JP2004123363A - ベルト装置及び印刷機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】棒状の回転軸1の表面を被覆しているクラウン量が1〜15mmのクラウン形状を有するゴムロール2に、ウェブまたは無端ベルトを前記回転軸が撓み、かつ張力が0.1〜5kg/cmの範囲内になるように掛けたことを特徴とするものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト装置と、このベルト装置を備える印刷機(例えば、複写機、プリンタなど)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、複写機の定着方式として、ロール定着の他にベルトを使用したベルト定着方式が採用されている。また、複写機の中間転写においても、ベルト方式が多用されている。定着や中間転写のベルトとしては、ポリイミド製のベルトや薄い金属ベルトが使用されているが、精度の良い製品を製造することが非常に難しく、ベルトの一方の端部の円周の長さが他方の端部と異なる製品になってしまうことが多いため、ベルトの蛇行や極端な場合にはベルトがロールの端部に偏り、ベルトが破損に至る。このような問題の解決策として、以下に説明する3つの方法が提案されているが、それぞれ、問題点がある。
【0003】
(1)ベルトが端部へ偏らないようにロールに端部止めを設置すると、装置が大掛かりなものになるため、設置スペースの確保が難しくなり、また、コストが高くなる。
【0004】
(2)ベルトの片端部に円周上に連続した凸部を設け、かつ相手側のロール(例えば、金属ロール、ゴムロール等)に、この凸部が合うように連続した凹部を設け、蛇行を防止する。この方法によると、ベルト及びロールの製造コストが高くなり、また、ベルトの凸部とロールの凹部に集中して力がかかるため、磨耗等によりベルトの寿命が短くなる。
【0005】
(3)駆動ロールと従動ロールにクラウンを設け、ベルトがセンターに寄るようにし、ベルトの蛇行を防止する。この方法によると、ベルトの面長方向のうち中央部の張力が大きくなり、かつ端部の張力が小さくなるため、ベルトに無理な力が加わり、ベルトを傷める。また、中央部しかベルトに接触しないため、センタリング力が弱くなる。
【0006】
一方、予め湾曲した形状に加工されたローラ軸と、このローラ軸に対して自由回転する外形が概略クラウン形のローラからなる湾曲軸クラウン形ローラが、例えば、特開昭62−114722号公開公報、特開昭62−121167号公開公報、特開昭62−209218号公開公報、特開昭62−261712号公開公報、特開平1−139457号公開公報、特開平1−139458号公開公報などに開示されている。
【0007】
しかしながら、この湾曲軸クラウン形ローラは、ローラ軸が最初から湾曲しているため、十分なセンタリング力を得られるものではない。特に、ローラサイズを小さくする、つまりローラ軸を細くすると、ローラ軸がその剛性が低くなるために撓みやすくなり、クラウン形ローラの平坦化が不十分になり、ベルトの走行安定性が低下する。
【0008】
【特許文献1】
特開昭62−114722号公報(特許請求の範囲)
【0009】
【特許文献2】
特開昭62−121167号公報(特許請求の範囲)
【0010】
【特許文献3】
特開昭62−209218号公報(特許請求の範囲)
【0011】
【特許文献4】
特開昭62−261712号公報(特許請求の範囲)
【0012】
【特許文献5】
特開平1−139457号公報(特許請求の範囲)
【0013】
【特許文献6】
特開平1−139458号公報(第2頁のカラム5、第2図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、無端ベルト及びウェブの走行安定性が改善されたベルト装置と、このベルト装置を備える印刷機とを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るベルト装置は、棒状の回転軸の表面を被覆しているクラウン量が1〜15mmのクラウン形状を有するゴムロールに、ウェブまたは無端ベルトを前記回転軸が撓み、かつ張力が0.1〜5kg/cmの範囲内になるように掛けたことを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係る印刷機は、棒状の回転軸の表面に被覆されたクラウン量が1〜15mmのクラウン形状を有するゴムロールと、前記ゴムロールと対向する第2のロールとに無端ベルトを前記回転軸が撓み、かつ張力が0.1〜5kg/cmの範囲内になるように掛けたベルト装置を具備することを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係るベルト装置は、棒状の回転軸の表面を被覆しているクラウン量が1〜15mmのクラウン形状を有するゴムロールに、ウェブまたは無端ベルト(エンドレスベルト)を前記回転軸が撓み、かつ張力が0.1〜5kg/cmの範囲内になるように掛けたことを特徴とするものである。このようなベルト装置によれば、回転軸にゴムを被覆したシンプルな構造のゴムロールでウェブおよび無端ベルトの走行安定性を高くすることができる。すなわち、ウェブまたは無端ベルトによる0.1〜5kg/cmの張力で回転軸が走行方向側に湾曲すると、ゴムロールの無端ベルト(もしくはウェブ)が当る部分を平坦化することができ、無端ベルト(もしくはウェブ)をゴムロールに全面接触させた状態で走行させることができるため、大きなセンタリング力を生じさせることができ、ウェブおよび無端ベルトの走行時の蛇行を防止することができる。また、本願発明は、少ない部品点数で、かつコンパクトな装置によりウェブおよび無端ベルトの走行安定性を高くすることができるため、OA機器等に最適である。
【0018】
本発明に係るベルト装置は、事務機として使用される印刷機(例えば、プリンター、複写機等)の定着用、転写用あるいは搬送用ベルト装置に用いることができる。
【0019】
次いで、回転軸、ゴムロール、ウェブおよび無端ベルト(エンドレスベルト)について説明する。
【0020】
1)回転軸
この回転軸には、ウェブまたはベルトによる張力で撓むものが使用される。回転軸の材質としては、例えば、鉄、ステンレスやアルミニウムのような金属、樹脂、繊維と樹脂の複合材料等を挙げることができる。回転軸の材質の種類は、1種類にしても、2種類以上にしても良い。
【0021】
回転軸の直径は、3mm〜30mmの範囲内にすることが望ましい。これは以下に説明するような理由によるものである。回転軸の直径を3mm未満にすると、ウェブまたは無端ベルトによる張力で回転軸が大きく撓むため、ゴムロールの平坦化が不十分になり、ウェブや無端ベルトがゴムロールと十分に接触しなくなって走行時に蛇行する恐れがある。回転軸の直径が30mmを超えると、回転軸の剛性が高くなるため、ウェブまたは無端ベルトによる張力で回転軸がほとんど撓まなくなり、ベルトの走行安定性を改善できない恐れがある。
【0022】
回転軸の直径のより好ましい範囲は、3〜10mmである。
【0023】
2)ゴムロール
このゴムロールは、クラウン量が1〜15mmのクラウン形状を有する。ここで、クラウン形状とは、ゴムロールの中央部の外径が両端部の外径よりも大きくなるように外側に湾曲した形状(正クラウン形状)を意味する。また、クラウン量とは、ゴムロールの最大直径(最大外径)と最小直径(最小外径)との差である。クラウン量を1〜15mmの範囲内に限定する理由を説明する。クラウン量を1mmより小さくすると、ウェブおよび無端ベルトをセンタリングさせる力が弱くなるため、これらの走行時の蛇行を防止できなくなる。一方、クラウン量が15mmを超えると、ウェブおよび無端ベルトに掛かる張力が中央部が大きく、端部が小さくなるため、ウェブや無端ベルトに無理な力がかかってしまい、これらを傷める結果となる。また、回転軸の撓み量が大きくなるため、回転軸の寿命が短くなる。クラウン量のより好ましい範囲は、1〜5mmである。
【0024】
ゴムロールは、内層と表層とを含む多層構造か、1種類のゴム材料からなる単層構造にすることができる。また、ゴムロールの表面に被覆層を形成しても良い。内層、表層、単層および被覆層の組み合わせは、以下の表1に示す12通りにすることができる。中でも、ソリッドゴムの表層とスポンジゴムの内部層とを備える多層構造にすると、優れた走行安定性を得られるばかりか、ゴムロールの耐久性を高くすることができるため、好ましい。この場合、被覆層を形成しても良いし、また形成しなくても良い。
【0025】
【表1】
【0026】
内層、表層及び単層は、上記の表1に示すように、スポンジゴムあるいはソリッドゴムからそれぞれ形成することができる。ソリッドゴムとスポンジゴムは、例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム等からそれぞれ形成することができる。複写機のような印刷機の定着用ベルト装置あるいは中間転写ベルト装置として使用する際には、耐熱性を有するゴム材料を使用することが望ましい。
【0027】
表層の厚さは、1〜2000μmの範囲内にすることが望ましい。これにより、ウェブや無端ベルトに無理な力がかかるのを防ぐことができるため、これらの走行安定性をより高くすることができる。
【0028】
ゴムロールの耐久性、耐磨耗性、離形性等の諸特性を改善するために、表面に被覆層を形成することが望ましい。被覆層は、ゴムロールの耐久性、耐磨耗性、離形性等を考慮して、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂等から形成することができる。被覆層の厚さは、1〜200μmの範囲内にすることが望ましい。これは以下に説明するような理由によるものである。被覆層の厚さを1μm未満にすると、被覆層を設けたことによる効果を十分に得られない恐れがある。一方、被覆層の厚さが200μmを超えると、被覆層が硬くなるため、ロールの弾性が損なわれる恐れがある。被覆層の厚さのより好ましい範囲は、3〜100μmである。
【0029】
中でも、前記表1に示す形態1または形態2のゴムロールが望ましい。このような構成のゴムロールは、変形しやすいため、ウェブや無端ベルトに無理な力がかかるのを防ぐことができる。また、ウェブや無端ベルトの走行時のゴムロールとの摩擦を抑えることができる。なお、ソリッドゴム層とスポンジゴム層の材質は、同じでも、また、互いに異なっていても良い。
【0030】
3)ウェブ・無端ベルト(エンドレスベルト)
ウェブおよび無端ベルトは、例えば、ポリイミド樹脂などの樹脂、鉄、ステンレス、ニッケル合金や銅合金のような金属、複合材料等の剛性を有する材料からそれぞれ形成することが望ましい。複合材料の具体的な例としては、カーボン繊維、ガラス繊維や綿等で補強されたゴムの複合材料、カーボン繊維、ガラス繊維や綿等で補強された樹脂の複合材料などが挙げられる。
【0031】
ゴムロールにウェブまたは無端ベルトを掛けた時の張力を0.1〜5kg/cmの範囲内に限定するのは、以下に説明する理由によるものである。張力を0.1kg/cm未満にすると、ウェブおよび無端ベルトをセンタリングさせる力が弱くなるため、これらの走行時の蛇行を防止できなくなる。一方、張力が5kg/cmを超えると、ウェブや無端ベルトに無理な力がかかってしまい、これらを傷める結果となる。また、ゴムロールへ加わる力が大きくなるため、磨耗等の問題によりゴムロールの寿命が短くなる。張力のより好ましい範囲は、0.2〜5kg/cmである。
【0032】
ウェブおよび無端ベルトは、それぞれ、幅をH(mm)とし、長さをL(mm)とした際に(H/L)が1/5以上であることが好ましい。(H/L)が1/5未満の場合は、無端ベルト(ウェブ)の幅に対して長さが十分に長いため、無端ベルト(ウェブ)自身の変形(伸び等)により高い走行安定性を得ることが可能であるが、(H/L)が1/5以上の場合は、無端ベルト(ウェブ)自身の変形量が小さいため、本願発明のような構成にすることにより走行安定性が大幅に改善される。優れた走行安定性を実現するために、(H/L)は、1/5以上、5以下の範囲内にすることがより好ましい。
【0033】
本発明に係るベルト装置の一例を図1〜図4を参照して説明する。
【0034】
図1は、本発明に係るベルト装置の一例を示す模式図で、図2は、図1のベルト装置の横断面図で、図3は、図1のベルト装置に用いられるゴムロールの一例を示す模式的な側面図で、図4は図3のゴムロールの横断面図である。
【0035】
ベルト装置は、横断面が円形の棒状で、かつそれ自身が回転自在である芯金1と、前記芯金1の表面を被覆し、クラウン量が1〜15mmのクラウン形状を有するゴムロール2(従動ロール)と、このゴムロール2と対向するように配置された回転自在な駆動ロール3(第2のロール)と、前記ゴムロール2と前記駆動ロール3とに張力が0.1〜5kg/cmになるように掛けられたエンドレスベルト4とを具備する。なお、クラウン量は、ゴムロール2の最大直径Rmaxと最小直径Rminとの差である。
【0036】
ゴムロール2は、図4に示すように、ソリッドゴムからなる表層5と、スポンジゴムからなる内部層6との二層構造を有するものである。また、ゴムロール2は、エンドレスベルト4による張力が加わる前は、図3に示すようなクラウン形状を有するものであるが、エンドレスベルト4による張力で芯金1が駆動ロール3側に湾曲するのに伴い、ゴムロール2のベルト4と当る部分が平坦化され、ゴムロール2にエンドレスベルト4を全面接触させることができ、エンドレスベルト4に掛かる張力を幅方向で均等にすることができる。また、ベルト4が当らない部分については、クラウン形状を維持しているため、このようなゴムロール2を回転させてエンドレスベルト4を走行させると、ロール中央部の表面速度を両端部よりも速くすることができる。これらの結果、大きなセンタリング力が生じるため、走行時のエンドレスベルト4の蛇行を防止することができ、エンドレスベルトの走行安定性を改善することができる。
【0037】
なお、前述した図1〜図4においては、ゴムロール2を従動ロールとし、第2のロールを駆動ロールにした例を説明したが、ゴムロール2を駆動ロールとし、第2のロールを従動ロールにしても良い。
【0038】
本発明に係るベルト装置は、例えば、図5〜図6に例示されるような印刷機に組込むことができる。
【0039】
すなわち、図5に示す印刷機(複写機、プリンタ等)では、まず、感光体であるドラム10を帯電ロール11により帯電させる。次いで、露光して潜像を形成した後、トナー容器12から現像ロール13にトナーを供給してトナー像を形成することにより現像を行なう。ドラム10と転写ロール14の間に紙を送り、ドラム10からこの紙にトナー像を転写する。前述した図1に示す構造を有するベルト装置のゴムロール2にエンドレスベルト4を介してヒータ内蔵の定着ロール15を対向配置させた定着ユニットにおいて、定着ロール15とゴムロール2とでエンドレスベルト4上の紙に加熱加圧を施すことによりトナーを紙に定着させる。定着処理済みの紙は、エンドレスベルト4により次工程に搬送される。なお、ドラム10の上流側には、クリーニングプレート16が設けられている。
【0040】
一方、図6は、カラー印刷が行なえる印刷機(複写機、プリンタ等)の例である。各色(4色)ごとに像を形成する。すなわち、感光体であるドラム101〜104を帯電ロール111〜114により帯電させる。次いで、露光して潜像を形成した後、トナー容器(図示せず)から現像ロール131〜134にトナーを供給してトナー像を形成することにより現像を行なう。4色の像を中間転写ドラム17に一次転写した後、中間転写ドラム17と転写ロール18の間に紙を送り、中間転写ドラム17からこの紙にトナー像を転写する。前述した図5で説明したのと同様な構成を有する定着ユニットにおいて、定着ロール15とゴムロール2とによりエンドレスベルト4上の紙に加熱加圧を施すことによって、トナーを紙に定着させる。定着処理済みの紙は、エンドレスベルト4により次工程に搬送される。
【0041】
また、本発明に係るベルト装置を中間転写ベルトとして備えた印刷機(複写機、プリンタ等)の一例を図7、図8に示す。
【0042】
図7では、感光体であるドラム20において現像機21を用いて得た4色の像を、ドラム20と第1の転写ロール23との間に介在された中間転写ベルト24に一次転写する。中間転写ベルト24は、駆動ロールである第1の転写ロール23と2つの従動ロール25と本発明において用いるゴムロール2とに張力が0.1〜5kg/cmの範囲内になるように掛けられているため、走行時の蛇行が防止される。中間転写ベルト24に転写された像は、ゴムロール2と第2の転写ロール26との間に搬送された紙に転写される。
【0043】
図8は、タンデム型のカラー印刷機(複写機、プリンタ等)の例である。各色(4色)ごとに像を形成する。すなわち、感光体であるドラム201〜204において現像機(図示しない)を用いて得た像を、ドラム201〜204と第1の転写ロール231〜234との間に介在された中間転写ベルト24に一次転写する。中間転写ベルト24は、駆動ロールである第1の転写ロール231〜234と2つの従動ロール25と本発明において用いるゴムロール2とに張力が0.1〜5kg/cmの範囲内になるように掛けられているため、走行時の蛇行が防止される。中間転写ベルト24に転写された像は、ゴムロール2と第2の転写ロール26との間に搬送された紙に転写される。
【0044】
【実施例】
以下、本発明の実施例を前述した図面を参照して詳細に説明する。
【0045】
(実施例1)
直径が7.6mmの鉄心(芯金)にクラウン量が2mmのクラウン形状を有するゴムロールを被覆したベルトスタビライザーロール(BSR)を用意した。ゴムロールは、表層が厚さが500μmのシリコーンゴム製のソリッドゴム層で、内部層がシリコーンゴム製のスポンジゴム層である二層構造を有するものである。また、ゴムロールの外径は26mmであった。
【0046】
このベルトスタビライザーロールに、回転自在な駆動ロールを前述した図1に示すように対向させた。周長が200mmで、幅が300mmで、かつ厚さが50μmのポリイミドエンドレスベルトをベルトスタビライザーロール(BSR)と駆動ロールとに張力が0.3kg/cmになるように掛けてBSRの鉄心を撓ませ、前述した図1に示すような構造のベルト装置を組み立てた。ベルトスタビライザーロールにエンドレスベルトを介して、表面がフッ素樹脂コートされた外径が40mmの定着ロールを対向配置させ、定着ユニットを得た。
【0047】
なお、張力(kg/cm)は、一定のバネ定数を持ったバネの撓み量(変形量)から求めた。
【0048】
(実施例2〜6及び比較例1〜4)
鉄心の直径、クラウン量、周長および張力を下記表1に示すように変更すること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の定着ユニットを製造した。なお、表1には、エンドレスベルトの幅をH(mm)とし、周長をL(mm)とした際の(H/L)を併記する。
【0049】
(比較例5)
直径が7.6mmの鉄心の代わりに、直径が7.6mmの鉄製の棒をエンドレスベルトによる張力で撓む分だけ予め湾曲させた形状の回転軸を用いること以外は、前述した実施例1で説明したのと同様な構成の定着ユニットを製造した。
【0050】
得られた実施例1〜6及び比較例1〜5の定着ユニットについて、60r.p.mの回転数で、5時間の走行試験を行ない、その結果を下記表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
表2に示すように、実施例1〜6の定着ユニットは、走行時にベルトが蛇行せず、ベルトがゴムロールの端部に偏ることがなく、ベルトの走行安定性に優れていた。
【0053】
これに対し、クラウン量が1mm未満である比較例1の定着ユニットと、張力が0.1kg/cmより小さい比較例3の定着ユニットと、予め湾曲した形状の回転軸を使用する比較例5の定着ユニットでは、走行時にベルトが蛇行し、ロールの端部にベルトが寄ってしまった。一方、クラウン量が15mmを超える比較例2の定着ユニットでは、走行時にベルトがねじれた。また、張力が5kg/cmより大きい比較例4の定着ユニットでは、走行試験によりゴムロールが大幅に磨耗し、そのうえ走行時にベルトが蛇行した。
【0054】
また、実施例1〜6の定着ユニットにA4用紙を通紙し、定着試験を行なった。1万枚の通紙を行ったところ、ベルトの蛇行に起因する定着不良は見られなかった。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、無端ベルト及びウェブの走行安定性が改善されたベルト装置と、このベルト装置を備える印刷機とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベルト装置の一例を示す模式図。
【図2】図1のベルト装置の横断面図。
【図3】図1のベルト装置に用いられるゴムロールの一例を示す模式的な側面図。
【図4】図3のゴムロールの横断面図。
【図5】本発明に係る印刷機の第1の実施形態を示す模式図。
【図6】本発明に係る印刷機の第2の実施形態を示す模式図。
【図7】本発明に係る印刷機の第3の実施形態を示す模式図。
【図8】本発明に係る印刷機の第4の実施形態を示す模式図。
【符号の説明】
1…回転軸、
2…ゴムロール、
3…駆動ロール、
4…無端ベルト、
5…ソリッドゴム層、
6…スポンジゴム層、
10…感光体、
11…帯電ロール、
12…トナー容器、
13…現像ロール、
14…転写ロール、
15…定着ロール、
16…クリーニングプレート、
17…中間転写ドラム、
18…転写ロール。
Claims (4)
- 棒状の回転軸の表面を被覆しているクラウン量が1〜15mmのクラウン形状を有するゴムロールに、ウェブまたは無端ベルトを前記回転軸が撓み、かつ張力が0.1〜5kg/cmの範囲内になるように掛けたことを特徴とするベルト装置。
- 前記ゴムロールは、ソリッドゴム及びスポンジゴムのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1記載のベルト装置。
- 前記回転軸の直径は、3〜30mmであることを特徴とする請求項1または2記載のベルト装置。
- 棒状の回転軸の表面に被覆されたクラウン量が1〜15mmのクラウン形状を有するゴムロールと、前記ゴムロールと対向する第2のロールとに無端ベルトを前記回転軸が撓み、かつ張力が0.1〜5kg/cmの範囲内になるように掛けたベルト装置を具備することを特徴とする印刷機。
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