JP2004119955A - 高機能撮像素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】端面効果の緩和、および各チップとパッケージの間の電気的接合のためのボンディング方法の改善、およびより高機能のSOC型撮像素子を実現するために、高知能処理回路に、より多くの面積を割り当てるとともに、各チップの形状を正方形に近い形状とし、接合前の各チップのそりを最小限に抑える。
【解決手段】複数のチップを少しずつずらしながら重ね、各チップの表面にあって、ずれていなければ上のチップで覆われていた部分で、ずれたために露出した表面の端部に位置する細長い面に画素配列122を備え、各チップの端面の一つであって下のチップの画素が露出する側の端面111と該チップ表面のなす角度が90度未満であるとともに、該90度未満の角度をなす端面から最速距離にある画素行上の各画素の受光面積が他の画素の受光面積より大きいことを特徴とする撮像素子。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高性能の高速ビデオカメラや、ロボット・ビジョンなどの高い知的機能を有する撮影装置を提供する。
【0002】
【従来の技術】
本発明は、図1に示すような棚田型撮像素子100に関するものである。
棚田型撮像素子は、複数の撮像機能を有するチップ101をずらしながら重ね、ずれて現れた細長い面102に画素配列を作ったものである。
【0003】
棚田型撮像素子は、本発明の発明者が発明したもので、以前はシングル・センサーと呼んでいた(特願2000−018766、出願00901932.4、公開番号EP1094522A1、米国特許出願番号09/647219)。シングル(Shingle)とは、屋根瓦や壁のようにずらしながら重ねた構造を意味する。本発明にあたり、よりわかりやすい表現として、「棚田型撮像素子(英語ではTerraced Image Sensor)」と呼ぶことにした。
【0004】
このセンサーの各チップ101は、例えば図2のような要素で構成される。すなわち、ずれて現われる細長い面102に、20ミクロン四方のフォトダイオード・アレイ103が100行×400列作られている。図では4行×24列で示している。
【0005】
フォトダイオード・アレイの下には広い領域104が残されており、ここにADコンバータ・アレイ105、バッファ・メモリー106、高知能回路107、読み出し回路108、入出力端子部109が備えられている。
【0006】
これまで非常に多くの高知能回路が試作されてきたが、ほとんどは1チップ上に、フォトダイオード等のセンサー面と、画像情報処理機能を組み入れたもので、少しでも複雑な機能を組み入れようとすると、画像情報処理機能が広い面積を占め、フォトダイオード配列の面積、すなわちフォトダイオードの数が減って、空間解像力が落ちるという競合関係が大きな問題となっていた。
【0007】
この問題を解決する方法として、図3に示すように、複数のチップを積み重
ね、最上部のチップにフォトダイオード・アレイ103のみを作りこみ、その下のチップにADコンバータ・アレイ105を作りこみ、さらにその下にバッファー・メモリーを乗せたチップ106や、高知能回路を乗せたチップ107を置いて、上下のチップの間で、情報伝達のためのコンタクトを取る技術が研究されてきた。しかし、最上面のチップ上の多数の微細な画素の各々から、ノイズをほとんど発生させないで、すぐADコンバータの乗ったチップに情報を伝達するという技術は、いまだに実用化されていない。
【0008】
個々のフォトダイオードで発生する画像信号は、電子の数にして数10個からせいぜい数万個程度であり、この程度のレベルのノイズは、ほんの少しの原因があればただちに発生する。
【0009】
AD変換でデジタル信号に変わればノイズには強い。図2に示す本発明の各チップ101上では、チップ外に画像信号を読み出す前に、AD変換し、かつ画像情報を十分圧縮してからチップ外に読み出すので、このような問題は生じない。
【0010】
図1に示す棚田型撮像素子の表面は文字通り「棚田」のように段々になっており、平面ではない。このため2枚のチップの境界の段差の直下の画素(下のチップ上)と直上の画素(上のチップ上)に入射する光の条件が変わり、再生画像上で境目が見える。このような効果を総称して「段差効果」と呼ぶことにする。
【0011】
段差効果の一つは、上のチップと下のチップの間に生じる焦点のずれである。これを「段差効果」のうちの「焦点効果」と呼ぶことにする。焦点効果を解決する方法として、本発明の発明者により、2つの方法が発明されている(特願2000−018766、出願00901932.4、公開番号EP1094522A1、米国特許出願番号09/647219)。
【0012】
一つは図4に示すように、各チップ101の厚さを十分薄くし、これらをずらしながら重ねて作った棚田型撮像素子100を光軸に対して直角ではなく、少し斜めに置く方法である。受光面144は全表面の一部となっていて、各チップの受光面102の4倍の面積となっている。一番上のチップの大部分が露出しているが、受光面以外は遮光膜で覆われている。また図4では各チップの画素側の端面111が90度より小さい角度に切り込まれているが、従来技術ではこの角度は90度であった。図4をあとで本発明の説明においても使うので鋭角で切り込んだ構造を示している。
【0013】
他の一つは図5に示すように、ガラス・ファイバーを束ねて作ったファイバー・ガラス141の上面142を平面に、下面143を階段状にして、その下に棚田型撮像素子の各チップを詰めて重ねれば、結像面はファイバー・ガラスの上面であるから平面となる。当然第一の方法の方が単純な構造となるので、以下ではこの方法に限って説明する。
【0014】
図4でまず単純に各チップを50ミクロン程度に薄くし、重ねたのち、各階段の中点を結ぶ線が結像面110になるようにやや斜めに置く。こうすると焦点のずれはチップの厚さの1/2の25ミクロンとなる。焦点深度は(2x画素サイズx光学系のF値)で表されるから、絞りを開放にしてF1.4にしたとしても、画素サイズが20ミクロンであれば焦点深度は56ミクロンとなり、段差による焦点のズレは無視できる。とくに絞りを少しでも絞ればこの問題は無視できる。
【0015】
ずれて重なっていることによって生じる問題は焦点のズレの問題だけではない。図6に示す例では、図7の拡大図に示すように図上ではレンズ112の左側から端面111に入射する光113は端面で乱反射し下のチップの画素122、123に入射する。したがって、一番下の画素上の左端のチップ123から上方に伸ばした線と一番上の画素上の右端のチップ122から上方に伸ばした線を結ぶ矢印が結像範囲149を示している。図7上では右から入射する光114は、上のチップに入射するため端面直下の画素122には届かない。このような効果を「端面効果」と名付ける。このように端面効果には「端面反射効果」と「端面遮蔽効果」の二つがある。
【0016】
次に各チップに電気信号を送ったり、各チップから圧縮後の画像情報を取り出すためのボンディング・ワイヤをどのように結合するかという問題が生じる。
【0017】
すなわち、各チップの表面はほとんど上のチップで覆われており、ボンディング・ワイヤを差し入れる隙間がない。既存の発明では、高さのある線のかわりに、薄い金属膜を短冊状にして使う方法と、各チップの端部にチップの裏まで貫通する複数個の穴を開け、それを通して、チップ表面から裏面に配線をし、チップ裏面のコンタクト・ポイントと、パッケージ表面のコンタクト・ポイントを圧着により接合する方法や、各チップを横に張り出すようにしてボンディングのためのスペースを確保する方法が使われた(特願2000−018766、出願00901932.4、公開番号EP1094522A1、米国特許出願番号09/647219)。より簡便な方法の開発が望まれていた。
【0018】
さらに実際に棚田型撮像素子の設計において、チップをずらすことによって生じた面のほとんどを、画素だけで覆うと、他の回路との間の線の引き回しや、信号転送が難しくなる場合がある。
【0019】
近年はチップ上に色々な機能を組み入れて、システム全体を簡素化するSOC(システム・オン・チップ)が大きな技術的課題となってきた。棚田型撮像素子はもともとSOCを志向した撮像素子である。棚田型撮像素子においても、ずらして表面に現れた部分に、画素配列だけを作り込むことにすると、より高機能なSOC型棚田型撮像素子を実現しようとするとき、高知能処理回路の占める面積が大きくなり、チップ全体の長さが長くなる。
【0020】
チップ長が長くなることは、棚田型撮像素子の実装上大きな問題となる。すなわち棚田型撮像素子では段差効果をできるだけ小さくするために、各チップの厚さをできるだけ薄くする必要がある。チップを薄くすると、たとえシリコン単結晶といえどもそりが生じる。厚さ50ミクロン以下で長さ1cmにもなると、ミリメートル単位のそりが生じる。これはノイズの増加や実装時のチップの破損の原因となる。
【0021】
チップの面積が同じであれば、幅が小さいほどチップは長くなる。できるだけそりを小さくするには棚田型撮像素子の各チップは正方形に近い形状とし、チップの幅と長さの大きい方をできるだけ小さくすることが望まれる。
【0022】
また各チップが長いと、複数枚重ねたときの撮像素子全体の長さがさらに長くなり、カメラへの装着に支障をきたす場合がある。
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
端面効果の緩和、および各チップとパッケージの間の電気的接合のためのボンディング方法の改善、およびより高機能のSOC型撮像素子を実現するために、高知能処理回路に、より多くの面積を割り当てるとともに、各チップの形状を正方形に近い形状とし、接合前の各チップのそりを最小限に抑える。
【本発明による課題解決の手段】
【0024】
複数のチップを少しずつずらしながら重ね、各チップの表面にあって、ずれていなければ上のチップで覆われていた部分で、ずれたために露出した表面の端部に位置する細長い面に画素配列を備え、
各チップの端面の一つであって下のチップの画素が露出する側の端面と該チップ表面のなす角度が90度未満であるとともに、該90度未満の角度をなす端面から最遠距離にある画素行上の各画素の受光面積が他の画素の受光面積より大きいことを特徴とする撮像素子を提供することにより、
端面反射効果を無くし、遮蔽効果を軽減した棚田型撮像素子を提供する。
【0025】
複数のチップを少しずつずらしながら重ね、各チップの表面にあって、ずれていなければ上のチップで覆われていた部分で、ずれたために露出した表面の端部に位置する細長い面に画素配列を備え、
各チップの端面の一つであって下のチップの画素が露出する側の端面が鏡面となっていることを特徴とする撮像素子により、
遮蔽効果によって段差直下の画素への入射光が減少する効果を補った、画素ごとの感度特性がより一様な棚田型撮像素子を提供する。
【0026】
複数のチップを少しずつずらしながら重ね、各チップの表面にあって、ずれていなければ上のチップで覆われていた部分で、ずれたために露出した表面の端部に位置する細長い面に画素配列を備える撮像素子と、レンズ系を備えるとともに、
撮像素子の画素中心とレンズ系の光軸とがずれていることを特徴とする撮影装置によって、
遮蔽効果によって段差直下の画素への入射光が減少する効果を完全に補った棚田型撮像素子を提供する。
【0027】
複数のチップを少しずつずらしながら重ね、各チップの表面にあって、ずれていなければ上のチップで覆われていた部分で、ずれたために露出した表面の端部に位置する細長い面に画素配列を備える撮像素子を備えるとともに、
1枚撮影するごとに撮像素子への入射光の光軸を変化させる手段とを備える撮影装置により、
端面効果をほぼ完全に無くした棚田型撮像素子を提供する。
【0028】
複数のチップを少しずつずらしながら重ね、各チップの表面にあって、ずれていなければ上のチップで覆われていた部分で、ずれたために露出した表面の端部に位置する細長い面に画素配列を備え、各チップに外部から接続する複数のボンディング・ワイヤが該チップ上の異なる点に接続するための、小さな面積を持つ複数のボンディング・パッドを備える撮像素子であって、
ボンディング・パッドの少なくとも1個が撮像素子の表面より、低い位置にあることを特徴とする撮像素子により、
新しい技術や高度な技術を使うことなくボンディング・ワイヤをチップとチップの接合面からパッケージまで引き出す空間を確保することができる。
【0029】
複数のチップを少しずつずらしながら重ね、各チップの表面にあって、ずれていなければ上のチップで覆われていた部分で、ずれたために露出した表面の端部に位置する細長い面に画素配列を備え、各チップに外部から接続する複数のボンディング・ワイヤが該チップ上の異なる点に接続するための、小さな面積を持つ複数のボンディング・パッドを備える撮像素子であって、
ボンディング・パッドの少なくとも1個の位置に、上から覆いかぶさるチップの下面が他の部分よりも高い位置にあることを特徴とする撮像素子により、
高度な技術を使うことなく、ボンディング・ワイヤをチップの表面を通って、チップとチップの接合面からパッケージまで引き出すことができる。
【0030】
複数のチップを少しずつずらしながら重ね、各チップの表面にあって、ずれていなければ上のチップで覆われていた部分で、ずれたために露出した表面の端部に位置する細長い面に画素配列と、
信号の記録回路もしくは処理回路の一部、もしくはその両方を備え、さらに上のチップで覆われている面に、信号の記録回路もしくは処理回路、もしくはその両方の大部分を備えることを特徴とする撮像素子により、
組み込む高知能回路が多くなるとき、各チップの形状を著しく長くすることなく、正方形に近い形状にして、同一チップ面積であれば、薄膜化したときのチップのそりを最小限に押さえ、段差効果の小さい棚田型撮像素子を提供することができる。
【0031】
以上の方法により、現在の撮像素子の製造技術により、極めて高機能の撮像素子を作ることができる。またこの撮像素子に適した光学系と制御系を組み合わせることにより、非常に高い機能の撮影装置を提供する。
【発明の実施の形態】
【0032】
図8は本発明の第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態の撮影装置全体の構成を示している。ただし、第1実施形態および第2実施形態では図8中の点線で示した斜めに置かれた電気光学効果の大きい透明材料137やその制御透明電極145、制御手段146は装着されていない。
【0033】
レンズ112から入射した光は棚田型撮像素子100の結像面110上に結像し、受光面144で電子に変換される。棚田型撮像素子上で画像情報が近接する数10画素単位で局所処理され、よりコンパクトで有用な情報に圧縮された後、読み出し線115を通じてマイクロ・コンピュータ116に読み込まれる。実際には読み出し線は複数の線からなるが図では1本で表している。ここで局所情報は結合され視野全体をカバーする一組の情報にまとめられた後、メイン・コンピュータ117に転送される。撮像素子を制御するとともに、マイクロ・コンピュータ、メイン・コンピュータなどの間の同期や情報のやり取りを制御するために、制御部118が備えられている。制御部から撮像素子へは、撮像素子操作のための制御電圧などを送る複数の入力線119を通じて必要な電気信号が送られる。
【0034】
メイン・コンピュータでは、取りまとめられた画像情報を記録・保存するとともに、映像として再構成し、モニター・ディスプレイ120上で再生したり、さらにコンパクトでわかりやすい情報に加工してモニター・ディスプレイ上で表示したり、キー・ボード121から入力された撮影条件、再生条件などに関する指示に応じて、制御部、マイクロ・コンピュータなどに指示を送る。
【0035】
このセンサーの各チップ101は、図2に示す要素で構成されている。すなわち、ずれて現われる細長い面102に、20ミクロン四方のフォトダイオード・アレイ103が100行×400列作られている。図には4行×24列で示されている。すなわちこの部分の面積は2mm×8mmである。このチップをずらして4枚重ね400x400画素の撮像素子となっている。したがって受光面の面積は8mmx8mmである。
【0036】
フォトダイオード・アレイの下には広い領域104が残されており、ここにADコンバータ105、バッファ・メモリー106、高知能回路107、読み出し回路108、入出力端子部109が備えられている。
【0037】
図9は本発明の第1実施形態になる棚田型撮像素子とレンズの位置関係を示している。また図10は本発明の端面付近の拡大図を示している。図4はパッケージングを示している。パッケージの上面も段差になっている。パッケージ全体139はカバーガラスで覆われている。本発明の端面は直角から見て60度傾斜している。また端面直下の画素122の長さは、他の一般の画素123の長さの2倍となっている。図10で示されるように端面直下の画素122の半分は端面のひさし124の下まで入り込んでいる。
【0038】
本撮像素子は4枚のチップを重ねて作られている。したがって図9に示すように段差は3箇所125、126、127となる。最も左側の段差125の位置がレンズの光軸128の少し左側に位置している。
【0039】
これにより3箇所の段差のうち、最も左側の段差125の直下の画素122には、レンズの左半分を通過した光が入射する。すなわち60度の切込みを入れ、画素の長さを2倍にしていないとすれば、この画素への入射光量は本来入射するはずの光量の約1/2になっている。
【0040】
図9の棚田型撮像素子の結像面110の中心位置は4枚のチップの画素の中心、すなわち2断目の段差126の位置にあるので、レンズの光軸128と撮像素子の受光面の中心位置126とはずれている。
【0041】
図7ではレンズを通って端面の左側から直角な端面に入射する光113は、端面で乱反射する。それに対して、本発明になる図10では端面が切り込まれていることにより、端面の左側から入射する光131は端面で乱反射せず、端面直下の画素122のひさし124の下まで伸びている部分に入射する。これにより、端面直下の画素に入射する光量は2倍となる。
【0042】
以上により、遮蔽効果により入射光量が1/2になる効果と、段差の切り込みと段差直下の画素の長さを2倍にする効果が相殺して、段差直下の画素に入射する光量は本来この画素の位置に入射する光量とほぼ等しくなる。
【0043】
実際には図10において、レンズの光軸の少し右から入射する光132も段差直下の画素122に入射するので、この段差の位置と光軸の位置が完全に一致していれば段差直下の画素122に入射する光量は、本来入射する光量の2倍以上になる。したがってこの段差の位置はレンズの光軸より少し左に位置している。
【0044】
図9において、第2の段差126、第3の段差127に入射する光量は、段差直下の画素の長さが長く、かつこの位置では段差の遮蔽効果が小さいため、本来入射する光量より大きくなる。したがって、これらの段差直下の画素の一部は右側から伸びる遮光膜(図には描いていない)で遮光され、入射光量が本来入射する光量にちょうど一致するようになっている。
【第2実施形態】
【0045】
図11は、本発明の第2実施形態の段差部分の拡大図を示している。端面を切り込んで端面反射を防ぎ、段差直下の画素サイズを大きくして遮蔽効果を緩和するかわりに、端面を鏡面134として、端面での反射光が段差直下の画素135に入射するようにしている。
【0046】
この場合、図9の第2段差126、第3段差127においては端面反射によりこれらの段差の直下の画素に本来入射する光量よりも多い光量が入射する。したがって端面の鏡面を完全反射でなく、部分反射としている。
【0047】
このために、図11に示すように、鏡面仕上げしたのち、端面の鏡面134の上部を遮光膜135で完全遮蔽している。
【0048】
端面の鏡面全体に部分透過膜を乗せても良い。また端面は鏡面とし、段差直下の画素の上部に部分透過膜を乗せても良い。
【第3実施形態】
【0049】
図8において第3実施形態が、第一実施形態および第2実施形態と異なる点は、レンズ112と棚田型撮像素子100の間に、斜めに置かれた電気光学効果の大きい透明体137を備えている点である。電気光学効果の大きい透明体に加える電界を変えることにより、結像面が左右に動く。この場合左右とは、段差の方向と直角方向を意味する。1MHzで結像面を左右に振ることができる。
【0050】
また電界を付加するための透明電極145および電界制御手段146を備えている。
【0051】
この実施形態では段差直下には画素は作らない。したがって4枚のチップを並べたとき、3つの段差の部分では各1行づつ、画像信号が得られない。
【0052】
撮影時に1枚撮影するごとに、画素への入射光の方向を1画素づつ左右に振る。撮影された画像に撮影された順に番号を付ける。そうすると、奇数番号の画像で画像が抜けていた画素列は、偶数番号では画像が映っている。偶数番号の画像で画像が抜けていた画素列は、奇数番号では画像が映っている。画像の再生時に、奇数番号の画像で抜けている画素列は、前後の偶数番号の画素の画像信号の平均値を入れて補う。偶数番号の画像で抜けている画素列は、前後の奇数番号の画素の画像信号の平均値を入れて補う。
【0053】
また図12に示した第3実施形態のチップでは、画素配列のとなりにADコンバーター105とバッファ・メモリー106がある。この部分はずれて表面に現れているが、遮光されている。ADコンバータとバッファ・メモリーの領域のサイズは2mmx8mmである。上のチップで覆われた部分には高知能信号処理部107、チップ外への読み出し回路108、入出力端子部109が組み込まれている。
【0054】
ずれて表面に現れた部分に画素配列だけを作る場合は、高知能処理機能を大きくするほど、高知能処理部の面積が大きくなり、チップの幅に対する長さがより大きくなる。
【0055】
図12に示した本実施例では、各チップの形状が正方形に近い形状になり、チップのそりが小さくなる。また4枚重ねたときの棚田型撮像素子の長さも極端には長くならないので、カメラへの装着にも便利である。
【0056】
蓄積部または処理回路の一部を画素中に組み入れても良い。
【0057】
図13は実施形態1の棚田型撮像素子とパッケージを電気的に結合するボンディング・ワイヤの引き出しの方法を示している。
【0058】
図13に示すように、チップ上のボンディング・パッド150の部分をあらかじめ低く凹地151にしておき、そこからチップの端に向けてボンディング・ワイヤ152の通る溝を作っておけば、上下のチップを隙間なく直接重ねることができる。これにより,チップ上のボンディング・パッド150とパッケージ上のボンディング148を容易に結線することができる。
【0059】
図14は、各チップの上面ではなく、下面に、下に置かれるチップのボンディングのための凹地を作ったものである。
【0060】
効果はチップ表面に凹部を作った場合と同じである。
【0060】
段差効果により画像上に現れる境界線を消すには、本発明によるハードな方法と、画像処理におるソフトな方法とを併用する。
【0061】
また棚田型撮像素子は1個で使う必要はない。複数の棚田型撮像素子や、他のセンサーとネットワークで結び、多量の画像情報を得て、集中処理することにより、より高度な認識装置となる。
【0062】
また棚田型撮像素子の信号処理は、アナログまたはデジタルまたはアナログ・デジタル混合型であっても良い
【0063】
また各チップ上で、画素が先端まで作りこまれる端面の切り込み角度は60度とは限らない。結晶のへき開方向に沿う角度にし、その性質を利用して切り離しても良い。
【発明の効果】
複数の撮像素子チップを、横に少しづつずらしながら重ね、ずれて現われた細長い表面にフォトダイオード配列を乗せる。上のチップで覆われた残りの広い面に、基本的な画像処理回路を乗せる。このような棚田型撮像素子の、各チップ上で基本処理された画像信号を各チップから出力し、外部のマイクロコンピュータで統合処理することにより、高速でコンパクトな高知能画像処理システムを作ることができる。ずれ重ね部の段差によって画像中に現われる境界線を、各チップの端部を90度以下の角度で切り込む、あるいは鏡面仕上げするとともに、棚田型撮像素子の画像中心とレンズの光軸をずらすことにより、最少限に抑えることができる。また各チップからの線の引き出し部をチップ表面から下げることにより、上下に重なったチップ面からのボンディング・ワイヤの引き出しを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】棚田型撮像素子の概念
【図2】棚田型撮像素子のチップの平面図
【図3】単純積層型撮像素子
【図4】少し斜めに置いた棚田型撮像素子
【図5】底面画階段状になったファイバーガラスを乗せた棚田型撮像素子
【図6】端面効果の説明図
【図7】端面反射効果の説明図
【図8】第1実施形態の構成図
【図9】レンズと第1実施形態の撮像素子の関係
【図10】遮蔽効果の説明図
【図11】第2実施形態の段差部分の拡大図
【図12】第3実施形態の拡大図
【図13】ボンディングワイヤの引き出し方法(チップ表面凹部を作る場合)
【図14】ボンディングワイヤの引き出し方法(チップ表面凸部を作る場合)
【符号の説明】
100 棚田型撮像素子
101 チップ
102 ずれて現われる面
103 フォトダイオードアレー
104 かぶっている面
105 ADコンバータアレー
106 バッファメモリー
107 高知能回路
108 チップ外への読み出し回路
109 入出力端子部
110 斜めにした場合の結像面
111 端面
112 レンズ
113 端面にレンズの左側から入射して乱反射する光
114 端面にレンズの右側から入射して乱反射する光
115 棚田型撮像素子からの読み出し線
116 マイクロコンピュータ
117 メインコンピュータ
118 制御部
119 制御部から信号を送る複数の入力線
120 モニターディスプレー
121 キーボード
122 端面直下の画素
123 一般の画素
124 端面のひさし
125 段差1
126 段差2
127 段差3
128 レンズの光軸
129 棚田型撮像素子の受光面の中心位置
130 直角の端面
131 レンズから端面に向かって入射する光
132 レンズの光軸の少し右から入射する光
133 鏡面の遮光幕
134 鏡面の端面
135 鏡面の端面直下の画素
137 複屈折結晶
138 複屈折結晶を通った光の撮像素子への入射方向
139 パッケージ
140 カバーガラス
141 ファイバーガラス
142 ファイバーガラスの上面
143 ファイバーガラスの下面
144 受光面
145 複屈折結晶に電界を付加する電極
146 電界制御装置
147 偏光版
148 パッケージ上のボンディングパッド
149 結像範囲
150 チップ上のボンディングパッド
151 ボンディングパッド周辺の凹部

Claims (8)

  1. 複数のチップを少しずつずらしながら重ね、各チップの表面にあって、ずれていなければ上のチップで覆われていた部分で、ずれたために露出した表面の端部に位置する細長い面に画素配列を備え、
    各チップの端面の一つであって下のチップの画素が露出する側の端面と該チップ表面のなす角度が90度未満であるとともに、該90度未満の角度をなす端面から最遠距離にある画素行上の各画素の受光面積が他の画素の受光面積より大きいことを特徴とする撮像素子。
  2. 複数のチップを少しずつずらしながら重ね、各チップの表面にあって、ずれていなければ上のチップで覆われていた部分で、ずれたために露出した表面の端部に位置する細長い面に画素配列を備え、
    各チップの端面の一つであって下のチップの画素が露出する側の端面が鏡面となっていることを特徴とする撮像素子。
  3. 複数のチップを少しずつずらしながら重ね、各チップの表面にあって、ずれていなければ上のチップで覆われていた部分で、ずれたために露出した表面の端部に位置する細長い面に画素配列を備える撮像素子と、レンズ系を備えるとともに、
    撮像素子の画素中心とレンズ系の光軸とがずれていることを特徴とする撮影装置。
  4. 複数のチップを少しずつずらしながら重ね、各チップの表面にあって、ずれていなければ上のチップで覆われていた部分で、ずれたために露出した表面の端部に位置する細長い面に画素配列を備える撮像素子を備えるとともに、
    1枚撮影するごとに撮像素子への入射光の光軸を変化させる手段とを備える撮影装置。
  5. 複数のチップを少しずつずらしながら重ね、各チップの表面にあって、ずれていなければ上のチップで覆われていた部分で、ずれたために露出した表面の端部に位置する細長い面に画素配列を備え、各チップに外部から接続する複数のボンディング・ワイヤが該チップ上の異なる点に接続するための、小さな面積を持つ複数のボンディング・パッドを備える撮像素子であって、
    ボンディング・パッドの少なくとも1個が撮像素子の表面より、低い位置にあることを特徴とする撮像素子。
  6. 複数のチップを少しずつずらしながら重ね、各チップの表面にあって、ずれていなければ上のチップで覆われていた部分で、ずれたために露出した表面の端部に位置する細長い面に画素配列を備え、各チップに外部から接続する複数のボンディング・ワイヤが該チップ上の異なる点に接続するための、小さな面積を持つ複数のボンディング・パッドを備える撮像素子であって、
    ボンディング・パッドの少なくとも1個の位置に、上から覆いかぶさるチップの下面が他の部分よりも高い位置にあることを特徴とする撮像素子。
  7. 複数のチップを少しずつずらしながら重ね、各チップの表面にあって、ずれていなければ上のチップで覆われていた部分で、ずれたために露出した表面の端部に位置する細長い面に画素配列と、
    信号の記録回路もしくは処理回路の一部、もしくはその両方を備え、さらに上のチップで覆われている面に、信号の記録回路もしくは処理回路、もしくはその両方の大部分を備えることを特徴とする撮像素子。
  8. 請求項1または請求項2または請求項5または請求項6または請求項7の少なくともいずれか一つの撮像素子を備える撮影装置。
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