザ加工機のレーザ発振器の概略構成を示す図である。
【図2】従来のレーザ発振器を用いたレーザ加工機の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器
1A レーザ光出口
5 出力ミラー
13 内部空間
21 エアー供給部
23B 反射面
29 温度センサ
33 酸素センサ
35 火災センサ
37 制御部
B 戻り光
LB レーザ光
W ワーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ加工機のレーザ発振器に係り、特に、レーザ発振器の出力ミラーからレーザ光出口までの内部空間に、エアーパージや火災センサ等を備えたレーザ発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は、従来のレーザ発振器100を用いたレーザ加工機の概略構成を示す図である。
【0003】
従来のレーザ発振器100は、リアミラーと出力ミラーとこれらの各ミラー間に設けられたレーザ媒質とこのレーザ媒質を励起するためのエネルギー源である励起電源とによって上記出力ミラーから出射するレーザ光を作り出すレーザ共振器を備え、上記出力ミラーと上記レーザ発振器100のレーザ光出口100Aとの間には、このレーザ光出口100Aからのレーザ光の出射を一時的に遮断するためのシャッターユニットが設けられている。
【0004】
レーザ発振器100の外部には、ミラー102が設けられており、レーザ光出口100Aから出射されたレーザ光LBは、このレーザ光LBの進行方向に長く設けられた光軸パイプ104A内を進行し、ミラー102で、上記光軸パイプ104Aが長く設けられている方向とは、たとえばほぼ直角な方向に反射され、上記光軸パイプ104Aとはほぼ直角な方向に長く設けられた光軸パイプ104B内を進行する。
【0005】
光軸パイプ104Bの終端部には、集光レンズ106が設けられており、この集光レンズ106によって、上記光軸パイプ104B内を進行してきたレーザ光LBが集光され、この集光されたレーザ光LBが、光軸パイプ104Bの一端部側(ワークW側の一端部側)に設けられたノズル108からワークWに照射され、このワークWにたとえば切断等の加工を施すようになっている。
【0006】
集光レンズ106とノズル108との間の光軸パイプ104Bの側壁には、ワークWを加工するときに使用されるアシストガスを供給するためのアシストガス供給孔110が設けられている。
【0007】
また、光軸パイプ104Bの内壁と集光レンズ106の外周との間は、シール材112によって、気密性が確保され、アシストガス供給孔110から供給されたアシストガスが、光軸パイプ104A、104Bで形成されたレーザ光LBの光路であって、上記集光レンズ106よりも上記レーザ発振器100側に存在する光路内や上記レーザ発振器100内に入り込まないようになっている(たとえば、非特許文献1参照)。
【0008】
【非特許文献1】
川澄博道著「レーザ加工技術」日刊工業新聞社、昭和61年7月10日、p32の図2.30(a)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、レーザ加工機の長年の使用により、たとえばワークWの加工箇所から受ける熱により、上記シール材112が劣化し、光軸パイプ104Bの内壁と集光レンズ106の外周との間の気密性が失われると、アシストガス供給孔110から供給されたアシストガスが、シール材112から漏れて、光軸パイプ104B、104A内を通って、密閉度の高いレーザ発振器100内に入りこみ、不具合が発生するおそれがある。
【0010】
たとえば、上記アシストガスが酸素である場合、レーザ発振器100内の酸素濃度が上昇し、上記レーザ発振器100内に設けられている上記レーザ発振器100の構成部品が酸化によって正常に機能しなくなるという不具合が発生する場合がある。
【0011】
また、ワークWを加工した際に、このワークWで乱反射されたレーザ光LBが戻り光を形成し、この戻り光が、光軸パイプ104B、104A内を通って、上記レーザ発振器100内に侵入し、レーザ発振器100の温度が上昇し、上記レーザ発振器100内に設けられている上記レーザ発振器100の構成部品がダメージを受けて正常に機能しなくなるという不具合が発生する場合がある。
【0012】
ここで、レーザ加工機のレーザ発振器において、アシストガスのレーザ発振器内への混入や戻り光によるレーザ発振器の温度上昇によっても、レーザ発振器に障害が発生しないようにすることが重要である。
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、アシストガスのレーザ発振器内への混入や戻り光によるレーザ発振器の温度上昇による障害の発生を防止することができるレーザ発振器を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、レーザ加工機のレーザ発振器において、上記レーザ発振器の出力ミラーからレーザ光出口までの内部空間にアシストガスが入り込むことを防止するために、上記内部空間に空気を供給するエアーパージを備えたレーザ発振器である。
【0015】
請求項2に記載の本発明は、レーザ加工機のレーザ発振器において、上記レーザ発振器の出力ミラーからレーザ光出口までの内部空間に火災センサを備え、上記レーザ発振器の稼動中、上記火災センサが火災の発生を検知したときに、警報を出力しまたは上記レーザ発振器の稼動を停止する制御手段を備えたレーザ発振器である。
【0016】
請求項3に記載の本発明は、アシストガスとして酸素を用いるレーザ加工機のレーザ発振器において、上記レーザ発振器の出力ミラーからレーザ光出口までの内部空間の酸素濃度を検出可能な酸素センサを備え、上記レーザ発振器の稼動中、上記酸素センサが検出した酸素濃度が所定の値を超えたときに、警報を出力しまたは上記レーザ発振器の稼動を停止する制御手段を備えたレーザ発振器である。
【0017】
請求項4に記載の本発明は、レーザ加工機のレーザ発振器において、上記レーザ発振器の出力ミラーからレーザ光出口までの内部空間に設けられ、ワークを加工しているときに上記ワークで反射されて上記内部空間に戻ってきた光を、上記戻ってきた光と交差する方向に反射可能な反射手段と、上記反射手段によって反射した光が到達する部位の温度を計測可能な温度センサと、上記レーザ発振器の稼動中、上記部位の温度が所定の温度以上になったことを上記温度センサが検出したときに、警報を出力しまたは上記レーザ発振器の稼動を停止する制御手段とを備えたレーザ発振器である。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係るレーザ加工機のレーザ発振器1の概略構成を示す図である。
【0019】
レーザ発振器1は、筐体3を備え、この筐体3の内部の一端部側には、従来のレーザ発振器100とほぼ同様に、出力ミラー5、リアミラー7、レーザ媒質9、励起電源(図示せず)で構成されたレーザ共振器11が設けられている。
【0020】
筐体3の他端部側には、レーザ共振器11で生成され、出力ミラー5から出射されたレーザ光LBを、レーザ発振器1の外部に出射するためのレーザ光出口1Aが設けられている。
【0021】
そして、レーザ発振器1のレーザ光出口1Aと、レーザ加工機が加工するワークWとの間には、図2に示す上記従来のレーザ加工機とほぼ同様に、光軸パイプ104A、ミラー102、アシストガス供給孔110と集光レンズ106を備えた光軸パイプ104Bが設けられ、レーザ光出口1Aから出射されたレーザ光LBが、上記光軸パイプ104A、104B、ミラー102、集光レンズ106で形成される光路を通って、ワークWまで到達しワークWに照射され、ワークWに加工を施すようになっている。
【0022】
また、上記従来のレーザ加工機とほぼ同様に、光軸パイプ104Bの内壁と集光レンズ106の外周との間は、シール材112によって、気密性が確保され、アシストガス供給口110から供給されたアシストガスが、レーザ発振器1側には流れ込まないようになっている。
【0023】
レーザ発振器1の筐体3の内部であって、レーザ共振器11の出力ミラー5とレーザ光出口1Aとの間には内部空間13が設けられ(形成され)ている。なお、上記内部空間13は、たとえば、出力ミラ−5からレーザ光出口1Aに向かって順に設けられている、光軸パイプ15Aとシャッターユニット17の筐体19と光軸パイプ15Bとによって形成されている。
【0024】
すなわち、筐体3の内壁であってレーザ光出口1Aの外周縁に、筒状の光軸パイプ15Bの一端部側が上記レーザ光出口1Aを囲うように接続されて固定されている。また、シャッターユニット17の筐体19の一端部側の壁に設けられた貫通孔の外周縁に、上記光軸パイプ15Bの他端部側が、上記筐体19の一端部側の壁に設けられた貫通孔を囲うように接続されて固定されている。
【0025】
さらに、シャッターユニット17の筐体19の他端部側の壁に設けられた貫通孔の外周縁に、光軸パイプ15Aの一端部側が上記筐体19の他端部側の壁に設けられた貫通孔を囲うように接続されて固定され、出力ミラー5の一端部側の面(レーザ光LBが出射(発射)される面)に、光軸パイプ15Aの他端部側が接続されて固定されている。
【0026】
なお、上記各部材同士の接続部分は気密性が保たれている。つまり、内部空間13と、内部空間13以外の空間との間では、レーザ光出口1Aを除いて、空気等が流通できないようになっている。
【0027】
また、レーザ発振器1では、上記内部空間13に、アシストガスが入り込むことを防止するために、上記内部空間13に空気を供給するエアーパージが設けられている。なお、上記エアーパージは、図1に示すエアー供給部21から、上記内部空間13に、たとえば大気圧やアシストガスの供給圧力よりも僅かに圧力の高い清浄な圧縮エアーを供給することによって行われる。
【0028】
また、シャッターユニット17の筐体19の内部には、ダンパーブロック23が一体的に設けられ、このダンパーブロック23には、出力ミラー5から出射されたレーザ光LBの光路となる貫通孔23Aが形成されている。
【0029】
ダンパーブロック23には、レーザ発振器1から発射したレーザ光LBでワークWを加工しているときに、上記ワークWで反射されて内部空間13に戻ってきた光を、この戻ってきた光Bと交差する方向(たとえばほぼ直角な方向)に反射可能な反射手段の例である反射面23Bが形成されている。
【0030】
上記反射面23Bは、レーザ光出口1Aと対向する側にほぼ平面状に設けられ、上記戻ってきた光Bと所定の角度(たとえば45°の角度)で交差している。また、上記反射面23Bは、上記貫通孔23Aの周りを囲うように形成されている。
【0031】
さらに、詳しく説明すると、レーザ共振器11から発射されたレーザ光LBの断面形状がたとえばほぼ円形である場合、上記レーザ光LBでワークWを加工しているときに、上記ワークWで反射されて内部空間13に戻ってくる光Bの断面形状もほぼ円形になる。また、上記レーザ光LBと上記戻り光Bとの軸心は互いにほぼ一致しており、しかも、上記戻り光Bの直径は上記レーザ光LBの直径のほぼ2倍になっている。
【0032】
そこで、上記反射面23Bは、上記戻り光Bをできるだけ反射できるように、上記戻り光Bの外周を囲い、上記戻り光Bの断面よりも大きく形成されている。
【0033】
また、ダンパーブロック23には、貫通孔23Aと上記反射面23Bの箇所で連通し、上記貫通孔23Aに対してほぼ直角に設けられた貫通孔23BCが形成されている。上記貫通孔23Cの出口側には、レーザ光LBの吸収装置であるダンパー25が設けられている。
【0034】
さらに、ダンパーブロック23の反射面23Bの近傍には、ワークWに照射するレーザ光LBを一時的に遮断するときに使用するシャッター27が設けられている。シャッター27は、ダンパーブロック23の反射面23Bに対向する側に、出力ミラー5から出射され、貫通孔23A内を進行してきたレーザ光LBを反射して、レーザ光LBがレーザ出口1Aから出射されないようにするための反射面を具備する。この反射面で反射されたレーザ光は、貫通孔23Cを通ってダンパー25に到達し、ダンパー25で吸収される。
【0035】
また、シャッター27は、たとえば、図1の紙面に対して垂直な方向に、図示しないアクチュエータによって移動自在に設けられており、シャッター27の反射面が、貫通孔23A、23Cを塞いでいるときは、レーザ光LBはダンパー25を照射して吸収され、シャッター27の反射面が、貫通孔23A、23Cを塞いでいないときは、レーザ光LBはレーザ光出口1Aから出射されてワークWを加工できるようになっている。
【0036】
また、ダンパーブロック23の反射面25Bによって反射された戻り光Bが到達する部位には、この部位の温度を計測可能な温度センサ29が設けられている。より詳細には、たとえば、シャッターユニット17の筐体19の上記部位に、反射面23Bで反射された戻り光Bを吸収することによって温度が上昇する受光部材31が設けられ、上記温度センサ29が上記受光部材31の温度を計測できるようになっている。
【0037】
また、上記内部空間13内(たとえば、シャッターユニット17の筐体19の内壁)には、上記内部空間13内の酸素濃度を検出(計測)可能な酸素センサ33や、レーザ発振器1で火災が発生したことを検知可能な火災センサ35が設けられている。なお、火災センサ35として、内部空間13内の温度を検出可能な温度センサ、内部空間13内の輻射熱を計測可能なセンサ、内部空間13内の煙の発生を、たとえば透過型光センサによって検出可能な煙センサ、内部空間13内の炭化水素の濃度を検出可能なセンサ等を考えることができる。
【0038】
また、レーザ発振器1を制御する制御手段の例である制御部37は、上記レーザ発振器1の稼動中に、上記反射面23Bで反射された上記戻り(反射光)Bで照射されている部位である上記受光部材31の温度が所定の温度以上になったことを温度センサ29が検出し、この検出した旨の信号を上記温度センサ29から受け取ったときに、図示しない警報出力部から警報を出力し、または上記レーザ発振器1の稼動を停止する(たとえば、レーザ媒質9を励起するためのエネルギー源である励起電源の稼動を停止する)ものである。
【0039】
また、上記制御部37は、上記レーザ発振器1の稼動中に、火災の発生を火災センサ35が検知し、この検知した旨の信号を上記火災センサ35から受け取ったときに、図示しない警報出力部から警報を出力し、または上記レーザ発振器1の稼動を停止する(たとえば、レーザ媒質9を励起するためのエネルギー源である励起電源を停止する)ものである。
【0040】
また、上記制御部37は、上記レーザ発振器1の稼動中に、内部空間13の酸素濃度が所定の値(たとえば25%)を超えたことを酸素センサ33が検出し、この検出した旨の信号を上記酸素センサ33から受け取ったときに、図示しない警報出力部から警報を出力し、または上記レーザ発振器1の稼動を停止する(たとえば、レーザ媒質9を励起するためのエネルギー源である励起電源の稼動を停止する)ものである。
【0041】
レーザ発振器1によれば、このレーザ発振器1が使用されているレーザ加工機の長年の使用により、レーザ発振器1の出口1AとワークWとの間で光路を形成している光軸パイプ104B(図2参照)と、上記光路中に設けられた集光レンズ(図2参照)との間のシール材112(図2参照)が劣化し、光軸パイプ104Bの内壁と集光レンズ106の外周との間の気密性が失われ、さらに、集光レンズ106とノズル108(図2参照)との間に設けられたアシストガス供給孔110からアシストガスが供給されていても、エアー供給部21でレーザ発振器1の内部空間13をエアーパージしているので、上記劣化したシール材112を通過して、アシストガスが内部空間13や、レーザ光出口1Aと集光レンズ106との間の光路に漏れ出すおそれが無くなる。
【0042】
そして、アシストガス供給孔110から供給されたアシストガスが、シール材112から漏れて、光軸パイプ104B、104A内を通って、レーザ発振器1内に入りこみ、不具合が発生することを防止することができる。
【0043】
ここで、上記エアーパージの圧力は、アシストガスの圧力よりも僅かに高いことが望ましい。
【0044】
なお、上記シール材112から漏れ出したアシストガスが、レーザ発振器1の内部空間13に入り込まないように、たとえば、レーザ光出口1Aを、ジンクセレナイド(ZnSe)等で形成された透過光学系物質で塞ぐことも考えられるが、この透過光学系は一般的に高価であり、しかも、レーザ光LBを長時間に亘って透過させることによって経年変化(劣化)し、レーザ光LBがワークWに的確に照射されなくなるおそれがあるが、レーザ発振器1では、上述のような透過光学系を使用していないので、装置の構成を簡素化し価格の上昇を押さえることができると共に、経年変化による不安定なレーザ加工の発生を回避することができる。
【0045】
また、上記アシストガスが酸素である場合、レーザ発振器1内の酸素濃度が上昇し、上記レーザ発振器1内に設けられている上記レーザ発振器1の構成部品が酸化によって正常に機能しなくなるおそれを回避することができると共に、レーザ発振器1内の酸素濃度が高くなって、上記レーザ発振器1内に設けられている電気接点で発生する火花が、たとえば上記レーザ発振器1内のケーブル等の構成部材に引火し、上記レーザ発振器1で火災が発生するという事態を回避することができる。
【0046】
また、レーザ発振器1によれば、レーザ発振器1の稼動中に、火災センサ35が火災の発生を検知したときに、警報が出力されるので、上記警報に基づいてオペレータがただちにレーザ発振器1の消化作業することができ、レーザ発振器1の延焼を防ぐことができる。一方、レーザ発振器1の稼動中に、火災センサ35が火災の発生を検知したときに、レーザ発振器1の稼動が自動的に停止されるので、レーザ発振器1内に、たとえば、レーザ共振器11等から、熱エネルギが供給されることがなくなり、上記発生した火災が鎮火しやすくなる。
【0047】
また、レーザ発振器1によれば、レーザ発振器1の稼動中に、酸素センサ33が所定の濃度以上の酸素濃度を検出したときに、警報が出力されるので、上記警報に基づいて、オペレータがただちにレーザ発振器1の稼動を停止することができ、レーザ発振器1の酸素濃度の上昇による火災等の不具合の発生を未然に防ぐことができる。一方、レーザ発振器1の稼動中に、酸素センサ33が所定の酸素濃度以上の酸素濃度を検出したときに、レーザ発振器1の稼動が自動的に停止されるので、レーザ発振器1の酸素濃度の上昇による火災等の不具合の発生を未然に防ぐことができる。
【0048】
さらに、レーザ発振器1によれば、このレーザ発振器1を用いたレーザ加工機でワークWを加工しているときに、上記ワークWで乱反射されたレーザ光が戻り光Bを形成し、この戻り光Bが、光軸パイプ104B、104A内を通って、上記レーザ発振器1内に侵入しても、上記戻り光Bを反射し、この反射先に受光部材31を設け、この受光部材31の温度が所定の温度以上の温度になったことを温度センサ29が検出したときに、警報が出力されるので、上記警報に基づいて、オペレータがただちにレーザ発振器1の稼動をたとえば停止し、また出力を減少させることができ、レーザ発振器1の温度の上昇による不具合(たとえば、火災の発生や、上記レーザ発振器1内に設けられている上記レーザ発振器1の構成部品が熱によるダメージを受けて正常に機能しなくなる弊害)の発生を未然に防ぐことができる。
【0049】
一方、同様に、上記戻り光Bによって、受光部材31の温度が所定の値以上の温度になったことを温度センサ29が検出したときに、レーザ発振器1の稼動が自動的に停止されるので、レーザ発振器1の温度の上昇による不具合の発生を未然に防ぐことができる。
【0050】
なお、上記受光部材31は、戻り光Bの照射エネルギーを蓄積する(換言すれば時間で積分する)ので、戻り光Bの強度が時間によって変動しても、内部空間13等、レーザ発振器1内の、戻り光Bに起因する温度上昇を正確に検出することができる。
【0051】
また、酸素センサ33は一般的に経年変化によって劣化しやすいので、このような劣化しやすい酸素センサを使用している場合には、たとえば、新品の酸素センサを取り付けてからの時間を制御部37がカウントし、上記時間が所定の時間(たとえば1年間)を超えた場合、上記酸素センサを新品に交換すべき旨の注意を、図示しない表示手段等で出力表示すれば、この表示基づいてオペレータが上記酸素センサを新品酸素センサに忘れずに交換でき、酸素センサ33の機能を常に維持することができる。
【0052】
さらに、レーザ光発振器1において、このレーザ光発振器1の内部空間13に常時エアーパージするのではなく、レーザ発振器1の稼動中だけエアーパージすうように、制御部37で制御してもよいし、酸素センサ33が所定の値以上の酸素濃度を検出したときに、エアーパージをするように、制御部37で制御してもよい。
【0053】
このように制御すれば、エアー供給部21が内部空間13に常にエアーを供給する必要がなくなるので、エアーパージ用のエアーの消費量を削減することができ、レーザ発振器1のランニングコストを低くおさえることができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、レーザ発振器1において、アシストガスのレーザ発振器内への混入や戻り光によるレーザ発振器の温度上昇による障害の発生を未然に防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るレーザ加工機のレーザ発振器の概略構成を示す図である。
【図2】従来のレーザ発振器を用いたレーザ加工機の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器
1A レーザ光出口
5 出力ミラー
13 内部空間
21 エアー供給部
23B 反射面
29 温度センサ
33 酸素センサ
35 火災センサ
37 制御部
B 戻り光
LB レーザ光
W ワーク
Claims (4)
- レーザ加工機のレーザ発振器において、
上記レーザ発振器の出力ミラーからレーザ光出口までの内部空間にアシストガスが入り込むことを防止するために、上記内部空間に空気を供給するエアーパージを備えたことを特徴とするレーザ発振器。 - レーザ加工機のレーザ発振器において、
上記レーザ発振器の出力ミラーからレーザ光出口までの内部空間に火災センサを備え、
上記レーザ発振器の稼動中、上記火災センサが火災の発生を検知したときに、警報を出力しまたは上記レーザ発振器の稼動を停止する制御手段を備えたことを特徴とするレーザ発振器。 - アシストガスとして酸素を用いるレーザ加工機のレーザ発振器において、
上記レーザ発振器の出力ミラーからレーザ光出口までの内部空間の酸素濃度を検出可能な酸素センサを備え、
上記レーザ発振器の稼動中、上記酸素センサが検出した酸素濃度が所定の値を超えたときに、警報を出力しまたは上記レーザ発振器の稼動を停止する制御手段を備えたことを特徴とするレーザ発振器。 - レーザ加工機のレーザ発振器において、
上記レーザ発振器の出力ミラーからレーザ光出口までの内部空間に設けられ、ワークを加工しているときに上記ワークで反射されて上記内部空間に戻ってきた光を、上記戻ってきた光と交差する方向に反射可能な反射手段と;
上記反射手段によって反射した光が到達する部位の温度を計測可能な温度センサと;
上記レーザ発振器の稼動中、上記部位の温度が所定の温度以上になったことを上記温度センサが検出したときに、警報を出力しまたは上記レーザ発振器の稼動を停止する制御手段とを備えたことを特徴とするレーザ発振器。
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- 2002-10-08 JP JP2002295152A patent/JP2004130324A/ja active Pending
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