JP2004125221A - 床暖房パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の床暖房パネルの構成各部における物理的特性の改善に加え、さらに従来の床暖房パネル全体の構造上の柔軟性の改善を図ることである。
【解決手段】床暖房パネル1は、所定の形態で設けた帯状金属箔の上下面を絶縁性の合成樹脂フィルムで被覆した温熱発生体2と、この温熱発生体2の下層に設けた基材9とを含む床暖房用パネルであって、温熱発生体2の一方の面に、分割された複数の基材9が隙間10を有して取り付られると共に、基材9の対向する角部に面取り部9aを形成したものである。この床暖房パネル1は、隙間10を介して屈曲が可能に形成されていることを特徴とする。
【選択図】図6
【解決手段】床暖房パネル1は、所定の形態で設けた帯状金属箔の上下面を絶縁性の合成樹脂フィルムで被覆した温熱発生体2と、この温熱発生体2の下層に設けた基材9とを含む床暖房用パネルであって、温熱発生体2の一方の面に、分割された複数の基材9が隙間10を有して取り付られると共に、基材9の対向する角部に面取り部9aを形成したものである。この床暖房パネル1は、隙間10を介して屈曲が可能に形成されていることを特徴とする。
【選択図】図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の床暖房に使用される床暖房パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の床暖房パネルは、建物の床下に温水パイプを施工しておき、その温水パイプ内に温水を循環させる温水式床暖房や、床下に電気ヒータを敷設する電気式床暖房等が一般に利用されている。また、最近では、温水式または電気式の温熱発生体を一体に組み込んだ床暖房パネルを、マンションのスラブ等における床下地に敷設する方式の床暖房が普及している。この従来の床暖房パネルは、その上層に温水式または電気式の温熱発生体を設け、その下層に合成樹脂発泡体等からなるクッション性の大きな基材が設けられている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
【特開2002−13752号公報】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の床暖房パネルは、その基材部分が平面形状であると、その平面形状が大きいため、その床暖房パネルを敷設場所への搬入等することに不便となったり、また、建物の入口の大きさによっては、搬入が困難となる場合がある。
【0005】
さらに、従来の床暖房パネルは、最近、床暖房パネルの単位ユニットの面積が増大し、例えば、1800×900mmと広くなる傾向となっている。このため、合成樹脂発泡体等の基材の形状が大きく、また、床暖房パネルの基材部分に温度検知器やヒューズ等の付属品が設けられ、その付属品設置用の凹部が基材の面上に形成される。この付属品の設置作業についても基材が対象となるため、床暖房パネルに対する作業性の改善が望まれていた。
【0006】
従来の床暖房パネルは、可撓性が無くほとんど撓まないので、建物の床下地に対してなじみ性が悪い。このため、敷設の際に釘打ち等の強固な取付け方法が必要となる。また、可撓性がないため、床暖房パネルをマンション等の集合住宅における上下階の防音性を付与することが難しい。また、床暖房パネルに可撓性を付与しようとすると、床暖房パネル全体に柔軟性を保持させる必要がある。しかし、床暖房パネルの上面を踏むと基材部分が大きく沈み込むという問題が発生する。また、従来の床暖房パネルは、その表面に木質材料を主体として構成するため、重量が重く、建物の床面への搬入等の取り扱いが不便である。
【0007】
このように、特許文献1に掲げるような床暖房パネルの各部における物理的特性の改良を図った。すなわち、特許文献1の発明では、発熱発生体における帯状金属箔の材質や、その所定の形状、大きさを指定すると共に、絶縁性樹脂材等の基材について、その種類や架橋度等の材質、大きさを指定すること等、さらにはその発泡倍率等の物理的特性を規制する方法に関するものである。
【0008】
しかし、特許文献1のように、床暖房パネルを構成する各部における物理的特性を規制する方法は、その構成が煩雑であり、さらに施工性の改善が望まれていた。
【0009】
そこで、本発明は、上記した従来の床暖房パネルの構成各部における物理的特性の改善に加え、さらに従来の床暖房パネル全体の構造上の柔軟性等の改善することを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明の床暖房パネルは、所定の形態で設けた帯状金属箔の上下面を絶縁性の合成樹脂フィルムで被覆した温熱発生体と、この温熱発生体の下層に設けた基材とを含む床暖房用パネルであって、前記温熱発生体の一方の面に、分割された複数の基材が隙間を有して取り付けられ、該隙間を介して屈曲が可能に形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の床暖房パネルにおける温熱発生体は、所定の形態で設けた帯状金属箔と、その帯状金属箔の上下面を被覆した絶縁性の合成樹脂フィルムとからなり、平面性及び屈曲変形できる可撓性を備えている。したがって、この温熱発生体における可撓性により、床暖房パネル全体に屈曲性等の変形を加えることができる。
【0012】
本発明の床暖房パネルでは、前記した温熱発生体の下層に、複数の分割された基材が隙間を有して一体化されている。この複数の分割された基材を含む構成から、床暖房パネルが平面状であっても、その全体がある程度屈曲できる余裕を与える。すなわち、温熱発生体における可撓性及び屈曲性と、分割された複数の基材により、床暖房パネル全体を円管形等に屈曲変形させることができる。床暖房パネルの外形状を筒状等に変形することにより、当該床暖房パネルの大きさを変形させることが可能である。
【0013】
本発明の床暖房パネルは、前記した温熱発生体と基材とが、その取り付け面の一部でそれぞれ接着されている構成を含む。
【0014】
本発明の床暖房パネルが、その温熱発生体と基材とが、その取り付け面の一部でそれぞれ接着されている構成であると、床暖房パネルを屈曲して筒状等に変形させることができ、このように温熱発生体を筒状等に屈曲させた場合、その接着部における連続性を保持したまま、温熱発生体と基材との非接着部が開いて、温熱発生体における屈曲部について柔軟性を保持させることができる。
【0015】
また、本発明の床暖房パネルは、その複数の基材の対向する角部が、それぞれ面取りされている構成を含む。
【0016】
床暖房パネルにおける複数の基材が、その対向する角部でそれぞれ面取りされることによって、当該床暖房パネルが筒状に屈曲変形されたときに対向する基材間に衝突するのを回避することができる。したがって、床暖房パネルを容易かつ迅速に筒状等に変形させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の床暖房パネルの実施の形態を図に基づいて説明する。床暖房パネル1は、図1に示すように、温熱発生体2と、温熱発生体2の下層に設けられた基材9とを含むように構成されている。
【0018】
温熱発生体2は、所定の形態で設けた帯状金属箔4の上下面が絶縁性の合成樹脂フィルム5a、5bにより挟んだ状態で被覆して構成されている。このように、温熱発生体2は、帯状金属箔4がジグザク等の所定の形態で設けられているから、その全体が偏平状に成形されている。しかも、帯状金属箔4がその帯状の形態から柔軟性に富むと共に、合成樹脂フィルム5a、5bに覆われて、その絶縁性が保たれる。したがって、温熱発生体2は全体として屈曲可能な可撓性を有すると共に、所定の剛性を有している。この剛性により、温熱発生体2の面上での歩行性を確保することができる。合成樹脂5a、5bとしては、例えば、厚みが300μmのポリエステルフィルム等の絶縁材乃至断熱材を使用することができ、特に、厚みが50〜400μmのポリエチレンテレフタレートが好ましい。したがって、温熱発生体2では電気的な絶縁性及び剛性が確保される。
【0019】
帯状金属箔4としては、厚みが20〜150μmで、通電状態が良好な銅やステンレス等の発熱材が好ましく、特に、オーステナイト系合金からなる発熱材が好ましい。したがって、通電時に温熱発生体2の面上は帯状金属箔4の電気抵抗値に応じて発熱する。また、温熱発生体2の上面は、均熱材として厚さが約0.1mmのアルミニウム箔3が設けられており、温熱発生体2の面上に発生した発熱は均一化される。これにより、温熱発生体2の面上は、好適な温度状態となるように調整される。
【0020】
温熱発生体2では、その端縁に沿って、給電部材6が絶縁状態で下層位置に設けられている。この給電部材6は、給電導材7a〜7cの導線によって並列的に配線されている。給電部材6の各給電導材7a〜7cは温熱発生体2の帯状金属箔4と接続されている。給電導材7a、7bから電源が帯状金属箔4に供給されることにより、温熱発生体2の面上が発熱する。なお、給電導材7cはアース線であり、前記帯状金属箔4における電気回路のアース回路を構成している。
【0021】
給電導材7a〜7cには、それらの両端に凹凸ソケット8a、8bが設けられている。この給電部材6は、予め温熱発生体2と一体的に設けられている。なお、床暖房パネル1とは別に給電部材6を一体的に取り付けるようにすることもできる。
【0022】
床暖房パネル1は、その複数が給電部材6で接続して連結される。給電部材6の相互間の連結については、図2及び図3に示すように、隣接する床暖房パネル1の凹凸ソケット8aと8bとの間を直接電気的に接続することができる。
【0023】
床暖房パネル1では、温熱発生体2の下層に基材9が設けられている。この基材9は、断熱性を考慮して、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリオレフィン(PO)、ポリエステル等の発泡プラスチックを使用することができる。この基材9は、例えば、約100mmの巾で複数に分割され、各基材9の間には隙間10を設けて配列される。隙間10としては、温熱発生体2に対する下層としての基材9の機能が有効に発揮されるように、クリアランス巾を約2mmとすることができる。
【0024】
基材9の面上には、給電部材6や検知器11を収容するための凹部が予め設けられている。これらの凹部には、給電部材6や検知器11が保持される。検知器11は、温度ヒューズ等の安全用部品が厚さが5mmの偏平形状の外装ケース内に収納されて構成されている。その外装ケース内からは、連結線11a、11bが露出され、これらの連結線11a、11bは、所定の位置で分断した帯状金属箔4を連継するように接続されて、基材9の凹部内に安定的に保持されている。
【0025】
床暖房パネル1は、温熱発生体2が基材9に対し上層位置に配位して一体化され、しかも、温熱発生体2は、前記したように可撓性を備え、その面を必要に応じて屈曲することができる。
【0026】
さらに、床暖房パネル1では、温熱発生体2が基材9の取り付け面に接着することにより一体化されている。この場合、温熱発生体2と基材9との間の取り付け面は、図4に示すように、複数に分割された基材9の70〜90%の面積割合の接着面となるように部分的に接着されていることが好ましく、取り付け面12は接着部12aと非接着部12bとで形成されている。例えば、床暖房パネル1の全長が1800mmであって、各基材9の小単位巾が100mmである場合、接着部12aの巾が約70mm、非接着部12bの巾が約28mmとすることが好ましい。図5に示すように、床暖房パネル1では屈曲部が、例えば17個所となり、この場合、各基材9ごとに20°の角度で屈曲して筒状に丸めることができる。
【0027】
床暖房パネル1では、図6に示すように、隣接する位置に配位する複数の基材9について、その対向する角部を9aのように面取りすることができる。角部の面取り部9aを形成したことにより、床暖房パネル1の温熱発生体2を屈曲させたときに、基材9の角欠け等の破損が生じるのを防止できる。
【0028】
このように床暖房パネル1では、その温熱発生体2と基材9との一体性を保持した状態で、温熱発生体2の可撓性に基づいて、床暖房パネル1の全体を筒状に屈曲変形することができるのである。また、施工現場において広げられた状態では、分割された複数の各基材9は、約2mmの間隔10を残して、温熱発生体2の下面について断熱をなし得る。また、床暖房パネル1に検知器11が設けられていても、その基材9の凹部に検知器11が安定した状態で嵌め込まれて取り付けられるので、支障をきたすことなく床暖房パネル1を筒状等に屈曲変形させることができる。
【0029】
【発明の効果】
上述したように本発明の床暖房パネルは構成されるから、次のような効果が発揮される。
【0030】
本発明は、温熱発生体と温熱発生体の下層にクッション性の基材とを含む床暖房パネルについて、温熱発生体が可撓性及び剛性を有するように形成されると共に、基材が分割された小幅単位で形成されることにより、容易に屈曲変形できるように構成されているから、平板形状の床暖房パネルを筒状等に屈曲変形させることができる。
【0031】
これによって、搬入すべき建物の入口が狭いような場合でも、必要に応じて、床暖房パネルの平面を屈曲して筒状等に変形することができ、この変形によって、床暖房パネルの搬送が容易になったり、また建物内へ搬入することが可能となる。
【0032】
本発明の床暖房パネルは、その温熱発生体との接着により、その下層に設けられている分割された複数の基材が一連に形成されているから、床暖房パネル全体を平板形状に戻して、対象とする床面上に敷設することも可能である。
【0033】
このように床面上に設置される床暖房パネルは、その上面に温熱発生体により構成されているから、温熱発生体の剛性に基づいて、使用者は、床暖房パネルの面上を支障なく歩行できると同時に、この温熱発生体の面で生じた発熱を均一に分散された状態で効果的に受けることができる。
【0034】
また、床暖房パネルにおける分割された複数の基材の間に隙間が設けられているから、床暖房パネル全体の屈曲変形を容易に行うことも可能である。また、隣接する複数の基材における角部を面取りすることにより、床暖房パネルの屈曲変形作業を容易にすると共に、屈曲変形の際に基材の角欠け等による破損の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の床暖房パネルの分解斜視図である。
【図2】本発明の床暖房用パネルを複数、連結する前の状態を説明する斜視図である。
【図3】本発明の床暖房パネルを複数、連結した後の状態を説明する斜視図である。
【図4】本発明の床暖房パネルにおいて、温熱発生体を基材の面上に接着する状態を説明する平面図である。
【図5】本発明の床暖房パネルを筒状に屈曲変形した状態を示す側面図である。
【図6】本発明の床暖房パネルにおける基材について、面取りした状態を示す部分側面図である。
【符号の説明】
1 床暖房パネル
2 温熱発生体
3 均熱板(アルミニウム箔材)
4 帯状金属箔
5a、5b 合成樹脂フィルム(絶縁材)
6 給電部材
7a〜7c 給電導材
8a、8b 凹凸ソケット
9 基材
9a 面取り部
10 隙間
11 検知器
11a、11b 連結線
12 取り付け面
12a 接着部
12b 非接着部
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の床暖房に使用される床暖房パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の床暖房パネルは、建物の床下に温水パイプを施工しておき、その温水パイプ内に温水を循環させる温水式床暖房や、床下に電気ヒータを敷設する電気式床暖房等が一般に利用されている。また、最近では、温水式または電気式の温熱発生体を一体に組み込んだ床暖房パネルを、マンションのスラブ等における床下地に敷設する方式の床暖房が普及している。この従来の床暖房パネルは、その上層に温水式または電気式の温熱発生体を設け、その下層に合成樹脂発泡体等からなるクッション性の大きな基材が設けられている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
【特開2002−13752号公報】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の床暖房パネルは、その基材部分が平面形状であると、その平面形状が大きいため、その床暖房パネルを敷設場所への搬入等することに不便となったり、また、建物の入口の大きさによっては、搬入が困難となる場合がある。
【0005】
さらに、従来の床暖房パネルは、最近、床暖房パネルの単位ユニットの面積が増大し、例えば、1800×900mmと広くなる傾向となっている。このため、合成樹脂発泡体等の基材の形状が大きく、また、床暖房パネルの基材部分に温度検知器やヒューズ等の付属品が設けられ、その付属品設置用の凹部が基材の面上に形成される。この付属品の設置作業についても基材が対象となるため、床暖房パネルに対する作業性の改善が望まれていた。
【0006】
従来の床暖房パネルは、可撓性が無くほとんど撓まないので、建物の床下地に対してなじみ性が悪い。このため、敷設の際に釘打ち等の強固な取付け方法が必要となる。また、可撓性がないため、床暖房パネルをマンション等の集合住宅における上下階の防音性を付与することが難しい。また、床暖房パネルに可撓性を付与しようとすると、床暖房パネル全体に柔軟性を保持させる必要がある。しかし、床暖房パネルの上面を踏むと基材部分が大きく沈み込むという問題が発生する。また、従来の床暖房パネルは、その表面に木質材料を主体として構成するため、重量が重く、建物の床面への搬入等の取り扱いが不便である。
【0007】
このように、特許文献1に掲げるような床暖房パネルの各部における物理的特性の改良を図った。すなわち、特許文献1の発明では、発熱発生体における帯状金属箔の材質や、その所定の形状、大きさを指定すると共に、絶縁性樹脂材等の基材について、その種類や架橋度等の材質、大きさを指定すること等、さらにはその発泡倍率等の物理的特性を規制する方法に関するものである。
【0008】
しかし、特許文献1のように、床暖房パネルを構成する各部における物理的特性を規制する方法は、その構成が煩雑であり、さらに施工性の改善が望まれていた。
【0009】
そこで、本発明は、上記した従来の床暖房パネルの構成各部における物理的特性の改善に加え、さらに従来の床暖房パネル全体の構造上の柔軟性等の改善することを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明の床暖房パネルは、所定の形態で設けた帯状金属箔の上下面を絶縁性の合成樹脂フィルムで被覆した温熱発生体と、この温熱発生体の下層に設けた基材とを含む床暖房用パネルであって、前記温熱発生体の一方の面に、分割された複数の基材が隙間を有して取り付けられ、該隙間を介して屈曲が可能に形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の床暖房パネルにおける温熱発生体は、所定の形態で設けた帯状金属箔と、その帯状金属箔の上下面を被覆した絶縁性の合成樹脂フィルムとからなり、平面性及び屈曲変形できる可撓性を備えている。したがって、この温熱発生体における可撓性により、床暖房パネル全体に屈曲性等の変形を加えることができる。
【0012】
本発明の床暖房パネルでは、前記した温熱発生体の下層に、複数の分割された基材が隙間を有して一体化されている。この複数の分割された基材を含む構成から、床暖房パネルが平面状であっても、その全体がある程度屈曲できる余裕を与える。すなわち、温熱発生体における可撓性及び屈曲性と、分割された複数の基材により、床暖房パネル全体を円管形等に屈曲変形させることができる。床暖房パネルの外形状を筒状等に変形することにより、当該床暖房パネルの大きさを変形させることが可能である。
【0013】
本発明の床暖房パネルは、前記した温熱発生体と基材とが、その取り付け面の一部でそれぞれ接着されている構成を含む。
【0014】
本発明の床暖房パネルが、その温熱発生体と基材とが、その取り付け面の一部でそれぞれ接着されている構成であると、床暖房パネルを屈曲して筒状等に変形させることができ、このように温熱発生体を筒状等に屈曲させた場合、その接着部における連続性を保持したまま、温熱発生体と基材との非接着部が開いて、温熱発生体における屈曲部について柔軟性を保持させることができる。
【0015】
また、本発明の床暖房パネルは、その複数の基材の対向する角部が、それぞれ面取りされている構成を含む。
【0016】
床暖房パネルにおける複数の基材が、その対向する角部でそれぞれ面取りされることによって、当該床暖房パネルが筒状に屈曲変形されたときに対向する基材間に衝突するのを回避することができる。したがって、床暖房パネルを容易かつ迅速に筒状等に変形させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の床暖房パネルの実施の形態を図に基づいて説明する。床暖房パネル1は、図1に示すように、温熱発生体2と、温熱発生体2の下層に設けられた基材9とを含むように構成されている。
【0018】
温熱発生体2は、所定の形態で設けた帯状金属箔4の上下面が絶縁性の合成樹脂フィルム5a、5bにより挟んだ状態で被覆して構成されている。このように、温熱発生体2は、帯状金属箔4がジグザク等の所定の形態で設けられているから、その全体が偏平状に成形されている。しかも、帯状金属箔4がその帯状の形態から柔軟性に富むと共に、合成樹脂フィルム5a、5bに覆われて、その絶縁性が保たれる。したがって、温熱発生体2は全体として屈曲可能な可撓性を有すると共に、所定の剛性を有している。この剛性により、温熱発生体2の面上での歩行性を確保することができる。合成樹脂5a、5bとしては、例えば、厚みが300μmのポリエステルフィルム等の絶縁材乃至断熱材を使用することができ、特に、厚みが50〜400μmのポリエチレンテレフタレートが好ましい。したがって、温熱発生体2では電気的な絶縁性及び剛性が確保される。
【0019】
帯状金属箔4としては、厚みが20〜150μmで、通電状態が良好な銅やステンレス等の発熱材が好ましく、特に、オーステナイト系合金からなる発熱材が好ましい。したがって、通電時に温熱発生体2の面上は帯状金属箔4の電気抵抗値に応じて発熱する。また、温熱発生体2の上面は、均熱材として厚さが約0.1mmのアルミニウム箔3が設けられており、温熱発生体2の面上に発生した発熱は均一化される。これにより、温熱発生体2の面上は、好適な温度状態となるように調整される。
【0020】
温熱発生体2では、その端縁に沿って、給電部材6が絶縁状態で下層位置に設けられている。この給電部材6は、給電導材7a〜7cの導線によって並列的に配線されている。給電部材6の各給電導材7a〜7cは温熱発生体2の帯状金属箔4と接続されている。給電導材7a、7bから電源が帯状金属箔4に供給されることにより、温熱発生体2の面上が発熱する。なお、給電導材7cはアース線であり、前記帯状金属箔4における電気回路のアース回路を構成している。
【0021】
給電導材7a〜7cには、それらの両端に凹凸ソケット8a、8bが設けられている。この給電部材6は、予め温熱発生体2と一体的に設けられている。なお、床暖房パネル1とは別に給電部材6を一体的に取り付けるようにすることもできる。
【0022】
床暖房パネル1は、その複数が給電部材6で接続して連結される。給電部材6の相互間の連結については、図2及び図3に示すように、隣接する床暖房パネル1の凹凸ソケット8aと8bとの間を直接電気的に接続することができる。
【0023】
床暖房パネル1では、温熱発生体2の下層に基材9が設けられている。この基材9は、断熱性を考慮して、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリオレフィン(PO)、ポリエステル等の発泡プラスチックを使用することができる。この基材9は、例えば、約100mmの巾で複数に分割され、各基材9の間には隙間10を設けて配列される。隙間10としては、温熱発生体2に対する下層としての基材9の機能が有効に発揮されるように、クリアランス巾を約2mmとすることができる。
【0024】
基材9の面上には、給電部材6や検知器11を収容するための凹部が予め設けられている。これらの凹部には、給電部材6や検知器11が保持される。検知器11は、温度ヒューズ等の安全用部品が厚さが5mmの偏平形状の外装ケース内に収納されて構成されている。その外装ケース内からは、連結線11a、11bが露出され、これらの連結線11a、11bは、所定の位置で分断した帯状金属箔4を連継するように接続されて、基材9の凹部内に安定的に保持されている。
【0025】
床暖房パネル1は、温熱発生体2が基材9に対し上層位置に配位して一体化され、しかも、温熱発生体2は、前記したように可撓性を備え、その面を必要に応じて屈曲することができる。
【0026】
さらに、床暖房パネル1では、温熱発生体2が基材9の取り付け面に接着することにより一体化されている。この場合、温熱発生体2と基材9との間の取り付け面は、図4に示すように、複数に分割された基材9の70〜90%の面積割合の接着面となるように部分的に接着されていることが好ましく、取り付け面12は接着部12aと非接着部12bとで形成されている。例えば、床暖房パネル1の全長が1800mmであって、各基材9の小単位巾が100mmである場合、接着部12aの巾が約70mm、非接着部12bの巾が約28mmとすることが好ましい。図5に示すように、床暖房パネル1では屈曲部が、例えば17個所となり、この場合、各基材9ごとに20°の角度で屈曲して筒状に丸めることができる。
【0027】
床暖房パネル1では、図6に示すように、隣接する位置に配位する複数の基材9について、その対向する角部を9aのように面取りすることができる。角部の面取り部9aを形成したことにより、床暖房パネル1の温熱発生体2を屈曲させたときに、基材9の角欠け等の破損が生じるのを防止できる。
【0028】
このように床暖房パネル1では、その温熱発生体2と基材9との一体性を保持した状態で、温熱発生体2の可撓性に基づいて、床暖房パネル1の全体を筒状に屈曲変形することができるのである。また、施工現場において広げられた状態では、分割された複数の各基材9は、約2mmの間隔10を残して、温熱発生体2の下面について断熱をなし得る。また、床暖房パネル1に検知器11が設けられていても、その基材9の凹部に検知器11が安定した状態で嵌め込まれて取り付けられるので、支障をきたすことなく床暖房パネル1を筒状等に屈曲変形させることができる。
【0029】
【発明の効果】
上述したように本発明の床暖房パネルは構成されるから、次のような効果が発揮される。
【0030】
本発明は、温熱発生体と温熱発生体の下層にクッション性の基材とを含む床暖房パネルについて、温熱発生体が可撓性及び剛性を有するように形成されると共に、基材が分割された小幅単位で形成されることにより、容易に屈曲変形できるように構成されているから、平板形状の床暖房パネルを筒状等に屈曲変形させることができる。
【0031】
これによって、搬入すべき建物の入口が狭いような場合でも、必要に応じて、床暖房パネルの平面を屈曲して筒状等に変形することができ、この変形によって、床暖房パネルの搬送が容易になったり、また建物内へ搬入することが可能となる。
【0032】
本発明の床暖房パネルは、その温熱発生体との接着により、その下層に設けられている分割された複数の基材が一連に形成されているから、床暖房パネル全体を平板形状に戻して、対象とする床面上に敷設することも可能である。
【0033】
このように床面上に設置される床暖房パネルは、その上面に温熱発生体により構成されているから、温熱発生体の剛性に基づいて、使用者は、床暖房パネルの面上を支障なく歩行できると同時に、この温熱発生体の面で生じた発熱を均一に分散された状態で効果的に受けることができる。
【0034】
また、床暖房パネルにおける分割された複数の基材の間に隙間が設けられているから、床暖房パネル全体の屈曲変形を容易に行うことも可能である。また、隣接する複数の基材における角部を面取りすることにより、床暖房パネルの屈曲変形作業を容易にすると共に、屈曲変形の際に基材の角欠け等による破損の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の床暖房パネルの分解斜視図である。
【図2】本発明の床暖房用パネルを複数、連結する前の状態を説明する斜視図である。
【図3】本発明の床暖房パネルを複数、連結した後の状態を説明する斜視図である。
【図4】本発明の床暖房パネルにおいて、温熱発生体を基材の面上に接着する状態を説明する平面図である。
【図5】本発明の床暖房パネルを筒状に屈曲変形した状態を示す側面図である。
【図6】本発明の床暖房パネルにおける基材について、面取りした状態を示す部分側面図である。
【符号の説明】
1 床暖房パネル
2 温熱発生体
3 均熱板(アルミニウム箔材)
4 帯状金属箔
5a、5b 合成樹脂フィルム(絶縁材)
6 給電部材
7a〜7c 給電導材
8a、8b 凹凸ソケット
9 基材
9a 面取り部
10 隙間
11 検知器
11a、11b 連結線
12 取り付け面
12a 接着部
12b 非接着部
Claims (3)
- 所定の形態で設けた帯状金属箔の上下面を絶縁性の合成樹脂フィルムで被覆した温熱発生体と、この温熱発生体の下層に設けた基材とを含む床暖房用パネルであって、前記温熱発生体の一方の面に、分割された複数の基材が隙間を有して取り付けられ、該隙間を介して屈曲が可能に形成されていることを特徴とする床暖房パネル。
- 前記した温熱発生体と基材とが、その取り付け面の一部でそれぞれ接着されている請求項1に記載された床暖房パネル。
- 前記複数の基材の対向する角部が、面取りされている請求項1又は2に記載された床暖房パネル。
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---|---|---|---|
JP2002286963A JP2004125221A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 床暖房パネル |
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Publications (1)
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JP2004125221A true JP2004125221A (ja) | 2004-04-22 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004125221A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010175147A (ja) * | 2009-01-29 | 2010-08-12 | Eidai Co Ltd | 電気式床暖房用パネルおよびそれを用いた電気式床暖房構造とその施工方法 |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002286963A patent/JP2004125221A/ja active Pending
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JP2010175147A (ja) * | 2009-01-29 | 2010-08-12 | Eidai Co Ltd | 電気式床暖房用パネルおよびそれを用いた電気式床暖房構造とその施工方法 |
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