JP2004124738A - 多気筒エンジンの吸気装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成でエンジンの吸気慣性効果と加速応答性との両立を図る多気筒エンジンの吸気装置を提供する。
【解決手段】サージタンク4下流のスロットル弁上流側部位を、隔壁により高速用吸気通路と低速用吸気通路とに分割するとともに、その下流にロータリー型のスロットル弁装置6を配置する。スロットル弁装置6は、内部に吸気通路の一部となる弁体内吸気通路7dが形成された回動可能な弁体7を有し、弁体7が所定開度以下の時には弁体内吸気通路7dは低速用分岐通路とのみ連通し、所定開度以上の時には弁体内吸気通路7dは低速用分岐通路及び高速用分岐通路と連通して、燃焼室13内に吸気を供給する。
【選択図】 図2
【解決手段】サージタンク4下流のスロットル弁上流側部位を、隔壁により高速用吸気通路と低速用吸気通路とに分割するとともに、その下流にロータリー型のスロットル弁装置6を配置する。スロットル弁装置6は、内部に吸気通路の一部となる弁体内吸気通路7dが形成された回動可能な弁体7を有し、弁体7が所定開度以下の時には弁体内吸気通路7dは低速用分岐通路とのみ連通し、所定開度以上の時には弁体内吸気通路7dは低速用分岐通路及び高速用分岐通路と連通して、燃焼室13内に吸気を供給する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多気筒エンジンの吸気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンの各気筒の独立吸気通路に、例えば乗員の要求に応じて吸入空気量を線形的に変化するスロットル弁を配置するいわゆる多連スロットル弁によって、加速応答性を向上させることが知られている。
また、吸気通路の燃焼室に対して近接した位置にスロットル弁を配置するものにおいて、スロットル弁を円筒形状の回動可能な弁体としその内部に吸気通路を形成したロータリー型とする技術も公知である。(例えば、特開2001−73813号公報参照)このようなスロットル弁においては、加速応答性をより向上するため、スロットル弁をできる限りエンジンに近接した吸気通路下流側に位置したいという要求がある。これは、スロットル弁下流の吸気通路容積を減少でき、加速応答性を向上できるからである。
また、サージタンク4から吸気を燃焼室に供給する吸気通路を低速用通路と高速用通路とから構成すると共に、該両通路合流部に切換弁を設け、該切換弁によって吸気通路長をエンジン回転数に応じて切換え、吸気行程中のピストンの下降によって生じる圧力変化の振動数(エンジン回転数に関連する値)と吸気通路長・シリンダ容積とで決まる吸気系の固有振動数とを同調させることで得られるいわゆる吸気慣性効果によって吸気体積効率を向上して高出力化を図ることが知られている。(例えば、特公平5−78651号公報参照)
【特許文献1】
特開2001−73813号公報
【特許文献2】
特公平5−78651号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、吸気慣性効果を利用したエンジンに、燃焼室に近接配置したスロットル弁を適用した場合、吸気慣性効果を制御する切換弁とスロットル弁との少なくとも2つの弁が、燃焼室、つまりエンジン本体側に近づけて配置されることとなり、吸気装置のレイアウト上非常に煩雑な構造になるといった問題がある。
また、エンジンにおいては、一般に燃焼室内の吸気の乱流を強化して燃料と吸気との混合性を高め、燃焼性を向上したいといった要求がある。
【0004】
本発明は、以上のような課題に勘案してなされたもので、その目的は、簡単な構成で吸気慣性効果と加速応答性との両立を図るとともに、燃焼室内の吸気の乱流強化により燃料と吸気との混合性を高め燃焼性の向上を図る多気筒エンジンの吸気装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の請求項1記載の発明においては、多気筒エンジンの全気筒の燃焼室に吸気を供給する共通吸気通路と、該共通吸気通路から分岐して各気筒の燃焼室に吸気を供給する複数の独立吸気通路と、各独立吸気通路に設けられ、回動軸方向から見て円形となる弁体の内部に、吸気通路の一部となる空間部を形成し、該燃焼室内へ供給される吸入空気量を線形的に変化可能なロータリー型のスロットル弁とを備えた多気筒エンジンの吸気通路において、 各独立吸気通路は、上記スロットル弁への吸気の供給が複数の通路により行われるように複数の分岐吸気通路から構成されるとともに、上記スロットル弁は、該スロットル弁の回動によって、一部の分岐吸気通路による上記燃焼室内への吸気の供給を実質的に閉塞し、残りの分岐吸気通路による該燃焼室内への吸気の供給を行う第1の状態と、全ての分岐吸気通路による該燃焼室内への吸気を行う第2の状態とが設定可能となるよう形成されるとともに、第1の状態における上記独立吸気通路の該スロットル弁より下流側部位と該スロットル弁との連通部分の開口面積が、第2の状態における該開口面積よりも小さくなるよう構成されることを特徴としている。
このような構成により、吸気慣性効果の機能とスロットル弁機能とを有する弁をエンジンの燃焼室の比較的近傍に配置することができ、簡単な構成で吸気慣性効果と加速応答性との両立が図れる。
また、第1の状態において独立吸気通路の該スロットル弁より下流側部位と該スロットル弁との連通部分の開口面積が、第2の状態における開口面積よりも小さくなるため、第1の状態における燃焼室内に供給される吸気の流速が早くなって燃焼室内の吸気の乱流強化により燃料と吸気との混合性が高まり燃焼性の向上が図れる。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1において、上記独立吸気通路のスロットル弁下流側部位は、該スロットル弁が第1の状態にある時に該スロットル弁から上記燃焼室内へ供給される吸気により該燃焼室内で生成される乱流のタンブル比が、該スロットル弁が第2の状態にある時の乱流のタンブル比より大きくなるように構成されることを特徴としている。
尚、タンブル比とは、乱流の内エンジン回転速度に対する縦渦流の速度比で示されるものであり、渦流の強度をインパルスメーターにより吸気流縦方向角速度として求め、この吸気流縦方向角速度とエンジン回転速度とにより求める公知の手法により算出される。(特開2001−342836号公報参照)
このような構成により、請求項1記載の発明の構造上、第1の状態では第2の状態よりも吸入空気量が少なくなり燃料と吸気との混合性が悪いが、この第1の状態では縦渦が強化されることで燃料と吸気との混合性悪化が抑制され燃焼性の向上が図れる。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1において、上記スロットル弁開度を制御する制御手段を備え、該制御手段は、エンジンの運転状態に基づいて低回転時は第1の状態となるとともに、高回転時は第2の状態となるよう制御するとともに、第1の状態及び第2の状態のそれぞれの状態において吸入空気量を線形的に変化可能となるよう制御することを特徴としている。
このような構成により、低回転時は閉塞されていない分岐吸気通路の通路形状に基づく吸気慣性効果により吸気充填量を向上でき、高回転時は全ての分岐吸気通路の通路形状に基づく吸気充填量を向上できる。したがって、低回転から高回転にかけての広い回転数領域で吸気充填量の向上が図れる。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1において、上記独立吸気通路の該スロットル弁より下流側部位は、該スロットル弁から上記燃焼室に対して斜め下方に向かって延設されるとともに、上記スロットル弁は、該下流側部位との連通部分における上記開口が、該下流側部位の上方位置に形成されるよう構成されることを特徴としている。
このような構成により、スロットル弁より下流側部位と該スロットル弁との連通部分の開口面積から供給される流速の速い吸気により燃焼室内に確実に強い乱流を生成することが可能となる。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1において、上記共通吸気通路と上記独立吸気通路との接続部分に、容積室を構成したことを特徴としている。
このような構成により、複数の分岐吸気通路による吸気慣性効果を確実に高めることが可能となる。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1において、複数の分岐吸気通路は、エンジンの回転数が高回転時に上記燃焼室内に吸気を供給する高速用分岐吸気通路と、エンジンの回転数が少なくとも低回転時に上記燃焼室内に吸気を供給する低速用分岐吸気通路とを備えるとともに、夫々の分岐吸気通路はエンジンのクランク軸方向から見ては湾曲形成されるとともに、該高速用分岐吸気通路を該低速用分岐吸気通路に対して湾曲外方となるように形成されることを特徴としている。
このような構成により、低回転時に対して大量の吸気供給が要求される高回転時において、吸気の供給を吸気抵抗を低減した状態で実行できるとともに、この時の吸気装置のコンパクト化が図れる。
【0011】
【発明の効果】
本発明により、吸気慣性効果の機能とスロットル弁機能とを有する弁をエンジンの燃焼室の比較的近傍に配置することができ、簡単な構成で吸気慣性効果と加速応答性とを両立できる。
また、第1の状態において独立吸気通路の該スロットル弁より下流側部位と該スロットル弁との連通部分の開口面積が、第2の状態における開口面積よりも小さくなるため、第1の状態において燃焼室内に供給される吸気の流速を早くして燃焼室内の乱流強化により燃焼性を向上できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1から図6は、本発明の実施形態に関する4気筒エンジンの吸気装置を示している。
図1は、4気筒エンジンの吸気装置1を示す全体構成図であり、吸気装置1は、大気から吸気を取り込むダクト2と、ダクト2に接続され吸気中の埃等を除去するエアクリーナ3と、エアクリーナ3からスロットル弁を介さずに吸気を導入するサージタンク4と、サージタンク4からエンジン本体8aの各気筒に吸気を供給する各気筒毎形成された独立吸気通路群5とを備えている。
各独立吸気通路群5の夫々の途中には、横長形状のロータリー型のスロットル弁装置6が、エンジンのクランク軸(図示せず)方向に沿って平行に、つまり各独立吸気通路5に対して略直角となるように配置されている。このスロットル弁装置6は、全独立吸気通路5に亘ってクランク軸方向に沿って延設されるものである。このスロットル弁装置6の内部には、外形である横長形状と略平行に円筒状の空間が形成されており、この空間内にこの空間形状と略同形状のスロットル弁装置6の弁体7が回動可能に嵌挿され、この弁体7には、弁体を回動駆動するためのアクチュエータ8が取り付けられている。尚、この空間内への弁体7の組付けは、スロットル弁装置6の長手方向の一方側の空間開放部分6aから弁体7を挿入して行われるので、スロットル弁装置6自体の部品点数が少なく、組付け作業性向上が図れる構成となっている。
サージタンク4とサージタンク4からスロットル弁装置6に延設する独立吸気通路5の上流側通路とは一体成形されるとともに、スロットル弁装置6の外形部分とスロットル弁装置6からエンジン本体8aまで延設される独立吸気通路5の下流側通路6bとも一体形成されており、これによって本実施形態の吸気装置1全体の部品点数を少なくでき、組付け作業性が向上できる。
【0015】
図2は、本発明の吸気装置1の内、所定の一気筒の独立吸気通路5断面をエンジンのクランク軸方向から見た図であり、他気筒の独立吸気通路断面も略同様の図となる。
この図によれば、サージタンク4はスロットル弁装置6よりエンジン本体8aの上下方向の下側に位置し、このサージタンク4に接続された独立吸気通路5のスロットル弁上流側部位9は、サージタンク4からエンジン本体8a上下方向の上方向に向かって延設した後、エンジン本体8aに向かってU字状に湾曲する。また、独立吸気通路5のスロットル弁上流側部位9には、低速用吸気通路9aと高速用吸気通路9bとが隔壁9cによって、サージタンクから上記の湾曲部部分まではクランク軸方向に対してエンジンの水平方向に垂直な方向に沿って隣接し、湾曲部分からスロットル弁装置まではエンジン本体8aの上下方向に沿って隣接するよう形成されるとともに、U字状の湾曲外方に高速用吸気通路9bが位置するとともに、湾曲内方に低速用吸気通路9aが位置するよう形成される。このようにU字状の湾曲外方に高速用吸気通路9bを配置したことにより、サージタンク4と独立吸気通路5とのレイアウトをコンパクト化して、運転状態に応じて高回転もしくは高負荷運転時の大量の吸気流量が流通することになる高速用吸気通路9bにおける吸気抵抗を低減できる。
【0016】
このスロットル弁上流側部位9のエンジン本体8a側端部のにはスロットル弁装置6が組付け固定されており、この固定によりスロットル弁上流側部位9の高速用吸気通路9bにスロットル弁装置6内に形成されたスロットル内高速用吸気通路10aが対応して連通することとなり、同様に、スロットル弁上流側部位の低速用吸気通路9cにスロットル弁装置6内に形成されたスロットル内低速用吸気通路10bが対応して連通する。
図2のようにスロットル弁装置6の内部に形成された円筒状空間の長手方向に沿って、摺動する円形外筒状の弁体7が嵌挿されており、その回動軸方向から見た弁体7の外縁は円形である。この弁体7の回動軸方向から見て隣合うように上述のスロットル内高速用吸気通路10a及びスロットル内低速用吸気通路10bと、スロットル弁上流側部位9の高速用吸気通路9b及び低速用吸気通路9cとが配置している。また、弁体7の内部に弁体7の回動軸方向から見て略平行な第1内壁部7aと第2内壁部7bとが互いに対向するように形成されている。これら内壁部7a、7bと、弁体7の回動軸に対して直角な面を有しお互いに対向配置された弁体7内部の側壁7cとにより形成される略矩形形状の空間が弁体内吸気通路7dであり、弁体7の回動によりこの弁体内吸気通路7dを通過する吸入空気の量が調整されることとなる。
弁体7のエンジン本体8a側のスロットル弁装置6内部には、弁体内吸気通路7dと連通可能なスロットル下流通路6bが形成されている。
【0017】
スロットル下流通路6bは、シリンダヘッド8c内に形成された吸気ポート11の開口部分に対応する位置にスロットル下流通路6bと吸気ポート11とが連通するよう固定される。吸気ポート11は、クランク軸の回転に同期して開閉動作する吸気弁12を介してシリンダブロック8bの燃焼室13と連通している。シリンダヘッド8cのエンジン本体8a上下方向の上方には燃料噴射弁14が配置されており、燃料噴射弁14から噴射された燃料を吸気ポート11を介して燃焼室13内に導入するために、シリンダヘッド8cには、燃料噴射導入孔14aが形成されている。
【0018】
また、図2のスロットル弁装置6において第1内壁部7aの上流側端部7eは、スロットル内高速用吸気通路10aとスロットル内低速用吸気通路10bとを区画する隔壁10cの下流側端部と略接触した状態を示している(本発明の請求項に記載の「第1の状態」における一実施形態に相当)。この状態では、高速用吸気通路9bによる吸気供給は僅かながら漏れがあるものの実質的に遮断されるとともに、スロットル内低速用吸気通路10bと弁体内吸気通路7dとが連通した状態となって低速用吸気通路9aのみによる吸気供給が実質的に行われることとなる。これにより、弁体7上流のスロットル内低速用吸気通路10b及びスロットル弁上流側部位9の低速用吸気通路9a(以下、これら双方を示す場合は、低速用分岐通路と称す)と、更に弁体内吸気通路7dと弁体7下流の独立吸気通路5の一部との全体の通路形状(通路長や通路断面積)に基づく吸気慣性効果が得られることになる。
また、この状態では第2内壁部7bの下流端7fとスロットル下流通路6bの上側の内壁面との開口15は狭まった状態(開口面積は所定値以下。尚、開口面積とは、弁体内吸気通路7dのスロットル下流通路6bに対する開口面積を示す)となるので、弁体7から下流に供給される流速の速い吸気は、スロットル下流通路6bと吸気ポート11とを介し、上記開口15から吸気弁12までの距離の短さも起因して吸気流速が速い状態のままま吸気弁12から燃焼室13内に供給されることとなり、エンジン回転速度が低い状態であっても燃焼室13内で比較的大きな乱流を発生させることが可能となる。これにより燃料噴射弁14から噴射された燃料と吸気との混合性を高めて燃焼性を向上できる。
【0019】
また、図2では、上記の開口15部分はスロットル下流通路6b断面から見て周辺部の一部、つまり図2ではエンジン本体8a上下方向の上方向側に位置するとともに、弁体7下流の独立吸気通路5は、弁体7からエンジン本体8aの上下方向に対して斜め下向に向かって略直線的に延設され、吸気弁12直前の吸気ポート11の湾曲部分16で下方に大きく湾曲しているため、第2内壁部7bの下流端とスロットル下流通路6bの上流端の上側壁面との開口15から速い速度で供給された吸気は、主にスロットル下流通路6bの断面から見て周辺部の一部、つまり図2ではスロットル下流通路6bの上面に沿って偏った状態で流れて、吸気弁12直前の湾曲部分16で略下方向に向きを変えられその偏りを維持したまま吸気弁12から燃焼室13に供給されることになる。これにより燃焼室13内に供給された吸気は燃焼室13内で強いタンブル流(縦渦)を生成することになり、本エンジンが燃焼室13内の混合気が均質に存在する状態で着火燃焼する均質燃焼エンジン(例えば混合気理論空燃比近傍で燃焼を行うλ燃焼エンジン)であれば、燃料と吸気との混合性をより高めて更に燃焼性を向上できる。
【0020】
尚、弁体7が図2の状態から更に紙面上時計周りに回動すると、スロットル内低速用吸気通路10bと弁体内吸気通路7dとの開口17、及びスロットル下流通路6bと弁体内吸気通路7dとの開口15とが更に狭まり吸入空気量が減少するとともに、より乱流が強化されることとなる。
【0021】
弁体7が更に同方向に回動し続けて、弁体内吸気通路7dの流通方向と、スロットル下流通路6bの流通方向とが直角に近づくと、弁体内吸気通路7dとスロットル下流通路6bとの連通は遮断される。この時、弁体内吸気通路7dとスロットル内高速用吸気通路10aとの連通、及び弁体内吸気通路7dとスロットル内低速用吸気通路10bとの連通も遮断された状態となる。
【0022】
逆に、弁体7が図2の状態から更に紙面上反時計周りに回動すると、スロットル内低速用吸気通路10bと弁体内吸気通路7dとの開口17の開口面積は変化しないがスロットル内高速用吸気通路10aと弁体内吸気通路7dとが連通するようになり、同時にスロットル下流通路6bと弁体内吸気通路7dとの開口15の開口面積が広くなる(本発明の請求項に記載の「第2の状態」における一実施形態に相当)。これにより、スロットル内高速用吸気通路10a及びスロットル弁上流側部位9の高速用吸気通路9b(以下、これら双方を示す場合、高速用分岐通路と称す)と、スロットル弁上流側部位9の低速用吸気通路9aと、弁体内吸気通路7dと、弁体7下流の独立吸気通路5との全体の通路形状(通路長や通路断面積)に基づく吸気慣性効果が強まるとともに吸入空気量が増量する。
この状態では、図2において、第2内壁部7bの下流端7fと、スロットル下流通路6bの上流壁面上流端との距離が広がって、上記開口15の開口面積が所定値以上となり、弁体7より下流側の独立吸気通路5内における吸気主体の偏在(つまり、吸気流速が高い状態)が、高速用吸気通路9bを遮断した状態のときよりも小さくなる。尚、この状態においては、エンジン回転速度が高いために、単位時間当りのピストンストローク量が大きく、乱流強度は必然的に高められるため、弁体7による乱流強化は必要ない。
【0023】
図3は、スロットル弁装置6のみを図2と同じ方向から見た図で、図2のスロットル弁装置6と比較して、弁体7の全開状態を示すものである。
弁体7が全開状態にある状態では、スロットル内高速用吸気通路10aと弁体内吸気通路7dとの連通、及びスロットル内低速用吸気通路10bと弁体内吸気通路7dとの連通は、それぞれ全開状態となり、また弁体内吸気通路7dとスロットル下流通路6bとの開口15も全開状態となる。
【0024】
また、図3によれば、弁体7が全開状態にある時は、弁体7の第1内壁部7aの上流側端部7eとこの上流側端部7eに対応するスロットル内高速用吸気通路10aの下流端の上側壁面とは面一となり、また弁体7の第1内壁部7aの下流側端部7gとこの下流側端部7gに対応するスロットル下流通路6bの上流端の上側壁面とは面一となるよう形成される。同様に、弁体7の第2内壁部7bの上流側端部7hとこの上流側端部7hに対応するスロットル内低速用吸気通路10bの下流の下側壁面とは面一となり、また弁体7の第2内壁部7bの下流側端部7fとこの下流側端部7fに対応するスロットル下流通路6bの上流端の下側壁面とは面一となるよう形成される。これにより、全開時における吸気の乱れの発生を抑制して吸気抵抗を少なくできる。
【0025】
図4は、本実施形態の吸気装置1をエンジン上下方向の上側から見た概略図であり、弁体7がスロットル弁上流側部位9の吸気通路(高速用吸気通路9b及び低速用吸気通路9a)とスロットル弁下流側部位6bの吸気通路とを全開状態に連通している状態を示している。この図によれば、弁体7の側壁部7cとこれに対応するスロットル弁上流側部位9の吸気通路の側壁18、及び弁体7の側壁部とこれに対応するスロットル弁下流部位の吸気通路の側壁19は、いずれも面一であり全開時における吸気の乱れの発生を抑制して吸気抵抗を少なくしている。また、この図のように独立吸気通路5は、クランク軸方向に見て前後方向には基本的には分岐されておらず、2つの吸気弁12の近傍付近で分岐するコモンポートとなっている。
【0026】
本実施形態におけるスロットル弁装置6は、弁体7の開度と吸気通過量との関係は、独立吸気通路のスロットル弁上流側部位からスロットル弁装置6へ供給される吸入空気量が一定の場合、図5に示すような特性となっている。弁体7の開度が上述の図2の位置にある時が、図5において弁体7の開度がAの時に相当しており、弁体7の開度が開度Aから増大して低速用吸気通路9aと弁体内吸気通路7dとが連通した状態から高速用吸気通路9bと弁体内吸気通路7dとの連通も行われる状態に移行した時の吸気通過量は線形に変化する。また、弁体7の全閉から全開の間に亘っても、吸気通過量は線形に変化するよう構成される。
【0027】
図6は、スロットル弁装置6の弁体7を制御するための制御ブロック図を示している。制御ユニット20は、アクセル(図示せず)のアクセル開度を検出する開度センサ21とエンジン回転数を検出する回転数センサ22とから夫々の出力信号を入力し、アクセル開度から負荷を算出するとともに、予め記憶されたエンジン回転数と負荷とに応じて設定された開度マップに基づいて弁体7の回動角、つまり開度を算出する。アクチュエータ8は、制御ユニット20からの出力信号を受けて算出した開度となるよう弁体7を調整する。
【0028】
次に、本実施形態の動作について説明する。
エンジンが停止状態の時は、アクチュエータ8はスロットル弁装置6の弁体7の開度を制御して、弁体内吸気通路7dと弁体7下流の独立吸気通路5との連通を遮断する。この時、弁体内吸気通路7dと弁体7上流側のスロットル内高速用吸気通路10aとの連通、及び弁体内吸気通路7dと弁体7上流側のスロットル内低速用吸気通路10bとの連通も遮断された状態となり、これにより燃焼室13内への吸気供給は行われない状態となる。
【0029】
エンジン回転数が所定回転以下で且つエンジン負荷が所定負荷以下となる運転状態(低回転・低負荷状態)では、弁体内吸気通路7dと弁体7上流のスロットル内高速用吸気通路10aとの連通は遮断される一方、弁体内吸気通路7dと弁体7上流のスロットル内低速用吸気通路10bとは連通し、同時に弁体内吸気通路7dと弁体7下流の独立吸気通路5とも連通する。これにより吸気はサージタンク4から低速用吸気通路9aとスロットル内低速用吸気通路10bと弁体内吸気通路7dと弁体7下流の独立吸気通路5とを介して燃焼室13内に供給されることとなり、低速用吸気通路9a、スロットル内低速用吸気通路10bを含めた独立吸気通路全体の通路長又は通路断面積に基づく吸気慣性効果が得られるので、低回転域での燃焼室13内に供給される吸気の充填量を増量できる。また、この時は弁体7下流の独立吸気通路内の吸気速度が高められるので、燃焼室13内で吸気の乱流、特にタンブル流が強化され燃焼性が向上する。
尚、この低回転・低負荷状態での吸入空気量の調整は、弁体7を制御してスロットル内低速用吸気通路10bと弁体内吸気通路7dとの連通開口17の開口面積と弁体内吸気通路7dと弁体7下流の独立吸気通路5との連通開口15の開口面積とを同時に調整することで行われることとなり、アクセル開度に基づく乗員の出力要求に応じて弁体7開度を線形的に調整してこれらの連通開口面積を調整し、吸入空気量を制御する。
【0030】
エンジン回転数が所定回転以上の高回転状態、あるいはエンジン負荷が所定負荷以上の高負荷状態(高回転及び高負荷状態も含む)では、低速用吸気通路9aとスロットル内低速用吸気通路10bと弁体内吸気通路7dとは全開状態で連通するとともに、高速用吸気通路9bとスロットル内高速用吸気通路10aと弁体内吸気通路7dとも連通し、同時に弁体内吸気通路7dとスロットル下流通路6bとも連通する。この時、弁体内吸気通路7dとスロットル下流通路6bとの連通開口面積は、低回転及び低負荷状態における連通開口面積よりも大きい面積で連通することとなる。これにより吸気はサージタンク4から低速用吸気通路9a及び高速用吸気通路9bと、スロットル内低速用吸気通路10bとスロットル内高速用吸気通路10a、弁体内吸気通路7d、その下流スロットル弁装置6下流の独立吸気通路とを介して燃焼室13内に供給されることとなる。この時、低速用吸気通路9a及び高速用吸気通路9bと、スロットル内低速用吸気通路10b及びスロットル内高速用吸気通路10aとを含めた独立吸気通路全体の通路容積は、低回転・低負荷状態における高速用吸気通路9b及びスロットル内高速用吸気通路10aを除いた通路容積よりも大きいので、高回転域に適応した吸気慣性効果が得られ、高回転域での燃焼室13内に供給される吸気の充填量を増量できる。
尚、この高回転あるいは高負荷状態での吸入空気量の調整は、弁体7を制御してスロットル内高速用吸気通路10aと弁体内吸気通路7dとの連通開口面積と弁体内吸気通路7dと弁体7下流の独立吸気通路5との連通開口15の開口面積とを同時に調整することで行われることとなり、アクセル開度に基づく乗員の出力要求に応じて弁体7開度を線形的に調整してこれらの連通開口面積を調整し、吸入空気量を制御する。
【0031】
また、高回転あるいは高負荷状態でも、弁体7下流の独立吸気通路形状により燃焼室13内にタンブル流が生成されるが、この状態でのタンブル比は、低回転・低負荷時のタンブル比より小さくなるよう設定されている。
これは、低回転・低負荷状態は弁体内吸気通路7dと弁体7下流の独立吸気通路との開口15が弁体7下流の独立吸気通路5断面の周辺部の上面側に位置するとともにその開口面積が小さため、流速の速い吸気が弁体7下流の独立吸気通路5断面の周辺部の上面に偏って燃焼室13内に供給されることによる。一方高回転あるいは高負荷状態では弁体7下流の独立吸気通路5断面の中心部側の吸気の流速が速いので、燃焼室13内に生成されるタンブル比は、低回転・低負荷状態よりも小さい。つまり、低回転・低負荷状態におけるタンブル比は、高回転あるいは高負荷状態のタンブル比より大きくなっている。
【0032】
次に、本実施形態の効果を以下に述べる。
本実施形態においては、独立吸気通路5の途中にロータリー型のスロットル弁装置6を設けるとともに、独立吸気通路5のスロットル弁装置6上流側は高速用分岐通路と低速用分岐通路とに分かれており、低回転時は低速用分岐通路による吸気供給を行い、高回転時は更に高速用分岐通路も連通させて吸気供給を行うことで、スロットル弁装置6をスロットル弁と吸気慣性効果用の切換え弁との2つの機能を備えさせて共通化できるので、1つのロータリー型の弁を利用して、簡単な構成で吸気慣性効果を利用したスロットル弁機能付の吸気装置を提供することが可能となる。また簡単な構成であるのでレイアウト性が良く、スロットル弁装置をエンジン本体に近接配置できるためスロットル弁装置と燃焼室との離間距離を短くでき、吸気供給の応答性も向上できる。
また、このロータリー型のスロットル弁により低速用分岐通路による吸気供給が行われている時にはスロットル弁装置6の弁体内吸気通路7dとスロットル下流吸気通路6bとの開口15が狭まっているので、スロットル弁下流の独立吸気通路5において、吸気流速を高めつつ、吸気主流を吸気通路軸心より一方側に偏在させることで、燃焼室13内に発生する乱流を強化することも可能となる。
また、本実施形態では、このような乱流の強化が行われる状態は、エンジンの運転状態が、吸気量が比較的少ない低回転・低負荷状態であり、このような状態は吸気と燃料との混合性は低いものの、この時、乱流強化により吸気と燃料との混合性を高めて燃焼性を向上できる。特に本実施形態では、タンブル流を生成する吸気系において低吸気量状態ではタンブル流を強化しているので、混合性向上によって、低吸気量状態での燃焼性を向上させつつ、高吸気量状態での吸気抵抗を低減できる。すなわち、高吸気量状態では、スワール生成を主体的に行う吸気装置に比べ、本実施形態のようにタンブル生成を主体的に行う吸気系では、吸気抵抗が低減できる。
【0033】
(他の実施形態)
また、本実施形態の他の実施形態について以下に述べる。
本実施例においては、スロットル弁上流側部位9の通路管内部に隔壁9cを設け、高速用吸気通路9bと低速用吸気通路9aとを形成したが、高速用吸気通路9bと低速用吸気通路9aは外形的に独立した別々の管路を設けて、スロットル弁装置6に吸気を供給してもよい。
また、本実施例のスロットル弁装置6の弁体7において、その内壁部より外周側は肉厚部としたが、弁体7の外周表面から内壁部方向に向けて部分的に切欠くことで、弁体7自体の軽量化が図れるとともに、スロットル弁装置6の弁体7を回動方向に摺動可能に保持する外形部分との摺動抵抗を低減できより、応答性よく弁体7の制御が可能となる。
【0034】
また、本実施形態においては、低速用分岐通路のみによる吸気供給中はスロットル弁装置6の弁体内吸気通路7dとスロットル下流通路6bとの開口15をエンジン本体8a上下方向の上方向になるように位置させ、弁体7下流の独立吸気通路5は、弁体7からエンジン本体8aの上下方向に対して斜め下向に向かって略直線的に延設し、吸気弁12直前の吸気ポート11で下方に湾曲するよう構成して燃焼室13内のタンブル流を強化させたが、スロットル弁装置6を図2のスロットル弁装置6が存在する位置より紙面上の更に上方に位置させて、且つ上記の開口15は下方向になるよう位置させるとともに、この時の弁体7下流のスロットル下流吸気通路6bと吸気ポート11との斜め下向きの傾斜を、図2の傾斜よりも大きくしてもよい。このような構成により上記の開口15から供給される流速の速い吸気は主体的にスロットル下流吸気通路6bの下面側に沿って流れ、燃焼室13内にタンブル流が強化される方向で導入されることとなり、本実施形態と同様にタンブル流の強化させることが可能となる。
【0035】
また、本実施形態では、エンジンの運転状態が低回転且つ低負荷時に低速用分岐通路による吸気供給を行わせ、それ以外の領域では低速用分岐通路と高速用分岐通路とによる吸気供給を行わせるよう構成したが、エンジンの運転状態が所定回転数以下の低回転時は高負荷であっても低速用吸気通路による吸気供給を行わせるよう弁体7制御して吸気慣性効果により吸気充填量を高めてもよい。
【0036】
また、本実施形態では、一体形成されたサージタンク4と各独立吸気通路5のスロットル弁上流側部位9と、独立吸気通路5の一部を成すスロットル下流通路6bを形成したスロットル弁装置6とを分割しているため、個々の部品の生産性向上、及び部品の一体化による組付性向上が図れたり、更にスロットル弁装置6の部分だけを他の機種のエンジンに転用するなどの共通化が図れるが、これらのサージタンク4とスロットル弁上流部位とスロットル弁装置6とを一体成形してもよく、これによっても部品点数低減、及び組付性向上が図れる。またこのような一体成形部品をエンジン本体8aに組付けるよりも前に、一体成形部品のスロットル弁装置6に弁体7をスロットル弁装置6に挿入しておいても、組付後に弁体7をスロットル弁装置6に挿入してもどちらでも組付け性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジンの吸気装置を示す全体構成図。
【図2】エンジンの吸気装置4をエンジンクランク軸方向から見た正面図。
【図3】図2のスロットル弁装置6の弁体7が全開状態にある時を示した図。
【図4】図1を上から見たときの概略図
【図5】弁体7開度と吸気通過量との特性図
【図6】制御ブロック図
【符号の説明】
4:サージタンク
6:スロットル弁装置
7:弁体
9:スロットル弁上流側部位
9a:低速用吸気通路
9b:高速用吸気通路
【発明の属する技術分野】
本発明は、多気筒エンジンの吸気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンの各気筒の独立吸気通路に、例えば乗員の要求に応じて吸入空気量を線形的に変化するスロットル弁を配置するいわゆる多連スロットル弁によって、加速応答性を向上させることが知られている。
また、吸気通路の燃焼室に対して近接した位置にスロットル弁を配置するものにおいて、スロットル弁を円筒形状の回動可能な弁体としその内部に吸気通路を形成したロータリー型とする技術も公知である。(例えば、特開2001−73813号公報参照)このようなスロットル弁においては、加速応答性をより向上するため、スロットル弁をできる限りエンジンに近接した吸気通路下流側に位置したいという要求がある。これは、スロットル弁下流の吸気通路容積を減少でき、加速応答性を向上できるからである。
また、サージタンク4から吸気を燃焼室に供給する吸気通路を低速用通路と高速用通路とから構成すると共に、該両通路合流部に切換弁を設け、該切換弁によって吸気通路長をエンジン回転数に応じて切換え、吸気行程中のピストンの下降によって生じる圧力変化の振動数(エンジン回転数に関連する値)と吸気通路長・シリンダ容積とで決まる吸気系の固有振動数とを同調させることで得られるいわゆる吸気慣性効果によって吸気体積効率を向上して高出力化を図ることが知られている。(例えば、特公平5−78651号公報参照)
【特許文献1】
特開2001−73813号公報
【特許文献2】
特公平5−78651号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、吸気慣性効果を利用したエンジンに、燃焼室に近接配置したスロットル弁を適用した場合、吸気慣性効果を制御する切換弁とスロットル弁との少なくとも2つの弁が、燃焼室、つまりエンジン本体側に近づけて配置されることとなり、吸気装置のレイアウト上非常に煩雑な構造になるといった問題がある。
また、エンジンにおいては、一般に燃焼室内の吸気の乱流を強化して燃料と吸気との混合性を高め、燃焼性を向上したいといった要求がある。
【0004】
本発明は、以上のような課題に勘案してなされたもので、その目的は、簡単な構成で吸気慣性効果と加速応答性との両立を図るとともに、燃焼室内の吸気の乱流強化により燃料と吸気との混合性を高め燃焼性の向上を図る多気筒エンジンの吸気装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の請求項1記載の発明においては、多気筒エンジンの全気筒の燃焼室に吸気を供給する共通吸気通路と、該共通吸気通路から分岐して各気筒の燃焼室に吸気を供給する複数の独立吸気通路と、各独立吸気通路に設けられ、回動軸方向から見て円形となる弁体の内部に、吸気通路の一部となる空間部を形成し、該燃焼室内へ供給される吸入空気量を線形的に変化可能なロータリー型のスロットル弁とを備えた多気筒エンジンの吸気通路において、 各独立吸気通路は、上記スロットル弁への吸気の供給が複数の通路により行われるように複数の分岐吸気通路から構成されるとともに、上記スロットル弁は、該スロットル弁の回動によって、一部の分岐吸気通路による上記燃焼室内への吸気の供給を実質的に閉塞し、残りの分岐吸気通路による該燃焼室内への吸気の供給を行う第1の状態と、全ての分岐吸気通路による該燃焼室内への吸気を行う第2の状態とが設定可能となるよう形成されるとともに、第1の状態における上記独立吸気通路の該スロットル弁より下流側部位と該スロットル弁との連通部分の開口面積が、第2の状態における該開口面積よりも小さくなるよう構成されることを特徴としている。
このような構成により、吸気慣性効果の機能とスロットル弁機能とを有する弁をエンジンの燃焼室の比較的近傍に配置することができ、簡単な構成で吸気慣性効果と加速応答性との両立が図れる。
また、第1の状態において独立吸気通路の該スロットル弁より下流側部位と該スロットル弁との連通部分の開口面積が、第2の状態における開口面積よりも小さくなるため、第1の状態における燃焼室内に供給される吸気の流速が早くなって燃焼室内の吸気の乱流強化により燃料と吸気との混合性が高まり燃焼性の向上が図れる。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1において、上記独立吸気通路のスロットル弁下流側部位は、該スロットル弁が第1の状態にある時に該スロットル弁から上記燃焼室内へ供給される吸気により該燃焼室内で生成される乱流のタンブル比が、該スロットル弁が第2の状態にある時の乱流のタンブル比より大きくなるように構成されることを特徴としている。
尚、タンブル比とは、乱流の内エンジン回転速度に対する縦渦流の速度比で示されるものであり、渦流の強度をインパルスメーターにより吸気流縦方向角速度として求め、この吸気流縦方向角速度とエンジン回転速度とにより求める公知の手法により算出される。(特開2001−342836号公報参照)
このような構成により、請求項1記載の発明の構造上、第1の状態では第2の状態よりも吸入空気量が少なくなり燃料と吸気との混合性が悪いが、この第1の状態では縦渦が強化されることで燃料と吸気との混合性悪化が抑制され燃焼性の向上が図れる。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1において、上記スロットル弁開度を制御する制御手段を備え、該制御手段は、エンジンの運転状態に基づいて低回転時は第1の状態となるとともに、高回転時は第2の状態となるよう制御するとともに、第1の状態及び第2の状態のそれぞれの状態において吸入空気量を線形的に変化可能となるよう制御することを特徴としている。
このような構成により、低回転時は閉塞されていない分岐吸気通路の通路形状に基づく吸気慣性効果により吸気充填量を向上でき、高回転時は全ての分岐吸気通路の通路形状に基づく吸気充填量を向上できる。したがって、低回転から高回転にかけての広い回転数領域で吸気充填量の向上が図れる。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1において、上記独立吸気通路の該スロットル弁より下流側部位は、該スロットル弁から上記燃焼室に対して斜め下方に向かって延設されるとともに、上記スロットル弁は、該下流側部位との連通部分における上記開口が、該下流側部位の上方位置に形成されるよう構成されることを特徴としている。
このような構成により、スロットル弁より下流側部位と該スロットル弁との連通部分の開口面積から供給される流速の速い吸気により燃焼室内に確実に強い乱流を生成することが可能となる。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1において、上記共通吸気通路と上記独立吸気通路との接続部分に、容積室を構成したことを特徴としている。
このような構成により、複数の分岐吸気通路による吸気慣性効果を確実に高めることが可能となる。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1において、複数の分岐吸気通路は、エンジンの回転数が高回転時に上記燃焼室内に吸気を供給する高速用分岐吸気通路と、エンジンの回転数が少なくとも低回転時に上記燃焼室内に吸気を供給する低速用分岐吸気通路とを備えるとともに、夫々の分岐吸気通路はエンジンのクランク軸方向から見ては湾曲形成されるとともに、該高速用分岐吸気通路を該低速用分岐吸気通路に対して湾曲外方となるように形成されることを特徴としている。
このような構成により、低回転時に対して大量の吸気供給が要求される高回転時において、吸気の供給を吸気抵抗を低減した状態で実行できるとともに、この時の吸気装置のコンパクト化が図れる。
【0011】
【発明の効果】
本発明により、吸気慣性効果の機能とスロットル弁機能とを有する弁をエンジンの燃焼室の比較的近傍に配置することができ、簡単な構成で吸気慣性効果と加速応答性とを両立できる。
また、第1の状態において独立吸気通路の該スロットル弁より下流側部位と該スロットル弁との連通部分の開口面積が、第2の状態における開口面積よりも小さくなるため、第1の状態において燃焼室内に供給される吸気の流速を早くして燃焼室内の乱流強化により燃焼性を向上できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1から図6は、本発明の実施形態に関する4気筒エンジンの吸気装置を示している。
図1は、4気筒エンジンの吸気装置1を示す全体構成図であり、吸気装置1は、大気から吸気を取り込むダクト2と、ダクト2に接続され吸気中の埃等を除去するエアクリーナ3と、エアクリーナ3からスロットル弁を介さずに吸気を導入するサージタンク4と、サージタンク4からエンジン本体8aの各気筒に吸気を供給する各気筒毎形成された独立吸気通路群5とを備えている。
各独立吸気通路群5の夫々の途中には、横長形状のロータリー型のスロットル弁装置6が、エンジンのクランク軸(図示せず)方向に沿って平行に、つまり各独立吸気通路5に対して略直角となるように配置されている。このスロットル弁装置6は、全独立吸気通路5に亘ってクランク軸方向に沿って延設されるものである。このスロットル弁装置6の内部には、外形である横長形状と略平行に円筒状の空間が形成されており、この空間内にこの空間形状と略同形状のスロットル弁装置6の弁体7が回動可能に嵌挿され、この弁体7には、弁体を回動駆動するためのアクチュエータ8が取り付けられている。尚、この空間内への弁体7の組付けは、スロットル弁装置6の長手方向の一方側の空間開放部分6aから弁体7を挿入して行われるので、スロットル弁装置6自体の部品点数が少なく、組付け作業性向上が図れる構成となっている。
サージタンク4とサージタンク4からスロットル弁装置6に延設する独立吸気通路5の上流側通路とは一体成形されるとともに、スロットル弁装置6の外形部分とスロットル弁装置6からエンジン本体8aまで延設される独立吸気通路5の下流側通路6bとも一体形成されており、これによって本実施形態の吸気装置1全体の部品点数を少なくでき、組付け作業性が向上できる。
【0015】
図2は、本発明の吸気装置1の内、所定の一気筒の独立吸気通路5断面をエンジンのクランク軸方向から見た図であり、他気筒の独立吸気通路断面も略同様の図となる。
この図によれば、サージタンク4はスロットル弁装置6よりエンジン本体8aの上下方向の下側に位置し、このサージタンク4に接続された独立吸気通路5のスロットル弁上流側部位9は、サージタンク4からエンジン本体8a上下方向の上方向に向かって延設した後、エンジン本体8aに向かってU字状に湾曲する。また、独立吸気通路5のスロットル弁上流側部位9には、低速用吸気通路9aと高速用吸気通路9bとが隔壁9cによって、サージタンクから上記の湾曲部部分まではクランク軸方向に対してエンジンの水平方向に垂直な方向に沿って隣接し、湾曲部分からスロットル弁装置まではエンジン本体8aの上下方向に沿って隣接するよう形成されるとともに、U字状の湾曲外方に高速用吸気通路9bが位置するとともに、湾曲内方に低速用吸気通路9aが位置するよう形成される。このようにU字状の湾曲外方に高速用吸気通路9bを配置したことにより、サージタンク4と独立吸気通路5とのレイアウトをコンパクト化して、運転状態に応じて高回転もしくは高負荷運転時の大量の吸気流量が流通することになる高速用吸気通路9bにおける吸気抵抗を低減できる。
【0016】
このスロットル弁上流側部位9のエンジン本体8a側端部のにはスロットル弁装置6が組付け固定されており、この固定によりスロットル弁上流側部位9の高速用吸気通路9bにスロットル弁装置6内に形成されたスロットル内高速用吸気通路10aが対応して連通することとなり、同様に、スロットル弁上流側部位の低速用吸気通路9cにスロットル弁装置6内に形成されたスロットル内低速用吸気通路10bが対応して連通する。
図2のようにスロットル弁装置6の内部に形成された円筒状空間の長手方向に沿って、摺動する円形外筒状の弁体7が嵌挿されており、その回動軸方向から見た弁体7の外縁は円形である。この弁体7の回動軸方向から見て隣合うように上述のスロットル内高速用吸気通路10a及びスロットル内低速用吸気通路10bと、スロットル弁上流側部位9の高速用吸気通路9b及び低速用吸気通路9cとが配置している。また、弁体7の内部に弁体7の回動軸方向から見て略平行な第1内壁部7aと第2内壁部7bとが互いに対向するように形成されている。これら内壁部7a、7bと、弁体7の回動軸に対して直角な面を有しお互いに対向配置された弁体7内部の側壁7cとにより形成される略矩形形状の空間が弁体内吸気通路7dであり、弁体7の回動によりこの弁体内吸気通路7dを通過する吸入空気の量が調整されることとなる。
弁体7のエンジン本体8a側のスロットル弁装置6内部には、弁体内吸気通路7dと連通可能なスロットル下流通路6bが形成されている。
【0017】
スロットル下流通路6bは、シリンダヘッド8c内に形成された吸気ポート11の開口部分に対応する位置にスロットル下流通路6bと吸気ポート11とが連通するよう固定される。吸気ポート11は、クランク軸の回転に同期して開閉動作する吸気弁12を介してシリンダブロック8bの燃焼室13と連通している。シリンダヘッド8cのエンジン本体8a上下方向の上方には燃料噴射弁14が配置されており、燃料噴射弁14から噴射された燃料を吸気ポート11を介して燃焼室13内に導入するために、シリンダヘッド8cには、燃料噴射導入孔14aが形成されている。
【0018】
また、図2のスロットル弁装置6において第1内壁部7aの上流側端部7eは、スロットル内高速用吸気通路10aとスロットル内低速用吸気通路10bとを区画する隔壁10cの下流側端部と略接触した状態を示している(本発明の請求項に記載の「第1の状態」における一実施形態に相当)。この状態では、高速用吸気通路9bによる吸気供給は僅かながら漏れがあるものの実質的に遮断されるとともに、スロットル内低速用吸気通路10bと弁体内吸気通路7dとが連通した状態となって低速用吸気通路9aのみによる吸気供給が実質的に行われることとなる。これにより、弁体7上流のスロットル内低速用吸気通路10b及びスロットル弁上流側部位9の低速用吸気通路9a(以下、これら双方を示す場合は、低速用分岐通路と称す)と、更に弁体内吸気通路7dと弁体7下流の独立吸気通路5の一部との全体の通路形状(通路長や通路断面積)に基づく吸気慣性効果が得られることになる。
また、この状態では第2内壁部7bの下流端7fとスロットル下流通路6bの上側の内壁面との開口15は狭まった状態(開口面積は所定値以下。尚、開口面積とは、弁体内吸気通路7dのスロットル下流通路6bに対する開口面積を示す)となるので、弁体7から下流に供給される流速の速い吸気は、スロットル下流通路6bと吸気ポート11とを介し、上記開口15から吸気弁12までの距離の短さも起因して吸気流速が速い状態のままま吸気弁12から燃焼室13内に供給されることとなり、エンジン回転速度が低い状態であっても燃焼室13内で比較的大きな乱流を発生させることが可能となる。これにより燃料噴射弁14から噴射された燃料と吸気との混合性を高めて燃焼性を向上できる。
【0019】
また、図2では、上記の開口15部分はスロットル下流通路6b断面から見て周辺部の一部、つまり図2ではエンジン本体8a上下方向の上方向側に位置するとともに、弁体7下流の独立吸気通路5は、弁体7からエンジン本体8aの上下方向に対して斜め下向に向かって略直線的に延設され、吸気弁12直前の吸気ポート11の湾曲部分16で下方に大きく湾曲しているため、第2内壁部7bの下流端とスロットル下流通路6bの上流端の上側壁面との開口15から速い速度で供給された吸気は、主にスロットル下流通路6bの断面から見て周辺部の一部、つまり図2ではスロットル下流通路6bの上面に沿って偏った状態で流れて、吸気弁12直前の湾曲部分16で略下方向に向きを変えられその偏りを維持したまま吸気弁12から燃焼室13に供給されることになる。これにより燃焼室13内に供給された吸気は燃焼室13内で強いタンブル流(縦渦)を生成することになり、本エンジンが燃焼室13内の混合気が均質に存在する状態で着火燃焼する均質燃焼エンジン(例えば混合気理論空燃比近傍で燃焼を行うλ燃焼エンジン)であれば、燃料と吸気との混合性をより高めて更に燃焼性を向上できる。
【0020】
尚、弁体7が図2の状態から更に紙面上時計周りに回動すると、スロットル内低速用吸気通路10bと弁体内吸気通路7dとの開口17、及びスロットル下流通路6bと弁体内吸気通路7dとの開口15とが更に狭まり吸入空気量が減少するとともに、より乱流が強化されることとなる。
【0021】
弁体7が更に同方向に回動し続けて、弁体内吸気通路7dの流通方向と、スロットル下流通路6bの流通方向とが直角に近づくと、弁体内吸気通路7dとスロットル下流通路6bとの連通は遮断される。この時、弁体内吸気通路7dとスロットル内高速用吸気通路10aとの連通、及び弁体内吸気通路7dとスロットル内低速用吸気通路10bとの連通も遮断された状態となる。
【0022】
逆に、弁体7が図2の状態から更に紙面上反時計周りに回動すると、スロットル内低速用吸気通路10bと弁体内吸気通路7dとの開口17の開口面積は変化しないがスロットル内高速用吸気通路10aと弁体内吸気通路7dとが連通するようになり、同時にスロットル下流通路6bと弁体内吸気通路7dとの開口15の開口面積が広くなる(本発明の請求項に記載の「第2の状態」における一実施形態に相当)。これにより、スロットル内高速用吸気通路10a及びスロットル弁上流側部位9の高速用吸気通路9b(以下、これら双方を示す場合、高速用分岐通路と称す)と、スロットル弁上流側部位9の低速用吸気通路9aと、弁体内吸気通路7dと、弁体7下流の独立吸気通路5との全体の通路形状(通路長や通路断面積)に基づく吸気慣性効果が強まるとともに吸入空気量が増量する。
この状態では、図2において、第2内壁部7bの下流端7fと、スロットル下流通路6bの上流壁面上流端との距離が広がって、上記開口15の開口面積が所定値以上となり、弁体7より下流側の独立吸気通路5内における吸気主体の偏在(つまり、吸気流速が高い状態)が、高速用吸気通路9bを遮断した状態のときよりも小さくなる。尚、この状態においては、エンジン回転速度が高いために、単位時間当りのピストンストローク量が大きく、乱流強度は必然的に高められるため、弁体7による乱流強化は必要ない。
【0023】
図3は、スロットル弁装置6のみを図2と同じ方向から見た図で、図2のスロットル弁装置6と比較して、弁体7の全開状態を示すものである。
弁体7が全開状態にある状態では、スロットル内高速用吸気通路10aと弁体内吸気通路7dとの連通、及びスロットル内低速用吸気通路10bと弁体内吸気通路7dとの連通は、それぞれ全開状態となり、また弁体内吸気通路7dとスロットル下流通路6bとの開口15も全開状態となる。
【0024】
また、図3によれば、弁体7が全開状態にある時は、弁体7の第1内壁部7aの上流側端部7eとこの上流側端部7eに対応するスロットル内高速用吸気通路10aの下流端の上側壁面とは面一となり、また弁体7の第1内壁部7aの下流側端部7gとこの下流側端部7gに対応するスロットル下流通路6bの上流端の上側壁面とは面一となるよう形成される。同様に、弁体7の第2内壁部7bの上流側端部7hとこの上流側端部7hに対応するスロットル内低速用吸気通路10bの下流の下側壁面とは面一となり、また弁体7の第2内壁部7bの下流側端部7fとこの下流側端部7fに対応するスロットル下流通路6bの上流端の下側壁面とは面一となるよう形成される。これにより、全開時における吸気の乱れの発生を抑制して吸気抵抗を少なくできる。
【0025】
図4は、本実施形態の吸気装置1をエンジン上下方向の上側から見た概略図であり、弁体7がスロットル弁上流側部位9の吸気通路(高速用吸気通路9b及び低速用吸気通路9a)とスロットル弁下流側部位6bの吸気通路とを全開状態に連通している状態を示している。この図によれば、弁体7の側壁部7cとこれに対応するスロットル弁上流側部位9の吸気通路の側壁18、及び弁体7の側壁部とこれに対応するスロットル弁下流部位の吸気通路の側壁19は、いずれも面一であり全開時における吸気の乱れの発生を抑制して吸気抵抗を少なくしている。また、この図のように独立吸気通路5は、クランク軸方向に見て前後方向には基本的には分岐されておらず、2つの吸気弁12の近傍付近で分岐するコモンポートとなっている。
【0026】
本実施形態におけるスロットル弁装置6は、弁体7の開度と吸気通過量との関係は、独立吸気通路のスロットル弁上流側部位からスロットル弁装置6へ供給される吸入空気量が一定の場合、図5に示すような特性となっている。弁体7の開度が上述の図2の位置にある時が、図5において弁体7の開度がAの時に相当しており、弁体7の開度が開度Aから増大して低速用吸気通路9aと弁体内吸気通路7dとが連通した状態から高速用吸気通路9bと弁体内吸気通路7dとの連通も行われる状態に移行した時の吸気通過量は線形に変化する。また、弁体7の全閉から全開の間に亘っても、吸気通過量は線形に変化するよう構成される。
【0027】
図6は、スロットル弁装置6の弁体7を制御するための制御ブロック図を示している。制御ユニット20は、アクセル(図示せず)のアクセル開度を検出する開度センサ21とエンジン回転数を検出する回転数センサ22とから夫々の出力信号を入力し、アクセル開度から負荷を算出するとともに、予め記憶されたエンジン回転数と負荷とに応じて設定された開度マップに基づいて弁体7の回動角、つまり開度を算出する。アクチュエータ8は、制御ユニット20からの出力信号を受けて算出した開度となるよう弁体7を調整する。
【0028】
次に、本実施形態の動作について説明する。
エンジンが停止状態の時は、アクチュエータ8はスロットル弁装置6の弁体7の開度を制御して、弁体内吸気通路7dと弁体7下流の独立吸気通路5との連通を遮断する。この時、弁体内吸気通路7dと弁体7上流側のスロットル内高速用吸気通路10aとの連通、及び弁体内吸気通路7dと弁体7上流側のスロットル内低速用吸気通路10bとの連通も遮断された状態となり、これにより燃焼室13内への吸気供給は行われない状態となる。
【0029】
エンジン回転数が所定回転以下で且つエンジン負荷が所定負荷以下となる運転状態(低回転・低負荷状態)では、弁体内吸気通路7dと弁体7上流のスロットル内高速用吸気通路10aとの連通は遮断される一方、弁体内吸気通路7dと弁体7上流のスロットル内低速用吸気通路10bとは連通し、同時に弁体内吸気通路7dと弁体7下流の独立吸気通路5とも連通する。これにより吸気はサージタンク4から低速用吸気通路9aとスロットル内低速用吸気通路10bと弁体内吸気通路7dと弁体7下流の独立吸気通路5とを介して燃焼室13内に供給されることとなり、低速用吸気通路9a、スロットル内低速用吸気通路10bを含めた独立吸気通路全体の通路長又は通路断面積に基づく吸気慣性効果が得られるので、低回転域での燃焼室13内に供給される吸気の充填量を増量できる。また、この時は弁体7下流の独立吸気通路内の吸気速度が高められるので、燃焼室13内で吸気の乱流、特にタンブル流が強化され燃焼性が向上する。
尚、この低回転・低負荷状態での吸入空気量の調整は、弁体7を制御してスロットル内低速用吸気通路10bと弁体内吸気通路7dとの連通開口17の開口面積と弁体内吸気通路7dと弁体7下流の独立吸気通路5との連通開口15の開口面積とを同時に調整することで行われることとなり、アクセル開度に基づく乗員の出力要求に応じて弁体7開度を線形的に調整してこれらの連通開口面積を調整し、吸入空気量を制御する。
【0030】
エンジン回転数が所定回転以上の高回転状態、あるいはエンジン負荷が所定負荷以上の高負荷状態(高回転及び高負荷状態も含む)では、低速用吸気通路9aとスロットル内低速用吸気通路10bと弁体内吸気通路7dとは全開状態で連通するとともに、高速用吸気通路9bとスロットル内高速用吸気通路10aと弁体内吸気通路7dとも連通し、同時に弁体内吸気通路7dとスロットル下流通路6bとも連通する。この時、弁体内吸気通路7dとスロットル下流通路6bとの連通開口面積は、低回転及び低負荷状態における連通開口面積よりも大きい面積で連通することとなる。これにより吸気はサージタンク4から低速用吸気通路9a及び高速用吸気通路9bと、スロットル内低速用吸気通路10bとスロットル内高速用吸気通路10a、弁体内吸気通路7d、その下流スロットル弁装置6下流の独立吸気通路とを介して燃焼室13内に供給されることとなる。この時、低速用吸気通路9a及び高速用吸気通路9bと、スロットル内低速用吸気通路10b及びスロットル内高速用吸気通路10aとを含めた独立吸気通路全体の通路容積は、低回転・低負荷状態における高速用吸気通路9b及びスロットル内高速用吸気通路10aを除いた通路容積よりも大きいので、高回転域に適応した吸気慣性効果が得られ、高回転域での燃焼室13内に供給される吸気の充填量を増量できる。
尚、この高回転あるいは高負荷状態での吸入空気量の調整は、弁体7を制御してスロットル内高速用吸気通路10aと弁体内吸気通路7dとの連通開口面積と弁体内吸気通路7dと弁体7下流の独立吸気通路5との連通開口15の開口面積とを同時に調整することで行われることとなり、アクセル開度に基づく乗員の出力要求に応じて弁体7開度を線形的に調整してこれらの連通開口面積を調整し、吸入空気量を制御する。
【0031】
また、高回転あるいは高負荷状態でも、弁体7下流の独立吸気通路形状により燃焼室13内にタンブル流が生成されるが、この状態でのタンブル比は、低回転・低負荷時のタンブル比より小さくなるよう設定されている。
これは、低回転・低負荷状態は弁体内吸気通路7dと弁体7下流の独立吸気通路との開口15が弁体7下流の独立吸気通路5断面の周辺部の上面側に位置するとともにその開口面積が小さため、流速の速い吸気が弁体7下流の独立吸気通路5断面の周辺部の上面に偏って燃焼室13内に供給されることによる。一方高回転あるいは高負荷状態では弁体7下流の独立吸気通路5断面の中心部側の吸気の流速が速いので、燃焼室13内に生成されるタンブル比は、低回転・低負荷状態よりも小さい。つまり、低回転・低負荷状態におけるタンブル比は、高回転あるいは高負荷状態のタンブル比より大きくなっている。
【0032】
次に、本実施形態の効果を以下に述べる。
本実施形態においては、独立吸気通路5の途中にロータリー型のスロットル弁装置6を設けるとともに、独立吸気通路5のスロットル弁装置6上流側は高速用分岐通路と低速用分岐通路とに分かれており、低回転時は低速用分岐通路による吸気供給を行い、高回転時は更に高速用分岐通路も連通させて吸気供給を行うことで、スロットル弁装置6をスロットル弁と吸気慣性効果用の切換え弁との2つの機能を備えさせて共通化できるので、1つのロータリー型の弁を利用して、簡単な構成で吸気慣性効果を利用したスロットル弁機能付の吸気装置を提供することが可能となる。また簡単な構成であるのでレイアウト性が良く、スロットル弁装置をエンジン本体に近接配置できるためスロットル弁装置と燃焼室との離間距離を短くでき、吸気供給の応答性も向上できる。
また、このロータリー型のスロットル弁により低速用分岐通路による吸気供給が行われている時にはスロットル弁装置6の弁体内吸気通路7dとスロットル下流吸気通路6bとの開口15が狭まっているので、スロットル弁下流の独立吸気通路5において、吸気流速を高めつつ、吸気主流を吸気通路軸心より一方側に偏在させることで、燃焼室13内に発生する乱流を強化することも可能となる。
また、本実施形態では、このような乱流の強化が行われる状態は、エンジンの運転状態が、吸気量が比較的少ない低回転・低負荷状態であり、このような状態は吸気と燃料との混合性は低いものの、この時、乱流強化により吸気と燃料との混合性を高めて燃焼性を向上できる。特に本実施形態では、タンブル流を生成する吸気系において低吸気量状態ではタンブル流を強化しているので、混合性向上によって、低吸気量状態での燃焼性を向上させつつ、高吸気量状態での吸気抵抗を低減できる。すなわち、高吸気量状態では、スワール生成を主体的に行う吸気装置に比べ、本実施形態のようにタンブル生成を主体的に行う吸気系では、吸気抵抗が低減できる。
【0033】
(他の実施形態)
また、本実施形態の他の実施形態について以下に述べる。
本実施例においては、スロットル弁上流側部位9の通路管内部に隔壁9cを設け、高速用吸気通路9bと低速用吸気通路9aとを形成したが、高速用吸気通路9bと低速用吸気通路9aは外形的に独立した別々の管路を設けて、スロットル弁装置6に吸気を供給してもよい。
また、本実施例のスロットル弁装置6の弁体7において、その内壁部より外周側は肉厚部としたが、弁体7の外周表面から内壁部方向に向けて部分的に切欠くことで、弁体7自体の軽量化が図れるとともに、スロットル弁装置6の弁体7を回動方向に摺動可能に保持する外形部分との摺動抵抗を低減できより、応答性よく弁体7の制御が可能となる。
【0034】
また、本実施形態においては、低速用分岐通路のみによる吸気供給中はスロットル弁装置6の弁体内吸気通路7dとスロットル下流通路6bとの開口15をエンジン本体8a上下方向の上方向になるように位置させ、弁体7下流の独立吸気通路5は、弁体7からエンジン本体8aの上下方向に対して斜め下向に向かって略直線的に延設し、吸気弁12直前の吸気ポート11で下方に湾曲するよう構成して燃焼室13内のタンブル流を強化させたが、スロットル弁装置6を図2のスロットル弁装置6が存在する位置より紙面上の更に上方に位置させて、且つ上記の開口15は下方向になるよう位置させるとともに、この時の弁体7下流のスロットル下流吸気通路6bと吸気ポート11との斜め下向きの傾斜を、図2の傾斜よりも大きくしてもよい。このような構成により上記の開口15から供給される流速の速い吸気は主体的にスロットル下流吸気通路6bの下面側に沿って流れ、燃焼室13内にタンブル流が強化される方向で導入されることとなり、本実施形態と同様にタンブル流の強化させることが可能となる。
【0035】
また、本実施形態では、エンジンの運転状態が低回転且つ低負荷時に低速用分岐通路による吸気供給を行わせ、それ以外の領域では低速用分岐通路と高速用分岐通路とによる吸気供給を行わせるよう構成したが、エンジンの運転状態が所定回転数以下の低回転時は高負荷であっても低速用吸気通路による吸気供給を行わせるよう弁体7制御して吸気慣性効果により吸気充填量を高めてもよい。
【0036】
また、本実施形態では、一体形成されたサージタンク4と各独立吸気通路5のスロットル弁上流側部位9と、独立吸気通路5の一部を成すスロットル下流通路6bを形成したスロットル弁装置6とを分割しているため、個々の部品の生産性向上、及び部品の一体化による組付性向上が図れたり、更にスロットル弁装置6の部分だけを他の機種のエンジンに転用するなどの共通化が図れるが、これらのサージタンク4とスロットル弁上流部位とスロットル弁装置6とを一体成形してもよく、これによっても部品点数低減、及び組付性向上が図れる。またこのような一体成形部品をエンジン本体8aに組付けるよりも前に、一体成形部品のスロットル弁装置6に弁体7をスロットル弁装置6に挿入しておいても、組付後に弁体7をスロットル弁装置6に挿入してもどちらでも組付け性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジンの吸気装置を示す全体構成図。
【図2】エンジンの吸気装置4をエンジンクランク軸方向から見た正面図。
【図3】図2のスロットル弁装置6の弁体7が全開状態にある時を示した図。
【図4】図1を上から見たときの概略図
【図5】弁体7開度と吸気通過量との特性図
【図6】制御ブロック図
【符号の説明】
4:サージタンク
6:スロットル弁装置
7:弁体
9:スロットル弁上流側部位
9a:低速用吸気通路
9b:高速用吸気通路
Claims (6)
- 多気筒エンジンの全気筒の燃焼室に吸気を供給する共通吸気通路と、
該共通吸気通路から分岐して各気筒の燃焼室に吸気を供給する複数の独立吸気通路と、
各独立吸気通路に設けられ、回動軸方向から見て円形となる弁体の内部に、吸気通路の一部となる空間部を形成し、該燃焼室内へ供給される吸入空気量を線形的に変化可能なロータリー型のスロットル弁とを備えた多気筒エンジンの吸気通路において、
各独立吸気通路は、上記スロットル弁への吸気の供給が複数の通路により行われるように複数の分岐吸気通路から構成されるとともに、
上記スロットル弁は、該スロットル弁の回動によって、一部の分岐吸気通路による上記燃焼室内への吸気の供給を実質的に閉塞し、残りの分岐吸気通路による該燃焼室内への吸気の供給を行う第1の状態と、全ての分岐吸気通路による該燃焼室内への吸気を行う第2の状態とが設定可能となるよう形成されるとともに、第1の状態における上記独立吸気通路の該スロットル弁より下流側部位と該スロットル弁との連通部分の開口面積が、第2の状態における該開口面積よりも小さくなるよう構成されることを特徴とする多気筒エンジンの吸気装置。 - 上記独立吸気通路のスロットル弁下流側部位は、該スロットル弁が第1の状態にある時に該スロットル弁から上記燃焼室内へ供給される吸気により該燃焼室内で生成される乱流のタンブル比が、該スロットル弁が第2の状態にある時の該タンブル比より大きくなるように構成されることを特徴とする請求項1記載の多気筒エンジンの吸気装置。
- 上記スロットル弁開度を制御する制御手段を備え、該制御手段は、エンジンの運転状態に基づいて低回転時は第1の状態となるとともに、高回転時は第2の状態となるよう制御するとともに、第1の状態及び第2の状態のそれぞれの状態において吸入空気量を線形的に変化可能となるよう制御することを特徴とする請求項1記載の多気筒エンジンの吸気装置。
- 上記独立吸気通路の該スロットル弁より下流側部位は、該スロットル弁から上記燃焼室に対して斜め下方に向かって延設されるとともに、
上記スロットル弁は、該下流側部位との連通部分における上記開口が、該下流側部位の上方位置に形成されるよう構成されることを特徴とする請求項1記載の多気筒エンジンの吸気装置。 - 上記共通吸気通路と上記独立吸気通路との接続部分に、容積室を構成したことを特徴とする請求項1記載の多気筒エンジンの吸気通路。
- 複数の分岐吸気通路は、エンジンの回転数が高回転時に上記燃焼室内に吸気を供給する高速用分岐吸気通路と、エンジンの回転数が少なくとも低回転時に上記燃焼室内に吸気を供給する低速用分岐吸気通路とを備えるとともに、夫々の分岐吸気通路はエンジンのクランク軸方向から見て湾曲形成されるとともに、該高速用分岐吸気通路を該低速用分岐吸気通路に対して湾曲外方となるように形成されることを特徴とする請求項1記載の多気筒エンジンの吸気通路。
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CN102200077A (zh) * | 2010-03-24 | 2011-09-28 | 福特环球技术公司 | 多功能节流阀 |
CN107246339A (zh) * | 2017-08-14 | 2017-10-13 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 发动机进气系统 |
JP2019157854A (ja) * | 2018-03-14 | 2019-09-19 | タオ・リィTao LI | 温度制御スロットル装置 |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002286650A patent/JP2004124738A/ja not_active Abandoned
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