JP2004129640A - 造礁性サンゴを人工漁礁の一部として利用する熱帯、亜熱帯海域型人工漁礁の造成法 - Google Patents
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Abstract
【課題】サンゴ礁海域に適した魚類増産効果の高い漁礁を開発する。
【解決手段】サンゴ礁海域に適した人工漁礁であり、立体構造を形成する平面の開口部や内部等に鋼製、樹脂製、または化学繊維製の網2を有するようにし、この網に造礁性サンゴ3を針金等で同定して人工漁礁の一部とする。
【選択図】 図16
【解決手段】サンゴ礁海域に適した人工漁礁であり、立体構造を形成する平面の開口部や内部等に鋼製、樹脂製、または化学繊維製の網2を有するようにし、この網に造礁性サンゴ3を針金等で同定して人工漁礁の一部とする。
【選択図】 図16
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
地球温暖化による海洋環境の変化による海洋生物の減少、環境ホルモンによる生殖劣化、そして科学技術の進歩による漁法、漁具の発達による漁業圧力の増大により、地球規模での漁業資源の枯渇が始まりつつある。このために国際的に公海上での漁獲を規制し資源の保護をはかろうとする動きが出始めている。このため、水産資源の大量消費国である我国では、沿岸海域での魚類資源の保護、及び増産が急務で重大な問題になってきている。
沖縄は、熱帯、亜熱帯海域に属していおり、サンゴ礁が発達する特異な海域を有している。沖縄の沿岸海域に暮らす魚類は、サンゴ礁と密接な関係で生活するものが多い。しかし最近は、オニヒトデによる食害や、温暖化による白化によりサンゴ礁は壊滅的な被害を被っており、沿岸魚類の漁獲も激減している。
よって本発明は、沖縄のようなサンゴ礁の発達する海域に適した漁礁を提供し、サンゴ礁海域の魚類の増産を計ろうとするものである。本発明により、世界的に問題となっている熱帯沿岸海域の漁業資源の減少やサンゴ礁の荒廃がくい止められ、食料の安定供給とサンゴ礁海域の保護に役立てれば幸いである。
【0002】
【従来の技術】
温帯海域の魚類の増産と集魚に有用な漁礁は、多数開発されている。たとえば、漁礁に海藻が繁茂しやすいように材料のコンクリートに鉄分を添加した漁礁、漁礁表面に生物の生息空間となる突起や窪みを設け、魚類の餌となる生物を増やしてそれらの生物により集魚をはかる仕組みの漁礁等である。
しかし、サンゴ礁海域の魚類や海生生物は、温帯海域性の海洋生物と異なり海藻に依存する生態ではなく、造礁性サンゴを隠れ家としたり造礁性サンゴや造礁性サンゴに暮らす生物を餌とする生態を有する。特に幼稚魚、幼生物は、造礁性サンゴを生活場所として生活を営んでいる。そのために、温帯海域型の人工漁礁を設置しても造礁性サンゴを生活場所として利用する幼稚魚がほとんど根付かない。そのため造礁性サンゴを幼稚魚期の生活場所とするサンゴ礁海域型の大多数の魚類の増産効果にはほとんど効果がない。そしてサンゴ礁海域を生活場所をする親魚の集魚に関しても効果がほとんど上がらない。
このようにサンゴ礁海域では、魚類に対して造礁性サンゴの果たす生態的な働きを人工漁礁に組み込む必要があると考えられる。しかし、現在のところ造礁性サンゴの生態的な働きに注目して開発された人工漁礁はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
単に親魚を集める集魚機能だけの人工漁礁だと、魚類の増産に寄与する効果が少ない。魚類の増産効果に寄与する人工漁礁とは幼稚魚が集い、生育していく人工漁礁である。
熱帯のサンゴ礁海域において、幼稚魚が成育する場といえば造礁性サンゴの旺盛に生育している場所である。よって、魚類の増産効果の高い幼稚魚の集う人工漁礁を開発するには、造礁性サンゴの生態系の中で果たす役割を人工漁礁の機能として取り入れればよい事になる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、造礁性サンゴの魚類に対する生態系上の役割を人工漁礁に取り入れる方法に関するものである。
特許第2754314号により、ロープによる垂下式の造礁性サンゴの増殖を行った経験から造礁性サンゴが、増殖して群体形が大きなってくると確かに、増殖場の周りに魚類が増えてくる。しかし造礁性サンゴの増殖量に比較すると魚類の増加はわずかな数量であるように感じられる。特に幼稚魚が、垂下サンゴの周りに群れをつくらないという事態は注目すべき結果だと考えられる。自然海域では、造礁性サンゴのまわりを幼稚魚が群れ、その周りをさらに大型の魚類が群れるという生態系が出来上がるが、垂下式で増殖中のサンゴには、幼稚魚の群が出現せず、親魚だけが少し群れる程度の生態系となる。サンゴ礁のサンゴと比較して魚類の増産効果がとても小さいように感じられるのである。
そこで、増殖場で増殖中の垂下サンゴを観察してみると、サンゴが波浪や流れにより絶えず回転したり左右に揺れたりと動く事が観察された。自然の海中では、サンゴが動くという事はない。幼稚魚が、垂下増殖中の造礁性サンゴを生息場所としない原因は、造礁性サンゴが動く事にあると考えられる。幼稚魚の立場か考えると生息場所とした造礁性サンゴが動くのでは、居住性が悪く、補食者からの隠れ場として不適当である。
この事実を基に動かないサンゴを人為的に創りだしてみた。海底に足場パイプでヤグラを組立て、そのヤグラに金網を張り、その金網に造礁性サンゴを固定して幼稚魚の集まり具合の観察を行った。また金網に固定する造礁性サンゴの大きさも2種類を用いた。一方は群体形の大きなもの(群体形約25cm)だけを固定し、もう片方は群体形の小さなもの(群体形約10cm)だけを固定して出現してくる幼稚魚の観察を行った。
3ヶ月が経過したころより金属の網に固定した群体形の大きな造礁性サンゴの周りには、自然海域の造礁性サンゴと同様にチヨウチョウウオ科、スズメダイ科の幼稚魚が群を創ったのである。しかし近くでロープにより垂下増殖中の造礁性サンゴの周りには、ほとんど幼稚魚が観察できなかった。群体形の小さな造礁性サンゴの周りにもほとんど幼稚魚が出現しなかった。
しかしサンゴの成長は、金網に固定したものよりもロープに垂下したもののほうが良かった。この成長の差は、魚類による補食圧によるものと考えられる。金網に固定したものは、ブダイの食痕が多数認められるが、垂下したサンゴには食痕がほとんど認められない。固定した造礁性サンゴは、ブダイが食べたために成長が悪いように観察されたと考えられる。この事によりロープに垂下した動きのある造礁性サンゴは、幼稚魚の隠れ家として不適当なだけでなく、親魚であるブダイ等のサンゴ食魚の餌としても利用しずらい事がうかがえる。
これらの事実により、造礁性サンゴの魚類に対する生態系上の機能を人工漁礁に利用するには、サンゴが波浪や流れの影響により動く事がないようにしなければならない。そして幼稚魚の増産効果を高めるには、造礁性サンゴは大型の群体形のものを使用する必要がある事が分かった。群体形の大きなサンゴは、特許第2754314号により簡単に得る事ができる。
【0005】
【効果】
1 サンゴを網に固定するので、サンゴが波浪や流れにより動く事が少なく、幼稚魚の隠れ家としての効果やブダイ等のサンゴ食魚の餌料効果が高い。
2 網は針金やプラスチック等の紐を巻き付けたり、結んだりする事が容易であり大きなサイズのサンゴ群体の人工漁礁への固定が容易である。
3 網自体だけでも、親魚の安心できる「場」を提供するので、造礁性サンゴの集魚効果と網自体の集魚効果の相乗効果を期待できる。
4 網はいろんな形への造形が容易でいろんな形体の人工漁礁へも取り付けが容易である。よっていろんな形体の人工漁礁へもサンゴの固定が可能となる。
5 軽量の網(ダイバーが水中で運搬可能)でも大型のサンゴ群体を固定するための強度は十分に有しており、海中に過去に設置されている人工漁礁でも、潜水作業により本発明の実施する事が可能である。よって既設の人工漁礁に本発明を実施できる。
6 大きな網目の網を使用すれば固定したサンゴの周りの水流をほどんど妨げる事がなく、サンゴの成長と生存率に良い影響を与える。
7 大きな網目の網を使用すれば、サンゴへの光を妨げる事が少なく、サンゴの成長に負の影響を与える事が少ない。
9 造礁性サンゴの固定に使用する網は、適当な大きさの網目で、適当な太さの線材を使用するとオニヒトデの移動能力を奪う事が可能である。よって適切な網を使用する事で固定した造礁性サンゴをオニヒトデの食害から守る事ができる。
10 本発明による人工漁礁構造物は、造礁性サンゴの育成を主目的とした構造物への応用も可能である。
【0006】
【実施例】
【実施例−1】
開口部の全面が、全部鉄製の網で覆われた縦、横、高さが2mのコンクリート製の人工漁礁(図3)を陸上で50個制作します。これらの人工漁礁を、水深20mの海底面が平坦な場所にクレーン台船により設置します。積み方は、3層積みとし、一層目は25個、2層目は、15個3層目は5個に積み上げます。設置はダイバー誘導で行い可能な限り、隙間無く整然と積み上げます(図17)。網は、鉄製のワイヤーメッシュの名称で市販されている網目約150mm、部材の太さ約6mmのものです。この網部分に造礁性サンゴの破片を針金で固定します。造礁性サンゴの固定は潜水作業により行います。固定するサンゴ群体の大きさは、平均で約25cmとします。人工漁礁1個ごとに、固定する造礁性サンゴは約10個としました(図18)。
設置後1ケ月ほどで、アジやグルクンの稚魚が人工漁礁のまわりに数十匹単位で確認できるようになります。
数ヶ月ほどすると、スズメダイ科魚類やチョウチョウウオ科魚類の稚魚が固定サンゴに生息するようになり、それをねらってハタ科魚類の幼魚がみられるようになります。固定サンゴ群体の成長に伴って、ブダイ科の魚類も人工漁礁に群れるようになります。
【実施例−2】
水深20mの海底に過去に設置された縦、横、高さが2m、2m、2mのコンクリート製の魚礁(図19)に鋼管パイプを支柱とする構造物をクランプを用いて組み上げて(図20)、ワイヤーメッシュの名称で市販されている鉄製の網目150mm、部材の太さ約6mmのものを#10番の鉄線で固定します(図21)。これらの作業は、潜水作業により行いました。
網の大きさは、縦、横が1.5m、2mのものを用いました。網を張り終えた後に、大きさ約25cmの造礁性サンゴを一網に約10個ずつ固定します(図22)。
設置後1ケ月ほどで、グルクン等の幼稚魚が人工漁礁のまわりに数十匹単位で確認できるようになりました。
数ヶ月ほどすると、スズメダイ科魚類やチョウチョウウオ科魚類の稚魚が固定されたサンゴ群体に生息するようになり、それをねらってハタ科魚類の幼魚がみられるようになります。固定サンゴの成長に伴って、ブダイ科の魚類も漁礁に群れるようになります。
【実施例−3】
100mm×100mmのH鋼材を構造部材として縦、横、高さが5m、5m、5mの鋼製の人工漁礁を作成します(図14)。この人工漁礁に縦、横が2.5m、1.5mのワイヤーメッシュを8枚、#10の鉄線により固定します。ワイヤーメッシュは、150mmの目合いで4mmの鉄線のものを使用しました。(図15)
この人工漁礁を、水深15mの低質が砂地で平坦な海底に設置しました。設置後、潜水作業により造礁性サンゴ群体を金網、一網につき10群体を固定しました。(図16)サンゴ群体の大きさは約25cmです。サンゴ群体の固定は、針金を使用しました。
数ヶ月ほどすると、スズメダイ科魚類やチョウチョウウオ科魚類の稚魚が固定されたサンゴ群体に生息するようになり、それをねらってハタ科魚類の幼魚がみられるようになります。固定サンゴの成長に伴って、ブダイ科の魚類も人工漁礁に群れるようになります。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンクリート製の人工漁礁の斜視図
【図2】鋼製の人工漁礁の斜視図
【図3】一開口部の全部が網で覆われたコンクリート製人工漁礁の斜視図
【図4】一開口部の全部が網で覆われた鋼製人工漁礁の斜視図
【図5】一開口部の一部が網で覆われたコンクリート製人工漁礁の斜視図
【図6】一開口部の一部が網で覆われた鋼製人工漁礁の斜視図
【図7】一開口部の全部が網で覆われたコンクリート製人工漁礁の網に造礁サンゴ群体を固定した斜視図
【図8】一開口部の一部が網で覆われたコンクリート製人工漁礁の網に造礁性サンゴ群体を固定した斜視図
【図9】複数個の開口部の全部が網で覆われた鋼製人工漁礁の網に造礁性サンゴ群体を固定した斜視図
【図10】複数個の開口部の全部が網で覆われた鋼製人工漁礁の網に造礁性サンゴ群体を固定した斜視図
【図11】一開口部の全部が造礁性サンゴ群体を固定した網で覆われたコンクリート製人工漁礁を複数個設置した斜視図
【図12】コンクリート製の人工漁礁から鋼管パイプの支柱により網を固定し、この網に造礁性サンゴ群体を固定した斜視図
【図13】鋼製の人工漁礁から鋼管パイプの支柱により網を固定し、この網に造礁性サンゴ群体を固定した斜視図
【図14】鋼製の人工漁礁の斜視図
【図15】図14の人工漁礁の内部に網を配置した斜視図
【図16】図15の人工漁礁の網に造礁性サンゴ群体を固定した斜視図
【図17】全開口部の全部が網で覆われたコンクリート製人工漁礁を三段積みにした斜視図
【図18】図17の人工漁礁の網に造礁製サンゴ群体を固定した斜視図
【図19】海底に設置されたコンクリート製人工漁礁の斜視図
【図20】コンクリート製人工漁礁に鋼管パイプにより網を固定するための支柱を組み立てた斜視図
【図21】図20の人工漁礁に支柱により支持された網を組み立てた斜視図
【図22】図21の人工漁礁の網に造礁性サンゴ群体を固定した斜視図
【符号の説明】
1 開口部 2 網
3 造礁性サンゴ群体 4 支柱
5 人工漁礁枠体 6 クランプ
【産業上の利用分野】
地球温暖化による海洋環境の変化による海洋生物の減少、環境ホルモンによる生殖劣化、そして科学技術の進歩による漁法、漁具の発達による漁業圧力の増大により、地球規模での漁業資源の枯渇が始まりつつある。このために国際的に公海上での漁獲を規制し資源の保護をはかろうとする動きが出始めている。このため、水産資源の大量消費国である我国では、沿岸海域での魚類資源の保護、及び増産が急務で重大な問題になってきている。
沖縄は、熱帯、亜熱帯海域に属していおり、サンゴ礁が発達する特異な海域を有している。沖縄の沿岸海域に暮らす魚類は、サンゴ礁と密接な関係で生活するものが多い。しかし最近は、オニヒトデによる食害や、温暖化による白化によりサンゴ礁は壊滅的な被害を被っており、沿岸魚類の漁獲も激減している。
よって本発明は、沖縄のようなサンゴ礁の発達する海域に適した漁礁を提供し、サンゴ礁海域の魚類の増産を計ろうとするものである。本発明により、世界的に問題となっている熱帯沿岸海域の漁業資源の減少やサンゴ礁の荒廃がくい止められ、食料の安定供給とサンゴ礁海域の保護に役立てれば幸いである。
【0002】
【従来の技術】
温帯海域の魚類の増産と集魚に有用な漁礁は、多数開発されている。たとえば、漁礁に海藻が繁茂しやすいように材料のコンクリートに鉄分を添加した漁礁、漁礁表面に生物の生息空間となる突起や窪みを設け、魚類の餌となる生物を増やしてそれらの生物により集魚をはかる仕組みの漁礁等である。
しかし、サンゴ礁海域の魚類や海生生物は、温帯海域性の海洋生物と異なり海藻に依存する生態ではなく、造礁性サンゴを隠れ家としたり造礁性サンゴや造礁性サンゴに暮らす生物を餌とする生態を有する。特に幼稚魚、幼生物は、造礁性サンゴを生活場所として生活を営んでいる。そのために、温帯海域型の人工漁礁を設置しても造礁性サンゴを生活場所として利用する幼稚魚がほとんど根付かない。そのため造礁性サンゴを幼稚魚期の生活場所とするサンゴ礁海域型の大多数の魚類の増産効果にはほとんど効果がない。そしてサンゴ礁海域を生活場所をする親魚の集魚に関しても効果がほとんど上がらない。
このようにサンゴ礁海域では、魚類に対して造礁性サンゴの果たす生態的な働きを人工漁礁に組み込む必要があると考えられる。しかし、現在のところ造礁性サンゴの生態的な働きに注目して開発された人工漁礁はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
単に親魚を集める集魚機能だけの人工漁礁だと、魚類の増産に寄与する効果が少ない。魚類の増産効果に寄与する人工漁礁とは幼稚魚が集い、生育していく人工漁礁である。
熱帯のサンゴ礁海域において、幼稚魚が成育する場といえば造礁性サンゴの旺盛に生育している場所である。よって、魚類の増産効果の高い幼稚魚の集う人工漁礁を開発するには、造礁性サンゴの生態系の中で果たす役割を人工漁礁の機能として取り入れればよい事になる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、造礁性サンゴの魚類に対する生態系上の役割を人工漁礁に取り入れる方法に関するものである。
特許第2754314号により、ロープによる垂下式の造礁性サンゴの増殖を行った経験から造礁性サンゴが、増殖して群体形が大きなってくると確かに、増殖場の周りに魚類が増えてくる。しかし造礁性サンゴの増殖量に比較すると魚類の増加はわずかな数量であるように感じられる。特に幼稚魚が、垂下サンゴの周りに群れをつくらないという事態は注目すべき結果だと考えられる。自然海域では、造礁性サンゴのまわりを幼稚魚が群れ、その周りをさらに大型の魚類が群れるという生態系が出来上がるが、垂下式で増殖中のサンゴには、幼稚魚の群が出現せず、親魚だけが少し群れる程度の生態系となる。サンゴ礁のサンゴと比較して魚類の増産効果がとても小さいように感じられるのである。
そこで、増殖場で増殖中の垂下サンゴを観察してみると、サンゴが波浪や流れにより絶えず回転したり左右に揺れたりと動く事が観察された。自然の海中では、サンゴが動くという事はない。幼稚魚が、垂下増殖中の造礁性サンゴを生息場所としない原因は、造礁性サンゴが動く事にあると考えられる。幼稚魚の立場か考えると生息場所とした造礁性サンゴが動くのでは、居住性が悪く、補食者からの隠れ場として不適当である。
この事実を基に動かないサンゴを人為的に創りだしてみた。海底に足場パイプでヤグラを組立て、そのヤグラに金網を張り、その金網に造礁性サンゴを固定して幼稚魚の集まり具合の観察を行った。また金網に固定する造礁性サンゴの大きさも2種類を用いた。一方は群体形の大きなもの(群体形約25cm)だけを固定し、もう片方は群体形の小さなもの(群体形約10cm)だけを固定して出現してくる幼稚魚の観察を行った。
3ヶ月が経過したころより金属の網に固定した群体形の大きな造礁性サンゴの周りには、自然海域の造礁性サンゴと同様にチヨウチョウウオ科、スズメダイ科の幼稚魚が群を創ったのである。しかし近くでロープにより垂下増殖中の造礁性サンゴの周りには、ほとんど幼稚魚が観察できなかった。群体形の小さな造礁性サンゴの周りにもほとんど幼稚魚が出現しなかった。
しかしサンゴの成長は、金網に固定したものよりもロープに垂下したもののほうが良かった。この成長の差は、魚類による補食圧によるものと考えられる。金網に固定したものは、ブダイの食痕が多数認められるが、垂下したサンゴには食痕がほとんど認められない。固定した造礁性サンゴは、ブダイが食べたために成長が悪いように観察されたと考えられる。この事によりロープに垂下した動きのある造礁性サンゴは、幼稚魚の隠れ家として不適当なだけでなく、親魚であるブダイ等のサンゴ食魚の餌としても利用しずらい事がうかがえる。
これらの事実により、造礁性サンゴの魚類に対する生態系上の機能を人工漁礁に利用するには、サンゴが波浪や流れの影響により動く事がないようにしなければならない。そして幼稚魚の増産効果を高めるには、造礁性サンゴは大型の群体形のものを使用する必要がある事が分かった。群体形の大きなサンゴは、特許第2754314号により簡単に得る事ができる。
【0005】
【効果】
1 サンゴを網に固定するので、サンゴが波浪や流れにより動く事が少なく、幼稚魚の隠れ家としての効果やブダイ等のサンゴ食魚の餌料効果が高い。
2 網は針金やプラスチック等の紐を巻き付けたり、結んだりする事が容易であり大きなサイズのサンゴ群体の人工漁礁への固定が容易である。
3 網自体だけでも、親魚の安心できる「場」を提供するので、造礁性サンゴの集魚効果と網自体の集魚効果の相乗効果を期待できる。
4 網はいろんな形への造形が容易でいろんな形体の人工漁礁へも取り付けが容易である。よっていろんな形体の人工漁礁へもサンゴの固定が可能となる。
5 軽量の網(ダイバーが水中で運搬可能)でも大型のサンゴ群体を固定するための強度は十分に有しており、海中に過去に設置されている人工漁礁でも、潜水作業により本発明の実施する事が可能である。よって既設の人工漁礁に本発明を実施できる。
6 大きな網目の網を使用すれば固定したサンゴの周りの水流をほどんど妨げる事がなく、サンゴの成長と生存率に良い影響を与える。
7 大きな網目の網を使用すれば、サンゴへの光を妨げる事が少なく、サンゴの成長に負の影響を与える事が少ない。
9 造礁性サンゴの固定に使用する網は、適当な大きさの網目で、適当な太さの線材を使用するとオニヒトデの移動能力を奪う事が可能である。よって適切な網を使用する事で固定した造礁性サンゴをオニヒトデの食害から守る事ができる。
10 本発明による人工漁礁構造物は、造礁性サンゴの育成を主目的とした構造物への応用も可能である。
【0006】
【実施例】
【実施例−1】
開口部の全面が、全部鉄製の網で覆われた縦、横、高さが2mのコンクリート製の人工漁礁(図3)を陸上で50個制作します。これらの人工漁礁を、水深20mの海底面が平坦な場所にクレーン台船により設置します。積み方は、3層積みとし、一層目は25個、2層目は、15個3層目は5個に積み上げます。設置はダイバー誘導で行い可能な限り、隙間無く整然と積み上げます(図17)。網は、鉄製のワイヤーメッシュの名称で市販されている網目約150mm、部材の太さ約6mmのものです。この網部分に造礁性サンゴの破片を針金で固定します。造礁性サンゴの固定は潜水作業により行います。固定するサンゴ群体の大きさは、平均で約25cmとします。人工漁礁1個ごとに、固定する造礁性サンゴは約10個としました(図18)。
設置後1ケ月ほどで、アジやグルクンの稚魚が人工漁礁のまわりに数十匹単位で確認できるようになります。
数ヶ月ほどすると、スズメダイ科魚類やチョウチョウウオ科魚類の稚魚が固定サンゴに生息するようになり、それをねらってハタ科魚類の幼魚がみられるようになります。固定サンゴ群体の成長に伴って、ブダイ科の魚類も人工漁礁に群れるようになります。
【実施例−2】
水深20mの海底に過去に設置された縦、横、高さが2m、2m、2mのコンクリート製の魚礁(図19)に鋼管パイプを支柱とする構造物をクランプを用いて組み上げて(図20)、ワイヤーメッシュの名称で市販されている鉄製の網目150mm、部材の太さ約6mmのものを#10番の鉄線で固定します(図21)。これらの作業は、潜水作業により行いました。
網の大きさは、縦、横が1.5m、2mのものを用いました。網を張り終えた後に、大きさ約25cmの造礁性サンゴを一網に約10個ずつ固定します(図22)。
設置後1ケ月ほどで、グルクン等の幼稚魚が人工漁礁のまわりに数十匹単位で確認できるようになりました。
数ヶ月ほどすると、スズメダイ科魚類やチョウチョウウオ科魚類の稚魚が固定されたサンゴ群体に生息するようになり、それをねらってハタ科魚類の幼魚がみられるようになります。固定サンゴの成長に伴って、ブダイ科の魚類も漁礁に群れるようになります。
【実施例−3】
100mm×100mmのH鋼材を構造部材として縦、横、高さが5m、5m、5mの鋼製の人工漁礁を作成します(図14)。この人工漁礁に縦、横が2.5m、1.5mのワイヤーメッシュを8枚、#10の鉄線により固定します。ワイヤーメッシュは、150mmの目合いで4mmの鉄線のものを使用しました。(図15)
この人工漁礁を、水深15mの低質が砂地で平坦な海底に設置しました。設置後、潜水作業により造礁性サンゴ群体を金網、一網につき10群体を固定しました。(図16)サンゴ群体の大きさは約25cmです。サンゴ群体の固定は、針金を使用しました。
数ヶ月ほどすると、スズメダイ科魚類やチョウチョウウオ科魚類の稚魚が固定されたサンゴ群体に生息するようになり、それをねらってハタ科魚類の幼魚がみられるようになります。固定サンゴの成長に伴って、ブダイ科の魚類も人工漁礁に群れるようになります。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンクリート製の人工漁礁の斜視図
【図2】鋼製の人工漁礁の斜視図
【図3】一開口部の全部が網で覆われたコンクリート製人工漁礁の斜視図
【図4】一開口部の全部が網で覆われた鋼製人工漁礁の斜視図
【図5】一開口部の一部が網で覆われたコンクリート製人工漁礁の斜視図
【図6】一開口部の一部が網で覆われた鋼製人工漁礁の斜視図
【図7】一開口部の全部が網で覆われたコンクリート製人工漁礁の網に造礁サンゴ群体を固定した斜視図
【図8】一開口部の一部が網で覆われたコンクリート製人工漁礁の網に造礁性サンゴ群体を固定した斜視図
【図9】複数個の開口部の全部が網で覆われた鋼製人工漁礁の網に造礁性サンゴ群体を固定した斜視図
【図10】複数個の開口部の全部が網で覆われた鋼製人工漁礁の網に造礁性サンゴ群体を固定した斜視図
【図11】一開口部の全部が造礁性サンゴ群体を固定した網で覆われたコンクリート製人工漁礁を複数個設置した斜視図
【図12】コンクリート製の人工漁礁から鋼管パイプの支柱により網を固定し、この網に造礁性サンゴ群体を固定した斜視図
【図13】鋼製の人工漁礁から鋼管パイプの支柱により網を固定し、この網に造礁性サンゴ群体を固定した斜視図
【図14】鋼製の人工漁礁の斜視図
【図15】図14の人工漁礁の内部に網を配置した斜視図
【図16】図15の人工漁礁の網に造礁性サンゴ群体を固定した斜視図
【図17】全開口部の全部が網で覆われたコンクリート製人工漁礁を三段積みにした斜視図
【図18】図17の人工漁礁の網に造礁製サンゴ群体を固定した斜視図
【図19】海底に設置されたコンクリート製人工漁礁の斜視図
【図20】コンクリート製人工漁礁に鋼管パイプにより網を固定するための支柱を組み立てた斜視図
【図21】図20の人工漁礁に支柱により支持された網を組み立てた斜視図
【図22】図21の人工漁礁の網に造礁性サンゴ群体を固定した斜視図
【符号の説明】
1 開口部 2 網
3 造礁性サンゴ群体 4 支柱
5 人工漁礁枠体 6 クランプ
Claims (3)
- コンクリート製、または鋼製の人工漁礁の立体構造を形成する一平面の開口部(1)(図1)(図2)の全部(図3)(図4)又は一部(図5)(図6)が鋼製、樹脂製、または化学繊維製の網(2)で覆われた構造となっており、この網に造礁性サンゴ群体(3)を針金等で固定した(図7)(図8)平面が、人工漁礁に少なくとも一平面は存在し、人工漁礁の一部として利用する事を特徴とするサンゴ礁海域型人工漁礁(図9)(図10)(図11)。
- コンクリート製、または鋼製の人工漁礁から、金属製、樹脂製の支柱(4)で鋼製、樹脂製、または化学繊維製の網(2)を支持し、この網に造礁性サンゴ群体(3)を針金等で固定して人工漁礁の一部として利用する事を特徴とするサンゴ礁海域型人工漁礁(図12)(図13)。
- コンクリート製、または鋼製(図14)の人工漁礁の内部が、鋼製、樹脂製、または化学繊維製の網(2)を有する構造で(図15)、この網に造礁性サンゴ(3)を針金等で固定して人工漁礁の一部として利用する事を特徴とするサンゴ礁海域型人工漁礁(図16)。
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