JP2004127761A - 固体酸化物形燃料電池用燃料極及び燃料極材料製造方法 - Google Patents

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福井 武久
Hikari Kondo
近藤 光
Toyokazu Yokoyama
横山 豊和
Makio Naito
内藤 牧男
Hiroya Abe
阿部 浩也
Kiyoshi Noshiro
野城 清
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Abstract

【課題】本発明は、低温作動が可能なSOFCを実現するために、燃料極の性能を十分に向上することができるSOFC用燃料極材料を製造する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】金属酸化物からなる母粒子と酸素イオン伝導性を有するセラミックスからなる子粒子とを複合化して、SOFC用の燃料極材料となる複合粉体を製造する燃料極材料製造方法であって、母粒子と子粒子との混合粉体に加圧力とせん断力とを付与して粉砕混合しながら母粒子と子粒子とを複合化して複合粉体を製造することを特徴とする。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体酸化物形燃料電池(以下、SOFCと呼ぶ。)用燃料極及び燃料極材料製造方法に関し、特に、NiO(酸化ニッケル)又はCoO(酸化コバルト)等の金属酸化物からなる母粒子とYSZ(イットリア安定化ジルコニア)又はPSZ(部分安定化ジルコニア)又はSDC(サマリアドープセリア)等の酸素イオン伝導性を有するセラミックスからなる子粒子とを複合化して、前記燃料極材料となる複合粉体を製造する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
高効率でクリーンな発電システムとして期待されている上記SOFCの多くは、NiO又はCoOからなる金属酸化物からなる母粒子とYSZ又はSDCの酸素イオン伝導性を有するセラミックスからなる子粒子とを混合して複合化した複合粉体の焼成層で構成される燃料極を備えている。
【0003】
このようなSOFC用燃料極材料となる上記複合粉体の製造方法としては、一般的に、上記母粒子と上記子粒子とをボールミル等により混合してこれを若干焼結することにより複合化するボールミル法や、金属成分とセラミックス成分を液中で混合してこれを熱分解することにより複合化する噴霧熱分解法等がある(例えば、特許文献1−7参照)。
【0004】
尚、SOFC用燃料極を構成する焼成層中のNiO等の金属酸化物は、SOFCの運転中に還元されてNi等の金属粒子となる。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−227212号公報
【特許文献2】
特開平9−302438号公報
【特許文献3】
特開平9−309768号公報
【特許文献4】
特開平10−21931号公報
【特許文献5】
特開平11−54131号公報
【特許文献6】
特開平11−40169号公報
【特許文献7】
特開平11−297333号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
SOFCは、その燃料極の特性により、1000℃程度の作動温度で運転されることが多いが、その作動温度では、SOFCの構成材料が劣化しやすく、その耐久性に問題があった。また、上記作動温度に適合させるためには、SOFCの構造材料の材質が限定されるという問題もあった。
【0007】
近年、作動温度を例えば800℃程度に下げることができるSOFCの実現が検討されており、低温作動SOFCの実現には、800℃程度で十分な性能を有する高性能な燃料極の開発が必要不可欠である。
前述の噴霧熱分解法は、比較的高性能な燃料極を構成可能な複合粉体を製造可能であるが、その製造コストが高騰する恐れがあり、問題である。
【0008】
従って、本発明の目的は、上記の事情に鑑みて、燃料極の性能を十分に向上することができるSOFC用燃料極材料を製造し、低温作動が可能なSOFCを実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係る燃料極材料製造方法の第一特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載したごとく、金属酸化物からなる母粒子と酸素イオン伝導性を有するセラミックスからなる子粒子とを複合化して、SOFC用の燃料極材料となる複合粉体を製造する燃料極材料製造方法であって、
前記母粒子と前記子粒子との混合粉体に加圧力とせん断力とを付与して粉砕混合しながら前記母粒子と前記子粒子とを複合化して前記複合粉体を製造する点にある。
【0010】
SOFC用燃料極において、金属粒子とセラミックス粒子とが高分散すると共に、微細セラミックス粒子が微細金属粒子表面に良好に分散されている電極ミクロ構造を実現することで、金属粒子の微細化、金属粒子とセラミックス粒子と燃料ガスが接触する三相界面の拡大、電子の通路となる金属粒子間結合部の確保、イオンの通路となるセラミックス粒子間結合部の確保、ガスの通路となる空隙の確保等を図り、SOFC用燃料極性能を向上し、低温作動が可能なSOFCを実現することができる。
【0011】
また、このような電極ミクロ構造を実現するため、SOFC用燃料極材料においては、金属酸化物からなる母粒子の微細化及び均質化と、セラミックスからなる子粒子の母粒子に対する良好な複合化を達成する必要がある。
【0012】
そして、上記第一特徴構成の燃料極材料製造方法のごとく、上記NiO等からなる母粒子とYSZ等からなる子粒子との混合粉体に強力な加圧力とせん断力とを付与して粉砕混合しながら前記母粒子と前記子粒子とを複合化して、SOFC用燃料極材料となる複合粉体を製造することで、比較的脆性な母粒子を粉砕して粒子径の微細化及び均質化を図り、更に、その粉砕により高活性の界面が生じた母粒子に微細な子粒子を良好に複合化して、SOFC用燃料極の性能を十分に向上し得る複合粉体を製造することができる。
【0013】
本発明に係る燃料極材料製造方法の第二特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載したごとく、上記第一特徴構成に加えて、前記混合粉体において、前記母粒子の粒子径が前記子粒子の粒子径よりも大きい点にある。
【0014】
即ち、上記第二特徴構成の燃料極材料製造方法のごとく、子粒子と子粒子よりも粒子径が大きい母粒子との混合粉体に強力な加圧力とせん断力とを付与して混合することで、粒子径が大きく比較的脆性な母粒子が優先的に粉砕され、母粒子の表面に粉砕後のフレッシュな界面を良好に形成することができ、子粒子の母粒子に対する複合化を促進することができる。
【0015】
また、上記混合粉体において、この子粒子よりも粒子径が大きい母粒子の最大粒子径を10μm以上程度としても、かかる母粒子に加圧力とせん断力とを付与して良好に粉砕することができ、複合粉体における金属酸化物からなる母粒子の微細化及び均質化を図り、燃料極の性能を一層向上することができる複合粉体を製造することができる。
【0016】
本発明に係る燃料極材料製造方法の第三特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載したごとく、上記第一乃至第二の何れかの特徴構成に加えて、前記混合粉体において、前記子粒子の配合割合が21vol%以上43vol%以下の範囲内である点にある。
【0017】
即ち、上記三特徴構成の燃料極材料製造方法のごとく、混合粉体において子粒子の配合割合を21vol%以上43vol%以下の範囲内とすることで、子粒子の一部が母粒子に複合化されると共に、子粒子の一部が複合化された母粒子と残部の子粒子とが適度に分散して、燃料極の性能を一層向上することができる複合粉体を製造することができる。
【0018】
この目的を達成するための本発明に係るSOFC用燃料極の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載したごとく、上記第一乃至第三の何れかの特徴構成の燃料極製造方法で製造した前記複合粉体を焼成してなる点にある。
【0019】
即ち、上記特徴構成のSOFC用燃料極によれば、金属酸化物からなる母粒子の微細化及び均質化とセラミックスからなる子粒子の母粒子に対する良好な複合化を達成することができる複合粉体の焼成層で構成されるので、金属粒子とセラミックス粒子とが高分散すると共に、微細セラミックス粒子が微細金属粒子表面に良好に分散されている電極ミクロ構造を実現し、金属粒子の微細化、金属粒子とセラミックス粒子と燃料ガスが接触する三相界面の拡大、電子の通路となる金属粒子間結合部の確保、イオンの通路となるセラミックス粒子間結合部の確保、ガスの通路となる空隙の確保等を図り、SOFC用燃料極の性能を向上して、低温作動が可能なSOFCを実現することができる。
【0020】
また、上記特徴構成のSOFC用燃料極は、母粒子表面に良好に複合化された子粒子により、所定の焼成温度でも、金属粒子の粒子成長を抑制することができ、燃料極において一層微細な構造を達成することができる。
【0021】
また、本発明に係るSOFC用燃料極を製造するに、上記のような微細化された複合粉体を焼成するので、焼成温度を1200℃程度の比較的低い温度とすることができ、母粒子の焼成による粒子成長を抑制して、電極性能を優れたものにできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明に係る燃料極材料製造方法は、NiO又はCoO等の金属酸化物からなる母粒子とYSZ又はPSZ又はSDC等の酸素イオン伝導性を有するセラミックスからなる子粒子との混合粉体に、例えば、図1及び図2に示す粉体処理装置(以下、処理装置とも呼ぶ。)により、強力な加圧力とせん断力とを付与して粉砕混合しながら前記母粒子と前記子粒子とを複合化して前記複合粉体を製造する。
また、本発明に係るSOFC用燃料極は、上記燃料極材料製造方法により製造された複合粉体を、例えば、1200℃〜1400℃程度の焼成温度で焼成して製造される。
【0023】
即ち、上記処理装置により混合粉体に強力な加圧力とせん断力とを付与することで、比較的脆性な母粒子が粉砕されて母粒子の粒子径の微細化及び均質化を図ることができ、更に、その粉砕により母粒子表面に生じた高活性の界面に微細な子粒子を良好に複合化することができる。
【0024】
〔粉体処理装置〕
本発明に用いる粉体処理装置の概略を図1及び図2に示す。
当該処理装置は、図1に示すように、主に、基台1に設置された略円筒形状のケーシング2、及び、当該ケーシング2の内部に設けられた略円筒形状の筒状回転体3、当該筒状回転体3との間に加圧力とせん断力を発生させて上記母粒子と上記子粒子との混合粉体4を処理すべく前記筒状回転体3の内部に配設されたプレスヘッド5とからなる。前記混合粉体4は、通常、粉体状の原料を用いるが、スラリー原料や懸濁液状の原料を用いることも可能である。
【0025】
前記筒状回転体3は、図2も参照して、軸心周りに回転自在に設けられ、筒状回転体3を回転させることで、当該筒状回転体3の内周面に形成した受け面6とプレスヘッド5とを相対回転させ、受け面6とプレスヘッド5との間の空間7に存する混合粉体4に加圧力及びせん断力を付与して、混合粉体4中の母粒子を粉砕しながら母粒子と子粒子とを混合、複合化し、SOFC用燃料極材料となる複合粉体を製造方法することができる。
【0026】
前記プレスヘッド5によって加圧力等を付与された前記混合粉体4は、主に前記筒状回転体3の周壁8に設けた孔部9を介して外方に排出され、前記周壁8の外周部に形成した羽根部材10によって再び前記筒状回転体3の内部に循環させる。本構成により、プレスヘッド5と受け面6との間に挟まれた混合粉体4を積極的に流動・循環させ、前記受け面6に対する混合粉体4の付着量を少なくすることができる。
【0027】
当該処理装置のごとく、孔部9を介して混合粉体4を循環させる構成の装置を用いることとすれば、混合粉体4に作用させる加圧力等を適宜加減することができる。
例えば、前記孔部9の開口面積を広く設定しておけば、混合粉体4は筒状回転体3の外部に容易に排出されるから、混合粉体4に対するプレスヘッド5の作用時間が短くなり、混合粉体4に作用する加圧力が結果的に弱まることとなる。逆に、前記孔部9の開口面積を狭く設定しておけば、混合粉体4に対するプレスヘッド5の作用時間が長くなり、前記加圧力は強まることとなる。
【0028】
このように、本構成の処理装置を用いる場合には、混合粉体4に作用させる加圧力等を任意に変更して最適な粉体処理条件を得ることが可能であり、優れた品質の複合粉体を得ることができる。
【0029】
【実施例】
金属酸化物であるNiOからなる母粒子と、酸素イオン伝導性を有するセラミックスであるYSZからなる子粒子とを、所定の配合割合で混合した混合粉体を、前述の処理装置により、加圧力とせん断力とを付与して粉砕混合しながら複合化して、本発明に係る燃料極材料製造方法により製造した複合粉体(以下、実施例の複合粉体と呼ぶ。)を作製した。
【0030】
一方、NiOからなる母粒子と、YSZからなる子粒子とを、ボールミルにて混合して、従来の燃料極材料製造方法により製造した複合粉体(以下、比較例の複合粉体と呼ぶ。)を作製した。
【0031】
また、上記実施例の複合粉体に、ポリエチレングリコールを混合してペースト状とし、これを、スクリーン印刷により固体電解質(YSZペレット)表面に塗布した後に所定焼成温度で焼成して、本発明に係るSOFC用燃料極(以下、実施例の燃料極と呼ぶ。)を作製した。
一方、同様方法で、上記比較例の複合粉体から、従来のSOFC用燃料極(以下、比較例の燃料極と呼ぶ。)を作製した。
【0032】
上記実施例の複合粉体、及び、上記比較例の複合粉体の夫々の粒子径分布を、液中でのレーザー回折散乱法により計測し、その計測結果を、図3(NiOの粒子径分布)、図4(YSZの粒子径分布)、図5(実施例の複合粉体の粒子径分布)、図6(比較例の複合粉体の粒子径分布)に示す。
【0033】
また、図7に、実施例の複合粉体の顕微鏡写真(a)、及び、実施例の燃料極の断面の顕微鏡写真(b)を、図8に、比較例の複合粉体の顕微鏡写真(a)、及び、比較例の燃料極の断面の顕微鏡写真(b)を示す。
【0034】
図3に示すように、NiOからなる母粒子の粒子径の50%径が1.1μm程度であるのに対して、図4に示すように、YSZからなる子粒子の粒子径の50%径が、0.3μm程度であった。このことより、本実施例の複合粉体を製造するための混合粉体において、母粒子の粒子径は、子粒子の粒子径よりも大きいと言える。
【0035】
図5に示すように、実施例の複合粉体の粒子径が、10μm程度以下となっており、更に、実施例の複合粉体の粒子径の50%径が0.4μm程度と、YSZからなる子粒子の粒子径の50%径と近似した値となっていることから、実施例の複合粉体において、母粒子と子粒子との混合粉体に加圧力とせん断力とを付与して粉砕混合することで、粒子径が大きく比較的脆性な母粒子が良好に粉砕されていることがわかる。
【0036】
更に、実施例の複合粉体は、図7(a)に示すように、NiOからなる母粒子が微細化されて良好に分布していると共に、NiOからなる母粒子表面へのYSZからなる子粒子の複合化が進行し、均質、微細、且つ、均一な粒子径を有する複合粉体となっていることがわかる。例えば、実施例の複合粉体は、1μm以下の微細な母粒子表面にも子粒子が複合化されていることが確認でき、比較例の複合粉体には見られない現象であった。
【0037】
また、実施例の燃料極は、図7(b)に示すように、実施例の複合粉体において微細化された母粒子表面に良好に子粒子が被覆されていることで、Ni粒子の焼結による粒子成長を良好に抑制して、Ni粒子の微細化を達成し、Ni粒子とYSZ粒子と燃料ガスが接触する三相界面、電子の通路となるNi粒子間結合部、イオンの通路となるYSZ粒子間結合部、ガスの通路となる空隙を良好な状態に確保した電極ミクロ構造を実現することができる。
【0038】
一方、図6に示すように、比較例の複合粉体の粒子径は、50%径が0.6μm程度と、実施例の複合粉体よりも粒子径が大きいものが多く存在しており、NiOからなる母粒子が殆ど粉砕されていないことがわかる。
更に、比較例の複合粉体は、図8(a)に示すように、NiOからなる母粒子が微細化されておらず、実施例の複合粉体と比較して、NiOからなる母粒子表面へのYSZからなる子粒子の複合化が進行していないことがわかる。
【0039】
そして、比較例の燃料極は、図8(b)に示すように、比較例の複合粉体において母粒子の粒子径が大きく、更に、母粒子と子粒子との複合化があまり進行していないことで、Ni粒子が焼結による粒子成長し、上記三相界面、Ni粒子間結合部、YSZ粒子間結合部、ガスの通路を良好な状態に確保されていないことがわかる。
【0040】
実施例又は比較例の燃料極と、空気極とが形成されたSOFC用セルを用いて、800℃における発電試験を実施し、この発電試験における電流密度500
mA/cmにおける燃料極の電気化学的分極値ηをカレントインターラプション法にて求めた。尚、上記SOFC用燃料極に対する空気極は、LaSrMnOをスクリーン印刷により塗布し、それを所定焼成温度で焼成して作製した。
【0041】
尚、カレントインターラプション法とは、発電中のSOFCの電極間に流れる電流を瞬時に切断し、その時の電極間の電圧変化から、電極性能を示す電極の電気化学的分極値(過電圧)を電池内部抵抗と分離して求めるものである。即ち、発電のため、電極で生じる電気化学的反応はイオンの絡む反応であるため、電流遮断時、電極間の電圧変化は容量成分として表される。一方、電池内部抵抗は、電子が絡み、瞬時に変化する。この電圧変化をオシロスコープで監視して、電極の過電圧と内部抵抗を分離し、電気化学的分極値である電極の過電圧を、電極性能として評価することができる。従って、この分極値ηが小さいほど、高性能な電極と言える。
【0042】
実施例の燃料極及び比較例の燃料極として、混合粉体におけるYSZからなる子粒子の配合割合を38.2vol%とした複合粉体から製造したものを利用して上記のような発電試験を行った結果、比較例の燃料極の分極値ηが410mV程度であったのに対して、実施例の燃料極の分極値ηが110mV程度(図9参照)であり、実施例の燃料極の方が高性能の電極であることが確認できた。
【0043】
また、実施例の燃料極として、下記の表1に示すように、混合粉体における
YSZからなる子粒子の配合割合を変化させた実施例1〜5の燃料極を用いて、同様の発電試験を実施した。尚、表1には、参考に、各実施例1〜5の燃料極におけるNi粒子とYSZ粒子の目標体積割合も記載する。
【0044】
【表1】
Figure 2004127761
【0045】
結果、図9に示すように、混合粉体におけるYSZからなる子粒子の配合割合が21vol%以上43vol%以下の範囲内において、実施例の燃料極の分極値ηが400mV以下であり、高い電極性能を発揮していることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉体処理装置の概略立面図
【図2】粉体処理装置の概略平面図
【図3】NiOの粒子径分布を示すグラフ
【図4】YSZの粒子径分布を示すグラフ
【図5】実施例の複合粉体の粒子径分布を示すグラフ
【図6】比較例の複合粉体の粒子径分布を示すグラフ
【図7】実施例の複合粉体及び燃料極の顕微鏡写真
【図8】比較例の複合粉体及び燃料極の顕微鏡写真
【図9】実施例の燃料極におけるYSZ配合割合と電極性能との関係を示すグラフ
【符号の説明】
1:基台
2:ケーシング
3:筒状回転体
4:混合粉体
5:プレスヘッド
6:受け面
8:周壁
9:孔部
10:羽根部材

Claims (4)

  1. 金属酸化物からなる母粒子と酸素イオン伝導性を有するセラミックスからなる子粒子とを複合化して、固体酸化物形燃料電池用の燃料極材料となる複合粉体を製造する燃料極材料製造方法であって、
    前記母粒子と前記子粒子との混合粉体に加圧力とせん断力とを付与して粉砕混合しながら前記母粒子と前記子粒子とを複合化して前記複合粉体を製造することを特徴とする燃料極材料製造方法。
  2. 前記混合粉体において、前記母粒子の粒子径が前記子粒子の粒子径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の燃料極材料製造方法。
  3. 前記混合粉体において、前記子粒子の配合割合が21vol%以上43vol%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料極材料製造方法。
  4. 請求項1から3の何れかの燃料極材料製造方法で製造した前記複合粉体を焼成してなる固体酸化物形燃料電池用燃料極。
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