JP2004122722A - 難燃性ボードの製造方法及び難燃性ボード - Google Patents

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Abstract

【課題】表面が被覆紙により被覆された石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を主たる原料とする難燃性ボード及びその製造方法を提供する。
【解決手段】石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を乾式解繊した解繊ファイバー(主原料)に、水溶性難燃剤の水溶液を添加、混合した混合ボード原料をマット状に予備成形し、熱圧締して、密度0.8〜1.2g/cm、厚み6〜20mmのボードに成形する。
また、解繊ファイバー(主原料)に、さらに熱硬化性樹脂系の接着剤を添加する。
付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する石膏(CaSO・2HO)の割合を、乾式基準で20〜40重量%の範囲とする。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は難燃性ボード及びその製造方法に関し、詳しくは、表面が被覆紙により被覆された石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を主たる原料とする難燃性ボード及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建設工事や解体工事から多量の廃石膏ボードが発生するようになっている。この廃石膏ボードの表面は、通常は、被覆紙により被覆されており、分別処理を行うことにより、石膏と、石膏の付着した紙片に分けられている。そして、分離回収される石膏は有害ガス吸着機能、湿度調整機能を持った多孔質吸着剤含有の石膏硬化体の原料として、再利用する方法が開発されるに至っている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−146460号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の方法では、石膏の付着した紙片は、再利用が困難で、必ずしも十分に有効な資源として効率よくリサイクルすることができていないのが実情である。
【0005】
本願発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、表面が被覆紙により被覆された石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を主たる原料とする難燃性ボード及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明(請求項1)の難燃性ボードの製造方法は、
表面が被覆紙により被覆された石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を乾式解繊した解繊ファイバーに、水溶性難燃剤の水溶液を添加、混合して混合ボード原料を調製する工程と、
解繊ファイバーに水溶性難燃剤の水溶液を添加、混合して調製した混合ボード原料をマット状に予備成形した後、熱圧締することにより、密度0.8〜1.2g/cm、厚み6〜20mmのボードに成形する工程と
を具備することを特徴としている。
【0007】
石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を乾式解繊した解繊ファイバー(主原料)に、水溶性難燃剤の水溶液を添加、混合した混合ボード原料をマット状に予備成形し、熱圧締して、密度0.8〜1.2g/cm、厚み6〜20mmのボードに成形することにより、石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片と水溶性難燃剤から、効率よく難燃ボードを製造することが可能になる。
【0008】
すなわち、予備成形された混合ボード原料中では2水塩として存在する石膏が、熱圧締の工程で加熱されて1/2水塩となり、その後、成形されたボードの温度が低下する過程で周囲の水分を吸収・吸着して2水塩に戻ることにより硬化する。その結果、石膏の存在による難燃性と、石膏が硬化することによる機械的強度を備えた難燃性ボードを効率よく製造することが可能になる。なお、本願発明の難燃性ボードの製造方法においては、熱圧締の工程で1/2水塩となった石膏が、ボードの温度が低下する過程で周囲の水分を吸収・吸着して2水塩に戻ることができるように、少なくとも化学量論量以上の水分が周囲に存在していることが必要になる。
【0009】
また、本願発明においては、水溶性難燃剤を解繊ファイバーの細部にまで確実に行き渡らせる見地からは、解繊ファイバーの水分含有量が少ない方が望ましい。ただし、絶乾状態であるような必要はなく、気相中の水分と平衡な量の水分を含んでいてもよく、実質的に水に濡れていない状態であればよい。
また、ボードの密度を0.8〜1.2g/cmの範囲とするのが好ましいのは、密度が0.8g/cm未満になると解繊ファイバーの絡み合いが少なくなって曲げ強さが低減し、1.2g/cmを超えると熱圧締工程において水分の蒸発が阻害されボードの爆裂が発生し易くなることによる。
また、ボードの厚みを6〜20mmの範囲とするのが好ましいのは、厚みが6mm未満になると形状保持が困難になって搬送や取り扱いに支障をきたし、20mmを超えると難燃性能を達成するのに必要以上の材料やエネルギーを消費することになり経済性に問題が出てくることによる。
【0010】
また、本願発明(請求項2)の難燃性ボードの製造方法は、
表面が被覆紙により被覆された石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を乾式解繊した解繊ファイバーに、水溶性難燃剤の水溶液及び熱硬化性樹脂系の接着剤を添加、混合して混合ボード原料を調製する工程と、
解繊ファイバーに水溶性難燃剤の水溶液及び熱硬化性樹脂系の接着剤を添加、混合して調製した混合ボード原料をマット状に予備成形した後、熱圧締することにより、密度0.8〜1.2g/cm、厚み6〜20mmのボードに成形する工程と
を具備することを特徴としている。
【0011】
上述のように、本願発明の難燃性ボードの製造方法(請求項2の発明)によれば、石膏付着紙片と水溶性難燃剤から難燃性ボードを製造することが可能であるが、さらに熱硬化性樹脂系の接着剤を添加、混合して混合ボード原料を調製し、これをマット状に予備成形した後、熱圧締して、密度0.8〜1.2g/cm、厚み6〜20mmのボードに成形することにより、機械的強度がさらに大きく、用途の広い難燃性ボードを確実に製造することが可能になる。
なお、熱硬化性樹脂系の接着剤を添加、混合するにあたっては、先に水溶性難燃剤の水溶液を添加混合して、解繊ファイバーの細部にまで難燃剤を行き渡らせてから、熱硬化性樹脂系の接着剤を添加、混合することが望ましいが、場合によっては、ほぼ同時に添加して混合することも可能である。
【0012】
また、請求項3の難燃性ボードの製造方法は、前記熱硬化性樹脂系の接着剤としてイソシアネー卜系接着剤を用い、熱圧締前の段階における混合原料中のイソシアネート系接着剤の割合が、乾式基準で5〜15重量%となるようにイソシアネート系接着剤を添加し、160〜220℃に加熱された熱盤により熱圧締を行ってボードに成形することを特徴としている。
【0013】
熱硬化性樹脂系の接着剤としてイソシアネー卜系接着剤を用い、熱圧締前の段階における混合原料中のイソシアネート系接着剤の割合が乾式基準で5〜15重量%となるようにイソシアネート系接着剤を添加し、160〜220℃に加熱された熱盤により熱圧締を行ってボードに成形することにより、曲げ強度などの機械的強度に優れた難燃性ボードを確実に、しかも効率よく製造することが可能になる。
なお、イソシアネート系接着剤を、乾燥基準で5〜15重量%の割合で添加するようにしているのは、この範囲でイソシアネート系接着剤を添加することにより、薬剤コストの増大を抑制しつつ、強度の大きい難燃性ボードを得ることが可能になることによる。
【0014】
また、請求項4の難燃性ボードの製造方法は、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する石膏(CaSO・2HO)の割合を、乾式基準で20〜40重量%の範囲とすることを特徴としている。
【0015】
付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する石膏(CaSO・2HO)の割合を、乾式基準で20〜40重量%の範囲とすることにより、特に他の難燃剤やバインダーを用いることなく、難燃性に優れ、しかも実用可能な強度を備えた難燃性ボードを効率よく製造することが可能になり、また、熱硬化性樹脂を併用する場合には、さらに機械的強度の大きい難燃性ボードを得ることが可能になる。
なお、石膏(CaSO・2HO)の割合が20重量%未満になると、難燃性能を確保するのが困難となり、40重量%を超えると、難燃剤などを混合した混合ボード原料をマット状に均一に予備成形することが難しいことから石膏(CaSO・2HO)の割合は乾式基準で20〜40重量%の範囲とすることが好ましい。
【0016】
また、請求項5の難燃性ボードの製造方法は、石膏付着紙片を乾式解繊した解繊ファイバーに含まれる石膏(CaSO・2HO)の割合が、乾式基準で20〜40重量%の範囲に達しない場合に、前記石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏を前記解繊ファイバーに添加して、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する石膏(CaSO・2HO)の割合を、乾式基準で20〜40重量%の範囲に調整することを特徴としている。
【0017】
石膏付着紙片を乾式解繊した解繊ファイバーに含まれる石膏(CaSO・2HO)の割合が、乾式基準で20〜40重量%の範囲に達しない場合に、分別処理することにより回収される石膏を解繊ファイバーに添加することにより、別途石膏を用意することなく、分別処理した石膏ボードからの回収石膏を有意義に利用することが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
【0018】
また、請求項6の難燃性ボードの製造方法は、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する解繊ファイバー(紙)の割合が、乾式基準で60〜80重量%の範囲に達しない場合に、別途古紙を解繊した古紙解繊ファイバーを添加して、解繊ファイバー(紙)の割合を、乾式基準で60〜80重量%の範囲に調整することを特徴としている。
【0019】
付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する解繊ファイバー(紙)の割合が、乾式基準で60〜80重量%の範囲に達しない場合に、別途古紙を解繊した古紙解繊ファイバーを添加して、解繊ファイバー(紙)の割合を、乾式基準で60〜80重量%の範囲に調整することにより、原料である石膏付着紙片の組成に影響されることなく、所望の特性を備えた難燃性ボードを確実に製造することが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
【0020】
また、請求項7の難燃性ボードの製造方法は、表面が被覆紙により被覆された石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を乾式解繊した解繊ファイバーに、さらに、石膏(CaSO・2HO)及び/又は別途古紙を解繊した古紙解繊ファイバーを、石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する解繊ファイバー(紙)の割合が、乾式基準で60〜80重量%の割合になるように添加し、これに水溶性難燃剤の水溶液を添加、混合して混合ボード原料を調製することを特徴としている。
【0021】
石膏付着紙片を乾式解繊した解繊ファイバーに、さらに、石膏(CaSO・2HO)及び/又は別途古紙を解繊した古紙解繊ファイバーを添加し、これに水溶性難燃剤の水溶液を添加、混合して混合ボード原料を調製するようにした場合、石膏と解繊ファイバー(紙)の割合を容易に調整することが可能になるとともに、原料である石膏付着紙片の供給量に制約されることなく、生産量調整の自由度を向上させることが可能になる。
【0022】
また、請求項8の難燃性ボードの製造方法は、前記水溶性難燃剤の割合が、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)に対して、乾式基準で15〜30重量%となるように、前記水溶性難燃剤の水溶液を添加することを特徴としている。
【0023】
水溶性難燃剤の割合を、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)に対して、乾式基準で15〜30重量%とすることにより、十分な難燃性を備えた信頼性の高い難燃性ボードを得ることが可能になる。
上記水溶性難燃剤の割合を15〜30重量%としたのは、水溶性難燃剤の割合が15重量%未満になると解繊ファイバーの難燃化が不十分となり、30重量%を超えると水溶性難燃剤水溶液中の水分量が多くなり、熱圧締工程における水分の蒸発による爆裂が発生し易くなるため好ましくないことによる。
【0024】
また、請求項9の難燃性ボードの製造方法は、前記水溶性難燃剤の水溶液を、熱圧締前の混合ボード原料中の全水分量が25〜45重量%となるように添加することを特徴としている。
【0025】
水溶性難燃剤の水溶液を、熱圧締前の混合ボード原料中の全水分量が25〜45重量%となるように添加することにより、混合ボード原料中の石膏が、熱圧締の工程で加熱されて1/2水塩となった後、温度が低下する過程で周囲の水分を吸着して2水塩に戻ることによる硬化反応を十分に行わせることが可能になるとともに、熱硬化性樹脂系の接着剤としてイソシアネー卜系接着剤を用いる場合に、硬化反応に必要な水を供給して反応を確実に行わせることが可能になり、機械的強度が大きく、用途の広い難燃性ボードを確実に製造することが可能になる。なお、混合ボード原料中の全水分量が45重量%を超えると、熱圧締工程における水分の蒸発によるボードの爆裂が発生し易く、水分を蒸発させるために要する熱エネルギーの消費量が増大するという弊害がある。
【0026】
また、請求項10の難燃性ボードの製造方法は、前記水溶性難燃剤が、常温で水に対して30重量%以上の溶解度を有する物質を主成分とするものであることを特徴としている。
【0027】
水溶性難燃剤として、常温で水に対して30重量%以上の高い溶解度を有する物質を主成分とするものを用いることにより、熱圧締に供されるべき混合ボード原料中に含まれる水分が多くなりすぎることを抑制して、熱圧締工程における多量の水分の蒸発による爆裂の発生を防止して、効率よく難燃性ボードを製造することが可能になる。
【0028】
また、請求項11の難燃性ボードの製造方法は、前記水溶性難燃剤がスルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、硫酸アンモニウム、及びリン酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴としている。
【0029】
水溶性難燃剤として、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、硫酸アンモニウム、及びリン酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることにより、十分な難燃性を備えた難燃性ボードをより確実に得ることが可能になる。
【0030】
また、請求項12の難燃性ボードの製造方法は、前記マット状の予備成形体の表面に、熱硬化性樹脂を含浸させた、難燃剤含有ラミネート紙を配設し、マット状の予備成形体と同時に、一体に熱圧締することを特徴としている。
【0031】
マット状の予備成形体の表面に、熱硬化性樹脂を含浸させた、難燃剤含有ラミネート紙を配設し、マット状の予備成形体と同時に、一体に熱圧締することにより、表面に十分な難燃性を付与することが可能になるとともに、機械的強度などの基本的特性や、耐水性、耐湿性などの特性を向上させることが可能になる。
なお、難燃剤含有ラミネート紙(難燃シート状材料)に含有させる難燃剤としては、水酸化アルミニウム系難燃剤、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウムなどの薬剤、フライアッシュ、パーライト、シリカフラワーなどの粉体無機物質などを用いることが可能である。
【0032】
また、請求項13の難燃性ボードの製造方法は、前記ラミネート紙の含浸熱硬化性樹脂がフェノール系樹脂を主成分とし、難燃剤が水酸化アルミニウムを主成分とするものであることを特徴としている。
【0033】
難燃剤含有ラミネート紙として、含浸熱硬化性樹脂がフェノール系樹脂を主成分とし、難燃剤が水酸化アルミニウムを主成分とするものを用いることにより、表面に確実に難燃性を付与することが可能になるとともに、機械的強度などの基本的特性や、耐水性、耐湿性などの特性を十分に向上させることが可能になる。
【0034】
また、本願発明(請求項14)の難燃性ボードは、
請求項1,3〜11の難燃性ボードの製造方法により製造された難燃性ボードであって、
(a)石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を解繊した解繊ファイバーを主成分とし、
(b)付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する石膏(CaSO・2HO)の割合が、乾式基準で20〜40重量%の範囲にあり、
(c)水溶性難燃剤の割合が、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)に対して、乾式基準で15〜30重量%の範囲にあること
を特徴としてる。
【0035】
本願発明(請求項14)の難燃性ボードは、請求項1,3〜11の難燃性ボードの製造方法により製造されたものであって、石膏付着紙片を解繊した解繊ファイバーを主成分とし、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する石膏(CaSO・2HO)の割合を、乾式基準で20〜40重量%の範囲とし、水溶性難燃剤の割合を、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)に対して、乾式基準で15〜30重量%の範囲としているので、十分な難燃性を備えており、従来の古紙ボードでは用いることができなかったような難燃性あるいは不燃性が要求される用途に広く用いることが可能である。
【0036】
また、本願発明(請求項15)の難燃性ボードは、
請求項2〜11の難燃性ボードの製造方法により製造された難燃性ボードであって、
(a)石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を解繊した解繊ファイバーを主成分とし、
(b)付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する石膏(CaSO・2HO)の割合が、乾式基準で20〜40重量%の範囲にあり、
(c)水溶性難燃剤の割合が、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)に対して、乾式基準で15〜30重量%の範囲にあり、
(d)熱硬化性樹脂系の接着剤の割合が、乾式基準で5〜15重量%の範囲にあること
を特徴としている。
【0037】
本願発明(請求項15)の難燃性ボードは、本願請求項14の難燃性ボードにさらに、熱硬化性樹脂系の接着剤を5〜15重量%の範囲で含有させているので、十分な機械的強度を備えた実用性及び信頼性の高い難燃性ボードを提供することが可能になる。
【0038】
また、請求項16の難燃性ボードは、請求項12又は13記載の方法により製造され、表面に難燃剤と熱硬化性樹脂を含有する難燃シート状材料が一体に配設されていることを特徴としている。
【0039】
表面に難燃剤と熱硬化性樹脂を含有する難燃シート状材料が一体に配設された構造とすることにより、表面に十分な難燃性を付与することが可能になるとともに、機械的強度などの基本的特性や、耐水性、耐湿性などの特性を向上させることが可能になる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を示してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は本願発明の一実施形態にかかる難燃性ボードの製造方法を示すフローシートである。
【0041】
この実施形態の難燃性ボードの製造方法は、図1に示すように、
(a)表面が被覆紙により被覆された石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を乾式解繊する解繊工程Aと、
(b)乾式解繊された乾燥状態の解繊ファイバーに水溶性難燃剤の水溶液を添加する難燃剤水溶液添加工程Bと、
(c)熱硬化性樹脂系の接着剤(バインダー)(この実施形態ではイソシアネート系接着剤)を添加・混合するバインダー添加工程Cと、
(d)バインダー(イソシアネート系接着剤)が添加された混合原料を広げてマット状に成形する予備成形工程Dと、
(e)マット状の予備成形体の上下(表裏)両面側に、難燃剤を含有させた難燃シート状材料(難燃シート)を配設する難燃シート配設工程Eと、
(f)両面側に難燃シートが配設された予備成形体を、熱板により所定条件で熱圧締してボード状に成形する熱圧締工程(ホットプレス工程)Fと、
(g)ボード状に成形された成形体を養生し、最終製品(難燃性ボード)にまで仕上げる養生・製品仕上工程Gとを備えている。
【0042】
なお、本願発明においては、バインダーが不要の場合があり、その場合には、上記(c)のバインダー添加工程Cは省略されることになる。
また、予備成形体の表裏両面側に難燃シートを取り付けない場合には、上記(e)の難燃シート配設工程Eは省略されることになる。
【0043】
上記解繊工程Aは、表面が被覆紙により被覆された石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を乾式で解繊する工程であり、この工程で石膏付着紙片が十分解繊されてファイバー状になる。
なお、本願発明では、このとき、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する石膏(CaSO・2HO)の割合を、乾式基準で20〜40重量%の範囲とする。
【0044】
もし、石膏付着紙片を乾式解繊した解繊ファイバーに含まれる石膏(CaSO・2HO)の割合が、乾式基準で20〜40重量%の範囲に達しない場合には、石膏を解繊ファイバーに添加することにより、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する石膏(CaSO・2HO)の割合を、乾式基準で20〜40重量%の範囲に調整する。この場合、石膏ボードの分別処理の工程で回収した石膏を用いることにより、分別処理で回収した石膏を有効に利用することができて望ましい。ただし、別途用意した石膏を用いることも可能である。
【0045】
また、難燃剤水溶液添加工程Bは、乾式解繊された解繊ファイバーに、水溶性難燃剤の水溶液を添加する工程であり、この実施形態では、スルファミン酸グアニジン又は硫酸アンモニウムの水溶液を用いた。
なお、本願発明では、水溶性難燃剤は、その割合が、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)に対して、乾式基準で15〜30重量%となるように添加する。
また、水溶性難燃剤の水溶液は、熱圧締前の混合ボード原料中の全水分量が20〜50重量%となるように添加する。
なお、この難燃剤水溶液添加工程Bでは、乾燥状態にある解繊ファイバーに難燃剤水溶液が添加され、解繊ファイバーの細部にまで行き渡るように十分に混合される。
【0046】
また、バインダー添加工程Cは、熱硬化性樹脂系の接着剤として、イソシアネート系接着剤を添加、混合する工程である。なお、イソシアネート系接着剤としては、ここでは、ジフェニルメタンジイソシアネートを用い、表1及び表2に示すような割合で添加、混合した。
【0047】
また、予備成形工程Dは、水溶性難燃剤の水溶液、熱硬化性樹脂系の接着剤(イソシアネート系接着剤)が添加、混合された解繊ファイバーをマット状に予備的に成形する工程である。
【0048】
また、難燃シート配設工程Eは、マット状の予備成形体の上下(表裏)両面側に、難燃剤を含有させた難燃シートを配設する工程であり、この実施形態では、難燃シートとして、難燃剤(水酸化アルミニウム)を含有する熱硬化性樹脂(フェノール樹脂)含浸ラミネート紙を用いた。
【0049】
また、熱圧締工程(ホットプレス工程)Fは、両面側に難燃シートが配設されたマット状の予備成形体を、熱板により所定の条件で熱圧締してボード状に成形する工程である。
なお、この実施形態では、
(a)初期圧締圧力 : 2.0MPa
(b)加熱温度   : 185℃
(c)熱圧締時間  : 15分
の条件で熱圧締を行った。
【0050】
これにより、図2に示すように、表面が被覆紙により被覆された石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を解繊した解繊ファイバーと、水溶性難燃剤の水溶液と、イソシアネート系接着剤を所定の割合で含有するボード本体層1の表裏両面側に難燃シート2a,2bが配設された構造を有する、最終の仕上げ工程前のボード(難燃性ボード)3が形成される。
なお、難燃シートを配設する工程を省略した場合には、図2の難燃シート2a,2bが配設されていない構造のボードが形成されることになる。
【0051】
また、養生・製品仕上工程Gは、熱圧締工程Fで成形されたボードをプレカットし、冷却した後、養生し、その後、養生したボード(難燃性ボード)を切断、トリミングして、所定の寸法の最終製品(難燃性ボード)に仕上げる工程である。
【0052】
表1及び表2に、難燃シートの使用の有無、石膏を含んだ解繊ファイバーの含有率、水溶性難燃剤の種類、添加量、バインダー(イソシアネート系接着剤)の添加量、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する石膏(CaSO・2HO)の割合、ボード厚みなどの条件を変化させて作製した難燃性ボードについて調べた難燃性(10分間が経過するまでの総発熱量)、曲げ強度、密度などの特性の測定結果を示す。
【0053】
【表1】
Figure 2004122722
【0054】
【表2】
Figure 2004122722
【0055】
なお、各原料の割合(添加量)は、いずれも、熱圧締工程前の段階における混合原料中の割合(乾式基準)である。すなわち、表1,2において、*1,*2,*3,*4,*5,*6はそれぞれ以下の通りである。
*1 難燃性ボード中の解繊ファイバーの割合(乾式基準)
*2 難燃性ボード中の石膏(CaSO・2HO)の割合(乾式基準)
*3 水溶性難燃剤のSGはスルファミン酸グアニジン,ASは硫酸アンモニウム(乾式基準)
*4 バインダーの添加量はイソシアネート系樹脂の添加量(乾式基準)
*5 熱圧締前の混合ボード原料中の全水分の割合(すなわち、上記*1,*2,*3,*4の合計値に全水分量を加えた値に対する水分量の割合(湿式基準の水分の百分率)
*6 曲げ強度は密度0.85に換算した値
表1及び2に示すように、本願発明の方法により製造された難燃性ボードは、10分間が経過するまでの総発熱量が小さく、十分な難燃性又は準難燃性を備えていることがわかる。これは、ボードが石膏を相当の割合で含有しているとともに、水溶性難燃剤の水溶液が解繊ファイバーの細部にまで達していることから、ボードに十分な難燃性が付与されることによるものである。
なお、表1,2には、バインダー(イソシアネート系接着剤)を添加した試料を示しているが、バインダー(イソシアネート系接着剤)を添加しない場合にも、特に大きな強度を必要としない用途には使用することが可能な難燃性ボードを得ることができる。
【0056】
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0057】
【発明の効果】
上述のように、本願発明(請求項1)の難燃性ボードの製造方法は、石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を乾式解繊した解繊ファイバー(主原料)に、水溶性難燃剤の水溶液を添加、混合した混合ボード原料をマット状に予備成形し、熱圧締して、密度0.8〜1.2g/cm、厚み6〜20mmのボードに成形するようにしているので、石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片と水溶性難燃剤から、効率よく難燃ボードを製造することが可能になる。すなわち、予備成形された混合ボード原料中では2水塩として存在する石膏が、熱圧締の工程で加熱されて1/2水塩となり、その後、成形されたボードの温度が低下する過程で周囲の水分を吸収・吸着して2水塩に戻ることにより硬化する。その結果、石膏の存在による難燃性と、石膏が硬化することによる機械的強度を備えた難燃性ボードを効率よく製造することができる。
【0058】
また、本願発明の難燃性ボードの製造方法(請求項2の発明)によれば、石膏付着紙片と水溶性難燃剤から難燃性ボードを製造することが可能であるが、請求項2の難燃性ボードの製造方法のように、さらに熱硬化性樹脂系の接着剤を添加、混合して混合ボード原料を調製し、これをマット状に予備成形した後、熱圧締して、密度0.8〜1.2g/cm、厚み6〜20mmのボードに成形することにより、機械的強度がさらに大きく、用途の広い難燃性ボードを確実に製造することが可能になる。
【0059】
また、請求項3の難燃性ボードの製造方法のように、熱硬化性樹脂系の接着剤としてイソシアネー卜系接着剤を用い、熱圧締前の段階における混合原料中のイソシアネート系接着剤の割合が乾式基準で5〜15重量%となるようにイソシアネート系接着剤を添加し、160〜220℃に加熱された熱盤により熱圧締を行ってボードに成形することにより、曲げ強度などの機械的強度に優れた難燃性ボードを確実に、しかも効率よく製造することが可能になる。
【0060】
また、請求項4の難燃性ボードの製造方法のように、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する石膏(CaSO・2HO)の割合を、乾式基準で20〜40重量%の範囲とすることにより、特に他の難燃剤やバインダーを用いることなく、難燃性に優れ、しかも実用可能な強度を備えた難燃性ボードを効率よく製造することが可能になり、また、熱硬化性樹脂を併用する場合には、さらに機械的強度の大きい難燃性ボードを得ることができる。
【0061】
また、請求項5の難燃性ボードの製造方法のように、石膏付着紙片を乾式解繊した解繊ファイバーに含まれる石膏(CaSO・2HO)の割合が、乾式基準で20〜40重量%の範囲に達しない場合に、分別処理することにより回収される石膏を解繊ファイバーに添加することにより、別途石膏を用意することなく、分別処理した石膏ボードからの回収石膏を有意義に利用することが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
【0062】
また、請求項6の難燃性ボードの製造方法のように、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する解繊ファイバー(紙)の割合が、乾式基準で60〜80重量%の範囲に達しない場合に、別途古紙を解繊した古紙解繊ファイバーを添加して、解繊ファイバー(紙)の割合を、乾式基準で60〜80重量%の範囲に調整することにより、原料である石膏付着紙片の組成に影響されることなく、所望の特性を備えた難燃性ボードを確実に製造することが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
【0063】
また、請求項7の難燃性ボードの製造方法のように、石膏付着紙片を乾式解繊した解繊ファイバーに、さらに、石膏(CaSO・2HO)及び/又は別途古紙を解繊した古紙解繊ファイバーを添加し、これに水溶性難燃剤の水溶液を添加、混合して混合ボード原料を調製するようにした場合、石膏と解繊ファイバー(紙)の割合を容易に調整することが可能になるとともに、原料である石膏付着紙片の供給量に制約されることなく、難燃性ボードの生産量調整の自由度を向上させることが可能になり、有意義である。
【0064】
また、請求項8の難燃性ボードの製造方法のように、水溶性難燃剤の割合を、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)に対して、乾式基準で15〜30重量%とすることにより、十分な難燃性を備えた信頼性の高い難燃性ボードを得ることができるようになる。
【0065】
また、請求項9の難燃性ボードの製造方法のように、水溶性難燃剤の水溶液を、熱圧締前の混合ボード原料中の全水分量が25〜45重量%となるように添加することにより、混合ボード原料中の石膏が、熱圧締の工程で加熱されて1/2水塩となった後、温度が低下する過程で周囲の水分を吸着して2水塩に戻ることによる硬化反応を十分に行わせることが可能になるとともに、熱硬化性樹脂系の接着剤としてイソシアネー卜系接着剤を用いる場合に、硬化反応に必要な水を供給して反応を確実に行わせることが可能になり、機械的強度が大きく、用途の広い難燃性ボードを確実に製造することができる。
【0066】
また、請求項10の難燃性ボードの製造方法のように、水溶性難燃剤として、常温で水に対して30重量%以上の高い溶解度を有する物質を主成分とするものを用いることにより、熱圧締に供されるべき混合ボード原料中に含まれる水分が多くなりすぎることを抑制して、熱圧締工程における多量の水分の蒸発による爆裂の発生を防止して、効率よく難燃性ボードを製造することが可能になる。
【0067】
また、請求項11の難燃性ボードの製造方法のように、水溶性難燃剤として、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、硫酸アンモニウム、及びリン酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることにより、十分な難燃性を備えた難燃性ボードをより確実に得ることが可能になる。
【0068】
また、請求項12の難燃性ボードの製造方法のように、マット状の予備成形体の表面に、熱硬化性樹脂を含浸させた、難燃剤含有ラミネート紙を配設し、マット状の予備成形体と同時に、一体に熱圧締することにより、表面に十分な難燃性を付与することが可能になるとともに、機械的強度などの基本的特性や、耐水性、耐湿性などの特性を向上させることが可能になる。
【0069】
また、請求項13の難燃性ボードの製造方法のように、難燃剤含有ラミネート紙として、含浸熱硬化性樹脂がフェノール系樹脂を主成分とし、難燃剤が水酸化アルミニウムを主成分とするものを用いることにより、表面に確実に難燃性を付与することが可能になるとともに、機械的強度などの基本的特性や、耐水性、耐湿性などの特性を十分に向上させることが可能になる。
【0070】
また、本願発明(請求項14)の難燃性ボードは、請求項1,3〜11の難燃性ボードの製造方法により製造されたものであって、石膏付着紙片を解繊した解繊ファイバーを主成分とし、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する石膏(CaSO・2HO)の割合を、乾式基準で20〜40重量%の範囲とし、水溶性難燃剤の割合を、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)に対して、乾式基準で15〜30重量%の範囲としているので、十分な難燃性を備えており、従来の古紙ボードでは用いることができなかったような難燃性あるいは不燃性が要求される用途に広く用いることができる。
【0071】
また、本願発明(請求項15)の難燃性ボードは、本願請求項14の難燃性ボードにさらに、熱硬化性樹脂系の接着剤を5〜15重量%の範囲で含有させているので、十分な機械的強度を備えた実用性及び信頼性の高い難燃性ボードを提供することができる。
【0072】
また、請求項16の難燃性ボードのように、表面に難燃剤と熱硬化性樹脂を含有する難燃シート状材料が一体に配設された構造とすることにより、表面に十分な難燃性を付与することが可能になるとともに、機械的強度などの基本的特性や、耐水性、耐湿性などの特性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態にかかる難燃性ボードの製造方法を示すフローシートである。
【図2】本願発明の一実施形態にかかる古紙ボードの製造方法において形成された最終の仕上げ工程前のボード(難燃性ボード)を示す図である。
【符号の説明】
1      ボード本体層
2a,2b  難燃シート
3      最終の仕上げ工程前の難燃性ボード
A      解繊工程
B      難燃剤水溶液添加工程
C      バインダー添加工程
D      予備成形工程
E      難燃シート配設工程
F      熱圧締工程(ホットプレス工程)
G      養生・製品仕上工程

Claims (16)

  1. 表面が被覆紙により被覆された石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を乾式解繊した解繊ファイバーに、水溶性難燃剤の水溶液を添加、混合して混合ボード原料を調製する工程と、
    解繊ファイバーに水溶性難燃剤の水溶液を添加、混合して調製した混合ボード原料をマット状に予備成形した後、熱圧締することにより、密度0.8〜1.2g/cm、厚み6〜20mmのボードに成形する工程と
    を具備することを特徴とする難燃性ボードの製造方法。
  2. 表面が被覆紙により被覆された石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を乾式解繊した解繊ファイバーに、水溶性難燃剤の水溶液及び熱硬化性樹脂系の接着剤を添加、混合して混合ボード原料を調製する工程と、
    解繊ファイバーに水溶性難燃剤の水溶液及び熱硬化性樹脂系の接着剤を添加、混合して調製した混合ボード原料をマット状に予備成形した後、熱圧締することにより、密度0.8〜1.2g/cm、厚み6〜20mmのボードに成形する工程と
    を具備することを特徴とする難燃性ボードの製造方法。
  3. 前記熱硬化性樹脂系の接着剤としてイソシアネー卜系接着剤を用い、熱圧締前の段階における混合原料中のイソシアネート系接着剤の割合が、乾式基準で5〜15重量%となるようにイソシアネート系接着剤を添加し、160〜220℃に加熱された熱盤により熱圧締を行ってボードに成形することを特徴とする請求項2記載の難燃性ボードの製造方法。
  4. 付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する石膏(CaSO・2HO)の割合を、乾式基準で20〜40重量%の範囲とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性ボードの製造方法。
  5. 石膏付着紙片を乾式解繊した解繊ファイバーに含まれる石膏(CaSO・2HO)の割合が、乾式基準で20〜40重量%の範囲に達しない場合に、前記石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏を前記解繊ファイバーに添加して、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する石膏(CaSO・2HO)の割合を、乾式基準で20〜40重量%の範囲に調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性ボードの製造方法。
  6. 付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する解繊ファイバー(紙)の割合が、乾式基準で60〜80重量%の範囲に達しない場合に、別途古紙を解繊した古紙解繊ファイバーを添加して、解繊ファイバー(紙)の割合を、乾式基準で60〜80重量%の範囲に調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性ボードの製造方法。
  7. 表面が被覆紙により被覆された石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を乾式解繊した解繊ファイバーに、さらに、石膏(CaSO・2HO)及び/又は別途古紙を解繊した古紙解繊ファイバーを、石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する解繊ファイバー(紙)の割合が、乾式基準で60〜80重量%の割合になるように添加し、これに水溶性難燃剤の水溶液を添加、混合して混合ボード原料を調製することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性ボードの製造方法。
  8. 前記水溶性難燃剤の割合が、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)に対して、乾式基準で15〜30重量%となるように、前記水溶性難燃剤の水溶液を添加することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の難燃性ボードの製造方法。
  9. 前記水溶性難燃剤の水溶液を、熱圧締前の混合ボード原料中の全水分量が25〜45重量%となるように添加することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の難燃性ボードの製造方法。
  10. 前記水溶性難燃剤が、常温で水に対して30重量%以上の溶解度を有する物質を主成分とするものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の難燃性ボードの製造方法。
  11. 前記水溶性難燃剤がスルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、硫酸アンモニウム、及びリン酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の難燃性ボードの製造方法。
  12. 前記マット状の予備成形体の表面に、熱硬化性樹脂を含浸させた、難燃剤含有ラミネート紙を配設し、マット状の予備成形体と同時に、一体に熱圧締することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の難燃性ボードの製造方法。
  13. 前記ラミネート紙の含浸熱硬化性樹脂がフェノール系樹脂を主成分とし、難燃剤が水酸化アルミニウムを主成分とするものであることを特徴とする請求項12記載の難燃性ボードの製造方法。
  14. 請求項1,3〜11の難燃性ボードの製造方法により製造された難燃性ボードであって、
    (a)石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を解繊した解繊ファイバーを主成分とし、
    (b)付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する石膏(CaSO・2HO)の割合が、乾式基準で20〜40重量%の範囲にあり、
    (c)水溶性難燃剤の割合が、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)に対して、乾式基準で15〜30重量%の範囲にあること
    を特徴とする難燃性ボード。
  15. 請求項2〜11の難燃性ボードの製造方法により製造された難燃性ボードであって、
    (a)石膏ボードを分別処理することにより回収される石膏付着紙片を解繊した解繊ファイバーを主成分とし、
    (b)付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)と石膏(CaSO・2HO)の合計量に対する石膏(CaSO・2HO)の割合が、乾式基準で20〜40重量%の範囲にあり、
    (c)水溶性難燃剤の割合が、付着石膏を除いた解繊ファイバー(紙)に対して、乾式基準で15〜30重量%の範囲にあり、
    (d)熱硬化性樹脂系の接着剤の割合が、乾式基準で5〜15重量%の範囲にあること
    を特徴とする難燃性ボード。
  16. 請求項12又は13記載の方法により製造され、表面に難燃剤と熱硬化性樹脂を含有する難燃シート状材料が一体に配設されていることを特徴とする難燃性ボード。
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