JP2004126569A - 非コンベンショナルネガ用確認および検出手段 - Google Patents

Abstract

【課題】　現像処理された感光性媒体がデジタル走査専用であるか否か簡単に確認できる感光性媒体の提供。
【解決手段】　プリントおよび／または表示する前に、特定のアルゴリズムに従って、画像をデジタル走査しそしてデジタル操作するよう設計されている、画像を有する処理された感光性媒体であって、該媒体が、プリントおよび／または表示のために、走査されそして該アルゴリズムに従ってデジタル操作されるよう設計されていることを指示する印しを直接的に関連付けて有する感光性媒体。
【選択図】　　　なし

Description

　本発明は一般に現像工業に関し、さらに詳しくは、現像されたネガから粗悪なおよび受け入れられない製品（例えばプリント物）を作る可能性を最小化しようとする方法および装置に関する。

　写真工業には、現在、非コンベンショナルフィルムおよび現像処理が存在し、それは現像時間の短縮というような有利な理由により用いられている。

　コンベンショナル光学プリント処理では、増感プリントペーパーがネガを通して見える光源によって露光される。この方法は、ネガフィルムの乳剤、その現像処理、およびプリントペーパー上の塗膜に設計されている極めて特定の露光反応曲線に依存しており、その結果、ネガ、プリントペーパーおよび光源の組み合わせが撮影された源場面の描写に忠実なプリント物を作る。従って、全ての処理は、特にネガの現像に密着した関係になければならない。

　デジタルプリント方法および装置の出現によって、プリント段階での非常に大きな制御が可能である。その結果、このことはコンベンショナルフィルムおよびコンベンショナル現像処理からの逸脱を可能にした。この可能性によって、現像されたフィルムを走査して、画像情報を電子形態に変換し、そして例えばプリント物を作るという最終行為は別個に行なわれる。その間に、デジタルデータとして表わされた画像情報によって、非コンベンショナルフィルムおよび／または現像の結果に対して画像を修正することができる。これらの方法では、現像されるネガは「走査専用」とみなされる。何故ならば、引き続いてプリント物がコンベンショナル光学プリント方法によって作られる場合、粗悪なまたは受け入れられないものを作るからである。そのような劣った結果は消費者にとって失望の原因となる。消費者はそのようなプリント物をおそらく受け入れないであろう。さらに、その製品提供者にとっては時間と材料の浪費という結果になる。

　従って、そのような走査専用のネガを簡単に確認して、それから光学的にプリントすることを避ける必要がある。

　本発明の一つの態様に従えば、プリントおよび／または表示する前に、特定のアルゴリズムに従って、画像をデジタル走査しそしてデジタル操作するよう設計されている、画像を有する処理された感光性媒体であって、該媒体が、プリントおよび／または表示のために、走査されそして該アルゴリズムに従ってデジタル操作されるよう設計されていることを指示する印しを直接的に関連付けて有する感光性媒体が提供される。

　本発明の別の態様に従えば、処理された感光性媒体を走査することによって得られる画像をプリントおよび／または表示するための方法が提供され、該方法は、該感光性媒体を自動的に分析して、該媒体が非定型現像系に従って処理されたという情報があるかどうか決定すること、該情報がある場合、該感光性媒体を走査して、その上に提供された該画像のデジタル記録を得ること、該媒体が非定型現像系に従って処理されたことが分かった場合、あらかじめ決められたアルゴリズムに従って該デジタル記録を操作すること、該アルゴリズムに従って操作された該デジタル画像をプリントおよび／または表示することからなる工程を含んでなる。

　本発明のさらに別の態様に従えば、画像を有する感光性媒体を走査して得られる画像をプリントまたは表示するための方法が提供され、該方法は、該感光性媒体を自動的に分析して、該感光性媒体が光学的プリントに対して適当でないような非定型現像系に従って処理されたかどうか決定すること、該感光性媒体を走査して、該画像のデジタル記録を得ること、得られた画像を通常の条件でプリントまたは表示することができるような非定型現像系に従って該画像が処理されている場合、該デジタル記録にアルゴリズムを適用することからなる工程を含んでなる。

　本発明のこれらのおよび他の態様、目的、特徴および利点は、好ましい態様および特許請求の範囲につての以下の詳細な説明を検討し、そして添付図面を参照することによってさらに明瞭に理解されるであろう。

　以下に、添付図面を参照して、本発明の好ましい態様について詳細に説明する。
　非コンベンショナルフィルムまたはコンベンショナルフィルムの非コンベンショナル現像は、得られるネガの濃度にコンベンショナルフィルムおよび処理と違いを生じる場合がある。図１は、コンベンショナルＣ−４１フィルム（イーストマンコダック社製）および非コンベンショナルＱＤ２１フィルム（コニカ社製）現像処理に対して得られた濃度曲線を比較する代表的なグラフである。デジタルプリント方法を用いる場合、非コンベンショナル現像ネガの濃度応答はコンベンショナル曲線に調和するように自動的に調節することができ、その結果、これら異なって処理されたネガから作られたプリント物がその後同じように見える。これは、現像された非コンベンショナルフィルムの特性を知ること、そのフィルムを走査してフィルム上の画像のデジタル記録を得ること、およびデジタル走査画像を操作するように設計されたアルゴリズムを用いて所望の結果を得ることによってすることができる。フィルムを現像してフィルム上に潜像から画像を得る場合、そのフィルムの初期特徴（例えば、フィルムが走査専用型であるかとかフィルムが特定の型とか）は知られている。

　この方法論は、デジタルプリント装置の全ての型、例えばＣＲＴプリンター、および例えばレーザーおよびインクジェット色素／顔料／ワックス処理、感熱色素昇華、ならびにトナー溶融電子写真のような増感紙を使用しない装置に用いることができる。

　しかしながら、写真消費者が彼等のネガから追加のリプリント物を作ってもらうことを後で決定する場合、例えば目視観察またはＤＸコード読み取りのような標準技術では、これら走査専用ネガをコンベンショナルネガから容易に区別することができない。本発明は、フィルムネガを作るために用いられたフィルムおよび／または現像処理の型の表示を提供し、そしてその画像を操作するのに必要な適当なアルゴリズムを特定するために用いることができる各種の方法を開示する。

　本発明の好ましい態様では、露光されたフィルムを現像する機構が、現像されたフィルムが走査専用フィルムであることを確認するための確認サービスもまた提供する。これは、フィルムまたはフィルム含有カセット上に、例えば記号、ステッカー、着色、露光部または説明文（しかし、これらに限定はされない）からなる印しを用意することによって達成される。

　図３，４，５−ａおよび５−ｂは、本発明に従ってそのフィルムを走査専用フィルムとして確認するための人が観察できる各種の手段を例示している。図３は、フィルムカセット１２の側面上のステッカー１８の配置を示している。カセット１２へのステッカー１８の配置は、フォトフィニッシャーによってほとんど常に見られる場所であるが故に有利である。図４は、Ｃ−４１処理指示領域２２の上方の点線の外形線２０によって指示された長方形のところでカセット１２の上面に置くことができるステッカー１４を示している。

　図５−ａは、カセットラベル２６のメモ領域にデジタル処理ネガとして内容を確認する説明文である薄い灰色の押印２４を示す。インクの不透明度の水準は当該ラベル上の本来の記号を分かり難くせず、そしてそのインクの明るさはその領域にまだメモ記入を可能にする。類似の態様で、図５−ｂはカセットラベル２６の同じメモ領域で説明文を確認することの応用を示し、それは文字が輪郭線形状２８であり、図５−ａの態様と同じ利益を与える。

　印し位置の他の態様は、ネガの保護スリーブ上、インデックスプリント上、または外装材上を含む。表示は、カセット、保護スリーブ、または外装材のいずれの容器に対しても独特の着色であることができる。

　別の態様では、走査専用現像フィルムの着色またはコーティングが表示を提供する。好ましくは、走査専用フィルムを紫外線または赤外線に不透明にするために、紫外または赤外範囲で光を吸収する着色剤を適用することができる。フィルムが走査専用フィルムであることを確認するために、この人の目には見えない記号を後で検知するための適当な検知装置が必要である。図６−ａによって例示される態様中の検知装置３１は、照明装置３２、照明装置３２の光の波長に感受性である検出器３４、および介入を開始するために例えば光学的プリントを防ぐため、そして／または人の目に見える表示を提供するための制御器３６を含む。検知器は光学的プリンター（図示されていない）内に用意されている。現像されたフィルム３０が定位置にある場合、通常は照明装置３２に電流を流す。非着色のコンベンショナルフィルム３０は照明装置の光線６２を通過させ、その結果検出器３４が「オン」状態になる。これは制御器３６を作動させ、その結果、プリント装置機構をその通常の方法で運転可能にして、例えば、写真媒体（例えば写真印画紙）をそのフィルムを通過した光に露光させる。加えて、その制御器は、また、通常のプリント操作を表示する、人による観察３８を目的とした人の目に見える表示器４２に電流を流すこともできる。

　フィルム３０が非コンベンショナルであり、従って前述したように着色されている場合については、図６−ｂを参照して、照明装置からの光線６２は通過せずに、そして検出器３４は「オフ」状態であり、制御器３６に作動信号を出さない。従って、この条件では、プリンターはフィルムの光学的プリントをしないであろう。しかしながら、そのフィルムを光学的にプリントすることができないと自動的に決定されると、そのフィルムを適当に用意されたデジタルスキャナーによって走査することができ、得られたコードまたは同定によって決定されているように、そのフィルムに対する適当なアルゴリズムに従って画像を操作し、そしてその画像をプリントするために別個にまたは任意に用意されたデジタルプリンターに送られる。

　図６−ａおよび６−ｂの例の対応する状態は任意に選択され、プリント装置の要求に適した如何なる組み合わせであってもよい。入手可能な小直径部品の経済的な使用を可能にするために、この態様の実施は少なくとも一つの例えばレンズのような光学的要素を光線経路に置いて、ネガを通過する露光枠の主寸法に照明装置からの光線の直径を調和させることが必要である。これにより、その枠の中の何処でもフィルムを通過する全ての光が検出器に向かうことを確実にする。図６−ａでは、例えば、レンズ６０が如何なる通過光６２も照明装置３２から検出器３４へ屈折させる。

　図６−ｃは、走査専用フィルムが本発明に従って光学的プリントに提供された場合の別の検知態様を例示する。この態様では、同じ様に用いられる前述したような紫外線または赤外線を吸収する着色剤を使用するが、しかし、検知装置は如何なる光学的要素も必要としない。この態様では、照明装置３２および検出器３４は、検出器３４がフィルム３０からの照明装置からの光線４０の直接入射反射光を受けるように配置されている。着色された非コンベンショナルネガは、検出器３４を「オフ」状態に保つに十分な光を吸収する。着色されていないコンベンショナルネガは反射を可能にする。これにより、図６−ａおよび６−ｂに関して記載したと同じように二つの状態を提供する。

　本発明の別の態様では、フィルムが非コンベンショナルフィルムであるという印しまたは他の通知が用意されないかも知れない。例えば、フィルムは前走査工程を経ることができ、そして画像は分析される。例えば、これに限定されないが、走査された画像のヒストグラムを作ることができる。そのヒストグラムの結果を見ることによって、そのフィルムが異なった型の操作を必要とするかも知れない非コンベンショナル媒体であるかどうか容易に決定することができる。

　走査専用フィルムに人の目に見える表示を用意することは、他にも利点であることができ、例えば、コンベンショナルおよび非コンベンショナルネガのマニュアル分離を可能にする。従って、図７に示した別の態様では、着色剤は人の目に見える着色剤である。例えば、紫外線を吸収して目に見える発光をする蛍光性の色素を用いることができ、従って、紫外線発光照明装置３２によって照明されると、観察者３８に対して淡いグローを出す。この印しは他の方法では顕在化する。自動化は可視光検出およびプリンター制御のための装置によって従前通り用意することができる。蛍光性色素の例はフォルホワイト（Phorwhite）ＰおよびフォルホワイトＲＥＵがあり、両者とも紙処理で光沢剤として用いられている。

　これらの着色剤が水溶性である場合、それらは、最後の処理溶液に、即ち、一般的にはフィルム現像装置（露光されたフィルムを現像するために用いられる一般的フィルム処理）の水洗容器に添加することができ、それによって処理されるフィルムを均一に着色することができる。その処理が走査専用フィルムを作るのみの場合、これは有用である。その処理が同様に光学的ネガを作るためにも用いられるならば、それなら、光学的に適合性のない処理フィルムにのみその水溶性色素を噴霧することができ、従って、一つの処理系列に走査専用ネガに選択的に印しを用意する能力を与える。

　別の態様では、通常の光で目に見える着色剤／色素／染料を、例えば走査専用として確認するためのフィルムの縁に沿って適用することが可能であり、そしてここに開示するが、しかし、この方法は例えばフレームナンバー、フィルム感度、フィルム型等のような製造者の符号を分かり難くする場合があるので好ましくない。

　１３５ｍｍストリップフィルム用に人の目に見える表示を提供する別の態様では、図８を参照して、現像装置の光を通さない部分にある光源４６の手段によって、現像４８の直前にフィルム３０の側面に沿ってパーフォレーション５２を通ってイントラック方向に細い直線の露光５０によって印しを形成することができる。その光源４６は、現像進路に沿ってフィルムストリップを運ぶ際に、該パーフォレーションの横方向中央に焦点を合わせている。例えば、赤色ＬＥＤ（発光ダイオード）４６に電気を流して、フィルム３０の現像４８の後でシアンライン５４を作る。

　ＡＰＳ（アドバンスドフォトシステム）フィルム用の別の態様では、後の処理決定のために、磁性塗布層に書き込むことによって機械読み取り確認を提供することができる。図９に示したように、リーダー末端５８の近くに、この目的に適した二つの位置５６がある。

　別の態様では、フォトフィニッシャーは表示器を視野の中へ動かすことのみ必要である場合がある。これは製造者によってフィルムカセット中に設計されている。図２は一つのそのような型の機構の例示であり、ＡＰＳシステムによって状態表示のために用いられている。

　これらの別法で処理されたネガを確認する理由は光学的にプリントを作成するという回復できない間違いを防ぐためであるから、どの特定の非コンベンショナルフィルムおよび／または現像処理を用いたか確認するよりはむしろ、印しは「走査専用」、「デジタルプリント専用」、「デジタル専用」、または単に「デジタル」と簡単に意味するかまたは示すようになるのがよい。

　本発明から逸脱せずに各種の修正および変更をすることができ、本発明は特許請求の範囲によって定義されることは理解されるべきである。

二つの異なったフィルムの現像処理について比較するグラフである。 ＡＰＳフィルム系用のフィルムカセットについて従来技術を説明する図である。 本発明の態様の一つを説明する図である。 本発明の別の態様を説明する図である。 本発明のさらに別の態様を説明する図である。 本発明のさらに別の態様を説明する図である。 作動状態での透過態様を説明する図である。 図６−ａに示した態様において、照明光線が吸収によって妨げられた場合を説明する図である。 照明装置に電気を流し、コンベンショナルフィルムを設置した際の反射態様を説明する図である。 照明装置に電気を流し、グロー効果を生ずるように操作した際の態様を説明する図である。 １３５ｍｍストリップフィルムに印しを付けることができる位置を説明する図である。 ＡＰＳフォーマットネガに磁性印しを付けることができる位置を説明する図である。

符号の説明

１２…フィルムカセットの側面図
１４…ステッカー（長型）
１６…フィルムカセットの前面図
１８…ステッカー（小型）
２０…点線の外形線
２２…ラベル上のプリント
２４…薄い灰色の押印
２６…カセット製造者のラベル
２８…文字外形線押印
３０…ネガ
３２…照明装置
３４…検出器
３６…制御器
３８…人観察者
４０…照明光線
４２…人に目に見える表示
４４…蛍光グロー
４６…小孔光源
４８…フィルム現像処理
５０…細い直線露光
５２…パーフォレーション
５４…シアンライン
５６…磁性塗布層
５８…フィルムストリップのリーダー
６０…レンズ

Claims (3)

1. 　プリントおよび／または表示する前に、特定のアルゴリズムに従って、画像をデジタル走査しそしてデジタル操作するよう設計されている、画像を有する処理された感光性媒体であって、該媒体が、プリントおよび／または表示のために、走査されそして該アルゴリズムに従ってデジタル操作されるよう設計されていることを指示する印しを直接的に関連付けて有する感光性媒体。
2. 　処理された感光性媒体を走査することによって得られる画像をプリントおよび／または表示するための方法であって、該方法は、該感光性媒体を自動的に分析して、該媒体が非定型現像系に従って処理されたという情報があるかどうか決定すること、該情報がある場合、該感光性媒体を走査して、その上に提供された該画像のデジタル記録を得ること、該媒体が非定型現像系に従って処理されたことが分かった場合、あらかじめ決められたアルゴリズムに従って該デジタル記録を操作すること、該アルゴリズムに従って操作された該デジタル画像をプリントおよび／または表示することからなる工程を含んでなる。
3. 　画像を有する感光性媒体を走査して得られる画像をプリントまたは表示するための方法であって、該方法は、該感光性媒体を自動的に分析して、該感光性媒体が光学的プリントに対して適当でないような非定型現像系に従って処理されたかどうか決定すること、該感光性媒体を走査して、該画像のデジタル記録を得ること、得られた画像を通常の条件でプリントまたは表示することができるような非定型現像系に従って該画像が処理されている場合、該デジタル記録にアルゴリズムを適用することからなる工程を含んでなる。

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