JP2004124772A - 風車のブレーキシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】強風時の風車の過回転を防ぐことができ、しかも、それを垂直軸型風車であるか水平軸型風車であるかを問わず簡素な構造で効果的に実現することができる風車のブレーキシステム。
【解決手段】ブレーキ作動体9の第2摩擦面9bを羽根車2の側の第1摩擦面8aに押し付けて羽根車2の回転を減速するようになされている。そして、液体13を出し入れできる液体受入れ部10が備えられ、この液体受入れ部10内にブレーキ作動体9が配置され、液体受入れ部10への液体13の供給によって、ブレーキ作動体9が浮力で上昇し、第2摩擦面9bが第1摩擦面8aに押し付けられてブレーキがかかるようになされている。
【選択図】 図1
【解決手段】ブレーキ作動体9の第2摩擦面9bを羽根車2の側の第1摩擦面8aに押し付けて羽根車2の回転を減速するようになされている。そして、液体13を出し入れできる液体受入れ部10が備えられ、この液体受入れ部10内にブレーキ作動体9が配置され、液体受入れ部10への液体13の供給によって、ブレーキ作動体9が浮力で上昇し、第2摩擦面9bが第1摩擦面8aに押し付けられてブレーキがかかるようになされている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、風車のブレーキシステムに関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】
風力発電などにおいて、強風時の風車の過回転を防ぐ必要があり、本発明は、これを垂直軸型風車であるか水平軸型風車であるかを問わず簡素な構造で効果的に実現することができる風車のブレーキシステムを提供することを課題とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、羽根車の側に第1摩擦面が備えられると共に、第2摩擦面を有するブレーキ作動体が備えられ、ブレーキ作動体の第2摩擦面を羽根車の側の第1摩擦面に押し付けて羽根車の回転を減速するようになされていることを特徴とする風車のブレーキシステムによって解決される。
【0004】
このブレーキシステムでは、ブレーキ作動体の動きをコントロールし、ブレーキ作動体の第2摩擦面を羽根車の側の第1摩擦面に押し付けるだけで羽根車の回転を減速するようになされているものであり、垂直軸型風車であるか水平軸型風車であるかを問わず、強風時の風車の過回転を、簡素な構造で効果的に防ぐことができる。しかも、このようなブレーキ作動体の動作による摩擦ブレーキによって、ブレーキ作動体の作動のための手段として様々な手段をとることができ、ブレーキシステムの多様化を図っていくことができる。もちろん、摩擦による消耗品は安価に交換することができて、システムを永く安定良く使用していくことができる。
【0005】
上記のブレーキシステムにおいて、液体を出し入れできる液体受入れ部が備えられ、この液体受入れ部内にブレーキ作動体が配置され、液体受入れ部への液体の供給によってブレーキ作動体が浮力で上昇し、第2摩擦面が第1摩擦面に押し付けられて羽根車の回転を減速するようになされているとよい。
【0006】
このブレーキシステムでは、液体受入れ部内の液体の水位が上昇するように液体を供給するだけでブレーキ作動体は液体からの浮力を受けて上昇して摩擦面同士が接触し、摩擦力で羽根車の回転が減速される。ブレーキ力は、液体に浸かるブレーキ作動体の体積を大きくすればするほど大きくなり、液体に圧力をかけたりする必要はなく、浮力を利用して、簡素な機構でブレーキ作動体を作動させることができる。また、ブレーキの解除を液体受入れ部内の液体を除去するだけでよいから解除も容易である。しかも、液体から受ける浮力を利用したブレーキシステムであるから、摩擦面同士の接触時にダンパー効果が発生し、急激な力変動を防ぐことができ、別途ダンパーなどを備えさせる必要もない。液体としては、いつでも容易に確保することのできる水が最も一般的な例として挙げられる。
【0007】
この場合に、液体を貯蔵するタンクが備えられ、該貯蔵タンクは液体受入れ部よりも高所に備えられ、その液頭差でタンク内の液が液体受入れ部に供給されるようになされている場合は、液体受入れ部への液体の供給をポンプなど使わずに行うことができ、風力という自然エネルギーで回転する風車において、水頭差という同じく自然エネルギーを利用してブレーキ作動体を作動させることができ、より自然に合致した風車を実現することができる。特に、タンクが雨水集水タンクである場合は、水の確保をコスト的に有利にしかも容易に行うことができる。
【0008】
また、圧縮空気供給源が備えられ、ブレーキ作動体が圧縮空気供給源からの空気圧を受けることで変位して第2摩擦面が第1摩擦面に押し付けられ、羽根車の回転を減速するようになされているのもよい。この場合は、空気圧を利用してブレーキ作動を行うものであるから、圧縮空気供給源からの消費空気量はわずかであり、また、作動のための消費電力もないか、あってもわずかであり、コスト的に有利にブレーキをかけることができる。また、空気圧を設定することによってダンパーとしての機能をもたせるようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1に示す第1実施形態の風車1は、垂直軸型風車として知られているサボニウス型風車であり、その羽根車2は、図2に示すように、上下のプレート3,4間に2つの半円弧状翼5,5が中心を偏心させて備えられているもので、上プレート3の中心部から上回転軸6が上方に突出すると共に、下プレート4の中心部から下回転軸7が下方に突出し、図示しないが、上回転軸6が上支持部に回転自在に支持されると共に、下回転軸7が下支持部に回転自在に支承されることで、風力によって回転するようになされている。
【0011】
このサボニウス型風車1において、図1に示すように、羽根車2の下プレート4の下面にブレーキパッド8が備えられ、このブレーキパッド8で羽根車2の側の第1摩擦面8aが形成されている。そして、このブレーキパッド8の第1摩擦面8aと対向するようにして羽根車2の下プレート4の下方にブレーキ作動体9が備えられている。
【0012】
ブレーキ作動体9は、容器などからなる液体受入れ部10内に配置される浮力受け部9aと、上面を羽根車2の第1摩擦面8aと正対する第2摩擦面9bとするプレート部9cとを備え、浮力受け部9aとプレート部9cとは足9d…で連接一体化されており、足9dがガイドされることで、上下方向に昇降することはできるが回転はできないようになされており、上昇することで上面の第2摩擦面9bが羽根車2の第1摩擦面8aに押し付けられて羽根車2の回転にブレーキがかかり、下降することにより第2摩擦面9bが第1摩擦面8aから離れてブレーキが解除されるようになされている。なお、ブレーキパッドはブレーキ作動体9の側にも備えられていてよいし、ブレーキ作動体9にのみ備えられていてもよいし、いずれもブレーキパッドによらない摩擦面で構成されていてもよい。要は、第1,第2の摩擦面8a,9bは、接触して摩擦でブレーキがかかるような面に構成されていればよい。
【0013】
そして、雨水集水タンクなどからなる液体貯蔵タンク11が備えられ、送液線12を通じて液体受入れ部10に液体13が供給されるようになされている。このタンク11は液体受入れ部10よりも高所に設置され、その液頭差でタンク11内の液体13が液体受入れ部10に供給されるようになされており、送液のためのポンプなどは備えられていない。14は開閉弁で、液体受入れ部10への液体の供給と供給停止の切換えを行うものである。
【0014】
なお、開閉弁14の開閉は、マニュアル操作で行うようにしてもよいし、自動で行うようにしてもよい。
【0015】
自動の場合は、例えば、風速センサーと、風速センサーからの信号に基づいて一定風速を超えたとき、開閉弁14を開の状態にし、一定風速以下になると開閉弁14と閉の状態にする制御手段とを備えさせればよい。その場合の開閉弁14は電磁弁などを使用するとよい。また、その場合に、液体受入れ部10が供給液量より少ない液量を排出する構造のものになっていれば液体受入れ部10内の液体を排出する制御を行う必要はないが、そのような構造になっていない場合には、バルブや栓等の液体排出手段を備えさせ、それを制御手段で、一定風速を超えたとき液体排出手段を排出不能の状態にし、一定風速以下になると排出可能の状態にするようにすればよい。もちろん、強風などにより一定風速を超えた場合に羽根車2の回転を停止してしまい、一定風速以下になっても停止し続けるように制御を行うようにしてもよい。
【0016】
上記のブレーキシステムでは、図3(イ)に示すように、風Wが通常の強さの風であれば、液体受入れ部10内を空にしておくことによって、ブレーキ作動体9の第2摩擦面9bは、羽根車2の側の第1摩擦面8aから離間した状態を維持しており、羽根車2は効率良く回転し発電などを行う。
【0017】
そして、風Wの速度が高くなって強風になった場合には、図3(ロ)に示すように、開閉弁14を開き、タンク11内の液を液体受入れ部10に送り込んでいく。これにより、液体受入れ部10内の液位が上昇していき、ブレーキ作動体9の浮力部9aが液体13中に浸かっていき、ブレーキ作動体9に浮力が作用してブレーキ作動体9は浮上していく。そして、ブレーキ作動体9の第2摩擦面9bが羽根車2の第1摩擦面8aに押し付けられ、動摩擦力によって羽根車2の回転が抑えられる。液体受入れ部10における液体13の液位が高ければ高いほどブレーキ作動体9に作用する浮力は大きくなり、ブレーキが強く効いてくる。このブレーキ力によって、羽根車2は、強風時に回転を停止してしまうようにしてもよいし、風速に見合う回転速度よりも低い速度で回転を維持するようにしてもよい。後者の場合には、強風時にも回転を継続し、発電などを継続することができる。
【0018】
そして、風Wの速度が低くなると、図3(ハ)に示すように、液体受入れ部10内の液体13を排出することで、ブレーキ作動体9は浮力から開放され、下降して、摩擦面8a,9bが接触を断ち、羽根車2は、再び効率良く回転していく。
【0019】
このように、上記のブレーキシステムによれば、ブレーキ作動体9の動きをコントロールし、ブレーキ作動体9の第2摩擦面9bを羽根車2の側の第1摩擦面8aに押し付けるだけで羽根車2の回転を減速するようになされているので、強風時の羽根車2の過回転を、簡素な構造で効果的に防ぐことができる。しかも、摩擦による消耗品は安価に交換することができて、永く使うことができる。
【0020】
そして、本実施形態のブレーキシステムでは、ブレーキ作動体9を浮力を利用して動かす構造としているから、液体受入れ部10内の液体13の水位を上昇させるようにするだけでブレーキ作動体9を上昇させ摩擦面8a,9b同士を接触させることができ、液体受入れ部10内の液体13に圧力をかけたりする必要はなく、浮力を利用して、簡素な機構でブレーキ作動体9を作動させることができる。また、ブレーキの解除も液体受入れ部10内の液体を排出するだけでよいから解除も容易である。しかも、液体13から受ける浮力を利用したブレーキシステムであるから、摩擦面8a,9b同士の接触時にダンパー効果が発生し、急激な力変動を防ぐことができ、それでいて、別途バネなどのダンパーなどを備えさせる必要もない。
【0021】
図4に示す第2実施形態のブレーキシステムでは、加圧室15内にブレーキ作動体9が突出し、圧縮空気供給源としてのボンベ16が備えられ、加圧室15内をボンベ16からの圧縮空気で加圧することによりブレーキ作動体9を上昇させ、ブレーキ作動体9の第2摩擦面9bを羽根車2の側の第1摩擦面8aに押し付けるようになされたものである。14は開閉弁であり、加圧された加圧室15の空気を抜く機能も備えたものであるとよい。もちろん、ブレーキ作動体9は、上下方向に昇降することはできるが、回転はできないようになされている。このシステムにおいても、図5に示すように、開閉弁14の開閉によって、空気圧により、強風時の羽根車2の過回転を防ぐことができる。
【0022】
なお、開閉弁14の開閉は、マニュアル操作で行うようにしてもよいし、自動で行うようにしてもよいことは、第1実施形態の場合と同様である。
【0023】
本実施形態のブレーキシステムでは、ボンベ16からの消費空気量はわずかであり、また、作動は圧縮空気によって行うから電力も消費せず、コスト的に有利にブレーキをかけることができる。
【0024】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で、各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、ブレーキ作動体を動かす手段として、浮力を用いた場合と空気圧を用いた場合を示しているが、その他の手段が用いられてもよい。また、第1,第2の摩擦面8a,9bの設置位置に制限はない。また、上記の実施形態では、サボニウス型風車に適用した場合を示しているが、その他の垂直軸型風車に用いることもできるし、プロペラ型風車などの水平軸型風車に用いることもできる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりのものであるから、強風時の風車の過回転を防ぐことができ、しかも、それを垂直軸型風車であるか水平軸型風車であるかを問わず簡素な構造で効果的に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の風車のブレーキシステムを示す断面側面図である。
【図2】風車の羽根車の斜視図である。
【図3】図(イ)〜図(ハ)はそれぞれ該ブレーキシステムの作動状態を示す断面側面図である。
【図4】第2実施形態の風車のブレーキシステムを示す断面側面図である。
【図5】図(イ)〜図(ハ)はそれぞれ該ブレーキシステムの作動状態を示す断面側面図である。
【符号の説明】
1…サボニウス型風車(風車)
2…羽根車
8a…第1摩擦面
9…ブレーキ作動体
9b…第2摩擦面
10…液体受入れ部
11…液体貯蔵タンク
13…液体
15…加圧室
16…ボンベ(圧縮空気供給源)
【発明の属する技術分野】
本発明は、風車のブレーキシステムに関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】
風力発電などにおいて、強風時の風車の過回転を防ぐ必要があり、本発明は、これを垂直軸型風車であるか水平軸型風車であるかを問わず簡素な構造で効果的に実現することができる風車のブレーキシステムを提供することを課題とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、羽根車の側に第1摩擦面が備えられると共に、第2摩擦面を有するブレーキ作動体が備えられ、ブレーキ作動体の第2摩擦面を羽根車の側の第1摩擦面に押し付けて羽根車の回転を減速するようになされていることを特徴とする風車のブレーキシステムによって解決される。
【0004】
このブレーキシステムでは、ブレーキ作動体の動きをコントロールし、ブレーキ作動体の第2摩擦面を羽根車の側の第1摩擦面に押し付けるだけで羽根車の回転を減速するようになされているものであり、垂直軸型風車であるか水平軸型風車であるかを問わず、強風時の風車の過回転を、簡素な構造で効果的に防ぐことができる。しかも、このようなブレーキ作動体の動作による摩擦ブレーキによって、ブレーキ作動体の作動のための手段として様々な手段をとることができ、ブレーキシステムの多様化を図っていくことができる。もちろん、摩擦による消耗品は安価に交換することができて、システムを永く安定良く使用していくことができる。
【0005】
上記のブレーキシステムにおいて、液体を出し入れできる液体受入れ部が備えられ、この液体受入れ部内にブレーキ作動体が配置され、液体受入れ部への液体の供給によってブレーキ作動体が浮力で上昇し、第2摩擦面が第1摩擦面に押し付けられて羽根車の回転を減速するようになされているとよい。
【0006】
このブレーキシステムでは、液体受入れ部内の液体の水位が上昇するように液体を供給するだけでブレーキ作動体は液体からの浮力を受けて上昇して摩擦面同士が接触し、摩擦力で羽根車の回転が減速される。ブレーキ力は、液体に浸かるブレーキ作動体の体積を大きくすればするほど大きくなり、液体に圧力をかけたりする必要はなく、浮力を利用して、簡素な機構でブレーキ作動体を作動させることができる。また、ブレーキの解除を液体受入れ部内の液体を除去するだけでよいから解除も容易である。しかも、液体から受ける浮力を利用したブレーキシステムであるから、摩擦面同士の接触時にダンパー効果が発生し、急激な力変動を防ぐことができ、別途ダンパーなどを備えさせる必要もない。液体としては、いつでも容易に確保することのできる水が最も一般的な例として挙げられる。
【0007】
この場合に、液体を貯蔵するタンクが備えられ、該貯蔵タンクは液体受入れ部よりも高所に備えられ、その液頭差でタンク内の液が液体受入れ部に供給されるようになされている場合は、液体受入れ部への液体の供給をポンプなど使わずに行うことができ、風力という自然エネルギーで回転する風車において、水頭差という同じく自然エネルギーを利用してブレーキ作動体を作動させることができ、より自然に合致した風車を実現することができる。特に、タンクが雨水集水タンクである場合は、水の確保をコスト的に有利にしかも容易に行うことができる。
【0008】
また、圧縮空気供給源が備えられ、ブレーキ作動体が圧縮空気供給源からの空気圧を受けることで変位して第2摩擦面が第1摩擦面に押し付けられ、羽根車の回転を減速するようになされているのもよい。この場合は、空気圧を利用してブレーキ作動を行うものであるから、圧縮空気供給源からの消費空気量はわずかであり、また、作動のための消費電力もないか、あってもわずかであり、コスト的に有利にブレーキをかけることができる。また、空気圧を設定することによってダンパーとしての機能をもたせるようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1に示す第1実施形態の風車1は、垂直軸型風車として知られているサボニウス型風車であり、その羽根車2は、図2に示すように、上下のプレート3,4間に2つの半円弧状翼5,5が中心を偏心させて備えられているもので、上プレート3の中心部から上回転軸6が上方に突出すると共に、下プレート4の中心部から下回転軸7が下方に突出し、図示しないが、上回転軸6が上支持部に回転自在に支持されると共に、下回転軸7が下支持部に回転自在に支承されることで、風力によって回転するようになされている。
【0011】
このサボニウス型風車1において、図1に示すように、羽根車2の下プレート4の下面にブレーキパッド8が備えられ、このブレーキパッド8で羽根車2の側の第1摩擦面8aが形成されている。そして、このブレーキパッド8の第1摩擦面8aと対向するようにして羽根車2の下プレート4の下方にブレーキ作動体9が備えられている。
【0012】
ブレーキ作動体9は、容器などからなる液体受入れ部10内に配置される浮力受け部9aと、上面を羽根車2の第1摩擦面8aと正対する第2摩擦面9bとするプレート部9cとを備え、浮力受け部9aとプレート部9cとは足9d…で連接一体化されており、足9dがガイドされることで、上下方向に昇降することはできるが回転はできないようになされており、上昇することで上面の第2摩擦面9bが羽根車2の第1摩擦面8aに押し付けられて羽根車2の回転にブレーキがかかり、下降することにより第2摩擦面9bが第1摩擦面8aから離れてブレーキが解除されるようになされている。なお、ブレーキパッドはブレーキ作動体9の側にも備えられていてよいし、ブレーキ作動体9にのみ備えられていてもよいし、いずれもブレーキパッドによらない摩擦面で構成されていてもよい。要は、第1,第2の摩擦面8a,9bは、接触して摩擦でブレーキがかかるような面に構成されていればよい。
【0013】
そして、雨水集水タンクなどからなる液体貯蔵タンク11が備えられ、送液線12を通じて液体受入れ部10に液体13が供給されるようになされている。このタンク11は液体受入れ部10よりも高所に設置され、その液頭差でタンク11内の液体13が液体受入れ部10に供給されるようになされており、送液のためのポンプなどは備えられていない。14は開閉弁で、液体受入れ部10への液体の供給と供給停止の切換えを行うものである。
【0014】
なお、開閉弁14の開閉は、マニュアル操作で行うようにしてもよいし、自動で行うようにしてもよい。
【0015】
自動の場合は、例えば、風速センサーと、風速センサーからの信号に基づいて一定風速を超えたとき、開閉弁14を開の状態にし、一定風速以下になると開閉弁14と閉の状態にする制御手段とを備えさせればよい。その場合の開閉弁14は電磁弁などを使用するとよい。また、その場合に、液体受入れ部10が供給液量より少ない液量を排出する構造のものになっていれば液体受入れ部10内の液体を排出する制御を行う必要はないが、そのような構造になっていない場合には、バルブや栓等の液体排出手段を備えさせ、それを制御手段で、一定風速を超えたとき液体排出手段を排出不能の状態にし、一定風速以下になると排出可能の状態にするようにすればよい。もちろん、強風などにより一定風速を超えた場合に羽根車2の回転を停止してしまい、一定風速以下になっても停止し続けるように制御を行うようにしてもよい。
【0016】
上記のブレーキシステムでは、図3(イ)に示すように、風Wが通常の強さの風であれば、液体受入れ部10内を空にしておくことによって、ブレーキ作動体9の第2摩擦面9bは、羽根車2の側の第1摩擦面8aから離間した状態を維持しており、羽根車2は効率良く回転し発電などを行う。
【0017】
そして、風Wの速度が高くなって強風になった場合には、図3(ロ)に示すように、開閉弁14を開き、タンク11内の液を液体受入れ部10に送り込んでいく。これにより、液体受入れ部10内の液位が上昇していき、ブレーキ作動体9の浮力部9aが液体13中に浸かっていき、ブレーキ作動体9に浮力が作用してブレーキ作動体9は浮上していく。そして、ブレーキ作動体9の第2摩擦面9bが羽根車2の第1摩擦面8aに押し付けられ、動摩擦力によって羽根車2の回転が抑えられる。液体受入れ部10における液体13の液位が高ければ高いほどブレーキ作動体9に作用する浮力は大きくなり、ブレーキが強く効いてくる。このブレーキ力によって、羽根車2は、強風時に回転を停止してしまうようにしてもよいし、風速に見合う回転速度よりも低い速度で回転を維持するようにしてもよい。後者の場合には、強風時にも回転を継続し、発電などを継続することができる。
【0018】
そして、風Wの速度が低くなると、図3(ハ)に示すように、液体受入れ部10内の液体13を排出することで、ブレーキ作動体9は浮力から開放され、下降して、摩擦面8a,9bが接触を断ち、羽根車2は、再び効率良く回転していく。
【0019】
このように、上記のブレーキシステムによれば、ブレーキ作動体9の動きをコントロールし、ブレーキ作動体9の第2摩擦面9bを羽根車2の側の第1摩擦面8aに押し付けるだけで羽根車2の回転を減速するようになされているので、強風時の羽根車2の過回転を、簡素な構造で効果的に防ぐことができる。しかも、摩擦による消耗品は安価に交換することができて、永く使うことができる。
【0020】
そして、本実施形態のブレーキシステムでは、ブレーキ作動体9を浮力を利用して動かす構造としているから、液体受入れ部10内の液体13の水位を上昇させるようにするだけでブレーキ作動体9を上昇させ摩擦面8a,9b同士を接触させることができ、液体受入れ部10内の液体13に圧力をかけたりする必要はなく、浮力を利用して、簡素な機構でブレーキ作動体9を作動させることができる。また、ブレーキの解除も液体受入れ部10内の液体を排出するだけでよいから解除も容易である。しかも、液体13から受ける浮力を利用したブレーキシステムであるから、摩擦面8a,9b同士の接触時にダンパー効果が発生し、急激な力変動を防ぐことができ、それでいて、別途バネなどのダンパーなどを備えさせる必要もない。
【0021】
図4に示す第2実施形態のブレーキシステムでは、加圧室15内にブレーキ作動体9が突出し、圧縮空気供給源としてのボンベ16が備えられ、加圧室15内をボンベ16からの圧縮空気で加圧することによりブレーキ作動体9を上昇させ、ブレーキ作動体9の第2摩擦面9bを羽根車2の側の第1摩擦面8aに押し付けるようになされたものである。14は開閉弁であり、加圧された加圧室15の空気を抜く機能も備えたものであるとよい。もちろん、ブレーキ作動体9は、上下方向に昇降することはできるが、回転はできないようになされている。このシステムにおいても、図5に示すように、開閉弁14の開閉によって、空気圧により、強風時の羽根車2の過回転を防ぐことができる。
【0022】
なお、開閉弁14の開閉は、マニュアル操作で行うようにしてもよいし、自動で行うようにしてもよいことは、第1実施形態の場合と同様である。
【0023】
本実施形態のブレーキシステムでは、ボンベ16からの消費空気量はわずかであり、また、作動は圧縮空気によって行うから電力も消費せず、コスト的に有利にブレーキをかけることができる。
【0024】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で、各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、ブレーキ作動体を動かす手段として、浮力を用いた場合と空気圧を用いた場合を示しているが、その他の手段が用いられてもよい。また、第1,第2の摩擦面8a,9bの設置位置に制限はない。また、上記の実施形態では、サボニウス型風車に適用した場合を示しているが、その他の垂直軸型風車に用いることもできるし、プロペラ型風車などの水平軸型風車に用いることもできる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりのものであるから、強風時の風車の過回転を防ぐことができ、しかも、それを垂直軸型風車であるか水平軸型風車であるかを問わず簡素な構造で効果的に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の風車のブレーキシステムを示す断面側面図である。
【図2】風車の羽根車の斜視図である。
【図3】図(イ)〜図(ハ)はそれぞれ該ブレーキシステムの作動状態を示す断面側面図である。
【図4】第2実施形態の風車のブレーキシステムを示す断面側面図である。
【図5】図(イ)〜図(ハ)はそれぞれ該ブレーキシステムの作動状態を示す断面側面図である。
【符号の説明】
1…サボニウス型風車(風車)
2…羽根車
8a…第1摩擦面
9…ブレーキ作動体
9b…第2摩擦面
10…液体受入れ部
11…液体貯蔵タンク
13…液体
15…加圧室
16…ボンベ(圧縮空気供給源)
Claims (4)
- 羽根車の側に第1摩擦面が備えられると共に、第2摩擦面を有するブレーキ作動体が備えられ、ブレーキ作動体の第2摩擦面を羽根車の側の第1摩擦面に押し付けて羽根車の回転を減速するようになされていることを特徴とする風車のブレーキシステム。
- 液体を出し入れできる液体受入れ部が備えられ、この液体受入れ部内にブレーキ作動体が配置され、液体受入れ部への液体の供給によってブレーキ作動体が浮力で上昇し、第2摩擦面が第1摩擦面に押し付けられて羽根車の回転を減速するようになされている請求項1に記載の風車のブレーキシステム。
- 液体を貯蔵するタンクが備えられ、該貯蔵タンクは液体受入れ部よりも高所に備えられ、その液頭差でタンク内の液が液体受入れ部に供給されるようになされている請求項2に記載の風車のブレーキシステム。
- 圧縮空気供給源が備えられ、前記ブレーキ作動体が圧縮空気供給源からの空気圧を受けることで変位して第2摩擦面が第1摩擦面に押し付けられ、羽根車の回転を減速するようになされている請求項1に記載の風車のブレーキシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002288096A JP2004124772A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 風車のブレーキシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101030774B1 (ko) | 2010-07-09 | 2011-04-27 | 헵시바주식회사 | 수직축 풍력발전기의 브레이킹장치 |
CN102042179A (zh) * | 2010-12-22 | 2011-05-04 | 国际昌 | 一种风叶可折叠、油阻调速和控制的垂直轴风力发电装置 |
US20110257856A1 (en) * | 2010-03-31 | 2011-10-20 | Aisin Aw Co., Ltd. | Control device of automatic transmission |
KR101293541B1 (ko) * | 2011-02-24 | 2013-08-06 | 태창엔이티 주식회사 | 수직형 풍력발전기 시스템의 브레이크 장치 |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002288096A patent/JP2004124772A/ja active Pending
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