JP2004119297A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の燃料電池セルを接続した燃料電池セル集合体と、前記セル集合体を覆い囲み、少なくとも燃料ガスおよび燃焼ガスを外部から遮断するガスシール容器と、前記ガスシール容器内の前記セル集合体の開口部付近に設けられた仕切り板により仕切られた前記セル集合体の発電部側の発電室と、開口部側の燃焼室を有する燃料電池システムであって、前記ガスシール容器と、前記仕切り板との隙間を埋める隔壁板を設けたことを特徴とする燃料電池システム
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は円筒形固体電解質型燃料電池に関し、特に仕切り板により発電室と燃焼室を形成した燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体電解質型燃料電池とは、異なった成分のセラミック材料を空気極、電解質および燃料極として積層して作られた燃料電池セルから成るり、約700℃から1000℃で最も効率的に発電するタイプの燃料電池で、特に燃料電池セルの形状が円筒形の物を円筒形固体電解質形燃料電池という。従来の代表的な円筒形固体電解質形燃料電池の一例を図10に示す。ガスシール容器4の内部に複数の燃料電池セル1を電気的に接続し集合体とした燃料電池セル集合体3を配し、燃料電池セル1の開口部付近に設けられた仕切り板6により燃料電池セル集合体3側を発電室8、燃料電池セル開口部側を燃焼室9としている。燃料供給配管11により供給された燃料ガスは燃料電池セル集合体3の下方に位置する燃料分配室7により効果的に分散され各燃料電池セル1の外表面に接触する。一方、酸化剤は酸化剤供給配管12により酸化剤分配器13により効果的に分散され、燃料電池セル1の内側に挿入された導入管2を通じて酸化剤として空気が導入され燃料電池セル1の内表面に接触する。このように構成された固体電解質型燃料電池を作動温度約700℃から1000℃まで昇温すると、燃料電池セル1の内側の空気極側から燃料電池セル1の外側の燃料極側にO2−イオンが移動して電気化学的反応が起こり、発電が行われる。発電の際に生成された水蒸気および未反応燃料ガスはある適正な通気機能を持った仕切り板6を通り抜けて燃焼室9に入り、ここで燃料電池セル1の内側で未反応となった酸化剤と混合され、着火燃焼後排ガス配管10から排出される。
【0003】
このような従来の燃料電池の構成では、燃料電池セル1および導入管2はセラミック系材料、ガスシール容器4および排ガス配管10などの配管類、酸化剤分配器13はインコネルまたはステンレスなどの耐熱合金金属材料および仕切り板6はアルミナ繊維などのセラミック系材料を使用することが一般的である。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
前述したように仕切り板6は適正な通気機能が持たせてあるが、これは、発電室の内圧が燃焼室の内圧より高まることで燃焼室から酸化剤の進入を防ぐ目的と、発電室の燃料の流れを均一化し全ての燃料電池セル1の発電性能を最大に活用することを目的としている。
よって、仕切り板6の通気機能を発揮するためには仕切り板6と燃料電池セル1の境界部分および仕切り板6とガスシール容器4の境界部分の気密性確保は非常に重要であり、燃料電池システムの発電性能に大きく影響を及ぼす。
従来の燃料電池システムでは、仕切り板6と燃料電池セル1の間および仕切り板6とガスシール容器4の間に繊維状のセラミックを充填することにより気密性を確保している。(例えば、特許文献2参照)
【特許文献1】
特開2001−507501号公報(第14−31頁、第1図)
【特許文献2】
特開平11−162498号公報(第1−6頁、第1−6図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の燃料電池の組立作業は常温下で行われる。その後、固体電解質型燃料電池の作動温度である約700℃〜1000℃近傍まで昇温されるがその過程において仕切り板6とガスシール容器4との線膨張係数の違いにより寸法差が生じてしまい、仕切り板外周部とガスシール容器4との間に隙間を生じてしまう。例えばガスシール容器4を構成する金属材料の線膨張係数はインコネルの場合約16μ/Kであり仕切り板6の線膨張係数6μ/Kよりかなり大きい。これはガスシール容器4の幅方向内寸が500mmの場合、1000℃作動時にガスシール容器4と仕切り板6との間に片側2.5mmの隙間が生じる計算となる。当然ながら燃料電池システムの発電容量を大型化するにつれてガスシール容器の幅が大きくなり、前述したガスシール容器4と仕切り板6との隙間が増加してしまう。
【0006】
従来の燃料電池システムで行われている仕切り板6と燃料電池セル1の間および仕切り板6とガスシール容器4の間に繊維状のセラミックを充填する方策では、ガスシール容器4の幅寸法が比較的小さい場合は繊維状セラミックの弾力性によりガスシール容器4の膨張に追随し、仕切り板6の外周とガスシール容器4の間の気密性をある程度確保できるが、燃料電池システムの発電容量を大型化するためにガスシール容器4の幅を大きくするにつれて、繊維状セラミックの弾力性では追随できなくなり仕切り板6の外周とガスシール容器4の間に隙間が生じてしまう。あるいは、繊維状セラミックの弾力性によるガスシール容器4への押付け力が不足し、発電室内圧に打ち勝てず繊維状セラミックが発電室内燃料ガスに押し広げられて仕切り板6の外周とガスシール容器4の間に隙間が生じてしまう。
仕切り板6は、燃料電池セル1の開口端から燃焼室9に放出された酸化剤が発電室8に侵入し発電室8内の燃料と反応して燃焼することによる燃料濃度の低下と局部的な温度上昇を防ぐ役割と発電室8内の燃料が平面方向で均一に流れ燃焼室9に送る役割を持っており、仕切り板6には予め適正でかつ平面方向で均一な通気抵抗を持っており発電室の内圧が燃焼室の内圧より高くなるように設計されている。
前述のように仕切り板6の外周とガスシール容器4の間に隙間が生じてしまうと、発電室8から燃焼室9への通気抵抗が低下し燃焼室9内の酸化剤が発電室8内に侵入する可能性があり、また通気抵抗の小さい仕切り板6の外周とガスシール容器4の間の隙間から優先的に燃料が流出するため発電室8内の燃料の流れが偏ってしまい、燃料の流れの悪い箇所の燃料電池セル1の能力を十分できない上、燃料の流れの良し悪しによって大きな温度分布がついてしまい、燃料電池システム全体の効率を著しく低下させてしまう。
本発明は、上記課題を解決し、効率的で安定した運転が可能な固体酸化物形燃料電池モジュールを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、
第一の発明においては、複数の燃料電池セルを接続した燃料電池セル集合体と、前記セル集合体を覆い囲み、少なくとも燃料ガスおよび燃焼ガスを外部から遮断するガスシール容器と、前記ガスシール容器内の前記セル集合体の開口部付近に設けられた仕切り板により仕切られた前記セル集合体の発電部側の発電室と、開口部側の燃焼室を有する燃料電池システムであって、
前記ガスシール容器と、前記仕切り板との隙間を埋める隔壁板を設けた燃料電池システムを提供する。
これにより、常温で組みたてられた燃料電池を作動温度である約700℃〜1000℃近傍まで昇温させた時、前記仕切り板と前記ガスシール容器との線膨張係数の違いにより生じる水平方向の隙間を隔壁板が覆い隠し、前記仕切り板外周と前記ガスシール容器との気密性を高めることができる。よって前記仕切り板外周部からのガスの漏洩を著しく減少することができ、前記燃焼室は予め設計された前記仕切り板の通気機能によってガスが流れ、これにより発電室の内圧が燃焼室の内圧より高まることで燃焼室から酸化剤の進入を防ぎ、発電室の燃料の流れを均一化し全ての前記燃料電池セルの発電性能を最大に活用することで、効率的な燃料電池の運転を安定して行うことができる。
【0008】
第二の発明においては、前記隔壁板は前記仕切り板2枚に挟みこまれた構造を備えた燃料電池システムを提供する。
これにより常温において前記隔壁板と前記仕切り板を密着させて組立てられた燃料電池システムは、作動温度である約700℃〜1000℃近傍まで昇温させた時、前記仕切り板と前記ガスシール容器との線膨張係数の違いにより生じる水平方向の寸法差を前記隔壁板が前記仕切り板に密着したまま水平方向にスライドすることで、前記仕切り板外周と前記ガスシール容器との気密を維持することができ、効率的な燃料電池の運転を安定して行うことができる。
【0009】
第三の発明においては、前記隔壁板は前記仕切り板の表面に押付けられた構造を備えた燃料電池システムを提供する。
これにより常温において前記隔壁板を前記仕切り板に板バネ状に押付けた状態で組立てられた燃料電池システムは、作動温度である約700℃〜1000℃近傍まで昇温させた時、前記仕切り板と前記ガスシール容器との線膨張係数の違いにより生じる水平方向および垂直方向の寸法差を前記隔壁板がその弾性力で前記仕切り板に押付けたまま水平方向にスライドすることで、前記仕切り板外周と前記ガスシール容器との気密を維持することができ、効率的な燃料電池の運転を安定して行うことができる。
【0010】
第四の発明においては、前記隔壁板は表面の平滑な金属板またはセラミック板を間に介して前記仕切り板と密着させた燃料電池システムを提供する。
常温において組立てられた燃料電池システムが、作動温度である約700℃〜1000℃近傍まで昇温させた時および運転停止により常温に降温する時に、前記仕切り板と前記ガスシール容器との線膨張係数の違いにより生じる水平方向の寸法差を前記隔壁板が水平方向にスライドすることで吸収するが、前記仕切り板が多孔質である場合、前記隔壁板と前記仕切り板との間の滑り抵抗が大きくまた表面が粗いためスムーズにスライドしにくく、前記隔壁板または前記仕切り板を損傷する可能性がある。特に常温に降温する際に前記隔壁板が燃料電池システム中央に向かってスライドするが、この過程で前記仕切り板の表面の凹凸にひっかかる可能性が高い。
ここで言う表面が平滑であるとは、前記隔壁板が表面を密着しながらスライドする時に引っかかったり、滑り抵抗が大きすぎてスライド動作を阻害しない程度に十分に表面が平滑であることである。表面が平滑金属板またはセラミック板を前記隔壁板と前記仕切り板との間に介して前記仕切り板と密着させることで、前記仕切り板が前記仕切り板面をスムースにスライドできる。
【0011】
第五の発明においては、前記隔壁板は繊維状のセラミックまたは繊維状の金属を間に介して前記仕切り板と密着させた燃料電池システムを提供する。
これにより、燃料電池の製造上において生じる前記隔壁板と仕切り板との位置寸法、平面精度などの寸法誤差を繊維状のセラミックまたは繊維状の金属が吸収することで前記仕切り板外周と前記ガスシール容器との気密を確実に実現することができ、効率的な燃料電池の運転を安定して行うことができる。
【0012】
第六の発明においては、複数の燃料電池セルを接続した燃料電池セル集合体と、前記燃料電池セル集合体の周囲に配した断熱ボードと、前記セル集合体と前記断熱ボードを覆い囲み、少なくとも燃料ガスおよび燃焼ガスを外部から遮断するガスシール容器と、前記ガスシール容器内の前記セル集合体の開口部付近に設けられた仕切り板により仕切られた前記セル集合体の発電部側の発電室と、開口部側の燃焼室を有する燃料電池システムであって、
前記隔壁板は前記仕切り板と前記断熱ボードの間に挟みこまれた構造であることを特徴とする燃料電池システムを提供する。
これにより、第二の発明と同様常温において前記隔壁板と前記仕切り板を密着させて組立てられた燃料電池システムは、作動温度である約700℃〜1000℃近傍まで昇温させた時、前記仕切り板と前記ガスシール容器との線膨張係数の違いにより生じる水平方向の寸法差を前記隔壁板が前記仕切り板に密着したまま水平方向にスライドすることで、前記仕切り板外周と前記ガスシール容器との気密を維持することができ、効率的な燃料電池の運転を安定して行うことができる。
【0013】
第七の発明においては、前記隔壁板は前記ガスシール容器と同一材質である燃料電池システムを提供する。
これにより、常温下で前記ガスシール容器に気密を保ちながら接続された前記隔壁板が、作動温度である約700℃〜1000℃近傍まで昇温させた時においても、前記ガスシール容器と前記隔壁板の線膨張係数が同一であるため双方に内部応力は発生しない。よって前記隔壁板の前記ガスシール容器との接続部分が破壊されることはなく、効率的な燃料電池の運転を安定して行うことができる。
【0014】
第八の発明においては、前記隔壁板は前記ガスシール容器の材質と略同一の線膨張係数を有する材質である燃料電池システムを提供する。
これにより、前記隔壁板の材質を前記ガスシール容器の材質とは異なり、より隔壁板の機能にふさわしい弾力性の高い材質またはより可塑性の高い材質を選択することができる。常温下で前記ガスシール容器に気密を保ちながら接続された前記隔壁板が、作動温度である約700℃〜1000℃近傍まで昇温させた時においても、前記仕切り板と前記ガスシール容器との線膨張係数の違いにより生じる水平方向および垂直方向の寸法差を前記隔壁板がその弾性力または可塑性で前記仕切り板に追随することができ、前記ガスシール容器と前記隔壁板の線膨張係数が略同一であるため双方に大きな内部応力は発生しない。よって前記隔壁板の前記ガスシール容器との接続部分が破壊されることはなく、効率的な燃料電池の運転を安定して行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1は本発明の一実施例を略示する円筒形固体電解質型燃料電池の昇温時の縦断面図である。
図1にあるように、ガスシール容器4の内部に、複数の燃料電池セル1を電気的に接続し集合体とした燃料電池セル集合体3を配し発電室8としている。燃料電池セル集合体3の下方には適正寸法のガス導通孔が明いている燃料分配室7があり燃料供給配管11と接続されている。燃料電池セル集合体3の上方には適正なガス導通穴または気孔率を持つ仕切り板6によって区切られた燃焼室9があり、発電室内の燃料は仕切り板6が持つ圧力損失を経て燃焼室9に至るよう設計される。隔壁板14はガスシール容器4の内壁周囲から壁面に対して垂直あるいは斜めにシール接合されており仕切り板6に密着するよう配置させている。燃焼室9の中には酸化剤分配器13とそれに接続された酸化剤供給配管12が配されている。酸化剤分配器13からは導入管2が燃料電池セル1の本数分接続されており、燃料電池セル1の内側に挿入されるように配置されている。また燃焼室9からは排ガス配管10が断熱ボード5に明けられた孔を通じてガスシール容器4の外側まで伸びており排ガス配管はガスシール容器4にシール溶接で固定されている。燃料電池セル1は性質の異なる導電性セラミックの円筒積層構造体、断熱ボード5はアルミナ短繊維を圧縮成形したもの、仕切り板6はアルミナ繊維を連続的に積層しブランケット状にしたもの、導入管2はアルミナ系セラミックの緻密体、酸化剤分配器3・ガスシール容器4・隔壁板14・排ガス配管10などの各配管はインコネルやステンレスなどの耐熱合金で作られている。
【0016】
このように構成された固体電解質型燃料電池を、作動温度約700℃〜1000℃まで昇温すると図1に示すように、内部の仕切り板6より線膨張係数の大きいガスシール容器4は仕切り板6よりも大きく膨張し、ガスシール容器4と仕切り板6の間に隙間が生じるが、隔壁板14が仕切り板6と密着した状態を維持したままスライドしながら膨張することによりガスシール容器4と仕切り板6の間の隙間を遮断するので、発電室8内の燃料は仕切り板6の持つガス導通穴または気孔以外のところから燃焼室9に入ることはなく、予め設計された仕切り板6を通過してのみ燃焼室9に入ることができる。
【0017】
図2は本発明の一実施例を略示する円筒形固体電解質型燃料電池の昇温時の縦断面図である。
図2にあるように隔壁板14は仕切り板6が2枚上下から挟み込む構造を持たせ、隔壁板14と仕切り板6との密着性を高め確実なものにすることができる。
【0018】
図3は本発明の一実施例を略示する円筒形固体電解質型燃料電池の昇温時の縦断面図である。
ここでは、隔壁板14は弾力性のある薄板金属板であり、外周部分はガスシール容器4の内壁にシール接合されており、内周部分は隔壁板14のもつ曲げ弾性力により仕切り板6に押し付けられるように配置されている。このように隔壁板は常温から作動温度まで常に仕切り板6に押し付けられる構造となっており隔壁板14と仕切り板6との密着性を維持できる。また、図4のように隔壁板14を仕切り板6の上下に配して、隔壁板14のもつ曲げ弾性力により仕切り板6を挟み込むようにすることもできる。
【0019】
図5は本発明の一実施例を略示する円筒形固体電解質型燃料電池の昇温時の縦断面図である。
ここでは、隔壁板14と仕切り板6の間に表面の平滑な滑り板15を挟み、隔壁板14が昇降温の過程でひっかかることなく小さい滑り抵抗でスムースに水平方向に移動することができるようにしている。滑り板6の材質としては作動温度である700℃から1000℃においても著しい劣化を起こさない材質でかつ表面が平滑な材質であることが望まれる。例えば耐熱耐酸化性の高いフェライト系のステンレスやインコネルあるいはアルミナ系セラミックの焼結体を使用することが望ましい。
【0020】
図6は本発明の一実施例を略示する円筒形固体電解質型燃料電池の昇温時の縦断面図である。
ここでは図2と同様、隔壁板14は仕切り板6が2枚上下から挟み込む構造を持たせているが、さらに隔壁板14と仕切り板6との間にパッキン6挟んでいる。パッキン6の材質としては高温に耐えられかつ適当な弾力性を有する繊維状のセラミックまたは繊維状の金属を挟んでいる。繊維状の金属はステンレスまたはニッケルをフェルト状に加工されたものが使用されるが、適当な弾力性と耐熱性があれば他の材質を使用することもできる。一般に金属材料は酸化雰囲気に曝されると酸化腐食による弾力性能低下が著しいため使用する場合は隔壁板14と発電室側の仕切り板6との間に配するのが望ましい。一方、繊維状のセラミックに関してはその成分に珪素が含まれると燃料電池セル1の燃料極を被毒させるため、アルミナを主成分とし、珪素成分が30%以下のセラミック繊維を使用するかあるいは隔壁板14と燃焼室側の仕切り板6との間に配するのが望ましい。
これにより燃料電池の製造上において生じる隔壁板14と仕切り板6との位置寸法、平面精度などの寸法誤差を繊維状のセラミックまたは繊維状の金属が吸収することで隔壁板14と仕切り板6との密着性を高め確実なものにすることができる。
【0021】
図7は本発明の一実施例を略示する円筒形固体電解質型燃料電池の昇温時の縦断面図である。
ここでは図5と同様、隔壁板14と仕切り板6の間に表面の平滑な滑り板15を挟み、隔壁板14が昇降温の過程でひっかかることなく小さい滑り抵抗でスムースに水平方向に移動することができるようにしているが、さらに隔壁板14と仕切り板6との間にパッキン6挟んでいる。パッキン6の材質としては高温に耐えられかつ適当な弾力性を有する繊維状のセラミックまたは繊維状の金属を挟んでいる。
【0022】
図8は本発明の一実施例を略示する円筒形固体電解質型燃料電池の昇温時の縦断面図である。ここでは、ガスシール容器4の内部に断熱ボード5を配した燃料電池についての実施例であり、隔壁板14を仕切り板6と断熱ボード5との間に挟み込む構造を持たせている。こうすることにより隔壁板14と仕切り板6との密着性を高め確実なものにすることができる。
【0023】
ここまで前述した隔壁板14はガスシール容器4の内壁にシール接合されておりこの状態を常温から作動温度まで確実に維持するためには、隔壁板14の線膨張係数がガスシール容器4の線膨張係数と同一の材料とすることが望ましい。例えば、ガスシール容器4の材質に耐高温酸化性および耐高温強度の高いインコネル601を使用する場合、隔壁板14の材質もインコネル601にする。
【0024】
あるいは隔壁板14の線膨張係数がガスシール容器4の線膨張係数と略同一の線膨張係数をもつ材質を選定することもできる。例えば、図3のような形状を隔壁板14に持たせた場合、ガスシール容器4の材質を線膨張係数16.7μ/Kであるインコネル601とし、隔壁板14の材質を線膨張係数16.2μ/KであるインコネルX−750とすることができる。ここではガスシール容器の要求性能として耐高温酸化性と耐高温強度の高いインコネル601が選定され、隔壁板14の要求性能として耐高温酸化性と耐高温強度が高くかつ耐力が高く弾性性能の高いインコネルX−750を選定している。これにより、隔壁板14が仕切り板6に対して適正な押し付け力を発生させ、隔壁板14と仕切り板6との密着性を高め確実なものにすることができる。
【0025】
また、前述した例は円筒内側が空気極、円筒外側が燃料極である縦縞円筒形固体電解質型燃料電池の実施例を示しているが、反対に円筒内側が燃料極、円筒外側が空気極である横縞円筒形固体電解質型燃料電池においても前述文中、燃料と酸化剤を置き換えて本発明を適用することができる。
【0026】
またさらに、図9に示すように、両端開放型の円筒形固体電解質型燃料電池の場合においては、前述の例と同様発電室8と燃焼室9を仕切る仕切り板9に密着させるように隔壁板14を配置するだけでなく、発電室8と空気分配室17を仕切る仕切り板18に密着させるように隔壁板19を配置することで発電室8と空気分配室17との気密性を適正に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る固体電解質型燃料電池の昇温時の縦断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る固体電解質型燃料電池の昇温時の縦断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る固体電解質型燃料電池の昇温時の縦断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係る固体電解質型燃料電池の昇温時の縦断面図である。
【図5】本発明の一実施例に係る固体電解質型燃料電池の昇温時の縦断面図である。
【図6】本発明の一実施例に係る固体電解質型燃料電池の昇温時の縦断面図である。
【図7】本発明の一実施例に係る固体電解質型燃料電池の昇温時の縦断面図である。
【図8】本発明の一実施例に係る固体電解質型燃料電池の昇温時の縦断面図である。
【図9】本発明の一実施例に係る固体電解質型燃料電池の昇温時の縦断面図である。
【図10】従来の固体電解質型燃料電池の縦断面図である。
【符号の説明】
1 燃料電池セル
2 導入管
3 燃料電池セル集合体
4 ガスシール容器
5 断熱ボード
6 仕切り板
7 燃料分配室
8 発電室
9 燃焼室
10 排ガス配管
11 燃料供給配管
12 酸化剤供給配管
13 酸化剤分配器
14 隔壁板
15 滑り板
16 パッキン
17 空気分配室
18 仕切り板
19 隔壁板
Claims (8)
- 複数の燃料電池セルを接続した燃料電池セル集合体と、前記セル集合体を覆い囲み、少なくとも燃料ガスおよび燃焼ガスを外部から遮断するガスシール容器と、前記ガスシール容器内の前記セル集合体の開口部付近に設けられた仕切り板により仕切られた前記セル集合体の発電部側の発電室と、開口部側の燃焼室を有する燃料電池システムであって、
前記ガスシール容器と、前記仕切り板との隙間を埋める隔壁板を設けたことを特徴とする燃料電池システム - 前記隔壁板は前記仕切り板2枚に挟みこまれた構造であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム
- 前記隔壁板は前記仕切り板の表面に押付けられた構造であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム
- 前記隔壁板は表面の平滑な金属板またはセラミック板を間に介して前記仕切り板と密着させることを特徴とするの請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池システム
- 前記隔壁板は繊維状のセラミックまたは繊維状の金属を間に介して前記仕切り板と密着させることを特徴とするの請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池システム
- 複数の燃料電池セルを接続した燃料電池セル集合体と、前記燃料電池セル集合体の周囲に配した断熱ボードと、前記セル集合体と前記断熱ボードを覆い囲み、少なくとも燃料ガスおよび燃焼ガスを外部から遮断するガスシール容器と、前記ガスシール容器内の前記セル集合体の開口部付近に設けられた仕切り板により仕切られた前記セル集合体の発電部側の発電室と、開口部側の燃焼室を有する燃料電池システムであって、
前記隔壁板は前記仕切り板と前記断熱ボードの間に挟みこまれた構造であることを特徴とする燃料電池システム - 前記隔壁板は前記ガスシール容器と同一材質であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の燃料電池システム
- 前記隔壁板は前記ガスシール容器の材質と略同一の線膨張係数を有する材質であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の燃料電池システム
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