JP2004125947A - 光導波路素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】周回性アレイドウェーブガイドグレーティング30、波長合波器28及び波長分波器31をポリマ導波路で形成し、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング30の入力端と波長合波器28の出力端との間及び周回性アレイドウェーブガイドグレーティング30の出力端と波長分波器32の入力端との間を配線用導波路29,31にて突き合わせ接続した光導波路素子及びその製造方法において、配線用導波路29,31の一端を周回性アレイドウェーブガイドグレーティング30、波長合波器28又は波長分波器32と予め一体に形成した後、配線用導波路29,31の他端を突き合わせ接続する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマ導波路で形成された波長ルータ機能を有する光導波路素子及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、波長合波器、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング(Arrayed Waveguide Grating)、波長分波器を集積し、波長ルータ機能を設けた光導波路素子が知られている。
【0003】
図11に周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの概略を、図12に波長合波器の概略を、図13に波長分波器の概略を示す。また、図14にこれらの素子を組み合わせた光導波路素子の概略を示す。
【0004】
図11に示すように、周回性アレイドウェーブガイドグレーティングは、入力ポート1から4つの波長(λ1)、(λ2)、(λ3)、(λ4)の信号を、入力ポート2から4つの波長{λ1}、{λ2}、{λ3}、{λ4}の信号を、入力ポート3から4つの波長λ1、λ2、λ3、λ4の信号を、入力ポート4から4つの波長「λ1」、「λ2」、「λ3」、「λ4」の信号をそれぞれ入力すると、出力ポート5から4つの波長(λ1)、{λ2}、λ3、「λ4」の信号が、出力ポート6から4つの波長(λ2)、{λ3}、λ4、「λ1」の信号が、出力ポート7から4つの波長(λ3)、{λ4}、λ1、「λ2」の信号が、出力ポート8から4つの波長(λ4)、{λ1}、λ2、「λ3」の信号がそれぞれ出力される。
【0005】
また、図12に示すように、波長合波器は、入力ポート9から波長λ1の信号を、入力ポート10から波長λ2の信号を、入力ポート11から波長λ3の信号を、入力ポート12から波長λ4の信号をそれぞれ入力すると、出力ポート13から各信号が(λ1+λ2+λ3+λ4)と合波されて出力されてくる。
【0006】
さらに、図13に示すように、波長分波器は、入力ポート14から合波された信号(λ1+λ2+λ3+λ4)を入力すると、出力ポート15から波長λ1の信号が、出力ポート16から波長λ2の信号が、出力ポート17から波長λ3の信号が、出力ポート18から波長λ4の信号がそれぞれ出力されてくる。
【0007】
このような機能を有する周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、波長合波器、及び波長分波器を組み合わせることにより、図14に示すように、この機能性素子は、波長合波器19の各入力ポートへ上から順に波長が(λ1)、(λ2)、(λ3)、(λ4)の信号を、波長合波器20の各入力ポートへ上から順に波長が{λ1}、{λ2}、{λ3}、{λ4}の信号を、波長合波器21の各入力ポートへ上から順に波長がλ1、λ2、λ3、λ4の信号を、波長合分波器22の各入力ポートへ上から順に波長が「λ1」、「λ2」、「λ3」、「λ4」の信号を入力すると、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング23を経由して、波長分波器24の各出力ポートから上から順に波長が(λ1)、{λ2}、λ3、「λ4」の信号が、波長分波器25の各出力ポートから上から順に波長が「λ1」、(λ2)、{λ3}、λ4の信号が、波長分波器26の各出力ポートから上から順に波長がλ1、「λ2」、(λ3)、{λ4}の信号が、波長分波器27の各出力ポートから上から順に波長が{λ1}、λ2、「λ3」、(λ4)の信号が出力される。このように、これら3つの素子の機能を用いることにより波長ルータとして利用できるようになる。
【0008】
ところで、図11から図13に示した波長合波器、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、波長分波器を集積し、図14に示したような波長ルータ機能を有する光導波路素子を製造するためには、各素子間を高精度にバットカップリング(Butt coupling:突き合わせ接続)することが求められている。
【0009】
この要求に対して、従来は、各素子をポリマ導波路で形成すると共に、これら素子と同じポリマ導波路からなる配線用導波路を形成して、各素子間をこの配線用導波路を用いてバットカップリングにより接続して対応していた。
【0010】
図15に、基板上にポリマ導波路で形成された波長合波器、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング及び波長分波器を集積し波長ルータ機能を設けた従来の光導波路素子の外観を示し、図16にその断面を示す。
【0011】
図15に示すように、この光導波路素子は、Si基板上にポリマ導波路からなる波長合波器83がそれぞれ形成された4個の素子と、Si基板上にポリマ導波路からなる周回性アレイドウェーブガイドグレーティング85が形成された素子とが、Si基板上に形成されたポリマ導波路からなる配線用導波路84で接続され、さらにこの周回性アレイドウェーブガイドグレーティング85が形成された素子と、Si基板上にポリマ導波路からなる波長分波器87がそれぞれ形成された4個の素子とが、Si基板上に形成されたポリマ導波路からなる配線用導波路86で接続されている。
【0012】
また、図16に示すように、Si基板88上に形成された波長合波器83と、Si基板90上に形成された周回性アレイドウェーブガイドグレーティング85と、Si基板92上に形成された波長分波器87とが同じ高さに形成されていると共に、同様にSi基板89,91上にこれらと同じ高さに形成された配線用導波路84,86で接続されていることが分かる。
【0013】
図17(a)から図17(j)、図18(k)から図18(p)は、基板上にポリマ導波路で形成された波長合波器、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、波長分波器が集積されて波長ルータ機能を有する従来の光導波路素子の製造方法を示す部分工程図である。
【0014】
図17(a)、図17(b)に示すように、最初に、波長合波器、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、波長分波器を形成するため、Si基板93上にフッ素化ポリイミド、エポキシ、ポリメチルメタクリレート等のポリマで、下部クラッド層94をスピンコータ、カーテンコータ、スプレコータ等により成膜する。
【0015】
ついで図17(c)、図17(d)に示すように下部クラッド層94上にこの下部クラッド層94よりも高い屈折率を有するフッ素化ポリイミド、エポキシ、ポリメチルメタクリレート等のポリマでコア膜95を、スピンコータ、カーテンコータ、スプレコータ等により成膜する。
【0016】
さらに図17(e)、図17(f)に示すようにこのコア膜95上に、WSi膜96をスパッタ法により成膜する。
【0017】
ついで図17(g)、図17(h)に示すようにフォトリソグラフィ工程、ドライエッチング工程により、コアとなる場所を覆うWSiマスクパターン97を形成する。
【0018】
そして、図17(i)、図17(j)に示すようにドライエッチングによりフッ素化ポリイミド、エポキシ、ポリメチルメタクリレート等のポリマのコア98を形成し、さらに図18(k)、図18(l)に示すようにドライエッチングによりWSiマスクパターンを剥離する。
【0019】
そして、図18(m)、図18(n)に示すようにそのコア98上に低屈折率のフッ素化ポリイミド、エポキシ、ポリメチルメタクリレート等のポリマの上部クラッド層99で覆うことにより、図18(o)に示すようにポリマ導波路からなる波長合波器100、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング102、波長分波器104及び配線用導波路101,103が形成される。
【0020】
最後にこれら波長合波器100、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング102及び波長分波器104を、配線用導波路101,103を用いてバットカップリングにより接続して集積することで、図18(p)に示すように波長ルータ機能を有する光導波路素子を製造することができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の光導波路素子の製造方法では、配線用導波路101,103の両端をバットカップリングにより接続するため、接続個所が多くなってしまう。
【0022】
さらに、各素子100,102,104及び各配線用導波路101,103はそれぞれ別のSi基板上にポリマ導波路で形成されたものであるため、バットカップリングを行う際に素子の面内でカップリング精度に分布が生じてしまう。このバットカップリングの精度が不十分であると、バットカップリングの接続部で光の漏れが生じてしまい、このことが損失を増大する原因となり、問題となってきた。
【0023】
そこで、本発明の目的は、上述した従来技術の問題点を解決し、低損失化した構造の光導波路素子及びその製造方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1の発明は、ポリマ導波路で形成され、異なる波長の光をそれぞれ異なる波長の電気信号で変調した複数の光信号を異なる入力端からそれぞれ入力すると全電気信号に対応する光信号をそれぞれ異なる出力端から出力する周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、波長合波器及び波長分波器を有し、周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの入力端と波長合波器の出力端との間及び周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの出力端と波長分波器の入力端との間が配線用導波路にて突き合わせ接続された光導波路素子において、配線用導波路は、一端が周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、波長合波器又は波長分波器と予め一体に形成されているものである。
【0025】
請求項2の発明は、異なる波長の光をそれぞれ異なる波長の電気信号で変調した複数の光信号を異なる入力端からそれぞれ入力すると全電気信号に対応する光信号をそれぞれ異なる出力端から出力する周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、波長合波器及び波長分波器をポリマ導波路で形成し、周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの入力端と波長合波器の出力端との間及び周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの出力端と波長分波器の入力端との間を配線用導波路にて突き合わせ接続する光導波路素子の製造方法において、配線用導波路の一端を周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、波長合波器又は波長分波器と予め一体に形成した後、配線用導波路の他端を突き合わせ接続する方法である。
【0026】
請求項3の発明は、異なる波長の光をそれぞれ異なる波長の電気信号で変調した複数の光信号を異なる入力端からそれぞれ入力すると全電気信号に対応する光信号をそれぞれ異なる出力端から出力する周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、波長合波器及び波長分波器をポリマ導波路で形成し、周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの入力端と波長合波器の出力端との間及び周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの出力端と波長分波器の入力端との間を配線用導波路にて突き合わせ接続する光導波路素子の製造方法において、基板上に周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、波長合波器又は波長分波器と一体に配線用導波路を形成し、配線用導波路の下側の基板をエッチングにより除去して配線用導波路をフィルム状に形成した後、配線用導波路を突き合わせ接続する方法である。
【0027】
上記請求項1の構成によれば、突き合わせ接続した個所は、周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの入力端と波長合波器の出力端との間、及び周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの出力端と波長分波器の入力端との間の2個所と減少する。これにより接続損失が減少する。
【0028】
上記請求項2の構成によれば、配線用導波路により突き合わせ接続する個所は、周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの入力端と波長合波器の出力端との間の1個所、及び周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの出力端と波長分波器の入力端との間の1個所の計2個所と減少する。これにより、接続損失が減少すると共に接続工数も減少する。
【0029】
上記請求項3の構成によれば、配線用導波路が柔軟に形成されるので、それぞれの配線用導波路を独自に調芯してコア同士を突き合わせ接続できる。これにより、高精度なバットカップリングが容易に可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0031】
図1に本発明の一実施の形態としての光導波路素子の外観を示す。
【0032】
図1に示すように、光導波路素子は、4個のSi基板上にポリマ導波路で形成された波長合波器28と、Si基板上にポリマ導波路で形成された周回性アレイドウェーブガイドグレーティング30とが、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング30が形成された素子の入力端の一部をフィルム状に加工したフィルム導波路29で接続され、またSi基板上にポリマ導波路で形成された周回性アレイドウェーブガイドグレーティング30と、4個のSi基板上にポリマ導波路で形成された波長分波器32が、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング30が形成された素子の出力端の一部をフィルム状に加工したフィルム導波路31で接続された波長ルータ機能を有する光導波路素子である。
【0033】
このように周回性アレイドウェーブガイドグレーティング30、波長合波器28、波長分波器32を組み合わせることにより、この機能性素子が波長ルータとして利用できるようになる。
【0034】
図2に図1の光導波路素子の断面を示す。
【0035】
図2に示すように、Si基板33上に形成された波長合波器28と、Si基板36上に形成された周回性アレイドウェーブガイドグレーティング30と、Si基板上に形成された波長分波器32のコアがほぼ同じ高さに形成されていると共に、配線用導波路34,38で接続されている。
【0036】
また、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング36の入力端に形成されたバットカップリング部34のコアは、波長合波器28のコアと同じ高さになるように支持部35により支持されており、さらに周回性アレイドウェーブガイドグレーティング36が形成された素子の出力端に形成されたバットカップリング部38のコアは、波長分波器32のコアと同じ高さになるように支持部37により支持されている。
【0037】
図3(a)から図3(j)、図4(k)から図4(t)、図5(u)から図5(x)は、この光導波路素子の製造方法を示す部分工程図である。
【0038】
図3(a)、図3(b)に示すように、最初に、波長合波器、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、波長分波器の形成を行うため、Si基板40上にフッ素化ポリイミド、エポキシ、ポリメチルメタクリレート等のポリマで、下部クラッド層41をスピンコータ、カーテンコータ、スプレコータ等により成膜する。
【0039】
ついで図3(c)、図3(d)に示すように下部クラッド層41上にこの下部クラッド層41よりも高い屈折率を有するフッ素化ポリイミド、エポキシ、ポリメチルメタクリレート等のポリマでコア膜42を、スピンコータ、カーテンコータ、スプレコータ等により成膜する。
【0040】
さらに図3(e)、図3(f)に示すようにこのコア膜42上に、WSi膜43をスパッタ法により成膜する。
【0041】
ついで図3(g)、図3(h)に示すようにフォトリソグラフィ工程、ドライエッチング工程により、コアとなる場所を覆うWSiマスクパターン44を形成する。
【0042】
そして図3(i)、図3(j)に示すようにドライエッチングによりフッ素化ポリイミド、エポキシ、ポリメチルメタクリレート等のポリマのコア45を形成し、さらに図4(k)、図4(l)に示すようにドライエッチングによりWSiマスクパターンを剥離する。
【0043】
そして図4(m)、図4(n)に示すようにそのコア45上に低屈折率のフッ素化ポリイミド、エポキシ、ポリメチルメタクリレート等のポリマの上部クラッド層46で覆うことにより、ポリマ導波路からなる素子が形成される。
【0044】
さらに本実施の形態にあっては、図4(o)、図4(p)に示すように周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの入力端及び出力端の一部をフィルム状に加工するため、周回性アレイドウェーブガイドグレーティングのSi基板40の下面にスピンコータでフォトレジスト膜47を形成する。
【0045】
ついで、図4(q)、図4(r)に示すようにフォトリソグラフィによりフォトレジストマスク48を形成する。
【0046】
さらに図4(s)、図4(t)に示すようにフッ酸を用いたエッチングによりSi基板40の一部を除去してフィルム導波路49,50を形成する。
【0047】
ついで図5(u)、図5(v)に示すようにレジスト剥離液によりフォトレジストマスクを除去する。
【0048】
最後に図5(w)に示すように波長合波器51、波長分波器55と、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング53を集積し、これらの波長合波器51と周回性アレイドウェーブガイドグレーティング53とを、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング53が形成された素子の入力端の一部をフィルム状に加工したフィルム導波路52でバットカップリングすることにより接続し、さらにこの周回性アレイドウェーブガイドグレーティング53と波長分波器55とを、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング53が形成された素子の出力端の一部をフィルム状に加工したフィルム導波路54でバットカップリングすることで接続し、図5(x)に示すように波長ルータ機能を有する光導波路素子を製造することができる。
【0049】
このように構成することにより、図1に示したように、バットカップリングの個所は、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング30の入力端と波長合波器28の出力端、及び周回性アレイドウェーブガイドグレーティング30の出力端と波長分波器32の入力端の2個所になり、さらにバットカップリングを行う際もフィルム導波路29,31を介してのバットカップリングとなるため、各バットカップリングの個所において独自にコア同士の調芯ができ、高精度なバットカップリングが可能になる。
【0050】
次に、本発明の他の実施の形態について述べる。
【0051】
図6に本発明の他の実施の形態としての光導波路素子の外観を示す。
【0052】
図6に示すように、光導波路素子は、4個のSi基板上にポリマ導波路で形成された波長合波器56と、Si基板上にポリマ導波路で形成された周回性アレイドウェーブガイドグレーティング58とが、波長合波器56が形成された素子の出力端の一部をフィルム状に加工したフィルム導波路57でバットカップリングにより接続され、さらにこの周回性アレイドウェーブガイドグレーティング58と、4個のSi基板上にポリマ導波路で形成された波長分波器60とが、波長分波器60が形成された素子の入力端の一部をフィルム状に加工したフィルム導波路59でバットカップリングにより接続された波長ルータ機能を有する光導波路素子である。
【0053】
このように周回性アレイドウェーブガイドグレーティング58、波長合波器56、波長分波器60を組み合わせることにより、この機能性素子が波長ルータとして利用できるようになる。
【0054】
図7に図6の光導波路素子の断面を示す。
【0055】
図7に示すように、Si基板61上に形成された波長合波器56と、Si基板64上に形成された周回性アレイドウェーブガイドグレーティング58と、Si基板67上に形成された波長合波器60のコアがほぼ同じ高さに形成されていると共に、配線用導波路57,59で接続されている。
【0056】
また、波長合波器56が形成された素子の出力端に形成されたバットカップリング部63のコアは、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング58のコアと同じ高さになるように支持部62により支持されており、さらに波長分波器60が形成された素子の入力端に形成されたバットカップリング部65のコアは、その周回性アレイドウェーブガイドグレーティング58のコアと同じ高さになるように支持部66により支持されている。
【0057】
図8(a)から図8(j)、図9(k)から図9(t)、図10(u)から図10(x)は、この光導波路素子の製造方法を示す部分工程図である。
【0058】
図8(a)、図8(b)に示すように、最初に、波長合波器、周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、波長分波器の形成を行うため、Si基板68上にフッ素化ポリイミド、エポキシ、ポリメチルメタクリレート等のポリマで、下部クラッド層69をスピンコータ、カーテンコータ、スプレコータ等により成膜する。
【0059】
ついで図8(c)、図8(d)に示すように下部クラッド層69上にこの下部クラッド層69よりも高い屈折率を有するフッ素化ポリイミド、エポキシ、ポリメチルメタクリレート等のポリマでコア膜70を、スピンコータ、カーテンコータ、スプレコータ等により成膜する。
【0060】
さらに図8(e)、図8(f)に示すようにこのコア膜70上に、WSi膜71をスパッタ法により成膜する。
【0061】
ついで図8(g)、図8(h)に示すようにフォトリソグラフィ工程、ドライエッチング工程により、コアとなる場所を覆うWSiマスクパターン72を形成する。
【0062】
そして図8(i)、図8(j)に示すようにドライエッチングによりフッ素化ポリイミド、エポキシ、ポリメチルメタクリレート等のポリマのコア73を形成し、さらに図9(k)、図9(l)に示すようにドライエッチングによりWSiマスクパターンを剥離する。
【0063】
そして図9(m)、図9(n)に示すようにそのコア73上に低屈折率のフッ素化ポリイミド、エポキシ、ポリメチルメタクリレート等のポリマの上部クラッド層74で覆うことにより、ポリマ導波路からなる素子が形成される。
【0064】
さらに本実施の形態にあっては、図9(o)、図9(p)に示すように波長合波器が形成された素子の出力端の一部と波長分波器が形成された素子の入力端の一部とをフィルム状に加工するため、波長合波器を形成したSi基板68と波長分波器を形成したSi基板68の下面にスピンコータでフォトレジスト膜75を形成する。
【0065】
ついで、図9(q)、図9(r)に示すようにフォトリソグラフィによりフォトレジストマスク76を形成する。
【0066】
さらに図9(s)、図9(t)に示すようにフッ酸を用いたエッチングによりSi基板68の一部を除去してフィルム導波路77を形成する。
【0067】
ついで図10(u)、図10(v)に示すようにレジスト剥離液によりフォトレジストマスクを除去する。
【0068】
最後に図10(w)に示すように周回性アレイドウェーブガイドグレーティング80と、波長合波器78、波長分波器82を集積し、これらの波長合波器78と周回性アレイドウェーブガイドグレーティング80とを、波長合波器78が形成された素子の出力端の一部をフィルム状に加工したフィルム導波路79でバットカップリングすることにより接続し、さらにこの周回性アレイドウェーブガイドグレーティング80と波長分波器82とを、波長分波器82が形成された素子の入力端の一部をフィルム状に加工したフィルム導波路81でバットカップリングすることで接続し、図10(x)に示すように波長ルータ機能を有する光導波路素子を製造することができる。
【0069】
このように構成することにより、図6に示したように、バットカップリングの個所は、波長合波器56の出力端と周回性アレイドウェーブガイドグレーティング58の入力端、及び波長分波器60の入力端と周回性アレイドウェーブガイドグレーティング58の出力端の2個所になり、さらにバットカップリングを行う際もフィルム導波路57,59を介してのバットカップリングとなるため、各バットカップリング個所において独自にコア同士の調芯ができ、高精度なバットカップリングが可能になる。
【0070】
次に、本発明にかかる光導波路素子と従来技術の光導波路素子の損失特性を比較検討する。
【0071】
実施例として図3から図5に示した本発明方法により図1に示した光導波路素子を製造し、比較例として図17、図18に示した従来方法により図15に示した光導波路素子を製造し、これら実施例と比較例のそれぞれ任意のバットカップリング個所における接続損失を測定した。その測定結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
表1に示すように、実施例の光導波路素子は、1.3μm帯における各入力−主力の接続損失は3.06〜3.11dBであり、良好な値であった。また各入力−出力間での大きなばらつきは見られなかった。
【0074】
これはバットカップリングを行う際にフィルム導波路を介してのバットカップリングとなるため、各バットカップリング個所において独自にコア同士の調芯ができ、高精度なバットカップリングが行えたことによる。
【0075】
しかし、比較例の光導波路素子は、1.3μm帯における各入力−主力の接続損失は3.54〜3.81dBであり、実施例の接続損失と比較すると0.5dBほど高い値となっている。
【0076】
これは実施例はバットカップリングによる接続部分が2個所であるのに対して、比較例はバットカップリングによる接続部分が4個所であり、2個所増加したことによる。
【0077】
また、各入力−出力間での接続損失の最小値が3.54dB及び最大値が3.81dBと大きなばらつきが生じていることが分かる。
【0078】
これは各配線用導波路がSi基板上にポリマ導波路で形成されたものであるため、バットカップリングを行う際に素子の面内でカップリング精度に分布が生じてしまうためである。
【0079】
以上の結果から、本発明により光導波路素子の低損失化が容易に実現できることが分かった。
【0080】
尚、本実施の形態では、配線用導波路を周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの入力端及び出力端と一体に形成するか、または波長合波器の出力端及び波長分波器の入力端と一体に形成したが、配線用導波路の一端が周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、波長合波器又は波長分波器と予め一体に形成されていれば良い。
【0081】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、低損失化した構造の光導波路素子及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す光導波路素子の外観図である。
【図2】図1の光導波路素子の断面図である。
【図3】(a)〜(j)は図1の光導波路素子の製造方法を示す部分工程図である。
【図4】(k)〜(t)は図1の光導波路素子の製造方法を示す部分工程図である。
【図5】(u)〜(x)は図1の光導波路素子の製造方法を示す部分工程図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を示す光導波路素子の外観図である。
【図7】図6の光導波路素子の断面図である。
【図8】(a)〜(j)は図6の光導波路素子の製造方法を示す部分工程図である。
【図9】(k)〜(t)は図6の光導波路素子の製造方法を示す部分工程図である。
【図10】(u)〜(x)は図6の光導波路素子の製造方法を示す部分工程図である。
【図11】周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの概略図である。
【図12】波長合波器の概略図である。
【図13】波長分波器の概略図である。
【図14】波長ルータ機能を有する光導波路素子の概略図である。
【図15】従来の光導波路素子の外観図である。
【図16】図15の光導波路素子の断面図である。
【図17】(a)〜(j)は図15の光導波路素子の製造方法を示す部分工程図である。
【図18】(k)〜(p)は図15の光導波路素子の製造方法を示す部分工程図である。
【符号の説明】
28 波長合波器
29,31 配線用導波路(フィルム導波路)
30 周回性アレイドウェーブガイドグレーティング
32 波長分波器
Claims (3)
- ポリマ導波路で形成され、異なる波長の光をそれぞれ異なる波長の電気信号で変調した複数の光信号を異なる入力端からそれぞれ入力すると全電気信号に対応する光信号をそれぞれ異なる出力端から出力する周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、波長合波器及び波長分波器を有し、上記周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの入力端と上記波長合波器の出力端との間及び上記周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの出力端と上記波長分波器の入力端との間が配線用導波路にて突き合わせ接続された光導波路素子において、上記配線用導波路は、一端が上記周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、上記波長合波器又は上記波長分波器と予め一体に形成されていることをことを特徴とする光導波路素子。
- 異なる波長の光をそれぞれ異なる波長の電気信号で変調した複数の光信号を異なる入力端からそれぞれ入力すると全電気信号に対応する光信号をそれぞれ異なる出力端から出力する周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、波長合波器及び波長分波器をポリマ導波路で形成し、上記周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの入力端と波長合波器の出力端との間及び上記周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの出力端と波長分波器の入力端との間を配線用導波路にて突き合わせ接続する光導波路素子の製造方法において、上記配線用導波路の一端を上記周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、上記波長合波器又は上記波長分波器と予め一体に形成した後、上記配線用導波路の他端を突き合わせ接続することを特徴とする光導波路素子の製造方法。
- 異なる波長の光をそれぞれ異なる波長の電気信号で変調した複数の光信号を異なる入力端からそれぞれ入力すると全電気信号に対応する光信号をそれぞれ異なる出力端から出力する周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、波長合波器及び波長分波器をポリマ導波路で形成し、上記周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの入力端と波長合波器の出力端との間及び上記周回性アレイドウェーブガイドグレーティングの出力端と波長分波器の入力端との間を配線用導波路にて突き合わせ接続する光導波路素子の製造方法において、基板上に上記周回性アレイドウェーブガイドグレーティング、上記波長合波器又は上記波長分波器と一体に上記配線用導波路を形成し、上記配線用導波路の下側の基板をエッチングにより除去して上記配線用導波路をフィルム状に形成した後、上記配線用導波路を突き合わせ接続する光導波路素子の製造方法。
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