JP2007305558A - 燃料電池セル及びスタックの構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池スタックを分解して、劣化したセルの交換や電解質の補充ができ、燃料電池セルの寿命を長くする。
【解決手段】長方形の金属板からなるカソード集電板52の中央部に長方形平板状のカソード電極55を収納するための凹部を設け、その凹部全面に亘って多数の小孔54を設け、そこにカソード電極を収納し、その上に電解質板56をカソード集電板全面を覆うように配置し、その上にアノード電極57を配置し、その上に、金属板からなる薄い箱状でその底部にアノード電極57とほぼ同じ面積の開口部を持つアノード集電板58を配置し、アノード電極57とアノード集電板58との間に形成される空間部分にはアノード電極57を支持するための長方形平板状の発泡金属体60を配置した燃料電池。
【選択図】図11

Description

[発明の詳細な説明]
[産業上の利用分野]
本発明はエネルギー変換装置の分野に属し、燃料の有する化学エネルギーを直接電気に変換する燃料電池に関するものである。特に、溶融炭酸塩形燃料電池のセル及びスタックの構造を一変し、セル及びスタックのコストを大幅に低減し、コストの安い燃料電池発電設備を実現し、それを通じて、エネルギー資源の有効利用や地球環境の改善に貢献することが本発明の主たる目的である。
[従来の技術]
(1)図1に従来型の溶融炭酸塩型燃料電池のセルの構成要素を示す。
図1[A]はセルの鳥瞰図を、また、[B]はカソード側、アノード側それぞれの側面図を示しているが、説明上の観点から両者には多少の差がある。
図1[A]に示すように、1つのセルの基本構成要素は、セラミックスの粉末を平板状に成形し、その粒子間の空隙に電解質であるアルカリ炭酸塩を充填した電解質板1と、その両側に金属粉末の焼結体等で作られたアノード電極2とカソード電極3の3つで、セルはこれらを相互に密着させた構造である。
通常、セルは単独で使用することはなく、セルを多数積層し、セル間を直列に接続したスタックとして使用される。
この状態では上記3つの構成要素のほかにセパレータと呼ばれる構成要素が必要となる。
セパレータはカソード電極にカソードガス(MCFCの場合は空気と二酸化炭素の混合ガス)を流す通路を形成するためのカソードコルゲート板4と、アノード電極にアノードガス(水素等の燃料ガス)を流す通路を形成するためのアノードコルゲート板5と、カソードガスとアノードガスの混合を防止するためのセンタープレート6の3つの構成要素が最低限必要となる。
その外に、セパレータの側面を通してアノードガス及びカソードガスが漏洩または混合しないようにそれぞれマスクプレート7を使用している。
更に、図1[B]に示すように、必要に応じてカソード電極とカソードコルゲート板の間及びアノード電極とアノードコルゲート板の間にそれぞれカソード集電板8、アノード集電板9を入れる。
これらの集電板は電極を強度的に支持し、同時にセル間の電気抵抗を低減する集電板の機能を担っている。
(2)図2は従来型燃料電池のカソード電極及びアノード電極にそれぞれ必要なガスを流す方法に関する説明のための図である。
図2[A]は内部マニフォールド型と呼ばれる方式で、セパレータのセルの有効電極面10の外側の部分にカソード入口12、カソード出口13、アノード入口14、アノード出口15を設けたもので、このほかセルとしては、ガスの流量配分を良くするための抵抗部11やガスが外部に漏洩しないためのシール部16が設けられている。
図2[B]は外部マニフォールド型と呼ばれる方式で、長方形である有効電極面17の4つの側面をガスの供給口、排出口として利用する方式で、カソード入口20、カソード出口21、アノード入口22、アノード出口23のほかセルとしてはシール部19と必要に応じてガスの流量配分を良くするための抵抗部18が設けられる。
(3)図3は従来型の外部マニフォールド型スタックの概念図である。
多数のセル24を積層して側面にガス供給用のマニフォールド25を設け、上下に断熱・絶縁材26を入れて、上下から締め付け装置27、締め付けロッド28、スプリング29を使って一体化させたもので、電流30はセルの上下端から取り出す構造である。
発明が解決しようとする課題
(1)図1に示す従来のセルは、その基本構成要素が電解質板とそれを両側から挟むように配置されたカソード、アノードの2つの電極で構成されている点は本発明も同じであるが、従来技術はアノード電極及びカソード電極にそれぞれアノードガス、カソードガスを供給するためのセパレータと呼ばれる金属部品が大変複雑な構造で、部品点数が多く、材質も高価な材料が使用されていたため、セルコストの大半がこのセパレータのコストで占められているという欠点があった。
更に、アノード、カソードそれぞれの電極はそれ自体強度の高いものではないので、電極を直接コルゲート板の上に置くと、コルゲート板は波板で、当然、電極が支持される部分と支持されない部分が存在し、締め付けた時に電極が変形する。電極が変形すると各セル構成要素間の密着性が悪くなり、セル性能を低下させることになる。従って、その欠点を防止するために、図1[B]に示すようにカソード電極とカソードコルゲート板の間に、多数の細かい孔の開いた平板で作られるカソード集電板8を入れている。また、アノード電極とアノードコルゲート板の間にも同様のアノード集電板9を入れている。
従って、セパレータはカソード集電板、カソードコルゲート板、センタープレート、アノードコルゲート板、アノード集電板、マスクプレートと非常に多くの要素で構成されている上に、これらを製造するために必要な金属板のプレス加工や溶接は大変コストの掛かるプロセスである。
更に、アノード側の材料は電解質による腐食を防止するためにニッケルが使用されており、材料費の面からもコストが高くなっている。
この課題に対しては、本発明では、セパレータの部品点数を大幅に削減し、部品の構造をシンプルにして加工費を下げ、高価なニッケル板材を使用しないことで材料費を下げ、全体としてコストの著しく安いセルを実現する。
(2)また、図2[A]に示す内部マニフォールド型のセルの場合、カソード入口12、出口13、アノード入口14、出口15をセパレータの有効電極面の外側に設ける必要があることから、セルのコストの大半を占めるセパレータの面積がセルの有効電極面積に較べて著しく大きくなり、セルのコストを引き上げてしまうという大きな欠点があった。
一方、アノードガス(燃料ガス)とカソードガス(空気と二酸化炭素の混合ガス)の間で起こる発電反応は発熱反応であるので、一般的にはアノードガスもカソードガスも入口より出口の方が温度が高くなる。スタック内でどのような温度分布が発生するかによって、それに応じた熱応力が発生する。
複雑な熱応力の発生を避けるためには、アノードガスとカソードガスを並流または対向流とすることが好ましく、内部マニフォールド型ではこれらのガスの流れを選択することができるという利点がある。
逆に、図2[B]に示す外部マニフォールド型の場合は、セパレータの殆どがセルの有効電極面積となるため、コストが安くなる利点があるが、アノードガスとカソードガスは直交流となるためスタック内の温度分布が複雑になり、捩じれ等を含む複雑な熱応力によってスタックに損傷を与える可能性があるという大きな欠点がある。
これらの課題に対して、本発明では、セパレータに占める有効電極面積の割合を大きくしてコストを下げると同時に、熱応力的に最も安定で、かつ、スタックの寿命を長くすることのできる対向流方式を取ることのできる新しいセルの構造を考案する。
(3)また、図3に示す従来型のスタックでは、多数のセルを直接積層して強い力で締め付けたもので、セパレータは溶接構造であり、セパレータとセパレータの間に置かれる電解質板は接着性があるので、一度運転に入ったスタックはセル間が密着して一体のものになってしまう。従って、スタックの中の1つのセルの電圧が劣化したり、部分的にセルにクラックが入りガスのリークが発生する等の損傷が起こった場合でも、そのセルだけ交換するということができなかった。
また、電解質板に充填されている電解質は時間とともに次第に減少し、電池の性能が低下していくが、従来型のスタックではスタックを1つ1つのセルに分解することができないので、途中で電解質を補充することができなかった。
この課題に対しては、本発明では、スタックを分解し、劣化したセルの交換や電解質の補充ができるセル及びスタックの構造を考案し、スタックの実質的な寿命を長くすることで、スタックの更なるコスト低減を図ることを目的としている。
課題を解決するための手段
本発明は、従来のセル、スタックの構造と全く異なる新しい構造の考案であるので、その内容を理解しないと[課題を解決するための手段]を記載することが難しいので、本来は次の[発明の実施の形態]で記載すべきと思われる図面を引用しての本発明の説明を先行的に記述し、その中で、[課題を解決するための手段]を説明する。
(1)図4は本発明のカソード集電板31である。
全体形状は長方形で、薄い金属平板をプレス成形等によって製作する。中央部にカソード電極収納部32(浅い凹部)を有する。このカソード電極収納部にはカソード電極にカソードガスを供給するための多数の小孔34が設けられている。各周辺部33は平面で、電解質板と接して電解質によるウェットシールをするために設けられている。
(2)図5は本発明のカソード電極35で、形状は長方形の平板で、大きさはカソード集電板のカソード電極収納部より僅か小さく、厚さは僅か厚い形状である。これは電子導電性と通気性を併せ持つ材料で作られている。
これをカソード集電板のカソード電極収納部に収納すると、カソード集電板の周辺部33と高さがほぼ等しくなり、全体が同じ高さの平面を形成することになる。
(3)図6は本発明の電解質板36で、セラミックス等の粉末で形成される長方形の平板状で、その粒子間の隙間に電解質である炭酸リチウム化(LiCO)、炭酸カリウム(KCO)、炭酸ナトリウム(NaCO)等の混合塩が含浸されているもので、運転条件においてイオン導電性、絶縁性、気密性を有するものである。
また、この形状は面積的にカソード集電板とほぼ同じで、カソード電極を収納したカソード集電板の上に、カソード電極全体を覆い、かつ、カソード集電板の各周辺部と接して、運転状態において電解質によるウェットシール機能が働くように配置する。
(4)図7はアノード電極37で、電子導電性と通気性を有する材料で作られている。
形状は長方形の平板で、面積的にはカソード集電板のカソード電極収納部より少し大きく、かつ、アノード集電板の開口部より僅か小さくなっている。
このアノード電極を電解質板の上に配置した状態では、アノード電極の各周辺部がカソード集電板のカソード電極収納部より外側になるように設計されている。
これは、カソード電極とアノード電極の端部が重なると、その部分で電解質板にせん断応力が働き、電解質板が破損しやすいので、それを避けるためである。
なお、組立手順としては、後述するように、アノード側とカソード側は別々に組立、最後に両者を合わせて1つのセルとする。
(5)図8は発泡金属体(燃料ガス通路)38で、電子導電性と通気性を持った材料でできている。面積的にはアノード電極より大きく、かつ、アノード集電板の中に収納可能な大きさである。
図8は一体の長方形の平板として記載してあるが、目的はアノード電極の支持、集電機能、燃料ガスの通路としての機能であるので、全体が一体である必要はなく、分割されたものを予めアノード集電板の中に収納し、固定しておく。
(6)図9はアノード集電板39で、薄い金属平板で作られた薄い平板状の箱型で、大きい面の片側にアノード電極より僅か大きい開口部40を有する。また、長手方向の側面の一端に燃料ガスの入口としての開口部42を有し、図面には記載がないが、もう1つの長手方向の側面の入口と反対側の端部に燃料ガスの出口のための開口部を有する。周辺部41は平面で、セルとして組み立てられた状態で電解質板と接し、電解質によるウェットシール機能が働くようになっている。
このアノード集電板を開口部が上に来るように置き、開口部40から、先ず、発泡金属体38を収納、固定し、次いで、アノード電極37を収納、固定する。
この状態で、アノード集電板の周辺部41とアノード電極の上面は同じ高さとなる。
これを上下反転して、既に電解質板36まで組み上がった状態の上に置くことで、1つのセルが形成される。
(7)上記のように組み立てられたセルの燃料ガス通路は、アノード集電板と電解質板によって平板状のチューブが形成され、燃料ガスの外部への漏洩はなく、ここに燃料ガスを流せばアノード電極に燃料ガスが供給される。
一方、チューブ状のセルの外部にカソードガスを流せば、カソード集電板のカソード電極収納部に設けられた多数の小孔を介してカソード電極にカソードガスが供給される。
このようにして作られたセルは、両面が金属平板でできたカソード集電板とアノード集電板であるので、積層しても相互に密着状態になることはなく1つ1つのセルは独立しており、アノード集電板とカソード集電板の間に何らかのカソードガスの通路としてのスペーサー機能は必要であるが、一度スタックとして組み上げても、必要に応じて1つ1つのセルに解体することができる。
(8)図10は改良型のアノード集電板43で、開口部44、周辺部45は基本的に図9と同じであるが、図A−Aを見れば明らかなように、プレス成形された多数の上向きの突起46が形成されており、多数のセルを積層した時に、カソードガスはこの突起の間を通ってカソードにガスを供給し、電流はこの突起を通って隣接するカソード集電板に伝えられることになる。
(9)図11はセルの組立断面図を示す。各セルとも、下からカソード集電板52、カソード電極55、電解質板56、アノード電極57、燃料ガス通路60、アノード集電板58から構成されている。
[A]はカソード集電板52のカソード電極収納部53の底面が平面で、小孔54を有し、アノード電極の支持及び燃料ガス通路60として発泡金属体が使われている。
また、アノード集電板58には突起部59があり、多数のセルを積層したスタックにおいて、この突起58がカソードガスの通路を形成するようになっている。
[B]はアノード電極の支持及び燃料ガスの通路60に発泡金属体ではなく、金属板からなるコルゲート板を使用している点が[A]と異なるだけで、その他は[A]と同じである。
従来型のセパレータと比較した時、[A]、[B]いずれのセルもカソード集電板とアノード集電板の2枚の金属板と燃料ガス通路としての発泡金属体またはコルゲート板等の3要素で従来のセパレータに較べて部品点数が低減している。アノード集電板もカソード集電板もステンレス鋼を使用しており、ニッケルを使用していないので材料費が安価である上、基本的に溶接部がないので、加工費が大幅に低減する。
また、このセルは内部マニフォールドを持っておらず、基本的に周辺のシール部以外は総て有効電極面積であるので全セル面積に占める有効電極面積の割合が大きい。
更に、セルの形状が縦長の長方形であり、燃料ガスも空気も流れ方向の幅に対して長さが長く、流量配分を改善するための抵抗部を設けなくても、ガスの流量配分が均一になる。
また、幅が狭いので中心部と周辺部の温度差が小さく、ホットスポットや熱応力によるダメージを受けにくい。
(11)図12は図11の[A]を積層したスタックの概念図である。
セル積層部64の上下に電流取り出し板65があり、その上下に断熱・絶縁材66が配置されている。その上下から締め付け装置67によってスプリング68を介して全体を締め付けている。
しかし、1つ1つのセルは上下が金属板であるので相互に密着状態になることはなく、燃料ガスヘッダーと締め付け装置を外せば1つ1つのセルをバラバラにすることができるので、損傷を受けたセルを交換することも可能で、それによって実質的な寿命延長が可能となる。また、バラバラにしなくても、カソード集電板のカソード電極収納部の小孔を介して電解質を補充することも可能である。
(12)図13はスタック周りの機器の配置とカソードガス、アノードガスの流れを示している。スタック69は上下方向に対して縦長に配置され、燃料ガスFGは燃料ガスヘッダー70を介して各セルのアノード側に供給される。燃料ガスは上から下へ向かって流れ、スタック下部の燃料ガスヘッダー73から混合室75に導かれる。一方、空気AIRはスタックの外部に設けられた空気予熱器74で予熱されながら上から下に向かって流れ、下部から混合室に導かれてアノード排気と混合される。次いで、酸化触媒76に接してアノード排気中の可燃成分が燃焼され、COと酸素を含む燃焼ガスがカソード側の通路を通って下から上に向かって流れる。
即ち、燃料ガスは上から下へ、カソードガスは下から上へ向かって流れる対向流方式となる。一般に、発電反応は発熱であるため、アノードガスもカソードガスも入口より出口の温度が高くなるが、対向流では相互に相殺しあい、従って、スタックは全体が最も均一な温度になり、熱応力によるダメージを受けにくい構造である。
[発明の実施の形態]
以上、[課題を解決するための手段]という観点から本発明の基本的な内容について図面を使って説明してきたが、ここでは[発明の実施の形態]の観点から今までに記載しなかった部分や発明の背景となる技術的に詳細な部分の説明を行う。
(1)本発明のセルは図11に示す通り、基本的にアノード集電板58と電解質板56で構成される平板チューブ状の閉じられた空間に燃料ガスを流すことでアノード電極57に燃料ガスを供給し、アノード集電板58とカソード集電板52で構成される平板チューブ状セルの外部に酸素とCOを含む酸化剤ガスを流すことでカソード電極55に酸化剤ガスを供給し、電解質56を挟んで配置されたアノード57、カソード55両電極の間に起電力を発生させる構造を取っている。この形式のセルの場合、セルを複数積層したスタックにおいて各セルに燃料ガスを供給するヘッダーの構造が非常に重要なポイントとなる。
本発明では、セルは縦長の長方形の薄い箱型の形状をしているが、図9に示す通り、アノード集電板の薄い側面の長手方向の上部に燃料供給用の開口部42を有しており、反対側の側面の下部にアノード排気を排出するための開口部を有している。図13では燃料供給用と排出用の開口部が同じ側面にあるように記載しているが、セル内の燃料ガスの流量配分の状況によって開口部をどちらに設けるか選定する。
スタックにおいては、図13に示す如く、各セルの薄い開口部42が間歇的に連続して配置されることになる。この部分全体を覆うように連続した平板状シール材を配置し、このシール材にはアノード集電板の開口部と同じ位置に開口部が設けられている。この上に燃料ガス供給用の角型パイプ79を密着して配置する。この角型パイプ79にはシール材と接する側に開口部が設けられており、ここから各セルに燃料ガスが供給される。この燃料ガス供給用の角型パイプは絶縁体80を介して止め金具81でスタックに固定されている。
アノード排気用のヘッダーも同じ構造である。
(2)本発明のセルは、周辺のシール部以外は有効電極面積となり、全セル面積に占める有効電極面積の割合が大きいことが特徴である。有効電極面積の割合を最大にするのは正方形であるが、一方、この有効電極面積に燃料ガス及び酸化剤ガスを均一に流すためには流れ方向が長く、幅方向が狭い方が好ましい。本発明では、長さ(L)と幅(D)の比をL/D=2〜8の範囲とすることで、有効電極面積全体に燃料ガスと酸化剤ガスを均一に流し、かつ、経済性を満足するようにしている。
(3)前記の通り、スタックは上下方向に縦長に配置するが、燃料ガスは上から供給し、アノード排気は底部で排出される。スタック直下にアノード排気中の可燃成分を燃焼するための空気との混合室と触媒酸化器が設けられている。空気はスタックの外側を囲うように配置された断熱材の外部に設けられた空気予熱器74を通って混合室の下部より混合室に供給される。
触媒酸化器を出た燃焼ガスはカソード集電板とアノード集電板の間を下から上に向かって流れ、カソード集電板のカソード電極収納部に設けられた多数の小孔を介してカソード電極にカソードガスを供給する。
即ち、燃料ガスは上から下へ、酸化剤ガスは下から上へ流れる対向流となる。
一方、発電反応はカソードでCO+1/2O+2e=CO 2−の反応で炭酸イオン(CO 2−)が生成され、炭酸イオンが電解質中をアノードに移動し、そこでCO 2−+H=CO+HO+2eの反応で電子を放出し、電子は外部回路を通って再びカソードに戻る。この反応が継続することで、電子の流れ即ち電流が起こることになるが、この反応は全体として水素の燃焼反応であり、発熱反応であるため、一般にアノードガスもカソードガスも入口温度より出口温度の方が高くなる。
本発明ではアノードガスとカソードガスの流れが対向流であるため、セル内の伝熱によって相互に相殺しあい、セル全体の温度が最も均一になり、温度差に起因する熱応力が発生しにくく、熱応力によるスタックのダメージが起こりにくい。
(4)また、セルの内部では発電反応によって発熱が起こっており、この発熱と伝熱による温度降下の関係から一般に中心部は温度が高く、周辺部は温度が低くなる。しかし、本発明のセルは幅が狭く、長さが長い形状になっているため、横方向への伝熱から中心部にホットスポットができにくく、ホットスポットによる熱応力の発生や高温自体によるセルのダメージを受けにくい構造となっている。この観点からも幅を狭く、長さを長くしていることは有効である。
(5)既に記載したように、本発明ではアノード電極の大きさをカソード電極より大きくし、アノード電極の周辺部の位置がカソード電極の周辺部と一致することのないように、アノード電極の全周辺部がカソード集電板のカソード収納部の周辺より外側に来るよう、即ち、カソード集電板の周辺部に重なる位置に来る構造とした。
これはカソード電極とアノード電極の両方のエッジが一致すると電解質板のその部分にせん断応力が掛かり易く、電解質板にクラックが入る可能性が高くなるためである。
従って、アノード電極とカソード電極のエッジの位置をずらすことで、電解質板の健全性を高めた。
(6)図14に内部改質用触媒の配置を示す。
図14の[A]はアノード集電板58に突起59が設けられている場合で、この場合、突起部の燃料通路側の凹部に内部改質用触媒を充填することができる。この部分は燃料ガス通路の中で、アノード電極から最も離れた位置にあり、電解質による改質触媒の劣化を受けにくい場所となっている。
また、図14[B]はアノード集電板の上面が平面の場合を示しており、この場合はアノード集電板の燃料ガス通路側の上面に粉末状触媒を付着させたものである。
この位置も電解質による劣化を受けにくい場所となっている。
また、図14[C]は燃料ガス通路が発泡金属体の場合で、発泡金属体に多数の小孔を設け、そこに改質触媒を充填したものである。
このように燃料ガス通路に改質触媒を配置し、発電反応に伴って発生する熱を利用してスタック内部で改質を行わせることで、独立した改質器が省けるので本発明の目的であるシステムのシンプル化によるコストダウンの達成が可能となる。
また、改質用燃料が不要となるので発電効率を高めることができる。
(7)図11の[B]はアノード電極の支持体として、発泡金属体の代わりに金属製の薄板から製造されたコルゲート板等を使用した場合である。アノード電極はニッケル粉末の焼結体で、ある程度の強度を有しているので、開口部の幅がある程度広くても、アノード電極が大きな変形をすることなく使用することができる。
発明の効果
(1)本発明のセルの構造は、セルの中で最もコストに影響を与える1セル当たりのセパレータの金属加工板の数を従来のセルに較べて極端に少なくしており、セルのコストを大幅に引き下げることができる。
(2)本発明で使用するセルの構成部品は総て単純な長方形で、金属加工板は簡単なプレス加工で、その他のポーラス部品はテープ成形機と連続焼成炉で成形でき、溶接を必要とするところはない。従って、加工時間も短く、セルの加工費を大幅に引き下げることができる。
(3)本発明のセルの構成部品の形状は単純な長方形で、かつ、幅が狭いので、プレス、テープ成形機、連続焼成炉等生産設備はいずれも幅の狭い小型の設備で済むので設備投資が少なくて済む。
(4)本発明のスタックは、必要な数のセルを積層して締め付け装置で締め付けるだけで、燃料ガスヘッダーとスタックの締め付け装置を外せば、それぞれのセルに分解することができ、ダメージを受けたセルを交換したり、電解質を補充することが可能である。また、1つ1つのセルをバラバラにしなくても、カソード電極収納部に設けられた多数の小孔を介して電解質を補充することができる。
(5)本発明のセルは、ガスの流れ方向に対する距離が長く、幅が狭いので、流量配分改善のために抵抗部を設けなくても、ガスの流量配分のバラツキが小さい。
(6)本発明のセルはカソードガスとアノードガスの流れが対向流であることからもともと全体が一定の温度範囲内にあり、温度分布に起因する熱応力が極めて小さいと同時に、セルの幅が狭く、放熱しやすい構造であるのでホットスポットが発生することはなく、ホットスポットによるセルの劣化がない。
(7)本発明のセルは内部改質にも外部改質にも適用することができる。
外部改質の場合、カソードへのガス供給量を増大させる必要があるが、カソードガスの通路に電子導電性材料で作られたスペーサを追加することで、セル部分の形状を変えることなく、容易に対応ができる。
:従来型のセルの構成要素の説明図 [A]鳥瞰図 [B]側面図 :従来型のセルのガス供給方法に関する説明図 :従来型のスタックの概念図 :本発明のカソード集電板の構造図 :本発明のカソード電極の構造図 :本発明の電解質板の構造図 :本発明のアノード電極の構造図 :本発明の発泡金属体(燃料ガス通路)の構造図 :本発明のアノード集電板の構造図 :本発明のアノード集電板の改良案 :本発明のセルの組立断面図 :本発明のスタックの組立断面図 :本発明のスタック周りの組立断面図及びガスの流れ :本発明の内部改質用触媒の配置に関する説明図
符号の説明
1.電解質板
2.アノード電極
3.カソード電極
4.カソードガス通路(コルゲート板)
5.アノードガス通路(コルゲート板)
6.センタープレート
7.マスクプレート
8.カソード集電板
9.アノード集電板
10.内部マニフォールド型セパレータの有効電極部
11.内部マニフォールド型セパレータの抵抗部
12.内部マニフォールド型セパレータのカソードガス入口
13.内部マニフォールド型セパレータのカソードガス出口
14.内部マニフォールド型セパレータのアノードガス入口
15.内部マニフォールド型セパレータのアノードガス出口
16.内部マニフォールド型セパレータのシール部
17.外部マニフォールド型セパレータの有効電極部
18.外部マニフォールド型セパレータの抵抗部
19.外部マニフォールド型セパレータのシール部
20.外部マニフォールド型セパレータのカソードガス入口
21.外部マニフォールド型セパレータのカソードガス出口
22.外部マニフォールド型セパレータのアノードガス入口
23.外部マニフォールド型セパレータのアノードガス出口
24.従来型スタックのセル積層部
25.従来型スタックのヘッダーカバー
26.従来型スタックの断熱・絶縁材
27.従来型スタックの締め付け装置
28.従来型スタックのテンションロッド
29.従来型スタックの締め付け用スプリング
30.従来型スタックの電流の取り出し
31.本発明のカソード集電板
32.本発明のカソード集電板のカソード電極収納部
33.本発明のカソード集電板のシール部
34.本発明のカソード集電板のカソード電極収納部に設けられた小孔
35.本発明のカソード電極
36.本発明の電解質板
37.本発明のアノード電極
38.本発明の発泡金属体(燃料ガス通路)
39.本発明のアノード集電板
40.本発明のアノード集電板のアノード電極及び発泡金属体の収納部
41.本発明のアノード集電板のシール部
42.本発明のアノード集電板の燃料ガス入口
43.本発明の改良型アノード集電板
44.本発明の改良型アノード集電板のアノード電極及び発泡金属体の収納部
45.本発明の改良型アノード集電板のシール部
46.本発明の改良型アノード集電板の開口部
47.本発明の改良型カソード集電板
48.本発明の改良型カソード集電板のカソード電極収納部
49.本発明の改良型カソード集電板のシール部
50.本発明の改良型カソード集電板のブリッジスクリーンの開口部
51.本発明の改良型カソード集電板のブリッジスクリーンの突起部
52.本発明のカソード集電板
53.本発明のカソード集電板のカソード電極収納部
54.本発明のカソード集電板のカソード電極収納部に設けられた小孔
55.本発明のカソード電極
56.本発明の電解質板
57.本発明のアノード電極
58.本発明のアノード集電板
59.本発明のアノード集電板の突起部
60.本発明の発泡金属体(燃料ガス通路)
64.本発明のスタックのセル積層部
65.本発明のスタックの電流取り出し板
66.本発明のスタックの断熱・絶縁材
67.本発明のスタックの締め付け装置
68.本発明のスタックのスプリング
70.本発明のスタックの燃料ガス入口ヘッダー
71.本発明のスタックにおける燃料ガス通路
72.本発明のスタック外部の断熱材
73.本発明のスタックの燃料ガス出口ヘッダー
74.本発明のスタックへの空気供給通路
75.本発明のアノード排気と空気の混合室
76.本発明の酸化触媒
77.本発明のアノード集電板の燃料ガス入口部
78.本発明のアノード集電板の燃料ガス入口部のシール材
79.本発明の燃料ガスヘッダー
80.本発明の燃料ガスヘッダー支持用絶縁体
81.本発明の燃料ガスヘッダー支持用金具
82.本発明の内部改質用触媒
AIR 空気
FG 燃料ガス

Claims (7)

  1. 長方形の金属板の中央部付近に長方形平板状のカソード電極より僅か大きくほぼ同じ形状のカソード電極を収納するための凹部を有し、その凹部全面に亘って多数の小孔を有するこのカソード集電板の凹部に、電子導電性と通気性を有する長方形平板状のカソード電極を収納し、その上にカソード集電板とほぼ同じサイズで、絶縁性とイオン導電性と気密性を有する長方形平板状の電解質板をカソード電極全面を覆うように、かつ、電解質板の各周辺部がカソード集電板の対応する各周辺部と接し、液体電解質によるウェットシール機能を確保できるように配置し、その上に、カソード電極より面積が大きく、電解質板より面積が小さく、電子導電性と通気性を有するアノード電極を、その各周辺部がカソード集電板のカソード電極収納部より外側に来るように配置し、その上に、金属板からなる薄い箱状でその底部にアノード電極より僅か大きくほぼ同じ形状の開口部を持つアノード集電板を、その周辺部が電解質板と接して、液体電解質によるウェットシール機能を確保できるように配置し、アノード電極とアノード集電板との間に形成される空間部分にはアノード電極を支持すると同時に集電機能を有する長方形平板状の発泡金属体等からなる燃料ガス通路を配置し、上記の如く形成された燃料電池の燃料ガス通路を介してアノード電極に燃料ガスを、また、カソード集電板の外側にカソードガスを流し、カソード集電板に設けられた多数の小孔を介してカソード電極にカソードガスを供給することを特徴とする燃料電池。
  2. 金属板からなる薄い箱状のアノード集電板の上面に多数の上向きの突起を設け、複数のセルを積層したスタックにおいて、カソード集電板とアノード集電板の間に酸化剤ガスの通路を形成させるようにしたことを特徴とする請求項1の燃料電池。
  3. アノード電極を支持し、かつ、燃料ガスの通路を形成している発泡金属体等の代りに、コルゲート板等の金属薄板から構成された同様の機能を有する構造物に置き換えたことを特徴とする請求項1の燃料電池。
  4. 金属板からなる長方形の薄い箱状のアノード集電板の長辺側の側面の一方の端部付近に燃料ガスの入口のための開口部を設け、もう1つの長辺側の側面の入口とは反対の端部付近に燃料ガスの出口のための開口部を設けたことを特徴とする請求項1の燃料電池。
  5. 請求項1から4に示す長方形のセルから構成されるスタックを上下方向に縦長に配置し、燃料の入口を上部に、燃料の出口部を下部に設けて燃料ガスを上から下に向かって流し、スタックから排出されたアノード排気をスタックの直下に設けられた混合室に導き、同時に空気を同じ混合室に導いてアノード排気と混合し、その混合ガスをスタック直下に設けた触媒燃焼器に導いてアノード排気中の可燃性ガスを燃焼し、その燃焼ガスを下から上に向かってスタックのカソード側に供給することを特徴とする対向流型スタック。
  6. 燃料ガス通路内に内部改質用触媒を配置したことを特徴とする請求項1の燃料電池。
  7. セルの有効電極面積が長方形で長辺と短辺の比が2〜8となる請求項1の燃料電池。
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