JP2004125248A - アイリッド - Google Patents
アイリッド Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004125248A JP2004125248A JP2002289020A JP2002289020A JP2004125248A JP 2004125248 A JP2004125248 A JP 2004125248A JP 2002289020 A JP2002289020 A JP 2002289020A JP 2002289020 A JP2002289020 A JP 2002289020A JP 2004125248 A JP2004125248 A JP 2004125248A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- clean
- opening area
- air
- eyelid
- space
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Ventilation (AREA)
- Air-Flow Control Members (AREA)
Abstract
【課題】クリーンルームの空調運転コストが高まることなく、清浄空間への清浄な空気の取り込み量を増加させるアイリッドを提供する。
【解決手段】アイリッド10の周壁11の上部に配された開口面積変更板16…を垂直面内で回動させ、空気導入口aの開口面積を拡大させる。これにより、清浄空間10aへの清浄な空気の取り込み量が増加する。その結果、クリーンルームの天井から清浄空間10aに向かって吹き付けられる清浄な空気の吹き付け速度をはやめることなく、平坦度測定装置12に配されたシリコンウェーハの露出面に対するパーティクルおよびケミカル物質の付着防止の効果を高めることができる。よって、クリーンルームの空調運転コストは現状のまま維持される。
【選択図】 図1
【解決手段】アイリッド10の周壁11の上部に配された開口面積変更板16…を垂直面内で回動させ、空気導入口aの開口面積を拡大させる。これにより、清浄空間10aへの清浄な空気の取り込み量が増加する。その結果、クリーンルームの天井から清浄空間10aに向かって吹き付けられる清浄な空気の吹き付け速度をはやめることなく、平坦度測定装置12に配されたシリコンウェーハの露出面に対するパーティクルおよびケミカル物質の付着防止の効果を高めることができる。よって、クリーンルームの空調運転コストは現状のまま維持される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアイリッド、詳しくはクリーンルームにおいて、半導体製造装置が設置された空間を局所的に高い水準で清浄化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のデバイスの高集積化に伴い、例えばウェーハ平坦度を測定する静電容量型の平坦度測定装置(ADE)が配備されたクリーンルームでは、空気中を浮遊するパーティクルだけではなく、アンモニア、酸性ガス・ミスト、有機シリカなどのケミカル物質も除去し、空気の清浄化を図らなければならなくなっている。
ケミカル物質は、専用のケミカルフィルタにより除去される。ケミカルフィルタとしては、活性炭、活性炭素繊維、これらに化学物質を添着・含浸させたものが知られている。その他のケミカルフィルタとして、イオン交換基を不織布に直接付けたイオン交換繊維系のものも知られている。ケミカルフィルタが内蔵された空調設備は、パーティクルを除去するヘパフィルタ、ウルパフィルタを内蔵する従前の空調設備よりも圧力損失が大きい。そのため、空調設備が大容量になり、設備コストおよび空調運転コストが増大していた。
【0003】
そこで、これを解消するため、最近ではクリーンルームのうち、半導体製造装置の設置空間だけを仕切り部材であるアイリッドにより仕切り、このアイリッド内の空間にだけケミカル物質を除去した清浄な空気を供給し、循環させる方式が開発されている。これにより、クリーンルーム内は半導体製造装置を囲む清浄空間と、この清浄空間の周りの作業者が通行したりする外部空間とに分割される。
【0004】
以下、図6および図7を参照して、従来のアイリッドを説明する。図6は、従来手段に係るアイリッドの使用状態を示す斜視図である。図7は、従来手段に係るアイリッドの使用状態を示す平面図である。
図6および図7に示すように、アイリッド100は、クリーンルームに配備され、ウェーハ平坦度を測定する平坦度測定装置102の周りの空間を仕切っている。
さらに詳しく説明すると、このアイリッド100は、透明な4枚の周面パネルからなる平面視して正方形の角筒形状の周壁101を有している。周壁101は、4本の支柱103…により平坦度測定装置102の上方に配置されている。この周壁101の前面には、作業者が測定用ウェーハの取り扱い空間に清浄な空気を供給するサブアイリッド100Aが設けられている。サブアイリッド100Aは、平面視して矩形状を有する小型の筒体である。
【0005】
クリーンルームの天井のうち、アイリッド100の真上には、図示しないヘパフィルタおよびケミカルフィルタを内蔵したファンフィルタユニット104が設けられている。また、クリーンルームの床には、多数の小孔が形成させたグレーチング105が敷設されている。ファンフィルタユニット104から下方に吹き付けれた清浄な空気は、大半がアイリッド100の上端に形成された空気導入口aを通過してアイリッド100内の清浄空間100aに流れ込む。そして、直下の平坦度測定装置102に供給される。また、ファンフィルタユニット104からの清浄な空気の一部分は、サブアイリッド100Aの内部空間を通して測定用ウェーハの取り扱い領域に供給される。その後、これらの2つの清浄な空気の流れは、グレーチング105をそれぞれ通り抜け、クリーンルームの床下から排気される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来のアイリッド100によれば、以下の欠点があった。すなわち、(1) 清浄空間100aは、清浄空間100aの中心軸に直交する断面積が、清浄空間100aの中心軸の全長にわたって一定であった。そのため、清浄空間100aにおいて、ウェーハの露出面に対するパーティクルおよびケミカル物質の付着防止効果を高めるには、ファンフィルタユニット104に内蔵されたファンを高速回転させ、平坦度測定装置102に供給される清浄な空気の流速をはやめるしかなかった。その結果、クリーンルームの空調運転コストが高まっていた。
また、(2)平坦度測定装置102の付近で、例えば作業者が歩行などの動作を行うと、その動作によって発生した気流がアイリッド100の内部に流れ込む可能性があった。そのため、アイリッド100の内部の清浄空間100aが、外部空間を浮遊している物質により汚染されるおそれがあった。
【0007】
【発明の目的】
この発明は、クリーンルームの空調運転コストを高めることなく、清浄空間への清浄な空気の取り込み量を増加させることができ、しかも外部の汚染気流が清浄空間に侵入するのを防ぐことができるアイリッドを提供することを、その目的としている。
また、この発明は、設備コストの低減を図ることができるアイリッドを提供することを、その目的としている。
さらに、この発明は、清浄空間を通過する清浄な空気の流速を高めることができるアイリッドを提供することを、その目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、クリーンルームに配備され、半導体製造装置が設置される清浄空間と該清浄空間の周りの外部空間とを周壁により仕切るとともに、上部には前記クリーンルームの天井より吹き付けられた清浄な空気を清浄空間に導入する空気導入口が形成されたアイリッドにおいて、前記周壁に、前記空気導入口の開口面積を拡大可能な開口面積変更手段を設けたアイリッドである。
半導体製造装置としては、例えば単結晶インゴット製造装置、インゴット切断装置、インゴット外周研削装置、スライシング装置、面取り装置、ラッピング装置、研磨装置、エッチング装置、熱処理装置、ウェーハ物性検査装置、ウェーハ形状測定装置、ウェーハ表面検査装置といった各種のウェーハ製造装置を採用することができる。その他、各種のデバイス形成装置を採用することができる。
【0009】
アイリッドを平面視した形状としては、例えば円形、楕円形、三角形以上の多角形状を採用することができる。
アイリッドの外観形状としては、例えば高さ方向に直交する断面積が一定の筒形状を採用することができる。その他、下方に向かうほど徐々に断面積が大きくなる裾広がりの筒形状でもよい。もしくは、上方に向かうほど徐々に断面積が大きくなる上戸形状でもよい。ただし、アイリッドが裾広がりの筒形状の場合には、開口面積変更手段により清浄空間への清浄な空気の導入量は増加するが、半導体ウェーハに対してのケミカル物質などの付着防止効果が高まるほど、清浄空間を通過して半導体製造装置に供給される清浄な空気の流速ははやまらないことがある。
アイリッドの大きさは、収納される半導体製造装置のサイズに応じて適宜変更される。
ここでいう清浄な空気とは、微細なパーティクルだけではなく、アンモニア、酸性ガス・ミスト、有機シリカなどのケミカル物質も除去された空気である。ただし、パーティクルだけを除去した空気でもよい。
パーティクルの捕獲用には、ヘパフィルタ、ウルパフィルタなどを採用することができる。また、ケミカル物質の捕獲用には、活性炭、活性炭素繊維、これらに化学物質を添着・含浸させたケミカルフィルタ、その他、イオン交換繊維系のケミカルフィルタを採用することができる。
空気導入口の形状は、アイリッドを平面視した形状に応じて適宜変更される。
【0010】
開口面積変更手段は、手動によって空気導入口の開口面積を調整するものを採用することができる。また、アクチュエータまたは電動モータなどの駆動源を有し、空気導入口の開口面積を自動調整するものでもよい。また、この開口面積変更手段による空気導入口の開口面積は、例えばアイリッド内に収納される半導体製造装置の種類、大きさ、取り扱われる半導体(例えば半導体ウェーハ)のサイズなどにより、適宜変更される。
空気導入口の開口面積の変更は、空気導入口を形成する周壁部分の一部または全部を、例えば外側に向かって水平移動、外側の斜め上方に向かって傾斜移動、垂直面内で空気導入口の形成壁の上端が外側に移動するように回動させることで行われる。開口面積拡大後の空気導入口を平面視した形状は、開口面積拡大前の空気導入口の形状と同じ(相似形)でもよいし、異なってもよい。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記開口面積変更手段が、前記周壁の上部に垂直面内で回動自在に設けられた開口面積変更板を有する請求項1に記載のアイリッドである。
開口面積変更板の素材としては、アイリッドを通して半導体製造装置の観察が可能なように、透明または半透明な合成樹脂またはガラスなどが好ましい。合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリルなどを採用することができる。
この開口面積変更板の回動角度は限定されない。例えば5〜30度である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、開口面積拡大前の前記清浄空間は、その高さ方向に直交する断面積が、該高さ方向の全長にわたって一定である請求項1または請求項2に記載のアイリッドである。
清浄空間の高さ方向の全長にわたって清浄空間の断面積が一定であれば、この高さ方向の所定位置における清浄空間の断面形状は、他の部分と異なってもよい。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記半導体製造装置が、半導体ウェーハの表面の平坦度を測定する平坦度測定装置である請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載のアイリッドである。
平坦度測定装置としては、例えば静電容量型の平坦度測定装置を採用することができる。
【0014】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、開口面積変更手段により空気導入口の開口面積を拡大させる。これにより、清浄空間への清浄な空気の取り込み量が増加する。その結果、クリーンルームの天井から清浄空間に向かって吹き付けられる清浄な空気の吹き付け速度をはやめることなく、すなわちクリーンルームの空調運転コストを現状維持したまま、半導体製造装置に配された半導体の露出面に対するパーティクルおよびケミカル物質の付着防止の効果を高めることができる。
また、開口面積拡大時において、半導体製造装置の付近で、例えば作業者が歩行などの動作を行っても、開口面積変更手段により空気導入口の形成壁が外方に競り出されるので、その動作によって生じた気流がアイリッドの内部に流れ込みにくくなる。これにより、外部隙間を浮遊している物質によって清浄空間が汚染されるのを防止することができる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明によれば、開口面積変更板を、垂直面内で空気導入口の開口面積拡大側(開口面積変更板の上端が外方に配置される側)に所定の角度回動させる。これにより、空気導入口の開口面積を拡大させることができる。開口面積変更手段が開口面積変更板を有するので、アイリッドを低コストで製造することができる。
【0016】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、開口面積拡大前における清浄空間は、その高さ方向に直交する断面積が、この高さ方向の全長にわたって一定である。そのため、開口面積変更手段により空気導入口の開口面積を拡大させると、清浄空間の上側の開口部(空気導入口付近)を通過する空気の圧力に比べて、清浄空気の下側の開口部を通過する空気の圧力の方が大きくなる。これにより、上下の開口部を通過する空気の圧力差によって、半導体製造装置に供給される空気の流速が高まる。その結果、半導体の露出面に対するパーティクルおよびケミカル物質の付着防止の効果をさらに高めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の一実施例に係るアイリッドの空気導入口の開口面積拡大後の状態を示す斜視図である。図2は、この発明の一実施例に係るアイリッドの要部拡大斜視図である。図3は、この発明の一実施例に係るアイリッドの空気導入口の開口面積拡大後の状態を示す平面図である。図4は、この発明の一実施例に係るアイリッドの空気導入口の開口面積拡大後の状態を示す正面図である。図5は、この発明の一実施例に係るアイリッドの空気導入口の開口面積拡大後の状態を示す側面図である。
【0018】
図1において、10はクリーンルームに配備されたアイリッドで、シリコンウェーハの表面平坦度を測定する平坦度測定装置12の周りにおいて、平坦度測定装置12が配置される清浄空間10aと、この清浄空間10aの周りの外部空間とを仕切っている。
アイリッド10は、透明な4枚の周面パネル11A,11B,11C,11Dからなる平面視して正方形の角筒形状の周壁11を有している。この周壁11は、4本の支柱13…により、平面視して六角形の平坦度測定装置12の上方に配置されている。前面パネル11Aには、作業者が測定用ウェーハの取り扱い空間に清浄な空気を供給するサブアイリッド10Aが設けられている。サブアイリッド10Aは、平面視して矩形状を有する小型の筒体である。
クリーンルームの天井のうち、アイリッド10の真上には、図示しないヘパフィルタおよびケミカルフィルタを内蔵したファンフィルタユニット14が設けられている。また、クリーンルームの床には、多数の小孔が形成させたグレーチング15が敷設されている。
【0019】
この発明の特長は、図1〜図5に示すように前記周面パネル11A〜11Dのうち、前面パネル11Aを除く、背面パネル11B、両側面パネル11C,11Dの上部に、垂直面内で回動自在な開口面積変更板(開口面積変更手段)16…をそれぞれ設けた点である。
各開口面積変更板16…は、横長な矩形状を有する透明なポリ塩化ビニル製の板材である。これらの開口面積変更板16…の取り付け構造は、各開口面積変更板16…の下端部の両縁面から突出した回動軸16a…を、対応する支柱13…の所定高さ位置に形成された軸支孔13a…に回動自在に挿着することでなされる(図2)。隣接する開口面積変更板16,16の側面間には、拡大された空気導入口aから清浄空間10aに導入された清浄な空気の漏れを防ぐ漏れ防止フード17,17が配設されている。各開口面積変更板16…は、空気導入口aの開口面積拡大時、開口面積変更板16…の上端が外方に配置されるように、回動軸16a…を中心にして垂直面内で回動する。回動角度は30度で、各支柱13…の軸支部に突設されたストッパ片13b…によって、各開口面積変更板16…の回動が規制される。開口面積が拡大される前の清浄空間10aは、その高さ方向に直交する断面積が、この高さ方向の全長にわたって一定である。
【0020】
次に、一実施例に係るアイリッド10の使用方法を説明する。
ファンフィルタユニット14内では、空気中のパーティクルがヘパフィルタにより除去され、空気中のケミカル物質がケミカルフィルタにより除去される。得られた清浄な空気は、その後、ファンフィルタユニット14の図示しない吹き出し口から下方に吹き出される。その清浄な空気の大半は、空気導入口aを通過して清浄空間10aに流れ込み、直下の平坦度測定装置12に供給される。また、ファンフィルタユニット14から吹き出された空気の一部分は、サブアイリッド10Aの内部空間を通してシリコンウェーハの取り扱い領域に供給される。これにより、作業者が取り扱っているシリコンウェーハの露出面に、パーティクルおよびケミカル物質といった汚染物質が付着するのを防ぐことができる。その後、これらの2つの清浄な空気の流れは、グレーチング15をそれぞれ通り抜け、クリーンルームの床下から排気される。
【0021】
空気導入口aの開口面積拡大時にあっては、周壁11の上部において、各開口面積変更板16…を垂直面内で空気導入口aの開口面積拡大側に30度だけ回動させる。これにより、空気導入口aの背面側および両側面側が所定の長さだけ外方に移動し、空気導入口aの開口面積が拡大される。その結果、この拡大された分だけ清浄空間10aへの清浄な空気の取り込み量が増加する。よって、クリーンルームの天井から清浄空間10aに向かって吹き付けられる清浄な空気の吹き付け速度をはやめることなく、言い換えればクリーンルームの空調運転コストを現状維持したまま、平坦度測定装置12に配されたシリコンウェーハの露出面に対するパーティクルおよびケミカル物質の付着防止の効果を高めることができる。
また、この開口面積拡大時、隣接する開口面積変更板16…の隙間は、漏れ防止フード17,17により密封されている。そのため、空気導入口aから導入された清浄な空気が、隣接する開口面積変更板16…の隙間から漏れるのを防ぐことができる。各開口面積変更板16…の回動状態は、各ストッパ片13b…により維持される。
【0022】
このように、開口面積拡大時の開口面積変更板16…は、上端が外方に配置された傾斜状態となる。そのため、半導体製造装置の付近で、例えば作業者が歩行などの動作を行っても、開口面積変更板16…が外方に競り出されるので、作業者の動作によって生じた気流がアイリッド10の内部に流れ込みにくくなる。これにより、外部空間を浮遊している物質によって清浄空間10aが汚染されるのを防止することができる。
また、開口面積変更手段として開口面積変更板16…を採用したので、アイリッド10を低コストで製造することができる。
【0023】
さらに、開口面積拡大前における清浄空間10aは、この清浄空間10aの高さ方向に直交する断面積が、その高さ方向の全長にわたって一定である。そのため、開口面積変更板16…により空気導入口aの開口面積を拡大させると、清浄空間10aの空気導入口aの付近を通過する空気の圧力に比べて、清浄空気10aの下側の開口部を通過する空気の圧力の方が大きくなる。これにより、上下の開口部を通過する空気の圧力差により、平坦度測定装置12に供給される空気の流速が高まる。よって、シリコンウェーハの露出面に対するパーティクルおよびケミカル物質の付着防止の効果をさらに高めることができる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、空気導入口の開口面積を拡大させる開口面積変更手段を設けたので、清浄空間への清浄な空気の取り込み量が増加し、その結果、クリーンルームの天井から清浄空間に向かっての清浄な空気の吹き付け速度をはやめることなく、言い換えればクリーンルームの空調運転コストを現状維持したまま、半導体の露出面に対するパーティクルおよびケミカル物質の付着防止の効果を高めることができる。しかも、外部の汚染気流が清浄空間に侵入するのを防ぐことができる
【0025】
また、請求項2に記載の発明によれば、開口面積変更手段として垂直面内で回動自在な開口面積変更板を採用したので、アイリッドを低コストで製造することができる。
【0026】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、開口面積拡大前の清浄空間は、その清浄空間の高さ方向に直交する断面積を、清浄空間の高さ方向の全長にわたって一定としたので、空気導入口の開口面積拡大時、半導体製造装置に供給される空気の流速がはやくなり、半導体の露出面に対するパーティクルおよびケミカル物質の付着防止の効果がさらに高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るアイリッドの空気導入口の開口面積拡大後の状態を示す斜視図である。
【図2】図2は、この発明の一実施例に係るアイリッドの要部拡大斜視図である。
【図3】この発明の一実施例に係るアイリッドの空気導入口の開口面積拡大後の状態を示す平面図である。
【図4】この発明の一実施例に係るアイリッドの空気導入口の開口面積拡大後の状態を示す正面図である。
【図5】この発明の一実施例に係るアイリッドの空気導入口の開口面積拡大後の状態を示す側面図である。
【図6】従来手段に係るアイリッドの使用状態を示す斜視図である。
【図7】従来手段に係るアイリッドの使用状態を示す平面図である。
【符号の説明】
10 アイリッド、
10a 清浄空間、
11 周壁、
12 平坦度測定装置(半導体製造装置)、
16 開口面積変更板(開口面積変更手段)、
a 空気導入口。
【発明の属する技術分野】
本発明はアイリッド、詳しくはクリーンルームにおいて、半導体製造装置が設置された空間を局所的に高い水準で清浄化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のデバイスの高集積化に伴い、例えばウェーハ平坦度を測定する静電容量型の平坦度測定装置(ADE)が配備されたクリーンルームでは、空気中を浮遊するパーティクルだけではなく、アンモニア、酸性ガス・ミスト、有機シリカなどのケミカル物質も除去し、空気の清浄化を図らなければならなくなっている。
ケミカル物質は、専用のケミカルフィルタにより除去される。ケミカルフィルタとしては、活性炭、活性炭素繊維、これらに化学物質を添着・含浸させたものが知られている。その他のケミカルフィルタとして、イオン交換基を不織布に直接付けたイオン交換繊維系のものも知られている。ケミカルフィルタが内蔵された空調設備は、パーティクルを除去するヘパフィルタ、ウルパフィルタを内蔵する従前の空調設備よりも圧力損失が大きい。そのため、空調設備が大容量になり、設備コストおよび空調運転コストが増大していた。
【0003】
そこで、これを解消するため、最近ではクリーンルームのうち、半導体製造装置の設置空間だけを仕切り部材であるアイリッドにより仕切り、このアイリッド内の空間にだけケミカル物質を除去した清浄な空気を供給し、循環させる方式が開発されている。これにより、クリーンルーム内は半導体製造装置を囲む清浄空間と、この清浄空間の周りの作業者が通行したりする外部空間とに分割される。
【0004】
以下、図6および図7を参照して、従来のアイリッドを説明する。図6は、従来手段に係るアイリッドの使用状態を示す斜視図である。図7は、従来手段に係るアイリッドの使用状態を示す平面図である。
図6および図7に示すように、アイリッド100は、クリーンルームに配備され、ウェーハ平坦度を測定する平坦度測定装置102の周りの空間を仕切っている。
さらに詳しく説明すると、このアイリッド100は、透明な4枚の周面パネルからなる平面視して正方形の角筒形状の周壁101を有している。周壁101は、4本の支柱103…により平坦度測定装置102の上方に配置されている。この周壁101の前面には、作業者が測定用ウェーハの取り扱い空間に清浄な空気を供給するサブアイリッド100Aが設けられている。サブアイリッド100Aは、平面視して矩形状を有する小型の筒体である。
【0005】
クリーンルームの天井のうち、アイリッド100の真上には、図示しないヘパフィルタおよびケミカルフィルタを内蔵したファンフィルタユニット104が設けられている。また、クリーンルームの床には、多数の小孔が形成させたグレーチング105が敷設されている。ファンフィルタユニット104から下方に吹き付けれた清浄な空気は、大半がアイリッド100の上端に形成された空気導入口aを通過してアイリッド100内の清浄空間100aに流れ込む。そして、直下の平坦度測定装置102に供給される。また、ファンフィルタユニット104からの清浄な空気の一部分は、サブアイリッド100Aの内部空間を通して測定用ウェーハの取り扱い領域に供給される。その後、これらの2つの清浄な空気の流れは、グレーチング105をそれぞれ通り抜け、クリーンルームの床下から排気される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来のアイリッド100によれば、以下の欠点があった。すなわち、(1) 清浄空間100aは、清浄空間100aの中心軸に直交する断面積が、清浄空間100aの中心軸の全長にわたって一定であった。そのため、清浄空間100aにおいて、ウェーハの露出面に対するパーティクルおよびケミカル物質の付着防止効果を高めるには、ファンフィルタユニット104に内蔵されたファンを高速回転させ、平坦度測定装置102に供給される清浄な空気の流速をはやめるしかなかった。その結果、クリーンルームの空調運転コストが高まっていた。
また、(2)平坦度測定装置102の付近で、例えば作業者が歩行などの動作を行うと、その動作によって発生した気流がアイリッド100の内部に流れ込む可能性があった。そのため、アイリッド100の内部の清浄空間100aが、外部空間を浮遊している物質により汚染されるおそれがあった。
【0007】
【発明の目的】
この発明は、クリーンルームの空調運転コストを高めることなく、清浄空間への清浄な空気の取り込み量を増加させることができ、しかも外部の汚染気流が清浄空間に侵入するのを防ぐことができるアイリッドを提供することを、その目的としている。
また、この発明は、設備コストの低減を図ることができるアイリッドを提供することを、その目的としている。
さらに、この発明は、清浄空間を通過する清浄な空気の流速を高めることができるアイリッドを提供することを、その目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、クリーンルームに配備され、半導体製造装置が設置される清浄空間と該清浄空間の周りの外部空間とを周壁により仕切るとともに、上部には前記クリーンルームの天井より吹き付けられた清浄な空気を清浄空間に導入する空気導入口が形成されたアイリッドにおいて、前記周壁に、前記空気導入口の開口面積を拡大可能な開口面積変更手段を設けたアイリッドである。
半導体製造装置としては、例えば単結晶インゴット製造装置、インゴット切断装置、インゴット外周研削装置、スライシング装置、面取り装置、ラッピング装置、研磨装置、エッチング装置、熱処理装置、ウェーハ物性検査装置、ウェーハ形状測定装置、ウェーハ表面検査装置といった各種のウェーハ製造装置を採用することができる。その他、各種のデバイス形成装置を採用することができる。
【0009】
アイリッドを平面視した形状としては、例えば円形、楕円形、三角形以上の多角形状を採用することができる。
アイリッドの外観形状としては、例えば高さ方向に直交する断面積が一定の筒形状を採用することができる。その他、下方に向かうほど徐々に断面積が大きくなる裾広がりの筒形状でもよい。もしくは、上方に向かうほど徐々に断面積が大きくなる上戸形状でもよい。ただし、アイリッドが裾広がりの筒形状の場合には、開口面積変更手段により清浄空間への清浄な空気の導入量は増加するが、半導体ウェーハに対してのケミカル物質などの付着防止効果が高まるほど、清浄空間を通過して半導体製造装置に供給される清浄な空気の流速ははやまらないことがある。
アイリッドの大きさは、収納される半導体製造装置のサイズに応じて適宜変更される。
ここでいう清浄な空気とは、微細なパーティクルだけではなく、アンモニア、酸性ガス・ミスト、有機シリカなどのケミカル物質も除去された空気である。ただし、パーティクルだけを除去した空気でもよい。
パーティクルの捕獲用には、ヘパフィルタ、ウルパフィルタなどを採用することができる。また、ケミカル物質の捕獲用には、活性炭、活性炭素繊維、これらに化学物質を添着・含浸させたケミカルフィルタ、その他、イオン交換繊維系のケミカルフィルタを採用することができる。
空気導入口の形状は、アイリッドを平面視した形状に応じて適宜変更される。
【0010】
開口面積変更手段は、手動によって空気導入口の開口面積を調整するものを採用することができる。また、アクチュエータまたは電動モータなどの駆動源を有し、空気導入口の開口面積を自動調整するものでもよい。また、この開口面積変更手段による空気導入口の開口面積は、例えばアイリッド内に収納される半導体製造装置の種類、大きさ、取り扱われる半導体(例えば半導体ウェーハ)のサイズなどにより、適宜変更される。
空気導入口の開口面積の変更は、空気導入口を形成する周壁部分の一部または全部を、例えば外側に向かって水平移動、外側の斜め上方に向かって傾斜移動、垂直面内で空気導入口の形成壁の上端が外側に移動するように回動させることで行われる。開口面積拡大後の空気導入口を平面視した形状は、開口面積拡大前の空気導入口の形状と同じ(相似形)でもよいし、異なってもよい。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記開口面積変更手段が、前記周壁の上部に垂直面内で回動自在に設けられた開口面積変更板を有する請求項1に記載のアイリッドである。
開口面積変更板の素材としては、アイリッドを通して半導体製造装置の観察が可能なように、透明または半透明な合成樹脂またはガラスなどが好ましい。合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリルなどを採用することができる。
この開口面積変更板の回動角度は限定されない。例えば5〜30度である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、開口面積拡大前の前記清浄空間は、その高さ方向に直交する断面積が、該高さ方向の全長にわたって一定である請求項1または請求項2に記載のアイリッドである。
清浄空間の高さ方向の全長にわたって清浄空間の断面積が一定であれば、この高さ方向の所定位置における清浄空間の断面形状は、他の部分と異なってもよい。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記半導体製造装置が、半導体ウェーハの表面の平坦度を測定する平坦度測定装置である請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載のアイリッドである。
平坦度測定装置としては、例えば静電容量型の平坦度測定装置を採用することができる。
【0014】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、開口面積変更手段により空気導入口の開口面積を拡大させる。これにより、清浄空間への清浄な空気の取り込み量が増加する。その結果、クリーンルームの天井から清浄空間に向かって吹き付けられる清浄な空気の吹き付け速度をはやめることなく、すなわちクリーンルームの空調運転コストを現状維持したまま、半導体製造装置に配された半導体の露出面に対するパーティクルおよびケミカル物質の付着防止の効果を高めることができる。
また、開口面積拡大時において、半導体製造装置の付近で、例えば作業者が歩行などの動作を行っても、開口面積変更手段により空気導入口の形成壁が外方に競り出されるので、その動作によって生じた気流がアイリッドの内部に流れ込みにくくなる。これにより、外部隙間を浮遊している物質によって清浄空間が汚染されるのを防止することができる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明によれば、開口面積変更板を、垂直面内で空気導入口の開口面積拡大側(開口面積変更板の上端が外方に配置される側)に所定の角度回動させる。これにより、空気導入口の開口面積を拡大させることができる。開口面積変更手段が開口面積変更板を有するので、アイリッドを低コストで製造することができる。
【0016】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、開口面積拡大前における清浄空間は、その高さ方向に直交する断面積が、この高さ方向の全長にわたって一定である。そのため、開口面積変更手段により空気導入口の開口面積を拡大させると、清浄空間の上側の開口部(空気導入口付近)を通過する空気の圧力に比べて、清浄空気の下側の開口部を通過する空気の圧力の方が大きくなる。これにより、上下の開口部を通過する空気の圧力差によって、半導体製造装置に供給される空気の流速が高まる。その結果、半導体の露出面に対するパーティクルおよびケミカル物質の付着防止の効果をさらに高めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の一実施例に係るアイリッドの空気導入口の開口面積拡大後の状態を示す斜視図である。図2は、この発明の一実施例に係るアイリッドの要部拡大斜視図である。図3は、この発明の一実施例に係るアイリッドの空気導入口の開口面積拡大後の状態を示す平面図である。図4は、この発明の一実施例に係るアイリッドの空気導入口の開口面積拡大後の状態を示す正面図である。図5は、この発明の一実施例に係るアイリッドの空気導入口の開口面積拡大後の状態を示す側面図である。
【0018】
図1において、10はクリーンルームに配備されたアイリッドで、シリコンウェーハの表面平坦度を測定する平坦度測定装置12の周りにおいて、平坦度測定装置12が配置される清浄空間10aと、この清浄空間10aの周りの外部空間とを仕切っている。
アイリッド10は、透明な4枚の周面パネル11A,11B,11C,11Dからなる平面視して正方形の角筒形状の周壁11を有している。この周壁11は、4本の支柱13…により、平面視して六角形の平坦度測定装置12の上方に配置されている。前面パネル11Aには、作業者が測定用ウェーハの取り扱い空間に清浄な空気を供給するサブアイリッド10Aが設けられている。サブアイリッド10Aは、平面視して矩形状を有する小型の筒体である。
クリーンルームの天井のうち、アイリッド10の真上には、図示しないヘパフィルタおよびケミカルフィルタを内蔵したファンフィルタユニット14が設けられている。また、クリーンルームの床には、多数の小孔が形成させたグレーチング15が敷設されている。
【0019】
この発明の特長は、図1〜図5に示すように前記周面パネル11A〜11Dのうち、前面パネル11Aを除く、背面パネル11B、両側面パネル11C,11Dの上部に、垂直面内で回動自在な開口面積変更板(開口面積変更手段)16…をそれぞれ設けた点である。
各開口面積変更板16…は、横長な矩形状を有する透明なポリ塩化ビニル製の板材である。これらの開口面積変更板16…の取り付け構造は、各開口面積変更板16…の下端部の両縁面から突出した回動軸16a…を、対応する支柱13…の所定高さ位置に形成された軸支孔13a…に回動自在に挿着することでなされる(図2)。隣接する開口面積変更板16,16の側面間には、拡大された空気導入口aから清浄空間10aに導入された清浄な空気の漏れを防ぐ漏れ防止フード17,17が配設されている。各開口面積変更板16…は、空気導入口aの開口面積拡大時、開口面積変更板16…の上端が外方に配置されるように、回動軸16a…を中心にして垂直面内で回動する。回動角度は30度で、各支柱13…の軸支部に突設されたストッパ片13b…によって、各開口面積変更板16…の回動が規制される。開口面積が拡大される前の清浄空間10aは、その高さ方向に直交する断面積が、この高さ方向の全長にわたって一定である。
【0020】
次に、一実施例に係るアイリッド10の使用方法を説明する。
ファンフィルタユニット14内では、空気中のパーティクルがヘパフィルタにより除去され、空気中のケミカル物質がケミカルフィルタにより除去される。得られた清浄な空気は、その後、ファンフィルタユニット14の図示しない吹き出し口から下方に吹き出される。その清浄な空気の大半は、空気導入口aを通過して清浄空間10aに流れ込み、直下の平坦度測定装置12に供給される。また、ファンフィルタユニット14から吹き出された空気の一部分は、サブアイリッド10Aの内部空間を通してシリコンウェーハの取り扱い領域に供給される。これにより、作業者が取り扱っているシリコンウェーハの露出面に、パーティクルおよびケミカル物質といった汚染物質が付着するのを防ぐことができる。その後、これらの2つの清浄な空気の流れは、グレーチング15をそれぞれ通り抜け、クリーンルームの床下から排気される。
【0021】
空気導入口aの開口面積拡大時にあっては、周壁11の上部において、各開口面積変更板16…を垂直面内で空気導入口aの開口面積拡大側に30度だけ回動させる。これにより、空気導入口aの背面側および両側面側が所定の長さだけ外方に移動し、空気導入口aの開口面積が拡大される。その結果、この拡大された分だけ清浄空間10aへの清浄な空気の取り込み量が増加する。よって、クリーンルームの天井から清浄空間10aに向かって吹き付けられる清浄な空気の吹き付け速度をはやめることなく、言い換えればクリーンルームの空調運転コストを現状維持したまま、平坦度測定装置12に配されたシリコンウェーハの露出面に対するパーティクルおよびケミカル物質の付着防止の効果を高めることができる。
また、この開口面積拡大時、隣接する開口面積変更板16…の隙間は、漏れ防止フード17,17により密封されている。そのため、空気導入口aから導入された清浄な空気が、隣接する開口面積変更板16…の隙間から漏れるのを防ぐことができる。各開口面積変更板16…の回動状態は、各ストッパ片13b…により維持される。
【0022】
このように、開口面積拡大時の開口面積変更板16…は、上端が外方に配置された傾斜状態となる。そのため、半導体製造装置の付近で、例えば作業者が歩行などの動作を行っても、開口面積変更板16…が外方に競り出されるので、作業者の動作によって生じた気流がアイリッド10の内部に流れ込みにくくなる。これにより、外部空間を浮遊している物質によって清浄空間10aが汚染されるのを防止することができる。
また、開口面積変更手段として開口面積変更板16…を採用したので、アイリッド10を低コストで製造することができる。
【0023】
さらに、開口面積拡大前における清浄空間10aは、この清浄空間10aの高さ方向に直交する断面積が、その高さ方向の全長にわたって一定である。そのため、開口面積変更板16…により空気導入口aの開口面積を拡大させると、清浄空間10aの空気導入口aの付近を通過する空気の圧力に比べて、清浄空気10aの下側の開口部を通過する空気の圧力の方が大きくなる。これにより、上下の開口部を通過する空気の圧力差により、平坦度測定装置12に供給される空気の流速が高まる。よって、シリコンウェーハの露出面に対するパーティクルおよびケミカル物質の付着防止の効果をさらに高めることができる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、空気導入口の開口面積を拡大させる開口面積変更手段を設けたので、清浄空間への清浄な空気の取り込み量が増加し、その結果、クリーンルームの天井から清浄空間に向かっての清浄な空気の吹き付け速度をはやめることなく、言い換えればクリーンルームの空調運転コストを現状維持したまま、半導体の露出面に対するパーティクルおよびケミカル物質の付着防止の効果を高めることができる。しかも、外部の汚染気流が清浄空間に侵入するのを防ぐことができる
【0025】
また、請求項2に記載の発明によれば、開口面積変更手段として垂直面内で回動自在な開口面積変更板を採用したので、アイリッドを低コストで製造することができる。
【0026】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、開口面積拡大前の清浄空間は、その清浄空間の高さ方向に直交する断面積を、清浄空間の高さ方向の全長にわたって一定としたので、空気導入口の開口面積拡大時、半導体製造装置に供給される空気の流速がはやくなり、半導体の露出面に対するパーティクルおよびケミカル物質の付着防止の効果がさらに高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るアイリッドの空気導入口の開口面積拡大後の状態を示す斜視図である。
【図2】図2は、この発明の一実施例に係るアイリッドの要部拡大斜視図である。
【図3】この発明の一実施例に係るアイリッドの空気導入口の開口面積拡大後の状態を示す平面図である。
【図4】この発明の一実施例に係るアイリッドの空気導入口の開口面積拡大後の状態を示す正面図である。
【図5】この発明の一実施例に係るアイリッドの空気導入口の開口面積拡大後の状態を示す側面図である。
【図6】従来手段に係るアイリッドの使用状態を示す斜視図である。
【図7】従来手段に係るアイリッドの使用状態を示す平面図である。
【符号の説明】
10 アイリッド、
10a 清浄空間、
11 周壁、
12 平坦度測定装置(半導体製造装置)、
16 開口面積変更板(開口面積変更手段)、
a 空気導入口。
Claims (4)
- クリーンルームに配備され、半導体製造装置が設置される清浄空間と該清浄空間の周りの外部空間とを周壁により仕切るとともに、上部には前記クリーンルームの天井より吹き付けられた清浄な空気を清浄空間に導入する空気導入口が形成されたアイリッドにおいて、
前記周壁に、前記空気導入口の開口面積を拡大可能な開口面積変更手段を設けたアイリッド。 - 前記開口面積変更手段が、前記周壁の上部に垂直面内で回動自在に設けられた開口面積変更板を有する請求項1に記載のアイリッド。
- 開口面積拡大前の前記清浄空間は、その高さ方向に直交する断面積が、該高さ方向の全長にわたって一定である請求項1または請求項2に記載のアイリッド。
- 前記半導体製造装置が、半導体ウェーハの表面の平坦度を測定する平坦度測定装置である請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載のアイリッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002289020A JP2004125248A (ja) | 2002-10-01 | 2002-10-01 | アイリッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002289020A JP2004125248A (ja) | 2002-10-01 | 2002-10-01 | アイリッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004125248A true JP2004125248A (ja) | 2004-04-22 |
Family
ID=32281352
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002289020A Pending JP2004125248A (ja) | 2002-10-01 | 2002-10-01 | アイリッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004125248A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006322659A (ja) * | 2005-05-18 | 2006-11-30 | Fujitsu Ltd | クリーンルームの空気清浄装置 |
KR101684474B1 (ko) * | 2015-11-13 | 2016-12-08 | 삼에이치텍 주식회사 | 클린룸의 천장에 설치되는 절첩 가능한 필터 장치 |
-
2002
- 2002-10-01 JP JP2002289020A patent/JP2004125248A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006322659A (ja) * | 2005-05-18 | 2006-11-30 | Fujitsu Ltd | クリーンルームの空気清浄装置 |
KR101684474B1 (ko) * | 2015-11-13 | 2016-12-08 | 삼에이치텍 주식회사 | 클린룸의 천장에 설치되는 절첩 가능한 필터 장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101880631B1 (ko) | 실내 공기질의 관리가 가능한 열회수 환기장치 및 이의 제어방법 | |
JP2007152222A (ja) | フィルムロールの除塵方法及びフィルムロール用除塵設備 | |
KR20050019576A (ko) | 공기 청정 장치 및 방법 | |
JP6872903B2 (ja) | ガラス処理装置およびガラス処理方法 | |
KR200481427Y1 (ko) | 내부공기순환방식 지하철 공기정화기 | |
JP2008075945A (ja) | 局所清浄化装置 | |
TWI688438B (zh) | 晶盒清洗設備 | |
KR101817092B1 (ko) | 공기청정기 | |
JP2004125248A (ja) | アイリッド | |
JP2004012038A (ja) | クリーンルーム | |
JPH0889747A (ja) | クリーンルームシステム | |
JP2014070748A (ja) | クリーンルームの区画方法、クリーンルーム | |
JP4286944B2 (ja) | フィルタユニット用の気流制御板 | |
JP2551923Y2 (ja) | クリーンルーム | |
TWI362476B (ja) | ||
KR200229933Y1 (ko) | 고청정 항온 항습 환기장치 | |
JP4743379B2 (ja) | クリーンルーム | |
JP2012004245A (ja) | 処理装置 | |
KR101466587B1 (ko) | 클린룸의 강제배기구조 | |
JP2002243233A (ja) | 空気清浄化装置 | |
JP2015129607A (ja) | 空気清浄機 | |
JPH08247513A (ja) | クリーンユニット | |
JP2003214668A (ja) | クリーンルーム | |
JPH08247512A (ja) | クリーンルーム | |
JP2014025617A (ja) | エアシャワー装置 |