JP2004124104A - アルミニウム顔料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 種々の用途において通常の方法により形成した塗膜、印刷又はフィルム等に対して、従来にない高い光の反射率と極めて高いフロップ性、すなわち、光学的異方性を与え得る高輝度高フロップ性アルミニウム顔料の製造方法を提供する。
【解決手段】 平均粒径が2〜20μmのアトマイズドアルミニウム粉をアルミニウムの重量に対して1.8〜30の重量比の摩砕溶媒中で、比重が摩砕溶媒の比重より大きく5以下、直径が4mm以下の摩砕ボールを、アルミニウムに対して重量比で2〜100の量で用いて、媒体攪拌ミル又はボールミルによりアルミニウムを摩砕することを含む、平均粒径d50が5〜35μmであり、平均厚みt(μm)に対する平均粒径d50(μm)の比が30〜90であり、かつ、平均表面粗さRaが20nm以下であり、かつ、表面粗さ曲線の凹凸の平均高さRcが80nm以下であるアルミニウム顔料の製造方法。
【選択図】 なし

Description

 本発明は、自動車ボディや部品の高級メタリック塗料、自動車補修用メタリック塗料、家電用メタリック塗料、工業用メタリック塗料等の高級メタリック塗料分野、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の高級メタリック印刷インキ分野、及び、高級メタリック樹脂練り込み分野等に使用されるアルミニウム顔料の製造方法に関する。
 更に詳しくは、本発明は、上記用途において通常の方法により形成した塗膜、印刷又はフィルム等に対し、従来にない高い光の反射率と極めて高いフロップ性、すなわち、光学的異方性を与え得る高輝度高フロップ性アルミニウム顔料の製造方法に関する。
アルミニウム顔料は、他の顔料にない独特なメタリック感と、下地に対する優れた隠蔽力を併せ持つ顔料として、前述した分野に多用されている。
 近年、自動車ボディ塗装におけるファッション性が重要視されるようになり、自動車の本来的機能と同等以上の価値観で評価されるようになってきた。特にここ数年における自動車ボディ塗装のファッション性の傾向を見ると、従来から根強かった白色やギラギラとした単調なシルバーメタリック調は減少し、光輝度が強く、見る角度によって塗装外観が変化する光学的異方性の強い塗膜の要求が高まってきている。
そのような高い光の反射率を得ることを目的としたアルミニウム顔料又はその製造方法としては以下のようなものがある。
 特許文献1には、高い隠蔽力と高い光の反射率を兼備したアルミニウム顔料が記載されている。また、特許文献2には湿式ボールミル法にてアルミニウム粉の表面を磨き、高い反射率を備えたアルミニウム顔料を得る方法が記載されている。また、特許文献3にはスパークリング効果のすぐれたメタリック塗膜の形成方法などが記載されている。
 さらに、特許文献4には、塗膜に強い光輝感及び優れた外観の塗膜を与えるアルミニウム顔料が記載されている。さらにまた、特許文献5には、ほぼ球形の研磨された金属粉末顔料粒子が開示されている。
しかしながら、何れの技術においても、アルミニウム顔料として、現状の望まれる高い光輝度と高いフロップ性を満足させるものではない。
特許第2575516号 特開昭49−14358号公報 特公昭54−36607号公報 特開平8−170034号公報 特表平7−509266号公報
 本発明は、高度な光学的特性、特に、高い光輝度及び高いフロップ性を有するアルミニウム顔料を極めて簡便に、かつ再現性よく製造することが可能な製造方法を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明者らは、アルミニウム顔料の基本的物性及び光学的特性、並びに、製造条件の関係について鋭意かつ基礎的に検討を重ねた結果、アルミニウム顔料の平均粒径、アルミニウム顔料の平均厚みに対する平均粒径、及び平均表面粗さを特定の範囲に制御することにより、高い光輝度及び高いフロップ性という光学的特性を発現し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
 本発明は、平均粒径が2〜20μmのアトマイズドアルミニウム粉をアルミニウムの重量に対して1.8〜30の重量比の摩砕溶媒中で、比重が摩砕溶媒の比重より大きく5以下、直径が4mm以下の摩砕ボールを、アルミニウムに対して重量比で2〜100の量で用いて、媒体攪拌ミル又はボールミルによりアルミニウムを摩砕することを含む、平均粒径d50が5〜35μmであり、平均厚みt(μm)に対する平均粒径d50(μm)の比が30〜90であり、かつ、平均表面粗さRaが20nm以下であり、かつ、表面粗さ曲線の凹凸の平均高さRcが80nm以下であるアルミニウム顔料の製造方法を提供する。
 さらに、前記摩砕ボールの表面粗さが、玉軸受用鋼球のJIS−B−1501の表面粗さRa(最大)で0.08μm以下である上記製造方法、摩砕ボールのアルミニウムに対する重量比が10〜100である上記製造方法、および平均表面粗さRaが15nm以下である上記製造方法を提供する。
本発明の製造方法によって得られるアルミニウム顔料は、通常の方法により形成した塗膜、印刷又はフィルム等に対し、従来にない高い光の反射率と極めて高いフロップ性、すなわち、光学的異方性を与え得る高輝度高フロップ性アルミニウム顔料である。
本発明において、アルミニウム顔料の平均粒径d50(μm)、平均厚みt(μm)、水面拡散面積WCA(m2 /g)、平均表面粗さRa(nm)、及び平均高さRc(nm)は、次のように定義される。
 平均粒径d50(μm)は、レーザーミクロンサイザーLMS−24(セイシン企業(株)製)を用いて測定することができ、5〜35μmである。平均粒径d50は、この範囲内で意図する意匠性に合わせて極細目、細目、中目、粗目又は極粗目として選択すればよい。平均粒径が5μm以上のものは、塗膜中で一定方向に配向し易く、また、光の散乱が少なく、望ましい光輝度が発現し易い。また、平均粒径が35μm以下のものは、粒子の大きさが塗膜の膜厚を超えることがないため、粒子の一部が塗膜表面に突出することが少なく、その結果きめ細かいメタリック塗膜を得ることができ実用的である。
 平均厚みt(μm)は、測定により得られた金属成分1g当たりの水面拡散面積WCA(m2 /g)を用いて下式により算出した値である。
     t=0.4/WCA
 上記した平均厚みの算出方法は、例えば、Aluminium Paint and Powder, J. D. Edwards & R.I.Wray著、第3版、Reinhold Publishing Corp.New York(1955) の第16〜22頁に記載されている。
 水面拡散面積は、一定の予備処理を行ったのち、JIS−K−5906−1991に従って求める。なお、JISに記載されている水面拡散面積の測定方法はリーフィングタイプの場合のものであるのに対し、本発明のアルミニウム顔料はノンリーフィングタイプである。しかし、本発明における水面拡散面積の測定方法は、試料を5%ステアリン酸のミネラルスピリット溶液で予備処理を行う以外は、全てJIS−K−5906−1991に記載のリーフィングタイプの場合と同様である。試料の予備処理については、塗料原料時報、第156号、第2〜16頁(1980.9.1旭化成工業(株)発行)に記載されている。
 本発明でいう平均厚みtに対する平均粒径d50の比は、d50/tで与えられ、いわゆる、アルミニウム顔料の扁平度である(以下、扁平度と呼ぶことがある。)。アルミニウム粉を媒体攪拌ミル又はボールミルで摩砕すると、扁平度は徐々に大きくなり、ある程度まで展延されると粒子は折れ曲がり易くなる。概して、扁平度が200を超えると粒子にクラックが入りやすくなり折れ曲がり易くなる。本発明のアルミニウム顔料において、扁平度は30〜90である。扁平度が90以下では、アルミニウム顔料表面が平滑であり、該表面での光の散乱が減少し正反射率が増大することにより光輝度が向上し、また、フロップ性も高くなる。また、扁平度が30以上で、アルミニウム顔料の重要な機能の一つである隠蔽力が維持され、実用に供し得る。
本発明で言う平均表面粗さRaは、次の方法により算出する。
 アルミニウム顔料の表面形態観察法として、原子間力顕微鏡(以下AFMと略記する)TMX-2010(Topometrix製)を使用する。前処理として、試料のアルミニウム顔料を過剰のメタノール及びクロロホルムで超音波洗浄後、真空乾燥し、再度アセトンに分散後、Siウェハー上に滴下し、自然乾燥を行う。AFMによる表面粗さの定量は、アルミニウム顔料が他のアルミニウム顔料と重なりがないものについて、5μm四方の視野につき表面粗さ曲線(表面凹凸のラインプロファイル)を300スキャンにより測定し、粗さ曲線の算術平均粗さ(基準長さ5μm内での標高の絶対値の算術平均)を求める。基準長さは、平均粒径d50によるが、5μmを基準とする。本願では、算術平均粗さを3視野以上測定し、更に算術平均した値を「平均表面粗さRa(nm)」として定義する。表面粗さの用語については、JIS−B−0660:1998に基づく。
 本発明のアルミニウム顔料の平均表面粗さRaは20nm以下、好ましくは15nm以下である。20nm以下の時、表面での光の正反射率が大きいため、極めて優れた光輝度を示すと共にフロップ性も良好であった。
 アルミニウム顔料の表面粗さ曲線の凹凸の平均高さRcは、前記で測定した表面粗さ曲線において、表面粗さ曲線の山頂の高さの絶対値の平均値と表面粗さ曲線の谷底の深さの絶対値の平均値の和で表される。具体的には、表面粗さ曲線の算術平均高さを3視野以上測定し、さらにそれらを算術平均した値をいう。
 本発明のアルミニウム顔料の平均高さRcは、80nm以下であることが好ましい。平均高さRcが80nm以下であると、極めて優れた高輝度を示すと共にフロップ性も良好であった。
 本発明のアルミニウム顔料の表面は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察でも、表面の凹凸が少なく、また、表面に極微粉等の付着も少なく、また、粒子の中央から端部に至るまで均一な厚みを有するアルミニウム顔料粒子をかなり多く含む。
本発明のアルミニウム顔料を得るための好ましい製造方法は、特に、媒体攪拌ミル、又は、ボールミルによって原料となるアトマイズドアルミニウム粉を摩砕して製造される。
 ボールミルなどで使用する摩砕ボールの比重は、5以下である。比重が5以下で表面粗さの小さいアルミニウム顔料が得られる。より好ましくは、比重が4以下である。なお、摩砕ボールの比重は、摩砕溶剤の比重より大きいことが望ましい。摩砕溶剤の比重より小さいと、摩砕ボールが溶剤に浮いてしまい摩砕ボール同士のずり応力が得られず摩砕が進まない。
 このような摩砕ボールの材質としては、上記の比重範囲を満たすものであればよく、特に限定されない。例えば、ガラス球、アルミナ球等が使用できる。経済性及び品質の面からは、ガラス球を使用することが望ましい。摩砕ボールの表面粗さは、玉軸受用鋼球のJIS−B−1501の表面粗さRa(最大)で0.08μm(等級G40)以下のものが好ましい。更に好ましくは、0.04μm(等級G20)以下のものである。
 摩砕ボールの直径は、1〜4mmであることが好ましい。4mm以下では、摩砕時間が著しく長くなるのを抑制すると共に、摩砕時のミル内の均一性が高くなり好ましい。また、1mm以上であると、摩砕ボールが個々の運動をせず集団ないしは塊状で運動するために摩砕ボール同士のずり応力が低下し、摩砕が進行しなくなる現象、いわゆるグループモーションの発生を抑制することができる。
 原料となるアトマイズドアルミニウム粉としては、アルミニウム以外の不純物の少ない物が好ましい。アトマイズドアルミウム粉の純度は好ましくは99.5%以上、より好ましくは、99.7%以上で、更に好ましくは、99.8%以上である。
 アトマイズドアルミニウム粉の平均粒径は、2〜20μmが好ましく、3〜12μmがより好ましい。2μm以上でアルミニウム顔料の表面状態及び粒子形状が良好に保たれる。また、20μm以下であると、摩砕によるアルミニウム顔料表面の展延時間も短くてすみ、一方で摩砕ボールによるずり応力の履歴も少なく、展延時間とともに増大する表面の起伏も顕著にならないので好ましい。
 アトマイズドアルミニウム粉の形状としては、球状粉、涙滴状粉のようなものが好ましい。針状粉や不定形粉は、摩砕時のアルミニウム顔料の形状が崩れやすいため好ましくない。
 摩砕溶剤の種類は、特に限定されないが、従来から使用されているミネラルスピリット、ソルベントナフサ等の炭化水素系溶剤や、アルコール系、エーテル系、ケトン系、エステル系等の低粘度の溶剤が使用できる。
 アルミニウム粉の摩砕条件としては、アルミニウム粉のアルミニウムの重量に対する摩砕ボールの重量の比が2〜100であることが好ましく、10〜100がより好ましく、14〜65であることがより好ましい。アルミニウム粉のアルミニウム重量に対する摩砕ボールの重量の比が2以上であると、表面粗さの小さいアルミニウム顔料が得られ、光輝度及びフロップ性が高いものが得られ好ましい。また、上記の比が100以下であると、摩砕時間及び生産性をともに実用的な範囲にとどめることができる。
また、アルミニウム粉のアルミニウムの重量に対する摩砕溶剤の重量の比が、1.8〜30であることが好ましく、2.6〜18であることがより好ましい。アルミニウムの重量に対する摩砕溶剤の重量の比が、上記の範囲を超える条件で摩砕した場合には、アルミニウム顔料の隠蔽力は増大するが、反射率が大幅に低下するため好ましくない。これは、ミル内が不均一な状態になるためと推定される。
また、磨砕助剤を使用することもできる。摩砕助剤としては、ノンリーフィング顔料としての特性を示すものであれば、特に限定されるものではないが、通常使用されるオレイン酸、ステアリルアミン等が挙げられ、アルミニウム粉の重量に対し1〜50重量%の量で使用することが好ましい。
本発明のアルミニウム顔料には、マイカや着色顔料等を併用することも可能である。
以下、本発明の代表的な実施例を示す。なお、実施例及び比較例中で用いた各種物性の測定方法は以下の通りである。
(1) 平均粒径:d50
 レーザーミクロンサイザーLMS−24により測定した。測定溶剤としては、ミネラルスピリットを使用した。試料となるアルミニウム顔料は、前処理として2分間の超音波分散を行った。
(2) 平均厚み:t
 まず、アルミニウム顔料1gに、5%ステアリン酸のミネラルスピリット溶液を1〜2ml加えて予備分散した後、石油ベンジン50mlを加えて混合し、40〜45℃で2時間加温後、フィルターで吸引濾過し、パウダー化したもので、水面拡散面積を測定した。この測定値から、下記の式に従って平均厚み:tを算出した。
      t(μm)=0.4/WCA(m2 /g)
(3) 平均表面粗さ:Ra
原子間力顕微鏡(AFM)を用いてアルミニウム顔料の1視野5μm四方のラインプロファイル(300スキャン)を求める。これより算術平均表面粗さを求める。同様の操作を合計3視野以上について行い、それらの算術平均値を求めてRaとした。
(4) 表面粗さ曲線の凹凸の平均高さ:Rc
 前記(3) で求めたものと同じラインプロファイルにより、表面粗さ曲線の凹凸の平均高さを求める。同様の操作を合計3視野以上について行い、それらの算術平均を求めてRcとした。
(5) 光輝度とフロップ性の評価
(1)塗料・塗膜の作製
 アルミニウム顔料5gにアクリックNo. 2000GLシンナー(関西ペイント(株)製)8gを加え、予備分散し、さらに、アクリックNo. 2026GLクリアー(関西ペイント(株)製)97gを加え、ペイントシェイカーで10分震蕩した。得られたシルバーメタリック塗料を、アート紙上に、9milのアプリケーターを用いて塗膜を作製後、室温で乾燥した。
(2)測色
 塗料の研究、No. 117、第67〜72頁(1989年、関西ペイント(株)発行)に記載の方法に従って、レーザー式メタリック感測定装置アルコープLMR−200(関西ペイント(株)製)を用いて評価した。入射角45度にレーザー光源が配置され、受光角0度と−35度に受光器が配置されている光学的条件下で測定した。
 レーザーの反射光のうち、塗膜表面で反射する鏡面反射領域の光を除いて、最大光強度が得られる受光角−35度でIV値を求めた。IV値はアルミニウム顔料からの正反射光強度に比例するパラメーターであり、光輝度の大小を表す。
 また、観察角度(受光角)が変化した時の反射光強度の変化度合いを平均反射強度で無次元化してFF値を求めた。FF値は、アルミニウム顔料の配向度合いに比例するパラメーターであり、顔料のフロップ性の大小を表す。
  [実施例1]
内径30cm、長さ35cmのボールミル内に、アトマイズドアルミニウム粉(平均粒径6μm)250g、ミネラルスピリット1.2kg、及び、オレイン酸25gからなる配合物を充填し、直径3mmのガラスビーズ(比重2.6)15kgを用い、60rpmで10時間摩砕した。
磨砕終了後、ミル内のスラリーをミネラルスピリットで洗い出し、400メッシュの振動篩にかけ、通過したスラリーをフィルターで濾過、濃縮し、加熱残分80%のケーキを得た。得られたケーキを縦型ミキサー内に移し、所定量のソルベントナフサを加え、15分混合し、加熱残分75%のアルミニウム顔料を得た。
得られたアルミニウム顔料について、輝度とフロップ性の評価を行った。結果を表1に示す。
  [実施例2]
原料アトマイズドアルミニウム粉の平均粒径を10μmとし、摩砕15時間とした以外は実施例1と同様の操作を行い、アルミニウム顔料を得た。この顔料について輝度とフロップ性の評価を行った。結果を表1に示す。
  [実施例3]
原料アトマイズドアルミニウム分の平均粒径を8μmとし、直径2mmのガラスビーズを用い、表1に示す摩砕ボール、摩砕溶剤及びアルミの重量比で摩砕を60rpmで12時間行った以外は実施例1と同様の操作を行い、アルミニウム顔料を得た。この顔料について輝度とフロップ性の評価を行った。結果を表1に示す。
  [比較例1]
  原料アトマイズドアルミニウム粉の平均粒径を30μmとしたものを原料として用い、内容量4.9lのジャケット付きアトライターを使用した。アトライターの容器内に7mm〜13mmのガラスビーズを9kg、ミネラルスピリット0.9kg、及びステアリルアミン20gを投入した。アジテーターを27rpmで回転させ、その1.5分後に前記アルミニウム原料600gを徐々に投入した。投入完了後5分間そのままの速度にて運転し、以後100rpmにてアジテーターを回転し、5時間粉砕した。その後、アトライター内のスラリーをミネラルスピリットで洗い出し、400メッシュの振動篩にかけ、篩を通過したスラリーをフィルターで濾過、濃縮し、加熱残分78%のケーキを得た。得られたケーキを縦型ミキサー内に移し、所定量のソルベントナフサを加え15分間混合し、加熱残分75%のアルミニウム顔料を得た。
得られたアルミニウム顔料について、輝度とフロップ性の評価を行った。結果を表1に示す。
  [比較例2]
内径30cm、長さ35cmのボールミル内に、アトマイズドアルミニウム粉(平均粒径20μm)600g、ミネラルスピリット1.2kg、及び、ステアリン酸6gからなる配合物を充填し、直径4.8mmのスチールボール(比重7.8)を18kgを用い、60rpmで5時間摩砕した。
粉砕終了後、ミル内のスラリーをミネラルスピリットで洗い出し、400メッシュの振動篩にかけ、通過したスラリーをフィルターで濾過、濃縮し、加熱残分87%のケーキを得た。得られたケーキを縦型ミキサー内に移し、所定量のソルベントナフサを加え、15分混合し、加熱残分75%のアルミニウム顔料を得た。
得られたアルミニウム顔料について、輝度とフロップ性の評価を行った。結果を表1に示す。
  [比較例3]
内径30cm、長さ35cmのボールミル内に、球状アトマイズドアルミニウム粉(平均粒径12μm、アスペクト比は約1.5:1〜1:1)250g、オレイン酸250gを充填し、直径3.2mmのスチールボール(比重7.8)1kgを用い、60rpmで5時間粉砕した。
 粉砕終了後、ミル内容物をミネラルスピリットで洗い出し、400メッシュの振動篩にかけ、通過したスラリーをフィルターで濾過、濃縮し、加熱残分95%のアルミニウム顔料を得た。得られた粉末状のアルミニウム顔料について、上記の測定を行った。なお、光輝度とフロップ性の評価における塗料の作製では、上記加熱残分95%のアルミニウム顔料を、加熱残分75%に換算した顔料重量にして、シルバーメタリック塗料の配合を行った。
 また、得られたアルミニウム顔料の形状は、フレーク状ではなく、原料のアトマイズドアルミニウム粉の球状に近いものであり、アスペクト比は約2:1より小さいことが、走査型電子顕微鏡観察により認められた。
 形状がフレーク状でないため、水面拡散面積は測定不可能であった。
Figure 2004124104
本発明の製造方法によって得られるアルミニウム顔料は、自動車用等の油性及び水性メタリック塗料用アルミニウム顔料として有用であり、また、インキ用顔料や、樹脂練り込み用アルミニウム顔料としても有用である。
本発明(実施例1)の製造方法によって得られたアルミニウム顔料の原子間力顕微鏡(AFM)による、粒子の表面形態観察像の写真である。 比較例1のアルミニウム顔料の原子間力顕微鏡(AFM)による、粒子の表面形態観察像の写真である。

Claims (4)

  1. 平均粒径が2〜20μmのアトマイズドアルミニウム粉をアルミニウムの重量に対して1.8〜30の重量比の摩砕溶媒中で、比重が摩砕溶媒の比重より大きく5以下、直径が4mm以下の摩砕ボールを、アルミニウムに対して重量比で2〜100の量で用いて、媒体攪拌ミル又はボールミルによりアルミニウムを摩砕することを含む、平均粒径d50が5〜35μmであり、平均厚みt(μm)に対する平均粒径d50(μm)の比が30〜90であり、かつ、平均表面粗さRaが20nm以下であり、かつ、表面粗さ曲線の凹凸の平均高さRcが80nm以下であるアルミニウム顔料の製造方法。
  2. 前記摩砕ボールの表面粗さが、玉軸受用鋼球のJIS−B−1501の表面粗さRa(最大)で0.08μm以下である請求項1記載のアルミニウム顔料の製造方法。
  3. 摩砕ボールのアルミニウムに対する重量比が10〜100である請求項1記載のアルミニウム顔料の製造方法。
  4. 前記平均表面粗さRaが15nm以下である請求項1記載のアルミニウム顔料の製造方法。
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