JP2004125522A - 非線形定数測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定の波長の第1のコヒーレンス光L1と、上記所定の波長に近接した波長の第2のコヒーレンス光L2とを合波して合波光L3とし、この合波光L3の強度を順次変化させて、合波光L3の強度を検出し、上記合波光L3を8を介して被測定光ファイバXの一端から入射させ、上記被測定光ファイバXの他端から出射される透過光L4を各波長成分に分光して検出し、この透過光L4の検出結果及び上記合波光L3の強度の検出値に基づいて被測定光ファイバXの非線形定数を算出して測定する非線形定数測定方法であって、透過光L4の強度を検出し、この検出値と上記合波光L3の強度の検出値とを比較することによって、上記8における接続損失量が測定中に変化したかどうかを判定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定光ファイバの非線形特性を測定する非線形定数測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CW−SPM(Continuous Wave−Self Phase Modulation)法によって被測定光ファイバの非線形定数を測定する際には、所定の波長及び強度に設定された第1のコヒーレンス光と上記第1のコヒーレンス光の波長に近接した波長及び上記第1のコヒーレンス光の強度と同一な強度の第2のコヒーレンス光とを合波させて被測定光ファイバの一端に入射させ、その透過光から第1あるいは第2のコヒーレンス光の強度と第1あるいは第2のコヒーレンス光の隣に発生するサイドバンドの強度との比を測定し、この測定結果と合波光の強度とに基づいて被測定光ファイバの非線形定数を算出する。すなわち、被測定光ファイバの非線形定数を算出するには、被測定光ファイバに入射する合波光の強度を正確に得る必要がある。そこで、通常、上記合波光を光カプラで一部分岐し、その分岐された合波光を光パワーメータで検出し、その検出値を用いて算出することによって被測定光ファイバに入射する合波光の強度は求められている。
【0003】
【非特許文献1】
A.Boskovic,S.V.Chernikov,J.R.Taylor,L.Gruner−Nielsen and O.A.Levring 「Direct continuous−wave measurement of n2 in various types of telecommunicatoin fiber at 1.55 μm」 OPTICS LETTERS/Vol.21,No.24/December 15,1996 p.1966−1968
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記光カプラにおける分岐比は光カプラ個々において個体差があることに加え、実際に被測定光ファイバに入射する合波光は、接続部を介して光カプラから被測定光ファイバに入射するため、接続部における接続損失が発生する。つまり、光パワーメータの検出結果に基づいて算出された合波光の強度と実際に被測定光ファイバに入射する合波光の強度とが異なってしまい、結果、異なった強度を用いて非線形定数を算出することとなり、測定結果の精度が劣化するという問題点が生じる。また、上記接合部は、通常、V溝接続器であるため、この接続部における接続損失量は、外部からの影響を受け易い。測定中に外部からなんらかの衝撃が加わった場合、接続部の接続損失量が変わり、算出した非線形定数の信頼性が劣化するが、従来の非線形定数測定方法では、測定中に上記接続部の接続損失量が変わったかどうかを判定することができなかった。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、以下の点を目的とするものである。
(1)被測定光ファイバの非線形定数をより正確に測定する。
(2)測定中に接続部の接続損失量が変化したかどうかを判定する。
(3)被測定光ファイバに入射する合波光の正確な強度を得る。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、第1の手段として、所定の波長の第1のコヒーレンス光と、上記所定の波長に近接した波長の第2のコヒーレンス光とを合波して合波光とし、この合波光の強度を順次変化させて、合波光の強度を検出し、上記合波光を接続部を介して被測定光ファイバの一端から入射させ、上記被測定光ファイバの他端から出射される透過光を各波長成分に分光して検出し、この透過光の検出結果及び上記合波光の強度の検出値に基づいて被測定光ファイバの非線形定数を算出して測定する非線形定数測定方法であって、透過光の強度を検出し、この検出値と上記合波光の強度の検出値とを比較することによって、上記接続部における接続損失量が測定中に変化したかどうかを判定するという構成を採用する。
【0007】
第2の手段として、所定の波長の第1のコヒーレンス光と、上記所定の波長に近接した波長の第2のコヒーレンス光とを合波して合波光とし、この合波光の強度を順次変化させて、合波光の強度を検出し、上記合波光を接続部を介して被測定光ファイバの一端から入射させ、上記被測定光ファイバの他端から出射される透過光を各波長成分に分光して検出し、この透過光の検出結果及び合波光の強度の検出値に基づいて被測定光ファイバの非線形定数を算出して測定する非線形定数測定方法であって、上記検出結果を得た後、被測定光ファイバの一端近傍を切断し、該切断部から出射される透過光の強度を検出し、この検出値及び上記合波光の強度の検出値を用いて合波光が接続部を介するまでの伝送損失量を算出し、該伝送損失量を用いて、被測定光ファイバに入射される合波光の正確な強度を算出するという構成を採用する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係わる非線形定数測定方法の一実施形態について説明する。
【0009】
図1は、本非線形定数測定方法を実施するための装置の全体構成図である。この図において、符号1は第1の光源、2は第2の光源、3は第1の光カプラ、4は光ファイバアンプ、5は光可変減衰器、6は第2の光カプラ、7は第1の光パワーメータ、8はV溝接続器(接続部)、9は第3の光カプラ、10は光スペクトラムアナライザ、11は第2の光パワーメータ、またXは被測定光ファイバである。
【0010】
第1の光源1は、所定の波長の第1のコヒーレンス光L1を発生するものであり、第2の光源2は、上記第1のコヒーレンス光L1の波長に近接した波長の第2のコヒーレンス光L2を発生するものである。第1の光カプラ3は、上記第1のコヒーレンス光L1と第2のコヒーレンス光L2を合波するものであり、合波した第1のコヒーレンス光L1と第2のコヒーレンス光L2を合波光L3として光ファイバアンプ4に入射するものである。
【0011】
光ファイバアンプ4は、上記合波光L3を増幅して光可変減衰器5に出力するものであり、光可変減衰器5は、測定者に操作されることによって、この増幅された合波光L3の強度を時間的に順次変化させて第2の光カプラ6に入射するものである。
【0012】
第2の光カプラ6は、入力された合波光L3を1対99に分岐するものであり、分岐した合波光L3の一方(1/100)を第1の光パワーメータ7に入射し、他方(99/100)をV溝接続器8を介して接続された被測定光ファイバXの一端に入射するものである。第2の光パワーメータ7は、第2の光カプラ6から入射された合波光L3の強度を検出して、その検出値を表示するものである。
【0013】
V溝接続器8は、土台にV型の溝が形成されたものであり、上記光カプラ6の出力端と被測定光ファイバXの一端をV型の溝の中に載置し、接触することによって光カプラ6と被測定光ファイバXを接続するものである。
【0014】
第3の光カプラ9は、被測定光ファイバXの他端から出射された透過光L4を1対1に分岐するものであり、分岐した一方の透過光L4を光スペクトラムアナライザ10に入射させ、分岐した他方の透過光L4を第2の光パワーメータ11に入射させるものである。
【0015】
光スペクトラムアナライザ10は、上記第3の光カプラ9によって分岐された一方の透過光L4を各波長成分に分光して検出するものであり、例えば、その検出結果を画面上に波形図として表示する。第2の光パワーメータ11は、上記第3の光カプラ9によって分岐された他方の透過光L4の強度を検出して、その検出値を表示するものである。
【0016】
続いて、上述したように構成された装置の動作及び非線形定数測定方法について説明する。
【0017】
第1の光源1によって発生された第1のコヒーレンス光L1及び第2の光源2によって発生された第2のコヒーレンス光L2は、第1の光カプラ3によって合波され、合波光L3として光ファイバアンプ4に入射される。この合波光L3は、光ファイバアンプ4によって増幅された後、光可変減衰器5によって所定の強度に変化されて、第2の光カプラ6に入射される。そして、合波光L3は、第2の光カプラ6によって1対99に分岐され、一方(1/100)が第1の光パワーメータ7に入射されると共に、他方(99/100)がV溝接続器8によって上記第2の光カプラ6と接続された被測定光ファイバXの一端に入射される。
【0018】
第1の光パワーメータ7に入射された合波光L3は、第1の光パワーメータ7によって合波光L3の強度を検出される。この検出された合波光L3の強度は、検出値として、例えば第1の光パワーメータ7の画面上に表示される。被測定光ファイバXの一端に入射された合波光L3は、被測定光ファイバXを通過する際に非線形現象が起こり、透過光L4として被測定光ファイバXの他端から出射され、第3の光カプラ9に入射される。
【0019】
第3の光カプラ9に入射された透過光L4は、1対1に分岐され、一方が光スペクトラムアナライザ10に入射されると共に、他方が第2の光パワーメータ11に入射される。
【0020】
光スペクトラムアナライザ10に入射された透過光L4は、光スペクトラムアナライザ10によって各波長成分に分光されてから検出される。その検出結果は、例えば波形図として光スペクトラムアナライザ10の画面上に表示される。第2の光パワーメータ11に入射された透過光L4は、第2の光パワーメータ11によって透過光L4の強度を検出される。この検出された透過光L4の強度は、検出値として、例えば第2の光パワーメータ11の画面上に表示される。
【0021】
このような動作をする装置において、測定者は、第1の光パワーメータ7から分岐された合波光L3の強度の検出値を得る。これと同時に測定者は、第2の光パワーメータ11から分岐された透過光L4の強度の検出値を得る。測定者は、この得た検出値を例えば図2に示す、縦軸が第2の光パワーメータ11で検出された強度、横軸が第1の光パワーメータ7で検出された強度の座標上にプロットする。そして、測定者は、光可変減衰器5を操作して、合波光L3の強度を順次変化させることによって、上記座標上に複数の検出値をプロットする。なお、測定者は、上記動作と同時に、第1の光パワーメータ7に表示さえた検出値及び光スペクトラムアナライザ10に表示された検出結果を記録する。
【0022】
上記第1の光パワーメータ7から分岐された合波光L3の強度の検出値と第2の光パワーメータ11から分岐された透過光L4の強度の検出値とは比例関係にあり、本装置の伝送損失量が一定であれば、座標上にプロットされた検出値は、図2の破線Aのように直線上に分布する。しかしながら、測定中に何らかの原因によってV溝接続器8に衝撃が加わり、接続損失量が変わると上記伝送損失量が変化し、座標上にプロットされた検出値は、例えば図2の実線Bのように、折れ曲がり、直線状に分布しなくなる。
【0023】
そこで、測定者は、座標上にプロットした検出値が直線状に分布しなくなった場合には、V溝接続器8による接続損失量が変化したと判定し、被測定光ファイバXの非線形定数を正確に測定できないとの判断を下し、非線形定数の測定を中止する。つまり、測定者がV溝接続器8による接続損失量が変化したと判定し、被測定光ファイバXの非線形定数を正確に測定できないとの判断を下し、非線形定数の測定を中止することによって、測定精度の劣化したものを排除できるため、結果的に被測定光ファイバXの非線形定数を測定する精度が向上する。
【0024】
そして、測定者は、被測定光ファイバXの非線形定数を正確に測定できないとの判断をせずに全ての検出結果を得た後、図3に示すように被測定光ファイバXの一端近傍、例えば一端から2〜3mの位置で被測定光ファイバXを切断し、この切断部X1から出射される透過光L4の強度を新たに設ける第3の光パワーメータ12で検出し、この検出値及び切断後に第1の光パワーメータ7によって得た検出値とを用いて合波光L3がV溝接続器8を介するまでの伝送損失量、すなわち第2の光カプラ6の分岐比を考慮した第2の光カプラ6と被測定光ファイバXとの接続損失量を算出し、この伝送損失量に基づいて、被測定光ファイバXを切断する前に記録した第1のパワーメータ7の検出値を補正することによって被測定光ファイバXに入射された合波光L3の正確な強度を算出する。
【0025】
続いて、測定者は、算出した合波光L3の正確な強度と記録した光スペクトラムアナライザ10の検出結果から被測定光ファイバXの非線形定数を、例えばパーソナルコンピュータ等を用いて算出する。
【0026】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例も考えられる。
(1)上記実施形態において、V溝接続器8における接続損失量が測定中に変化したかどうかを判定することと被測定光ファイバXに入射される合波光L3の正確な強度を算出することとを両方行った。しかしながら、V溝接続器8における接続損失量が測定中に変化したかどうかを判定することあるいは被測定光ファイバXに入射される合波光L3の正確な強度を算出することのみを行っても良い。V溝接続器8における接続損失量が測定中に変化したかどうかを判定することのみを行う場合には、装置構成は上述した構成にとらわれるものではない。
(2)上記実施形態において、測定者が被測定光ファイバXの非線形定数を正確に測定できるかどうかの判定及び被測定光ファイバXの非線形定数を算出することを測定者が行った。しかしながら、上記測定者の動作をパーソナルコンピュータが行っても良い。
(3)上記実施形態において、光可変減衰器5を測定者が操作することによって、合波光L3の強度を順次変化させた。しかしながら、所定時間ごとに光可変減衰器5が自動的に合波光L3の強度を順次変化させても良い。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、所定の波長の第1のコヒーレンス光と、上記所定の波長に近接した波長の第2のコヒーレンス光とを合波して合波光とし、この合波光の強度を順次変化させて、合波光の強度を検出し、上記合波光を接続部を介して被測定光ファイバの一端から入射させ、上記被測定光ファイバの他端から出射される透過光を各波長成分に分光して検出し、この透過光の検出結果及び上記合波光の強度の検出値に基づいて被測定光ファイバの非線形定数を算出して測定する非線形定数測定方法であって、透過光の強度を検出し、この検出値と上記合波光の強度の検出値とを比較することによって、上記接続部における接続損失量が測定中に変化したかどうかを判定する。すなわち、被測定光ファイバの非線形定数をより正確に測定し、測定中に接続部の接続損失量が変化したかどうかを判定することができる。
【0028】
また、本発明によれば、所定の波長の第1のコヒーレンス光と、上記所定の波長に近接した波長の第2のコヒーレンス光とを合波して合波光とし、この合波光の強度を順次変化させて、合波光の強度を検出し、上記合波光を接続部を介して被測定光ファイバの一端から入射させ、上記被測定光ファイバの他端から出射される透過光を各波長成分に分光して検出し、この透過光の検出結果及び合波光の強度の検出値に基づいて被測定光ファイバの非線形定数を算出して測定する非線形定数測定方法であって、上記検出結果を得た後、被測定光ファイバの一端近傍を切断し、該切断部から出射される透過光の強度を検出し、この検出値及び上記合波光の強度の検出値を用いて合波光が接続部を介するまでの伝送損失量を算出し、該伝送損失量を用いて、被測定光ファイバに入射される合波光の正確な強度を算出する。すなわち、被測定光ファイバの非線形定数をより正確に測定し、被測定光ファイバに入射する合波光の正確な強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる非線形定数測定方法を実施するための装置の全体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わる非線形定数測定方法を説明するための第1の光パワーメータ7で検出された強度と第2の光パワーメータ11で検出された強度との関係を示したグラフである。
【図3】本発明の一実施形態に係わる非線形定数測定方法を実施するための装置の一部を表した図である。
【符号の説明】
1……第1の光源
2……第2の光源
3……第1の光カプラ
4……光ファイバアンプ
5……光可変減衰器
6……第2の光カプラ
7……第1の光パワーメータ
8……V溝接続器(接続部)
9……第3の光カプラ
10……光スペクトラムアナライザ
11……第2の光パワーメータ
12……第3の光パワーメータ
X……被測定光ファイバ
X1……切断部
Claims (2)
- 所定の波長の第1のコヒーレンス光(L1)と、前記所定の波長に近接した波長の第2のコヒーレンス光(L2)とを合波して合波光(L3)とし、この合波光(L3)の強度を順次変化させて、合波光(L3)の強度を検出し、前記合波光(L3)を接続部(8)を介して被測定光ファイバ(X)の一端から入射させ、前記被測定光ファイバ(X)の他端から出射される透過光(L4)を各波長成分に分光して検出し、この透過光(L4)の検出結果及び前記合波光(L3)の強度の検出値に基づいて被測定光ファイバ(X)の非線形定数を算出して測定する非線形定数測定方法であって、
透過光(L4)の強度を検出し、この検出値と前記合波光(L3)の強度の検出値とを比較することによって、前記接続部(8)における接続損失量が測定中に変化したかどうかを判定することを特徴とする非線形定数測定方法。 - 所定の波長の第1のコヒーレンス光(L1)と、前記所定の波長に近接した波長の第2のコヒーレンス光(L2)とを合波して合波光(L3)とし、この合波光(L3)の強度を順次変化させて、合波光(L3)の強度を検出し、前記合波光(L3)を接続部(8)を介して被測定光ファイバ(X)の一端から入射させ、前記被測定光ファイバ(X)の他端から出射される透過光(L4)を各波長成分に分光して検出し、この透過光(L4)の検出結果及び合波光(L3)の強度の検出値に基づいて被測定光ファイバ(X)の非線形定数を算出して測定する非線形定数測定方法であって、
前記検出結果を得た後、被測定光ファイバ(X)の一端近傍を切断し、該切断部(X1)から出射される透過光(L4)の強度を検出し、この検出値及び前記合波光(L3)の強度の検出値を用いて合波光(L3)が接続部(8)を介するまでの伝送損失量を算出し、該伝送損失量を用いて、被測定光ファイバ(X)に入射される合波光(L3)の正確な強度を算出することを特徴とする非線形定数測定方法。
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