JP2004119529A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリコン基板1上に素子分離絶縁膜2、ゲート電極3、ソースまたはドレイン領域4、ゲート電極3の側壁絶縁膜5を形成した後、層間絶縁膜6を形成する工程と、コンタクト孔7を形成する従来の工程に加えて、コンタクト孔7の側壁に絶縁膜10を形成する工程を含むことにより、コンタクト孔7の位置合わせずれが発生しても、ゲート電極3とソースまたはドレイン領域4のショートを防止できるコンタクト孔を形成することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置における主として半導体基板の電極と配線層とを接続するコンタクト孔の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置上の素子パターンが微細化すると、半導体素子上のそれぞえれの電極の間隔が小さくなり、電極と金属配線をコンタクト孔を介して接続する際、そのコンタクト孔は隣接する電極と接近して形成されるようになる。このように、コンタクト孔と隣接する電極との間隔の近接化が今後ますますシステムLSIのような高密度集積回路装置では一般的なことになるようになる。
【0003】
以下、図4を用いて従来の半導体装置の製造方法におけるコンタクト孔の形成方法を説明する。
図4(a)は従来の半導体装置の製造方法における拡散層形成工程を説明する工程断面図,図4(b)は従来の半導体装置の製造方法におけるコンタクト孔形成工程を説明する工程断面図,図4(c)は従来の半導体装置の製造方法における配線形成工程を説明する工程断面図である。
【0004】
図4において、まず、図4(a)に示すように、シリコン基板1上に素子分離絶縁膜2、ゲート電極3、ソースまたはドレイン領域4の拡散層、ゲート電極の側壁絶縁膜5を形成する。
【0005】
次に、図4(b)に示すように、基板全面に層間絶縁膜6を堆積してコンタクト孔7を開口する。この時、コンタクト孔7はソースまたはドレイン領域4を露出させるように開口するが、側壁絶縁膜5の幅より大きな位置合わせずれにより隣接するゲート電極3の一部までが露出されている。
【0006】
最後に、図4(c)に示すように、コンタクト孔7にWのような金属膜8を堆積した後、配線9を形成する。
また、他にも、ゲート電極を導電膜と厚い酸化シリコン膜や窒化シリコン膜などの積層構造とし、またその側壁に絶縁膜スペーサを形成して電極を被覆した後、コンタクト孔を形成する方法もある(例えば特許文献1、または特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−50631号公報(第3−4頁、第5図)
【0008】
【特許文献2】
特開平11−163330号公報(第2頁、第4図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら以上のような従来の製造工程では、図4で説明したようなコンタクト孔の位置合わせずれが発生した場合、ゲート電極とソース領域またはドレイン領域が金属膜を介してショートするという問題点を有していた。
【0010】
また、特許文献1または特許文献2の方法では上記ショートは防止できるが、ゲート電極を絶縁膜を追加した積層構造としているので、電極の高さが高く電極の微細加工が困難となるという問題点があった。
【0011】
上記問題点を解決するために本発明の半導体装置の製造方法は、半導体素子とコンタクト孔間の間隔が小さい半導体装置を製造する場合に、コンタクト孔の位置合わせずれが発生しても、半導体素子とコンタクト孔の間隔やゲート電極などを大きくしてトランジスタサイズを大きくする事なく、ゲート電極とソース領域またはドレイン領域のショートを防止するコンタクト孔の形成を目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1記載の半導体装置の製造方法は、ソース領域,ドレイン領域と素子分離領域を備えた半導体基板上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極側壁に任意の幅の第1の絶縁膜を形成する工程と、前記半導体基板と前記側壁を含んだゲート電極を被覆して第2の絶縁膜を形成する工程と、前記ソース領域,前記ドレイン領域または前記ゲート電極の一部または全部を含む領域を開口するように前記第2の絶縁膜にコンタクト孔を設ける工程と、前記コンタクト孔の内壁に任意の幅の第3の絶縁膜を形成する工程と、前記コンタクト孔に金属を充填する工程と、前記コンタクト孔の金属を介して前記ソース領域,前記ドレイン領域あるいは前記ゲート電極に接続する所定の配線層を形成する工程とを有し、前記コンタクト孔が所定の位置からずれて開口されても、前記第1の絶縁膜および前記第3の絶縁膜により、前記金属を介して前記ソース領域,前記ドレイン領域と前記ゲート電極が短絡することを防止することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の半導体装置の製造方法は、請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記第3の絶縁膜はシリコン窒化膜であることを特徴とする。
請求項3記載の半導体装置の製造方法は、ソース領域,ドレイン領域と素子分離領域を備えた半導体基板上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極側壁に任意の幅の第1の絶縁膜を形成する工程と、前記半導体基板と前記側壁を含んだゲート電極を被覆して第4の絶縁膜を形成する工程と、前記第4の絶縁膜上に第4の絶縁膜よりエッチングレートの大きい第2の絶縁膜を形成する工程と、前記ソース領域,前記ドレイン領域または前記ゲート電極の一部または全部を含む領域を開口するように前記第2の絶縁膜にコンタクト孔を設ける工程と、前記コンタクト孔の内壁に任意の幅の第3の絶縁膜を形成する工程と、前記第2の絶縁膜および前記第3の絶縁膜をマスクとして選択的に前記第4の絶縁膜をエッチング除去する工程と、前記コンタクト孔に金属を充填する工程と、前記コンタクト孔の金属を介して前記ソース領域,前記ドレイン領域あるいは前記ゲート電極に接続する所定の配線層を形成する工程とを有し、前記コンタクト孔が所定の位置からずれて開口されても、前記第1の絶縁膜,前記第3の絶縁膜および第4の絶縁膜により、前記金属を介して前記ソース領域,前記ドレイン領域と前記ゲート電極が短絡することを防止することを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の半導体装置の製造方法は、ソース領域,ドレイン領域と素子分離領域を備えた半導体基板上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極側壁に任意の幅の第1の絶縁膜を形成する工程と、前記半導体基板と前記側壁を含んだゲート電極を被覆して第4の絶縁膜を形成する工程と、前記第4の絶縁膜上に第4の絶縁膜よりエッチングレートの大きい第2の絶縁膜を形成する工程と、前記ソース領域,前記ドレイン領域または前記ゲート電極の一部または全部を含む領域を開口するように前記第2の絶縁膜にコンタクト孔を設ける工程と、前記コンタクト孔の内壁に任意の幅の第3の絶縁膜を形成する工程と、前記第2の絶縁膜および前記第3の絶縁膜をマスクとして選択的に前記第4の絶縁膜をエッチング除去する工程と、前記第3の絶縁膜を選択的に除去する工程と、前記コンタクト孔に金属を充填する工程と、前記コンタクト孔の金属を介して前記ソース領域,前記ドレイン領域あるいは前記ゲート電極に接続する所定の配線層を形成する工程とを有し、前記コンタクト孔が所定の位置からずれて開口されても、前記第1の絶縁膜および第4の絶縁膜により、前記金属を介して前記ソース領域,前記ドレイン領域と前記ゲート電極が短絡することを防止することを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の半導体装置の製造方法は、請求項3または請求項4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、前記第4の絶縁膜はシリコン窒化膜であり、前記第2の絶縁膜はシリコン酸化膜系の膜であることを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の半導体装置の製造方法は、請求項4記載の半導体装置の製造方法において、前記第3の絶縁膜は不純物を含むシリコン酸化膜であることを特徴とする。
【0017】
請求項7記載の半導体装置の製造方法は、請求項4または請求項5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、前記第3の絶縁膜は少なくともボロンを含むシリコン酸化膜であり、前記第3の絶縁膜の選択的除去はアンモニアと過酸化水素水の混合液を用いて行うことを特徴とする。
【0018】
請求項8記載の半導体装置の製造方法は、請求項4または請求項5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、前記第3の絶縁膜は少なくともリンを含むシリコン酸化膜であり、前記第3の絶縁膜の選択的除去は純水で希釈した希フッ酸を用いて行うことを特徴とする。
【0019】
以上の方法によれば、半導体素子とコンタクト孔間の間隔が小さい半導体装置を製造する場合に、コンタクト孔の位置合わせずれが発生しても、半導体素子とコンタクト孔の間隔やゲート電極などを大きくしてトランジスタサイズを大きくする事なく、ゲート電極とソースまたはドレイン領域のショートを防止できるコンタクト孔を形成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1を用いて本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法について説明する。
【0021】
図1(a)は本発明の実施の形態1の半導体装置の製造方法における拡散層形成工程を説明する工程断面図,図1(b)は本発明の実施の形態1の半導体装置の製造方法におけるコンタクト孔形成工程を説明する工程断面図,図1(c)は本発明の実施の形態1の半導体装置の製造方法におけるコンタクト孔の側壁に絶縁膜を形成する工程を説明する工程断面図,図1(d)は本発明の実施の形態1の半導体装置の製造方法における配線形成工程を説明する工程断面図である。
【0022】
図1において、まず、図1(a)に示すように、シリコン基板1上に素子分離絶縁膜2、ゲート電極3、ソースまたはドレイン領域4、前記ゲート電極3の側壁絶縁膜5を形成した後、図1(b)に示すように、BPSG膜やTEOS膜といった層間絶縁膜6を基板上全面に形成した後、コンタクト孔7を形成する。この時、コンタクト孔7はソースまたはドレイン領域4を露出させるように開口するが、側壁絶縁膜5の幅より大きな位置合わせずれにより隣接するゲート電極3の一部までが露出されている。
【0023】
次に、図1(c)に示すように、公知のCVD法を用いてコンタクト孔7内部にシリコン窒化膜を堆積した後、全面をドライエッチングし前記コンタクト孔7の側壁に絶縁膜10を形成する。絶縁膜10の膜厚は、コンタクト孔7の底面にゲート電極3の表面が露出しないようにデート電極3を被覆するような膜厚を選択する。
【0024】
この後、図1(d)に示すように、前記コンタクト孔7に金属膜8としてWをCVD法を用いて埋め込みながら全面に堆積し、CMP(化学機械研磨)法で研摩し、コンタクト孔7をほぼ完全に埋め込む。そして公知のスパッタとリソグラフィーとドライエッチング技術を用いて配線9を形成する。
【0025】
以上のように、本実施の形態によれば、コンタクト孔7の位置合わせずれが発生してコンタクト孔7の底部にゲート電極3とソースまたはドレイン領域4が同時に露出しても、この後にコンタクト孔7の側壁に絶縁膜10を形成するため、ゲート電極3の露出面はシリコン窒化膜からなる絶縁膜10で被覆されることになる。従ってゲート電極3とソースまたはドレイン領域4のショートを回避できる。
【0026】
また、コンタクト孔7形成後、CVDWのような金属膜8とソースまたはドレイン領域4とのコンタクト抵抗を小さくするためフッ酸系の薬液でソースまたはドレイン領域4の表面を清浄するが、この時、絶縁膜10にシリコン窒化膜を用いるとエッチングされず、コンタクト孔7の広がりを抑制でき、これによってもゲート電極とソース領域またはドレイン領域のショートが回避できる。
【0027】
なお、以上の実施の形態では、コンタクト孔7の側壁に絶縁膜10にシリコン窒化膜を用いたが、フッ酸系の薬液によるコンタクト孔の拡大が問題にならないのであれば、シリコン酸化膜、窒化酸化膜等の他の絶縁膜を用いてもよい。
【0028】
また、以上の説明ではソース領域またはドレイン領域にコンタクト孔を形成する場合について説明したが、ゲート電極にコンタクト孔を形成して位置合わせずれが生じた場合にも本発明の半導体装置の製造方法により同様の効果を奏することができる。
(実施の形態2)
図2を用いて本発明の実施の形態2における半導体装置の製造方法について説明する。
【0029】
図2(a)は本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法における拡散層形成工程を説明する工程断面図,図2(b)は本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法におけるシリコン窒化膜形成工程を説明する工程断面図,図2(c)は本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法におけるコンタクト孔形成工程を説明する工程断面図,図2(d)は本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法におけるコンタクト孔の側壁に絶縁膜を形成する工程を説明する工程断面図,図2(e)は本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法における配線形成工程を説明する工程断面図である。
【0030】
まず、図2(a)に示すように、シリコン基板1上に素子分離絶縁膜2、ゲート電極3、ソースまたはドレイン領域4、前記ゲート電極3のシリコン酸化膜からなる側壁絶縁膜5を形成した後、図2(b)に示すように基板表面を公知のCVD法を用いたシリコン窒化膜11で覆う。
【0031】
次に、図2(c)に示すように、公知のCVD法を用いてBPSG膜、TEOS膜のような層間絶縁膜6を形成し、コンタクト孔7を形成する。ここで、コンタクト孔7はソースまたはドレイン領域4を露出させるように開口するが、側壁絶縁膜5の幅より大きな位置合わせずれにより隣接するゲート電極3の一部までが露出されている。この時のコンタクト孔7のエッチングには、COとC4F8とArの混合ガスを使用し、シリコン窒化膜11のエッチングレートを層間絶縁膜6のエッチングレートより大幅に抑えて酸化膜系の層間絶縁膜6を選択的にエッチングすることによってシリコン窒化膜11を残すことができる。
【0032】
この後、図2(d)に示すように、CVD法で酸化膜を堆積させた後に、全面をCF4とCHF3の混合ガスを用いてドライエッチングし、コンタクト孔7の側壁の絶縁膜10を形成するのに続いて、それをエッチングマスクとして自己整合的にシリコン窒化膜11をエッチングし、ゲート電極3を被覆しながらソースまたはドレイン領域4の表面を露出する。
【0033】
この後、図2(e)に示すように、コンタクト孔7を含む全面に金属膜8としてWをCVD法を用いて堆積した後、CMP法で研摩し、Wをコンタクト孔7内部に完全に埋め込む。最後に、公知のスパッタとリソグラフィーとドライエッチング技術を用いて配線9を形成する。
【0034】
本実施の形態によれば、コンタクト孔7の位置合わせずれが発生しても、コンタクト孔7底部の基板表面は、酸化膜系の層間絶縁膜6よりも、コンタクト孔7のエッチングにおけるエッチング耐性の高いシリコン窒化膜11で覆われているため、ゲート電極3がコンタクト孔7の底面に露出することはなく、その上、この後に形成される側壁絶縁膜10によってもゲート電極3の表面が被覆されるので、埋め込まれたWでゲート電極3とソースまたはドレイン領域4のショートが回避できる。
【0035】
なお、本実施の形態では、基板表面の膜として、シリコン窒化膜を用いたが、層間絶縁膜6よりもエッチング耐性の高い、すなわち、エッチングレートの小さい絶縁膜であれば他の膜を用いても良い。また、コンタクト孔7のエッチングに、COとC4F8とArの混合ガスを使用したが、シリコン窒化膜のエッチングレートを低く抑えることができれば、他のガスを使用しても良い。また、コンタクト孔7の側壁に絶縁膜10を形成するためのドライエッチングと連続して、コンタクト孔7の絶縁膜11の部分を同時にエッチングしたが、別々にエッチングしても良い。また、コンタクト孔7の側壁絶縁膜10とシリコン窒化膜11のエッチングにCF4とCHF3の混合ガスを用いたが、側壁絶縁膜10またはシリコン窒化膜11がエッチングできるガスであれば、特に限定するものではない。
【0036】
また、以上の説明ではソース領域またはドレイン領域にコンタクト孔を形成する場合について説明したが、ゲート電極にコンタクト孔を形成して位置合わせずれが生じた場合にも本発明の半導体装置の製造方法により同様の効果を奏することができる。
(実施の形態3)
図3を用いて本発明の実施の形態3における半導体装置の製造方法について説明する。
【0037】
図3(a)は本発明の実施の形態3の半導体装置の製造方法における拡散層形成工程を説明する工程断面図,図3(b)は本発明の実施の形態3の半導体装置の製造方法におけるシリコン窒化膜形成工程を説明する工程断面図,図3(c)は本発明の実施の形態3の半導体装置の製造方法におけるコンタクト孔形成工程を説明する工程断面図,図3(d)は本発明の実施の形態3の半導体装置の製造方法におけるコンタクト孔の側壁に絶縁膜を形成する工程を説明する工程断面図,図3(e)は本発明の実施の形態3の半導体装置の製造方法における側壁の絶縁膜を除去する工程を説明する工程断面図,図3(f)は本発明の実施の形態3の半導体装置の製造方法における配線形成工程を説明する工程断面図である。
【0038】
まず、図3(a)に示すように、シリコン基板1上に素子分離絶縁膜2、ゲート電極3、ソースまたはドレイン領域4、前記ゲート電極3の側壁絶縁膜5を形成した後、図3(b)に示すように基板表面を公知のCVD法を用いたシリコン窒化膜11で覆う。
【0039】
次に、図3(c)に示すように、公知のCVD法を用い、シリコン酸化膜系の層間絶縁膜6を形成し、コンタクト孔7を形成する。ここで、コンタクト孔7はソースまたはドレイン領域4を露出させるように開口するが、側壁絶縁膜5の幅より大きな位置合わせずれにより隣接するゲート電極3の一部までが露出されている。この時のコンタクト孔7のエッチングには、COとC4F8とArの混合ガスを使用し、実施の形態2と同様にシリコン窒化膜11のエッチングレートを抑えて、シリコン窒化膜11を残すようにする。
【0040】
この後、図3(d)に示すようにCVD法でボロンを4wt%含むシリコン酸化膜を堆積させた後に、全面をCF4とCHF3の混合ガスを用いてドライエッチングし、コンタクト孔7の側壁に絶縁膜10を形成する。それに連続して同じエッチング条件でコンタクト孔7の側壁絶縁膜10をエッチングマスクとして自己整合的にシリコン窒化膜11をエッチングし、ゲート電極3を被覆しながらソースまたはドレイン領域4の表面を露出させる。
【0041】
この後、図3(e)に示すように、70℃に加熱したアンモニアと過酸化水素水の混合液を用いて、側壁の絶縁膜10を除去する。
この後、図3(f)に示すように、コンタクト孔7に金属膜8としてWをCVD法を用いて堆積し、基板表面をCMP法で研摩して平坦にしてWからなる金属膜8を埋め込む。最後に、公知のスパッタとリソグラフィーとドライエッチング技術を用いて配線9を形成する。
【0042】
本実施の形態によれば、コンタクト孔7の位置合わせずれが発生しても、コンタクト孔7底部の基板表面は層間絶縁膜6よりもエッチング耐性の高いシリコン窒化膜11で覆われているため、ゲート電極3が、コンタクト孔7のエッチングによって露出するのを防止できる。従って、金属膜8を介してゲート電極3とソースまたはドレイン領域4のショートが回避できるのである。また、この製造方法では、側壁絶縁膜10を選択的に除去するためにコンタクト孔のアスペクト比を小さくすることができるので、より多くの金属膜8を埋め込むことができることによって金属膜8に起因する抵抗の増大を軽減できるという利点がある。
【0043】
なお、コンタクト孔7の側壁に絶縁膜10として、高濃度にボロンを含むCVD酸化膜を用い、かつ絶縁膜10の選択的除去には70℃に加熱したアンモニアと過酸化水素水の混合液を用いたが、絶縁膜10に少なくともリンを高濃度に含むシリコン酸化膜を用い、絶縁膜10を除去する際には純水で希釈した希フッ酸を用いても層間絶縁膜6に対して選択的に除去可能であるが、他の膜、およびエッチング条件を組合わせてもその組合せで選択的除去が可能であれば使用できるものである。
【0044】
また、以上の説明ではソース領域またはドレイン領域にコンタクト孔を形成する場合について説明したが、ゲート電極にコンタクト孔を形成して位置合わせずれが生じた場合にも本発明の半導体装置の製造方法により同様の効果を奏することができる。
【0045】
以上の方法によれば、半導体素子とコンタクト孔間の間隔が小さい半導体装置を製造する場合に、コンタクト孔の位置合わせずれが発生しても、半導体素子とコンタクト孔の間隔やゲート電極などを大きくしてトランジスタサイズを大きくする事なく、ゲート電極とソース領域またはドレイン領域のショートを防止するコンタクト孔を形成することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように本発明の半導体装置の製造方法によると、シリコン基板上に素子分離絶縁膜、ゲート電極、ソース領域、ドレイン領域、ゲート電極の側壁絶縁膜を形成した後、層間絶縁膜を形成する工程と、コンタクト孔を形成する従来の工程に加えて、コンタクト孔の側壁に絶縁膜を形成する工程を含むことにより、コンタクト孔の位置合わせずれが発生しても、半導体素子とコンタクト孔の間隔やゲート電極などを大きくしてトランジスタサイズを大きくする事なく、ゲート電極とソース領域またはドレイン領域のショートを防止できるコンタクト孔を形成することができる。
【0047】
また、シリコン基板上に素子分離絶縁膜、ゲート電極、ソース領域、ドレイン領域、ゲート電極の側壁絶縁膜を形成した後、全面に絶縁膜を形成する工程を加え、さらに、層間絶縁膜を形成しコンタクト孔を形成する工程の後に、コンタクト孔の側壁に絶縁膜を形成する工程を含むことにより、コンタクト孔の位置合わせずれが発生しても、半導体素子とコンタクト孔の間隔やゲート電極などを大きくしてトランジスタサイズを大きくする事なく、ゲート電極とソース領域またはドレイン領域のショートを防止できるコンタクト孔を形成することができる。
【0048】
また、シリコン基板上に素子分離絶縁膜、ゲート電極、ソース領域、ドレイン領域、ゲート電極の側壁絶縁膜を形成した後、全面に絶縁膜を形成する工程とを加え、さらに、層間絶縁膜を形成しコンタクト孔を形成する工程の後に、コンタクト孔の側壁に絶縁膜を形成する工程と、コンタクト孔の側壁の絶縁膜をマスクとして半導体装置全面に形成した絶縁膜を選択的に除去した後にコンタクト孔の側壁に絶縁膜を除去する工程とを含むことにより、コンタクト孔の位置合わせずれが発生しても、半導体素子とコンタクト孔の間隔やゲート電極などを大きくしてトランジスタサイズを大きくする事なく、ゲート電極とソース領域またはドレイン領域のショートを防止できるコンタクト孔を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態1の半導体装置の製造方法における拡散層形成工程を説明する工程断面図
(b)本発明の実施の形態1の半導体装置の製造方法におけるコンタクト孔形成工程を説明する工程断面図
(c)本発明の実施の形態1の半導体装置の製造方法におけるコンタクト孔の側壁に絶縁膜を形成する工程を説明する工程断面図
(d)本発明の実施の形態1の半導体装置の製造方法における配線形成工程を説明する工程断面図
【図2】(a)本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法における拡散層形成工程を説明する工程断面図
(b)本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法におけるシリコン窒化膜形成工程を説明する工程断面図
(c)本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法におけるコンタクト孔形成工程を説明する工程断面図
(d)本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法におけるコンタクト孔の側壁に絶縁膜を形成する工程を説明する工程断面図
(e)本発明の実施の形態2の半導体装置の製造方法における配線形成工程を説明する工程断面図
【図3】(a)本発明の実施の形態3の半導体装置の製造方法における拡散層形成工程を説明する工程断面図
(b)本発明の実施の形態3の半導体装置の製造方法におけるシリコン窒化膜形成工程を説明する工程断面図
(c)本発明の実施の形態3の半導体装置の製造方法におけるコンタクト孔形成工程を説明する工程断面図
(d)本発明の実施の形態3の半導体装置の製造方法におけるコンタクト孔の側壁に絶縁膜を形成する工程を説明する工程断面図
(e)本発明の実施の形態3の半導体装置の製造方法における側壁の絶縁膜を除去する工程を説明する工程断面図
(f)本発明の実施の形態3の半導体装置の製造方法における配線形成工程を説明する工程断面図
【図4】(a)従来の半導体装置の製造方法における拡散層形成工程を説明する工程断面図
(b)従来の半導体装置の製造方法におけるコンタクト孔形成工程を説明する工程断面図
(c)従来の半導体装置の製造方法における配線形成工程を説明する工程断面図
【符号の説明】
1 シリコン基板
2 素子分離絶縁膜
3 ゲート電極
4 ソースまたはドレイン領域
5 側壁絶縁膜
6 層間絶縁膜
7 コンタクト孔
8 金属膜
9 配線
10 絶縁膜
11 シリコン窒化膜
Claims (8)
- ソース領域,ドレイン領域と素子分離領域を備えた半導体基板上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極側壁に任意の幅の第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記半導体基板と前記側壁を含んだゲート電極を被覆して第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記ソース領域,前記ドレイン領域または前記ゲート電極の一部または全部を含む領域を開口するように前記第2の絶縁膜にコンタクト孔を設ける工程と、
前記コンタクト孔の内壁に任意の幅の第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記コンタクト孔に金属を充填する工程と、
前記コンタクト孔の金属を介して前記ソース領域,前記ドレイン領域あるいは前記ゲート電極に接続する所定の配線層を形成する工程と
を有し、前記コンタクト孔が所定の位置からずれて開口されても、前記第1の絶縁膜および前記第3の絶縁膜により、前記金属を介して前記ソース領域,前記ドレイン領域と前記ゲート電極が短絡することを防止することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第3の絶縁膜はシリコン窒化膜であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- ソース領域,ドレイン領域と素子分離領域を備えた半導体基板上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極側壁に任意の幅の第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記半導体基板と前記側壁を含んだゲート電極を被覆して第4の絶縁膜を形成する工程と、
前記第4の絶縁膜上に第4の絶縁膜よりエッチングレートの大きい第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記ソース領域,前記ドレイン領域または前記ゲート電極の一部または全部を含む領域を開口するように前記第2の絶縁膜にコンタクト孔を設ける工程と、
前記コンタクト孔の内壁に任意の幅の第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜および前記第3の絶縁膜をマスクとして選択的に前記第4の絶縁膜をエッチング除去する工程と、
前記コンタクト孔に金属を充填する工程と、
前記コンタクト孔の金属を介して前記ソース領域,前記ドレイン領域あるいは前記ゲート電極に接続する所定の配線層を形成する工程と
を有し、前記コンタクト孔が所定の位置からずれて開口されても、前記第1の絶縁膜,前記第3の絶縁膜および第4の絶縁膜により、前記金属を介して前記ソース領域,前記ドレイン領域と前記ゲート電極が短絡することを防止することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - ソース領域,ドレイン領域と素子分離領域を備えた半導体基板上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極側壁に任意の幅の第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記半導体基板と前記側壁を含んだゲート電極を被覆して第4の絶縁膜を形成する工程と、
前記第4の絶縁膜上に第4の絶縁膜よりエッチングレートの大きい第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記ソース領域,前記ドレイン領域または前記ゲート電極の一部または全部を含む領域を開口するように前記第2の絶縁膜にコンタクト孔を設ける工程と、
前記コンタクト孔の内壁に任意の幅の第3の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜および前記第3の絶縁膜をマスクとして選択的に前記第4の絶縁膜をエッチング除去する工程と、
前記第3の絶縁膜を選択的に除去する工程と、
前記コンタクト孔に金属を充填する工程と、
前記コンタクト孔の金属を介して前記ソース領域,前記ドレイン領域あるいは前記ゲート電極に接続する所定の配線層を形成する工程と
を有し、前記コンタクト孔が所定の位置からずれて開口されても、前記第1の絶縁膜および第4の絶縁膜により、前記金属を介して前記ソース領域,前記ドレイン領域と前記ゲート電極が短絡することを防止することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第4の絶縁膜はシリコン窒化膜であり、前記第2の絶縁膜はシリコン酸化膜系の膜であることを特徴とする請求項3または請求項4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第3の絶縁膜は不純物を含むシリコン酸化膜であることを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第3の絶縁膜は少なくともボロンを含むシリコン酸化膜であり、前記第3の絶縁膜の選択的除去はアンモニアと過酸化水素水の混合液を用いて行うことを特徴とする請求項4または請求項5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第3の絶縁膜は少なくともリンを含むシリコン酸化膜であり、前記第3の絶縁膜の選択的除去は純水で希釈した希フッ酸を用いて行うことを特徴とする請求項4または請求項5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
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