JP2004123577A - ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】触媒の存在下(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとをバッチ反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法であって、反応器内に存在するアルキレンオキシドを含む反応ガスをパージする操作を反応途中で行うようにする、ことを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、触媒の存在下(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとをバッチ反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを得る場合、反応器に触媒と(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを適宜供給し、加圧下で反応を進行(熟成)させ、反応液中の残存(メタ)アクリル酸が所望の濃度(通常は0.1重量%程度)になった時点で、冷却を開始して反応器内の温度を下げることで反応を停止させるのが一般的であり(特許文献1、特許文献2参照)、そののち、例えば、反応器内の温度が充分に(例えば室温にまで)下がった後に反応器内を常圧に戻し、反応生成物を取り出すようするか、特許文献1に開示されているように、冷却しながら減圧下で未反応アルキレンオキシドを除去した後、反応器内を常圧に戻し、反応生成物を取り出すようするか、特許文献2に開示されているように、冷却後、反応器内の圧力を利用して反応生成物を反応器から抜き出すようにする方法が取られている。
【0003】
しかしながら、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとの反応においては、不純物として、ジエステル体であるアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート(以下、単に「ジエステル体」と称することもある。)や、アルキレンオキシドの二付加体であるジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(以下、単に「二付加体」と称することもある。)が副生しやすく、しかも、これら副生物のうち特にジエステル体については蒸留等の精製によっても除去し難いことから、その副生をできるだけ抑制することが望まれていた。しかし、前述のような従来の方法においては、ジエステル体や二付加体等の副生物を充分に抑制しがたいといった問題があった。
【0004】
また、前述した(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとの反応においては、反応液中の未反応アルキレンオキシドが多い段階ではその蒸気圧により反応圧が高くなること、密閉容器内で反応を行った場合には両原料を供給するにつれて空間部が圧縮されること、アルキレンオキシドを含む反応ガスの燃焼を回避するために通常、希釈ガス(例えば、窒素等)が予め投入されること、等により、アルキレンオキシドの供給に伴い反応器の内圧が高くなる傾向がある。とりわけ、両原料の供給直後から熟成初期にかけては、一時的に反応器の内圧が非常に高くなる傾向がある。このため、反応器の耐圧性を特別高く(例えば、1.0MPa以上)設計しなければならず、反応設備の面で高いコストを投じる必要があるという問題もあった。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−106653号公報
【0006】
【特許文献2】
特公平6−720号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の解決しようとする課題は、不純物であるアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの副生を効率よく抑制することができ、しかも、反応器に特別高い耐圧性を要することのない、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、反応途中で反応器内に存在するアルキレンオキシドを含む反応ガスをパージすることにより、ジエステル体および二付加体の副生を格段に抑制することができることを見出した。また、反応途中で反応器内に存在するアルキレンオキシドを含む反応ガスをパージすることにより、反応器にかかる最高到達圧を低く抑えることができ、特別高い耐圧性を備えた反応器を使用する必要がなくなるという利点が得られることをも見出した。特に、後者については、従来は、反応器の内圧が一定圧を超えないように反応ガスをパージしながら反応させると、アルキレンオキシドにロスが生じ、しかも希釈ガスをも一緒にパージしてしまうことによりアルキレンオキシドガス濃度が燃焼範囲近辺にまで上昇して危険性が高くなると考えられていたのに反し、アルキレンオキシドのロスは目的物の生成率に影響を及ぼさない程度であり、かつ、アルキレンオキシドガス濃度の上昇による危険性よりも、反応圧の上昇に伴い燃焼範囲が拡大することの危険性の方がはるかに大きく、反応圧を低く抑えることが危険性回避に有効であることを見出した。本発明は、これらの知見により完成されたものである。
【0009】
すなわち、本発明にかかるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法は、触媒の存在下(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとをバッチ反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法であって、反応器内に存在するアルキレンオキシドを含む反応ガスをパージする操作を反応途中で行う、ことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法(以下、本発明の製造方法と称することがある。)について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜実施し得る。
本発明の製造方法は、触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとをバッチ式で反応(バッチ反応)させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを得る方法である。具体的には、例えば、反応器に触媒と(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを適宜供給して反応を進行させ、反応液中の残存(メタ)アクリル酸量が所望の量になった時点で反応を終了させるようにするのが一般的である。なお、該反応は発熱反応であり、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとが触媒の存在下共存することとなった時点から反応が開始し、冷却等により反応液の温度を設定した所定の反応温度よりも下げることにより反応を終了させるものとする。
【0011】
本発明の製造方法に用いることのできるアルキレンオキシドとしては、特に限定はされないが、好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレンオキシドであり、具体的には、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。これらの中でも特に好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドがよい。また、本発明において用いる(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
本発明の製造方法において、(メタ)アクリル酸の全供給量とアルキレンオキシドの全供給量との量関係は、(メタ)アクリル酸1モルに対して、アルキレンオキシドが1.0〜10モルであることが好ましく、より好ましくは1.0〜5.0モル、さらに好ましくは1.0〜3.0モル、さらにより好ましくは1.0〜2.0モルである。(メタ)アクリル酸1モルに対して、アルキレンオキシドが1.0モル未満であると、反応が進行しにくくなるおそれがあり、一方、アルキレンオキシドが10モルを超えると、アルキレンオキシドの回収工程等が必要となり経済的に不利益となるおそれがある。
【0012】
本発明の製造方法において、原料である(メタ)アクリル酸およびアルキレンオキシドの仕込み方法(順序)については、通常は、反応器に(メタ)アクリル酸の一部もしくは全量を初期仕込みしておき、そこにアルキレンオキシドもしくはアルキレンオキシドと(メタ)アクリル酸の残部とを供給するのが一般的であるが、これに限定されるものではく、例えば、アルキレンオキシドの一部もしくは全量を初期仕込みするようにしてもよい。
また、前記(メタ)アクリル酸およびアルキレンオキシドの供給は、一括投入および逐次投入(連続的な投入および/または間欠的な投入)のいずれでもよいが、好ましくは、初期仕込み分については一括投入するのがよく、その後に供給する分については逐次投入するのがよい。なお、連続的な投入とは、少しずつ連続的に投入する形態を意味し、間欠的な投入とは、パルス的または断続的に、任意の回数に分けて投入する形態を意味する。また、連続的に投入をする場合は、投入速度を一定にしたまま投入終了まで進行させてもよいし、途中で少なくとも1回速度を変化させて進行させてもよいし、速度自体を連続的に任意に変化させながら進行させてもよい。但し、途中で速度を変化させる場合には、変更前から変更後へと速度を低下させることが好ましい。
【0013】
また、(メタ)アクリル酸およびアルキレンオキシドを投入する際には、常温で投入してもよいし、その時点での系内の温度を変化させないように所望の温度にまで予め加温してから投入してもよい。
また、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドの両方を同時に投入する場合には、それぞれ別々の投入ラインから添加してもよいし、反応器に投入する前に、配管、ラインミキサー、ミキシングタンク等で予め混合してから添加してもよいが、それぞれ別々の投入ラインから添加した場合には、系内におけるアルキレンオキシドと(メタ)アクリル酸のモル比に偏りが生じるおそれがあるので、好ましくは、反応器へ投入する前に予め混合してから添加するのがよい。なお、それぞれ別々の投入ラインから添加する場合、投入の形態(一括投入、逐次投入)、投入する原料の温度、投入速度などについては、各原料で必ずしも同じである必要はない。
【0014】
なお、本発明の製造方法において、(メタ)アクリル酸およびアルキレンオキシドの全供給量を仕込み終えるまでに要する時間は、特に制限されるものではなく、反応の進行具合や生産性等を考慮して、適宜設定すればよい。
本発明の製造方法において用いることのできる触媒としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、クロム(Cr)化合物、鉄(Fe)化合物、イットリウム(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム(Ce)化合物、タングステン(W)化合物、ジルコニウム(Zr)化合物、チタン(Ti)化合物、バナジウム(V)化合物、リン(P)化合物、アルミニウム(Al)化合物、モリブデン(Mo)化合物およびアミン化合物の群から選ばれる少なくとも1種を含む触媒であることが好ましく、均一系触媒であるものがより好ましい。特に、触媒として、アミン化合物とこれ以外の触媒とを併用することにより、触媒活性に相乗効果が見られ、反応転化率が高くなるうえ、反応選択率も高くなる、などの効果が得られる。
【0015】
前記クロム(Cr)化合物は、クロム(Cr)原子を分子内に有する化合物で、かつ反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、塩化クロム、アセチルアセトンクロム、蟻酸クロム、酢酸クロム、アクリル酸クロム、メタクリル酸クロム、重クロム酸ソーダ、ジブチルジチオカルバミン酸クロム等が挙げられる。
前記鉄(Fe)化合物は、鉄(Fe)原子を分子内に有する化合物で、かつ反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、鉄粉、塩化鉄、蟻酸鉄、酢酸鉄、アクリル酸鉄、メタクリル酸鉄等が挙げられる。
【0016】
前記イットリウム(Y)化合物は、イットリウム(Y)原子を分子内に有する化合物で、かつ反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンイットリウム、塩化イットリウム、酢酸イットリウム、硝酸イットリウム、硫酸イットリウム、アクリル酸イットリウムおよびメタクリル酸イットリウム等が挙げられる。
前記ランタン(La)化合物は、ランタン(La)原子を分子内に有する化合物で、かつ反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンランタン、塩化ランタン、酢酸ランタン、硝酸ランタン、硫酸ランタン、アクリル酸ランタンおよびメタクリル酸ランタン等が挙げられる。
【0017】
前記セリウム(Ce)化合物は、セリウム(Ce)原子を分子内に有する化合物で、かつ反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンセリウム、塩化セリウム、酢酸セリウム、硝酸セリウム、硫酸セリウム、アクリル酸セリウムおよびメタクリル酸セリウム等が挙げられる。
前記タングステン(W)化合物は、タングステン(W)原子を分子内に有する化合物で、かつ反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、塩化タングステン、アクリル酸タングステンおよびメタクリル酸タングステン等が挙げられる。
【0018】
前記ジルコニウム(Zr)化合物は、ジルコニウム(Zr)原子を分子内に有する化合物で、かつ反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンジルコニウム、塩化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、アクリル酸ジルコニウム、メタクリル酸ジルコニウム、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムプロポキシド、塩化ジルコニル、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、アクリル酸ジルコニルおよびメタクリル酸ジルコニル等が挙げられる。
前記チタン(Ti)化合物は、チタン(Ti)原子を分子内に有する化合物で、かつ反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、塩化チタン、硝酸チタン、硫酸チタン、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンプロポキシド、チタンイソプロポキシド、アクリル酸チタンおよびメタクリル酸チタン等が挙げられる。
【0019】
前記バナジウム(V)化合物は、バナジウム(V)原子を分子内に有する化合物で、かつ反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンバナジウム、塩化バナジウム、ナフテン酸バナジウム、アクリル酸バナジウムおよびメタクリル酸バナジウム等が挙げられる。
前記リン(P)化合物は、リン(P)原子を分子内に有する化合物で、かつ反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリトルイルホスフィンおよび1,2−ビス(ジフェニルホスフィン)エタンなどの、アルキルホスフィン類およびその(メタ)アクリル酸塩等の4級ホスホニウム塩等が挙げられる。
【0020】
前記アルミニウム(Al)化合物は、アルミニウム(Al)原子を分子内に有する化合物で、かつ反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンアルミニウム、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アクリル酸アルミニウムおよびメタクリル酸アルミニウム等が挙げられる。
前記モリブデン(Mo)化合物は、モリブデン(Mo)原子を分子内に有する化合物で、かつ反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、塩化モリブデン、酢酸モリブデン、アクリル酸モリブデンおよびメタクリル酸モリブデン等が挙げられる。
【0021】
前記アミン化合物は、アミン官能基を分子内に有する化合物であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、トリアルキルアミン類、ピリジン等の環状アミン類およびその4級塩などの均一系アミン化合物や、3級アミノ基、4級アンモニウム基およびピリジニウム基等の塩基性官能基を少なくとも1種含有する塩基性アニオン交換樹脂などの不均一系アミン化合物が挙げられ、好ましくは、3級アミノ基、4級アンモニウム基およびピリジニウム基等の塩基性官能基を少なくとも1種含有する塩基性アニオン交換樹脂であるのがよく、より好ましくは、3級アミノ基、4級アンモニウム基およびピリジニウム基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する塩基性アニオン交換樹脂であるのがよい。
【0022】
また、前記触媒として、金属塩および金属錯体等の金属イオンを含む均一系金属触媒(例えば、クロム化合物、鉄化合物等)を用いる場合には、使用した触媒を回収することが可能となり、該回収した触媒を再利用することもできる。触媒の回収は、具体的には、例えば、金属塩および金属錯体等の金属イオンを含む均一系金属触媒とともに、アニオン交換樹脂(4級ホスホニウム塩、3級アミノ基、4級アンモニウム基およびピリジニウム基等の塩基性官能基を少なくとも1種含有する塩基性アニオン交換樹脂)とを共存させて反応させると、反応の進行とともに均一系金属触媒をアニオン交換樹脂に吸着させることができるので(具体的には、反応系の(メタ)アクリル酸の濃度が0.10重量%付近にまでに低下した際に吸着され得る。)、この均一系金属触媒が吸着したアニオン交換樹脂に原料である(メタ)アクリル酸を接触させて、吸着した均一系金属触媒を遊離させるようにすればよい。
【0023】
本発明の製造方法において、前記触媒の使用量は、特に限定されないが、均一系触媒の場合は、原料(メタ)アクリル酸の全供給量に対して0.001〜10モル%の範囲で用いることが好ましく、より好ましくは0.005〜5モル%、さらにより好ましくは0.01〜3モル%の範囲で用いるのがよい。0.001モル%未満であると、反応速度が小さくなるため反応時間が長くなり生産性が低下するおそれがあり、一方、10モル%を超えると、副生物の反応選択性が高くなる傾向があるので好ましくない。一方、不均一系触媒の場合、触媒の使用量は、特に限定はされないが、原料(メタ)アクリル酸の全供給量に対して5〜80重量%の範囲で用いることが好ましく、より好ましくは10〜70重量%の範囲で用いるのがよい。また、触媒量が少なくても本発明におけるジエステル体の抑制効果が損なわれることはないので、触媒由来の不純物の副生を低減するという観点からは、触媒の使用量は前記範囲内で少なければ少ないほど良い。なお、触媒由来の不純物としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、触媒として酢酸クロムを用いた場合にはヒドロキシアルキルアセテート(例えば、ヒドロキシエチルアセテート、ヒドロキシプロピルアセテートなど)がある。
【0024】
本発明の製造方法において、前記触媒は、その全使用量を反応器に予め仕込んでおくことが一般的であるが、これに限定はされず、例えば、全使用量の一部を反応器に初期仕込みし、その後、反応の進行途中で残部を追加して供給するようにしてもよい。また、前記触媒が均一系触媒の場合は、両原料のいずれかに予め溶解させておいてから、反応器に仕込んだり、供給したりしてもよく、例えば、初期仕込みする場合には、反応器とは別の溶解槽で、初期仕込みする原料に予め溶解させておいて、反応器に仕込むようにしてもよい。
本発明の製造方法においては、必要に応じて、反応の際に系内に重合防止剤を添加してもよい。重合防止剤としては、特に制限はなく、一般に工業的に用いられるものであれば使用可能であり、具体的には、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール化合物;N−イソプロピル−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−パラ−フェニレンジアミン等のパラフェニレンジアミン類;チオジフェニルアミン、フェノチアジン等のアミン化合物;ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅等のジアルキルジチオカルバミン酸銅塩類;2,2,4,4−テトラメチルアゼチジン−1−オキシル、2,2−ジメチル−4,4−ジプロピルアゼチジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチル−3−オキソピロリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、6−アザ−7,7−ジメチル−スピロ(4,5)デカン−6−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジン−1−オキシル、4,4’,4’’−トリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)ホスファイト等のN−オキシル化合物;等が挙げられる。これら重合防止剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0025】
前記重合防止剤を用いる場合、その添加量は、原料(メタ)アクリル酸の全供給量に対して、0.0001〜1重量%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5重量%であるのがよい。また、重合防止剤の添加時機については、特に制限はないが、好ましくは初期仕込みする成分とともに初めに反応器内に添加しておくのがよい。
本発明の製造方法においては、反応を温和に進行させることなどを目的として、本発明の効果を損なわない範囲で、溶媒を存在させて反応を行ってもよい。溶媒としては、具体的には、例えば、トルエン、キシレン、ヘプタン、オクタン等の一般的な溶媒の1種または2種以上を用いることができる。
【0026】
本発明の製造方法において、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとの反応温度は、通常は、40〜120℃の範囲が好ましく、50〜120℃の範囲がより好ましく、50〜110℃の範囲がさらにより好ましく、50〜100℃の範囲が特に好ましい。反応温度が40℃未満であると、反応速度の低下が著しく、反応時間が長くなり生産性が低下する傾向がある。一方、反応温度が120℃を超えると、ジエステル体や二付加体が副生しやすくなるおそれがある。
本発明の製造方法において、反応時の反応器内の圧力は、使用する原料の種類やその使用割合にもよるが、一般には加圧下で行うことが好ましい。
【0027】
本発明の製造方法においては、反応器内に存在するアルキレンオキシドを含む反応ガスをパージする操作を反応途中で行うようにすることが重要である。これにより、ジエステル体および二付加体の副生を効率よく抑制することが可能となると同時に、反応器にかかる最高到達圧を低く抑えることができ、特別高い耐圧性(例えば、1.0MPa以上)を備えた反応器を使用する必要がなくなるという利点が得られる。
本発明の製造方法において、前記反応ガスのパージは、反応途中で適宜行えばよいのであるが、特に、ジエステル体および二付加体の副生を効率よく抑制するためには、供給した全(メタ)アクリル酸の反応転化率が50%以上となった時点で行うのが好ましく、より好ましくは、供給した全(メタ)アクリル酸の反応転化率が90%以上となった時点で行うのがよい。供給した全(メタ)アクリル酸の反応転化率が50%未満である時点で反応ガスをパージするようにすると、反応収率が下がると同時に、残存する酸分が多くなり、該酸分は蒸留等の精製によって除きにくいため、製品純度が低下する恐れがある。また、反応器にかかる最高到達圧を低く抑え、耐圧性の低い(例えば、1.0MPa未満)反応器で反応させようとする目的においては、内圧が反応器の備えた耐圧限度の80%、好ましくは50%を超えた時点で、前記反応ガスをパージするようにすればよい。なお、前記反応ガスのパージは、一定圧となるように連続的に行ってもよいし、一回で行ってもよいし、複数回に分けて行ってもよい。
【0028】
本発明において、反応器内に存在するアルキレンオキシドを含む反応ガスをパージするとは、反応器内の気相に存在する気体成分(ガス)を反応器外に除去することを意味する。その具体的な操作手法としては、特に制限はなく、例えば、反応を加圧下で行う場合には、反応器内の圧を解放するようにするか、反応器内を減圧にするようにすればよいし、反応を加圧下で行うのでない場合には、窒素ガスや不活性ガス(ヘリウムガスなど)等を反応器内に流すことにより反応器内の気相をこれらガスで置換するようにするか、反応器内を減圧にするようにしてもよい。本発明においては特に、加圧下で反応させる方が好ましいこと、反応ガスをパージするための操作が簡便であること、等の理由から、反応を加圧下で行い、反応器内の圧を解放することにより前記反応ガスをパージするようにする形態が好ましい。
【0029】
本発明の製造方法において、前記反応ガスをパージする際には、反応器内の全ての反応ガスをパージする必要はなく、使用する原料の種類やその使用割合、使用する反応器の耐圧性、反応の進行度合い等に応じて、反応器内に存在する反応ガスの少なくとも一部をパージするようにすればよい。具体的には、例えば、ジエステル体および二付加体の副生を効率よく抑制する目的においては、反応器内に存在する反応ガス中のアルキレンオキシドガス濃度が60容量%以下、好ましくは50容量%以下、より好ましくは40容量%以下となるようにガスパージ量を決定することが好ましく、一方、反応器にかかる最高到達圧を低く抑え耐圧性の低い反応器で反応させようとする目的においては、反応器の内圧が所望の最高到達圧の絶対圧に対して60%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下となるようにガスパージ量を決定することが好ましい。
【0030】
本発明の製造方法において、反応の終了時機(言い換えれば、反応の冷却開始時機)は、残存する未反応(メタ)アクリル酸が充分に消失した時点をもって判断すればよく、具体的には、未反応(メタ)アクリル酸が0.2重量%以下、好ましくは0.1重量%以下となった時点で冷却を開始することが好ましい。なお、冷却の開始は、前記反応ガスをパージする前後いずれであってもよいし、同時であってもよい。
本発明の製造方法においては、反応の終了後、蒸留など、この種の反応で通常行われる精製を行って、目的のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを得るようにすればよい。具体的には、例えば、1〜50hPa、好ましくは1〜20hPaの圧力下、50〜120℃、好ましくは60〜100℃の温度で蒸留すればよい。
【0031】
本発明の製造方法においては、反応終了後、ジエステル抑制剤を添加することが好ましい。これにより、反応終了後に進行するジエステル体の副生をも効果的に抑制し、さらにジエステル体を低減することができる。ジエステル抑制剤としては、具体的には、例えば、シュウ酸、無水シュウ酸、マロン酸、コハク酸、無水コハク酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、サリチル酸、オクタン酸、アジピン酸、セパシン酸、テトラデカンジカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、1,6,7,12−ドデカンテトラカルボン酸、安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,3,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸およびその無水物;グリセリン、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、クレゾール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン、キシリトール、マンニトール、カテコール、レゾルシン、2,6−ジヒドロキシトルエン、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、2,4−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、2,4,6−トリス(ヒドロキシメチル)フェノール、1,2,4,5−テトラヒドロキシベンゼン等の多価アルコール;エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸、アセチルアセトン、クペロン、オキシン、ベンジジン、ジエチルジチオカルバミン酸等の金属キレート剤;等が挙げられる。これらジエステル抑制剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0032】
前記ジエステル抑制剤を用いる場合、その添加量は、前記触媒1モルあたり0.1〜10モルとすることが好ましく、より好ましくは0.5〜5モルとするのがよい。触媒1モルあたり0.1モル未満であると、ジエステルの副生を抑制する効果が充分に発揮されないおそれがあり、一方、10モルを超えると、添加したジエステル抑制剤が製品純度を低下させるおそれがあり、特にカルボン酸類を用いた場合には得られる製品に含まれる酸成分の含有量が増加するおそれがある。また、ジエステル抑制剤の添加時機については、反応終了後であれば特に制限はなく、例えば、反応停止(冷却開始)直後、蒸留開始時、蒸留中などの際に、1回で、もしくは複数回に分割して添加するようにすればよいのであるが、好ましくは、反応停止直後に添加するのがよい。
【0033】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
(実施例1)
アクリル酸420g、触媒として酢酸クロム2.10g、および重合防止剤としてフェノチアジン0.42gを、容量1Lの攪拌機付きSUS−316製オートクレーブに仕込み、その内部を窒素ガスで置換した後、60℃に昇温し、内圧を0.3MPaとした。次いで、エチレンオキシド282gを3時間かけて等速で供給し、この間60℃を維持して反応させた。エチレンオキシドの供給終了直後の反応ガスをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレンオキシド濃度は17容量%(このときエチレンオキシドの燃焼範囲は31容量%)、内圧は0.76MPaであった。その後、反応温度を70℃に昇温して、2.0時間反応させたところ、アクリル酸の反応転化率(中和滴定により測定)は97%となったので、内圧が0.05MPaになるまで解圧した。その後、さらに、未反応アクリル酸量(中和滴定により測定)が0.10重量%になるまで反応を継続した。3.6時間反応を継続することで、未反応アクリル酸が0.10重量%になったので、反応液を室温まで冷却した後、内圧が常圧になるまで解圧した。
【0034】
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、目的物であるヒドロキシエチルアクリレート濃度は91重量%、ジエステル体であるエチレングリコールジアクリレート濃度は0.33重量%、エチレンオキシドの二付加体であるジエチレングリコールモノアクリレート濃度は7.3重量%であった。
(実施例2)
アクリル酸420g、触媒として酢酸クロム2.10g、および重合防止剤としてフェノチアジン0.42gを、容量1Lの攪拌機付きSUS−316製オートクレーブに仕込み、その内部を窒素ガスで置換した後、60℃に昇温し、内圧を0.3MPaとした。次いで、エチレンオキシド282gを3時間かけて等速で供給し、この間60℃を維持して反応させた。エチレンオキシドを141g供給したところで、内圧が0.5MPaとなったので、それ以降は適宜解圧して内圧が0.5MPaを維持するようにした。エチレンオキシドの供給終了直後の反応ガスをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレンオキシド濃度は22容量%(このときエチレンオキシドの燃焼範囲は44容量%)であった。その後、反応温度を70℃に昇温して、2.0時間反応させたところ、アクリル酸の反応転化率(中和滴定により測定)は97%となったので、内圧が0.05MPaになるまで解圧した。その後、さらに、未反応アクリル酸量(中和滴定により測定)が0.10重量%になるまで反応を継続した。3.7時間反応を継続することで、未反応アクリル酸が0.10重量%になったので、反応液を室温まで冷却した後、内圧が常圧になるまで解圧した。
【0035】
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、目的物であるヒドロキシエチルアクリレート濃度は91重量%、ジエステル体であるエチレングリコールジアクリレート濃度は0.33重量%、エチレンオキシドの二付加体であるジエチレングリコールモノアクリレート濃度は7.3重量%であった。
(比較例1)
アクリル酸420g、触媒として酢酸クロム2.10g、および重合防止剤としてフェノチアジン0.42gを、容量1Lの攪拌機付きSUS−316製オートクレーブに仕込み、その内部を窒素ガスで置換した後、60℃に昇温し、内圧を0.3MPaとした。次いで、エチレンオキシド282gを3時間かけて等速で供給し、この間60℃を維持して反応させた。エチレンオキシドの供給終了直後の反応ガスをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレンオキシド濃度は17容量%(このときエチレンオキシドの燃焼範囲は31容量%)、内圧は0.76MPaであった。その後、反応温度を70℃に昇温して、未反応アクリル酸量(中和滴定により測定)が0.10重量%になるまで反応を継続した。3.5時間反応を継続することで、未反応アクリル酸が0.10重量%になったので、反応液を室温まで冷却した後、内圧が常圧になるまで解圧した。
【0036】
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、目的物であるヒドロキシエチルアクリレート濃度は91重量%、ジエステル体であるエチレングリコールジアクリレート濃度は0.38重量%、エチレンオキシドの二付加体であるジエチレングリコールモノアクリレート濃度は7.5重量%であった。
(実施例3)
アクリル酸105g、触媒として酢酸クロム2.10g、および重合防止剤としてフェノチアジン0.42gを、容量1Lの攪拌機付きSUS−316製オートクレーブに仕込み、その内部を窒素ガスで置換した後、90℃に昇温し、内圧を0.2MPaとした。次いで、エチレンオキシド67.5gを0.75時間かけて等速で供給した後、エチレンオキシド202.5gとアクリル酸315gとをともに2.25時間かけて等速でそれぞれ供給し、この間90℃を維持して反応させた。エチレンオキシドを合計202.5g供給したところで、内圧が0.5MPaとなったので、それ以降は適宜解圧して内圧が0.5MPaを維持するようにした。エチレンオキシドおよびアクリル酸の供給終了直後の反応ガスをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレンオキシド濃度は18容量%(このときエチレンオキシドの燃焼範囲は44容量%)であった。その後、反応温度を90℃で保ち、未反応アクリル酸量(中和滴定により測定)が0.10重量%になるまで反応を継続した。0.8時間反応を継続することで、未反応アクリル酸が0.10重量%になったので、反応液を室温まで冷却した後、内圧が常圧になるまで解圧した。
【0037】
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、目的物であるヒドロキシエチルアクリレート濃度は93重量%、ジエステル体であるエチレングリコールジアクリレート濃度は0.4重量%、エチレンオキシドの二付加体であるジエチレングリコールモノアクリレート濃度は5.9重量%であった。
(比較例2)
アクリル酸105g、触媒として酢酸クロム2.10g、および重合防止剤としてフェノチアジン0.42gを、容量1Lの攪拌機付きSUS−316製オートクレーブに仕込み、その内部を窒素ガスで置換した後、90℃に昇温し、内圧を0.2MPaとした。次いで、エチレンオキシド67.5gを0.75時間かけて等速で供給した後、エチレンオキシド202.5gとアクリル酸315gとをともに2.25時間かけて等速でそれぞれ供給し、この間90℃を維持して反応させた。エチレンオキシドおよびアクリル酸の供給終了直後の反応ガスをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレンオキシド濃度は18容量%(このときエチレンオキシドの燃焼範囲は23容量%)、内圧は0.95MPaであった。その後、反応温度を90℃で保ち、未反応アクリル酸量(中和滴定により測定)が0.10重量%になるまで反応を継続した。0.7時間反応を継続することで、未反応アクリル酸が0.10重量%になったので、反応液を室温まで冷却した後、内圧が常圧になるまで解圧した。
【0038】
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、目的物であるヒドロキシエチルアクリレート濃度は93重量%、ジエステル体であるエチレングリコールジアクリレート濃度は0.4重量%、エチレンオキシドの二付加体であるジエチレングリコールモノアクリレート濃度は5.9重量%であった。
【0039】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、不純物であるアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの副生を効率よく抑制することができる。また、本発明の製造方法によれば、反応器にかかる最高到達圧を低く抑えることができ、反応器に特別高い耐圧性を要することのないので、汎用の耐圧性の低い反応器を使用することができる。
Claims (3)
- 触媒の存在下(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとをバッチ反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法であって、
反応器内に存在するアルキレンオキシドを含む反応ガスをパージする操作を反応途中で行う、ことを特徴とするヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。 - 前記反応ガスをパージする操作を、供給した全(メタ)アクリル酸の反応転化率が50%以上となった時点で行うようにする、請求項1に記載のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
- 前記バッチ反応を加圧下で行い、反応器内の圧を解放することにより、前記反応ガスをパージするようにする、請求項1または2に記載のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
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