JP2004126111A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】画像比率の高い画像を形成した場合においても均一な濃度を得ることができ、生産性低下、現像剤劣化、トナー飛散、かぶり等の特定のデメリットをユーザーに強いることなく、ユーザーの多種多様な要望に応えることができる画像形成装置を提供すること。
【構成】感光ドラム3と、該感光ドラム3上に形成された静電像にトナー及びキャリアを含む現像剤19を供給して現像する現像装置1と、を有する画像形成装置において、連続して複数の画像を形成する場合、前記感光ドラム3上に形成する静電像間の間隔を大きくすることによって前記感光ドラム3上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第1均一性向上モード(第1のモード)と、前記現像装置1によるトナー供給量を増大させることによって前記感光ドラム3上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第2均一性向上モード(第2のモード)と、を選択的に実行可能とする。
【選択図】 図1
【構成】感光ドラム3と、該感光ドラム3上に形成された静電像にトナー及びキャリアを含む現像剤19を供給して現像する現像装置1と、を有する画像形成装置において、連続して複数の画像を形成する場合、前記感光ドラム3上に形成する静電像間の間隔を大きくすることによって前記感光ドラム3上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第1均一性向上モード(第1のモード)と、前記現像装置1によるトナー供給量を増大させることによって前記感光ドラム3上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第2均一性向上モード(第2のモード)と、を選択的に実行可能とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録画像に対応して像担持体に形成された静電像を現像剤で現像することによって現像像を用紙等に記録する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真現像装置としては各種提案され、既に実用に供されている。ここで、現像方式としては、2成分現像法が安定性と耐久性に優れているため、この方法が多くの現像装置において採用されている。
【0003】
ところで、2成分現像法は、磁性キャリアによりトナーを現像領域に搬送して現像を行う方式であり、通常は現像剤を感光ドラムに接触させて現像工程を行う。ここで、その現像工程を図5に基づいて説明する。
【0004】
図5は従来の現像装置の断面図であり、同図において、21は現像スリーブ、23は現像スリーブ21内に固定配置された磁界発生手段としてのマグネットローラ、24,25は搬送スクリュー、33は現像剤19を現像スリーブ21表面に薄層形成するために配置された規制ブレード、27は現像容器である。尚、現像剤19は、非磁性トナーと磁性キャリアを所定のトナー濃度で混合して成るものである。
【0005】
前記現像容器27は、隔壁29によって2つの部分に分けられており、その部分のうち、現像スリーブ21に近い方を現像室R1、他方を攪拌室R2と呼ぶ。現像室R1、攪拌室R2には前記搬送スクリュー24,25がそれぞれ図示矢印方向に回転自在に収容されている。これらの搬送スクリュー24,25は、互いに逆方向に現像剤19を搬送し、現像容器27の両端部の隔壁29の開口部(不図示)において、現像剤19が一方の搬送スクリュー24(25)から他方の搬送スクリュー25(24)へと送られ、現像剤19は全体として一方向に循環するよう搬送される。
【0006】
ここで、感光ドラム3に形成された静電潜像を現像装置を用いて2成分磁気ブラシ法により顕像化する現像工程と現像剤19の循環系について説明する。
【0007】
先ず、現像スリーブ21の回転に伴い、マグネットローラ23のN3極で汲み上げられた現像剤19は、S3極に略対向して設けられた規制ブレード33によって層厚が規制され、現像スリーブ21上に薄層形成される。ここで、薄層形成された現像剤19が現像主極であるS1極に搬送されてくると、磁気力により現像剤19に穂立ちが形成される。この穂状に形成された現像剤19によって前記静電潜像を現像し、その後、現像スリーブ21上の現像剤19は、N3極とN2極の反発磁界によって現像容器27内に戻される。2成分現像法においては、上述したように、同極性の磁極を並べて配置し、現像後の現像剤19を一旦現像スリーブ21から剥ぎ取り、画像履歴を残さないようにする構成が一般的である。
【0008】
そして、N3極とN2極の反発磁界によって現像スリーブ21上から剥離された現像剤19は、搬送スクリュー24によって現像容器27内の現像剤19と攪拌される。そして、攪拌された現像剤19は、搬送スクリュー24によって搬送されながら再びN3極で汲み上げられて現像に供される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯かる従来の2成分現像法による現像装置の構成を採用した場合、以下のような問題があった。
【0010】
即ち、通常、市場で出力される画像の画像比率は10%以下と言われており、この程度の画像によるトナー消費であれば画像濃度の面内一様性は人間の目に感じられない程度に収まる。
【0011】
ところが、色の濃い部分が多い写真や原色を背景としたポスターのような画像比率の高い画像を形成する場合、搬送スクリュー24の軸方向で出力画像の濃度が傾いてしまう所謂「画像濃度傾き」現象を起こすことがある。その原因としては、トナーを消費した現像剤19が現像容器27内へ回収されて現像容器27内の現像剤19と混合される過程において、現像容器27内の2成分現像剤19のトナー濃度を少なからず低下させてしまうことが挙げられる。このトナー濃度の低下は、現像剤19が現像に繰り返し供される程大きくなるため、搬送スクリュー24の下流側にいけばいく程トナー濃度が低下することになる。
【0012】
特に近年、画像形成装置の小型化が進むに連れ、現像容器27の容積も小さくする必要がある。つまり、現像室R1内の現像スリーブ21に供給するための現像剤19の量も少なくなる方向となる。ここで、より少ない現像剤量で同じ量のトナー消費を行った場合を考えると、全体に占める消費トナーの割合が増加していることになるため、トナー濃度の変化が大きくなってしまう。
【0013】
このような「画像濃度傾き」現象を緩和するためには幾つかの方法が考えられる。
【0014】
第1の方法は、連続した画像出力の際の画像間隔(非画像領域)を長くする方法である。非画像領域を長くして、その間、現像スリーブ21や搬送スクリュー24,25を回転させることによって、トナー濃度の低下した現像剤19を速やかに搬送スクリュー24の下流側に搬送するとともに、トナー濃度の適正な現像剤19を速やかに供給することができる。言い換えると、画像1枚当たりに供給する現像剤19の量を増加させていることになる。
【0015】
しかし、この方法には、特に連続した画像出力を必要とするときの生産性が下がってしまうという欠点がある。
【0016】
第2の方法は、現像スリーブ21や搬送スクリュー24,25の回転速度を増加させる方法である。この方法によれば、第1の方法と同じく、画像1枚当たりに供給する現像剤19の量を増加させることによって、消費されるトナー量に対して供給するトナー量を増やし、トナー濃度変化の割合を小さく抑えることができる。
【0017】
しかし、この方法には、現像スリーブ21や搬送スクリュー24,25の回転による現像剤19の劣化速度が大きくなり、現像剤19の寿命が短くなってしまうという欠点がある。
【0018】
第3の方法は、現像剤19のトナー濃度を高くする方法である。この方法によれば、第2の方法と同じく、消費されるトナー量に対して供給するトナー量を増やし、トナー濃度変化の割合を小さくすることができる。
【0019】
しかし、この方法には、トナー濃度が高くなるに連れて現像装置からのトナー飛散が悪化したり、出力画像の白地にかぶりが生じたりする可能性が高くなるという欠点がある。
【0020】
更に付け加えれば、出力される画像のうち頻度が高くて画像比率が10%以下の画像に関しては、現像剤の搬送速度は十分であり、画像濃度傾きは生じにくい。つまり、頻度の低くて高画像比率の画像出力に合わせて生産性低下、現像剤劣化、トナー飛散、かぶりというデメリットを生じてさせてしまうことは、装置全体の効率を考えると得策ではない。従来、この点に鑑みて上記のようなパラメータを適宜変更することによって画像濃度傾きを低減するような提案がなされている。
【0021】
しかし、従来の提案は画像濃度傾きの改善に付随して特定のデメリットを装置の操作者に強いるものであり、ユーザーの多種多様な要望に必ずしも応えられるものではなかった。
【0022】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、特に小型の画像形成装置において画像比率の高い画像を形成した場合においても均一な濃度を得ることができ、生産性低下、現像剤劣化、トナー飛散、かぶり等の特定のデメリットをユーザーに強いることなく、ユーザーの多種多様な要望に応えることができる画像形成装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、像担持体と、該像担持体上に形成された静電像にトナー及びキャリアを含む現像剤を供給して現像する現像手段と、を有する画像形成装置において、連続して複数の画像を形成する場合、前記像担持体上に形成する静電像間の間隔を大きくすることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第1のモードと、前記現像手段によるトナー供給量を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第2のモードと、を選択的に実行可能としたことを特徴とする。
【0024】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、連続して複数の画像を形成する場合、前記像担持体上に形成する静電像間の間隔を大きくすると共に前記現像手段によるトナー供給量を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第3のモードを選択的に実行可能としたことを特徴とする。
【0025】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記現像手段は、現像剤を担持して前記像担持体上の静電像に供給する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に略平行配置され現像剤を搬送する現像剤搬送手段と、を備え、前記第2及び第3のモードでは前記現像剤搬送手段の搬送周速を大きくすることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更することを特徴とする。
【0026】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記第2及び第3のモードでは、前記現像手段内の現像剤中に含まれるトナーの比率を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【0027】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記各モードにおいて前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量が段階的に変更されるように選択可能としたことを特徴とする。
【0028】
請求項6記載の発明は、像担持体と、トナー及びキャリアを含む現像剤を収容する現像容器と、該現像容器内の現像剤を担持してこれを前記像担持体上に形成された静電像に供給する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に略平行配置され現像剤を搬送する現像剤搬送手段と、を有する画像形成装置において、連続して複数の画像を形成する場合、前記現像剤担持体の周速を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第1のモードと、前記現像容器内の現像剤中に含まれるトナー量を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第2のモードと、を選択的に実行可能としたことを特徴とする。
【0029】
従って、本発明によれば、特に小型の画像形成装置において、画像比率の高い画像を形成する場合においても均一な濃度を得ることができるとともに、生産性低下、現像剤劣化、トナー飛散、かぶり等のデメリットと濃度の均一性の効果をユーザーが考慮して選択することによって、特定のデメリットをユーザーに強いることなく、ユーザーの多種多様な要望に応えることができる。
【0030】
又、複数のモードを組み合わせて実行することが可能であると好ましい。これによって、ユーザーが画像濃度傾き抑制の効果をより強く望んでいる場合にも対応することが可能となる。
【0031】
更に、それぞれのモードの制御パラメータを段階的に選択することが可能であるとより好ましい。このような構成を採用することによって、各モードの持つデメリットを状況に応じて最低限に抑えつつ組み合わせることによって、画像濃度傾きを効果的に抑制することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0033】
[実施の形態1]
図1は本発明に係る画像形成装置の一形態としての電子写真方式のプリンタ要部の断面図である。
【0034】
図示のプリンタは、矢印方向に回転する電子写真感光ドラム3を備え、該感光ドラム3の周囲には、帯電器4、現像装置1、転写帯電器10、クリーニング手段12及び感光ドラム3の上方に配設したLED露光手段13等から成る画像形成手段が配置されている。そして、現像装置1には、非磁性トナーと磁性キャリアを含有する2成分現像剤19が内包されている。
【0035】
而して、被複写原稿は、不図示の原稿読取装置で読み取られるが、この原稿読取装置は、CCD等の原稿画像を電気信号に変換する光電変換素子を有しており、原稿に対応した画像信号を出力する。前記LED露光手段13は、これらの画像信号に対応して発光のON/OFFが制御されて露光を行う。尚、コンピュータ等の機器からの出力信号をプリントアウトすることもできる。
【0036】
次に、プリンタ全体のシーケンスについて説明する。
【0037】
先ず、感光ドラム3は、帯電器4によって均等に帯電される。次に、画像信号により制御されたLED露光手段13により感光ドラム3に対して露光が行われ、感光ドラム3上にドット分布潜像が形成され、この潜像は現像装置1により反転現像される。このようにして感光ドラム3上に形成されたトナー像は、転写帯電器10によって転写紙14に転写される。尚、トナー像転写後の感光ドラム3は、クリーニング手段12によってクリーニングされ、次の画像形成に備えられる。
【0038】
そして、トナー像が転写された転写紙14は、定着器(熱圧ローラ定着器)17に送られてトナー像の定着を受ける。
【0039】
次に、前記現像装置1を図面を参照しながら説明する。
【0040】
図2は現像装置1の断面図であり、本現像装置1は、現像容器27の感光ドラム3側の開口部に現像スリーブ21を設けて構成されている。ここで、現像容器27の内部は、隔壁29によって現像室(第1室)R1と攪拌室(第2室)R2とに区画されている。そして、攪拌室R2の上方には、補給トナー28を収容したトナー貯蔵室R3が形成されている。又、現像容器27には補給口26が設けられており、消費されたトナーに見合った量の補給トナー28が前記補給口26を経て現像容器27の攪拌室R2内に落下補給される。
【0041】
これに対し、現像容器27の現像室R1及び攪拌室R2内には現像剤19が収容されている。この現像剤19は、粉砕法によって製造された平均粒径8μmの非磁性トナーと平均粒径35μmの磁性キャリアとから成る2成分現像剤である。尚、非磁性トナーと磁性キャリアとの混合比は、重量比で非磁性トナーが約7%になるようにした。
【0042】
又、現像容器27の感光ドラム3に近接する部位には開口部が設けられており、その開口部から現像スリーブ21が外部に突出している。そして、現像スリーブ21は、現像容器27内において回転可能に組み込まれている。ここで、現像スリーブ21は、非磁性材で構成されており、その内部には複数の磁石で構成された磁界発生手段としてのマグネットローラ23が固定されている。
【0043】
上記マグネットローラ23は、現像磁極S1及び現像剤19を搬送するための磁極N1,S2,N2,N3を有しており、現像磁極であるS1は感光ドラム3に対向するように現像スリーブ21内に配置されている。この現像磁極S1は、現像スリーブ21と感光ドラム3との間の現像部の近傍に磁界を形成し、該磁界によって磁気ブラシが形成される。この位置において、現像スリーブ21の回転と共に矢印の方向に運ばれてきた現像剤19は、感光ドラム3と接触し、感光ドラム3上の静電潜像を現像する。
【0044】
又、現像スリーブ21には、不図示の電源により、交流電圧に直流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。潜像の暗部電位(非露光部電位)と明部電位(露光部電位)は、上記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって、向きが交互に変化する交番電界が現像部に形成され、この交番電界中でトナーとキャリアが激しく振動し、トナーが現像スリーブ21及びキャリアへの静電的拘束を振り切って潜像電位に対応した量のトナーが感光ドラム3に付着する。
【0045】
尚、本実施の形態においては、感光ドラム3の暗部電位は−550V、明部電位は−100Vであり、現像スリーブ21には直流バイアスとして−300V、交流バイアスとしてVpp2.0kV、Frq.6kHzが印加されている。
【0046】
又、本実施の形態に係る画像形成装置においては、感光ドラム3の表面が移動する速度(感光ドラム線速度)は130mm/sec、現像スリーブ21の表面が移動する速度(現像スリーブ線速度)は195mm/secに設定されている。ここで、現像スリーブ21の外径は20mmであるため、該現像スリーブ21の回転速度は3.1rpsである。
【0047】
次に、現像装置1内での現像剤19の循環について図2及び図3を用いて説明する。尚、図3は現像装置1の平断面図である。
【0048】
先ず、2本の搬送スクリュー24,25による現像容器27内の現像剤19の循環について説明する。
【0049】
図2に示すように、現像室R1、攪拌室R2内には、それぞれ搬送スクリュー24,25が回転自在に配置されている。搬送スクリュー24,25は、それぞれ図3に示すような螺旋状の羽根を有し、その直径は共に16mmに設定されている。又、羽根の軸方向ピッチは共に15mm、回転数も同じで5.0rpsである。尚、この直径や羽根の軸方向ピッチ等は様々に設計可能であり、又、それぞれの搬送スクリュー24,25で同じ数値でなくても良い。
【0050】
而して、搬送スクリュー24,25は、それぞれ図2の矢印方向に回転駆動され、その回転駆動によって現像室R1と撹拌室R2内の現像剤19は現像スリーブ21の長手方向に搬送される。ここで、図3に矢印にて示すように、搬送スクリュー24,25による現像剤19の軸方向搬送の向きは互いに逆方向である。
【0051】
次に、現像スリーブ21の回転による現像剤19の断面方向の循環について説明する。
【0052】
N3極の磁気力によって現像スリーブ21上に汲み上げられた現像剤19は、N3極に略対向して設けられた規制ブレード33によって層厚が規制され、現像スリーブ21上に薄層形成される。ここで、薄層形成された現像剤19が現像主極であるS1極に搬送されてくると、磁気力により現像剤19に穂立ちが形成される。この穂状に形成された現像剤19を感光ドラム3に近接或は接触させることによって、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する。
【0053】
而して、画像形成によってトナーを消費した後の現像剤19は、N3極へと搬送され、N3極〜N2極間の反発磁界によって現像スリーブ21表面から剥離され、現像容器27内に再収容される。そして、再収容された現像剤19は、搬送スクリュー24によって現像室R1内の現像剤19と攪拌されながら搬送され、再びN3極で汲み上げられて現像に供される。このようにして現像によりトナーを消費した現像剤19は、やがて搬送スクリュー24の最下流まで達し、現像容器27の端部にて現像室R1から攪拌室R2へと受け渡される。
【0054】
ところで、図3に示すように、攪拌室R2の最上流部付近にはトナー濃度センサ31が設置されており、このトナー濃度センサ31によって現像剤19の透磁率を検知してこれを所定値と比較することによって、現像剤19のトナー濃度(現像剤19中のトナー重量百分率)を算出することができる。
【0055】
而して、画像形成装置は、不図示の制御装置によって現像剤19のトナー濃度を算出し、その算出値に基づいてトナー補給が必要となった場合には、トナー貯蔵室R3から補給口26を通じて補給トナー28を補給する。
【0056】
次に、本実施の形態の特徴的な部分について説明する。
【0057】
先に説明した現像剤19の循環を図2の面内方向(装置の断面方向)と、図3の面内方向(図2に対して垂直な方向)に分けて考える。
【0058】
現像剤19の断面方向の循環は、現像スリーブ21の回転と搬送スクリュー24の回転によって生じる。本実施の形態における構成の場合、この現像剤19の循環の1周分に要する時間は、実測値で4.0secである。この時間は、現像スリーブ21上の現像剤を一部剥離し、異なる色のトナーを用いた現像剤を同程度の量付着させ、そのまま画像出力をするという実験で簡単に確かめることができる。
【0059】
現像スリーブ21の回転数は前述のように3.1rpsであるため、現像スリーブ21が1周する時間は約0.3secである。このうちN3極→N2極の約90度分は現像スリーブ21上の現像剤搬送時間ではないため、現像剤19が現像スリーブ21と略等速で搬送される時間は計算上0.225secである。又、搬送スクリュー24の回転数は5.0rpsであり、この1周分の時間が0.2secである。残りの3.5秒の内訳は次の通りである。
【0060】
先ず、N2極で現像剤19が汲み上げられ、該現像剤19が規制ブレード33部で滞留した後、層厚規制されて現像スリーブ21上にコートされるまでの時間がある。次に、現像剤19が反発磁界で現像スリーブ21の回転方向と逆向きの磁力を受けてN3極で滞留し、更に、磁気拘束力を逃れて現像室R1に落下するまでの時間がある。搬送スクリュー24の回転力はその回転方向と軸方向に分散され、更にその回転方向の分力も搬送スクリュー24表面付近の現像剤19から現像剤19同士の摩擦力を介して徐々に現像剤19全体に伝わっていくため、実際の回転方向の現像剤搬送速度が搬送スクリュー24の回転速度よりも可成り遅くなるためである。
【0061】
次に、現像剤19の軸方向の搬送について説明する。
【0062】
先ず、現像スリーブ21を取り外した状態での搬送スクリュー24の軸方向搬送速度を測定すると、現像剤19が軸方向に若干拡散したり、実験時の現像室R1の粉面高さによって若干の違いがあるものの、平均的には約70mm/sec程度という結果を得た。この速度は、搬送スクリュー24の羽根のピッチ及び回転数から計算で求めた速度75mm/sec(=15mm×5rps)とほぼ同等か若干小さく、粉体の搬送であることを考慮すると妥当な数値であると考える。この速度は、現像スリーブ21に一度も汲み上げられることなく搬送スクリュー24の上流側から下流側まで到達した現像剤19の速度を示すものであり、これを第1軸方向搬送速度と呼ぶことにする。
【0063】
次に、現像スリーブ21を実装した状態で、現像剤19に断面方向の循環をさせた状態での軸方向搬送速度を測定する。前述の断面方向の搬送時間を確認した実験において、異なる色のトナーを用いた現像剤を付着させた位置と画像上に再出現した位置を測定することによって、現像剤の軸方向の搬送距離を測定することができる。実験の結果、現像剤を付着させた位置と再出現した位置の軸方向距離は60mmであった。この距離を断面方向1周分の4secという時間で搬送されると考えると、その軸方向搬送速度は15mm/secである。この速度は、毎回現像スリーブ21による断面方向循環を経た現像剤19の軸方向搬送速度を示すものであり、これを第2軸方向搬送速度と呼ぶことにする。
【0064】
このように、現像室R1の現像剤19のうち、毎回現像スリーブ21による断面方向循環をする部分に着目して考えると、現像スリーブ21上の現像剤19の軸方向分布は、搬送スクリュー24の搬送方向上流側から数えて次のようになる。
【0065】
先ず、0〜60mmの領域は搬送スクリュー24で搬送されてきたままの現像剤、60〜120mmの領域では一度現像に使用された現像剤が混合している現像剤というように、搬送スクリュー24の搬送方向下流側に行くに従って現像に使用された現像剤19の割合が増加していく。現像スリーブ21の軸方向長さは300mmであるが、最下流の240〜300mmの領域で感光ドラム3との対向領域に搬送される現像剤19中には、既に上流側で3回使用された現像剤が混入して4回目の使用に用いられているということになる。
【0066】
実際には、現像スリーブ21から剥離された現像剤19は、搬送スクリュー24の回転によって攪拌混合を受けるため、前述のような階段状の分布にはならないが、搬送スクリュー24の搬送方向上流側から下流側に向かうに従い、現像に使用された現像剤19の割合がより多くなってくる。
【0067】
ここで、出力画像の画像比率が小さく、トナー消費量が余り大きくなければ、搬送スクリュー24の搬送方向下流側の現像スリーブ21上の現像剤19のトナー濃度は余り下がらず、この箇所の画像濃度低下も少ない。しかし、画像比率が高い場合、この箇所のトナー濃度低下が大きくなり、画像濃度も低下してしまう。
【0068】
画像濃度の低下の割合は、現像動作に使用されてN3極で剥離された現像剤の量に対し、それを混合させる相手の現像剤の量が少ない場合に特に顕著である。即ち、画像形成装置全体の小型化によって現像室R1の容量が少なくなった本実施の形態に係る現像装置1では顕著になってしまうことがある。
【0069】
而して、画像濃度傾きを緩和するための手段として、本実施の形態に係る画像形成装置では、以下の3つの「均一性向上モード」を操作部に用意し、ユーザーが状況等に応じてどのモードを使用するか切り替えることができる。
【0070】
図4は本実施の形態に係る画像形成装置の使用者操作パネル40を示す図である。操作パネル40は、タッチセンサ機構が設けられた液晶パネルであり、不図示の操作パネル制御手段によって様々な操作を行うことができる。
【0071】
図4(a)に示すように、操作パネル40内には、ユーザー用のモード切替スイッチ41が備えられており、通常モードと第1均一性向上モードの2種類のモードを切り替えることができる。具体的には、電源投入時には画像形成装置は通常モードになっており、ユーザーがモード切替スイッチ41を一度操作することによってモード切替スイッチ41の表示色が変わり、モードが切り替わったことをユーザーに明示する。同時に画像形成装置は次回の画像形成動作から第1均一性向上モードで動作する。又、この状態からもう一度モード切替スイッチ41を操作すると、該モード切替スイッチ41の表示色が元に戻り、画像形成装置は次回の画像形成動作から通常モードで動作する。
【0072】
通常モードでは、本装置は以下のような設定に従って動作する。
【0073】
<通常モードの動作パラメータ>
画像間隔(非画像領域) … 34mm
搬送スクリュー24の回転数 … 5.0rps
トナー濃度センサ31によるトナー濃度制御値 … 7%
これに対し、第1均一性向上モードの動作パラメータは以下のようになっている。
【0074】
<第1均一性向上モードの動作パラメータ>
画像間隔(非画像領域) … 115mm
搬送スクリュー24の回転数 … 5.0rps
トナー濃度センサー31によるトナー濃度制御値 … 7%
尚、画像間隔は出力される転写紙14のサイズによらず一定である。
【0075】
画像形成装置のユーザーは、利用頻度の高い文字画像等では通常モードを使用することによって、A4サイズであれば1分当たり32枚の画像出力を得ることができる。
【0076】
又、画像比率の高い画像を、画像濃度傾きのない高い品質で出力したい場合には、モード切替スイッチ41をONすることによって第1均一性向上モードを選択することができる。このモードは、非画像領域を34mmから115mmへと長くすることによって、トナーを消費しないで現像剤19を軸方向に搬送する時間を長くすることができ、トナー濃度の低下した現像剤19を速やかに搬送スクリュー24の下流側に搬送し、又、トナー濃度の適正な現像剤19を速やかに供給することができる。
【0077】
言い換えると、画像1枚当たりに供給する現像剤19の量を増加させていることになる。その結果、搬送スクリュー24の搬送方向下流側でのトナー濃度低下量を小さくすることができ、画像濃度傾きを小さく抑えることができる。この第1均一性向上モードでは、A4サイズで1分当たり24枚の画像出力となり、生産性の面では劣るものの、画像比率の高い画像を画像濃度傾きの無い高い品質で得ることができる。
【0078】
一方、高画像比率の画像出力は、例えば一般のオフィス等では利用頻度が低いものの、グラフィック関連や印刷関連の市場等では、色の濃い部分が多い写真や原色を背景としたポスター等を大量部数出力する機会が多い。このようなユーザーには、装置のメンテナンスを行うサービスマンが状況やユーザーの要望に応じて第2、第3均一性向上モードを設定することが可能である。
【0079】
サービスマンは、操作パネル40をユーザーに開示されていない所定の手順で操作することによって、本画像形成装置のサービスモード画面に入ることができる。即ち、図4(b)に示すように、サービスモード画面には、サービスマン用モード切替スイッチ42が備えられており、通常モードの他、第2、第3均一性向上モードを設定することができる。
【0080】
サービスマン用モード切替スイッチ42は、これを一度操作する度にそのモードが通常モード、第2均一性向上モード、第3均一性向上モードと切り替わり、更に操作すると通常モードに戻る。サービスマン用モード切替スイッチ42の右側にはモード表示部42aが備えられており、通常モードでは0、第2均一性向上モードでは2、第3均一性向上モードでは3をそれぞれ表示してサービスマンに現在の設定モードを簡略的に明示する。
【0081】
ここで、第2均一性向上モードについて詳しく説明する。
【0082】
<第2均一性向上モードの動作パラメータ>
画像間隔(非画像領域) … 34mm
搬送スクリュー24の回転数 … 6.7rps
トナー濃度センサ31によるトナー濃度制御値 … 7%
現像スリーブ21と搬送スクリュー24,25は、不図示のギアによって互いに連結されているため、搬送スクリュー24の回転数を変化させると、等しい比率で現像スリーブ21と搬送スクリュー25の回転数も変化する。これによって、第1軸方向搬送速度は70mm/secから94mm/secに、第2軸方向搬送速度は15mm/secから20mm/secに増加する。つまり、第1均一性向上モードと同様に、画像1枚当たりに供給する現像剤19の量を増加させていることになる。その結果、搬送スクリュー24の搬送方向下流側でのトナー濃度低下量を小さくすることができ、画像濃度傾きを小さく抑えることができる。
【0083】
又、画像間隔は通常モードと変わらないため、生産性を落とすことはない。但し、現像スリーブ21や搬送スクリュー24,25の回転が速くなることによって現像剤19の劣化速度が大きくなり、現像剤19の寿命が短くなってしまう。サービスマンは、この点に留意して早めの現像剤交換を行う等の対処が必要となる。
【0084】
次に、第3均一性向上モードについて詳しく説明する。
【0085】
<第3均一性向上モードの動作パラメータ>
画像間隔(非画像領域) … 34mm
搬送スクリュー24の回転数 … 5.0rps
トナー濃度センサ31によるトナー濃度制御値 … 9.3%
このモードでは、現像剤19のトナー濃度を高くすることによって、消費されるトナー量に対して供給するトナー量を増やし、トナー濃度の変化率を小さくすることができる。
【0086】
詳しく説明すると、同じトナー量を消費した場合、トナー濃度の低下を差分で表せば同じになるが、トナー供給量の変化率として捕らえると、元のトナー濃度が高い方がトナー供給量の変化率は低い。ここで、画像濃度の変化率は、供給するトナー量の変化率に依存するため、現像スリーブ21の両端でトナー濃度が同じ差分を持っていても、画像濃度の変化率は小さくなる。
【0087】
ここで、トナー濃度が上昇した分、現像スリーブ21の直流バイアス値を変更する等して同じ画像情報に対して同じトナー消費量になるように調整をすると、画像濃度の変化率が下がった分だけ現像スリーブ21両端の濃度差分も小さくなる。
【0088】
但し、現像剤19のトナー濃度が高くなると、特に高湿度環境下ではトナーの機内飛散や画像上の白地かぶり等の弊害が発生する場合もあるため、第3均一性向上モードを使用する場合には、画像形成装置の周囲の雰囲気を考慮して使用する必要がある。この点に留意すれば、生産性の低下や現像剤劣化等のデメリットが生じない形で濃度の均一性を向上させることができる。
【0089】
尚、本実施の形態に係る画像形成装置では、第1〜第3均一性向上モードを組み合わせて使えないようにしてある。これは、通常の使用においてはそれぞれの均一性向上モード単独で十分な効果が得られることと、組み合わせて使用した場合にそれぞれのデメリットが拡大することも考え得るからである。
【0090】
例えば、第1均一性向上モードは画像1枚当たりの現像スリーブ21と搬送スクリュー24,25の回転時間が増加するため、現像剤劣化には不利な方向に働く。実際の現像剤劣化は、画像比率(大小両極端である場合)や連続して動作する時間(例えば1日当たりに出力する画像枚数)等で変化するため、回転時間に比例して現像剤が劣化するとは一概に言えないが、少なくとも不利な方向に働くことは否定し得ない。
【0091】
これに対し、第2均一性向上モードのような現像スリーブ21の速度を上げる方法では、時間を長くした場合よりも劣化の速度が速い。これは、現像剤劣化という現象に、規制ブレード33における層厚規制部で発生する熱が関与しているからである。つまり、現像剤に与える影響は、第2均一性向上モードの方が大きい。
【0092】
又、例えば第1と第3又は第2と第3均一性向上モードを組み合わせた場合には、特に機内飛散に対して不利な方向に働く可能性がある。前述のようなデメリットの拡大の可能性を考え、本実施の形態では、第1均一性向上モードのみをユーザーに開放し、第2、第3均一性向上モードはサービスマンの判断で使用するという形態としている。
【0093】
第1〜第3均一性向上モードを組み合わせて使えないようにする方法として、本実施の形態では、サービスマンがサービスマン用モード切替スイッチ42を通常モード以外に切り替えた際、ユーザーに開放されていたモード切替スイッチ41を無効にする方法を用いている。このとき、モード切替スイッチ41は操作パネル40上で淡色化され、ユーザーに使用不可であることを明示する。
【0094】
以上のような構成を採用することによって、特に小型の画像形成装置において、画像比率の高い画像を形成した場合においても均一な濃度を得ることができる。又、生産性低下、現像剤劣化、トナー飛散、かぶり等のデメリットと濃度の均一性の効果をユーザーが考慮して選択することによって、特定のデメリットをユーザーに強いることなく、ユーザーの多種多様な要望に応えることができる。
【0095】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
【0096】
尚、本実施の形態に係る画像形成装置の基本構成は前記実施の形態1のそれとほぼ同じであるが、3つの均一性向上モードを組み合わせて使用できるようにした点が異なる。
【0097】
本実施の形態では、モード切替スイッチ41の操作は、実施の形態1と同じであるため、ユーザー側から見た操作の内容は同一である。しかし、モード切替スイッチ41を操作したときの画像形成装置の動作は、サービスマンの設定によって決定される。
【0098】
図4(c)に示すように、本実施の形態のサービスモード画面には、サービスマン用モード切替スイッチ43,44,45及びその状態を表示する表示部43a,44a,45aが備えられており、それぞれ第1、第2、第3均一性向上モードを独立に設定することができる。サービスマンは、所定の手順でサービスモード画面に入り、例えばサービスマン用モード切替スイッチ42a,42cを操作して表示部43a,45aの表示が0から1に変わったことを確認する(このとき、表示部44aの表示は0のままである)。この設定にしておくことによって、ユーザーがモード切替スイッチ41を操作したときに、第1、第3均一性向上モードが組み合わされて動作する。
【0099】
実施の形態1で説明したように、第1〜第3均一性向上モードを組み合わせて使用した場合に、それぞれのデメリットが拡大する可能性もある。しかし、例えば特殊紙の使用によって通常の画像よりも高品質な出力を限られた枚数だけ出力したいというような場合、ユーザーの要望や装置の使用状態、環境等を考慮して組み合わせの設定が可能となる。
【0100】
以上のような構成を採用することによって、ユーザーが画像濃度傾き抑制の効果をより強く望んでいる場合、そのような要望に幅広く応えることが可能となる。
【0101】
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
【0102】
本実施の形態に係る画像形成装置の概略概略は前記実施の形態1,2のそれとほぼ同じであるが、それぞれの均一性向上モードに関するパラメータを段階的に設定できるようにした点が異なる。
【0103】
本実施の形態では、実施の形態2と同様、ユーザー側から見たモード切替スイッチ41の操作は同一である。又、本実施の形態のサービスモード画面の構成概要も実施形態2のそれとほぼ同様であって、図4(c)に示すように、サービスマン用モード切替スイッチ43,44,45及びその状態を表示する表示部43a,44a,45aが備えられている。
【0104】
ここで、例えばサービスマン用モード切替スイッチ43を一度操作すると、表示部43aに表示される数値が0→1→2(→0)のように順次切り替わっていく。これに応じて、第1均一性向上モードのパラメータである画像間隔が表示部43aが0のときは34mm、表示部43aが1のときは75mm、表示部43aが2のときは115mmと段階的に変化していく。
【0105】
同様に、サービスマン用モード切替スイッチ44の操作で第2均一性向上モードのパラメータである搬送スクリュー24の回転数が表示部44aが0のときは5.0rps、表示部44aが1のときは5.8rps、表示部44aが2のときは6.7rpsと段階的に変化していく。
【0106】
更に、同様に、サービスマン用モード切替スイッチ45の操作で第3均一性向上モードのパラメータであるトナー濃度センサ31によるトナー濃度制御値が表示部45aが0のときは7.0%、表示部45aが1のときは8.2%、表示部45aが2のときは9.3%と段階的に変化していく。
【0107】
このような構成を採用することによって、実施の形態2で説明したような各均一性向上モードを組み合わせて使用した場合のデメリットの拡大を最低限に抑えることができるとともに、画像濃度傾き抑制の効果を得ることができる。そして、装置の使用状態、環境、ユーザーの使用方法の特徴、要望等を考慮して最適に設定することによって、本発明の目的をより理想に近い形で達成することができる。
【0108】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、像担持体と、該像担持体上に形成された静電像にトナー及びキャリアを含む現像剤を供給して現像する現像手段と、を有する画像形成装置において、連続して複数の画像を形成する場合、前記像担持体上に形成する静電像間の間隔を大きくすることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第1のモードと、前記現像手段によるトナー供給量を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第2のモードと、を選択的に実行可能としたため、特に小型の画像形成装置において、画像比率の高い画像を形成する場合においても均一な濃度を得ることができるとともに、生産性低下、現像剤劣化、トナー飛散、かぶり等の特定のデメリットをユーザーに強いることなく、ユーザーの多種多様な要望に応えることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置要部の断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置に設けられた現像装置の断面図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置に設けられた現像装置の平断面図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の操作パネルを説明する図である。
【図5】従来の現像装置の断面図である。
【符号の説明】
1 現像装置(現像手段)
3 感光ドラム(像担持体)
19 現像剤
21 現像スリーブ(現像剤担持体)
23 マグネットローラ
24,25 搬送スクリュー
27 現像容器
33 規制ブレード
40 操作パネル
41 モード切替スイッチ
42〜44 サービスマン用モード切替スイッチ
42a〜44a 表示部
R1 現像室
R2 攪拌室
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録画像に対応して像担持体に形成された静電像を現像剤で現像することによって現像像を用紙等に記録する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真現像装置としては各種提案され、既に実用に供されている。ここで、現像方式としては、2成分現像法が安定性と耐久性に優れているため、この方法が多くの現像装置において採用されている。
【0003】
ところで、2成分現像法は、磁性キャリアによりトナーを現像領域に搬送して現像を行う方式であり、通常は現像剤を感光ドラムに接触させて現像工程を行う。ここで、その現像工程を図5に基づいて説明する。
【0004】
図5は従来の現像装置の断面図であり、同図において、21は現像スリーブ、23は現像スリーブ21内に固定配置された磁界発生手段としてのマグネットローラ、24,25は搬送スクリュー、33は現像剤19を現像スリーブ21表面に薄層形成するために配置された規制ブレード、27は現像容器である。尚、現像剤19は、非磁性トナーと磁性キャリアを所定のトナー濃度で混合して成るものである。
【0005】
前記現像容器27は、隔壁29によって2つの部分に分けられており、その部分のうち、現像スリーブ21に近い方を現像室R1、他方を攪拌室R2と呼ぶ。現像室R1、攪拌室R2には前記搬送スクリュー24,25がそれぞれ図示矢印方向に回転自在に収容されている。これらの搬送スクリュー24,25は、互いに逆方向に現像剤19を搬送し、現像容器27の両端部の隔壁29の開口部(不図示)において、現像剤19が一方の搬送スクリュー24(25)から他方の搬送スクリュー25(24)へと送られ、現像剤19は全体として一方向に循環するよう搬送される。
【0006】
ここで、感光ドラム3に形成された静電潜像を現像装置を用いて2成分磁気ブラシ法により顕像化する現像工程と現像剤19の循環系について説明する。
【0007】
先ず、現像スリーブ21の回転に伴い、マグネットローラ23のN3極で汲み上げられた現像剤19は、S3極に略対向して設けられた規制ブレード33によって層厚が規制され、現像スリーブ21上に薄層形成される。ここで、薄層形成された現像剤19が現像主極であるS1極に搬送されてくると、磁気力により現像剤19に穂立ちが形成される。この穂状に形成された現像剤19によって前記静電潜像を現像し、その後、現像スリーブ21上の現像剤19は、N3極とN2極の反発磁界によって現像容器27内に戻される。2成分現像法においては、上述したように、同極性の磁極を並べて配置し、現像後の現像剤19を一旦現像スリーブ21から剥ぎ取り、画像履歴を残さないようにする構成が一般的である。
【0008】
そして、N3極とN2極の反発磁界によって現像スリーブ21上から剥離された現像剤19は、搬送スクリュー24によって現像容器27内の現像剤19と攪拌される。そして、攪拌された現像剤19は、搬送スクリュー24によって搬送されながら再びN3極で汲み上げられて現像に供される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯かる従来の2成分現像法による現像装置の構成を採用した場合、以下のような問題があった。
【0010】
即ち、通常、市場で出力される画像の画像比率は10%以下と言われており、この程度の画像によるトナー消費であれば画像濃度の面内一様性は人間の目に感じられない程度に収まる。
【0011】
ところが、色の濃い部分が多い写真や原色を背景としたポスターのような画像比率の高い画像を形成する場合、搬送スクリュー24の軸方向で出力画像の濃度が傾いてしまう所謂「画像濃度傾き」現象を起こすことがある。その原因としては、トナーを消費した現像剤19が現像容器27内へ回収されて現像容器27内の現像剤19と混合される過程において、現像容器27内の2成分現像剤19のトナー濃度を少なからず低下させてしまうことが挙げられる。このトナー濃度の低下は、現像剤19が現像に繰り返し供される程大きくなるため、搬送スクリュー24の下流側にいけばいく程トナー濃度が低下することになる。
【0012】
特に近年、画像形成装置の小型化が進むに連れ、現像容器27の容積も小さくする必要がある。つまり、現像室R1内の現像スリーブ21に供給するための現像剤19の量も少なくなる方向となる。ここで、より少ない現像剤量で同じ量のトナー消費を行った場合を考えると、全体に占める消費トナーの割合が増加していることになるため、トナー濃度の変化が大きくなってしまう。
【0013】
このような「画像濃度傾き」現象を緩和するためには幾つかの方法が考えられる。
【0014】
第1の方法は、連続した画像出力の際の画像間隔(非画像領域)を長くする方法である。非画像領域を長くして、その間、現像スリーブ21や搬送スクリュー24,25を回転させることによって、トナー濃度の低下した現像剤19を速やかに搬送スクリュー24の下流側に搬送するとともに、トナー濃度の適正な現像剤19を速やかに供給することができる。言い換えると、画像1枚当たりに供給する現像剤19の量を増加させていることになる。
【0015】
しかし、この方法には、特に連続した画像出力を必要とするときの生産性が下がってしまうという欠点がある。
【0016】
第2の方法は、現像スリーブ21や搬送スクリュー24,25の回転速度を増加させる方法である。この方法によれば、第1の方法と同じく、画像1枚当たりに供給する現像剤19の量を増加させることによって、消費されるトナー量に対して供給するトナー量を増やし、トナー濃度変化の割合を小さく抑えることができる。
【0017】
しかし、この方法には、現像スリーブ21や搬送スクリュー24,25の回転による現像剤19の劣化速度が大きくなり、現像剤19の寿命が短くなってしまうという欠点がある。
【0018】
第3の方法は、現像剤19のトナー濃度を高くする方法である。この方法によれば、第2の方法と同じく、消費されるトナー量に対して供給するトナー量を増やし、トナー濃度変化の割合を小さくすることができる。
【0019】
しかし、この方法には、トナー濃度が高くなるに連れて現像装置からのトナー飛散が悪化したり、出力画像の白地にかぶりが生じたりする可能性が高くなるという欠点がある。
【0020】
更に付け加えれば、出力される画像のうち頻度が高くて画像比率が10%以下の画像に関しては、現像剤の搬送速度は十分であり、画像濃度傾きは生じにくい。つまり、頻度の低くて高画像比率の画像出力に合わせて生産性低下、現像剤劣化、トナー飛散、かぶりというデメリットを生じてさせてしまうことは、装置全体の効率を考えると得策ではない。従来、この点に鑑みて上記のようなパラメータを適宜変更することによって画像濃度傾きを低減するような提案がなされている。
【0021】
しかし、従来の提案は画像濃度傾きの改善に付随して特定のデメリットを装置の操作者に強いるものであり、ユーザーの多種多様な要望に必ずしも応えられるものではなかった。
【0022】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、特に小型の画像形成装置において画像比率の高い画像を形成した場合においても均一な濃度を得ることができ、生産性低下、現像剤劣化、トナー飛散、かぶり等の特定のデメリットをユーザーに強いることなく、ユーザーの多種多様な要望に応えることができる画像形成装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、像担持体と、該像担持体上に形成された静電像にトナー及びキャリアを含む現像剤を供給して現像する現像手段と、を有する画像形成装置において、連続して複数の画像を形成する場合、前記像担持体上に形成する静電像間の間隔を大きくすることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第1のモードと、前記現像手段によるトナー供給量を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第2のモードと、を選択的に実行可能としたことを特徴とする。
【0024】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、連続して複数の画像を形成する場合、前記像担持体上に形成する静電像間の間隔を大きくすると共に前記現像手段によるトナー供給量を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第3のモードを選択的に実行可能としたことを特徴とする。
【0025】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記現像手段は、現像剤を担持して前記像担持体上の静電像に供給する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に略平行配置され現像剤を搬送する現像剤搬送手段と、を備え、前記第2及び第3のモードでは前記現像剤搬送手段の搬送周速を大きくすることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更することを特徴とする。
【0026】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記第2及び第3のモードでは、前記現像手段内の現像剤中に含まれるトナーの比率を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【0027】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記各モードにおいて前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量が段階的に変更されるように選択可能としたことを特徴とする。
【0028】
請求項6記載の発明は、像担持体と、トナー及びキャリアを含む現像剤を収容する現像容器と、該現像容器内の現像剤を担持してこれを前記像担持体上に形成された静電像に供給する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に略平行配置され現像剤を搬送する現像剤搬送手段と、を有する画像形成装置において、連続して複数の画像を形成する場合、前記現像剤担持体の周速を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第1のモードと、前記現像容器内の現像剤中に含まれるトナー量を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第2のモードと、を選択的に実行可能としたことを特徴とする。
【0029】
従って、本発明によれば、特に小型の画像形成装置において、画像比率の高い画像を形成する場合においても均一な濃度を得ることができるとともに、生産性低下、現像剤劣化、トナー飛散、かぶり等のデメリットと濃度の均一性の効果をユーザーが考慮して選択することによって、特定のデメリットをユーザーに強いることなく、ユーザーの多種多様な要望に応えることができる。
【0030】
又、複数のモードを組み合わせて実行することが可能であると好ましい。これによって、ユーザーが画像濃度傾き抑制の効果をより強く望んでいる場合にも対応することが可能となる。
【0031】
更に、それぞれのモードの制御パラメータを段階的に選択することが可能であるとより好ましい。このような構成を採用することによって、各モードの持つデメリットを状況に応じて最低限に抑えつつ組み合わせることによって、画像濃度傾きを効果的に抑制することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0033】
[実施の形態1]
図1は本発明に係る画像形成装置の一形態としての電子写真方式のプリンタ要部の断面図である。
【0034】
図示のプリンタは、矢印方向に回転する電子写真感光ドラム3を備え、該感光ドラム3の周囲には、帯電器4、現像装置1、転写帯電器10、クリーニング手段12及び感光ドラム3の上方に配設したLED露光手段13等から成る画像形成手段が配置されている。そして、現像装置1には、非磁性トナーと磁性キャリアを含有する2成分現像剤19が内包されている。
【0035】
而して、被複写原稿は、不図示の原稿読取装置で読み取られるが、この原稿読取装置は、CCD等の原稿画像を電気信号に変換する光電変換素子を有しており、原稿に対応した画像信号を出力する。前記LED露光手段13は、これらの画像信号に対応して発光のON/OFFが制御されて露光を行う。尚、コンピュータ等の機器からの出力信号をプリントアウトすることもできる。
【0036】
次に、プリンタ全体のシーケンスについて説明する。
【0037】
先ず、感光ドラム3は、帯電器4によって均等に帯電される。次に、画像信号により制御されたLED露光手段13により感光ドラム3に対して露光が行われ、感光ドラム3上にドット分布潜像が形成され、この潜像は現像装置1により反転現像される。このようにして感光ドラム3上に形成されたトナー像は、転写帯電器10によって転写紙14に転写される。尚、トナー像転写後の感光ドラム3は、クリーニング手段12によってクリーニングされ、次の画像形成に備えられる。
【0038】
そして、トナー像が転写された転写紙14は、定着器(熱圧ローラ定着器)17に送られてトナー像の定着を受ける。
【0039】
次に、前記現像装置1を図面を参照しながら説明する。
【0040】
図2は現像装置1の断面図であり、本現像装置1は、現像容器27の感光ドラム3側の開口部に現像スリーブ21を設けて構成されている。ここで、現像容器27の内部は、隔壁29によって現像室(第1室)R1と攪拌室(第2室)R2とに区画されている。そして、攪拌室R2の上方には、補給トナー28を収容したトナー貯蔵室R3が形成されている。又、現像容器27には補給口26が設けられており、消費されたトナーに見合った量の補給トナー28が前記補給口26を経て現像容器27の攪拌室R2内に落下補給される。
【0041】
これに対し、現像容器27の現像室R1及び攪拌室R2内には現像剤19が収容されている。この現像剤19は、粉砕法によって製造された平均粒径8μmの非磁性トナーと平均粒径35μmの磁性キャリアとから成る2成分現像剤である。尚、非磁性トナーと磁性キャリアとの混合比は、重量比で非磁性トナーが約7%になるようにした。
【0042】
又、現像容器27の感光ドラム3に近接する部位には開口部が設けられており、その開口部から現像スリーブ21が外部に突出している。そして、現像スリーブ21は、現像容器27内において回転可能に組み込まれている。ここで、現像スリーブ21は、非磁性材で構成されており、その内部には複数の磁石で構成された磁界発生手段としてのマグネットローラ23が固定されている。
【0043】
上記マグネットローラ23は、現像磁極S1及び現像剤19を搬送するための磁極N1,S2,N2,N3を有しており、現像磁極であるS1は感光ドラム3に対向するように現像スリーブ21内に配置されている。この現像磁極S1は、現像スリーブ21と感光ドラム3との間の現像部の近傍に磁界を形成し、該磁界によって磁気ブラシが形成される。この位置において、現像スリーブ21の回転と共に矢印の方向に運ばれてきた現像剤19は、感光ドラム3と接触し、感光ドラム3上の静電潜像を現像する。
【0044】
又、現像スリーブ21には、不図示の電源により、交流電圧に直流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。潜像の暗部電位(非露光部電位)と明部電位(露光部電位)は、上記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって、向きが交互に変化する交番電界が現像部に形成され、この交番電界中でトナーとキャリアが激しく振動し、トナーが現像スリーブ21及びキャリアへの静電的拘束を振り切って潜像電位に対応した量のトナーが感光ドラム3に付着する。
【0045】
尚、本実施の形態においては、感光ドラム3の暗部電位は−550V、明部電位は−100Vであり、現像スリーブ21には直流バイアスとして−300V、交流バイアスとしてVpp2.0kV、Frq.6kHzが印加されている。
【0046】
又、本実施の形態に係る画像形成装置においては、感光ドラム3の表面が移動する速度(感光ドラム線速度)は130mm/sec、現像スリーブ21の表面が移動する速度(現像スリーブ線速度)は195mm/secに設定されている。ここで、現像スリーブ21の外径は20mmであるため、該現像スリーブ21の回転速度は3.1rpsである。
【0047】
次に、現像装置1内での現像剤19の循環について図2及び図3を用いて説明する。尚、図3は現像装置1の平断面図である。
【0048】
先ず、2本の搬送スクリュー24,25による現像容器27内の現像剤19の循環について説明する。
【0049】
図2に示すように、現像室R1、攪拌室R2内には、それぞれ搬送スクリュー24,25が回転自在に配置されている。搬送スクリュー24,25は、それぞれ図3に示すような螺旋状の羽根を有し、その直径は共に16mmに設定されている。又、羽根の軸方向ピッチは共に15mm、回転数も同じで5.0rpsである。尚、この直径や羽根の軸方向ピッチ等は様々に設計可能であり、又、それぞれの搬送スクリュー24,25で同じ数値でなくても良い。
【0050】
而して、搬送スクリュー24,25は、それぞれ図2の矢印方向に回転駆動され、その回転駆動によって現像室R1と撹拌室R2内の現像剤19は現像スリーブ21の長手方向に搬送される。ここで、図3に矢印にて示すように、搬送スクリュー24,25による現像剤19の軸方向搬送の向きは互いに逆方向である。
【0051】
次に、現像スリーブ21の回転による現像剤19の断面方向の循環について説明する。
【0052】
N3極の磁気力によって現像スリーブ21上に汲み上げられた現像剤19は、N3極に略対向して設けられた規制ブレード33によって層厚が規制され、現像スリーブ21上に薄層形成される。ここで、薄層形成された現像剤19が現像主極であるS1極に搬送されてくると、磁気力により現像剤19に穂立ちが形成される。この穂状に形成された現像剤19を感光ドラム3に近接或は接触させることによって、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する。
【0053】
而して、画像形成によってトナーを消費した後の現像剤19は、N3極へと搬送され、N3極〜N2極間の反発磁界によって現像スリーブ21表面から剥離され、現像容器27内に再収容される。そして、再収容された現像剤19は、搬送スクリュー24によって現像室R1内の現像剤19と攪拌されながら搬送され、再びN3極で汲み上げられて現像に供される。このようにして現像によりトナーを消費した現像剤19は、やがて搬送スクリュー24の最下流まで達し、現像容器27の端部にて現像室R1から攪拌室R2へと受け渡される。
【0054】
ところで、図3に示すように、攪拌室R2の最上流部付近にはトナー濃度センサ31が設置されており、このトナー濃度センサ31によって現像剤19の透磁率を検知してこれを所定値と比較することによって、現像剤19のトナー濃度(現像剤19中のトナー重量百分率)を算出することができる。
【0055】
而して、画像形成装置は、不図示の制御装置によって現像剤19のトナー濃度を算出し、その算出値に基づいてトナー補給が必要となった場合には、トナー貯蔵室R3から補給口26を通じて補給トナー28を補給する。
【0056】
次に、本実施の形態の特徴的な部分について説明する。
【0057】
先に説明した現像剤19の循環を図2の面内方向(装置の断面方向)と、図3の面内方向(図2に対して垂直な方向)に分けて考える。
【0058】
現像剤19の断面方向の循環は、現像スリーブ21の回転と搬送スクリュー24の回転によって生じる。本実施の形態における構成の場合、この現像剤19の循環の1周分に要する時間は、実測値で4.0secである。この時間は、現像スリーブ21上の現像剤を一部剥離し、異なる色のトナーを用いた現像剤を同程度の量付着させ、そのまま画像出力をするという実験で簡単に確かめることができる。
【0059】
現像スリーブ21の回転数は前述のように3.1rpsであるため、現像スリーブ21が1周する時間は約0.3secである。このうちN3極→N2極の約90度分は現像スリーブ21上の現像剤搬送時間ではないため、現像剤19が現像スリーブ21と略等速で搬送される時間は計算上0.225secである。又、搬送スクリュー24の回転数は5.0rpsであり、この1周分の時間が0.2secである。残りの3.5秒の内訳は次の通りである。
【0060】
先ず、N2極で現像剤19が汲み上げられ、該現像剤19が規制ブレード33部で滞留した後、層厚規制されて現像スリーブ21上にコートされるまでの時間がある。次に、現像剤19が反発磁界で現像スリーブ21の回転方向と逆向きの磁力を受けてN3極で滞留し、更に、磁気拘束力を逃れて現像室R1に落下するまでの時間がある。搬送スクリュー24の回転力はその回転方向と軸方向に分散され、更にその回転方向の分力も搬送スクリュー24表面付近の現像剤19から現像剤19同士の摩擦力を介して徐々に現像剤19全体に伝わっていくため、実際の回転方向の現像剤搬送速度が搬送スクリュー24の回転速度よりも可成り遅くなるためである。
【0061】
次に、現像剤19の軸方向の搬送について説明する。
【0062】
先ず、現像スリーブ21を取り外した状態での搬送スクリュー24の軸方向搬送速度を測定すると、現像剤19が軸方向に若干拡散したり、実験時の現像室R1の粉面高さによって若干の違いがあるものの、平均的には約70mm/sec程度という結果を得た。この速度は、搬送スクリュー24の羽根のピッチ及び回転数から計算で求めた速度75mm/sec(=15mm×5rps)とほぼ同等か若干小さく、粉体の搬送であることを考慮すると妥当な数値であると考える。この速度は、現像スリーブ21に一度も汲み上げられることなく搬送スクリュー24の上流側から下流側まで到達した現像剤19の速度を示すものであり、これを第1軸方向搬送速度と呼ぶことにする。
【0063】
次に、現像スリーブ21を実装した状態で、現像剤19に断面方向の循環をさせた状態での軸方向搬送速度を測定する。前述の断面方向の搬送時間を確認した実験において、異なる色のトナーを用いた現像剤を付着させた位置と画像上に再出現した位置を測定することによって、現像剤の軸方向の搬送距離を測定することができる。実験の結果、現像剤を付着させた位置と再出現した位置の軸方向距離は60mmであった。この距離を断面方向1周分の4secという時間で搬送されると考えると、その軸方向搬送速度は15mm/secである。この速度は、毎回現像スリーブ21による断面方向循環を経た現像剤19の軸方向搬送速度を示すものであり、これを第2軸方向搬送速度と呼ぶことにする。
【0064】
このように、現像室R1の現像剤19のうち、毎回現像スリーブ21による断面方向循環をする部分に着目して考えると、現像スリーブ21上の現像剤19の軸方向分布は、搬送スクリュー24の搬送方向上流側から数えて次のようになる。
【0065】
先ず、0〜60mmの領域は搬送スクリュー24で搬送されてきたままの現像剤、60〜120mmの領域では一度現像に使用された現像剤が混合している現像剤というように、搬送スクリュー24の搬送方向下流側に行くに従って現像に使用された現像剤19の割合が増加していく。現像スリーブ21の軸方向長さは300mmであるが、最下流の240〜300mmの領域で感光ドラム3との対向領域に搬送される現像剤19中には、既に上流側で3回使用された現像剤が混入して4回目の使用に用いられているということになる。
【0066】
実際には、現像スリーブ21から剥離された現像剤19は、搬送スクリュー24の回転によって攪拌混合を受けるため、前述のような階段状の分布にはならないが、搬送スクリュー24の搬送方向上流側から下流側に向かうに従い、現像に使用された現像剤19の割合がより多くなってくる。
【0067】
ここで、出力画像の画像比率が小さく、トナー消費量が余り大きくなければ、搬送スクリュー24の搬送方向下流側の現像スリーブ21上の現像剤19のトナー濃度は余り下がらず、この箇所の画像濃度低下も少ない。しかし、画像比率が高い場合、この箇所のトナー濃度低下が大きくなり、画像濃度も低下してしまう。
【0068】
画像濃度の低下の割合は、現像動作に使用されてN3極で剥離された現像剤の量に対し、それを混合させる相手の現像剤の量が少ない場合に特に顕著である。即ち、画像形成装置全体の小型化によって現像室R1の容量が少なくなった本実施の形態に係る現像装置1では顕著になってしまうことがある。
【0069】
而して、画像濃度傾きを緩和するための手段として、本実施の形態に係る画像形成装置では、以下の3つの「均一性向上モード」を操作部に用意し、ユーザーが状況等に応じてどのモードを使用するか切り替えることができる。
【0070】
図4は本実施の形態に係る画像形成装置の使用者操作パネル40を示す図である。操作パネル40は、タッチセンサ機構が設けられた液晶パネルであり、不図示の操作パネル制御手段によって様々な操作を行うことができる。
【0071】
図4(a)に示すように、操作パネル40内には、ユーザー用のモード切替スイッチ41が備えられており、通常モードと第1均一性向上モードの2種類のモードを切り替えることができる。具体的には、電源投入時には画像形成装置は通常モードになっており、ユーザーがモード切替スイッチ41を一度操作することによってモード切替スイッチ41の表示色が変わり、モードが切り替わったことをユーザーに明示する。同時に画像形成装置は次回の画像形成動作から第1均一性向上モードで動作する。又、この状態からもう一度モード切替スイッチ41を操作すると、該モード切替スイッチ41の表示色が元に戻り、画像形成装置は次回の画像形成動作から通常モードで動作する。
【0072】
通常モードでは、本装置は以下のような設定に従って動作する。
【0073】
<通常モードの動作パラメータ>
画像間隔(非画像領域) … 34mm
搬送スクリュー24の回転数 … 5.0rps
トナー濃度センサ31によるトナー濃度制御値 … 7%
これに対し、第1均一性向上モードの動作パラメータは以下のようになっている。
【0074】
<第1均一性向上モードの動作パラメータ>
画像間隔(非画像領域) … 115mm
搬送スクリュー24の回転数 … 5.0rps
トナー濃度センサー31によるトナー濃度制御値 … 7%
尚、画像間隔は出力される転写紙14のサイズによらず一定である。
【0075】
画像形成装置のユーザーは、利用頻度の高い文字画像等では通常モードを使用することによって、A4サイズであれば1分当たり32枚の画像出力を得ることができる。
【0076】
又、画像比率の高い画像を、画像濃度傾きのない高い品質で出力したい場合には、モード切替スイッチ41をONすることによって第1均一性向上モードを選択することができる。このモードは、非画像領域を34mmから115mmへと長くすることによって、トナーを消費しないで現像剤19を軸方向に搬送する時間を長くすることができ、トナー濃度の低下した現像剤19を速やかに搬送スクリュー24の下流側に搬送し、又、トナー濃度の適正な現像剤19を速やかに供給することができる。
【0077】
言い換えると、画像1枚当たりに供給する現像剤19の量を増加させていることになる。その結果、搬送スクリュー24の搬送方向下流側でのトナー濃度低下量を小さくすることができ、画像濃度傾きを小さく抑えることができる。この第1均一性向上モードでは、A4サイズで1分当たり24枚の画像出力となり、生産性の面では劣るものの、画像比率の高い画像を画像濃度傾きの無い高い品質で得ることができる。
【0078】
一方、高画像比率の画像出力は、例えば一般のオフィス等では利用頻度が低いものの、グラフィック関連や印刷関連の市場等では、色の濃い部分が多い写真や原色を背景としたポスター等を大量部数出力する機会が多い。このようなユーザーには、装置のメンテナンスを行うサービスマンが状況やユーザーの要望に応じて第2、第3均一性向上モードを設定することが可能である。
【0079】
サービスマンは、操作パネル40をユーザーに開示されていない所定の手順で操作することによって、本画像形成装置のサービスモード画面に入ることができる。即ち、図4(b)に示すように、サービスモード画面には、サービスマン用モード切替スイッチ42が備えられており、通常モードの他、第2、第3均一性向上モードを設定することができる。
【0080】
サービスマン用モード切替スイッチ42は、これを一度操作する度にそのモードが通常モード、第2均一性向上モード、第3均一性向上モードと切り替わり、更に操作すると通常モードに戻る。サービスマン用モード切替スイッチ42の右側にはモード表示部42aが備えられており、通常モードでは0、第2均一性向上モードでは2、第3均一性向上モードでは3をそれぞれ表示してサービスマンに現在の設定モードを簡略的に明示する。
【0081】
ここで、第2均一性向上モードについて詳しく説明する。
【0082】
<第2均一性向上モードの動作パラメータ>
画像間隔(非画像領域) … 34mm
搬送スクリュー24の回転数 … 6.7rps
トナー濃度センサ31によるトナー濃度制御値 … 7%
現像スリーブ21と搬送スクリュー24,25は、不図示のギアによって互いに連結されているため、搬送スクリュー24の回転数を変化させると、等しい比率で現像スリーブ21と搬送スクリュー25の回転数も変化する。これによって、第1軸方向搬送速度は70mm/secから94mm/secに、第2軸方向搬送速度は15mm/secから20mm/secに増加する。つまり、第1均一性向上モードと同様に、画像1枚当たりに供給する現像剤19の量を増加させていることになる。その結果、搬送スクリュー24の搬送方向下流側でのトナー濃度低下量を小さくすることができ、画像濃度傾きを小さく抑えることができる。
【0083】
又、画像間隔は通常モードと変わらないため、生産性を落とすことはない。但し、現像スリーブ21や搬送スクリュー24,25の回転が速くなることによって現像剤19の劣化速度が大きくなり、現像剤19の寿命が短くなってしまう。サービスマンは、この点に留意して早めの現像剤交換を行う等の対処が必要となる。
【0084】
次に、第3均一性向上モードについて詳しく説明する。
【0085】
<第3均一性向上モードの動作パラメータ>
画像間隔(非画像領域) … 34mm
搬送スクリュー24の回転数 … 5.0rps
トナー濃度センサ31によるトナー濃度制御値 … 9.3%
このモードでは、現像剤19のトナー濃度を高くすることによって、消費されるトナー量に対して供給するトナー量を増やし、トナー濃度の変化率を小さくすることができる。
【0086】
詳しく説明すると、同じトナー量を消費した場合、トナー濃度の低下を差分で表せば同じになるが、トナー供給量の変化率として捕らえると、元のトナー濃度が高い方がトナー供給量の変化率は低い。ここで、画像濃度の変化率は、供給するトナー量の変化率に依存するため、現像スリーブ21の両端でトナー濃度が同じ差分を持っていても、画像濃度の変化率は小さくなる。
【0087】
ここで、トナー濃度が上昇した分、現像スリーブ21の直流バイアス値を変更する等して同じ画像情報に対して同じトナー消費量になるように調整をすると、画像濃度の変化率が下がった分だけ現像スリーブ21両端の濃度差分も小さくなる。
【0088】
但し、現像剤19のトナー濃度が高くなると、特に高湿度環境下ではトナーの機内飛散や画像上の白地かぶり等の弊害が発生する場合もあるため、第3均一性向上モードを使用する場合には、画像形成装置の周囲の雰囲気を考慮して使用する必要がある。この点に留意すれば、生産性の低下や現像剤劣化等のデメリットが生じない形で濃度の均一性を向上させることができる。
【0089】
尚、本実施の形態に係る画像形成装置では、第1〜第3均一性向上モードを組み合わせて使えないようにしてある。これは、通常の使用においてはそれぞれの均一性向上モード単独で十分な効果が得られることと、組み合わせて使用した場合にそれぞれのデメリットが拡大することも考え得るからである。
【0090】
例えば、第1均一性向上モードは画像1枚当たりの現像スリーブ21と搬送スクリュー24,25の回転時間が増加するため、現像剤劣化には不利な方向に働く。実際の現像剤劣化は、画像比率(大小両極端である場合)や連続して動作する時間(例えば1日当たりに出力する画像枚数)等で変化するため、回転時間に比例して現像剤が劣化するとは一概に言えないが、少なくとも不利な方向に働くことは否定し得ない。
【0091】
これに対し、第2均一性向上モードのような現像スリーブ21の速度を上げる方法では、時間を長くした場合よりも劣化の速度が速い。これは、現像剤劣化という現象に、規制ブレード33における層厚規制部で発生する熱が関与しているからである。つまり、現像剤に与える影響は、第2均一性向上モードの方が大きい。
【0092】
又、例えば第1と第3又は第2と第3均一性向上モードを組み合わせた場合には、特に機内飛散に対して不利な方向に働く可能性がある。前述のようなデメリットの拡大の可能性を考え、本実施の形態では、第1均一性向上モードのみをユーザーに開放し、第2、第3均一性向上モードはサービスマンの判断で使用するという形態としている。
【0093】
第1〜第3均一性向上モードを組み合わせて使えないようにする方法として、本実施の形態では、サービスマンがサービスマン用モード切替スイッチ42を通常モード以外に切り替えた際、ユーザーに開放されていたモード切替スイッチ41を無効にする方法を用いている。このとき、モード切替スイッチ41は操作パネル40上で淡色化され、ユーザーに使用不可であることを明示する。
【0094】
以上のような構成を採用することによって、特に小型の画像形成装置において、画像比率の高い画像を形成した場合においても均一な濃度を得ることができる。又、生産性低下、現像剤劣化、トナー飛散、かぶり等のデメリットと濃度の均一性の効果をユーザーが考慮して選択することによって、特定のデメリットをユーザーに強いることなく、ユーザーの多種多様な要望に応えることができる。
【0095】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
【0096】
尚、本実施の形態に係る画像形成装置の基本構成は前記実施の形態1のそれとほぼ同じであるが、3つの均一性向上モードを組み合わせて使用できるようにした点が異なる。
【0097】
本実施の形態では、モード切替スイッチ41の操作は、実施の形態1と同じであるため、ユーザー側から見た操作の内容は同一である。しかし、モード切替スイッチ41を操作したときの画像形成装置の動作は、サービスマンの設定によって決定される。
【0098】
図4(c)に示すように、本実施の形態のサービスモード画面には、サービスマン用モード切替スイッチ43,44,45及びその状態を表示する表示部43a,44a,45aが備えられており、それぞれ第1、第2、第3均一性向上モードを独立に設定することができる。サービスマンは、所定の手順でサービスモード画面に入り、例えばサービスマン用モード切替スイッチ42a,42cを操作して表示部43a,45aの表示が0から1に変わったことを確認する(このとき、表示部44aの表示は0のままである)。この設定にしておくことによって、ユーザーがモード切替スイッチ41を操作したときに、第1、第3均一性向上モードが組み合わされて動作する。
【0099】
実施の形態1で説明したように、第1〜第3均一性向上モードを組み合わせて使用した場合に、それぞれのデメリットが拡大する可能性もある。しかし、例えば特殊紙の使用によって通常の画像よりも高品質な出力を限られた枚数だけ出力したいというような場合、ユーザーの要望や装置の使用状態、環境等を考慮して組み合わせの設定が可能となる。
【0100】
以上のような構成を採用することによって、ユーザーが画像濃度傾き抑制の効果をより強く望んでいる場合、そのような要望に幅広く応えることが可能となる。
【0101】
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
【0102】
本実施の形態に係る画像形成装置の概略概略は前記実施の形態1,2のそれとほぼ同じであるが、それぞれの均一性向上モードに関するパラメータを段階的に設定できるようにした点が異なる。
【0103】
本実施の形態では、実施の形態2と同様、ユーザー側から見たモード切替スイッチ41の操作は同一である。又、本実施の形態のサービスモード画面の構成概要も実施形態2のそれとほぼ同様であって、図4(c)に示すように、サービスマン用モード切替スイッチ43,44,45及びその状態を表示する表示部43a,44a,45aが備えられている。
【0104】
ここで、例えばサービスマン用モード切替スイッチ43を一度操作すると、表示部43aに表示される数値が0→1→2(→0)のように順次切り替わっていく。これに応じて、第1均一性向上モードのパラメータである画像間隔が表示部43aが0のときは34mm、表示部43aが1のときは75mm、表示部43aが2のときは115mmと段階的に変化していく。
【0105】
同様に、サービスマン用モード切替スイッチ44の操作で第2均一性向上モードのパラメータである搬送スクリュー24の回転数が表示部44aが0のときは5.0rps、表示部44aが1のときは5.8rps、表示部44aが2のときは6.7rpsと段階的に変化していく。
【0106】
更に、同様に、サービスマン用モード切替スイッチ45の操作で第3均一性向上モードのパラメータであるトナー濃度センサ31によるトナー濃度制御値が表示部45aが0のときは7.0%、表示部45aが1のときは8.2%、表示部45aが2のときは9.3%と段階的に変化していく。
【0107】
このような構成を採用することによって、実施の形態2で説明したような各均一性向上モードを組み合わせて使用した場合のデメリットの拡大を最低限に抑えることができるとともに、画像濃度傾き抑制の効果を得ることができる。そして、装置の使用状態、環境、ユーザーの使用方法の特徴、要望等を考慮して最適に設定することによって、本発明の目的をより理想に近い形で達成することができる。
【0108】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、像担持体と、該像担持体上に形成された静電像にトナー及びキャリアを含む現像剤を供給して現像する現像手段と、を有する画像形成装置において、連続して複数の画像を形成する場合、前記像担持体上に形成する静電像間の間隔を大きくすることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第1のモードと、前記現像手段によるトナー供給量を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第2のモードと、を選択的に実行可能としたため、特に小型の画像形成装置において、画像比率の高い画像を形成する場合においても均一な濃度を得ることができるとともに、生産性低下、現像剤劣化、トナー飛散、かぶり等の特定のデメリットをユーザーに強いることなく、ユーザーの多種多様な要望に応えることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置要部の断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置に設けられた現像装置の断面図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置に設けられた現像装置の平断面図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の操作パネルを説明する図である。
【図5】従来の現像装置の断面図である。
【符号の説明】
1 現像装置(現像手段)
3 感光ドラム(像担持体)
19 現像剤
21 現像スリーブ(現像剤担持体)
23 マグネットローラ
24,25 搬送スクリュー
27 現像容器
33 規制ブレード
40 操作パネル
41 モード切替スイッチ
42〜44 サービスマン用モード切替スイッチ
42a〜44a 表示部
R1 現像室
R2 攪拌室
Claims (6)
- 像担持体と、該像担持体上に形成された静電像にトナー及びキャリアを含む現像剤を供給して現像する現像手段と、を有する画像形成装置において、
連続して複数の画像を形成する場合、前記像担持体上に形成する静電像間の間隔を大きくすることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第1のモードと、前記現像手段によるトナー供給量を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第2のモードと、を選択的に実行可能としたことを特徴とする画像形成装置。 - 連続して複数の画像を形成する場合、前記像担持体上に形成する静電像間の間隔を大きくすると共に前記現像手段によるトナー供給量を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第3のモードを選択的に実行可能としたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記現像手段は、現像剤を担持して前記像担持体上の静電像に供給する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に略平行配置され現像剤を搬送する現像剤搬送手段と、を備え、前記第2及び第3のモードでは前記現像剤搬送手段の搬送周速を大きくすることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記第2及び第3のモードでは、前記現像手段内の現像剤中に含まれるトナーの比率を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記各モードにおいて前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量が段階的に変更されるように選択可能としたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像形成装置。
- 像担持体と、トナー及びキャリアを含む現像剤を収容する現像容器と、該現像容器内の現像剤を担持してこれを前記像担持体上に形成された静電像に供給する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に略平行配置され現像剤を搬送する現像剤搬送手段と、を有する画像形成装置において、
連続して複数の画像を形成する場合、前記現像剤担持体の周速を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第1のモードと、前記現像容器内の現像剤中に含まれるトナー量を増大させることによって前記像担持体上の静電像に対して供給するトナー量を変更する第2のモードと、を選択的に実行可能としたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002288564A JP2004126111A (ja) | 2002-10-01 | 2002-10-01 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002288564A JP2004126111A (ja) | 2002-10-01 | 2002-10-01 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004126111A true JP2004126111A (ja) | 2004-04-22 |
Family
ID=32281027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002288564A Pending JP2004126111A (ja) | 2002-10-01 | 2002-10-01 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004126111A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007286479A (ja) * | 2006-04-19 | 2007-11-01 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置およびその制御方法 |
JP2015068952A (ja) * | 2013-09-27 | 2015-04-13 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像形成装置及び画像形成方法 |
JP2017107061A (ja) * | 2015-12-09 | 2017-06-15 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | トナー容器およびこれを備える画像形成装置 |
-
2002
- 2002-10-01 JP JP2002288564A patent/JP2004126111A/ja active Pending
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