JP2004127163A - マルチプロセッサシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単なハードウェア構成によって不正受け付けを適切に回避し得るマルチプロセッサシステムを得る。
【解決手段】優先順位判定部23と出力部241,242との間に、比較器30及びマスクレジスタ31が追加されている。プロセッサ21が割り込み信号T1を受け付けると、プロセッサ21は、割り込み処理ルーチンの実行を開始するとともに、マスクレジスタ31の値を最大値(優先順位が最も高い値)に変更する。これにより、割り込み信号Uがキャンセルされる。即ち、割り込みフラグ信号Ua及び割り込みレベル信号Ubがクリアされる。これに伴って、割り込み信号T1,T2もクリアされる。
【選択図】 図4
【解決手段】優先順位判定部23と出力部241,242との間に、比較器30及びマスクレジスタ31が追加されている。プロセッサ21が割り込み信号T1を受け付けると、プロセッサ21は、割り込み処理ルーチンの実行を開始するとともに、マスクレジスタ31の値を最大値(優先順位が最も高い値)に変更する。これにより、割り込み信号Uがキャンセルされる。即ち、割り込みフラグ信号Ua及び割り込みレベル信号Ubがクリアされる。これに伴って、割り込み信号T1,T2もクリアされる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、マルチプロセッサシステムに関し、特に、割り込みコントローラを備えるマルチプロセッサシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来のマルチプロセッサシステムの構成を示すブロック図である。マルチプロセッサシステムは、複数のプロセッサ1011〜101n(nは2以上の整数)と、CPUバス105と、割り込みバス106と、割り込みコントローラ104とを備えている。プロセッサ1011〜101nはそれぞれ、CPUコア1021〜102nと、割り込みコントローラ1031〜103nとを備えている。
【0003】
周辺のI/O装置(図示しない)が発生した割り込み要求S1〜Sm(mは2以上の整数)は、割り込みコントローラ104に入力される。割り込みコントローラ104は、割り込み優先順位の判定やパケット生成等の処理を行った後、パケット化された割り込み要求S1〜Smを割り込みバス106に送出する。割り込みコントローラ1031〜103nは、割り込みバス106上を流れているパケットを監視し、自己宛のパケットが存在すれば、割り込みバス106からそのパケットを取り込む。その後、CPUコア1021〜102nによって割り込み処理が実行される。
【0004】
また、プロセッサ1011〜101n同士でのデータ通信等のために任意のCPUコア1021〜102nが割り込み要求を発生すると、対応する割り込みコントローラ1031〜103nは、パケットを生成して割り込みバス106に送出する。その後は上記と同様に、いずれかの割り込みコントローラ1031〜103nによってパケットが取り込まれた後、CPUコア1021〜102nによって割り込み処理が実行される。
【0005】
なお、割り込みコントローラを備えるマルチプロセッサシステムに関する技術が、特許文献1に記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−55038号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
マルチプロセッサシステムにおける割り込み処理では、あるプロセッサによって割り込み要求が受け付けられた後に、同じ割り込み要求が他のプロセッサによって受け付けられてしまうという弊害、即ち不正受け付けの弊害がある。かかる弊害を回避すべく、従来のマルチプロセッサシステムでは、不正期間をマスクするためのプログラマブルなタイマを追加するといった方式が採用されており(特開平8−55038号公報参照)、システムの構成及び動作が複雑になるという問題がある。
【0008】
本発明はかかる問題を解決するために成されたものであり、ソフトウェアの複雑な介在を伴うことなく、簡単なハードウェア構成によって不正受け付けを適切に回避し得るマルチプロセッサシステムを得ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明のうち請求項1に記載のマルチプロセッサシステムは、複数のプロセッサと、複数のプロセッサに接続された割り込みコントローラとを備え、割り込みコントローラに割り込み要求が入力された場合、割り込みコントローラは、複数のプロセッサに割り込み信号を入力し、複数のプロセッサのいずれかによって割り込み要求が受け付けられると、割り込み要求を受け付けたプロセッサは、割り込みコントローラに割り込み信号をキャンセルさせるものである。
【0010】
また、この発明のうち請求項2に記載のマルチプロセッサシステムは、請求項1に記載のマルチプロセッサシステムであって、割り込みコントローラは、いずれも複数のプロセッサによって共有された、優先度が設定されたマスクレジスタと、割り込み信号の優先度と、マスクレジスタに設定された優先度とを比較する比較器とを有し、比較器による比較の結果、割り込み信号の優先度がマスクレジスタに設定された優先度よりも高い場合に、割り込みコントローラは複数のプロセッサに割り込み信号を入力し、複数のプロセッサのいずれかによって割り込み要求が受け付けられると、割り込み要求を受け付けたプロセッサは、マスクレジスタに設定されている優先度を最大値に変更することを特徴とするものである。
【0011】
また、この発明のうち請求項3に記載のマルチプロセッサシステムは、請求項2に記載のマルチプロセッサシステムであって、割り込み要求を受け付けたプロセッサは、割り込み処理を終了すると、マスクレジスタに設定されている優先度を最小値に変更することを特徴とするものである。
【0012】
また、この発明のうち請求項4に記載のマルチプロセッサシステムは、請求項1に記載のマルチプロセッサシステムであって、割り込みコントローラは、外部からの割り込み要求の受け付けの許可又は不許可を設定するレジスタを有し、レジスタが「許可」に設定されていることを条件として、割り込みコントローラは複数のプロセッサに割り込み信号を入力し、複数のプロセッサのいずれかによって割り込み要求が受け付けられると、割り込み要求を受け付けたプロセッサからの信号に基づき、割り込みコントローラは、レジスタを「不許可」に設定することを特徴とするものである。
【0013】
また、この発明のうち請求項5に記載のマルチプロセッサシステムは、請求項4に記載のマルチプロセッサシステムであって、割り込み要求を受け付けたプロセッサは、割り込み処理を終了すると、レジスタを「許可」に設定することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るマルチプロセッサシステムの構成を示すブロック図である。LSI1は、複数のプロセッサ21〜2nと、バスインタフェースユニット(BIU)4と、割り込みコントローラ5と、タイマやシリアルI/O等のI/O装置6と、CPUバス7と、メモリ等のデバイス(図示しない)が接続された外部バス8と、I/Oバス9とを備えている。プロセッサ21〜2nはそれぞれ、CPUコア31〜3nと、キャッシュメモリ(図示しない)とを有している。
【0015】
プロセッサ21〜2n及びBIU4は、CPUバス7に接続されている。BIU4、割り込みコントローラ5、及びI/O装置6は、I/Oバス9に接続されている。BIU4は、外部バス8に接続されている。割り込みコントローラ5は、図7に示した割り込みバス106を介することなく、プロセッサ21〜2nの各々に直接に接続されている。
【0016】
BIU4は、CPUバス7上を流れる命令やデータ等の調停や、外部バス8及びI/Oバス9の制御を行う。プロセッサ21〜2nは、必要とする命令やデータが自己のキャッシュメモリ内に存在しない場合に、その命令やデータのリクエストをCPUバス7に送出する。BIU4は、プロセッサ21〜2nからCPUバス7を介して送られてくる上記リクエストの調停を行う。プロセッサ21〜2nから割り込みコントローラ5及びI/O装置6へのアクセス要求は、BIU4によって調停された後、I/Oバス9を介して割り込みコントローラ5及びI/O装置6に入力される。
【0017】
LSI1に内蔵されたI/O装置6又はLSI1の外部に接続されたI/O装置(図示しない)が発生した割り込み要求S1〜Smは、割り込みコントローラ5に入力される。割り込みコントローラ5は、各プロセッサ21〜2nに対応する割り込み信号T1〜Tnを生成する。割り込み信号T1〜Tnは、図7に示した割り込みバス106を介することなく、プロセッサ21〜2nの各々に直接に入力される。
【0018】
本発明は特に割り込みコントローラ5の構成に関するものであるが、本発明に係る割り込みコントローラ5を説明する前に、まず、本発明の前提となる割り込みコントローラの構成について説明する。
【0019】
図2は、本発明の前提となる割り込みコントローラの具体的な構成を示すブロック図である。但し、図面の簡略化のため、図2では、2個のプロセッサ21,22のみを備えるマルチプロセッサシステムを想定して、割り込みコントローラの構成を示している。割り込みコントローラは、割り込みリクエストレジスタ21と、割り込みの優先順位(優先度)に基づく優先順位判定部22と、固定されたハードウェハ構成に基づく優先順位判定部23と、プロセッサ21,22にそれぞれ対応する出力部241,242と、プロセッサ間割り込み制御レジスタ29とを備えている。出力部241は、比較器251,261と、マスクレジスタ271と、ステータスレジスタ281とを備えている。同様に出力部242は、比較器252,262と、マスクレジスタ272と、ステータスレジスタ282とを備えている。割り込みリクエストレジスタ21、マスクレジスタ271,272、ステータスレジスタ281,282、及びプロセッサ間割り込み制御レジスタ29は、図1に示したI/Oバス9に接続されており、プロセッサ21〜2nによって各レジスタの記憶内容の読み出し及び書き込みが可能である。
【0020】
図3は、図2に示した割り込みコントローラの動作を説明するためのタイミングチャートである。以下、図1〜3を参照しつつ、本発明の前提となる割り込みコントローラの動作について説明する。
【0021】
LSI1に内蔵されたI/O装置6又はLSI1の外部に接続されたI/O装置が発生した割り込み要求S1〜Sm(図3の「S」)は、時刻t1において、割り込みリクエストレジスタ21に入力される。割り込みリクエストレジスタ21は、割り込み要因ごとに存在しており、割り込み要求S1〜Smの受け付けの許可又は不許可の設定(即ち許可ビットの設定)、割り込みセンスモードの設定、各割り込み要求S1〜Smの優先順位の設定等を行う。許可ビットが「許可」に設定されていれば、割り込みリクエストレジスタ21は、割り込みセンスモードに従って割り込み要求S1〜Smを検出する。一方、許可ビットが「不許可」に設定されていれば、割り込みリクエストレジスタ21は割り込み要求S1〜Smを検出しない。ここでは、「許可」に設定されているものとする。
【0022】
割り込みリクエストレジスタ21によって検出された割り込み要求S1〜Smは、優先順位判定部22に入力される。優先順位判定部22は、各割り込み要求S1〜Smの優先順位同士を比較し、最も優先順位が高い一又は複数の割り込み要求S1〜Smを特定する。
【0023】
優先順位判定部22によって特定された一又は複数の割り込み要求S1〜Smは、優先順位判定部23に入力される。優先順位判定部23は、固定されたハードウェハ構成に基づいて、優先順位が同一レベルの割り込み要求S1〜Smの中から一の割り込み要求を選択する。時刻t2において、優先順位判定部23からは、選択された割り込み要求S1〜Smに関する割り込み信号U、具体的には割り込みフラグ信号(図3の「Ua」)と割り込みレベル信号(図3の「Ub」)とが出力される。
【0024】
割り込み信号Uは、割り込みコントローラ内の全ての出力部241,242に入力される。ステータスレジスタ281,282は、入力された割り込み信号Uの割り込み要因番号や優先順位を保持する。また、比較器251,252は、割り込みレベル信号Ubで記述されている優先順位と、マスクレジスタ271,272に設定されている優先順位とを比較する。割り込みレベル信号Ubで記述されている優先順位が、マスクレジスタ271,272に設定されている優先順位よりも高い場合、割り込み信号Uはマスクされずに、後段の比較器261,262に入力される。ここでは、割り込み信号Uはマスクされないものとする。
【0025】
プロセッサ間割り込み制御レジスタ29は、プロセッサ21,22間の割り込みを制御するレジスタである。プロセッサ間割り込み制御レジスタ29に書き込みを行うことにより、任意のプロセッサ21,22に対してプロセッサ間割り込み要求V1,V2が入力される。
【0026】
プロセッサ間割り込み制御レジスタ29からプロセッサ間割り込み要求V1,V2が入力されている場合、比較器261,262は、無条件でプロセッサ間割り込み要求V1,V2を出力する。一方、プロセッサ間割り込み制御レジスタ29からプロセッサ間割り込み要求V1,V2が入力されていない場合、比較器261,262は、比較器251,252から入力された割り込み信号Uを割り込み信号T1,T2として出力する。ここでは、時刻t3において、比較器261,262から割り込み信号T1,T2がそれぞれ出力されるものとする。
【0027】
割り込み信号T1,T2は、プロセッサ21,22にそれぞれ入力される。ここでは、時刻t4において、プロセッサ21が最も早く割り込み信号T1を受け付けたものとする。プロセッサ21によって割り込み処理ルーチンが実行され、割り込み処理ルーチンを実行する過程において(時刻t5)、プロセッサ21は割り込み要求Sをクリアする。割り込み要求Sがクリアされたことを受けて、時刻t6において割り込みフラグ信号Ua及び割り込みレベル信号Ubがクリアされ、時刻t7において割り込み信号T1,T2がクリアされる。
【0028】
ところが、以上説明した本発明の前提となる割り込みコントローラによると、時刻t4でプロセッサ21によって割り込み信号T1が受け付けられてから、時刻t7で割り込み信号T2がクリアされるまでの間に、プロセッサ22が割り込み信号T2を受け付けてしまう可能性がある。この場合、一つの割り込み信号Uに対して複数のプロセッサ21,22が割り込み処理を実行してしまうという問題が生じる。以下、かかる問題が解決された、本発明に係る割り込みコントローラ5について説明する。
【0029】
図4は、図2に対応させて、本発明の実施の形態1に係る割り込みコントローラ5の具体的な構成を示すブロック図である。優先順位判定部23と出力部241,242との間に、比較器30及びマスクレジスタ31が追加されている。マスクレジスタ31には、割り込みの優先順位が設定されている。マスクレジスタ31に設定されている優先順位は、プロセッサ21〜2nによって変更可能である。
【0030】
図5は、割り込みコントローラ5の動作を説明するためのタイミングチャートである。以下、図1,4,5を参照しつつ、割り込みコントローラ5の動作について説明する。
【0031】
上記と同様に、時刻t1において、割り込み要求Sが割り込みリクエストレジスタ21に入力される。そして、優先順位判定部22,23によって優先順位の判定が行われた後、時刻t2において、優先順位判定部23から割り込み信号Uが出力される。割り込み信号Uは比較器30に入力され、比較器30は、割り込みレベル信号Ubで記述されている優先順位と、マスクレジスタ31に設定されている優先順位とを比較する。割り込みレベル信号Ubで記述されている優先順位が、マスクレジスタ31に設定されている優先順位よりも高い場合、割り込み信号Uはマスクされずに、後段の出力部241,242に入力される。このとき、マスクレジスタ31の値は最小値(優先順位が最も低い値)に設定されており、従って、割り込み信号Uはマスクされない。その後、出力部241,242において上記と同様の処理が行われ、時刻t3において、比較器261,262から割り込み信号T1,T2がそれぞれ出力される。
【0032】
上記と同様に、時刻t4においてプロセッサ21が割り込み信号T1を受け付けたものとする。すると、プロセッサ21は、割り込み処理ルーチンの実行を開始するとともに、マスクレジスタ31の値を最大値(優先順位が最も高い値)に変更する。これにより、割り込み信号Uがキャンセルされる。即ち、時刻t4において割り込みフラグ信号Ua及び割り込みレベル信号Ubがクリアされる。これに伴って、割り込み信号T1,T2もクリアされる。プロセッサ21は、割り込み処理ルーチンを終了する際に、マスクレジスタ31の値を最小値に戻す。これにより、割り込み信号Uのキャンセルが適切に解除される。なお、時刻t5において、プロセッサ21は割り込み要求Sをクリアする。
【0033】
このように本実施の形態1に係るマルチプロセッサシステムによれば、割り込みコントローラ5に割り込み要求Sが入力された場合、割り込みコントローラ5は、全てのプロセッサ21〜2nに対して割り込み信号Tを入力する。そして、プロセッサ21〜2nのいずれかによって割り込み要求Sが受け付けられると、割り込みコントローラ5は、マスクレジスタ31の値を最大値に変更することによって、割り込み信号Tをキャンセルする。その結果、一のプロセッサ21〜2nによって割り込み要求Sが受け付けられた後に、他のプロセッサ21〜2nによって同じ割り込み要求Sが受け付けられるという事態を回避することができる。
【0034】
実施の形態2.
上記実施の形態1に係るマルチプロセッサシステムでは、一つの割り込み信号Uに対して複数のプロセッサ21,22が割り込み処理を実行してしまうという問題を、比較器30及びマスクレジスタ31を追加することによって解決した。本実施の形態2では、この問題を他の方法によって解決するマルチプロセッサシステムについて説明する。
【0035】
本実施の形態2に係る割り込みコントローラの構成は、図2に示した構成と同様である。図6は、本実施の形態2に係る割り込みコントローラの動作を説明するためのタイミングチャートである。以下、図1,2,6を参照しつつ、本実施の形態2に係る割り込みコントローラの動作について説明する。
【0036】
上記と同様に、時刻t1において、割り込み要求Sが割り込みリクエストレジスタ21に入力される。このとき、割り込みリクエストレジスタ21の許可ビット(図6の「X」)は、「許可」(=「H」)に設定されている。そして、優先順位判定部22,23によって優先順位の判定が行われた後、時刻t2において、優先順位判定部23から割り込み信号Uが出力される。その後、出力部241,242において上記と同様の処理が行われ、時刻t3において、比較器261,262から割り込み信号T1,T2がそれぞれ出力される。
【0037】
上記と同様に、時刻t4においてプロセッサ21が割り込み信号T1を受け付けたものとする。すると、プロセッサ21は、割り込み処理ルーチンの実行を開始する。また、割り込み要因を解析するために、プロセッサ21は、割り込みコントローラ5にアクセスして、割り込みコントローラ5内のレジスタ等の内容を読み出す。割り込みコントローラ5は、そのアクセスのためにプロセッサ21から入力された信号に応答して、許可ビットXを「不許可」(=「L」)に変更する。これにより、割り込み信号Uがキャンセルされる。即ち、時刻t4において割り込みフラグ信号Ua及び割り込みレベル信号Ubがクリアされる。これに伴って、割り込み信号T1,T2もクリアされる。時刻t6において、プロセッサ21は、割り込み処理ルーチンを終了する際に、許可ビットXを「許可」に戻す。これにより、割り込み信号Uのキャンセルが適切に解除される。なお、時刻t5において、プロセッサ21は割り込み要求Sをクリアする。
【0038】
このように本実施の形態2に係るマルチプロセッサシステムによれば、割り込みコントローラ5に割り込み要求Sが入力された場合、割り込みコントローラ5は、全てのプロセッサ21〜2nに対して割り込み信号Tを入力する。そして、プロセッサ21〜2nのいずれかによって割り込み要求Sが受け付けられると、割り込みコントローラ5は、許可ビットXを「不許可」に設定することによって、割り込み信号Tをキャンセルする。その結果、一のプロセッサ21〜2nによって割り込み要求Sが受け付けられた後に、他のプロセッサ21〜2nによって同じ割り込み要求Sが受け付けられるという事態を回避することができる。
【0039】
しかも、比較器30及びマスクレジスタ31の追加が不要であるため、上記実施の形態1に係るマルチプロセッサシステムと比較すると、装置構成の簡略化を図ることができる。
【0040】
【発明の効果】
この発明のうち請求項1に係るものによれば、一のプロセッサによって割り込み要求が受け付けられた後に、他のプロセッサによって同じ割り込み要求が受け付けられるという事態を回避することができる。
【0041】
また、この発明のうち請求項2に係るものによれば、マスクレジスタと比較器とを用いた簡単な構成によって、いずれかのプロセッサによって割り込み要求が受け付けられた場合に割り込み信号をキャンセルすることができる。
【0042】
また、この発明のうち請求項3に係るものによれば、割り込み信号のキャンセルを適切に解除することができる。
【0043】
また、この発明のうち請求項4に係るものによれば、マスクレジスタや比較器等のハードウェアを追加することなく、いずれかのプロセッサによって割り込み要求が受け付けられた場合に割り込み信号をキャンセルすることができる。
【0044】
また、この発明のうち請求項5に係るものによれば、割り込み信号のキャンセルを適切に解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るマルチプロセッサシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の前提となる割り込みコントローラの具体的な構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した割り込みコントローラの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に係る割り込みコントローラの具体的な構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る割り込みコントローラの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】本発明の実施の形態2に係る割り込みコントローラの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】従来のマルチプロセッサシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
21〜2n プロセッサ、5 割り込みコントローラ、30 比較器、31 マスクレジスタ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、マルチプロセッサシステムに関し、特に、割り込みコントローラを備えるマルチプロセッサシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来のマルチプロセッサシステムの構成を示すブロック図である。マルチプロセッサシステムは、複数のプロセッサ1011〜101n(nは2以上の整数)と、CPUバス105と、割り込みバス106と、割り込みコントローラ104とを備えている。プロセッサ1011〜101nはそれぞれ、CPUコア1021〜102nと、割り込みコントローラ1031〜103nとを備えている。
【0003】
周辺のI/O装置(図示しない)が発生した割り込み要求S1〜Sm(mは2以上の整数)は、割り込みコントローラ104に入力される。割り込みコントローラ104は、割り込み優先順位の判定やパケット生成等の処理を行った後、パケット化された割り込み要求S1〜Smを割り込みバス106に送出する。割り込みコントローラ1031〜103nは、割り込みバス106上を流れているパケットを監視し、自己宛のパケットが存在すれば、割り込みバス106からそのパケットを取り込む。その後、CPUコア1021〜102nによって割り込み処理が実行される。
【0004】
また、プロセッサ1011〜101n同士でのデータ通信等のために任意のCPUコア1021〜102nが割り込み要求を発生すると、対応する割り込みコントローラ1031〜103nは、パケットを生成して割り込みバス106に送出する。その後は上記と同様に、いずれかの割り込みコントローラ1031〜103nによってパケットが取り込まれた後、CPUコア1021〜102nによって割り込み処理が実行される。
【0005】
なお、割り込みコントローラを備えるマルチプロセッサシステムに関する技術が、特許文献1に記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−55038号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
マルチプロセッサシステムにおける割り込み処理では、あるプロセッサによって割り込み要求が受け付けられた後に、同じ割り込み要求が他のプロセッサによって受け付けられてしまうという弊害、即ち不正受け付けの弊害がある。かかる弊害を回避すべく、従来のマルチプロセッサシステムでは、不正期間をマスクするためのプログラマブルなタイマを追加するといった方式が採用されており(特開平8−55038号公報参照)、システムの構成及び動作が複雑になるという問題がある。
【0008】
本発明はかかる問題を解決するために成されたものであり、ソフトウェアの複雑な介在を伴うことなく、簡単なハードウェア構成によって不正受け付けを適切に回避し得るマルチプロセッサシステムを得ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明のうち請求項1に記載のマルチプロセッサシステムは、複数のプロセッサと、複数のプロセッサに接続された割り込みコントローラとを備え、割り込みコントローラに割り込み要求が入力された場合、割り込みコントローラは、複数のプロセッサに割り込み信号を入力し、複数のプロセッサのいずれかによって割り込み要求が受け付けられると、割り込み要求を受け付けたプロセッサは、割り込みコントローラに割り込み信号をキャンセルさせるものである。
【0010】
また、この発明のうち請求項2に記載のマルチプロセッサシステムは、請求項1に記載のマルチプロセッサシステムであって、割り込みコントローラは、いずれも複数のプロセッサによって共有された、優先度が設定されたマスクレジスタと、割り込み信号の優先度と、マスクレジスタに設定された優先度とを比較する比較器とを有し、比較器による比較の結果、割り込み信号の優先度がマスクレジスタに設定された優先度よりも高い場合に、割り込みコントローラは複数のプロセッサに割り込み信号を入力し、複数のプロセッサのいずれかによって割り込み要求が受け付けられると、割り込み要求を受け付けたプロセッサは、マスクレジスタに設定されている優先度を最大値に変更することを特徴とするものである。
【0011】
また、この発明のうち請求項3に記載のマルチプロセッサシステムは、請求項2に記載のマルチプロセッサシステムであって、割り込み要求を受け付けたプロセッサは、割り込み処理を終了すると、マスクレジスタに設定されている優先度を最小値に変更することを特徴とするものである。
【0012】
また、この発明のうち請求項4に記載のマルチプロセッサシステムは、請求項1に記載のマルチプロセッサシステムであって、割り込みコントローラは、外部からの割り込み要求の受け付けの許可又は不許可を設定するレジスタを有し、レジスタが「許可」に設定されていることを条件として、割り込みコントローラは複数のプロセッサに割り込み信号を入力し、複数のプロセッサのいずれかによって割り込み要求が受け付けられると、割り込み要求を受け付けたプロセッサからの信号に基づき、割り込みコントローラは、レジスタを「不許可」に設定することを特徴とするものである。
【0013】
また、この発明のうち請求項5に記載のマルチプロセッサシステムは、請求項4に記載のマルチプロセッサシステムであって、割り込み要求を受け付けたプロセッサは、割り込み処理を終了すると、レジスタを「許可」に設定することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るマルチプロセッサシステムの構成を示すブロック図である。LSI1は、複数のプロセッサ21〜2nと、バスインタフェースユニット(BIU)4と、割り込みコントローラ5と、タイマやシリアルI/O等のI/O装置6と、CPUバス7と、メモリ等のデバイス(図示しない)が接続された外部バス8と、I/Oバス9とを備えている。プロセッサ21〜2nはそれぞれ、CPUコア31〜3nと、キャッシュメモリ(図示しない)とを有している。
【0015】
プロセッサ21〜2n及びBIU4は、CPUバス7に接続されている。BIU4、割り込みコントローラ5、及びI/O装置6は、I/Oバス9に接続されている。BIU4は、外部バス8に接続されている。割り込みコントローラ5は、図7に示した割り込みバス106を介することなく、プロセッサ21〜2nの各々に直接に接続されている。
【0016】
BIU4は、CPUバス7上を流れる命令やデータ等の調停や、外部バス8及びI/Oバス9の制御を行う。プロセッサ21〜2nは、必要とする命令やデータが自己のキャッシュメモリ内に存在しない場合に、その命令やデータのリクエストをCPUバス7に送出する。BIU4は、プロセッサ21〜2nからCPUバス7を介して送られてくる上記リクエストの調停を行う。プロセッサ21〜2nから割り込みコントローラ5及びI/O装置6へのアクセス要求は、BIU4によって調停された後、I/Oバス9を介して割り込みコントローラ5及びI/O装置6に入力される。
【0017】
LSI1に内蔵されたI/O装置6又はLSI1の外部に接続されたI/O装置(図示しない)が発生した割り込み要求S1〜Smは、割り込みコントローラ5に入力される。割り込みコントローラ5は、各プロセッサ21〜2nに対応する割り込み信号T1〜Tnを生成する。割り込み信号T1〜Tnは、図7に示した割り込みバス106を介することなく、プロセッサ21〜2nの各々に直接に入力される。
【0018】
本発明は特に割り込みコントローラ5の構成に関するものであるが、本発明に係る割り込みコントローラ5を説明する前に、まず、本発明の前提となる割り込みコントローラの構成について説明する。
【0019】
図2は、本発明の前提となる割り込みコントローラの具体的な構成を示すブロック図である。但し、図面の簡略化のため、図2では、2個のプロセッサ21,22のみを備えるマルチプロセッサシステムを想定して、割り込みコントローラの構成を示している。割り込みコントローラは、割り込みリクエストレジスタ21と、割り込みの優先順位(優先度)に基づく優先順位判定部22と、固定されたハードウェハ構成に基づく優先順位判定部23と、プロセッサ21,22にそれぞれ対応する出力部241,242と、プロセッサ間割り込み制御レジスタ29とを備えている。出力部241は、比較器251,261と、マスクレジスタ271と、ステータスレジスタ281とを備えている。同様に出力部242は、比較器252,262と、マスクレジスタ272と、ステータスレジスタ282とを備えている。割り込みリクエストレジスタ21、マスクレジスタ271,272、ステータスレジスタ281,282、及びプロセッサ間割り込み制御レジスタ29は、図1に示したI/Oバス9に接続されており、プロセッサ21〜2nによって各レジスタの記憶内容の読み出し及び書き込みが可能である。
【0020】
図3は、図2に示した割り込みコントローラの動作を説明するためのタイミングチャートである。以下、図1〜3を参照しつつ、本発明の前提となる割り込みコントローラの動作について説明する。
【0021】
LSI1に内蔵されたI/O装置6又はLSI1の外部に接続されたI/O装置が発生した割り込み要求S1〜Sm(図3の「S」)は、時刻t1において、割り込みリクエストレジスタ21に入力される。割り込みリクエストレジスタ21は、割り込み要因ごとに存在しており、割り込み要求S1〜Smの受け付けの許可又は不許可の設定(即ち許可ビットの設定)、割り込みセンスモードの設定、各割り込み要求S1〜Smの優先順位の設定等を行う。許可ビットが「許可」に設定されていれば、割り込みリクエストレジスタ21は、割り込みセンスモードに従って割り込み要求S1〜Smを検出する。一方、許可ビットが「不許可」に設定されていれば、割り込みリクエストレジスタ21は割り込み要求S1〜Smを検出しない。ここでは、「許可」に設定されているものとする。
【0022】
割り込みリクエストレジスタ21によって検出された割り込み要求S1〜Smは、優先順位判定部22に入力される。優先順位判定部22は、各割り込み要求S1〜Smの優先順位同士を比較し、最も優先順位が高い一又は複数の割り込み要求S1〜Smを特定する。
【0023】
優先順位判定部22によって特定された一又は複数の割り込み要求S1〜Smは、優先順位判定部23に入力される。優先順位判定部23は、固定されたハードウェハ構成に基づいて、優先順位が同一レベルの割り込み要求S1〜Smの中から一の割り込み要求を選択する。時刻t2において、優先順位判定部23からは、選択された割り込み要求S1〜Smに関する割り込み信号U、具体的には割り込みフラグ信号(図3の「Ua」)と割り込みレベル信号(図3の「Ub」)とが出力される。
【0024】
割り込み信号Uは、割り込みコントローラ内の全ての出力部241,242に入力される。ステータスレジスタ281,282は、入力された割り込み信号Uの割り込み要因番号や優先順位を保持する。また、比較器251,252は、割り込みレベル信号Ubで記述されている優先順位と、マスクレジスタ271,272に設定されている優先順位とを比較する。割り込みレベル信号Ubで記述されている優先順位が、マスクレジスタ271,272に設定されている優先順位よりも高い場合、割り込み信号Uはマスクされずに、後段の比較器261,262に入力される。ここでは、割り込み信号Uはマスクされないものとする。
【0025】
プロセッサ間割り込み制御レジスタ29は、プロセッサ21,22間の割り込みを制御するレジスタである。プロセッサ間割り込み制御レジスタ29に書き込みを行うことにより、任意のプロセッサ21,22に対してプロセッサ間割り込み要求V1,V2が入力される。
【0026】
プロセッサ間割り込み制御レジスタ29からプロセッサ間割り込み要求V1,V2が入力されている場合、比較器261,262は、無条件でプロセッサ間割り込み要求V1,V2を出力する。一方、プロセッサ間割り込み制御レジスタ29からプロセッサ間割り込み要求V1,V2が入力されていない場合、比較器261,262は、比較器251,252から入力された割り込み信号Uを割り込み信号T1,T2として出力する。ここでは、時刻t3において、比較器261,262から割り込み信号T1,T2がそれぞれ出力されるものとする。
【0027】
割り込み信号T1,T2は、プロセッサ21,22にそれぞれ入力される。ここでは、時刻t4において、プロセッサ21が最も早く割り込み信号T1を受け付けたものとする。プロセッサ21によって割り込み処理ルーチンが実行され、割り込み処理ルーチンを実行する過程において(時刻t5)、プロセッサ21は割り込み要求Sをクリアする。割り込み要求Sがクリアされたことを受けて、時刻t6において割り込みフラグ信号Ua及び割り込みレベル信号Ubがクリアされ、時刻t7において割り込み信号T1,T2がクリアされる。
【0028】
ところが、以上説明した本発明の前提となる割り込みコントローラによると、時刻t4でプロセッサ21によって割り込み信号T1が受け付けられてから、時刻t7で割り込み信号T2がクリアされるまでの間に、プロセッサ22が割り込み信号T2を受け付けてしまう可能性がある。この場合、一つの割り込み信号Uに対して複数のプロセッサ21,22が割り込み処理を実行してしまうという問題が生じる。以下、かかる問題が解決された、本発明に係る割り込みコントローラ5について説明する。
【0029】
図4は、図2に対応させて、本発明の実施の形態1に係る割り込みコントローラ5の具体的な構成を示すブロック図である。優先順位判定部23と出力部241,242との間に、比較器30及びマスクレジスタ31が追加されている。マスクレジスタ31には、割り込みの優先順位が設定されている。マスクレジスタ31に設定されている優先順位は、プロセッサ21〜2nによって変更可能である。
【0030】
図5は、割り込みコントローラ5の動作を説明するためのタイミングチャートである。以下、図1,4,5を参照しつつ、割り込みコントローラ5の動作について説明する。
【0031】
上記と同様に、時刻t1において、割り込み要求Sが割り込みリクエストレジスタ21に入力される。そして、優先順位判定部22,23によって優先順位の判定が行われた後、時刻t2において、優先順位判定部23から割り込み信号Uが出力される。割り込み信号Uは比較器30に入力され、比較器30は、割り込みレベル信号Ubで記述されている優先順位と、マスクレジスタ31に設定されている優先順位とを比較する。割り込みレベル信号Ubで記述されている優先順位が、マスクレジスタ31に設定されている優先順位よりも高い場合、割り込み信号Uはマスクされずに、後段の出力部241,242に入力される。このとき、マスクレジスタ31の値は最小値(優先順位が最も低い値)に設定されており、従って、割り込み信号Uはマスクされない。その後、出力部241,242において上記と同様の処理が行われ、時刻t3において、比較器261,262から割り込み信号T1,T2がそれぞれ出力される。
【0032】
上記と同様に、時刻t4においてプロセッサ21が割り込み信号T1を受け付けたものとする。すると、プロセッサ21は、割り込み処理ルーチンの実行を開始するとともに、マスクレジスタ31の値を最大値(優先順位が最も高い値)に変更する。これにより、割り込み信号Uがキャンセルされる。即ち、時刻t4において割り込みフラグ信号Ua及び割り込みレベル信号Ubがクリアされる。これに伴って、割り込み信号T1,T2もクリアされる。プロセッサ21は、割り込み処理ルーチンを終了する際に、マスクレジスタ31の値を最小値に戻す。これにより、割り込み信号Uのキャンセルが適切に解除される。なお、時刻t5において、プロセッサ21は割り込み要求Sをクリアする。
【0033】
このように本実施の形態1に係るマルチプロセッサシステムによれば、割り込みコントローラ5に割り込み要求Sが入力された場合、割り込みコントローラ5は、全てのプロセッサ21〜2nに対して割り込み信号Tを入力する。そして、プロセッサ21〜2nのいずれかによって割り込み要求Sが受け付けられると、割り込みコントローラ5は、マスクレジスタ31の値を最大値に変更することによって、割り込み信号Tをキャンセルする。その結果、一のプロセッサ21〜2nによって割り込み要求Sが受け付けられた後に、他のプロセッサ21〜2nによって同じ割り込み要求Sが受け付けられるという事態を回避することができる。
【0034】
実施の形態2.
上記実施の形態1に係るマルチプロセッサシステムでは、一つの割り込み信号Uに対して複数のプロセッサ21,22が割り込み処理を実行してしまうという問題を、比較器30及びマスクレジスタ31を追加することによって解決した。本実施の形態2では、この問題を他の方法によって解決するマルチプロセッサシステムについて説明する。
【0035】
本実施の形態2に係る割り込みコントローラの構成は、図2に示した構成と同様である。図6は、本実施の形態2に係る割り込みコントローラの動作を説明するためのタイミングチャートである。以下、図1,2,6を参照しつつ、本実施の形態2に係る割り込みコントローラの動作について説明する。
【0036】
上記と同様に、時刻t1において、割り込み要求Sが割り込みリクエストレジスタ21に入力される。このとき、割り込みリクエストレジスタ21の許可ビット(図6の「X」)は、「許可」(=「H」)に設定されている。そして、優先順位判定部22,23によって優先順位の判定が行われた後、時刻t2において、優先順位判定部23から割り込み信号Uが出力される。その後、出力部241,242において上記と同様の処理が行われ、時刻t3において、比較器261,262から割り込み信号T1,T2がそれぞれ出力される。
【0037】
上記と同様に、時刻t4においてプロセッサ21が割り込み信号T1を受け付けたものとする。すると、プロセッサ21は、割り込み処理ルーチンの実行を開始する。また、割り込み要因を解析するために、プロセッサ21は、割り込みコントローラ5にアクセスして、割り込みコントローラ5内のレジスタ等の内容を読み出す。割り込みコントローラ5は、そのアクセスのためにプロセッサ21から入力された信号に応答して、許可ビットXを「不許可」(=「L」)に変更する。これにより、割り込み信号Uがキャンセルされる。即ち、時刻t4において割り込みフラグ信号Ua及び割り込みレベル信号Ubがクリアされる。これに伴って、割り込み信号T1,T2もクリアされる。時刻t6において、プロセッサ21は、割り込み処理ルーチンを終了する際に、許可ビットXを「許可」に戻す。これにより、割り込み信号Uのキャンセルが適切に解除される。なお、時刻t5において、プロセッサ21は割り込み要求Sをクリアする。
【0038】
このように本実施の形態2に係るマルチプロセッサシステムによれば、割り込みコントローラ5に割り込み要求Sが入力された場合、割り込みコントローラ5は、全てのプロセッサ21〜2nに対して割り込み信号Tを入力する。そして、プロセッサ21〜2nのいずれかによって割り込み要求Sが受け付けられると、割り込みコントローラ5は、許可ビットXを「不許可」に設定することによって、割り込み信号Tをキャンセルする。その結果、一のプロセッサ21〜2nによって割り込み要求Sが受け付けられた後に、他のプロセッサ21〜2nによって同じ割り込み要求Sが受け付けられるという事態を回避することができる。
【0039】
しかも、比較器30及びマスクレジスタ31の追加が不要であるため、上記実施の形態1に係るマルチプロセッサシステムと比較すると、装置構成の簡略化を図ることができる。
【0040】
【発明の効果】
この発明のうち請求項1に係るものによれば、一のプロセッサによって割り込み要求が受け付けられた後に、他のプロセッサによって同じ割り込み要求が受け付けられるという事態を回避することができる。
【0041】
また、この発明のうち請求項2に係るものによれば、マスクレジスタと比較器とを用いた簡単な構成によって、いずれかのプロセッサによって割り込み要求が受け付けられた場合に割り込み信号をキャンセルすることができる。
【0042】
また、この発明のうち請求項3に係るものによれば、割り込み信号のキャンセルを適切に解除することができる。
【0043】
また、この発明のうち請求項4に係るものによれば、マスクレジスタや比較器等のハードウェアを追加することなく、いずれかのプロセッサによって割り込み要求が受け付けられた場合に割り込み信号をキャンセルすることができる。
【0044】
また、この発明のうち請求項5に係るものによれば、割り込み信号のキャンセルを適切に解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るマルチプロセッサシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の前提となる割り込みコントローラの具体的な構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した割り込みコントローラの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に係る割り込みコントローラの具体的な構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る割り込みコントローラの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】本発明の実施の形態2に係る割り込みコントローラの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】従来のマルチプロセッサシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
21〜2n プロセッサ、5 割り込みコントローラ、30 比較器、31 マスクレジスタ。
Claims (5)
- 複数のプロセッサと、
前記複数のプロセッサに接続された割り込みコントローラと
を備え、
前記割り込みコントローラに割り込み要求が入力された場合、前記割り込みコントローラは、前記複数のプロセッサに割り込み信号を入力し、
前記複数のプロセッサのいずれかによって前記割り込み要求が受け付けられると、前記割り込み要求を受け付けた前記プロセッサは、前記割り込みコントローラに前記割り込み信号をキャンセルさせる、マルチプロセッサシステム。 - 前記割り込みコントローラは、
いずれも前記複数のプロセッサによって共有された、
優先度が設定されたマスクレジスタと、
前記割り込み信号の優先度と、前記マスクレジスタに設定された優先度とを比較する比較器と
を有し、
前記比較器による比較の結果、前記割り込み信号の優先度が前記マスクレジスタに設定された優先度よりも高い場合に、前記割り込みコントローラは前記複数のプロセッサに前記割り込み信号を入力し、
前記複数のプロセッサのいずれかによって前記割り込み要求が受け付けられると、前記割り込み要求を受け付けた前記プロセッサは、前記マスクレジスタに設定されている優先度を最大値に変更する、請求項1に記載のマルチプロセッサシステム。 - 前記割り込み要求を受け付けた前記プロセッサは、割り込み処理を終了すると、前記マスクレジスタに設定されている優先度を最小値に変更する、請求項2に記載のマルチプロセッサシステム。
- 前記割り込みコントローラは、外部からの前記割り込み要求の受け付けの許可又は不許可を設定するレジスタを有し、
前記レジスタが「許可」に設定されていることを条件として、前記割り込みコントローラは前記複数のプロセッサに前記割り込み信号を入力し、
前記複数のプロセッサのいずれかによって前記割り込み要求が受け付けられると、前記割り込み要求を受け付けたプロセッサからの信号に基づき、前記割り込みコントローラは、前記レジスタを「不許可」に設定する、請求項1に記載のマルチプロセッサシステム。 - 前記割り込み要求を受け付けた前記プロセッサは、割り込み処理を終了すると、前記レジスタを「許可」に設定する、請求項4に記載のマルチプロセッサシステム。
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