JP2004119203A - 金属黒鉛質ブラシ - Google Patents

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JP2004119203A
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Yoshihiro Koike
小池 吉弘
Katsunori Nogi
野木 勝徳
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】整流子表面に生成する黒化皮膜をできるだけ低減し、ブラシ自体の摩耗を低減して耐久性に優れた金属黒鉛質ブラシを提供する。
【解決手段】銅及び黒鉛を主成分とし、これに固体潤滑剤を0.5〜5重量%及び銅−マンガン合金を0.1〜5.5重量%含有してなる金属黒鉛質ブラシ。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電機、電動機等に使用される回転電機用、特に自動車のスタータモータに使用される金属黒鉛質ブラシに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の回転電機用直流電動機は、高速、高電流密度化を行って小型軽量化を図っているが、整流性能、特性等の低下及びブラシの摩耗が多くなり、耐久性が短くなっているのが現状である。
特に、自動車のスタータモータに使用されるブラシは、耐久性、耐衝撃性、耐食性、低電気損、低抵抗化等が要求されており、これらを満足するために、銅及び黒鉛を主成分とし、これに二硫化モリブデン、鉛等の潤滑剤を添加した金属黒鉛質ブラシが用いられている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公昭58−029586号公報(第1−3頁、第3図)
【0004】
ところが、上記に示すような金属黒鉛質ブラシを用いたスタータモータは、高速、高電流密度化により火花の発生が著しく、この火花により整流子表面に黒化皮膜が生成し、凹凸、荒れが生じると共に、ブラシの摩耗が増大する問題点がある。このような問題点を解消する方策として、炭化珪素(SiC)などの研磨性物質を添加し、整流子表面へのクリーニング作用を付与する方法がある(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献2】
特公昭60−013382号公報(第1−4頁、第1−2図)
【0006】
しかしながら、上記のような研磨性物質を添加した金属黒鉛質ブラシは、クリーニング作用が強いため最適な添加量及び粒径の選定が困難であるという問題点がある。特に、大電流を流す自動車のスタータモータ用ブラシに適用するには最適な添加量及び粒径の選定が困難である。即ち、研磨性物質の添加量が多い場合、粒径が大きい場合、高温で整流子が軟化したなどの場合には、添加した研磨性物質により整流子が荒損して、条痕や凹凸が発生し、これによりモータの出力劣化、ブラシの摩耗が増加するなどの問題点がある。
【0007】
一方、アルミニウム粉(Al粉)、炭化珪素(SiC)等の皮膜調整剤を添加し、整流子表面に生成する黒化皮膜を低減する方法(特許文献3参照)があるが、この方法においても整流子への研磨性が強くなり整流子が荒損するなどの問題点がある。
また、近年の環境問題から、金属黒鉛質ブラシ中に潤滑剤として使用されている鉛が規制される方向にあり、もし鉛の使用が禁止されると金属黒鉛質ブラシの潤滑性が悪くなるという問題点が生じる。
【0008】
【特許文献3】
特公昭60−013382号公報(第1−4頁、第1−2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、整流子表面に生成する黒化皮膜をできるだけ低減し、ブラシ自体の摩耗を低減して耐久性に優れた金属黒鉛質ブラシを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のものに関する。
(1) 銅及び黒鉛を主成分とし、これに固体潤滑剤を0.5〜5重量%及び銅−マンガン合金を0.1〜5.5重量%含有してなる金属黒鉛質ブラシ。
(2) 金属黒鉛質ブラシが、さらに亜鉛、マンガン、ニッケルのうち1種以上の金属を含有してなる上記(1)記載の金属黒鉛質ブラシ。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、窒化硼素等が用いられる。固体潤滑剤の含有量は、金属黒鉛質ブラシに対して0.5〜5重量%、好ましくは1〜4重量%、さらに好ましくは2〜3重量%の範囲とされ、0.5重量%未満であると潤滑性が不足し、ブラシ摩耗が激しくなる。5重量%を超えると被膜過剰となり、摺動性が悪化しブラシ摩耗が激しくなる。固体潤滑剤の粒径については特に制限はないが、通常平均粒径が0.5 〜50μm程度の粒子径のものを用いることが好ましい。なお、平均粒径はレーザー回折法による一般的な粒度分布測定法で定めた方法により求めた。以下の材料の平均粒径も上記と同様の方法で求めた。
【0012】
また、銅−マンガン合金の含有量は、金属黒鉛質ブラシに対して0.1〜5.5重量%、好ましくは0.2〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜4重量%の範囲とされ、0.1重量%未満であるとブラシの摩耗低減効果がほとんど見られず、5.5重量%を超えると整流子及びブラシの摩耗が増加する。銅−マンガン合金の粒径についても特に制限はないが、通常平均粒径が1〜30μm程度の粒子径のものを用いることが好ましい。なお、銅とマンガンの比率については特に制限はなく、使用するモータの使用条件を考慮し、整流子に生成される黒化皮膜を適正にクリーニングする量であることが望ましく、例えば銅が50〜80重量%の割合に対してマンガンが20〜50重量%の割合であることが好ましい。
【0013】
金属黒鉛質ブラシの主成分となる銅は、出力向上及び機械的強度向上の点で平均粒径が75μm以下の電解銅粉を用いることが好ましい。また黒鉛は、結晶がよく発達した潤滑性のよい天然黒鉛を用いることが好ましい。黒鉛の粒径についても特に制限はないが、通常平均粒径が30〜200μm程度の粒子径のものを用いることが好ましい。
【0014】
本発明によって得られる金属黒鉛質ブラシは、整流子表面に生成する黒化皮膜をさらに低減する点で上記の他に亜鉛、マンガン、ニッケルのうち1種以上の金属を添加することが好ましい。亜鉛、マンガン、ニッケルのうち1種以上の金属の含有量は、金属黒鉛質ブラシに対して0.1〜5重量%の範囲とすることが好ましい。また上記の金属のうちマンガン及びニッケルの含有量は、0.1〜3重量%の範囲とすることがさらに好ましい。0.1重量%未満では整流子表面に生成する黒化皮膜を低減する効果が少なく、5重量%を超えると整流子摩耗が大きくなり、出力劣化やブラシ摩耗が増加する傾向がある。
【0015】
金属黒鉛質ブラシは、上記の成分を混合機で均一に混合した後、成形プレスで200〜600MPaの圧力で成形し、その後水素を含む還元性雰囲気中で熱処理し、次いで所定の形状に機械加工して得られる。なお、上記の成分を混合する際、銅−マンガン合金をより均一に分散させるため、銅粉の一部と銅−マンガン合金を予備混合した後、残りの成分を添加し本混合することが好ましい。
【0016】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1
平均粒径が35μmの天然黒鉛(日本黒鉛工業(株)製、商品名CB−150)80重量%及びフェノール樹脂(日立化成工業(株)製、商品名VP−11N)20重量%を配合し、混合した後、70℃で10時間硬化させ顆粒状とした300μm以下の樹脂処理黒鉛を得た。
【0017】
次に、この樹脂処理黒鉛40.5重量%、平均粒径が35μmの電解銅粉(福田金属箔粉工業(株)製、商品名CE−25)55重量%、平均粒径が5μmの二硫化モリブデン3重量%並びに銅を70重量%及びマンガンを30重量%の割合で含む平均粒径が15μmの銅−マンガン合金粉1.5重量%を秤量し、このうち電解銅粉の一部と銅−マンガン合金粉を10分間予備混合し、その後残りの成分を添加して50分間本混合し、全成分を均一に分散した混合粉を得た。なお、電解銅粉、天然黒鉛、二硫化モリブデン及び銅−マンガン合金粉は、以下の実施例及び比較例においても上記と同様のものを使用した。
【0018】
その後該成形粉を銅撚り線のピグテールつき成形プレスで、392MPaの圧力で成形し、水素を含む還元性雰囲気中で700℃まで3時間で昇温し、700℃で1時間保持して熱処理した。次いで所定の形状に機械加工して金属黒鉛質ブラシを得た。
【0019】
実施例2
電解銅粉55重量%、樹脂処理黒鉛41.5重量%、二硫化モリブデン3重量%及び銅−マンガン合金粉0.5重量%を秤量し、以下実施例1と同様の工程を経て金属黒鉛質ブラシを得た。
【0020】
実施例3
電解銅粉55重量%、樹脂処理黒鉛37重量%、二硫化モリブデン3重量%及び銅−マンガン合金粉5重量%を秤量し、以下実施例1と同様の工程を経て金属黒鉛質ブラシを得た。
【0021】
実施例4
電解銅粉55重量%、樹脂処理黒鉛39重量%、二硫化モリブデン3重量%、銅−マンガン合金粉1.5重量%及び平均粒径が30μmの亜鉛粉1.5重量%を秤量し、以下実施例1と同様の工程を経て金属黒鉛質ブラシを得た。
【0022】
実施例5
電解銅粉55重量%、樹脂処理黒鉛39重量%、二硫化モリブデン3重量%、銅−マンガン合金粉1.5重量%及び平均粒径が10μmのマンガン粉1.5重量%を秤量し、以下実施例1と同様の工程を経て金属黒鉛質ブラシを得た。
【0023】
実施例6
電解銅粉55重量%、樹脂処理黒鉛39重量%、二硫化モリブデン3重量%、銅−マンガン合金粉1.5重量%及び平均粒径が30μmのニッケル粉1.5重量%を秤量し、以下実施例1と同様の工程を経て金属黒鉛質ブラシを得た。
【0024】
比較例1
電解銅粉55重量%、樹脂処理黒鉛40重量%、二硫化モリブデン3重量%及び平均粒径が30μmの鉛粉2重量%を秤量し、以下実施例1と同様の工程を経て金属黒鉛質ブラシを得た。
【0025】
比較例2
電解銅粉55重量%、樹脂処理黒鉛41.5重量%、二硫化モリブデン3重量%及平均粒径が30μmの炭化珪素粉0.5重量%を秤量し、以下実施例1と同様の工程を経て金属黒鉛質ブラシを得た。
【0026】
次に、実施例1〜6及び比較例1〜2で得られた金属黒鉛質ブラシを自動車の12V−1.2KW級スタータモータに装着し、初期出力を測定した後、2000ccのガソリンエンジンに組み込み1秒ON、14秒OFFの条件で3万回の耐久試験を行い、耐久試験後の出力を測定すると共にブラシ摩耗及び整流子摩耗を測定した。その結果を表1に示す。なお、試験方法は下記の通りである。
出力 …JIS D 1607の電圧電流特性12−Cに準じて測定した。
ブラシ摩耗…初期及び耐久試験後の寸法をマイクロメータで測定し、その差を
ブラシ摩耗とした。
整流子摩耗…ブラシの非摺動面を基準とし、粗さ計により摩耗の最大値を測定した。
【0027】
【表1】
Figure 2004119203
【0028】
表1に示されるように実施例1〜6の金属黒鉛質ブラシは、耐久試験後の出力劣化が小さく、ブラシ摩耗及び整流子摩耗が少ないことが明らかである。これに対し比較例1の金属黒鉛質ブラシは、耐久試験後の出力の劣化は小さかったが、ブラシ摩耗が多く、また比較例2の金属黒鉛質ブラシは、耐久試験後の出力劣化が大きく、ブラシ摩耗及び整流子摩耗が多いことが確認された。
【0029】
【発明の効果】
本発明の金属黒鉛質ブラシは、整流子表面に生成する黒化皮膜をできるだけ低減し、ブラシ自体の摩耗を低減して耐久性に優れた金属黒鉛質ブラシであり、工業的に極めて好適である。

Claims (2)

  1. 銅及び黒鉛を主成分とし、これに固体潤滑剤を0.5〜5重量%及び銅−マンガン合金を0.1〜5.5重量%含有してなる金属黒鉛質ブラシ。
  2. 金属黒鉛質ブラシが、さらに亜鉛、マンガン、ニッケルのうち1種以上の金属を含有してなる請求項1記載の金属黒鉛質ブラシ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017118620A (ja) * 2015-12-22 2017-06-29 日立化成株式会社 摺動部材形成材料及び摺動部材
CN111082607A (zh) * 2018-10-22 2020-04-28 株式会社电装 电接触装置和包括电接触装置的旋转电机

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