JP2004125460A - シート抵抗値測定機器および測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高分子シート膜上に形成された導電層のシート抵抗を測定するに際し、測定精度が高く操作が容易で試験片に対する負荷の小さな測定装置および測定方法を提供することにある。
【解決手段】四端子法において、端子の先端径、端子に加える圧力、端子間距離を所定の範囲とし、端子が自動的に測定部位まで移動する機能を有する。また、前記4つの端子が同一線上になく、かつ、電流印加用端子間を結ぶ線の垂線上またはその内部に電位差測定用端子を配置することでより測定精度の向上が期待できる。さらに、前記端子の内、電流印加用端子と電位差測定用端子とが任意に交換可能とすることで、特にベルト状の試験片の端部の測定に対して、左右の両方の端面からの影響が少ない測定が可能となる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性プラスチックの抵抗値を求める抵抗値測定機器および測定方法に関し、特に、高分子シート膜上に形成された金属薄膜等の導電層、具体的には、タッチパネルや有機液晶等の光学部材に有用である。
【0002】
【従来の技術】
タッチパネルや有機液晶等の光学部材にあっては、パネル上またはシート上における位置を検出する必要性から、透明電極をパネルの上部や下部に設けたり、あるいは、シート上に透明電極を形成している。導電層の形成は、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンブレーティング法、スプレー熱分解法、化学メッキ法、電気メッキ法、塗工法等によるもので、用いられる材料として金、銀等が挙げられる。これらの透明電極は、前者では高分子のシート膜の上に所定の抵抗値を有するように特定の金属材料の膜を形成し、後者では非導電体にドープされたホールを駆動するべく導電層を形成している。
【0003】
通常、こうして形成された電極が有効に働くためには、導電層の抵抗値が所定の範囲内である必要があり、生産面では、導電層の膜厚やこれを構成する素材を管理するとともに、出来上がった導電層の抵抗値を測定して仕上がり検査をしている。
【0004】
一般に導電材料の測定方法としては、JIS K7194に規定されている「導電性プラスチックスの4探針法による抵抗率試験方法」(以下「JIS法」という。)が知られており(非特許文献1)、上記の場合にもこれに準じて検査することが考えられ、例えば、市販品として、三菱化学製の測定機器「ロレスターGP」などが現実に検査機器として使用されている。
【0005】
ここで、JIS法とは、図6に示すように、導電性プラスチックスを対象(試験片1)とし、4本の探針2(本願にいう「端子」と同じ。以下「端子」という。)を直線状に配置し、外側の2本を使って定電流源3に接続して試験片1に電流印加したときの内側の2本の間の電圧を電圧計4によって測定する方法をいう。実際には、試験片1に押し当てた端子A−D間に正逆両方に印加した印加電流値Iおよびこのときの端子B−C間の電位差測定値Vの平均値を求め、式1によって、試験片1の抵抗Rを算出する。
R=V/I  (式1)
【非特許文献1】
日本工業規格「JIS K7194−1994」
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法では、以下のような問題点が生じることがある。
【0007】
試験片1の周辺部と中心部では、同じ材質・膜厚であっても測定値が異なることがある。つまり、導電層自体の抵抗は同じであっても、図7(1)および(2)に示すように、中央部では、電流を印加している2つの端子2(AおよびD)間の印加電流が、A−Dを結ぶ直線に対しほぼ対象的に分布しているのに対し、端部では端面によって印加電流の分布が変形するため(実質的に分布密度の上昇が予想される。)、中央部での測定に比べ、検出される電圧が高くなり、抵抗値も高い値となる。JIS法では、これを試験片1の位置および厚みによって所定の補正係数Fを設定し、式2を使って、抵抗率ρ(Ω・cm)を算出する。
ρ=F・t・R  (式2)
t:試験片の厚さ(cm)
【0008】
しかし、こうした補正係数Fは試験片1ごとに予め設定する必要があり、多種多様な製品を検査する場合においては、作業が非常に煩雑となる。例えば、図7のような端部が角形状では補正係数Fの設定は比較的容易であるが、そうでない場合には、単純な補正では十分な精度が担保できず、補正係数Fの設定は必ずしも容易ではない。また、上記のように補正係数Fは試験片1の特定位置ごとに予め設定するが、測定部位がずれると補正後の測定値に誤差が生じることとなり、測定部位が、端部に近ければ近いほど、その影響は大きくなる。特に、対象が情報端末機器(PDA)に用いられるタッチパネル用導電シートの場合は、そのシートのサイズも小さく(例えば、100mm×100mm程度が用いられることがある)、生産中の大型シートを分割した後での検査では高い測定精度は期待できないことが多い。同様に、PDAの表示部用に用いられるホール駆動用または液晶駆動用導電体も小型シートでは、測定精度に問題が生じやすい。
【0009】
また、主として、ガラス等の比較的硬い素材の上に導電層が形成されている試験片1を対象としてJIS法により測定する場合には、所定の測定精度の確保は容易であるが、高分子シート等の比較的柔らかい素材の上に導電層が形成されている場合、シート上の導電層が端子2によって破壊や欠損が生じて、測定不能や測定誤差の発生に結びつくおそれがある。特に、光学設計上、特定の波長板に導電層を積層する必要があり柔らかい素材となる場合や、導電層の物理的衝撃を緩和するために粘着剤により導電層を複数積層する場合にあっては、表層の弾性が大きく、測定時に端子圧によって導電層の変形が大きくなって導電層にクラックが生じることがある。極端な場合には、導電層を突き破ることさえありうる。
【0010】
さらに、市販の装置では、端子2を手動で測定部位まで移動させる必要があり、連続測定には適さず、測定部位のずれの発生も生じやすく、操作の効率上にも問題があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、四端子法によって高分子シート膜上に形成された導電層のシート抵抗を測定するに際し、かかる課題を解消し、測定精度が高く操作が容易で試験片に対する負荷の小さな測定装置および測定方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、主として、測定時の端子の働き、それと測定値との関連、および操作性について鋭意研究したところ、以下の手段により、より測定精度が高く操作が容易で試験片に対する負荷の小さな測定装置および測定方法が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
高分子シート膜上に形成された導電層のシート抵抗を四端子法によって測定する抵抗値測定機器において、前記端子が自動的に測定部位まで移動する機能を有し、連続的に複数回抵抗値を測定することが可能であり、前記端子の先端径が0.4〜1.5mm、前記端子に加える圧力が10〜100g/本、端子間距離が1.5〜6.0mmであることを特徴とする。これによって、操作性の高い連続測定が可能となり、導電層に対する負荷が少なく、測定精度が高く操作が容易な測定装置および測定方法の提供が可能となる。
【0014】
また、前記機器における前記端子の内、前記機器における前記4つの端子が同一線上になく、かつ、電流印加用端子間を結ぶ線の垂線上またはその内部に電位差測定用端子を配置することを特徴とする。これによって、特に端部の測定に対して端面の影響の少ない測定が可能となり、より測定精度が高く操作が容易で試験片に対する負荷の小さな測定装置および測定方法の提供が可能となる。
【0015】
さらに、前記機器における前記端子の内、電流印加用端子と電位差測定用端子とが任意に交換可能であることを特徴とする。これによって、特にベルト状の試験片の端部の測定に対して、端子を動かさずに左右の両方の端面からの影響が少ない測定が可能となり、より測定精度が高く操作が容易で試験片に対する負荷の小さな測定装置および測定方法の提供が可能となる。
【0016】
また、前記機器における前記4つの端子を正四角形の角部に配置することを特徴とする。これによって、操作性の高く、端面の影響の少ない測定が可能となり、より測定精度が高く操作が容易で試験片に対する負荷の小さな測定装置および測定方法の提供が可能となる。
【0017】
さらに、前記機器における印加電流値Iと電位差測定値Vを用い,式3によって抵抗値Rsを算出することを特徴とする。これによって、印加電流と測定電圧とから正確な抵抗値の算出が可能となり、より測定精度が高く操作が容易で試験片に対する負荷の小さな測定装置および測定方法の提供が可能となる。
Rs=2π/ln2*V/I  (式3)
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の一例を示す測定装置の図である。テーブル5上に設置された試験片1の各測定部位を、ガイド9を移動するプローブ6の先端に設けられた端子2によって測定するもので、具体的には、以下の順に動作し、測定する。ここでは、試験片1が固定された状態で測定する場合について説明するが、無論試験片1がコンベア状に移動し連続的に測定する場合も、本発明の適用が可能である。
【0020】
(1)装置操作部(図示せず)に、予め試験片1の任意の測定位置を入力しておく。
(2)試験片1をテーブル5上に設置する。このとき、測定点の位置がずれないように、テーブル5にガイドを設け、それに沿って固定する。
(3)測定スタートスイッチを入れると、プローブ6とともに保持体8が作動し、ガイド9に沿って試験片1の第1測定点まで移動する(X軸方向)。移動は、モータやシリンダ等を駆動源とし、ロッドやアーム等を動力伝達手段とする。保持体8の移動および以下の操作は、装置操作部に内蔵されたCPU等により自動的に制御され、試験片の固定・設置・取外し等を全自動で行うことも可能である。
(4)X軸方向についての第1測定点に到達すると、保持体8およびプローブ6は停止し、プローブ6が保持体8に対してガイド9と垂直方向に移動する(Y軸方向)。プローブ6は保持体8に対してY軸方向に移動する構造を有しており(図示せず)、第1測定点に対応してプローブ6を移動するように制御する。
(5)次に、Y軸方向についての第1測定点に到達すると、プローブ6は停止し、ストローク7が伸びてプローブ6が試験片1から所定の距離まで近接する(Z軸方向)。
(6)プローブ5の先端にはバネを介して4つの端子2が設けられており、当該端子2が試験片1上の測定点の表面を押付ける。押付け圧力は、予め、プローブ5と試験片1との間が所定の距離になった状態において、所定の値で試験片1を押圧するように、バネ定数やバネの形状を設定しておくのが一般的であるが、端子2またはバネの接続部に歪ゲージや圧力検出器等を設けて、ストローク7の距離を調整することも可能である。無論、端子2を駆動可能とし、この駆動源によって圧力を可変することも可能である。
(7)この状態で、4つの端子2の内の電流印加用端子間に所定の電流を印加する。電流値は、測定対象となる高分子フィルムや導電層等によって定められるものであり、装置操作部から予め設定しておく。
(8)このとき、電位差測定用端子間には所定の電位差が生じるため、その値を信号処理部(図示せず)に入力する。測定は、端子間に印加する方向を正および逆にしたときの両方のデータの平均値とする等、JIS法に準拠して行われる。
(9)信号処理部では、印加電流値Iと電位差測定値Vを用い,式3によって抵抗値Rsを算出する。
Rs=2π/ln2*V/I  (式3)
式3の右項の係数は、本発明における端子の配置がJISのように4 つの端子が直線状ではなく正四角形の各角に配置された場合に補正が必要となるものであり、以下を根拠に算出され、端子の配置によって個別に算出される。
(10)第1測定点での計測が終了すると、Z軸方向、Y軸方向、X軸方向について上記と逆に移動させ、次の測定点に保持体8およびプローブ6を移動させ、順次計測してゆき、各抵抗値を算出する。
【0021】
上記測定における具体的な条件について鋭意研究したところ、使用する端子2の先端径は0.2〜1.5mm好ましくは0.4〜0.9mm、端子2の押付け圧力10〜100g/本好ましくは20〜60g/本、端子間距離が1.5〜6.0mm好ましくは2.0〜4.0mmの範囲にあることが望ましいことを見出した。こうした範囲にあれば、導電層に物理的なダメージを与えることなく、同様の測定を繰り返し行っても同様の測定結果が得られることが判明した。つまり、端子2の先端径が小さい場合には先端での実質的な押付け圧力が上昇することから導電層にダメージを与えてしまうこととなり、先端径が大きい場合には端子同士が接触する可能性が生じる。また、圧力が小さすぎる場合には端子2と導電層との接触が不安定となって測定精度に悪影響を及ぼすこととなり、圧力が大きすぎる場合には導電層に物理的なダメージを与えることとなる。さらに、端子間距離が小さすぎる場合には端子2の先端径への制約が厳しくなり、端子間距離が大きすぎる場合には試験片1の端部での測定時に抵抗値が大きくなるという不具合が生じることが判った。
【0022】
また、端子2は、金属体表面に低抵抗値の金属メッキ、例えば金、クロム、ロジウム等を処理することが好ましい。導電層に対し一定の滑度を有することで、導電層を傷つけることなくスムーズな端子2の移動が可能となり、より正確な電圧測定が可能となる。
【0023】
図2は上記実施例におけるプローブ6部分を拡大したものである。図2は、図1のプローブ6部分を異なった角度からの図であり、4つの端子2が正四角形状に配置された例を示している。これは、上述の知見を基に、従来技術における試験片1の測定時の問題点であった端部の測定精度をより改善するために工夫したものである。
【0024】
具体的には、図3(1)のように、4つの端子2が試験片1に対し正四角形状に押圧をかけ、端子A−D間に電流印加し端子B−C間の電圧を測定するもので、図4(1)に発明者が考える端子A−D間に印加される電流分布を示す。端面近傍の測定において、測定端子B’−C’が端子A’−D’間に対し端面と反対の側(以下「内面側」という。)にあるため、試験片1に対して端子A’−D’間に印加される電流分布が、試験片1の中央部の測定時とほとんど変らない条件で測定ができる。測定点が複数の場合、測定位置が変ると端面と端子2との関係が異なるが、プローブ6を軸方向に回転可能な構造にすれば、図4(2)に示すように、常に測定端子B−Cが内面側にあるようにすることができる。つまり、測定位置2)のときは測定位置1)と同様の端子2の配置で端子B’−C’が内面側となるが、測定位置3)のときは端子B”−C”が内面側になるようにプローブを回転させ、測定位置4)のときも同様にプローブを回転させて、全ての測定位置において測定端子を内面側に配置し、端面の影響をほとんど受けずに測定することができることとなる。なお、この場合にあっても、端子径、端子押付け圧力、端子間距離および端子表面処理等については、上記の具体的な条件が適正である。
【0025】
また、4つの端子2を全て同質にしておけば、電流印加をする端子と電圧を測定する端子の切換をすることができ、上記と同様、常に測定端子B−Cが内面側にあるようにすることができる。つまり、図4(3)のように、測定位置2)では、端子A’−D’間に電流印加し端子C’ −D ’間の電圧を測定し、測定位置3)では、端子B”−C”間に電流印加し端子A”−D”間の電圧を測定するか、端子D”−C”間に電流印加し端子A”−B”間の電圧を測定し、測定位置4)のときも同様に電流印加をする端子と電圧を測定する端子を切換えて、全ての測定位置において測定端子を内面側に配置し、端面の影響をほとんど受けずに測定することができることとなる。
【0026】
このようにして得られた電位差測定値V、および印加電流値Iを用いて、式3によって抵抗値Rsを算出することができる。
Rs=2π/ln2*V/I  (式3)
【0027】
つまり、正四角形の一辺の長さをr、各電位差測定用端子の電位をV およびV 、測定端子の先端半径をaとすると、V およびV は次の各式となる。
【数1】
Figure 2004125460
【数2】
Figure 2004125460
ここで、V およびV を展開しVを計算すると、各々以下のようになる。
Figure 2004125460
よって、表面抵抗値Rs=2π/ln2*V/I (式3)となる。
【0028】
さらに、前述の実施形態4つの端子2が正四角形状に配置された例だけでなく、測定端子間の距離が電流印加端子間の距離よりも短い方が、電位差を大きく測定することができるため、測定精度を高めることができる場合がある。例えば、端子の配置を図3(2)〜(6)のようにした場合が該当する。ここで(2)から(5)は端子を等脚台形の各角部に設けたもので、長辺部に電流印加端子を配し短辺分に測定端子を配置している。なお、例えば、図3(6)のように試験片1の形状や端面の形状によって端子間同士をずらせることで、より端部の影響を軽減できる場合には、台形であっても等脚であることは必ずしも必要ではない。正四角形状に近い配置で端部の影響を軽減しつつ、4つの端子が直線状に配置されるJIS法に準ずることができる。
【0029】
また、前述の実施形態では、いずれも端子間同士が平行状態の場合を示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、4つの端子が同一線上になく、かつ、電流印加用端子間を結ぶ線の垂線上またはその内部に電位差測定用端子を配置するものであれば、試験片1の形状や端面の形状により適した形状を選択すべきことは、本発明の趣旨に合致するものである。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
【0031】
試験片1を図5(A)および(B)に示すような構成をなす2種類の導電フィルムとし、下記表(1)のような条件で、中央部および端部における抵抗値について測定を行った。2つの実施例として本発明の条件に合致したプローブを、3つの比較例として本発明の条件外のプローブを用いて、評価した。試験片1は100mm×30mmの大きさで、端部の測定は角部に対して10mm×10mmの位置とし、初期抵抗値およびプローブを繰返し10回設定した後の抵抗値を測定した。
【表1】
Figure 2004125460
【0032】
試験片1は、導電フイルムの基板としてポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。フィルムA は、約188μmの厚みを有するPETの表面に透明導電体、例えば、ITO(Indium−Tin Oxide)を導電層として形成したもので、フィルムBは約125μmの厚みを有するPETの表面に厚み約23μmの接着層を介してさらにPET約23μmを施した面にITOを導電層として形成したものである。ここで、ITOとしては、酸化インジウム(In)に酸化スズ(SnO)を添加した素材のが多く用いられる。酸化スズの混入により10−4Ωcm程度の抵抗体が形成される。
【0033】
上記の5つの試験片について、測定した結果を表2に示す。
【表2】
Figure 2004125460
【0034】
本発明の実施例については、中央部と端部の差異も少なく、繰返し測定の影響も見られなかったのに対し、比較例では、中央部と端部の差異が大きく表われ、繰返し測定をすることで抵抗値が大きくなってくるという問題点の発生も見られた。また、繰返し測定後の試験片を顕微鏡で観察すると、比較例2では導電層にクラックの発生を確認し、比較例3では導電層が破れていることが確認された。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、高分子シート膜上に形成された導電層のシート抵抗を四端子法によって測定するに際し、端子の先端径、端子に加える圧力、端子間距離を所定の範囲にすることによって、導電層に対する負荷が少なく、測定精度が高く操作が容易な測定装置および測定方法の提供が可能となる。
【0036】
また、端子が自動的に測定部位まで移動する機能を有することによって、操作性の高い連続測定が可能となり、導電層に対する負荷が少なく測定精度が高い測定装置および測定方法の提供が可能となる。
【0037】
さらに、4つの端子が同一線上になく、かつ、電流印加用端子間を結ぶ線の垂線上またはその内部に電位差測定用端子を配置することによって、特に端部の測定に対して端面の影響の少ない測定が可能となり、より測定精度が高く操作が容易で試験片に対する負荷の小さな測定装置および測定方法の提供が可能となる。
【0038】
また、電流印加用端子と電位差測定用端子とが任意に交換可能とすることによって、特にベルト状の試験片の端部の測定に対して、左右の両方の端面からの影響が少ない測定が可能となり、より測定精度が高く操作が容易で試験片に対する負荷の小さな測定装置および測定方法の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する測定機器の一例を示す説明図
【図2】本発明を実施する測定機器の一例を示す説明図
【図3】本発明における端子の配置の一例を示す説明図
【図4】本発明における端子の配置の一例による効果を示す説明図
【図5】本発明に実施態様の詳細の一例を示す説明図
【図6】従来の実施例を示す説明図
【図7】従来の実施例における効果を示す説明図
【符号の説明】
1  試験片
2  端子(探針)
3  定電流源
4  電圧計
5  テーブル
6  プローブ
7  ストローク
8  保持体
9  ガイド

Claims (6)

  1. 高分子シート膜上に形成された導電層のシート抵抗を四端子法によって測定する抵抗値測定機器において、前記端子が自動的に測定部位まで移動する機能を有し、連続的に複数回抵抗値を測定することが可能であり、前記端子の先端径が0.4〜1.5mm、前記端子に加える圧力が10〜100g/本、端子間距離が1.5〜6.0mmであることを特徴とする抵抗値測定機器。
  2. 前記機器における前記4つの端子が同一線上になく、かつ、電流印加用端子間を結ぶ線の垂線上またはその内部に電位差測定用端子を配置することを特徴とする請求項1に記載の抵抗値測定機器。
  3. 前記機器における前記端子の内、電流印加用端子と電位差測定用端子とが任意に交換可能であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の抵抗値測定機器。
  4. 前記機器における前記4つの端子を正四角形の角部に配置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抵抗値測定機器。
  5. 前記機器における印加電流値Iと電位差測定値Vを用い,以下の計算式によって抵抗値Rsを算出することを特徴とする請求項4に記載の抵抗値測定機器。
    Rs=2π/ln2*V/I
  6. 端子が自動的に測定部位まで移動する機能を有し、連続的に複数回抵抗値を測定することが可能な抵抗値測定機器を用い、先端径が0.4〜1.5mm、前記端子に加える圧力が10〜100g/本、端子間距離が1.5〜6.0mmである端子を用いて、高分子シート膜上に形成された導電層のシート抵抗を四端子法によって測定することを特徴とする抵抗値測定方法。
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