JP2004126223A - 光導波路デバイス及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易、且つ、高精度の製造が可能な光導波路デバイス及びその製造方法を提供する。
【解決手段】下部クラッド層の上面に製品化されている複数のプラスチック光ファイバを配置し、更に当該プラスチック光ファイバを覆うように、下部クラッド層の上面に上部クラッド層を形成することにより、光導波路デバイス100を形成する。光導波路デバイス100のコア部150は、プラスチック光ファイバのコアであり、クラッド部160は、下部クラッド層、上部クラッド層及びプラスチック光ファイバのクラッドが一体となったものである。
【選択図】 図11
【解決手段】下部クラッド層の上面に製品化されている複数のプラスチック光ファイバを配置し、更に当該プラスチック光ファイバを覆うように、下部クラッド層の上面に上部クラッド層を形成することにより、光導波路デバイス100を形成する。光導波路デバイス100のコア部150は、プラスチック光ファイバのコアであり、クラッド部160は、下部クラッド層、上部クラッド層及びプラスチック光ファイバのクラッドが一体となったものである。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路デバイス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信の分野では、従来の電気信号による通信のみならず、伝送される情報量の拡大に伴い、高速伝送が可能な光信号による通信、いわゆる光通信が広く普及している。この光通信には様々な光通信デバイスが用いられる。
【0003】
光通信デバイスの1つに、光導波路デバイスがある。複数の光導波路を並列に配列させた平面型光導波路(PLC:Planer Lightwave Circuit )デバイスを製造する場合、従来は図1〜図7に示すような工程が採られていた。
【0004】
図1に示す第1の製造工程では、基板210上に下部クラッド層220が形成される。図2に示す第2の製造工程では、下部クラッド層220の上面に、コア層230が形成される。更に、図3に示す第3の製造工程では、コア層230の上面にレジスト240が塗布される。
【0005】
図4に示す第4の製造工程では、レジスト240の上面に直線パターンが形成されたマスク(図示せず)を配置し、紫外線によりレジスト240が露光現像されることにより、コアパターンに対応するレジスト(コアパターンレジスト)241が形成される。図5に示す第5の製造工程では、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)処理により、コア層230のうち、上面にコアパターンレジスト241が形成されていない部分が除去され、複数のコア231が形成される。反応性イオンエッチングとは、ガス雰囲気中に高周波電力を印加して、当該ガスをプラズマ状態にし、それにより生じたイオンを加速させ、試料(ここではコア層230)に衝突させて、エッチング反応を生じさせるものである。
【0006】
図6に示す第6の製造工程では、コアパターンレジスト241の除去が行われる。最後に、図7に示す第7の製造工程では、下部クラッド層220の上面に、コア231を覆うように、上部クラッド層250が形成されて、光導波路デバイスが完成する(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−208851号公報(第9頁、図1)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した手順では、工程が多くなり、煩雑であるという問題があった。また、コア231の寸法は、μm単位の高い寸法精度が要求されるが、上述した反応性エッチング処理によりコア231を形成する方法では、コア層230に対するイオンの衝突速度や衝突方向等の制御が難しいため、高い寸法精度での形成は容易ではない。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、その目的は、簡易、且つ、高精度の製造が可能な光導波路デバイス及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載されるように、下部クラッド層を形成する工程と、前記下部クラッド層の上面に、光ファイバを配置する工程と、前記下部クラッド層の上面に、前記光ファイバを覆うように上部クラッド層を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0011】
従来のように、下部クラッド層の上面にコア層を形成するのではなく、製品化されている光ファイバを配置するようにすることで、コア層からコアを形成する工程が必要なくなり、光導波路デバイスを簡易に製造することができる。また、従来のように、コアを形成するための反応性イオンエッチング処理を行う必要なく、更には、コアの寸法精度は製品化された光ファイバに依存し、光導波路デバイスの製造工程においては考慮する必要がないため、光導波路デバイスを高精度に製造することができる。
【0012】
また、本発明は請求項2に記載されるように、請求項1に記載の光導波路デバイスの製造方法において、前記光ファイバは、プラスチック光ファイバであることを特徴とする。
【0013】
プラスチック光ファイバ(POF:Plastic Optical Fiber )を用いることにより、曲げに強く、更には端面の加工が容易な光導波路デバイスを製造することが可能となる。
【0014】
また、本発明は請求項3に記載されるように、請求項1又は2に記載の光導波路デバイスの製造方法において、前記光ファイバは、コアの断面が円形であることを特徴とする。
【0015】
従来のように、反応性イオンエッチング処理によりコア層からコアを形成する方法では、コアの断面が長方形となるため、当該コアの内部を進行する光が散乱しやすいという問題があるが、このように、コアの断面を円形とすることにより、散乱を抑えることができる。
【0016】
また、本発明は請求項4に記載されるように、請求項1乃至3の何れかに記載の光導波路デバイスの製造方法において、前記上部クラッド層及び下部クラッド層と、前記光ファイバのクラッドとは、同一の屈折率を有することを特徴とする。
【0017】
上部クラッド層及び下部クラッド層と、光ファイバのクラッドとは、同一の屈折率を有することにより、これら上部クラッド層、下部クラッド層及び光ファイバのクラッドが一体となって、光ファイバのコアに対するクラッドとして機能する。
【0018】
また、請求項1に記載された発明と同様の観点から、本発明は請求項5に記載されるように、第1のクラッド層と、前記第1のクラッド層の上面に配置される光ファイバと、前記第1のクラッド層の上面に、前記光ファイバを覆うように形成される第2のクラッド層とを備えることを特徴とする光導波路デバイスである。
【0019】
また、請求項2に記載された発明と同様の観点から、本発明は請求項6に記載されるように、請求項5に記載の光導波路デバイスにおいて、前記光ファイバは、プラスチック光ファイバであることを特徴とする。
【0020】
また、請求項3に記載された発明と同様の観点から、本発明は請求項7に記載されるように、請求項5又は6に記載の光導波路デバイスにおいて、前記光ファイバは、コアの断面が円形であることを特徴とする。
【0021】
また、請求項4に記載された発明と同様の観点から、本発明は請求項8に記載されるように、請求項5乃至7の何れかに記載の光導波路デバイスにおいて、前記上部クラッド層及び下部クラッド層と、前記光ファイバのクラッドとは、同一の屈折率を有することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下においては、複数の光導波路を並列に配列させた平面型光導波路(PLC:Planer Lightwave Circuit )デバイスの製造工程を例に説明する。
【0023】
図8は、本実施形態の光導波路デバイスの第1の製造工程を示す図である。第1の製造工程では、基板110上に下部クラッド層120が形成される。基板110は、例えばシリコンを材料とする。一方、下部クラッド層120は、プラスチックを材料とする。また、下部クラッド層120は、例えばスピンコート法により、基板110上にプラスチックを塗布し、更に加熱することにより形成される。なお、スピンコート法の他にも、ディップ法やキャスト法を用いて下部クラッド層120を形成することもできる。
【0024】
図9は、本実施形態の光導波路デバイスの第2の製造工程を示す図である。第2の製造工程では、下部クラッド層120の上面を十分に乾燥させた後、当該下部クラッド層120の上面に、コアが配置されるべき位置に応じて、製品化された複数のプラスチック光ファイバ(POF:Plastic Optical Fiber )130を配置する。
【0025】
図10は、プラスチック光ファイバ130の断面を示す図である。同図に示すように、プラスチック光ファイバ130は、断面が円形のコア131と、当該コアを囲むように形成されるクラッド132とによって構成される。クラッド132は、上述した下部クラッド層120と同一の屈折率を有するプラスチックを材料とする。一方、コア131は、クラッド132よりも高い屈折率を有するプラスチックを材料とする。
【0026】
このように、コア131の屈折率をクラッド132の屈折率よりも高くすることによって、コア131に入射される光は、当該コア131とクラッド132との境界面において全反射を繰り返しながら進行する。なお、コア131の屈折率は、単一である必要はなく、外側から中心に向けて徐々に屈折率が高くなるように構成しても良い。
【0027】
また、コア131の断面は円形であるため、製造される光導波路デバイスと、この光導波路デバイスに接続される光ファイバとの接続部における光の損失を、断面が四角形等の他の形状である場合よりも抑えられる。
【0028】
図11は、本実施形態の光導波路デバイスの第3の製造工程を示す図である。第3の製造工程では、下部クラッド層120の上面に、プラスチック光ファイバ130を覆うように、上部クラッド層140が形成される。上部クラッド層140は、下部クラッド層120と同様にプラスチックを材料とする。また、上部クラッド層140は、下部クラッド層120と同様、スピンコート法、ディップ法やキャスト法等を用いて形成される。
【0029】
また、上部クラッド層140は、下部クラッド層120及びプラスチック光ファイバ130のクラッド132と同一の屈折率を有する。このように、下部クラッド層120、プラスチック光ファイバ130のクラッド132、及び、上部クラッド層140が同一の屈折率を有することにより、これらが一体となって、プラスチック光ファイバ130のコア131に対するクラッドとして機能することになる。
【0030】
上述した製造工程を経て、光導波路デバイスが完成する。図12は、光導波路デバイス100の斜視図である。同図に示す光導波路デバイス100は、複数の光導波路を並列に配列させた平面型光導波路(PLC:Planer Lightwave Circuit )デバイスである。この光導波路デバイス100は、基板110、コア部150及びクラッド部160により構成される。コア部150は、上述したプラスチック光ファイバ130のコア131である。また、クラッド部160は、上述した下部クラッド層120、プラスチック光ファイバ130のクラッド132、及び、上部クラッド層140が一体となったものである。
【0031】
この光導波路デバイス100は、従来の電気信号に代わって光信号により回路動作を行うことにより、高速、大容量の通信を可能とするものであり、コア部150を進行する光の方向を曲げたり、分岐するために用いられる。例えば、光導波路デバイス100は、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)装置等に用いられる。
【0032】
このように、本実施形態では、下部クラッド層120の上面に製品化されている複数のプラスチック光ファイバ130を配置し、更に当該プラスチック光ファイバ130を覆うように、下部クラッド層120の上面に上部クラッド層140を形成することにより、光導波路デバイス100を形成する。従って、従来のように、下部クラッド層の上面にコア層を形成し、更に、このコア層からコアを形成する工程が必要なく、下部クラッド層120の上面に製品化されている複数のプラスチック光ファイバ130を配置するだけで良いため、光導波路デバイスを簡易に製造することができる。
【0033】
また、従来のように、コア層からコアを形成するための反応性イオンエッチング処理を行う必要なく、更には、コア131の寸法精度は製品化されたプラスチック光ファイバ130に依存し、光導波路デバイス100の製造工程においては考慮する必要がない。このため、光導波路デバイス100を高精度に製造することができる。
【0034】
また、プラスチック光ファイバ130を用いることにより、曲げに強く、更には端面の加工が容易な光導波路デバイス100を製造することが可能となる。
【0035】
更には、従来のように、反応性イオンエッチング処理によりコア層からコアを形成する方法では、コアの断面が長方形となるため、当該コアの内部を進行する光が散乱しやすいという問題があるが、光ファイバのコアの断面は、通常、円形であるため、散乱を抑えることができる。
【0036】
また、下部クラッド層120、プラスチック光ファイバ130のクラッド132、及び、上部クラッド層140とが同一の屈折率を有する。このため、これら下部クラッド層120、プラスチック光ファイバ130のクラッド132、及び、上部クラッド層140とが一体となって、プラスチック光ファイバ130のコア131に対するクラッドとして機能する。
【0037】
ところで、従来の光導波路デバイスの製造方法は、基板上に下部クラッド層、コア層及び上部クラッド層を積層する工程が採用されている。このため、コアが上下方向に対して曲線形状を有するような光導波路デバイスを製造することができなかった。
【0038】
しかしながら、本発明では、例えば図13に示すように、下部クラッド層120の上面の一端に位置調整部品170を配置し、更に、この位置調整部品170の上面に曲線形状の光ファイバ130の一端を配置し、他端を下部クラッド層120の上面に配置することにより、コア131が上下方向に対して曲線形状を有する光導波路デバイスを製造することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、簡易、且つ、高精度の製造が可能な光導波路デバイス及びその製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光導波路デバイスの第1の製造工程を示す図である。
【図2】従来の光導波路デバイスの第2の製造工程を示す図である。
【図3】従来の光導波路デバイスの第3の製造工程を示す図である。
【図4】従来の光導波路デバイスの第4の製造工程を示す図である。
【図5】従来の光導波路デバイスの第5の製造工程を示す図である。
【図6】従来の光導波路デバイスの第6の製造工程を示す図である。
【図7】従来の光導波路デバイスの第7の製造工程を示す図である。
【図8】本実施形態の光導波路デバイスの第1の製造工程を示す図である。
【図9】本実施形態の光導波路デバイスの第2の製造工程を示す図である。
【図10】プラスチック光ファイバの断面図である。
【図11】本実施形態の光導波路デバイスの第3の製造工程を示す図である。
【図12】本実施形態の光導波路デバイスの斜視図である。
【図13】コアが上下方向に対して曲線形状を有する光導波路デバイスの断面図である。
【符号の説明】
100 光導波路デバイス
110 基板
120 下部クラッド層
130 プラスチック光ファイバ
131 コア
132 クラッド
140 上部クラッド層
150 コア部
160 クラッド部
170 位置調整部品
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路デバイス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信の分野では、従来の電気信号による通信のみならず、伝送される情報量の拡大に伴い、高速伝送が可能な光信号による通信、いわゆる光通信が広く普及している。この光通信には様々な光通信デバイスが用いられる。
【0003】
光通信デバイスの1つに、光導波路デバイスがある。複数の光導波路を並列に配列させた平面型光導波路(PLC:Planer Lightwave Circuit )デバイスを製造する場合、従来は図1〜図7に示すような工程が採られていた。
【0004】
図1に示す第1の製造工程では、基板210上に下部クラッド層220が形成される。図2に示す第2の製造工程では、下部クラッド層220の上面に、コア層230が形成される。更に、図3に示す第3の製造工程では、コア層230の上面にレジスト240が塗布される。
【0005】
図4に示す第4の製造工程では、レジスト240の上面に直線パターンが形成されたマスク(図示せず)を配置し、紫外線によりレジスト240が露光現像されることにより、コアパターンに対応するレジスト(コアパターンレジスト)241が形成される。図5に示す第5の製造工程では、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)処理により、コア層230のうち、上面にコアパターンレジスト241が形成されていない部分が除去され、複数のコア231が形成される。反応性イオンエッチングとは、ガス雰囲気中に高周波電力を印加して、当該ガスをプラズマ状態にし、それにより生じたイオンを加速させ、試料(ここではコア層230)に衝突させて、エッチング反応を生じさせるものである。
【0006】
図6に示す第6の製造工程では、コアパターンレジスト241の除去が行われる。最後に、図7に示す第7の製造工程では、下部クラッド層220の上面に、コア231を覆うように、上部クラッド層250が形成されて、光導波路デバイスが完成する(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−208851号公報(第9頁、図1)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した手順では、工程が多くなり、煩雑であるという問題があった。また、コア231の寸法は、μm単位の高い寸法精度が要求されるが、上述した反応性エッチング処理によりコア231を形成する方法では、コア層230に対するイオンの衝突速度や衝突方向等の制御が難しいため、高い寸法精度での形成は容易ではない。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、その目的は、簡易、且つ、高精度の製造が可能な光導波路デバイス及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載されるように、下部クラッド層を形成する工程と、前記下部クラッド層の上面に、光ファイバを配置する工程と、前記下部クラッド層の上面に、前記光ファイバを覆うように上部クラッド層を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0011】
従来のように、下部クラッド層の上面にコア層を形成するのではなく、製品化されている光ファイバを配置するようにすることで、コア層からコアを形成する工程が必要なくなり、光導波路デバイスを簡易に製造することができる。また、従来のように、コアを形成するための反応性イオンエッチング処理を行う必要なく、更には、コアの寸法精度は製品化された光ファイバに依存し、光導波路デバイスの製造工程においては考慮する必要がないため、光導波路デバイスを高精度に製造することができる。
【0012】
また、本発明は請求項2に記載されるように、請求項1に記載の光導波路デバイスの製造方法において、前記光ファイバは、プラスチック光ファイバであることを特徴とする。
【0013】
プラスチック光ファイバ(POF:Plastic Optical Fiber )を用いることにより、曲げに強く、更には端面の加工が容易な光導波路デバイスを製造することが可能となる。
【0014】
また、本発明は請求項3に記載されるように、請求項1又は2に記載の光導波路デバイスの製造方法において、前記光ファイバは、コアの断面が円形であることを特徴とする。
【0015】
従来のように、反応性イオンエッチング処理によりコア層からコアを形成する方法では、コアの断面が長方形となるため、当該コアの内部を進行する光が散乱しやすいという問題があるが、このように、コアの断面を円形とすることにより、散乱を抑えることができる。
【0016】
また、本発明は請求項4に記載されるように、請求項1乃至3の何れかに記載の光導波路デバイスの製造方法において、前記上部クラッド層及び下部クラッド層と、前記光ファイバのクラッドとは、同一の屈折率を有することを特徴とする。
【0017】
上部クラッド層及び下部クラッド層と、光ファイバのクラッドとは、同一の屈折率を有することにより、これら上部クラッド層、下部クラッド層及び光ファイバのクラッドが一体となって、光ファイバのコアに対するクラッドとして機能する。
【0018】
また、請求項1に記載された発明と同様の観点から、本発明は請求項5に記載されるように、第1のクラッド層と、前記第1のクラッド層の上面に配置される光ファイバと、前記第1のクラッド層の上面に、前記光ファイバを覆うように形成される第2のクラッド層とを備えることを特徴とする光導波路デバイスである。
【0019】
また、請求項2に記載された発明と同様の観点から、本発明は請求項6に記載されるように、請求項5に記載の光導波路デバイスにおいて、前記光ファイバは、プラスチック光ファイバであることを特徴とする。
【0020】
また、請求項3に記載された発明と同様の観点から、本発明は請求項7に記載されるように、請求項5又は6に記載の光導波路デバイスにおいて、前記光ファイバは、コアの断面が円形であることを特徴とする。
【0021】
また、請求項4に記載された発明と同様の観点から、本発明は請求項8に記載されるように、請求項5乃至7の何れかに記載の光導波路デバイスにおいて、前記上部クラッド層及び下部クラッド層と、前記光ファイバのクラッドとは、同一の屈折率を有することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下においては、複数の光導波路を並列に配列させた平面型光導波路(PLC:Planer Lightwave Circuit )デバイスの製造工程を例に説明する。
【0023】
図8は、本実施形態の光導波路デバイスの第1の製造工程を示す図である。第1の製造工程では、基板110上に下部クラッド層120が形成される。基板110は、例えばシリコンを材料とする。一方、下部クラッド層120は、プラスチックを材料とする。また、下部クラッド層120は、例えばスピンコート法により、基板110上にプラスチックを塗布し、更に加熱することにより形成される。なお、スピンコート法の他にも、ディップ法やキャスト法を用いて下部クラッド層120を形成することもできる。
【0024】
図9は、本実施形態の光導波路デバイスの第2の製造工程を示す図である。第2の製造工程では、下部クラッド層120の上面を十分に乾燥させた後、当該下部クラッド層120の上面に、コアが配置されるべき位置に応じて、製品化された複数のプラスチック光ファイバ(POF:Plastic Optical Fiber )130を配置する。
【0025】
図10は、プラスチック光ファイバ130の断面を示す図である。同図に示すように、プラスチック光ファイバ130は、断面が円形のコア131と、当該コアを囲むように形成されるクラッド132とによって構成される。クラッド132は、上述した下部クラッド層120と同一の屈折率を有するプラスチックを材料とする。一方、コア131は、クラッド132よりも高い屈折率を有するプラスチックを材料とする。
【0026】
このように、コア131の屈折率をクラッド132の屈折率よりも高くすることによって、コア131に入射される光は、当該コア131とクラッド132との境界面において全反射を繰り返しながら進行する。なお、コア131の屈折率は、単一である必要はなく、外側から中心に向けて徐々に屈折率が高くなるように構成しても良い。
【0027】
また、コア131の断面は円形であるため、製造される光導波路デバイスと、この光導波路デバイスに接続される光ファイバとの接続部における光の損失を、断面が四角形等の他の形状である場合よりも抑えられる。
【0028】
図11は、本実施形態の光導波路デバイスの第3の製造工程を示す図である。第3の製造工程では、下部クラッド層120の上面に、プラスチック光ファイバ130を覆うように、上部クラッド層140が形成される。上部クラッド層140は、下部クラッド層120と同様にプラスチックを材料とする。また、上部クラッド層140は、下部クラッド層120と同様、スピンコート法、ディップ法やキャスト法等を用いて形成される。
【0029】
また、上部クラッド層140は、下部クラッド層120及びプラスチック光ファイバ130のクラッド132と同一の屈折率を有する。このように、下部クラッド層120、プラスチック光ファイバ130のクラッド132、及び、上部クラッド層140が同一の屈折率を有することにより、これらが一体となって、プラスチック光ファイバ130のコア131に対するクラッドとして機能することになる。
【0030】
上述した製造工程を経て、光導波路デバイスが完成する。図12は、光導波路デバイス100の斜視図である。同図に示す光導波路デバイス100は、複数の光導波路を並列に配列させた平面型光導波路(PLC:Planer Lightwave Circuit )デバイスである。この光導波路デバイス100は、基板110、コア部150及びクラッド部160により構成される。コア部150は、上述したプラスチック光ファイバ130のコア131である。また、クラッド部160は、上述した下部クラッド層120、プラスチック光ファイバ130のクラッド132、及び、上部クラッド層140が一体となったものである。
【0031】
この光導波路デバイス100は、従来の電気信号に代わって光信号により回路動作を行うことにより、高速、大容量の通信を可能とするものであり、コア部150を進行する光の方向を曲げたり、分岐するために用いられる。例えば、光導波路デバイス100は、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)装置等に用いられる。
【0032】
このように、本実施形態では、下部クラッド層120の上面に製品化されている複数のプラスチック光ファイバ130を配置し、更に当該プラスチック光ファイバ130を覆うように、下部クラッド層120の上面に上部クラッド層140を形成することにより、光導波路デバイス100を形成する。従って、従来のように、下部クラッド層の上面にコア層を形成し、更に、このコア層からコアを形成する工程が必要なく、下部クラッド層120の上面に製品化されている複数のプラスチック光ファイバ130を配置するだけで良いため、光導波路デバイスを簡易に製造することができる。
【0033】
また、従来のように、コア層からコアを形成するための反応性イオンエッチング処理を行う必要なく、更には、コア131の寸法精度は製品化されたプラスチック光ファイバ130に依存し、光導波路デバイス100の製造工程においては考慮する必要がない。このため、光導波路デバイス100を高精度に製造することができる。
【0034】
また、プラスチック光ファイバ130を用いることにより、曲げに強く、更には端面の加工が容易な光導波路デバイス100を製造することが可能となる。
【0035】
更には、従来のように、反応性イオンエッチング処理によりコア層からコアを形成する方法では、コアの断面が長方形となるため、当該コアの内部を進行する光が散乱しやすいという問題があるが、光ファイバのコアの断面は、通常、円形であるため、散乱を抑えることができる。
【0036】
また、下部クラッド層120、プラスチック光ファイバ130のクラッド132、及び、上部クラッド層140とが同一の屈折率を有する。このため、これら下部クラッド層120、プラスチック光ファイバ130のクラッド132、及び、上部クラッド層140とが一体となって、プラスチック光ファイバ130のコア131に対するクラッドとして機能する。
【0037】
ところで、従来の光導波路デバイスの製造方法は、基板上に下部クラッド層、コア層及び上部クラッド層を積層する工程が採用されている。このため、コアが上下方向に対して曲線形状を有するような光導波路デバイスを製造することができなかった。
【0038】
しかしながら、本発明では、例えば図13に示すように、下部クラッド層120の上面の一端に位置調整部品170を配置し、更に、この位置調整部品170の上面に曲線形状の光ファイバ130の一端を配置し、他端を下部クラッド層120の上面に配置することにより、コア131が上下方向に対して曲線形状を有する光導波路デバイスを製造することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、簡易、且つ、高精度の製造が可能な光導波路デバイス及びその製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光導波路デバイスの第1の製造工程を示す図である。
【図2】従来の光導波路デバイスの第2の製造工程を示す図である。
【図3】従来の光導波路デバイスの第3の製造工程を示す図である。
【図4】従来の光導波路デバイスの第4の製造工程を示す図である。
【図5】従来の光導波路デバイスの第5の製造工程を示す図である。
【図6】従来の光導波路デバイスの第6の製造工程を示す図である。
【図7】従来の光導波路デバイスの第7の製造工程を示す図である。
【図8】本実施形態の光導波路デバイスの第1の製造工程を示す図である。
【図9】本実施形態の光導波路デバイスの第2の製造工程を示す図である。
【図10】プラスチック光ファイバの断面図である。
【図11】本実施形態の光導波路デバイスの第3の製造工程を示す図である。
【図12】本実施形態の光導波路デバイスの斜視図である。
【図13】コアが上下方向に対して曲線形状を有する光導波路デバイスの断面図である。
【符号の説明】
100 光導波路デバイス
110 基板
120 下部クラッド層
130 プラスチック光ファイバ
131 コア
132 クラッド
140 上部クラッド層
150 コア部
160 クラッド部
170 位置調整部品
Claims (8)
- 下部クラッド層を形成する工程と、
前記下部クラッド層の上面に、光ファイバを配置する工程と、
前記下部クラッド層の上面に、前記光ファイバを覆うように上部クラッド層を形成する工程と、
を備えることを特徴とする光導波路デバイスの製造方法。 - 請求項1に記載の光導波路デバイスの製造方法において、
前記光ファイバは、プラスチック光ファイバであることを特徴とする光導波路デバイスの製造方法。 - 請求項1又は2に記載の光導波路デバイスの製造方法において、
前記光ファイバは、コアの断面が円形であることを特徴とする光導波路デバイスの製造方法。 - 請求項1乃至3の何れかに記載の光導波路デバイスの製造方法において、
前記上部クラッド層及び下部クラッド層と、前記光ファイバのクラッドとは、同一の屈折率を有することを特徴とする光導波路デバイスの製造方法。 - 第1のクラッド層と、
前記第1のクラッド層の上面に配置される光ファイバと、
前記第1のクラッド層の上面に、前記光ファイバを覆うように形成される第2のクラッド層と、
を備えることを特徴とする光導波路デバイス。 - 請求項5に記載の光導波路デバイスにおいて、
前記光ファイバは、プラスチック光ファイバであることを特徴とする光導波路デバイス。 - 請求項5又は6に記載の光導波路デバイスにおいて、
前記光ファイバは、コアの断面が円形であることを特徴とする光導波路デバイス。 - 請求項5乃至7の何れかに記載の光導波路デバイスの製造方法において、
前記上部クラッド層及び下部クラッド層と、前記光ファイバのクラッドとは、同一の屈折率を有することを特徴とする光導波路デバイス。
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JP2002290186A JP2004126223A (ja) | 2002-10-02 | 2002-10-02 | 光導波路デバイス及びその製造方法 |
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JP2008026458A (ja) * | 2006-07-19 | 2008-02-07 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | コネクタ付き光ファイバシートおよびその製造方法 |
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2002
- 2002-10-02 JP JP2002290186A patent/JP2004126223A/ja active Pending
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