JP2004118178A - 電気光学装置及びその駆動方法、駆動回路並びに電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークを抑制することができる電気光学装置及びその駆動方法、駆動回路並びに電子機器を提供する。
【解決手段】液晶表示装置は、複数の走査線Y1〜Ynと、各走査線に対して交差するように配線された複数のデータ線X1〜Xmとを備えている。また液晶表示装置は、各データ線に対して交差するように配線され、各データ線と容量結合するダミー電極23と、ダミー電極23に現れる電圧信号DETと所定電圧VTとを比較して、電圧信号DETの変化分を出力する反転論理回路31と、反転論理回路31から出力される電圧信号DETの変化分を、各走査線に供給する走査信号の電位に付加する論理回路33,34とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】液晶表示装置は、複数の走査線Y1〜Ynと、各走査線に対して交差するように配線された複数のデータ線X1〜Xmとを備えている。また液晶表示装置は、各データ線に対して交差するように配線され、各データ線と容量結合するダミー電極23と、ダミー電極23に現れる電圧信号DETと所定電圧VTとを比較して、電圧信号DETの変化分を出力する反転論理回路31と、反転論理回路31から出力される電圧信号DETの変化分を、各走査線に供給する走査信号の電位に付加する論理回路33,34とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置及びその駆動方法、駆動回路並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶等の電気光学物質の電気光学的変化を利用して、画像を表示することの可能な電気光学装置が、各種の電子機器やテレビなどに広く用いられつつある。これによれば、従来の陰極線管(CRT)を用いたテレビ等では達成し得なかった、薄型化、小型化、低消費電力化等といった数多くの特徴を享受することができる。
【0003】
このような電気光学装置には、既に数多くのタイプが提案されているが、その多くは適当な基準により分類することができる。例えば、駆動方式等による分類が一般的になされ、具体的には、スイッチングにより画素を駆動するアクティブ・マトリクス型と、スイッチング素子を用いないで画素を駆動するパッシブ・マトリクス型とに大別することができる。このうち、前者のアクティブ・マトリクス型では、スイッチング素子の種類によって更に、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下、適宜「TFT」という。)などの三端子型スイッチング素子を用いるタイプと、薄膜ダイオード(Thin Film Diode;以下、適宜「TFD」という。)などの二端子型スイッチング素子を用いるタイプとに大別することができる。
【0004】
図10は、後者のTFD等の二端子型スイッチング素子を用いる電気光学装置としての液晶表示装置を示す要部電気ブロック回路図である。同図に示すように、この液晶表示装置は、複数の走査線Y1〜Yn(nは整数)と、これに交差する複数のデータ線X1〜Xm(mは整数)と、これらの各交差部に対応してそれぞれ設けられた画素部90とを備えている。各画素部90は、スイッチング素子としてのTFD91及び液晶容量92が直列に接続された等価回路で表される。なお、液晶容量92は、液晶層を誘電体とする走査線の電極とデータ線の電極とで形成されるものである。
【0005】
このような構成にあって、各走査線Y1〜Ynにはその選択期間及び非選択期間にそれぞれ対応して選択電圧及び非選択電圧に設定される走査信号が供給される。また、各データ線X1〜Xmには表示データ(階調)に基づいてパルス幅変調されるデータ信号が供給される。そして、上記画素部90は、走査信号(選択電圧)及びデータ信号に基づき駆動される。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−39840号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした液晶表示装置においては、データ線X1〜Xm上の電圧(データ信号)が変化すると、その変化分が走査線Y1〜Yn上の電圧に微分状波形のノイズ電圧(歪み電圧)として重畳されることがある。以下、図11に示す液晶表示装置の各走査線Y1〜Ynに係る等価回路を参照して説明する。同図において、走査線Y1〜Ynは、走査線駆動回路の出力抵抗、走査線駆動回路の出力端子と各走査線Y1〜Ynとを結ぶ引き廻し電極の抵抗、各走査線Y1〜Ynの電極自体の抵抗等とで作られる抵抗成分93を有している。また、各走査線Y1〜Yn及びデータ線X1〜Xm間には、液晶容量92に加えて寄生容量である容量成分94が形成されている。以上により、上記等価回路は液晶容量92及び容量成分94と、抵抗成分93とで構成される微分回路と見なしうる。
【0008】
従って、データ線X1〜Xm上の電圧が変化すると、その変化分が走査線Y1〜Yn上の電圧に微分状波形のノイズ電圧として重畳されることになる。同図に併せ示すように、例えばデータ線X1〜Xm上の電圧がデータ信号のパルス幅変調によってステップ状に変化すると、上記液晶容量92等を介して容量結合が起こりその立上がり/立下りタイミングにおいてインパルス状のノイズ電圧が走査線Y1〜Yn上の電圧に重畳される。
【0009】
このようなノイズ電圧が走査線Y1〜Ynに加わると、選択電圧の波形が変化することをはじめ、TFD91のスイッチング素子としての機能にも影響を及ぼし、画像上にクロストーク(横クロストーク)を発生させることになる。これは、TFTとは異なり、TFD91は印加される電圧によってその抵抗値が大きく変化するためである。
【0010】
図12はノーマリーホワイト表示の液晶表示装置の表示例を示す図である。以下、こうしたノイズ電圧が表示に与える影響を図12に基づき更に説明する。同図において、走査線Yqに対応するデータ線X1〜X(p−1)及びデータ線X(p+1)〜Xmには画素部90が「白色(階調度0%)」になるようにデータ信号が供給され、それ以外の部分には画素部90が50%の中間調となるようにデータ信号が供給されているとする。
【0011】
このとき、図12に併せ示されるように、走査線Yqの水平走査期間H(選択期間)においては、データ線Xpに供給されるデータ信号のみが変化する。従って、データ線Xp上の電圧変化に対応するノイズ電圧のみが走査線Ypに重畳されるため、画素部90を駆動する走査信号とデータ信号との差分信号の立上がりの鈍りは小さくなり、ほぼ理想的な階調度となる。
【0012】
一方、走査線Yq以外の走査線の水平走査期間H(選択期間)において、データ線Xpを含む全てのデータ線X1〜Xmに供給されるデータ信号が同時に変化する。従って、上記差分信号は、各データ線X1〜Xm上の電圧変化に対応して走査線に重畳された全てのノイズ電圧によってその立上がりが大きく鈍り、理想的な階調度よりもその分低く(白く)なり、クロストークが発生する。なお、鈍りの程度が同じであっても、印加電圧が高いときほど上述の影響は大きくなる。
【0013】
こうしたクロストークの影響を軽減するためには、例えば上記微分回路の時定数を小さくすればよく、具体的には上記抵抗成分93が小さくなるようにすればよい。しかしながら、低抵抗配線に伴うコストの増大が余儀なくされることから自ずと限界がある。
【0014】
また、例えば特許文献1では、表示パターンにより駆動電圧を補正する方法が記載されている。この場合、DACが必要になることから回路構成が複雑化し、消費電力及びコストの増大という別の問題が生じてしまう。
【0015】
そこで、回路構成を複雑にせず容易にクロストークの影響を軽減するための方策が、本出願人により特願2002−101177号において提案されている。図13は、上記提案に係る電気光学装置としての液晶表示装置を示す要部電気ブロック回路図である。同図に示されるように、この液晶表示装置は、各走査線Y1〜Ynに電位が±VSELとなる選択電圧及び保持電圧(図示略)のいずれかを走査線駆動回路95を介して供給するようになっている。
【0016】
この液晶表示装置は、各データ線X1〜Xmと交差してこれらデータ線X1〜Xmと容量結合するダミー電極96をそのパネル内に備えている。このダミー電極96には、該電極上に印加する電圧を常に一定にするための電圧を供給する電源回路97が設けられている。この電源回路97は、演算増幅回路97a及び検出抵抗97bからなり、演算増幅回路97aの非反転入力端子及び反転入力端子にはそれぞれ一定の電圧源(例えばグランドGND)及びダミー電極96が接続されている。そして、演算増幅回路97aの出力端子と反転入力端子との間には、前記抵抗成分93と同等の抵抗値を有する検出抵抗97bが挿入されている。また、液晶表示装置は、この電源回路97が出力する電圧の変化分を各電位の選択電圧にそれぞれ重畳する回路構成98,99を備えている。
【0017】
このような構成を有する液晶表示装置の作用について以下に説明する。データ線X1〜Xm上の電圧が変化すると、走査線Y1〜Ynとともにダミー電極96にも微分状波形のノイズ電圧を発生させようとする。
【0018】
ところが、電源回路97を構成する演算増幅回路97aの反転入力端子にはダミー電極96が接続されており、非反転入力端子には一定の電圧源が接続されているため、演算増幅回路97aはその回路特性として両入力端子の電圧が同じになるような電圧を出力する。
【0019】
従って、実際にはダミー電極96に上記ノイズ電圧が発生しない。言い換えると、電源回路97が出力する電圧の変化分が検出抵抗97bを介してダミー電極96に供給され、これにより実際にはダミー電極96に上記ノイズ電圧が発生しなくなる。
【0020】
よって、電源回路97が出力する同じ電圧の変化分を上記回路構成98,99にて各選択電圧にそれぞれ重畳した新たな選択電圧を、抵抗成分93を介して走査線Y1〜Ynに供給することで、上記に準じて走査線Y1〜Yn上のノイズ電圧も相殺される。
【0021】
図14は、このような液晶表示装置によるノイズ電圧の補正をした場合としなかった場合とで、走査線Y1〜Yn上に現れる電圧をそれぞれ示すタイムチャートである。同図において、データ信号(電圧)がステップ状に変化すると、走査線Y1〜Yn上の電圧に微分波形状のノイズ電圧が重畳される。一方、電源回路97から電圧の変化分である補正電圧が出力され、これが回路構成98,99を介して走査線Y1〜Yn上の電圧に重畳される。以上により、走査線Y1〜Yn上の電圧に重畳されるノイズ電圧が相殺され、クロストークの影響も軽減される。
【0022】
しかしながら、このような構成を採用した場合であっても、電源回路97を構成する演算増幅回路97aに対して比較的高速動作が要求されることから、消費電力の増大、演算増幅回路97aの複雑化、ひいてはコストの増大といったことが未だ解消し得ない。
【0023】
本発明の目的は、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークを抑制することができる電気光学装置及びその駆動方法、駆動回路並びに電子機器を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学装置は、上記課題を解決するため、複数の走査線と、該各走査線に対して交差するように配線された複数のデータ線とを備えた電気光学装置において、前記各データ線に対して交差するように配線され、該各データ線と容量結合する電極と、前記電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較して、該信号レベルの変化分を出力する比較回路と、前記比較回路から出力される信号レベルの変化分を、前記各走査線に供給する信号レベルに付加する論理回路とを備えている。
【0025】
本発明の電気光学装置によれば、各データ線と容量結合する電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較して、該信号レベルの変化分を出力する比較回路を備えている。従って、データ線に供給されるデータ信号の変動によって電極に現れる信号レベルの変化分は、所定レベルとの比較(閾値判定)のみで検出される。すなわち、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなく比較的高速な応答が可能となる。この電極に現れる信号レベルの変化分は、各走査線に重畳するノイズ成分に対応するものでクロストークの要因となる成分である。そして、この信号レベルの変化分は、論理回路により前記各走査線に供給する信号レベルに付加されてクロストークが補償される。以上により、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークが抑制される。
【0026】
また、本発明の電気光学装置は、複数の走査線と、該各走査線の選択期間及び非選択期間にそれぞれ対応して選択レベル及び非選択レベルに設定される走査信号を該各走査線に供給する走査線駆動回路と、該各走査線に対して交差するように配線された複数のデータ線と、表示データに基づいてパルス幅変調されるデータ信号を該各データ線に供給するデータ線駆動回路と、該各走査線と該各データ線との交差部に対応してそれぞれ設けられて該走査信号及びデータ信号に基づき駆動される画素部とを備えた電気光学装置において、前記各データ線に対して交差するように配線され、該各データ線と容量結合する電極と、前記電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較して、該信号レベルの変化分を出力する比較回路と、前記比較回路から出力される信号レベルの変化分を、前記選択レベルに付加する論理回路とを備えている。
【0027】
本発明の電気光学装置によれば、各データ線と容量結合する電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較して、該信号レベルの変化分を出力する比較回路を備えている。従って、データ線に供給されるデータ信号の変動によって電極に現れる信号レベルの変化分は、所定レベルとの比較(閾値判定)のみで検出される。すなわち、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなく比較的高速な応答が可能となる。この電極に現れる信号レベルの変化分は、各走査線に重畳するノイズ成分に対応するものでクロストークの要因となる成分である。そして、この信号レベルの変化分は、論理回路により前記選択レベルに付加されてクロストークが補償される。以上により、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークが抑制される。
【0028】
なお、本発明に言う「電気光学装置」とは、一般的には、前記走査線及び前記データ線等における通電等を通じた適当な電界の印加により、その状態を変じ、かつ、その光学的特性が変化する電気光学物質を備えたものが想定される。
【0029】
このような電気光学物質として、より具体的には例えば、前記の液晶を挙げることができる。
【0030】
本発明の電気光学装置の一態様では、前記比較回路は、入力端子に所定のバイアスレベルが印加される反転論理回路である。
【0031】
この態様によれば、前記比較回路は、入力端子に所定のバイアスレベルが印加される極めて簡易な構成を有する反転論理回路とされる。
【0032】
本発明の電気光学装置の他の一態様では、前記論理回路は、前記選択期間の初期に前記比較回路から出力される信号レベルの変化分を、前記選択レベルに付加しない。
【0033】
この態様によれば、前記選択期間の初期に前記信号レベルの変化分は、前記選択レベルに付加されないため、選択期間の前後でのクロストークの補償が回避される。
【0034】
本発明の電気光学装置の駆動方法は、複数の走査線と、該各走査線の選択期間及び非選択期間にそれぞれ対応して選択レベル及び非選択レベルに設定される走査信号を該各走査線に供給する走査線駆動回路と、該各走査線に対して交差するように配線された複数のデータ線と、表示データに基づいてパルス幅変調されるデータ信号を該各データ線に供給するデータ線駆動回路と、該各走査線と該各データ線との交差部に対応してそれぞれ設けられて該走査信号及びデータ信号に基づき駆動される画素部とを備えた電気光学装置の駆動方法において、前記各データ線に対して交差するように配線され、該各データ線と容量結合する電極を備え、前記電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較して、該信号レベルの変化分を出力し、前記信号レベルの変化分を、前記選択レベルに付加する。
【0035】
本発明の電気光学装置の駆動方法によれば、各データ線と容量結合する電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較することで、該信号レベルの変化分が出力される。従って、データ線に供給されるデータ信号の変動によって電極に現れる信号レベルの変化分は、所定レベルとの比較(閾値判定)のみで検出される。すなわち、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなく比較的高速な応答が可能となる。この電極に現れる信号レベルの変化分は、各走査線に重畳するノイズ成分に対応するものでクロストークの要因となる成分である。そして、この信号レベルの変化分は、前記選択レベルに付加されてクロストークが補償される。以上により、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークが抑制される。
【0036】
本発明の電気光学装置の駆動回路は、複数の走査線と、該各走査線の選択期間及び非選択期間にそれぞれ対応して選択レベル及び非選択レベルに設定される走査信号を該各走査線に供給する走査線駆動回路と、該各走査線に対して交差するように配線された複数のデータ線と、表示データに基づいてパルス幅変調されるデータ信号を該各データ線に供給するデータ線駆動回路と、該各走査線と該各データ線との交差部に対応してそれぞれ設けられて該走査信号及びデータ信号に基づき駆動される画素部とを備えた電気光学装置の駆動回路において、前記各データ線に対して交差するように配線され、該各データ線と容量結合する電極を備え、前記電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較して、該信号レベルの変化分を出力し、前記信号レベルの変化分を、前記選択レベルに付加することを特徴とする。
【0037】
本発明の電気光学装置の駆動回路によれば、各データ線と容量結合する電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較することで、該信号レベルの変化分が出力される。従って、データ線に供給されるデータ信号の変動によって電極に現れる信号レベルの変化分は、所定レベルとの比較(閾値判定)のみで検出される。すなわち、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなく比較的高速な応答が可能となる。この電極に現れる信号レベルの変化分は、各走査線に重畳するノイズ成分に対応するものでクロストークの要因となる成分である。そして、この信号レベルの変化分は、前記選択レベルに付加されてクロストークが補償される。以上により、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークが抑制される。
【0038】
本発明の電子機器は、上述の本発明の電気光学装置(但し、その各種態様を含む。)を具備してなる。
【0039】
本発明の電子機器によれば、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークが抑制された画像表示が実現される。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電気光学装置を液晶表示装置に適用した一実施形態について図を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態の液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。同図に示されるように、この液晶表示装置は、液晶パネル11と、走査線駆動回路12と、データ線駆動回路13と、走査線駆動回路12に後述の電位±VSEL’を有する電圧を供給する電源回路14と、データ線駆動回路13に電位±VSIGを有する電圧を供給する電源回路15と、制御回路16とを備えている。
【0041】
上記液晶パネル11は、複数の走査線Y1〜Yn(nは整数)と、これに交差する複数のデータ線X1〜Xm(mは整数)とを備えている。そして、各走査線Y1〜Yn及びデータ線X1〜Xmの一端は、それぞれ走査線駆動回路12及びデータ線駆動回路13に接続されている。
【0042】
また、上記液晶パネル11は、走査線Y1〜Yn及びデータ線X1〜Xmの各交差部に対応してそれぞれ設けられた画素部20を備えている。各画素部20は、スイッチング素子としてのTFD(薄膜ダイオード:Thin Film Diode )21及び液晶容量22が直列に接続された等価回路で表される。TFD21は、例えば図6に示すような電流−電圧特性を有しており、電圧が零電圧付近では電流は殆ど流れないが、電圧の絶対値が閾値電圧Vthを超えると、電圧の増加とともに電流が急増する。なお、液晶容量22は、液晶層を誘電体とする走査線Y1〜Ynの電極とデータ線X1〜Xmの電極とで形成されるものである。
【0043】
さらに、上記液晶パネル11は、各データ線X1〜Xmに対して交差するように配線されて、各データ線X1〜Xmと容量結合するダミー電極23を備えている。このダミー電極23は、走査線Ynに隣接して配置されている。
【0044】
上記走査線駆動回路12は、各走査線Y1〜Ynに対して電位が±VSEL’及び±VHLDの何れかのレベルを有する走査信号VY1〜VYnを供給する。各走査信号VY1〜VYnは、各走査線Y1〜Ynの選択期間及び非選択期間(保持期間)に応じてそのレベルがそれぞれ±VSEL’及び±VHLDに切り換えられる。なお、各走査線の選択期間とは、当該走査線の一水平走査期間である。
【0045】
上記データ線駆動回路13は、各データ線X1〜Xmに対して電位が±VSIGの何れかのレベルを有するデータ信号VX1〜VXmを供給する。各データ信号VX1〜VXmは、各画素部20の階調度に応じたタイミングでそのレベルが切り換えられる。
【0046】
上記電源回路14は、前記走査線駆動回路12、制御回路16及びダミー電極23に接続されており、電位±VSELを有する電圧が印加されている。電源回路14は、ダミー電極23の電圧変動を制御回路16からの制御信号に基づき検出し、この検出電圧に基づき印加電圧の電位±VSELを補正する。そして、電源回路14は、この補正した電位±VSEL’及び±VHLD(図示略)を有する電圧を前記走査線駆動回路12に供給する。
【0047】
詳述すると、この電源回路14は、上記ダミー電極23にその入力端子が接続された比較回路としての反転論理回路31を備えている。図5に併せ示すように、この反転論理回路31は、例えばPチャネルのMOSトランジスタT1及びNチャネルのMOSトランジスタT2を直列接続した構成となっている。この反転論理回路31の入力端子は、抵抗R1,R2(R1<R2)の接続端に接続されている。そして、抵抗R1,R2の各他端は、それぞれ反転論理回路32の出力端子及び入力端子に接続されている。この反転論理回路32の入力端子には、制御回路16からの極性指示信号FRが入力されるようになっており、上記反転論理回路31の入力端子には極性指示信号FRの極性に応じた抵抗R1,R2の分圧である所定の電圧でバイアスされるようになっている。後述するように、この極性指示信号FRはデータ信号の書き込み極性を規定するものである。
【0048】
また、反転論理回路31,32の各出力端子は、論理回路としての第1論理回路33の3つの入力端子の2つにそれぞれ接続されている。この第1論理回路33の残りの入力端子には、制御回路16からのインヒビット信号INHが入力されるようになっている。この第1論理回路33は、反転論理回路31,32からの出力信号及びインヒビット信号INHの全てがHレベル(高電位)のときにHレベルの信号を、それ以外ではLレベルの信号をその出力端子から出力する。
【0049】
さらに、反転論理回路31の出力端子は、論理回路としての第2論理回路34の反転入力端子に接続されている。この第2論理回路34の他の2つの入力端子には、それぞれ制御回路16からの極性指示信号FR及びインヒビット信号INHが入力されるようになっている。この第2論理回路34は、反転論理回路31からの出力信号がLレベルであり、且つ、極性指示信号FR及びインヒビット信号INHの全てがHレベルのときにLレベルの信号を、それ以外ではHレベルの信号をその反転出力端子から出力する。
【0050】
上記第1論理回路33の出力端子はコンデンサ41及び抵抗42からなる微分回路に接続されており、第2論理回路34の反転出力端子はコンデンサ43及び抵抗44からなる微分回路に接続されている。そして、上記第1論理回路33からの出力信号CMP−U及び第2論理回路34からの出力信号CMP−Lは、それぞれ微分信号として正側の電位+VSEL及び負側の電位−VSELに付加されてこれらをそれぞれ電位+VSEL’及び電位−VSEL’に補正する。
【0051】
電源回路14は、以上により補正された電位±VSEL’等を有する電圧を前記走査線駆動回路12に供給する。
【0052】
なお、電源回路14には、利得調整用のコンデンサ36,37が設けられている。これらは、それぞれ出力信号CMP−U,CMP−Lの振幅が大きすぎる場合に、容量分割することで振幅を制御させるものである。これらコンデンサ36,37は必ずしも必要ではなく、例えばこれに代えて抵抗分割により振幅を制御させてもよい。
【0053】
上記制御回路16は、走査線駆動回路12、データ線駆動回路13及び電源回路14に各種制御信号を出力する。特に、制御回路16は、データ線駆動回路13に各画素部20の階調度に対応する表示データを出力する。
【0054】
次に、図3及び図4のタイムチャートに基づきこのような回路構成を有する液晶表示装置の動作について説明する。なお、本実施形態では、液晶表示装置の駆動方法として、いわゆる四値駆動法(1Hセレクト、1H反転)を採用したものとして説明を行う。したがって、以下ではまず、四値駆動法(1Hセレクト、1H反転)の基本的な説明を行った後、同方法に対応する動作について説明する。ただし、液晶表示装置の駆動方法として、その他種々の駆動方法(例えば、四値駆動法(1Hセレクト、1/2H反転)等)を採用してもよいことは言うまでもない。
【0055】
図3は、四値駆動法(1Hセレクト、1H反転)において、前記極性指示信号FR、走査期間規定信号LP、i行(1≦i≦nを満たす整数)目の走査線Yiに印加される走査信号VYi、j列(1≦j≦mを満たす整数)目のデータ線Xjに印加されるデータ信号VXj、i行j列の画素部20に印加される電圧V(Xj、Yi)の波形例を示すタイムチャートである。また、図4は、上記極性指示信号FR、走査期間規定信号LP、階調を規定する階調規定信号GCP、各階調(階調規定信号GCP)に対応するデータ信号VXjの波形例を示すタイムチャートである。
【0056】
図3において、走査期間規定信号LPは所定の時間幅を有する一水平走査期間(1H)を規定するもので、極性指示信号FRはこの走査期間規定信号LPに同期して反転する。極性指示信号FRはデータ信号の書き込み極性を規定するもので、前記制御回路16より走査線駆動回路12及びデータ線駆動回路13等に入力されている。
【0057】
走査線駆動回路12は、Lレベルの極性指示信号FRが入力されると選択期間にある走査線Yiに対して走査信号VYiの電位が選択レベルとしての+VSEL’となる選択電圧を供給する。そして、当該走査線Yiの非選択期間(保持期間)に移行すると、走査線駆動回路12は同走査線Yiに対して走査信号VYiの電位が非選択レベルとしての+VHLDとなる非選択電圧(保持電圧)を供給する。なお、全ての走査線Y1〜Ynが一巡して選択され終わる期間をフィールド期間F(一垂直走査期間)と言う。走査線駆動回路12は、当該走査線Yiの前回の選択から1フィールド期間を経過すると、今回の選択期間において走査信号VYiの電位が選択レベルとしての−VSEL’となる選択電圧を供給するとともに、非選択期間において走査信号VYiの電位が非選択レベルとしての−VHLDとなる非選択電圧(保持電圧)を供給するという動作を繰り返すようになっている。また、走査線駆動回路12は、Hレベルの極性指示信号FRが入力されると選択期間にある次の走査線Yi+1に対して走査信号VYi+1の電位が−VSEL’となる選択電圧を供給する。そして、当該走査線Yi+1の非選択期間に移行すると、走査線駆動回路12は同走査線Yi+1に対して走査信号VYi+1の電位が−VHLDとなる非選択電圧(保持電圧)を供給する。このように、選択される走査線Yiの順番で走査信号を反転させるのは、フリッカ等の防止のためである。
【0058】
一方、データ線駆動回路13には、前記制御回路16からの表示データ及び階調規定信号GCPが併せ入力されている。表示データは、選択中の走査線Yiに接続された各データ線Xj(画素部20)ごとに入力されるもので、例えば3ビットのデータ(spq)(s,p及びqは、0又は1)となっている。なお、本実施形態では、ノーマリーホワイトモードでの駆動を採用しており、表示データ(000)に対して白が、表示データ(111)に対して黒が表示され、これら表示データ(000)〜(111)の順番で暗くなるようにその階調が段階的に変化する。また、図4に併せ示すように、階調規定信号GCPは一水平走査期間(1H)を7分割するタイミングで立ち上がる。データ線駆動回路13は、Lレベルの極性指示信号FRが入力されると、表示データ(111)に対応する場合を除き、データ信号VXjの電位が+VSIGとなる電圧を供給する。そして、データ線駆動回路13は、階調規定信号GCPの立ち上がりが入力される都度に表示データ(110)に対応するデータ信号VXjの電位、表示データ(101)に対応するデータ信号VXjの電位、・・・、表示データ(001)に対応するデータ信号VXjの電位を順番に−VSIGとする。また、データ線駆動回路13は、Lレベルの極性指示信号FRが入力されると、表示データ(111)に対応する場合に選択期間を通じてデータ信号VXjの電位が−VSIGとなる電圧を供給する。なお、表示データ(000)に対応する場合にデータ信号VXjの電位は、次の階調規定信号GCPで−VSIGになるはずであるが、その前に走査期間規定信号LPが入力されて次の走査線Yi+1の選択期間となるため、+VSIGの電位のまま当該走査線Yiの選択期間を終了する。以上は、Lレベルの極性指示信号FRが入力される場合であり、Hレベルの極性指示信号FRが入力される場合には、これとはちょうど逆の関係になる。具体的には、図4における下段から順に、(000)、(001)、・・・、(111)というように読み替えたものを想定すればよい。
【0059】
データ線駆動回路13は、これら表示データ(spq)及び階調規定信号GCPに応じて電位の極性が変化するデータ信号VXjを各データ線Xjに供給する。
【0060】
ちなみに、データ信号VXjの極性が変化するまでの時間幅の一つ一つを一単位と捉えるとともに、この一単位に電位が±VSIGのいずれかとなる電圧を印加する態様を「パルス信号の印加」と捉えるならば、データ信号VXjは表示データに応じて「パルス幅変調」されているということができる。
【0061】
ここで、各画素部20に印加される電圧は、対応する走査線Yiの電位から対応するデータ線Xjの電位を減算した値になる。図3において、当該走査線Yiの選択期間は、データ信号VXjの電位が+VSIGになる区間と−VSIGになる区間とに分割される。前者の区間(オフ区間という)においては当該画素部20に印加される電圧V(Xj,Yi)の電位は+VSEL’−VSIGになり、後者の区間(オン区間という)においては電圧V(Xj,Yi)の電位は+VSEL’+VSIGになる。
【0062】
極性が反対となる走査線Yi+1の選択期間についても、上記に準じてデータ信号VXjの電位が−VSIGになる区間と+VSIGになる区間とに分割されることはいうまでもない。このとき、前者の区間(オフ区間という)においては当該画素部20に印加される電圧V(Xj,Yi+1)の電位は−VSEL’+VSIGになり、後者の区間(オン区間という)においては電圧V(Xj,Yi)の電位は−VSEL’−VSIGになる。
【0063】
電圧V(Xj,Yi)は、絶対値「VSEL’−VSIG」がTFD21の閾値電圧Vth以下になるように、かつ、絶対値「VSEL’+VSIG」が閾値電圧Vth以上になるように電位±VSEL’(±VSEL)および±VSIGが設定されている。これにより、オン区間が長くなるほど(図4において、(000)、(001)、・・・、(111)の順番で)液晶容量22に印加される実効電圧値が高くなる。そして、このように実効電圧値が段階的に変化することで液晶の光透過率も段階的に変化し、画素部20において中間調での表示が可能となっている。換言すれば、画素部20に与えるべき階調が高くなるほど(ノーマリーホワイトモードでは暗くなるほど)、オン区間の占める割合が大きくなるように、データ信号VXjの電位の切換タイミングが設定されている。(なお極性とは、所定の電位(例えば0V或いはその他の電位)を基準とするものであり、極性を反転するとは、前記所定の電位を基準として正電位側の電位から負電位側の電位へ切り替えること(或いはその逆)を意味する)
なお、以上はノーマリーホワイトモードでの駆動を採用する場合であり、ノーマリーブラックモードでの駆動を採用する場合には、これとはちょうど逆の関係になる。すなわち、画素部20に与えるべき階調が高くなるほど(明るくなるほど)、オン区間の占める割合が大きくなるように、データ信号VXjの電位の切換タイミングが設定されている。
【0064】
次に、上述したクロストークを補償する動作について説明する。図2は、上記極性指示信号FR、走査期間規定信号LP、インヒビット信号INH、階調規定信号GCP、所定階調(ここでは、(101)の表示データに相当)に対応するデータ信号VXj、前記ダミー電極23に現れる信号レベルを形成する電圧信号DET、反転論理回路31の出力信号GOUT、第1及び第2論理回路33,34の出力信号CMP−U,CMP−L、走査信号VYi、電圧V(Xj,Yi)の各波形例を示すタイムチャートである。
【0065】
インヒビット信号INHは、走査期間規定信号LPに同期して所定期間、HレベルからLレベルに推移する。この所定期間は、走査期間(1H)に対して十分に短い期間となっている。
【0066】
前記ダミー電極23には、他端がそれぞれ反転論理回路32の出力端子及び入力端子に接続された抵抗R1,R2の接続端が接続されており、同反転論理回路32には極性指示信号FRが入力されている。従って、基本的に電圧信号DETは、極性指示信号FRの極性に応じたバイアスレベルを形成する抵抗R1,R2の分圧で推移する。すなわち、Lレベルの極性指示信号FRが入力されたとすると、電圧信号DETは、極性指示信号FRの極性間の電圧の大きさにR2/(R1+R2)を乗じた電圧V1となる。一方、Hレベルの極性指示信号FRが入力されたとすると、電圧信号DETは、極性指示信号FRの極性間の電圧の大きさにR1/(R1+R2)を乗じた電圧V2となる。なお、R1<R2であるため、V1<V2となる。
【0067】
ここで、Lレベルの極性指示信号FRが入力されている間において、データ信号VXjがパルス幅変調によってステップ状に変化する(立下がる)と、その立下りタイミングにおいてインパルス状のノイズ電圧(歪み電圧)がダミー電極23(電圧信号DET)に重畳される。一方、Hレベルの極性指示信号FRが入力されている間において、データ信号VXjがパルス幅変調によってステップ状に変化する(立上がる)と、その立上りタイミングにおいてインパルス状のノイズ電圧がダミー電極23(電圧信号DET)に重畳される。
【0068】
上記反転論理回路31は、電圧信号DETと上記電圧V1,V2の略中間の所定レベルを形成する所定電圧VTとの比較結果を出力する回路で、所定電圧VTよりも大きいときにLレベルとなり、所定電圧VTよりも小さいときにHレベルとなる出力信号GOUTを出力する。例えば、Lレベルの極性指示信号FRが入力されている間において上記インパルス状のノイズ電圧がダミー電極23に重畳されると、この立下がりに伴う大小関係の逆転によってHレベルとなる信号成分が出力信号GOUTに発生する。同様に、Hレベルの極性指示信号FRが入力されている間において上記インパルス状のノイズ電圧がダミー電極23に重畳されると、この立上がりに伴う大小関係の逆転によってLレベルとなる信号成分が出力信号GOUTに発生する。
【0069】
上記第1論理回路33には、反転論理回路32の出力信号(極性指示信号FRの反転信号)、反転論理回路31の出力信号GOUT及びインヒビット信号INHが入力されている。従って、第1論理回路33の出力信号CMP−Uは、これら全ての信号がHレベルのときにHレベルとなり、それ以外ではLレベルとなる。つまり、第1論理回路33の出力信号CMP−Uは、Lレベルの極性指示信号FRが入力されている間においては、ダミー電極23に重畳される上記インパルス状のノイズ電圧に対応してHレベルとなる。このノイズ電圧相当の第1論理回路33の出力信号CMP−Uにより、選択電圧の電位VSELが補正されて電位VSEL’となる。即ち、クロストークを打ち消す方向に選択電圧の電位が補正される。そして、選択期間における走査信号VYiには、データ信号VXjの立下りに同期してノイズ電圧が重畳するものの、出力信号CMP−Uに対応して生じる破線にて示す立上がりにて、同ノイズ電圧と相殺する。結果として、選択期間における走査信号VYiは、実線にて示す波形に成形される。そして、電圧V(Xj,Yi)の立上がりの鈍りも抑制される。
【0070】
なお、ノイズ電圧の有無にかかわらず、走査期間規定信号LPに同期してLレベルとなるインヒビット信号INHにより出力信号CMP−UはLレベルとなる。これは、選択期間の前後で補正が加わらないようにするためである。
【0071】
一方、上記第2論理回路34には、反転論理回路31の出力信号GOUT、極性指示信号FR及びインヒビット信号INHが入力されている。従って、第2論理回路34の出力信号CMP−Lは、出力信号GOUTがLレベルであり、且つ、極性指示信号FR及びインヒビット信号INHがHレベルのときにLレベルとなり、それ以外ではHレベルとなる。つまり、第2論理回路34の出力信号CMP−Lは、Hレベルの極性指示信号FRが入力されている間においては、ダミー電極23に重畳される上記インパルス状のノイズ電圧に対応してLレベルとなる。このノイズ電圧相当の第2論理回路34の出力信号CMP−Lにより、選択電圧の電位−VSELが補正されて電位−VSEL’となる。即ち、クロストークを打ち消す方向に選択電圧の電位が補正され、上記と同様に作用する。
【0072】
なお、ノイズ電圧の有無にかかわらず、走査期間規定信号LPに同期してLレベルとなるインヒビット信号INHにより出力信号CMP−LはHレベルとなる。これは、選択期間の前後で補正が加わらないようにするためである。
【0073】
このように、全ての走査信号VY1〜VYnにおいて同様にノイズ電圧が解消されることで、クロストークが補償されクロストークによる表示ムラが解消されるのである。
【0074】
ここで、白と黒に対応するデータ信号VXjの電圧波形は、走査期間規定信号LPに同期して極性が反転するため、歪みが相殺される。すると、白と黒が両方多い場合と白が無くて黒も少ない場合とでも発生する歪み方が同じになってしまう。このため、選択電圧の電位の補正が困難となる。そこで、選択電圧を実際に印加する開始時間を走査期間規定信号LPに対して遅らせるようにしてもよい。これにより、白と黒に対応するデータ信号VXjによる歪みの影響が回避される。特に、上記インヒビット信号INHによる選択期間の前後での補正の回避と併せて行うことで、特に効果的となる。
【0075】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
【0076】
(1)本実施形態では、データ線に供給されるデータ信号の変動によってダミー電極23に現れる電圧信号DETの変化分は、所定電圧VTとの比較(閾値判定)のみで検出される。すなわち、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなく比較的高速な応答が可能となる。このダミー電極23に現れる電圧信号DETの変化分は、第1及び第2論理回路33,34により前記選択電圧の電位に付加されてクロストークが補償される。以上により、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークを抑制できる。
【0077】
(2)本実施形態では、比較回路としての反転論理回路31は、入力端子に所定のバイアスレベルが印加される極めて簡易な構成にできる。
【0078】
(3)本実施形態では、選択期間の初期に電圧信号DETの変化分は、前記選択電圧の電位に付加されない。従って、選択期間の前後でのクロストークの補償を回避できる。このため、「白色(階調度0%)」及び「黒色(階調度100%)」での選択電圧の電位の補正を回避できる。
【0079】
(電子機器)
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置を電子機器に用いた例について説明する。こうした電気光学装置は、モバイル型コンピュータ、携帯電話、デジタルスチルカメラ、投射型表示装置、液晶テレビ、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダー型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネル等の種々の電子機器に適用可能である。これら電子機器においては、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークが抑制された画像表示を実現できる。
【0080】
<モバイル型コンピュータ>
まず、上述し電気光学装置を、パーソナルコンピュータの表示部に適用した例について説明する。図8は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。この図において、コンピュータ60は、キーボード61を備えた本体部62と、表示部として液晶表示装置(液晶パネル11)を用いた表示装置63とを備えている。なお、表示装置63として透過型液晶表示装置を用いる場合には、暗所での視認性を確保するため、背面にバックライト(図示略)が設けられる。
【0081】
<携帯電話>
次に、上述した電気光学装置を、携帯電話の表示部に適用した例について説明する。図9は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。この図において、携帯電話70は、複数の操作ボタン71のほか、受話口72、送話口73と、上述した電気光学装置を用いた表示装置74とを備えている。なお、表示装置74として、液晶表示装置(液晶パネル11)を用いる場合には、暗所での視認性を確保するため、透過型や半透過半反射型であればバックライトが、反射型であればフロントライト(いずれも図示省略)がそれぞれ設けられる。
【0082】
(変形例)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
【0083】
・上記実施形態においては、各走査線の選択期間内において先にオフ区間が設けられ、その後にオン区間が設けられていた(図2参照)。このように先にオフ区間を設ける方式を「右寄せ駆動」という。また、これとは逆に、先にオン区間を設け、後にオフ区間を設ける方式もある。かかる方式を「左寄せ駆動」という。上記実施形態を「左寄せ駆動」によって構成してもよいことは言うまでもない。
【0084】
ここで、右寄せ/左寄せ駆動を行った場合の走査信号VYiの波形を図7にそれぞれ示す。走査線Yi上に実際に現れる波形は右寄せ/左寄せ駆動とも同様であるが、走査線駆動回路12内に対しては、実際には破線に示す電位±VSELを有する選択電圧等が印加される。従って、右寄せ駆動を採用した場合には、走査線駆動回路12の耐圧を±VSELよりも高くしなければならない。一方、左寄せ駆動を採用した場合には、走査線駆動回路12の耐圧は±VSEL相当を確保すれば充分である。このため、左寄せ駆動を採用した場合には、回路の耐圧を低くすることができるという利点がある。
【0085】
・また、上記実施形態においては、画像の表示には用いられないダミー電極23を介して電圧信号DETを得た。これに代えて、走査線Y1〜Ynのうち非選択状態である何れかの走査線に電源回路14を接続し、その走査線に発生する電圧信号DETによって他の走査線に現れるクロストークを補償してもよい。例えば、画面上の上下端に対応する走査線Y1およびYnを1/2フレーム毎に交互にダミー電極23に代えて使用するとよい。
【0086】
・前記実施形態において、各要素11〜16は、それぞれが独立した電子部品によって構成されていてもよい。例えば、各要素12〜16が1チップの半導体集積回路によって構成されていてもよい。また、各要素11〜16の全部若しくは一部が一体となった電子部品として構成されていてもよい。例えば、液晶パネル11に、走査線駆動回路12及びデータ線駆動回路13が一体的に形成されていてもよい。
【0087】
・また、上記実施形態においては、TFD型液晶表示装置に本発明を適用した例を説明したが、本発明はTFD型液晶表示装置に限定されるものではない。例えば電気泳動装置、エレクトロルミネッセンス(EL)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、或いは、プラズマ発光や電子放出による蛍光等を用いた様々な電気光学素子を用いた電気光学装置をはじめ、複数の走査線と、該各走査線に対して交差するように配線された複数のデータ線とを有する電気光学装置であってこれらの間にクロストークが発生し得る各種の電気光学装置および該電気光学装置を備えた電子機器に適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図。
【図2】クロストークが生じた場合の各信号を示すタイムチャート。
【図3】四値駆動法における各信号の波形例を示すタイムチャート。
【図4】制御信号に応じたデータ信号の波形例を示すタイムチャート。
【図5】反転論理回路を示す回路図。
【図6】TFDの特性図。
【図7】中間調表示を行う場合の各信号の波形例を示すタイムチャート。
【図8】電子機器の一例たるパーソナルコンピュータを示す斜視図。
【図9】電子機器の一例たる携帯電話を示す斜視図。
【図10】従来の電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図。
【図11】液晶表示装置の各走査線に係る等価回路図。
【図12】クロストーク現象の説明図。
【図13】他の従来の電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図。
【図14】同装置のクロストークの測定結果を示すグラフ。
【符号の説明】
X1〜Xm・・・データ線
Y1〜Yn・・・走査線
11・・・液晶パネル
12・・・走査線駆動回路
13・・・データ線駆動回路
20・・・画素部
23・・・電極としてのダミー電極
31・・・比較回路としての反転論理回路
33・・・論理回路としての第1論理回路
34・・・論理回路としての第2論理回路
60・・・電子機器としてのコンピュータ
70・・・電子機器としての携帯電話
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置及びその駆動方法、駆動回路並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶等の電気光学物質の電気光学的変化を利用して、画像を表示することの可能な電気光学装置が、各種の電子機器やテレビなどに広く用いられつつある。これによれば、従来の陰極線管(CRT)を用いたテレビ等では達成し得なかった、薄型化、小型化、低消費電力化等といった数多くの特徴を享受することができる。
【0003】
このような電気光学装置には、既に数多くのタイプが提案されているが、その多くは適当な基準により分類することができる。例えば、駆動方式等による分類が一般的になされ、具体的には、スイッチングにより画素を駆動するアクティブ・マトリクス型と、スイッチング素子を用いないで画素を駆動するパッシブ・マトリクス型とに大別することができる。このうち、前者のアクティブ・マトリクス型では、スイッチング素子の種類によって更に、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下、適宜「TFT」という。)などの三端子型スイッチング素子を用いるタイプと、薄膜ダイオード(Thin Film Diode;以下、適宜「TFD」という。)などの二端子型スイッチング素子を用いるタイプとに大別することができる。
【0004】
図10は、後者のTFD等の二端子型スイッチング素子を用いる電気光学装置としての液晶表示装置を示す要部電気ブロック回路図である。同図に示すように、この液晶表示装置は、複数の走査線Y1〜Yn(nは整数)と、これに交差する複数のデータ線X1〜Xm(mは整数)と、これらの各交差部に対応してそれぞれ設けられた画素部90とを備えている。各画素部90は、スイッチング素子としてのTFD91及び液晶容量92が直列に接続された等価回路で表される。なお、液晶容量92は、液晶層を誘電体とする走査線の電極とデータ線の電極とで形成されるものである。
【0005】
このような構成にあって、各走査線Y1〜Ynにはその選択期間及び非選択期間にそれぞれ対応して選択電圧及び非選択電圧に設定される走査信号が供給される。また、各データ線X1〜Xmには表示データ(階調)に基づいてパルス幅変調されるデータ信号が供給される。そして、上記画素部90は、走査信号(選択電圧)及びデータ信号に基づき駆動される。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−39840号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした液晶表示装置においては、データ線X1〜Xm上の電圧(データ信号)が変化すると、その変化分が走査線Y1〜Yn上の電圧に微分状波形のノイズ電圧(歪み電圧)として重畳されることがある。以下、図11に示す液晶表示装置の各走査線Y1〜Ynに係る等価回路を参照して説明する。同図において、走査線Y1〜Ynは、走査線駆動回路の出力抵抗、走査線駆動回路の出力端子と各走査線Y1〜Ynとを結ぶ引き廻し電極の抵抗、各走査線Y1〜Ynの電極自体の抵抗等とで作られる抵抗成分93を有している。また、各走査線Y1〜Yn及びデータ線X1〜Xm間には、液晶容量92に加えて寄生容量である容量成分94が形成されている。以上により、上記等価回路は液晶容量92及び容量成分94と、抵抗成分93とで構成される微分回路と見なしうる。
【0008】
従って、データ線X1〜Xm上の電圧が変化すると、その変化分が走査線Y1〜Yn上の電圧に微分状波形のノイズ電圧として重畳されることになる。同図に併せ示すように、例えばデータ線X1〜Xm上の電圧がデータ信号のパルス幅変調によってステップ状に変化すると、上記液晶容量92等を介して容量結合が起こりその立上がり/立下りタイミングにおいてインパルス状のノイズ電圧が走査線Y1〜Yn上の電圧に重畳される。
【0009】
このようなノイズ電圧が走査線Y1〜Ynに加わると、選択電圧の波形が変化することをはじめ、TFD91のスイッチング素子としての機能にも影響を及ぼし、画像上にクロストーク(横クロストーク)を発生させることになる。これは、TFTとは異なり、TFD91は印加される電圧によってその抵抗値が大きく変化するためである。
【0010】
図12はノーマリーホワイト表示の液晶表示装置の表示例を示す図である。以下、こうしたノイズ電圧が表示に与える影響を図12に基づき更に説明する。同図において、走査線Yqに対応するデータ線X1〜X(p−1)及びデータ線X(p+1)〜Xmには画素部90が「白色(階調度0%)」になるようにデータ信号が供給され、それ以外の部分には画素部90が50%の中間調となるようにデータ信号が供給されているとする。
【0011】
このとき、図12に併せ示されるように、走査線Yqの水平走査期間H(選択期間)においては、データ線Xpに供給されるデータ信号のみが変化する。従って、データ線Xp上の電圧変化に対応するノイズ電圧のみが走査線Ypに重畳されるため、画素部90を駆動する走査信号とデータ信号との差分信号の立上がりの鈍りは小さくなり、ほぼ理想的な階調度となる。
【0012】
一方、走査線Yq以外の走査線の水平走査期間H(選択期間)において、データ線Xpを含む全てのデータ線X1〜Xmに供給されるデータ信号が同時に変化する。従って、上記差分信号は、各データ線X1〜Xm上の電圧変化に対応して走査線に重畳された全てのノイズ電圧によってその立上がりが大きく鈍り、理想的な階調度よりもその分低く(白く)なり、クロストークが発生する。なお、鈍りの程度が同じであっても、印加電圧が高いときほど上述の影響は大きくなる。
【0013】
こうしたクロストークの影響を軽減するためには、例えば上記微分回路の時定数を小さくすればよく、具体的には上記抵抗成分93が小さくなるようにすればよい。しかしながら、低抵抗配線に伴うコストの増大が余儀なくされることから自ずと限界がある。
【0014】
また、例えば特許文献1では、表示パターンにより駆動電圧を補正する方法が記載されている。この場合、DACが必要になることから回路構成が複雑化し、消費電力及びコストの増大という別の問題が生じてしまう。
【0015】
そこで、回路構成を複雑にせず容易にクロストークの影響を軽減するための方策が、本出願人により特願2002−101177号において提案されている。図13は、上記提案に係る電気光学装置としての液晶表示装置を示す要部電気ブロック回路図である。同図に示されるように、この液晶表示装置は、各走査線Y1〜Ynに電位が±VSELとなる選択電圧及び保持電圧(図示略)のいずれかを走査線駆動回路95を介して供給するようになっている。
【0016】
この液晶表示装置は、各データ線X1〜Xmと交差してこれらデータ線X1〜Xmと容量結合するダミー電極96をそのパネル内に備えている。このダミー電極96には、該電極上に印加する電圧を常に一定にするための電圧を供給する電源回路97が設けられている。この電源回路97は、演算増幅回路97a及び検出抵抗97bからなり、演算増幅回路97aの非反転入力端子及び反転入力端子にはそれぞれ一定の電圧源(例えばグランドGND)及びダミー電極96が接続されている。そして、演算増幅回路97aの出力端子と反転入力端子との間には、前記抵抗成分93と同等の抵抗値を有する検出抵抗97bが挿入されている。また、液晶表示装置は、この電源回路97が出力する電圧の変化分を各電位の選択電圧にそれぞれ重畳する回路構成98,99を備えている。
【0017】
このような構成を有する液晶表示装置の作用について以下に説明する。データ線X1〜Xm上の電圧が変化すると、走査線Y1〜Ynとともにダミー電極96にも微分状波形のノイズ電圧を発生させようとする。
【0018】
ところが、電源回路97を構成する演算増幅回路97aの反転入力端子にはダミー電極96が接続されており、非反転入力端子には一定の電圧源が接続されているため、演算増幅回路97aはその回路特性として両入力端子の電圧が同じになるような電圧を出力する。
【0019】
従って、実際にはダミー電極96に上記ノイズ電圧が発生しない。言い換えると、電源回路97が出力する電圧の変化分が検出抵抗97bを介してダミー電極96に供給され、これにより実際にはダミー電極96に上記ノイズ電圧が発生しなくなる。
【0020】
よって、電源回路97が出力する同じ電圧の変化分を上記回路構成98,99にて各選択電圧にそれぞれ重畳した新たな選択電圧を、抵抗成分93を介して走査線Y1〜Ynに供給することで、上記に準じて走査線Y1〜Yn上のノイズ電圧も相殺される。
【0021】
図14は、このような液晶表示装置によるノイズ電圧の補正をした場合としなかった場合とで、走査線Y1〜Yn上に現れる電圧をそれぞれ示すタイムチャートである。同図において、データ信号(電圧)がステップ状に変化すると、走査線Y1〜Yn上の電圧に微分波形状のノイズ電圧が重畳される。一方、電源回路97から電圧の変化分である補正電圧が出力され、これが回路構成98,99を介して走査線Y1〜Yn上の電圧に重畳される。以上により、走査線Y1〜Yn上の電圧に重畳されるノイズ電圧が相殺され、クロストークの影響も軽減される。
【0022】
しかしながら、このような構成を採用した場合であっても、電源回路97を構成する演算増幅回路97aに対して比較的高速動作が要求されることから、消費電力の増大、演算増幅回路97aの複雑化、ひいてはコストの増大といったことが未だ解消し得ない。
【0023】
本発明の目的は、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークを抑制することができる電気光学装置及びその駆動方法、駆動回路並びに電子機器を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学装置は、上記課題を解決するため、複数の走査線と、該各走査線に対して交差するように配線された複数のデータ線とを備えた電気光学装置において、前記各データ線に対して交差するように配線され、該各データ線と容量結合する電極と、前記電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較して、該信号レベルの変化分を出力する比較回路と、前記比較回路から出力される信号レベルの変化分を、前記各走査線に供給する信号レベルに付加する論理回路とを備えている。
【0025】
本発明の電気光学装置によれば、各データ線と容量結合する電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較して、該信号レベルの変化分を出力する比較回路を備えている。従って、データ線に供給されるデータ信号の変動によって電極に現れる信号レベルの変化分は、所定レベルとの比較(閾値判定)のみで検出される。すなわち、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなく比較的高速な応答が可能となる。この電極に現れる信号レベルの変化分は、各走査線に重畳するノイズ成分に対応するものでクロストークの要因となる成分である。そして、この信号レベルの変化分は、論理回路により前記各走査線に供給する信号レベルに付加されてクロストークが補償される。以上により、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークが抑制される。
【0026】
また、本発明の電気光学装置は、複数の走査線と、該各走査線の選択期間及び非選択期間にそれぞれ対応して選択レベル及び非選択レベルに設定される走査信号を該各走査線に供給する走査線駆動回路と、該各走査線に対して交差するように配線された複数のデータ線と、表示データに基づいてパルス幅変調されるデータ信号を該各データ線に供給するデータ線駆動回路と、該各走査線と該各データ線との交差部に対応してそれぞれ設けられて該走査信号及びデータ信号に基づき駆動される画素部とを備えた電気光学装置において、前記各データ線に対して交差するように配線され、該各データ線と容量結合する電極と、前記電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較して、該信号レベルの変化分を出力する比較回路と、前記比較回路から出力される信号レベルの変化分を、前記選択レベルに付加する論理回路とを備えている。
【0027】
本発明の電気光学装置によれば、各データ線と容量結合する電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較して、該信号レベルの変化分を出力する比較回路を備えている。従って、データ線に供給されるデータ信号の変動によって電極に現れる信号レベルの変化分は、所定レベルとの比較(閾値判定)のみで検出される。すなわち、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなく比較的高速な応答が可能となる。この電極に現れる信号レベルの変化分は、各走査線に重畳するノイズ成分に対応するものでクロストークの要因となる成分である。そして、この信号レベルの変化分は、論理回路により前記選択レベルに付加されてクロストークが補償される。以上により、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークが抑制される。
【0028】
なお、本発明に言う「電気光学装置」とは、一般的には、前記走査線及び前記データ線等における通電等を通じた適当な電界の印加により、その状態を変じ、かつ、その光学的特性が変化する電気光学物質を備えたものが想定される。
【0029】
このような電気光学物質として、より具体的には例えば、前記の液晶を挙げることができる。
【0030】
本発明の電気光学装置の一態様では、前記比較回路は、入力端子に所定のバイアスレベルが印加される反転論理回路である。
【0031】
この態様によれば、前記比較回路は、入力端子に所定のバイアスレベルが印加される極めて簡易な構成を有する反転論理回路とされる。
【0032】
本発明の電気光学装置の他の一態様では、前記論理回路は、前記選択期間の初期に前記比較回路から出力される信号レベルの変化分を、前記選択レベルに付加しない。
【0033】
この態様によれば、前記選択期間の初期に前記信号レベルの変化分は、前記選択レベルに付加されないため、選択期間の前後でのクロストークの補償が回避される。
【0034】
本発明の電気光学装置の駆動方法は、複数の走査線と、該各走査線の選択期間及び非選択期間にそれぞれ対応して選択レベル及び非選択レベルに設定される走査信号を該各走査線に供給する走査線駆動回路と、該各走査線に対して交差するように配線された複数のデータ線と、表示データに基づいてパルス幅変調されるデータ信号を該各データ線に供給するデータ線駆動回路と、該各走査線と該各データ線との交差部に対応してそれぞれ設けられて該走査信号及びデータ信号に基づき駆動される画素部とを備えた電気光学装置の駆動方法において、前記各データ線に対して交差するように配線され、該各データ線と容量結合する電極を備え、前記電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較して、該信号レベルの変化分を出力し、前記信号レベルの変化分を、前記選択レベルに付加する。
【0035】
本発明の電気光学装置の駆動方法によれば、各データ線と容量結合する電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較することで、該信号レベルの変化分が出力される。従って、データ線に供給されるデータ信号の変動によって電極に現れる信号レベルの変化分は、所定レベルとの比較(閾値判定)のみで検出される。すなわち、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなく比較的高速な応答が可能となる。この電極に現れる信号レベルの変化分は、各走査線に重畳するノイズ成分に対応するものでクロストークの要因となる成分である。そして、この信号レベルの変化分は、前記選択レベルに付加されてクロストークが補償される。以上により、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークが抑制される。
【0036】
本発明の電気光学装置の駆動回路は、複数の走査線と、該各走査線の選択期間及び非選択期間にそれぞれ対応して選択レベル及び非選択レベルに設定される走査信号を該各走査線に供給する走査線駆動回路と、該各走査線に対して交差するように配線された複数のデータ線と、表示データに基づいてパルス幅変調されるデータ信号を該各データ線に供給するデータ線駆動回路と、該各走査線と該各データ線との交差部に対応してそれぞれ設けられて該走査信号及びデータ信号に基づき駆動される画素部とを備えた電気光学装置の駆動回路において、前記各データ線に対して交差するように配線され、該各データ線と容量結合する電極を備え、前記電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較して、該信号レベルの変化分を出力し、前記信号レベルの変化分を、前記選択レベルに付加することを特徴とする。
【0037】
本発明の電気光学装置の駆動回路によれば、各データ線と容量結合する電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較することで、該信号レベルの変化分が出力される。従って、データ線に供給されるデータ信号の変動によって電極に現れる信号レベルの変化分は、所定レベルとの比較(閾値判定)のみで検出される。すなわち、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなく比較的高速な応答が可能となる。この電極に現れる信号レベルの変化分は、各走査線に重畳するノイズ成分に対応するものでクロストークの要因となる成分である。そして、この信号レベルの変化分は、前記選択レベルに付加されてクロストークが補償される。以上により、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークが抑制される。
【0038】
本発明の電子機器は、上述の本発明の電気光学装置(但し、その各種態様を含む。)を具備してなる。
【0039】
本発明の電子機器によれば、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークが抑制された画像表示が実現される。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電気光学装置を液晶表示装置に適用した一実施形態について図を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態の液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。同図に示されるように、この液晶表示装置は、液晶パネル11と、走査線駆動回路12と、データ線駆動回路13と、走査線駆動回路12に後述の電位±VSEL’を有する電圧を供給する電源回路14と、データ線駆動回路13に電位±VSIGを有する電圧を供給する電源回路15と、制御回路16とを備えている。
【0041】
上記液晶パネル11は、複数の走査線Y1〜Yn(nは整数)と、これに交差する複数のデータ線X1〜Xm(mは整数)とを備えている。そして、各走査線Y1〜Yn及びデータ線X1〜Xmの一端は、それぞれ走査線駆動回路12及びデータ線駆動回路13に接続されている。
【0042】
また、上記液晶パネル11は、走査線Y1〜Yn及びデータ線X1〜Xmの各交差部に対応してそれぞれ設けられた画素部20を備えている。各画素部20は、スイッチング素子としてのTFD(薄膜ダイオード:Thin Film Diode )21及び液晶容量22が直列に接続された等価回路で表される。TFD21は、例えば図6に示すような電流−電圧特性を有しており、電圧が零電圧付近では電流は殆ど流れないが、電圧の絶対値が閾値電圧Vthを超えると、電圧の増加とともに電流が急増する。なお、液晶容量22は、液晶層を誘電体とする走査線Y1〜Ynの電極とデータ線X1〜Xmの電極とで形成されるものである。
【0043】
さらに、上記液晶パネル11は、各データ線X1〜Xmに対して交差するように配線されて、各データ線X1〜Xmと容量結合するダミー電極23を備えている。このダミー電極23は、走査線Ynに隣接して配置されている。
【0044】
上記走査線駆動回路12は、各走査線Y1〜Ynに対して電位が±VSEL’及び±VHLDの何れかのレベルを有する走査信号VY1〜VYnを供給する。各走査信号VY1〜VYnは、各走査線Y1〜Ynの選択期間及び非選択期間(保持期間)に応じてそのレベルがそれぞれ±VSEL’及び±VHLDに切り換えられる。なお、各走査線の選択期間とは、当該走査線の一水平走査期間である。
【0045】
上記データ線駆動回路13は、各データ線X1〜Xmに対して電位が±VSIGの何れかのレベルを有するデータ信号VX1〜VXmを供給する。各データ信号VX1〜VXmは、各画素部20の階調度に応じたタイミングでそのレベルが切り換えられる。
【0046】
上記電源回路14は、前記走査線駆動回路12、制御回路16及びダミー電極23に接続されており、電位±VSELを有する電圧が印加されている。電源回路14は、ダミー電極23の電圧変動を制御回路16からの制御信号に基づき検出し、この検出電圧に基づき印加電圧の電位±VSELを補正する。そして、電源回路14は、この補正した電位±VSEL’及び±VHLD(図示略)を有する電圧を前記走査線駆動回路12に供給する。
【0047】
詳述すると、この電源回路14は、上記ダミー電極23にその入力端子が接続された比較回路としての反転論理回路31を備えている。図5に併せ示すように、この反転論理回路31は、例えばPチャネルのMOSトランジスタT1及びNチャネルのMOSトランジスタT2を直列接続した構成となっている。この反転論理回路31の入力端子は、抵抗R1,R2(R1<R2)の接続端に接続されている。そして、抵抗R1,R2の各他端は、それぞれ反転論理回路32の出力端子及び入力端子に接続されている。この反転論理回路32の入力端子には、制御回路16からの極性指示信号FRが入力されるようになっており、上記反転論理回路31の入力端子には極性指示信号FRの極性に応じた抵抗R1,R2の分圧である所定の電圧でバイアスされるようになっている。後述するように、この極性指示信号FRはデータ信号の書き込み極性を規定するものである。
【0048】
また、反転論理回路31,32の各出力端子は、論理回路としての第1論理回路33の3つの入力端子の2つにそれぞれ接続されている。この第1論理回路33の残りの入力端子には、制御回路16からのインヒビット信号INHが入力されるようになっている。この第1論理回路33は、反転論理回路31,32からの出力信号及びインヒビット信号INHの全てがHレベル(高電位)のときにHレベルの信号を、それ以外ではLレベルの信号をその出力端子から出力する。
【0049】
さらに、反転論理回路31の出力端子は、論理回路としての第2論理回路34の反転入力端子に接続されている。この第2論理回路34の他の2つの入力端子には、それぞれ制御回路16からの極性指示信号FR及びインヒビット信号INHが入力されるようになっている。この第2論理回路34は、反転論理回路31からの出力信号がLレベルであり、且つ、極性指示信号FR及びインヒビット信号INHの全てがHレベルのときにLレベルの信号を、それ以外ではHレベルの信号をその反転出力端子から出力する。
【0050】
上記第1論理回路33の出力端子はコンデンサ41及び抵抗42からなる微分回路に接続されており、第2論理回路34の反転出力端子はコンデンサ43及び抵抗44からなる微分回路に接続されている。そして、上記第1論理回路33からの出力信号CMP−U及び第2論理回路34からの出力信号CMP−Lは、それぞれ微分信号として正側の電位+VSEL及び負側の電位−VSELに付加されてこれらをそれぞれ電位+VSEL’及び電位−VSEL’に補正する。
【0051】
電源回路14は、以上により補正された電位±VSEL’等を有する電圧を前記走査線駆動回路12に供給する。
【0052】
なお、電源回路14には、利得調整用のコンデンサ36,37が設けられている。これらは、それぞれ出力信号CMP−U,CMP−Lの振幅が大きすぎる場合に、容量分割することで振幅を制御させるものである。これらコンデンサ36,37は必ずしも必要ではなく、例えばこれに代えて抵抗分割により振幅を制御させてもよい。
【0053】
上記制御回路16は、走査線駆動回路12、データ線駆動回路13及び電源回路14に各種制御信号を出力する。特に、制御回路16は、データ線駆動回路13に各画素部20の階調度に対応する表示データを出力する。
【0054】
次に、図3及び図4のタイムチャートに基づきこのような回路構成を有する液晶表示装置の動作について説明する。なお、本実施形態では、液晶表示装置の駆動方法として、いわゆる四値駆動法(1Hセレクト、1H反転)を採用したものとして説明を行う。したがって、以下ではまず、四値駆動法(1Hセレクト、1H反転)の基本的な説明を行った後、同方法に対応する動作について説明する。ただし、液晶表示装置の駆動方法として、その他種々の駆動方法(例えば、四値駆動法(1Hセレクト、1/2H反転)等)を採用してもよいことは言うまでもない。
【0055】
図3は、四値駆動法(1Hセレクト、1H反転)において、前記極性指示信号FR、走査期間規定信号LP、i行(1≦i≦nを満たす整数)目の走査線Yiに印加される走査信号VYi、j列(1≦j≦mを満たす整数)目のデータ線Xjに印加されるデータ信号VXj、i行j列の画素部20に印加される電圧V(Xj、Yi)の波形例を示すタイムチャートである。また、図4は、上記極性指示信号FR、走査期間規定信号LP、階調を規定する階調規定信号GCP、各階調(階調規定信号GCP)に対応するデータ信号VXjの波形例を示すタイムチャートである。
【0056】
図3において、走査期間規定信号LPは所定の時間幅を有する一水平走査期間(1H)を規定するもので、極性指示信号FRはこの走査期間規定信号LPに同期して反転する。極性指示信号FRはデータ信号の書き込み極性を規定するもので、前記制御回路16より走査線駆動回路12及びデータ線駆動回路13等に入力されている。
【0057】
走査線駆動回路12は、Lレベルの極性指示信号FRが入力されると選択期間にある走査線Yiに対して走査信号VYiの電位が選択レベルとしての+VSEL’となる選択電圧を供給する。そして、当該走査線Yiの非選択期間(保持期間)に移行すると、走査線駆動回路12は同走査線Yiに対して走査信号VYiの電位が非選択レベルとしての+VHLDとなる非選択電圧(保持電圧)を供給する。なお、全ての走査線Y1〜Ynが一巡して選択され終わる期間をフィールド期間F(一垂直走査期間)と言う。走査線駆動回路12は、当該走査線Yiの前回の選択から1フィールド期間を経過すると、今回の選択期間において走査信号VYiの電位が選択レベルとしての−VSEL’となる選択電圧を供給するとともに、非選択期間において走査信号VYiの電位が非選択レベルとしての−VHLDとなる非選択電圧(保持電圧)を供給するという動作を繰り返すようになっている。また、走査線駆動回路12は、Hレベルの極性指示信号FRが入力されると選択期間にある次の走査線Yi+1に対して走査信号VYi+1の電位が−VSEL’となる選択電圧を供給する。そして、当該走査線Yi+1の非選択期間に移行すると、走査線駆動回路12は同走査線Yi+1に対して走査信号VYi+1の電位が−VHLDとなる非選択電圧(保持電圧)を供給する。このように、選択される走査線Yiの順番で走査信号を反転させるのは、フリッカ等の防止のためである。
【0058】
一方、データ線駆動回路13には、前記制御回路16からの表示データ及び階調規定信号GCPが併せ入力されている。表示データは、選択中の走査線Yiに接続された各データ線Xj(画素部20)ごとに入力されるもので、例えば3ビットのデータ(spq)(s,p及びqは、0又は1)となっている。なお、本実施形態では、ノーマリーホワイトモードでの駆動を採用しており、表示データ(000)に対して白が、表示データ(111)に対して黒が表示され、これら表示データ(000)〜(111)の順番で暗くなるようにその階調が段階的に変化する。また、図4に併せ示すように、階調規定信号GCPは一水平走査期間(1H)を7分割するタイミングで立ち上がる。データ線駆動回路13は、Lレベルの極性指示信号FRが入力されると、表示データ(111)に対応する場合を除き、データ信号VXjの電位が+VSIGとなる電圧を供給する。そして、データ線駆動回路13は、階調規定信号GCPの立ち上がりが入力される都度に表示データ(110)に対応するデータ信号VXjの電位、表示データ(101)に対応するデータ信号VXjの電位、・・・、表示データ(001)に対応するデータ信号VXjの電位を順番に−VSIGとする。また、データ線駆動回路13は、Lレベルの極性指示信号FRが入力されると、表示データ(111)に対応する場合に選択期間を通じてデータ信号VXjの電位が−VSIGとなる電圧を供給する。なお、表示データ(000)に対応する場合にデータ信号VXjの電位は、次の階調規定信号GCPで−VSIGになるはずであるが、その前に走査期間規定信号LPが入力されて次の走査線Yi+1の選択期間となるため、+VSIGの電位のまま当該走査線Yiの選択期間を終了する。以上は、Lレベルの極性指示信号FRが入力される場合であり、Hレベルの極性指示信号FRが入力される場合には、これとはちょうど逆の関係になる。具体的には、図4における下段から順に、(000)、(001)、・・・、(111)というように読み替えたものを想定すればよい。
【0059】
データ線駆動回路13は、これら表示データ(spq)及び階調規定信号GCPに応じて電位の極性が変化するデータ信号VXjを各データ線Xjに供給する。
【0060】
ちなみに、データ信号VXjの極性が変化するまでの時間幅の一つ一つを一単位と捉えるとともに、この一単位に電位が±VSIGのいずれかとなる電圧を印加する態様を「パルス信号の印加」と捉えるならば、データ信号VXjは表示データに応じて「パルス幅変調」されているということができる。
【0061】
ここで、各画素部20に印加される電圧は、対応する走査線Yiの電位から対応するデータ線Xjの電位を減算した値になる。図3において、当該走査線Yiの選択期間は、データ信号VXjの電位が+VSIGになる区間と−VSIGになる区間とに分割される。前者の区間(オフ区間という)においては当該画素部20に印加される電圧V(Xj,Yi)の電位は+VSEL’−VSIGになり、後者の区間(オン区間という)においては電圧V(Xj,Yi)の電位は+VSEL’+VSIGになる。
【0062】
極性が反対となる走査線Yi+1の選択期間についても、上記に準じてデータ信号VXjの電位が−VSIGになる区間と+VSIGになる区間とに分割されることはいうまでもない。このとき、前者の区間(オフ区間という)においては当該画素部20に印加される電圧V(Xj,Yi+1)の電位は−VSEL’+VSIGになり、後者の区間(オン区間という)においては電圧V(Xj,Yi)の電位は−VSEL’−VSIGになる。
【0063】
電圧V(Xj,Yi)は、絶対値「VSEL’−VSIG」がTFD21の閾値電圧Vth以下になるように、かつ、絶対値「VSEL’+VSIG」が閾値電圧Vth以上になるように電位±VSEL’(±VSEL)および±VSIGが設定されている。これにより、オン区間が長くなるほど(図4において、(000)、(001)、・・・、(111)の順番で)液晶容量22に印加される実効電圧値が高くなる。そして、このように実効電圧値が段階的に変化することで液晶の光透過率も段階的に変化し、画素部20において中間調での表示が可能となっている。換言すれば、画素部20に与えるべき階調が高くなるほど(ノーマリーホワイトモードでは暗くなるほど)、オン区間の占める割合が大きくなるように、データ信号VXjの電位の切換タイミングが設定されている。(なお極性とは、所定の電位(例えば0V或いはその他の電位)を基準とするものであり、極性を反転するとは、前記所定の電位を基準として正電位側の電位から負電位側の電位へ切り替えること(或いはその逆)を意味する)
なお、以上はノーマリーホワイトモードでの駆動を採用する場合であり、ノーマリーブラックモードでの駆動を採用する場合には、これとはちょうど逆の関係になる。すなわち、画素部20に与えるべき階調が高くなるほど(明るくなるほど)、オン区間の占める割合が大きくなるように、データ信号VXjの電位の切換タイミングが設定されている。
【0064】
次に、上述したクロストークを補償する動作について説明する。図2は、上記極性指示信号FR、走査期間規定信号LP、インヒビット信号INH、階調規定信号GCP、所定階調(ここでは、(101)の表示データに相当)に対応するデータ信号VXj、前記ダミー電極23に現れる信号レベルを形成する電圧信号DET、反転論理回路31の出力信号GOUT、第1及び第2論理回路33,34の出力信号CMP−U,CMP−L、走査信号VYi、電圧V(Xj,Yi)の各波形例を示すタイムチャートである。
【0065】
インヒビット信号INHは、走査期間規定信号LPに同期して所定期間、HレベルからLレベルに推移する。この所定期間は、走査期間(1H)に対して十分に短い期間となっている。
【0066】
前記ダミー電極23には、他端がそれぞれ反転論理回路32の出力端子及び入力端子に接続された抵抗R1,R2の接続端が接続されており、同反転論理回路32には極性指示信号FRが入力されている。従って、基本的に電圧信号DETは、極性指示信号FRの極性に応じたバイアスレベルを形成する抵抗R1,R2の分圧で推移する。すなわち、Lレベルの極性指示信号FRが入力されたとすると、電圧信号DETは、極性指示信号FRの極性間の電圧の大きさにR2/(R1+R2)を乗じた電圧V1となる。一方、Hレベルの極性指示信号FRが入力されたとすると、電圧信号DETは、極性指示信号FRの極性間の電圧の大きさにR1/(R1+R2)を乗じた電圧V2となる。なお、R1<R2であるため、V1<V2となる。
【0067】
ここで、Lレベルの極性指示信号FRが入力されている間において、データ信号VXjがパルス幅変調によってステップ状に変化する(立下がる)と、その立下りタイミングにおいてインパルス状のノイズ電圧(歪み電圧)がダミー電極23(電圧信号DET)に重畳される。一方、Hレベルの極性指示信号FRが入力されている間において、データ信号VXjがパルス幅変調によってステップ状に変化する(立上がる)と、その立上りタイミングにおいてインパルス状のノイズ電圧がダミー電極23(電圧信号DET)に重畳される。
【0068】
上記反転論理回路31は、電圧信号DETと上記電圧V1,V2の略中間の所定レベルを形成する所定電圧VTとの比較結果を出力する回路で、所定電圧VTよりも大きいときにLレベルとなり、所定電圧VTよりも小さいときにHレベルとなる出力信号GOUTを出力する。例えば、Lレベルの極性指示信号FRが入力されている間において上記インパルス状のノイズ電圧がダミー電極23に重畳されると、この立下がりに伴う大小関係の逆転によってHレベルとなる信号成分が出力信号GOUTに発生する。同様に、Hレベルの極性指示信号FRが入力されている間において上記インパルス状のノイズ電圧がダミー電極23に重畳されると、この立上がりに伴う大小関係の逆転によってLレベルとなる信号成分が出力信号GOUTに発生する。
【0069】
上記第1論理回路33には、反転論理回路32の出力信号(極性指示信号FRの反転信号)、反転論理回路31の出力信号GOUT及びインヒビット信号INHが入力されている。従って、第1論理回路33の出力信号CMP−Uは、これら全ての信号がHレベルのときにHレベルとなり、それ以外ではLレベルとなる。つまり、第1論理回路33の出力信号CMP−Uは、Lレベルの極性指示信号FRが入力されている間においては、ダミー電極23に重畳される上記インパルス状のノイズ電圧に対応してHレベルとなる。このノイズ電圧相当の第1論理回路33の出力信号CMP−Uにより、選択電圧の電位VSELが補正されて電位VSEL’となる。即ち、クロストークを打ち消す方向に選択電圧の電位が補正される。そして、選択期間における走査信号VYiには、データ信号VXjの立下りに同期してノイズ電圧が重畳するものの、出力信号CMP−Uに対応して生じる破線にて示す立上がりにて、同ノイズ電圧と相殺する。結果として、選択期間における走査信号VYiは、実線にて示す波形に成形される。そして、電圧V(Xj,Yi)の立上がりの鈍りも抑制される。
【0070】
なお、ノイズ電圧の有無にかかわらず、走査期間規定信号LPに同期してLレベルとなるインヒビット信号INHにより出力信号CMP−UはLレベルとなる。これは、選択期間の前後で補正が加わらないようにするためである。
【0071】
一方、上記第2論理回路34には、反転論理回路31の出力信号GOUT、極性指示信号FR及びインヒビット信号INHが入力されている。従って、第2論理回路34の出力信号CMP−Lは、出力信号GOUTがLレベルであり、且つ、極性指示信号FR及びインヒビット信号INHがHレベルのときにLレベルとなり、それ以外ではHレベルとなる。つまり、第2論理回路34の出力信号CMP−Lは、Hレベルの極性指示信号FRが入力されている間においては、ダミー電極23に重畳される上記インパルス状のノイズ電圧に対応してLレベルとなる。このノイズ電圧相当の第2論理回路34の出力信号CMP−Lにより、選択電圧の電位−VSELが補正されて電位−VSEL’となる。即ち、クロストークを打ち消す方向に選択電圧の電位が補正され、上記と同様に作用する。
【0072】
なお、ノイズ電圧の有無にかかわらず、走査期間規定信号LPに同期してLレベルとなるインヒビット信号INHにより出力信号CMP−LはHレベルとなる。これは、選択期間の前後で補正が加わらないようにするためである。
【0073】
このように、全ての走査信号VY1〜VYnにおいて同様にノイズ電圧が解消されることで、クロストークが補償されクロストークによる表示ムラが解消されるのである。
【0074】
ここで、白と黒に対応するデータ信号VXjの電圧波形は、走査期間規定信号LPに同期して極性が反転するため、歪みが相殺される。すると、白と黒が両方多い場合と白が無くて黒も少ない場合とでも発生する歪み方が同じになってしまう。このため、選択電圧の電位の補正が困難となる。そこで、選択電圧を実際に印加する開始時間を走査期間規定信号LPに対して遅らせるようにしてもよい。これにより、白と黒に対応するデータ信号VXjによる歪みの影響が回避される。特に、上記インヒビット信号INHによる選択期間の前後での補正の回避と併せて行うことで、特に効果的となる。
【0075】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
【0076】
(1)本実施形態では、データ線に供給されるデータ信号の変動によってダミー電極23に現れる電圧信号DETの変化分は、所定電圧VTとの比較(閾値判定)のみで検出される。すなわち、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなく比較的高速な応答が可能となる。このダミー電極23に現れる電圧信号DETの変化分は、第1及び第2論理回路33,34により前記選択電圧の電位に付加されてクロストークが補償される。以上により、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークを抑制できる。
【0077】
(2)本実施形態では、比較回路としての反転論理回路31は、入力端子に所定のバイアスレベルが印加される極めて簡易な構成にできる。
【0078】
(3)本実施形態では、選択期間の初期に電圧信号DETの変化分は、前記選択電圧の電位に付加されない。従って、選択期間の前後でのクロストークの補償を回避できる。このため、「白色(階調度0%)」及び「黒色(階調度100%)」での選択電圧の電位の補正を回避できる。
【0079】
(電子機器)
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置を電子機器に用いた例について説明する。こうした電気光学装置は、モバイル型コンピュータ、携帯電話、デジタルスチルカメラ、投射型表示装置、液晶テレビ、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダー型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネル等の種々の電子機器に適用可能である。これら電子機器においては、消費電力の増大や回路構成を複雑化することなくクロストークが抑制された画像表示を実現できる。
【0080】
<モバイル型コンピュータ>
まず、上述し電気光学装置を、パーソナルコンピュータの表示部に適用した例について説明する。図8は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。この図において、コンピュータ60は、キーボード61を備えた本体部62と、表示部として液晶表示装置(液晶パネル11)を用いた表示装置63とを備えている。なお、表示装置63として透過型液晶表示装置を用いる場合には、暗所での視認性を確保するため、背面にバックライト(図示略)が設けられる。
【0081】
<携帯電話>
次に、上述した電気光学装置を、携帯電話の表示部に適用した例について説明する。図9は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。この図において、携帯電話70は、複数の操作ボタン71のほか、受話口72、送話口73と、上述した電気光学装置を用いた表示装置74とを備えている。なお、表示装置74として、液晶表示装置(液晶パネル11)を用いる場合には、暗所での視認性を確保するため、透過型や半透過半反射型であればバックライトが、反射型であればフロントライト(いずれも図示省略)がそれぞれ設けられる。
【0082】
(変形例)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
【0083】
・上記実施形態においては、各走査線の選択期間内において先にオフ区間が設けられ、その後にオン区間が設けられていた(図2参照)。このように先にオフ区間を設ける方式を「右寄せ駆動」という。また、これとは逆に、先にオン区間を設け、後にオフ区間を設ける方式もある。かかる方式を「左寄せ駆動」という。上記実施形態を「左寄せ駆動」によって構成してもよいことは言うまでもない。
【0084】
ここで、右寄せ/左寄せ駆動を行った場合の走査信号VYiの波形を図7にそれぞれ示す。走査線Yi上に実際に現れる波形は右寄せ/左寄せ駆動とも同様であるが、走査線駆動回路12内に対しては、実際には破線に示す電位±VSELを有する選択電圧等が印加される。従って、右寄せ駆動を採用した場合には、走査線駆動回路12の耐圧を±VSELよりも高くしなければならない。一方、左寄せ駆動を採用した場合には、走査線駆動回路12の耐圧は±VSEL相当を確保すれば充分である。このため、左寄せ駆動を採用した場合には、回路の耐圧を低くすることができるという利点がある。
【0085】
・また、上記実施形態においては、画像の表示には用いられないダミー電極23を介して電圧信号DETを得た。これに代えて、走査線Y1〜Ynのうち非選択状態である何れかの走査線に電源回路14を接続し、その走査線に発生する電圧信号DETによって他の走査線に現れるクロストークを補償してもよい。例えば、画面上の上下端に対応する走査線Y1およびYnを1/2フレーム毎に交互にダミー電極23に代えて使用するとよい。
【0086】
・前記実施形態において、各要素11〜16は、それぞれが独立した電子部品によって構成されていてもよい。例えば、各要素12〜16が1チップの半導体集積回路によって構成されていてもよい。また、各要素11〜16の全部若しくは一部が一体となった電子部品として構成されていてもよい。例えば、液晶パネル11に、走査線駆動回路12及びデータ線駆動回路13が一体的に形成されていてもよい。
【0087】
・また、上記実施形態においては、TFD型液晶表示装置に本発明を適用した例を説明したが、本発明はTFD型液晶表示装置に限定されるものではない。例えば電気泳動装置、エレクトロルミネッセンス(EL)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、或いは、プラズマ発光や電子放出による蛍光等を用いた様々な電気光学素子を用いた電気光学装置をはじめ、複数の走査線と、該各走査線に対して交差するように配線された複数のデータ線とを有する電気光学装置であってこれらの間にクロストークが発生し得る各種の電気光学装置および該電気光学装置を備えた電子機器に適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図。
【図2】クロストークが生じた場合の各信号を示すタイムチャート。
【図3】四値駆動法における各信号の波形例を示すタイムチャート。
【図4】制御信号に応じたデータ信号の波形例を示すタイムチャート。
【図5】反転論理回路を示す回路図。
【図6】TFDの特性図。
【図7】中間調表示を行う場合の各信号の波形例を示すタイムチャート。
【図8】電子機器の一例たるパーソナルコンピュータを示す斜視図。
【図9】電子機器の一例たる携帯電話を示す斜視図。
【図10】従来の電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図。
【図11】液晶表示装置の各走査線に係る等価回路図。
【図12】クロストーク現象の説明図。
【図13】他の従来の電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図。
【図14】同装置のクロストークの測定結果を示すグラフ。
【符号の説明】
X1〜Xm・・・データ線
Y1〜Yn・・・走査線
11・・・液晶パネル
12・・・走査線駆動回路
13・・・データ線駆動回路
20・・・画素部
23・・・電極としてのダミー電極
31・・・比較回路としての反転論理回路
33・・・論理回路としての第1論理回路
34・・・論理回路としての第2論理回路
60・・・電子機器としてのコンピュータ
70・・・電子機器としての携帯電話
Claims (7)
- 複数の走査線と、該各走査線に対して交差するように配線された複数のデータ線とを備えた電気光学装置において、
前記各データ線に対して交差するように配線され、該各データ線と容量結合する電極と、
前記電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較して、該信号レベルの変化分を出力する比較回路と、
前記比較回路から出力される信号レベルの変化分を、前記各走査線に供給する信号レベルに付加する論理回路とを備えたことを特徴とする電気光学装置。 - 複数の走査線と、該各走査線の選択期間及び非選択期間にそれぞれ対応して選択レベル及び非選択レベルに設定される走査信号を該各走査線に供給する走査線駆動回路と、該各走査線に対して交差するように配線された複数のデータ線と、表示データに基づいてパルス幅変調されるデータ信号を該各データ線に供給するデータ線駆動回路と、該各走査線と該各データ線との交差部に対応してそれぞれ設けられて該走査信号及びデータ信号に基づき駆動される画素部とを備えた電気光学装置において、
前記各データ線に対して交差するように配線され、該各データ線と容量結合する電極と、
前記電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較して、該信号レベルの変化分を出力する比較回路と、
前記比較回路から出力される信号レベルの変化分を、前記選択レベルに付加する論理回路とを備えたことを特徴とする電気光学装置。 - 前記比較回路は、入力端子に所定のバイアスレベルが印加される反転論理回路であることを特徴とする請求項1又は2記載の電気光学装置。
- 前記論理回路は、前記選択期間の初期に前記比較回路から出力される信号レベルの変化分を、前記選択レベルに付加しないことを特徴とする請求項2記載の電気光学装置。
- 複数の走査線と、該各走査線の選択期間及び非選択期間にそれぞれ対応して選択レベル及び非選択レベルに設定される走査信号を該各走査線に供給する走査線駆動回路と、該各走査線に対して交差するように配線された複数のデータ線と、表示データに基づいてパルス幅変調されるデータ信号を該各データ線に供給するデータ線駆動回路と、該各走査線と該各データ線との交差部に対応してそれぞれ設けられて該走査信号及びデータ信号に基づき駆動される画素部とを備えた電気光学装置の駆動方法において、
前記各データ線に対して交差するように配線され、該各データ線と容量結合する電極を備え、
前記電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較して、該信号レベルの変化分を出力し、
前記信号レベルの変化分を、前記選択レベルに付加することを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 複数の走査線と、該各走査線の選択期間及び非選択期間にそれぞれ対応して選択レベル及び非選択レベルに設定される走査信号を該各走査線に供給する走査線駆動回路と、該各走査線に対して交差するように配線された複数のデータ線と、表示データに基づいてパルス幅変調されるデータ信号を該各データ線に供給するデータ線駆動回路と、該各走査線と該各データ線との交差部に対応してそれぞれ設けられて該走査信号及びデータ信号に基づき駆動される画素部とを備えた電気光学装置の駆動回路において、
前記各データ線に対して交差するように配線され、該各データ線と容量結合する電極を備え、
前記電極に現れる信号レベルと所定レベルとを比較して、該信号レベルの変化分を出力し、
前記信号レベルの変化分を、前記選択レベルに付加することを特徴とする電気光学装置の駆動回路。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
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