JP2004128166A - プラズマエッチング装置、及びプラズマエッチング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェハのエッチング状態を精度よく検出できるプラズマエッチング装置を提供する。
【解決手段】ウェハをプラズマエッチングするプラズマエッチング装置であって、ウェハを格納する筐体と、筐体の内部に供給されたガスに電界を印加して、ウェハの表面をエッチングするためのプラズマを生成するプラズマ生成部と、光を生成し、生成した光をウェハの内部に入射させる光源と、ウェハから射出する射出光を受光する受光部と、受光部が受光した射出光のスペクトルに基づいて、ウェハの表面におけるエッチングの状態を判定する判定部とを備えることを特徴とするプラズマエッチング装置。
【選択図】 図1
【解決手段】ウェハをプラズマエッチングするプラズマエッチング装置であって、ウェハを格納する筐体と、筐体の内部に供給されたガスに電界を印加して、ウェハの表面をエッチングするためのプラズマを生成するプラズマ生成部と、光を生成し、生成した光をウェハの内部に入射させる光源と、ウェハから射出する射出光を受光する受光部と、受光部が受光した射出光のスペクトルに基づいて、ウェハの表面におけるエッチングの状態を判定する判定部とを備えることを特徴とするプラズマエッチング装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェハをプラズマエッチングするプラズマエッチング装置、及びプラズマエッチング方法に関する。特に本発明は、エッチングの状態を精度よく検出できるプラズマエッチング装置、及びプラズマエッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばウェハに微細なコンタクトホールを形成するようなプラズマエッチングでは、生成するコンタクトホールの直径によってエッチングレートが変化する。例えば、コンタクトホールの直径が0.1μm以下になるとエッチングレートが急激に低下する。このため、直径の異なるコンタクトホールを同時に形成するようなプラズマエッチングにおいては、直径の大きいコンタクトホールは直径の小さいコンタクトホールよりも早くエッチングが終了する。
【0003】
直径の大きいコンタクトホールのエッチングが終了しても、直径の小さいコンタクトホールのエッチングが終了するまでエッチング処理を行うため、直径の大きいコンタクトホールの底部には、プラズマ内で生成される高分子重合膜が付着してしまう。コンタクトホールには、上層と下層とを電気的に接続するために金属が埋め込まれるが、底部に高分子重合膜が付着していると上層と下層との接合特性を悪化させる。また、高分子重合膜は付着力が高く除去が困難であるため、エッチング工程において、コンタクトホールの底部に高分子重合膜を極力付着させないことが必要である。
【0004】
従来、直径の大きいコンタクトホールの底部に高分子重合膜を極力付着させないために、直径の小さいコンタクトホールのエッチングの終了を精度よく検出し、エッチング処理を終了することにより、プラズマ内で生成される高分子重合膜の量を極小化することが試みられている。直径の小さいコンタクトホールのエッチングの終了を検出する手段として、プラズマ発光分光分析による終点検出法、プラズマインピーダンスのモニタリングによる終点検出法、及び光干渉測定による終点検出法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
プラズマ発光分光分析による終点検出法では、プラズマ内の消費されたラジカルから発光される所定の波長の発光強度、又はエッチングによる反応生成物から発光される所定の波長の発光強度を測定することにより、エッチングの終点を検出している。しかし、この方法では、検出される信号の変化が小さく、精度よく終点を検出することが困難である。
【0006】
また、プラズマインピーダンスのモニタリングによる終点検出法では、プラズマ生成電源の入射電力、反射電力等をモニタリングすることにより、エッチングの終点を検出する。しかし、この方法でも検出される信号の変化が小さいため、精度よく終点を検出することが困難である。
【0007】
また、光干渉測定による終点検出法では、光をコンタクトホールに入射させ、反射光の位相のずれにより、コンタクトホールの深さを測定し、エッチングの終点を検出する。しかし、この方法では、光をコンタクトホールに入射させる必要があるため、直径の小さいコンタクトホールに対しては、測定することができない。これらのように、従来の検出法ではプラズマエッチングにおけるエッチングの終点を精度よく検出することが困難であった。
【0008】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできるプラズマエッチング装置、及びプラズマエッチング方法を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態では、ウェハをプラズマエッチングするプラズマエッチング装置であって、ウェハを格納する筐体と、筐体の内部に供給されたガスに電界を印加して、ウェハの表面をエッチングするためのプラズマを生成するプラズマ生成部と、光を生成し、生成した光をウェハの内部に入射させる光源と、ウェハから射出する射出光を受光する受光部と、受光部が受光した射出光のスペクトルに基づいて、ウェハの表面におけるエッチングの状態を判定する判定部とを備えることを特徴とするプラズマエッチング装置を提供する。
【0010】
光源は、光として赤外光を生成し、生成した赤外光をウェハの内部に入射させ、受光部は、ウェハから射出する赤外光を射出光として受光してよい。また光源は、ウェハの側面から赤外光を入射させ、受光部は、ウェハの側面から射出する赤外光を受光してよい。
【0011】
ウェハは、プラズマによってエッチングされない基板層と、基板層の上層に設けられプラズマによってエッチングされる被エッチング層とを有し、光源は、基板層の表面において赤外光が全反射する角度で、基板層の側面から基板層の内部に赤外光を入射することが好ましい。
【0012】
判定部は、射出光のスペクトルに基づいて、エッチングが終了したか否かを判定してよい。また判定部は、基板層を形成する材料と、ガスの成分とに応じた、射出光のスペクトル成分の強度に基づいて、被エッチング層のエッチングが終了したか否かを判定してよい。
【0013】
判定部は、基板層の原子とプラズマにおけるイオンとの結合によって吸収される射出光のスペクトル成分の吸収強度の変化に基づいて、被エッチング層のエッチングが終了したか否かを判定してよい。光源は、基板層の原子とプラズマにおけるイオンとの結合によって吸収されるスペクトル成分を有する赤外光を生成することが好ましい。
【0014】
被エッチング層をエッチングして直径の異なる複数のホールを生成する場合に、判定部は、基板層の原子とプラズマにおけるイオンとの結合によって吸収される赤外光のスペクトル成分の吸収強度が、予め定められた時間、変化しない場合に、被エッチング層における複数のホールのエッチングが終了したと判定してよい。
【0015】
生成するべき複数のホールのうち、最も直径の小さいホールと略同一又はより小さい直径を有する複数のダミーホールをエッチングにより生成する手段を更に備え、判定部は、基板層の原子とプラズマにおけるイオンとの結合によって吸収される赤外光のスペクトル成分の吸収強度が、生成するダミーホールの個数に応じた吸収強度と略等しくなった場合に、被エッチング層における複数のホールのエッチングが終了したと判定してよい。
【0016】
判定部は、基板層のシリコン原子が、プラズマにおける水素イオンにより水素終端されたSi−H結合によって吸収される赤外光のスペクトル成分の吸収強度の変化に基づいて、被エッチング層のエッチングが終了したか否かを判定してよい。
【0017】
また、判定部は、エッチングが終了した場合に、プラズマにおけるイオンにより基板層の上層に堆積される重合膜によって吸収される赤外光のスペクトル成分の吸収強度の変化に更に基づいて、被エッチング層における複数のホールのエッチングが終了したか否かを判定してよい。
【0018】
光源は、エッチングが終了した場合に、プラズマにおけるイオンにより基板層の上層に堆積される重合膜によって吸収されるスペクトル成分を有する赤外光を生成してよい。
【0019】
判定部は、プラズマにおける炭素イオンとフロンイオンとが重合し、基板層の上層に堆積した重合膜によって吸収される赤外光のスペクトル成分の強度の変化に基づいて、被エッチング層における複数のホールのエッチングが終了したか否かを判定してよい。
【0020】
受光部は、筐体の内部に設けられ、ウェハの側面から射出した赤外光を集光する集光部と、筐体の側面に設けられ、集光部が集光した赤外光を透過する透過部と、筐体の外部に設けられ、透過部が透過した赤外光を受光する受光素子とを有してよい。
【0021】
プラズマエッチング装置は、ウェハを載置するウェハステージと、ウェハステージを駆動することにより、ウェハの側面における複数の箇所から赤外光を入射させるウェハステージ駆動部とを更に備え、判定部は、複数の箇所から入射され、ウェハの側面から射出した赤外光のそれぞれのスペクトルに基づいて、複数の箇所に対応するウェハの表面の複数の領域における、エッチングの状態を判定してよい。また光源は、ウェハステージの位置に基づく角度で、赤外光がウェハの側面に入射させてよい。
【0022】
本発明の第2の形態においては、ウェハをプラズマエッチングすることによりデバイスを製造するプラズマエッチング方法であって、ウェハを筐体に格納する段階と、筐体の内部にプラズマを生成するためのガスを供給するガス供給段階と、ガスに電界を印加して、ウェハの表面をエッチングするためのプラズマを生成し、ウェハをエッチングするプラズマ生成段階と、光を生成し、生成した光をウェハの内部に入射させる光生成段階と、ウェハから射出する光を受光する受光段階と、受光段階において受光した光のスペクトルに基づいて、ウェハの表面におけるエッチングの状態を判定する判定段階と、判定段階においてエッチングの終点が検出された場合に、エッチング処理を停止するエッチング停止段階とを備えることを特徴とするプラズマエッチング方法を提供する。
【0023】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係る、プラズマエッチング装置100の構成の一例を示す。プラズマエッチング装置100は、ウェハ200をプラズマエッチングする。プラズマエッチング装置100は、筐体10と、プラズマ生成部20と、ガス供給部30と、光源部110と、受光部90と、ウェハステージ80と、ウェハステージ駆動部120と、判定部98と、真空ポンプ60と、第2電源90と、バルブ40と、バルブ50とを備える。
【0026】
筐体10は、ウェハ200を格納する。ウェハステージ80は、筐体10の内部に設けられ、ウェハ200を載置する。また、ウェハステージ駆動部120は、ウェハステージを駆動することにより、ウェハ200を移動させる。
【0027】
真空ポンプ60は、筐体10の内部のガスを吸引し、筐体10の内部を真空にする。バルブ50を開閉することにより、筐体10と真空ポンプ60とを接続、又は遮断する。
【0028】
ガス供給部30は、プラズマを生成するためのガスを筐体10の内部に供給する。バルブ40を開閉することにより、筐体10と真空ポンプ60とを接続、又は遮断する。本例において、ガス供給部30は、当該ガスとしてフロロカーボンガス(CxFy)と水素ガス(H2)を混合したガスを、筐体10の内部に供給する。
【0029】
プラズマ生成部20は、筐体10の内部に供給されたガスに電界を印加して、ウェハ200の表面をエッチングするためのプラズマを生成する。プラズマ生成部20は、コイル24と第1電源22とを有する。第1電源22はコイル24に電流を供給し、コイル24は、供給された電流に応じて電磁誘導される電界を、筐体10の内部のガスに印加してプラズマを生成する。また、第2電源90は、ウェハステージ80に所定の電位を与え、プラズマ中のイオンをウェハ200に誘導する。これによりウェハ200の表面をエッチングする。
【0030】
光源部110は、プラズマエッチング装置100がウェハ200の表面をエッチングする間、光を生成してウェハ200の内部に入射させる。光源部110は、筐体10の外部に設けられ、光を生成する光源112と、筐体10の側面に設けられ、光源112が生成した光を透過し、ウェハ200に入射させる透過部114とを有する。本例において、光源部110は、赤外光を生成し、生成した赤外光をウェハ200の内部に入射させる。
【0031】
受光部90は、ウェハ200から射出する射出光を受光する。本例において、受光部90は、ウェハ200から射出する赤外光を当該射出光として受光する。受光部90は、筐体10の内部に設けられ、ウェハ200の側面から射出した赤外光を集光する集光部92と、筐体10の側面に設けられ、集光部92が集光した赤外光を透過する透過部94と、筐体10の外部に設けられ、透過部94が透過した赤外光を受光する受光素子96とを有する。
【0032】
判定部98は、受光部90が受光した射出光のスペクトルに基づいて、ウェハ200の表面におけるエッチングの状態を判定する。本例において、判定部98は、射出光のスペクトルに基づいて、エッチングが終了したか否かを判定する。
【0033】
図2は、ウェハ200の断面図の一例を示す。ウェハ200は、プラズマによってエッチングされない基板層202と、基板層202の上層に設けられ、プラズマによってエッチングされる被エッチング層204と、被エッチング層204の上層に設けられ、被エッチング層204においてエッチングされるべき領域を選択するレジスト層206とを有する。
【0034】
光源部110は、図2に示すようにウェハ200の基板層202の側面から赤外光を入射させる。また光源部110は、基板層202の表面及び裏面において赤外光が全反射する角度で、基板層202の側面から基板層202の内部に赤外光を入射させる。基板層202の内部に入射された赤外光は、基板層202の表面及び裏面において全反射を繰り返し、基板層202の側面から射出する。受光部90は、基板層202の側面から射出する赤外光を受光する。
【0035】
図3は、ウェハ200の表面のエッチング状態の例を示す。本例において、基板層202はシリコン層、被エッチング層204は酸化シリコン層である。図3(a)は、被エッチング層204をエッチングしている状態を示す。図3(a)に示すように、被エッチング層204をエッチングしている場合、被エッチング層のシリコン原子212は、プラズマ中のフロンイオン214と結合することによりエッチングされる。つまり、コンタクトホール230の底部には、シリコン原子212とフロンイオン214との結合210が表出している。
【0036】
図3(b)は、被エッチング層204のエッチングが終了した状態を示す。図3(a)に示すように、被エッチング層204のエッチングが終了した場合、コンタクトホール230の底部には基板層202が表出する。表出した基板層202のシリコン原子は、プラズマ中の水素イオンにより水素終端され、コンタクトホール230の底部にSi−H結合220が形成される。この場合、基板層202の内部に入射された赤外光のスペクトル成分のうち所定のスペクトル成分がSi−H結合220により吸収される。例えば、Si−H結合220により、波数2100〜2150/cm付近のスペクトル成分が吸収される。
【0037】
以上の説明から、基板層202の内部で全反射を繰り返し射出した赤外光のスペクトル成分を検出することにより、ウェハ200の表面のエッチング状態を検出することができる。判定部98は、基板層202を形成する材料と、ガス供給部30が供給したガスの成分とに応じた、赤外光のスペクトル成分の吸収強度に基づいて、被エッチング層204のエッチングが終了したか否かを判定する。つまり、判定部98は、基板層202の原子とプラズマにおけるイオンとの結合によって吸収される赤外光のスペクトル成分の吸収強度の変化に基づいて、被エッチング層204のエッチングが終了したか否かを判定する。本例においては、判定部98は、基板層202のシリコン原子216が、プラズマにおける水素イオン218により水素終端されたSi−H結合220によって吸収される赤外光のスペクトル成分の吸収強度の変化に基づいて、被エッチング層204のエッチングが終了したか否かを判定する。
【0038】
図3(c)は、被エッチング層204のエッチングが終了した後に、エッチング処理を継続した状態を示す。被エッチング層204のエッチングが終了し、コンタクトホール230が基板層202まで到達した後に、エッチング処理を継続した場合、コンタクトホール230の底部には、プラズマ内において生成される重合膜222が堆積される。本例においては、コンタクトホール230の底部には、C−F結合により重合膜222が堆積される。この場合、基板層202の内部に入射された赤外光のスペクトル成分のうち所定のスペクトル成分がC−F結合の重合膜222により吸収される。例えば、重合膜222により、波数1000〜1210/cm付近のスペクトル成分が吸収される。
【0039】
以上の説明から、ウェハ200から射出する赤外光のスペクトル成分のうち、重合膜222によって吸収されるスペクトル成分を検出することによっても、ウェハ200の表面におけるエッチング状態を検出することができる。判定部98は、プラズマにおけるイオンにより基板層の上層に堆積される重合膜によって吸収される赤外光のスペクトル成分の強度の変化に更に基づいて、被エッチング層204における複数のホールのエッチングが終了したか否かを判定する。本例において、判定部98は、プラズマにおける炭素イオンとフロンイオンとが重合し、基板層202の上層に堆積した重合膜222によって吸収される赤外光のスペクトル成分の強度の変化に基づいて、被エッチング層204におけるコンタクトホール230のエッチングが終了したか否かを判定する。
【0040】
また、光源110は、基板層202の原子とプラズマにおけるイオンとの結合によって吸収されるスペクトル成分と、エッチングが終了した場合に、プラズマにおけるイオンにより基板層202の上層に堆積される重合膜222によって吸収されるスペクトル成分とを有する赤外光を生成することが望ましい。
【0041】
図4は、ウェハ200の表面に形成するべきコンタクトホールの直径とエッチングレートとの関係の一例を示す。図4に示すように、コンタクトホールの直径が大きくなるにつれ、マイクロローディング効果によりエッチングレートが増大する。つまり、直径の異なる複数のコンタクトホールを形成する場合、コンタクトホールのエッチング終点はコンタクトホールの直径により異なる。プラズマエッチング装置100は、即ち最もエッチング終点が遅いコンタクトホールのエッチング終点を全てのコンタクトホールのエッチング終点として検出する。本例においては、プラズマエッチング装置100は、形成するべきコンタクトホールのうち最も直径の小さいコンタクトホールのエッチング終点を全てのコンタクトホールのエッチング終点として検出する。
【0042】
また、他の例において、逆マイクロローディング効果によりコンタクトホールの直径が小さくなるにつれ、エッチングレートが増大する場合、プラズマエッチング装置100は、最も直径の大きいコンタクトホールのエッチング終点を全てのコンタクトホールのエッチング終点として検出してもよい。例えば、ガス供給部30が筐体10の内部に水素ガスを供給しない場合に、プラズマエッチング装置100は、最も直径の大きいコンタクトホールのエッチング終点を全てのコンタクトホールのエッチング終点として検出する。
【0043】
図5は、Si−H結合による赤外光吸収強度と、エッチング時間との関係の一例を示す。本例において、プラズマエッチング装置100は、ウェハ200の表面に3種類の直径毎にそれぞれ同数のコンタクトホールを形成する。まず、エッチング時間T1において、最も直径の大きいコンタクトホールのエッチングが終了する。このとき、図3において説明したように、エッチングが終了したコンタクトホールの底部におけるシリコン原子は水素終端され、Si−H結合が形成される。形成されたSi−H結合により、基板層202の内部に入射された赤外光の所定のスペクトル成分が吸収される。エッチングが終了したコンタクトホールには、徐々に重合膜が堆積されるため、Si−H結合による赤外光吸収は減少する。
【0044】
次に、エッチング時間T2において、次に直径の大きいコンタクトホールのエッチングが終了する。この場合においても同様にSi−H結合により赤外光が吸収されるが、コンタクトホールの総面積が小さいため、エッチング時間T1における赤外光吸収よりも強度は小さくなる。更に、エッチング時間T3において、最も直径の小さいコンタクトホールのエッチング終了する。エッチング時間T3において全てのコンタクトホールのエッチングが終了するため、エッチング時間T3以降においては、Si−H結合によって赤外光は吸収されない。
【0045】
判定部98は、基板層202の原子とプラズマにおけるイオンとの結合によって吸収される赤外光のスペクトル成分の強度が、予め定められた時間τ1の間変化しない場合に、被エッチング層204における複数のコンタクトホールのエッチングが終了したと判定する。本例においては、判定部98は、Si−H結合によって吸収される赤外光のスペクトル成分の強度が、時間τ1の間変化しない場合に、被エッチング層204における複数のコンタクトホールのエッチングが終了したと判定する。判定部98は、受光部90が受光した射出光のスペクトルの変化によって、Si−H結合によって吸収された赤外光のスペクトル成分の強度を検出する。
【0046】
図6は、C−F結合の重合膜による赤外光吸収強度と、エッチング時間との関係の一例を示す。本例において、プラズマエッチング装置100は、ウェハ200の表面に3種類の直径毎にそれぞれ同数のコンタクトホールを形成する。まず、エッチング時間T1において、最も直径の大きいコンタクトホールのエッチングが終了する。エッチング時間T1の直後のT1’から、図3において説明したように、コンタクトホールの底部には、重合膜が堆積される。堆積された重合膜により、基板層202の内部に入射された赤外光の所定のスペクトル成分が吸収される。エッチングが終了したコンタクトホールには、徐々に重合膜が堆積されるため、重合膜による赤外光吸収は徐々に増加する。
【0047】
次に、エッチング時間T2において、次に直径の大きいコンタクトホールのエッチングが終了する。この場合、形成されたコンタクトホールの総面積が増加するため、重合膜による赤外光吸収の増加率が増大する。更に、エッチング時間T3において、最も直径の小さいコンタクトホールのエッチング終了する。エッチング時間T3において全てのコンタクトホールのエッチングが終了するため、時間T3’以降においては、重合膜による赤外光吸収の増加率は増大しない。
【0048】
判定部98は、プラズマにおけるイオンにより基板層202の上層に堆積される重合膜によって吸収される赤外光のスペクトル成分の強度の増加率が、予め定められた時間τ2の間変化しない場合に、被エッチング層204における複数のコンタクトホールのエッチングが終了したと判定する。本例においては、判定部98は、C−F結合の重合膜によって吸収される赤外光のスペクトル成分の強度の増加率が、時間τ2の間変化しない場合に、被エッチング層204における複数のコンタクトホールのエッチングが終了したと判定する。判定部98は、受光部90が受光した射出光のスペクトルの変化によって、重合膜によって吸収された赤外光のスペクトル成分の強度を検出する。
【0049】
また、判定部98は、図5に関連して説明したSi−H結合の赤外吸収強度の変化と、図6に関連して説明したC−F結合の重合膜の赤外吸収強度の変化とに基づいて、被エッチング層204におけるコンタクトホールのエッチング終点を検出してよい。例えば、Si−H結合の赤外吸収強度がτ1の間変化せず、且つC−F結合の重合膜の赤外吸収強度がτ2の間変化しない場合に、被エッチング層204におけるコンタクトホールのエッチングが終了したと判定してよい。この場合、更に精度よくコンタクトホールのエッチング終点を検出できる。
【0050】
図7は、ウェハ200の上面図の一例を示す。本例において、光源110は、ウェハ200の側面における複数の箇所から赤外光を入射させる。例えば、光源110は複数の赤外光を生成し、生成した複数の赤外光をウェハ200の側面の複数の箇所に入射してよい。また、光源110は一の赤外光を生成し、ウェハステージ駆動部120がウェハステージを80を駆動することにより、ウェハ200の側面における複数の箇所から赤外光を入射させてもよい。また、光源110は、エッチング処理を開始してからエッチング終点を検出するまで、連続して赤外光を生成し、ウェハ200の側面に入射させる。
【0051】
判定部98は、複数の箇所から入射され、ウェハ200の側面から射出した赤外光のそれぞれのスペクトルに基づいて、複数の箇所に対応するウェハの表面の複数の領域240における、エッチングの状態を判定する。また、光源110は、ウェハ200の上面及び下面において赤外光が全反射する角度で、ウェハ200の側面のそれぞれの箇所に赤外光を入射させる。例えば、光源110が複数の赤外光を生成する場合、光源110は、それぞれ異なる位置から異なる角度で複数の赤外光を射出してよい。また、光源110が一の赤外光を生成する場合、光源110は、ウェハステージ80の位置に基づく角度及び位置で赤外光を射出し、赤外光をウェハの側面に入射させる。
【0052】
また、光源110は、ウェハ200の上面及び下面において、赤外光が臨界反射角と略等しい角度で反射するように、赤外光をウェハ200に入射させることが好ましい。ウェハ200の内部における赤外光の反射角を臨界反射角と略等しい角度とすることにより、赤外光がウェハ200の上面において反射する間隔を短くすることができる。これにより、コンタクトホールによる赤外光吸収を精度よく検出することができる。
【0053】
本例におけるプラズマエッチング装置100によれば、ウェハ200の全ての領域において、エッチング終点を精度よく検出することができる。また、プラズマエッチング装置100は、光源110とウェハ200との間に、赤外光を集光する光学素子を更に備えてもよい。当該光学素子は、光源110が生成した赤外光を、所定の屈折率で屈折させてウェハに入射させる。当該光学素子は、赤外光がウェハ200の側面に入射する角度を制御してもよい。
【0054】
また、光源110は一の赤外光を連続して生成し、ウェハステージ駆動部120がウェハステージ80を回転させることにより、ウェハ200の側面の複数の箇所に、赤外光を入射させてもよい。これによっても、ウェハ200の全ての領域において、エッチング終点を精度よく検出することができる。
【0055】
また、プラズマエッチング装置100によれば、エッチング処理中にリアルタイムでエッチング状態を検出することができ、in−situでのエッチング状態検出ができる。
【0056】
図8は、ウェハ200の断面拡大図の一例を示す。図8に示すように、レジスト層206には、形成するべきコンタクトホール260を生成するためのパターンが設けられている。プラズマエッチング装置100は、生成するべき複数のコンタクトホール260のうち、最も直径の小さいコンタクトホールと略同一又はより小さい直径を有する複数のダミーホール270をエッチングにより更に生成してもよい。この場合、レジスト層206には複数のダミーホール270を生成するためのパターンが設けられる。複数のダミーホール270は、ウェハ200において形成されるべきデバイスに使用されない不使用領域250に形成されることが好ましい。
【0057】
判定部98は、生成するべきコンタクトホール260と同一又はより小さい直径を有するダミーホールのエッチング終点を検出することにより、生成するべきコンタクトホール260のエッチングが終了していることを検出してもよい。図5において説明したように、当該ダミーホールによる赤外光の吸収強度は、ダミーホールの総面積に応じて大きくなる。このため、多数のダミーホールを生成することにより、ダミーホールのエッチング終点は容易に検出することができる。
【0058】
本例において、判定部98は、基板層202の原子とプラズマにおけるイオンとの結合によって吸収される赤外光のスペクトル成分の強度が、生成するダミーホールの個数に応じた強度と略等しくなった場合に、被エッチング層204における複数のコンタクトホール260のエッチングが終了したと判定する。つまり、判定部98は、Si−H結合による赤外光吸収の強度が、予め定められた個数のダミーホールの総面積に応じた強度と略等しくなった場合にエッチングが終了したと判定してよい。また、判定部98は、Si−H結合による赤外光吸収の強度が、予め定められた強度より大きくなった場合に、エッチングが終了したと判定してもよい。
【0059】
図9は、本発明の実施形態に係るプラズマエッチング方法の一例を示すフローチャートである。本プラズマエッチング方法は、ウェハをプラズマエッチングすることによりデバイスを製造する。本例では、当該プラズマエッチング方法を、図1から図8において説明したプラズマエッチング装置100を用いて説明する。まず、格納段階S300において、ウェハ200を筐体10に格納する。次に、ガス供給段階S302において、ガス供給部30が、筐体10内部にプラズマを生成するためのガスを供給する。次に、プラズマ生成段階S304において、プラズマ生成部20が、筐体10内部のガスに電界を印加して、ウェハ200の表面をエッチングするためのプラズマを生成する。
【0060】
次に、光生成段階S306において、光源110が光を生成し、生成した光をウェハ200の内部に入射させる。次に、受光段階S308において、受光部90が、ウェハ200から射出する光を受光する。次に、判定段階S310において、判定部98が、受光段階S308において受光した光のスペクトルに基づいて、ウェハ200の表面におけるエッチングの状態を判定する。次に、判定部98は、図5及び図6において説明したように、生成するべきコンタクトホールの全てについてエッチングが終了したか否かを判定する(S312)。エッチングが終了していない場合、プラズマエッチング装置100は、S306〜S312の処理を繰り返す。エッチングが終了している場合、エッチング停止段階S314で、プラズマエッチング装置100はエッチング処理を終了する。本フローチャートの各フローにおいて、プラズマエッチング装置100の各構成要素は、図1から図8においてそれぞれ説明した機能を有してよい。
【0061】
本例におけるプラズマエッチング方法によれば、ウェハを精度よくエッチングすることができ、このためデバイスを精度よく製造することができる。
【0062】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0063】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によるプラズマエッチング装置及びプラズマエッチング方法によれば、ウェハのエッチング状態を容易に検出することができる。例えば、コンタクトホールのエッチング終点を容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るプラズマエッチング装置100の構成の一例を示す図である。
【図2】ウェハ200の断面図の一例を示す図である。
【図3】ウェハ200の表面のエッチング状態の例を示す図である。図3(a)は、被エッチング層204をエッチングしている状態を示し、 図3(b)は、被エッチング層204のエッチングが終了した状態を示し、被エッチング層204のエッチングが終了した後に、エッチング処理を継続した状態を示し、図3(c)は、被エッチング層204のエッチングが終了した後に、エッチング処理を継続した状態を示す。
【図4】ウェハ200の表面に形成するべきコンタクトホールの直径とエッチングレートとの関係の一例を示す図である。
【図5】Si−H結合による赤外光吸収強度と、エッチング時間との関係の一例を示す図である。
【図6】C−F結合の重合膜による赤外光吸収強度と、エッチング時間との関係の一例を示す図である。
【図7】ウェハ200の上面図の一例を示す図である。
【図8】ウェハ200の断面拡大図の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るプラズマエッチング方法の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10・・・筐体、20・・・プラズマ生成部、22・・・第1電源、24・・・コイル、30・・・ガス供給部、40・・・バルブ、50・・・バルブ、60・・・真空ポンプ、80・・・ウェハステージ、90・・・受光部、92・・・集光部、94・・・透過部、96・・・受光素子、98・・・判定部、100・・・プラズマエッチング装置、110・・・光源部、112・・・光源、114・・・透過部、120・・・ウェハステージ駆動部、200・・・ウェハ、202・・・基板層、204・・・被エッチング層、206・・・レジスト層、210・・・Si−F結合、212・・・シリコン原子、214・・・フロンイオン、216・・・シリコン原子、218・・・水素イオン、220・・・Si−H結合、222・・・重合膜、230・・・コンタクトホール、240・・・領域、250・・・不使用領域、260・・・コンタクトホール、270・・・複数のダミーホール
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェハをプラズマエッチングするプラズマエッチング装置、及びプラズマエッチング方法に関する。特に本発明は、エッチングの状態を精度よく検出できるプラズマエッチング装置、及びプラズマエッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばウェハに微細なコンタクトホールを形成するようなプラズマエッチングでは、生成するコンタクトホールの直径によってエッチングレートが変化する。例えば、コンタクトホールの直径が0.1μm以下になるとエッチングレートが急激に低下する。このため、直径の異なるコンタクトホールを同時に形成するようなプラズマエッチングにおいては、直径の大きいコンタクトホールは直径の小さいコンタクトホールよりも早くエッチングが終了する。
【0003】
直径の大きいコンタクトホールのエッチングが終了しても、直径の小さいコンタクトホールのエッチングが終了するまでエッチング処理を行うため、直径の大きいコンタクトホールの底部には、プラズマ内で生成される高分子重合膜が付着してしまう。コンタクトホールには、上層と下層とを電気的に接続するために金属が埋め込まれるが、底部に高分子重合膜が付着していると上層と下層との接合特性を悪化させる。また、高分子重合膜は付着力が高く除去が困難であるため、エッチング工程において、コンタクトホールの底部に高分子重合膜を極力付着させないことが必要である。
【0004】
従来、直径の大きいコンタクトホールの底部に高分子重合膜を極力付着させないために、直径の小さいコンタクトホールのエッチングの終了を精度よく検出し、エッチング処理を終了することにより、プラズマ内で生成される高分子重合膜の量を極小化することが試みられている。直径の小さいコンタクトホールのエッチングの終了を検出する手段として、プラズマ発光分光分析による終点検出法、プラズマインピーダンスのモニタリングによる終点検出法、及び光干渉測定による終点検出法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
プラズマ発光分光分析による終点検出法では、プラズマ内の消費されたラジカルから発光される所定の波長の発光強度、又はエッチングによる反応生成物から発光される所定の波長の発光強度を測定することにより、エッチングの終点を検出している。しかし、この方法では、検出される信号の変化が小さく、精度よく終点を検出することが困難である。
【0006】
また、プラズマインピーダンスのモニタリングによる終点検出法では、プラズマ生成電源の入射電力、反射電力等をモニタリングすることにより、エッチングの終点を検出する。しかし、この方法でも検出される信号の変化が小さいため、精度よく終点を検出することが困難である。
【0007】
また、光干渉測定による終点検出法では、光をコンタクトホールに入射させ、反射光の位相のずれにより、コンタクトホールの深さを測定し、エッチングの終点を検出する。しかし、この方法では、光をコンタクトホールに入射させる必要があるため、直径の小さいコンタクトホールに対しては、測定することができない。これらのように、従来の検出法ではプラズマエッチングにおけるエッチングの終点を精度よく検出することが困難であった。
【0008】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできるプラズマエッチング装置、及びプラズマエッチング方法を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態では、ウェハをプラズマエッチングするプラズマエッチング装置であって、ウェハを格納する筐体と、筐体の内部に供給されたガスに電界を印加して、ウェハの表面をエッチングするためのプラズマを生成するプラズマ生成部と、光を生成し、生成した光をウェハの内部に入射させる光源と、ウェハから射出する射出光を受光する受光部と、受光部が受光した射出光のスペクトルに基づいて、ウェハの表面におけるエッチングの状態を判定する判定部とを備えることを特徴とするプラズマエッチング装置を提供する。
【0010】
光源は、光として赤外光を生成し、生成した赤外光をウェハの内部に入射させ、受光部は、ウェハから射出する赤外光を射出光として受光してよい。また光源は、ウェハの側面から赤外光を入射させ、受光部は、ウェハの側面から射出する赤外光を受光してよい。
【0011】
ウェハは、プラズマによってエッチングされない基板層と、基板層の上層に設けられプラズマによってエッチングされる被エッチング層とを有し、光源は、基板層の表面において赤外光が全反射する角度で、基板層の側面から基板層の内部に赤外光を入射することが好ましい。
【0012】
判定部は、射出光のスペクトルに基づいて、エッチングが終了したか否かを判定してよい。また判定部は、基板層を形成する材料と、ガスの成分とに応じた、射出光のスペクトル成分の強度に基づいて、被エッチング層のエッチングが終了したか否かを判定してよい。
【0013】
判定部は、基板層の原子とプラズマにおけるイオンとの結合によって吸収される射出光のスペクトル成分の吸収強度の変化に基づいて、被エッチング層のエッチングが終了したか否かを判定してよい。光源は、基板層の原子とプラズマにおけるイオンとの結合によって吸収されるスペクトル成分を有する赤外光を生成することが好ましい。
【0014】
被エッチング層をエッチングして直径の異なる複数のホールを生成する場合に、判定部は、基板層の原子とプラズマにおけるイオンとの結合によって吸収される赤外光のスペクトル成分の吸収強度が、予め定められた時間、変化しない場合に、被エッチング層における複数のホールのエッチングが終了したと判定してよい。
【0015】
生成するべき複数のホールのうち、最も直径の小さいホールと略同一又はより小さい直径を有する複数のダミーホールをエッチングにより生成する手段を更に備え、判定部は、基板層の原子とプラズマにおけるイオンとの結合によって吸収される赤外光のスペクトル成分の吸収強度が、生成するダミーホールの個数に応じた吸収強度と略等しくなった場合に、被エッチング層における複数のホールのエッチングが終了したと判定してよい。
【0016】
判定部は、基板層のシリコン原子が、プラズマにおける水素イオンにより水素終端されたSi−H結合によって吸収される赤外光のスペクトル成分の吸収強度の変化に基づいて、被エッチング層のエッチングが終了したか否かを判定してよい。
【0017】
また、判定部は、エッチングが終了した場合に、プラズマにおけるイオンにより基板層の上層に堆積される重合膜によって吸収される赤外光のスペクトル成分の吸収強度の変化に更に基づいて、被エッチング層における複数のホールのエッチングが終了したか否かを判定してよい。
【0018】
光源は、エッチングが終了した場合に、プラズマにおけるイオンにより基板層の上層に堆積される重合膜によって吸収されるスペクトル成分を有する赤外光を生成してよい。
【0019】
判定部は、プラズマにおける炭素イオンとフロンイオンとが重合し、基板層の上層に堆積した重合膜によって吸収される赤外光のスペクトル成分の強度の変化に基づいて、被エッチング層における複数のホールのエッチングが終了したか否かを判定してよい。
【0020】
受光部は、筐体の内部に設けられ、ウェハの側面から射出した赤外光を集光する集光部と、筐体の側面に設けられ、集光部が集光した赤外光を透過する透過部と、筐体の外部に設けられ、透過部が透過した赤外光を受光する受光素子とを有してよい。
【0021】
プラズマエッチング装置は、ウェハを載置するウェハステージと、ウェハステージを駆動することにより、ウェハの側面における複数の箇所から赤外光を入射させるウェハステージ駆動部とを更に備え、判定部は、複数の箇所から入射され、ウェハの側面から射出した赤外光のそれぞれのスペクトルに基づいて、複数の箇所に対応するウェハの表面の複数の領域における、エッチングの状態を判定してよい。また光源は、ウェハステージの位置に基づく角度で、赤外光がウェハの側面に入射させてよい。
【0022】
本発明の第2の形態においては、ウェハをプラズマエッチングすることによりデバイスを製造するプラズマエッチング方法であって、ウェハを筐体に格納する段階と、筐体の内部にプラズマを生成するためのガスを供給するガス供給段階と、ガスに電界を印加して、ウェハの表面をエッチングするためのプラズマを生成し、ウェハをエッチングするプラズマ生成段階と、光を生成し、生成した光をウェハの内部に入射させる光生成段階と、ウェハから射出する光を受光する受光段階と、受光段階において受光した光のスペクトルに基づいて、ウェハの表面におけるエッチングの状態を判定する判定段階と、判定段階においてエッチングの終点が検出された場合に、エッチング処理を停止するエッチング停止段階とを備えることを特徴とするプラズマエッチング方法を提供する。
【0023】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係る、プラズマエッチング装置100の構成の一例を示す。プラズマエッチング装置100は、ウェハ200をプラズマエッチングする。プラズマエッチング装置100は、筐体10と、プラズマ生成部20と、ガス供給部30と、光源部110と、受光部90と、ウェハステージ80と、ウェハステージ駆動部120と、判定部98と、真空ポンプ60と、第2電源90と、バルブ40と、バルブ50とを備える。
【0026】
筐体10は、ウェハ200を格納する。ウェハステージ80は、筐体10の内部に設けられ、ウェハ200を載置する。また、ウェハステージ駆動部120は、ウェハステージを駆動することにより、ウェハ200を移動させる。
【0027】
真空ポンプ60は、筐体10の内部のガスを吸引し、筐体10の内部を真空にする。バルブ50を開閉することにより、筐体10と真空ポンプ60とを接続、又は遮断する。
【0028】
ガス供給部30は、プラズマを生成するためのガスを筐体10の内部に供給する。バルブ40を開閉することにより、筐体10と真空ポンプ60とを接続、又は遮断する。本例において、ガス供給部30は、当該ガスとしてフロロカーボンガス(CxFy)と水素ガス(H2)を混合したガスを、筐体10の内部に供給する。
【0029】
プラズマ生成部20は、筐体10の内部に供給されたガスに電界を印加して、ウェハ200の表面をエッチングするためのプラズマを生成する。プラズマ生成部20は、コイル24と第1電源22とを有する。第1電源22はコイル24に電流を供給し、コイル24は、供給された電流に応じて電磁誘導される電界を、筐体10の内部のガスに印加してプラズマを生成する。また、第2電源90は、ウェハステージ80に所定の電位を与え、プラズマ中のイオンをウェハ200に誘導する。これによりウェハ200の表面をエッチングする。
【0030】
光源部110は、プラズマエッチング装置100がウェハ200の表面をエッチングする間、光を生成してウェハ200の内部に入射させる。光源部110は、筐体10の外部に設けられ、光を生成する光源112と、筐体10の側面に設けられ、光源112が生成した光を透過し、ウェハ200に入射させる透過部114とを有する。本例において、光源部110は、赤外光を生成し、生成した赤外光をウェハ200の内部に入射させる。
【0031】
受光部90は、ウェハ200から射出する射出光を受光する。本例において、受光部90は、ウェハ200から射出する赤外光を当該射出光として受光する。受光部90は、筐体10の内部に設けられ、ウェハ200の側面から射出した赤外光を集光する集光部92と、筐体10の側面に設けられ、集光部92が集光した赤外光を透過する透過部94と、筐体10の外部に設けられ、透過部94が透過した赤外光を受光する受光素子96とを有する。
【0032】
判定部98は、受光部90が受光した射出光のスペクトルに基づいて、ウェハ200の表面におけるエッチングの状態を判定する。本例において、判定部98は、射出光のスペクトルに基づいて、エッチングが終了したか否かを判定する。
【0033】
図2は、ウェハ200の断面図の一例を示す。ウェハ200は、プラズマによってエッチングされない基板層202と、基板層202の上層に設けられ、プラズマによってエッチングされる被エッチング層204と、被エッチング層204の上層に設けられ、被エッチング層204においてエッチングされるべき領域を選択するレジスト層206とを有する。
【0034】
光源部110は、図2に示すようにウェハ200の基板層202の側面から赤外光を入射させる。また光源部110は、基板層202の表面及び裏面において赤外光が全反射する角度で、基板層202の側面から基板層202の内部に赤外光を入射させる。基板層202の内部に入射された赤外光は、基板層202の表面及び裏面において全反射を繰り返し、基板層202の側面から射出する。受光部90は、基板層202の側面から射出する赤外光を受光する。
【0035】
図3は、ウェハ200の表面のエッチング状態の例を示す。本例において、基板層202はシリコン層、被エッチング層204は酸化シリコン層である。図3(a)は、被エッチング層204をエッチングしている状態を示す。図3(a)に示すように、被エッチング層204をエッチングしている場合、被エッチング層のシリコン原子212は、プラズマ中のフロンイオン214と結合することによりエッチングされる。つまり、コンタクトホール230の底部には、シリコン原子212とフロンイオン214との結合210が表出している。
【0036】
図3(b)は、被エッチング層204のエッチングが終了した状態を示す。図3(a)に示すように、被エッチング層204のエッチングが終了した場合、コンタクトホール230の底部には基板層202が表出する。表出した基板層202のシリコン原子は、プラズマ中の水素イオンにより水素終端され、コンタクトホール230の底部にSi−H結合220が形成される。この場合、基板層202の内部に入射された赤外光のスペクトル成分のうち所定のスペクトル成分がSi−H結合220により吸収される。例えば、Si−H結合220により、波数2100〜2150/cm付近のスペクトル成分が吸収される。
【0037】
以上の説明から、基板層202の内部で全反射を繰り返し射出した赤外光のスペクトル成分を検出することにより、ウェハ200の表面のエッチング状態を検出することができる。判定部98は、基板層202を形成する材料と、ガス供給部30が供給したガスの成分とに応じた、赤外光のスペクトル成分の吸収強度に基づいて、被エッチング層204のエッチングが終了したか否かを判定する。つまり、判定部98は、基板層202の原子とプラズマにおけるイオンとの結合によって吸収される赤外光のスペクトル成分の吸収強度の変化に基づいて、被エッチング層204のエッチングが終了したか否かを判定する。本例においては、判定部98は、基板層202のシリコン原子216が、プラズマにおける水素イオン218により水素終端されたSi−H結合220によって吸収される赤外光のスペクトル成分の吸収強度の変化に基づいて、被エッチング層204のエッチングが終了したか否かを判定する。
【0038】
図3(c)は、被エッチング層204のエッチングが終了した後に、エッチング処理を継続した状態を示す。被エッチング層204のエッチングが終了し、コンタクトホール230が基板層202まで到達した後に、エッチング処理を継続した場合、コンタクトホール230の底部には、プラズマ内において生成される重合膜222が堆積される。本例においては、コンタクトホール230の底部には、C−F結合により重合膜222が堆積される。この場合、基板層202の内部に入射された赤外光のスペクトル成分のうち所定のスペクトル成分がC−F結合の重合膜222により吸収される。例えば、重合膜222により、波数1000〜1210/cm付近のスペクトル成分が吸収される。
【0039】
以上の説明から、ウェハ200から射出する赤外光のスペクトル成分のうち、重合膜222によって吸収されるスペクトル成分を検出することによっても、ウェハ200の表面におけるエッチング状態を検出することができる。判定部98は、プラズマにおけるイオンにより基板層の上層に堆積される重合膜によって吸収される赤外光のスペクトル成分の強度の変化に更に基づいて、被エッチング層204における複数のホールのエッチングが終了したか否かを判定する。本例において、判定部98は、プラズマにおける炭素イオンとフロンイオンとが重合し、基板層202の上層に堆積した重合膜222によって吸収される赤外光のスペクトル成分の強度の変化に基づいて、被エッチング層204におけるコンタクトホール230のエッチングが終了したか否かを判定する。
【0040】
また、光源110は、基板層202の原子とプラズマにおけるイオンとの結合によって吸収されるスペクトル成分と、エッチングが終了した場合に、プラズマにおけるイオンにより基板層202の上層に堆積される重合膜222によって吸収されるスペクトル成分とを有する赤外光を生成することが望ましい。
【0041】
図4は、ウェハ200の表面に形成するべきコンタクトホールの直径とエッチングレートとの関係の一例を示す。図4に示すように、コンタクトホールの直径が大きくなるにつれ、マイクロローディング効果によりエッチングレートが増大する。つまり、直径の異なる複数のコンタクトホールを形成する場合、コンタクトホールのエッチング終点はコンタクトホールの直径により異なる。プラズマエッチング装置100は、即ち最もエッチング終点が遅いコンタクトホールのエッチング終点を全てのコンタクトホールのエッチング終点として検出する。本例においては、プラズマエッチング装置100は、形成するべきコンタクトホールのうち最も直径の小さいコンタクトホールのエッチング終点を全てのコンタクトホールのエッチング終点として検出する。
【0042】
また、他の例において、逆マイクロローディング効果によりコンタクトホールの直径が小さくなるにつれ、エッチングレートが増大する場合、プラズマエッチング装置100は、最も直径の大きいコンタクトホールのエッチング終点を全てのコンタクトホールのエッチング終点として検出してもよい。例えば、ガス供給部30が筐体10の内部に水素ガスを供給しない場合に、プラズマエッチング装置100は、最も直径の大きいコンタクトホールのエッチング終点を全てのコンタクトホールのエッチング終点として検出する。
【0043】
図5は、Si−H結合による赤外光吸収強度と、エッチング時間との関係の一例を示す。本例において、プラズマエッチング装置100は、ウェハ200の表面に3種類の直径毎にそれぞれ同数のコンタクトホールを形成する。まず、エッチング時間T1において、最も直径の大きいコンタクトホールのエッチングが終了する。このとき、図3において説明したように、エッチングが終了したコンタクトホールの底部におけるシリコン原子は水素終端され、Si−H結合が形成される。形成されたSi−H結合により、基板層202の内部に入射された赤外光の所定のスペクトル成分が吸収される。エッチングが終了したコンタクトホールには、徐々に重合膜が堆積されるため、Si−H結合による赤外光吸収は減少する。
【0044】
次に、エッチング時間T2において、次に直径の大きいコンタクトホールのエッチングが終了する。この場合においても同様にSi−H結合により赤外光が吸収されるが、コンタクトホールの総面積が小さいため、エッチング時間T1における赤外光吸収よりも強度は小さくなる。更に、エッチング時間T3において、最も直径の小さいコンタクトホールのエッチング終了する。エッチング時間T3において全てのコンタクトホールのエッチングが終了するため、エッチング時間T3以降においては、Si−H結合によって赤外光は吸収されない。
【0045】
判定部98は、基板層202の原子とプラズマにおけるイオンとの結合によって吸収される赤外光のスペクトル成分の強度が、予め定められた時間τ1の間変化しない場合に、被エッチング層204における複数のコンタクトホールのエッチングが終了したと判定する。本例においては、判定部98は、Si−H結合によって吸収される赤外光のスペクトル成分の強度が、時間τ1の間変化しない場合に、被エッチング層204における複数のコンタクトホールのエッチングが終了したと判定する。判定部98は、受光部90が受光した射出光のスペクトルの変化によって、Si−H結合によって吸収された赤外光のスペクトル成分の強度を検出する。
【0046】
図6は、C−F結合の重合膜による赤外光吸収強度と、エッチング時間との関係の一例を示す。本例において、プラズマエッチング装置100は、ウェハ200の表面に3種類の直径毎にそれぞれ同数のコンタクトホールを形成する。まず、エッチング時間T1において、最も直径の大きいコンタクトホールのエッチングが終了する。エッチング時間T1の直後のT1’から、図3において説明したように、コンタクトホールの底部には、重合膜が堆積される。堆積された重合膜により、基板層202の内部に入射された赤外光の所定のスペクトル成分が吸収される。エッチングが終了したコンタクトホールには、徐々に重合膜が堆積されるため、重合膜による赤外光吸収は徐々に増加する。
【0047】
次に、エッチング時間T2において、次に直径の大きいコンタクトホールのエッチングが終了する。この場合、形成されたコンタクトホールの総面積が増加するため、重合膜による赤外光吸収の増加率が増大する。更に、エッチング時間T3において、最も直径の小さいコンタクトホールのエッチング終了する。エッチング時間T3において全てのコンタクトホールのエッチングが終了するため、時間T3’以降においては、重合膜による赤外光吸収の増加率は増大しない。
【0048】
判定部98は、プラズマにおけるイオンにより基板層202の上層に堆積される重合膜によって吸収される赤外光のスペクトル成分の強度の増加率が、予め定められた時間τ2の間変化しない場合に、被エッチング層204における複数のコンタクトホールのエッチングが終了したと判定する。本例においては、判定部98は、C−F結合の重合膜によって吸収される赤外光のスペクトル成分の強度の増加率が、時間τ2の間変化しない場合に、被エッチング層204における複数のコンタクトホールのエッチングが終了したと判定する。判定部98は、受光部90が受光した射出光のスペクトルの変化によって、重合膜によって吸収された赤外光のスペクトル成分の強度を検出する。
【0049】
また、判定部98は、図5に関連して説明したSi−H結合の赤外吸収強度の変化と、図6に関連して説明したC−F結合の重合膜の赤外吸収強度の変化とに基づいて、被エッチング層204におけるコンタクトホールのエッチング終点を検出してよい。例えば、Si−H結合の赤外吸収強度がτ1の間変化せず、且つC−F結合の重合膜の赤外吸収強度がτ2の間変化しない場合に、被エッチング層204におけるコンタクトホールのエッチングが終了したと判定してよい。この場合、更に精度よくコンタクトホールのエッチング終点を検出できる。
【0050】
図7は、ウェハ200の上面図の一例を示す。本例において、光源110は、ウェハ200の側面における複数の箇所から赤外光を入射させる。例えば、光源110は複数の赤外光を生成し、生成した複数の赤外光をウェハ200の側面の複数の箇所に入射してよい。また、光源110は一の赤外光を生成し、ウェハステージ駆動部120がウェハステージを80を駆動することにより、ウェハ200の側面における複数の箇所から赤外光を入射させてもよい。また、光源110は、エッチング処理を開始してからエッチング終点を検出するまで、連続して赤外光を生成し、ウェハ200の側面に入射させる。
【0051】
判定部98は、複数の箇所から入射され、ウェハ200の側面から射出した赤外光のそれぞれのスペクトルに基づいて、複数の箇所に対応するウェハの表面の複数の領域240における、エッチングの状態を判定する。また、光源110は、ウェハ200の上面及び下面において赤外光が全反射する角度で、ウェハ200の側面のそれぞれの箇所に赤外光を入射させる。例えば、光源110が複数の赤外光を生成する場合、光源110は、それぞれ異なる位置から異なる角度で複数の赤外光を射出してよい。また、光源110が一の赤外光を生成する場合、光源110は、ウェハステージ80の位置に基づく角度及び位置で赤外光を射出し、赤外光をウェハの側面に入射させる。
【0052】
また、光源110は、ウェハ200の上面及び下面において、赤外光が臨界反射角と略等しい角度で反射するように、赤外光をウェハ200に入射させることが好ましい。ウェハ200の内部における赤外光の反射角を臨界反射角と略等しい角度とすることにより、赤外光がウェハ200の上面において反射する間隔を短くすることができる。これにより、コンタクトホールによる赤外光吸収を精度よく検出することができる。
【0053】
本例におけるプラズマエッチング装置100によれば、ウェハ200の全ての領域において、エッチング終点を精度よく検出することができる。また、プラズマエッチング装置100は、光源110とウェハ200との間に、赤外光を集光する光学素子を更に備えてもよい。当該光学素子は、光源110が生成した赤外光を、所定の屈折率で屈折させてウェハに入射させる。当該光学素子は、赤外光がウェハ200の側面に入射する角度を制御してもよい。
【0054】
また、光源110は一の赤外光を連続して生成し、ウェハステージ駆動部120がウェハステージ80を回転させることにより、ウェハ200の側面の複数の箇所に、赤外光を入射させてもよい。これによっても、ウェハ200の全ての領域において、エッチング終点を精度よく検出することができる。
【0055】
また、プラズマエッチング装置100によれば、エッチング処理中にリアルタイムでエッチング状態を検出することができ、in−situでのエッチング状態検出ができる。
【0056】
図8は、ウェハ200の断面拡大図の一例を示す。図8に示すように、レジスト層206には、形成するべきコンタクトホール260を生成するためのパターンが設けられている。プラズマエッチング装置100は、生成するべき複数のコンタクトホール260のうち、最も直径の小さいコンタクトホールと略同一又はより小さい直径を有する複数のダミーホール270をエッチングにより更に生成してもよい。この場合、レジスト層206には複数のダミーホール270を生成するためのパターンが設けられる。複数のダミーホール270は、ウェハ200において形成されるべきデバイスに使用されない不使用領域250に形成されることが好ましい。
【0057】
判定部98は、生成するべきコンタクトホール260と同一又はより小さい直径を有するダミーホールのエッチング終点を検出することにより、生成するべきコンタクトホール260のエッチングが終了していることを検出してもよい。図5において説明したように、当該ダミーホールによる赤外光の吸収強度は、ダミーホールの総面積に応じて大きくなる。このため、多数のダミーホールを生成することにより、ダミーホールのエッチング終点は容易に検出することができる。
【0058】
本例において、判定部98は、基板層202の原子とプラズマにおけるイオンとの結合によって吸収される赤外光のスペクトル成分の強度が、生成するダミーホールの個数に応じた強度と略等しくなった場合に、被エッチング層204における複数のコンタクトホール260のエッチングが終了したと判定する。つまり、判定部98は、Si−H結合による赤外光吸収の強度が、予め定められた個数のダミーホールの総面積に応じた強度と略等しくなった場合にエッチングが終了したと判定してよい。また、判定部98は、Si−H結合による赤外光吸収の強度が、予め定められた強度より大きくなった場合に、エッチングが終了したと判定してもよい。
【0059】
図9は、本発明の実施形態に係るプラズマエッチング方法の一例を示すフローチャートである。本プラズマエッチング方法は、ウェハをプラズマエッチングすることによりデバイスを製造する。本例では、当該プラズマエッチング方法を、図1から図8において説明したプラズマエッチング装置100を用いて説明する。まず、格納段階S300において、ウェハ200を筐体10に格納する。次に、ガス供給段階S302において、ガス供給部30が、筐体10内部にプラズマを生成するためのガスを供給する。次に、プラズマ生成段階S304において、プラズマ生成部20が、筐体10内部のガスに電界を印加して、ウェハ200の表面をエッチングするためのプラズマを生成する。
【0060】
次に、光生成段階S306において、光源110が光を生成し、生成した光をウェハ200の内部に入射させる。次に、受光段階S308において、受光部90が、ウェハ200から射出する光を受光する。次に、判定段階S310において、判定部98が、受光段階S308において受光した光のスペクトルに基づいて、ウェハ200の表面におけるエッチングの状態を判定する。次に、判定部98は、図5及び図6において説明したように、生成するべきコンタクトホールの全てについてエッチングが終了したか否かを判定する(S312)。エッチングが終了していない場合、プラズマエッチング装置100は、S306〜S312の処理を繰り返す。エッチングが終了している場合、エッチング停止段階S314で、プラズマエッチング装置100はエッチング処理を終了する。本フローチャートの各フローにおいて、プラズマエッチング装置100の各構成要素は、図1から図8においてそれぞれ説明した機能を有してよい。
【0061】
本例におけるプラズマエッチング方法によれば、ウェハを精度よくエッチングすることができ、このためデバイスを精度よく製造することができる。
【0062】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0063】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によるプラズマエッチング装置及びプラズマエッチング方法によれば、ウェハのエッチング状態を容易に検出することができる。例えば、コンタクトホールのエッチング終点を容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るプラズマエッチング装置100の構成の一例を示す図である。
【図2】ウェハ200の断面図の一例を示す図である。
【図3】ウェハ200の表面のエッチング状態の例を示す図である。図3(a)は、被エッチング層204をエッチングしている状態を示し、 図3(b)は、被エッチング層204のエッチングが終了した状態を示し、被エッチング層204のエッチングが終了した後に、エッチング処理を継続した状態を示し、図3(c)は、被エッチング層204のエッチングが終了した後に、エッチング処理を継続した状態を示す。
【図4】ウェハ200の表面に形成するべきコンタクトホールの直径とエッチングレートとの関係の一例を示す図である。
【図5】Si−H結合による赤外光吸収強度と、エッチング時間との関係の一例を示す図である。
【図6】C−F結合の重合膜による赤外光吸収強度と、エッチング時間との関係の一例を示す図である。
【図7】ウェハ200の上面図の一例を示す図である。
【図8】ウェハ200の断面拡大図の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るプラズマエッチング方法の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10・・・筐体、20・・・プラズマ生成部、22・・・第1電源、24・・・コイル、30・・・ガス供給部、40・・・バルブ、50・・・バルブ、60・・・真空ポンプ、80・・・ウェハステージ、90・・・受光部、92・・・集光部、94・・・透過部、96・・・受光素子、98・・・判定部、100・・・プラズマエッチング装置、110・・・光源部、112・・・光源、114・・・透過部、120・・・ウェハステージ駆動部、200・・・ウェハ、202・・・基板層、204・・・被エッチング層、206・・・レジスト層、210・・・Si−F結合、212・・・シリコン原子、214・・・フロンイオン、216・・・シリコン原子、218・・・水素イオン、220・・・Si−H結合、222・・・重合膜、230・・・コンタクトホール、240・・・領域、250・・・不使用領域、260・・・コンタクトホール、270・・・複数のダミーホール
Claims (18)
- ウェハをプラズマエッチングするプラズマエッチング装置であって、
前記ウェハを格納する筐体と、
前記筐体の内部に供給されたガスに電界を印加して、前記ウェハの表面をエッチングするためのプラズマを生成するプラズマ生成部と、
光を生成し、生成した前記光を前記ウェハの内部に入射させる光源と、
前記ウェハから射出する射出光を受光する受光部と、
前記受光部が受光した前記射出光のスペクトルに基づいて、前記ウェハの表面におけるエッチングの状態を判定する判定部と
を備えることを特徴とするプラズマエッチング装置。 - 前記光源は、前記光として赤外光を生成し、生成した前記赤外光を前記ウェハの内部に入射させ、
前記受光部は、前記ウェハから射出する赤外光を前記射出光として受光することを特徴とする請求項1に記載のプラズマエッチング装置。 - 前記光源は、前記ウェハの側面から前記赤外光を入射させ、
前記受光部は、前記ウェハの側面から射出する前記赤外光を受光することを特徴とする請求項2に記載のプラズマエッチング装置。 - 前記ウェハは、前記プラズマによってエッチングされない基板層と、前記基板層の上層に設けられ前記プラズマによってエッチングされる被エッチング層とを有し、
前記光源は、前記基板層の表面において前記赤外光が全反射する角度で、前記基板層の側面から前記基板層の内部に前記赤外光を入射することを特徴とする請求項3に記載のプラズマエッチング装置。 - 前記判定部は、前記射出光のスペクトルに基づいて、前記エッチングが終了したか否かを判定することを特徴とする請求項4に記載のプラズマエッチング装置。
- 前記判定部は、前記基板層を形成する材料と、前記ガスの成分とに応じた、前記射出光のスペクトル成分の強度に基づいて、前記被エッチング層のエッチングが終了したか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載のプラズマエッチング装置。
- 前記判定部は、前記基板層の原子と前記プラズマにおけるイオンとの結合によって吸収される前記射出光のスペクトル成分の吸収強度の変化に基づいて、前記被エッチング層のエッチングが終了したか否かを判定することを特徴とする請求項6に記載のプラズマエッチング装置。
- 前記光源は、前記基板層の原子と前記プラズマにおけるイオンとの結合によって吸収されるスペクトル成分を有する前記赤外光を生成することを特徴とする請求項7に記載のプラズマエッチング装置。
- 前記被エッチング層をエッチングして直径の異なる複数のホールを生成する場合に、
前記判定部は、前記基板層の原子と前記プラズマにおけるイオンとの結合によって吸収される前記赤外光のスペクトル成分の吸収強度が、予め定められた時間変化しない場合に、前記被エッチング層における前記複数のホールのエッチングが終了したと判定することを特徴とする請求項7に記載のプラズマエッチング装置。 - 生成するべき前記複数のホールのうち、最も直径の小さいホールと略同一又はより小さい直径を有する複数のダミーホールを前記エッチングにより生成する手段を更に備え、
前記判定部は、前記基板層の原子と前記プラズマにおけるイオンとの結合によって吸収される前記赤外光のスペクトル成分の吸収強度が、生成する前記ダミーホールの個数に応じた吸収強度と略等しくなった場合に、前記被エッチング層における前記複数のホールのエッチングが終了したと判定することを特徴とする請求項9に記載のプラズマエッチング装置。 - 前記判定部は、前記基板層のシリコン原子が、前記プラズマにおける水素イオンにより水素終端されたSi−H結合によって吸収される前記赤外光のスペクトル成分の吸収強度の変化に基づいて、前記被エッチング層のエッチングが終了したか否かを判定することを特徴とする請求項7に記載のプラズマエッチング装置。
- 前記判定部は、前記エッチングが終了した場合に、前記プラズマにおけるイオンにより前記基板層の上層に堆積される重合膜によって吸収される前記赤外光のスペクトル成分の吸収強度の変化に更に基づいて、前記被エッチング層における前記複数のホールのエッチングが終了したか否かを判定することを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載のプラズマエッチング装置。
- 前記光源は、前記エッチングが終了した場合に、前記プラズマにおけるイオンにより前記基板層の上層に堆積される重合膜によって吸収されるスペクトル成分を有する前記赤外光を生成することを特徴とする請求項12に記載のプラズマエッチング装置。
- 前記判定部は、前記プラズマにおける炭素イオンとフロンイオンとが重合し、前記基板層の上層に堆積した前記重合膜によって吸収される前記赤外光のスペクトル成分の強度の変化に基づいて、前記被エッチング層における前記複数のホールのエッチングが終了したか否かを判定することを特徴とする請求項12に記載のプラズマエッチング装置。
- 前記受光部は、
前記筐体の内部に設けられ、前記ウェハの側面から射出した前記赤外光を集光する集光部と、
前記筐体の側面に設けられ、前記集光部が集光した前記赤外光を透過する透過部と、
前記筐体の外部に設けられ、前記透過部が透過した前記赤外光を受光する受光素子と
を有することを特徴とする請求項3に記載のプラズマエッチング装置。 - 前記ウェハを載置するウェハステージと、
前記ウェハステージを駆動することにより、前記ウェハの側面における複数の箇所から前記赤外光を入射させるウェハステージ駆動部と
を更に備え、
前記判定部は、前記複数の箇所から入射され、前記ウェハの側面から射出した前記赤外光のそれぞれのスペクトルに基づいて、前記複数の箇所に対応する前記ウェハの表面の複数の領域における、前記エッチングの状態を判定することを特徴とする請求項3に記載のプラズマエッチング装置。 - 前記光源は、前記ウェハステージの位置に基づく角度で、前記赤外光が前記ウェハの側面に入射させることを特徴とする請求項16に記載のプラズマエッチング装置。
- ウェハをプラズマエッチングすることによりデバイスを製造するプラズマエッチング方法であって、
前記ウェハを筐体に格納する段階と、
前記筐体の内部にプラズマを生成するためのガスを供給するガス供給段階と、
前記ガスに電界を印加して、前記ウェハの表面をエッチングするための前記プラズマを生成し、前記ウェハをエッチングするプラズマ生成段階と、
光を生成し、生成した前記光を前記ウェハの内部に入射させる光生成段階と、
前記ウェハから射出する前記光を受光する受光段階と、
前記受光段階において受光した前記光のスペクトルに基づいて、前記ウェハの表面におけるエッチングの状態を判定する判定段階と、
前記判定段階においてエッチングの終点が検出された場合に、エッチング処理を停止するエッチング停止段階と
を備えることを特徴とするプラズマエッチング方法。
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JP2002289188A JP2004128166A (ja) | 2002-10-01 | 2002-10-01 | プラズマエッチング装置、及びプラズマエッチング方法 |
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Cited By (1)
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CN113039464A (zh) * | 2018-11-15 | 2021-06-25 | 应用材料股份有限公司 | 用于检测斜角表面浮雕格栅的蚀刻深度的系统与方法 |
-
2002
- 2002-10-01 JP JP2002289188A patent/JP2004128166A/ja not_active Withdrawn
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JP7240495B2 (ja) | 2018-11-15 | 2023-03-15 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド | 傾斜面レリーフ格子のエッチング深さを検出するためのシステム及び方法 |
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