JP2004117621A - 弦楽器型電子楽器 - Google Patents
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Abstract
【課題】弦楽器型電子楽器において、初心者でも簡単に和音演奏を楽しむことができるようにする。
【解決手段】この弦楽器型電子楽器は、フレット操作子121,122・・126の操作により指定された音高の楽音を、弦部材211,212・・216の操作に同期して発音する。簡易和音演奏モードにおいては、複数の操作されたフレット操作子121,122・・126のうちで、所定の基準に従って選択された一つの操作子に対応した音高(例えば、最高音)が和音根音として決定される。残りの操作されたフレット操作子の操作状態により、和音タイプが決定される。例えば、和音根音に対応したフレット操作子に隣接する低音側に隣接した列および/または同和音根音に対応したフレット操作子から低音側に2列目に属するフレット操作子の操作の有無により、セブンス、マイナなどの和音タイプが決定される。
【選択図】 図1
【解決手段】この弦楽器型電子楽器は、フレット操作子121,122・・126の操作により指定された音高の楽音を、弦部材211,212・・216の操作に同期して発音する。簡易和音演奏モードにおいては、複数の操作されたフレット操作子121,122・・126のうちで、所定の基準に従って選択された一つの操作子に対応した音高(例えば、最高音)が和音根音として決定される。残りの操作されたフレット操作子の操作状態により、和音タイプが決定される。例えば、和音根音に対応したフレット操作子に隣接する低音側に隣接した列および/または同和音根音に対応したフレット操作子から低音側に2列目に属するフレット操作子の操作の有無により、セブンス、マイナなどの和音タイプが決定される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弦楽器の形状に似せるとともに、弦楽器と似た態様の演奏により楽音信号を発生する弦楽器型電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の弦楽器型電子楽器においては、弦楽器に対応させて棹部および胴部を有し、弦楽器における複数のフレットおよび複数の弦に対応させた複数の音高指定部材を棹部に設けるとともに、弦に対応させた複数の発音指示部材を胴部に弦を操作する方向に変位可能に設け、音高指定部材の操作によって音高を指定した後、発音指示部材を操作することにより、指定された音高の楽音信号を発生するようにしている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−258839号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の弦楽器型電子楽器においては、弦楽器と同様な態様で演奏すれば、弦楽器と同様な楽音信号を発生させることができる。しかしながら、和音演奏を行うためには、複数の音高指定部材の同時操作により和音構成音をそれぞれ指定する必要があり、この複数の音高指定部材の正確な同時操作は比較的難しいので、初心者にあっては、和音演奏を簡単に楽しむことができなかった。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、初心者でも簡単に和音演奏を楽しむことができる弦楽器型電子楽器を提供することにある。
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、弦楽器における複数のフレットおよび複数の弦に対応させて設けられ、発生される楽音の音高を指定するための複数の音高指定部材と、弦楽器における複数の弦に対応させて設けられ、楽音の発生を指示するための複数の発音指示部材と、複数の音高指定部材の操作および複数の発音指示部材の操作に基づいて、前記操作された音高指定部材に対応した音高を有する楽音信号を発音指示部材の操作時に発生する楽音信号発生手段とを備えた弦楽器型電子楽器において、操作された複数の音高指定部材の中から所定の基準に従って一つの音高指定部材を選択するとともに、同選択した一つの音高指定部材に対応した音高を和音根音として決定する和音根音決定手段と、操作された複数の音高指定部材のうちで前記選択された一つの音高指定部材以外の他の音高指定部材の操作状態に応じて和音タイプを決定する和音タイプ決定手段と、前記記決定された和音根音および和音タイプに応じて楽音信号発生手段を制御し、同決定された和音根音および和音タイプによって指定される和音構成音に対応した楽音信号を発生させる和音信号発生制御手段とを設けたことにある。
【0007】
この場合、弦楽器型電子楽器は、例えば、ギター、バイオリン、チェロなどのような棹部および胴部を有する弦楽器に形状に形成されるとともに、複数の音高指定部材を、弦楽器における弦およびフレットに対応させて棹部に設けた複数のフレット操作子で構成するとよい。また、複数の発音指示部材を、弦楽器における複数の弦に対応させて胴部に変位可能に設けた複数の弦部材で構成するとよい。
【0008】
また、前記和音根音決定手段を、操作された複数の音高指定部材によってそれぞれ指定される複数の音高のうちの最高音または最低音の音高を和音根音として決定したり、操作された複数の音高指定部材の位置的関係により定まる一つの音高指定部材(例えば、操作された複数の音高指定部材のうちで棹の幅方向または軸方向の端部に最も近い一つの音高指定部材)に対応する音高を和音根音として決定するようにも構成できる。さらに、いずれの音高指定部材も操作されていない状態で、最先に操作された音高指定部材により根音を決定するような、操作された音高指定部材の時間関係から和音根音を決定するようにしてもよい。
【0009】
また、和音タイプ決定手段を、操作された複数の音高指定部材のうちで、前記和音根音を指定した音高指定部材以外の一つまたは複数の音高指定部材の同和音根音を指定した音高指定部材に対する相対位置、または前記和音根音を指定した音高指定部材以外の音高指定部材の操作数に応じて和音タイプを決定するように構成できる。また、前記最先に操作された音高指定部材に対する音高を和音根音とした場合には、2番目以降に操作された音高指定部材の和音根音に対応した音高指定部材との位置的関係により和音タイプを決定するようにしてもよい。また、和音タイプとしては、メジャ、マイナ、セブンス、マイナセブンスなどを採用できる。
【0010】
このように構成した本発明においては、演奏者が、和音根音に対応する音高指定部材を操作することにより和音根音を指定するとともに、和音根音に対応した音高指定部材の近傍の音高指定部材の操作により和音タイプを指定して、複数の発音指示部材を操作することにより、前記和音根音および和音タイプによって指定される和音の構成音に対応した楽音信号を発生させることができる。したがって、演奏者は、和音の各構成音をそれぞれ指定するように複数の音高指定部材を正確に同時操作しなくても、簡単な操作により和音構成音に対応した楽音信号を発生させることができ、初心者でも簡単に和音演奏を楽しむことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る弦楽器型電子楽器について図面を用いて説明すると、図1はこの弦楽器型電子楽器の本体部の上面外観を概略的に示している。この弦楽器型電子楽器の本体部は、ギターに似た形状に構成されており、棹部10および胴部20を備えている。
【0012】
棹部10には、幅方向に延設された複数のフレット11が軸方向に沿って所定距離を隔てて埋設されている。各フレット11間には、それぞれ6個の長尺状のフレット操作子121,122,・・126が長手方向を棹部10の軸方向にしてそれぞれ埋設されている。そして、棹部10の軸方向に1列に配置された各列のフレット操作子121,122,・・126は、ギターの6個の弦にそれぞれ対応している。棹部10内には各フレット操作121,122,・・126にそれぞれ対応して同フレット操作子12の数に等しいフレットスイッチ群13(図2参照)が設けられている。フレットスイッチ群13は、フレット操作子121,122・・126への各接触によりそれぞれオンするタッチスイッチにより構成されている。なお、フレット操作子121,122・・126を棹部10の上面に対して垂直に少量だけ変位可能に組み付けておき、演奏者によるフレット操作子121,122・・126の各押圧操作時にそれぞれオンするようにフレットスイッチ群13を構成するようにしてもよい。
【0013】
これらのフレット操作子121,122・・126は、その棹部10の軸方向位置により発生される楽音の音高をそれぞれ指定するための音高指定部材を構成するものである。棹部10の軸方向に1列に配置された各フレット操作子121,122・・126は、ギターの第1弦、第2弦・・第6弦にそれぞれ対応した各楽音の音高をそれぞれ指定するもので、胴部20に近づくに従って半音高い音高を指定する。なお、図1の最下位置(紙面における最右位置、すなわち棹部10を上とするとともに胴部20を下とした弦並び方向の最右位置)の1列の複数のフレット操作子121がギターの第1弦(最も細い弦)に対応し、残りの5列の各複数のフレット操作子122・・126が図1の上方に向かう従ってギターの第2弦〜第6弦にそれぞれ対応する。そして、本明細書においては、ギターの第1弦〜第6弦に対応した各列のフレット操作子121,122・・126によって音高の指定される楽音(または楽音信号)をそれぞれ第1〜第6楽音(または第1〜第6楽音信号)という。
【0014】
このフレット操作子12による音高の指定例について若干説明しておくと、各列の複数のフレット操作子121,122・・126のいずれも操作されなければ、第1、第2・・第6楽音の指定音高は、それぞれギターの第1弦、第2弦・・第6弦の各開放時における各音名E3,B2,G2,E2,A2,E2に対応した音高になる。そして、第1フレット11(棹部10の最先端位置のフレット11)に対応したフレット操作子121,122・・126の操作により前記各音名よりも半音高い音高がそれぞれ指定され、胴部20に近づくフレット操作子121,122・・126の各操作により順次半音ずつ高くなる音高が指定される。
【0015】
棹部10の胴部20との近傍位置には、この弦楽器型電子楽器の動作モードを種々に設定するための複数のモード制御操作子14が設けられている。特に、この複数のモード制御操作子14の中には、この弦楽器型電子楽器を通常の演奏態様で演奏する通常演奏モードと、簡易な演奏方法で和音を演奏できる簡易和音演奏モードとを切換えるためのモード切換え操作子が設けられている。これらのモード制御操作子14の操作は、棹部10に埋設したタッチ式の複数のモード制御スイッチ群15(図2参照)によって検出されるようになっている。
【0016】
胴部20には、ギターの第1弦、第2弦・・第6弦に対応させた弦部材211,212・・216が、フレット操作子121,122・・126の各列の延長上位置に、胴部20の上面に対向させるとともに棹部10の軸方向に延設配置されている。弦部材211,212・・216は、硬質の線材で形成されており、図1の上方(紙面における左方)へ向かうに従って少しずつ太くなっている。弦部材211,212・・216の各両端部は胴部20の上面に対して垂直方向にそれぞれ曲げられて、胴部20内に侵入している。そして、これらの弦部材211,212・・216の各両端部は、胴部20内にて揺動可能に支持されるとともに胴部20内に設けた弾性部材により基準位置に付勢されており、弦部材211,212・・216の図1の上下方向(紙面における左右方向)の変位を許容している。
【0017】
これらの弦部材211,212・・216は、楽音の発生を指示するための複数の発音指示部材を構成するもので、演奏者によって図1の上下方向に変位操作(發弦操作に対応)される。そして、この操作による各弦部材211,212・・216の変位により、第1〜第6楽音の発音がそれぞれ独立して指示される。また、胴部20内には、弦部材211,212・・216の各一端部の変位量すなわち弦部材211,212・・216の変位量(揺動量)をそれぞれ検出する変位量センサ群22が設けられている。
【0018】
次に、この弦楽器型電子楽器の一部を構成する電気回路装置について説明する。この電気回路装置は、図示しないコントロールボックスに内蔵されており、フレットスイッチ群13、モード制御スイッチ群15および変位量センサ群22に電気コード23を介して接続されている。なお、以降に説明する電気回路装置の一部を弦楽器型電子楽器本体に内蔵させるようにしてもよい。
【0019】
この電気制御装置は、図2に示すように、コンピュータ装置30、楽音信号発生部40、アンプ51およびスピーカ52を備えている。コンピュータ装置30は、CPU、ROM、RAMなどを主用構成部品とするもので、プログラム処理によって各種機能を実現するものである。しかし、説明を簡単にするために、このコンピュータ装置30に関しては、各種機能を実現する機能ブロック図を用いて説明する。
【0020】
コンピュータ装置30は、フレット操作検出部31、モード制御操作検出部32および弦部材操作検出部33を備えている。フレット操作検出部31は、フレットスイッチ群13からのオン・オフ信号に基づいて、フレット操作子121,122・・126のうちで操作されているフレット操作子を検出する。モード制御操作検出部32は、モード制御スイッチ群15からのオン・オフ信号に基づいてモード制御操作子14の操作を検出する。
【0021】
弦部材操作検出部33は、変位量センサ群22からの弦部材211,212・・216の変位量を表す検出信号に基づいて弦部材211,212・・216のうちの操作された弦部材を検出する。この場合、弦部材操作検出部33は、前記各検出信号値と予め決めた所定の閾値とをそれぞれ比較し、各検出信号値が閾値を越えた時点で弦部材が操作されたことを検出して、同検出結果をキーオン信号として弦部材211,212・・216ごとにそれぞれ楽音信号発生部40に供給する。この弦部材操作検出部33には、タッチ検出部33aも含まれている。このタッチ検出部33aは、前記操作の検出された弦部材211,212・・216の変位量を表す検出信号のピーク値を検出して、同検出ピーク値を表す信号をタッチ検出信号として弦部材211,212・・216ごとにそれぞれ楽音信号発生部40に供給する。
【0022】
フレット操作検出部31によって検出されて、操作されたフレット操作子121,122・・126を表す信号は、音高指定部34、和音根音決定部35および和音タイプ決定部36に供給される。音高指定部34は、操作されたフレット操作子121,122・・126に対応した音名を表す音名情報を、ギターの第1弦、第2弦・・第6弦に対応した各列ごとに選択部38に供給する。ただし、同一列の複数のフレット操作子121,122・・126が同時操作されている場合には、胴部20に最も近い側(最も高音側)のフレット操作子121,122・・126のみが採用される。和音根音決定部35は、操作されたフレット操作子121,122・・126の中で最高音に相当するフレット操作子に対応した音名を根音として決定する。和音タイプ決定部36は、前記操作されたフレット操作子121,122・・126に関する情報および前記決定された根音を用いて和音タイプを決定する。
【0023】
具体的には、和音タイプ決定部36は、根音として決定したフレット操作子の低音側(図1の上側)に隣接した列および同根音として決定したフレット操作子から低音側に2列目に属するいずれのフレット操作子も操作されていなければ、メジャの和音タイプを決定する。根音として決定したフレット操作子の低音側に隣接した列に属するいずれかのフレット操作子が操作され、かつ同根音として決定したフレット操作子から低音側に2列目に属するいずれのフレット操作子も操作されていなければ、セブンスの和音タイプを決定する。根音として決定したフレット操作子の低音側に隣接した列に属するいずれのフレット操作子も操作されておらず、かつ同根音として決定したフレット操作子から低音側に2列目に属するいずれかのフレット操作子が操作されれば、マイナの和音タイプを決定する。根音として決定したフレット操作子の低音側に隣接した列に属するいずれかのフレット操作子および同根音として決定したフレット操作子から低音側に2列目に属するいずれかのフレット操作子が共に操作されていれば、マイナセブンスの和音タイプを決定する。
【0024】
この和音タイプの決定について具体例を上げて説明すると、フレット操作子121,122・・126を図3(A)〜図6(A)に示すように操作すれば、それぞれCメジャ、Cセブンス、CマイナおよびCマイナセブンスの和音タイプがそれぞれ指定されることになる。なお、図3(A)〜図6(A)においては、フレット操作子121,122・・126における根音指定のための操作を○印で表し、和音タイプ指定のための操作を△印で表している。
【0025】
和音根音決定部35によって決定された和音根音を表す根音情報および和音タイプ決定部36によって決定された和音タイプを表すタイプ情報は、和音構成音決定部37に供給される。和音構成音決定部37は、和音根音および和音タイプに対応させて、同和音根音および和音タイプによって指定される和音を構成する和音構成音を表す構成音情報を記憶した和音テーブル37aを備え、前記供給された根音情報およびタイプ情報に対応した和音構成音を表す音名情報を決定して選択部38に供給する。具体的には、例えば図3(A)〜図6(A)のような和音指定操作によって決定されたCメジャ、Cセブンス、CマイナおよびCマイナセブンスの和音の場合、ギターの第1弦、第2弦・・第6弦に対応した各列ごとの音名情報として、それぞれ図3(B)〜図6(B)に記載した6個ずつの和音構成音が表す音名情報が選択部38に供給される。
【0026】
選択部38は、モード制御操作検出部32によるモード制御操作子14の操作の検出に基づいて、音高指定部34または和音構成音決定部37からの音名情報を選択的に楽音信号発生部40に供給する。すなわち、モード制御操作子14の操作によって通常演奏モードが選択されていれば、選択部38は、音高指定部34からの音名情報を楽音信号発生部40に供給する。また、モード制御操作子14の操作によって簡易和音演奏モードが選択されていれば、選択部38は和音構成音決定部37からの音名情報を選択的に楽音信号発生部40に供給する。
【0027】
楽音信号発生部40は、音源回路41、エンベロープ信号発生回路42および振幅制御回路43からなる。音源回路41は、6列のフレット操作子121,122・・126(すなわち6個の弦部材211,212・・216)にそれぞれ対応した6個の音源チャンネルを備えている。これらの音源チャンネルは、6列のフレット操作子121,122・・126に対応して選択部38を介して供給される音名情報によって表された音高の第1〜第6楽音信号(例えば、ギター音色の楽音信号)をそれそれ形成して振幅制御回路43に出力する。
【0028】
エンベロープ信号発生回路42も、6個の弦部材211,212・・216(すなわち6列のフレット操作子121,122・・126)にそれぞれ対応した6個のエンベロープ信号形成チャンネルを備えている。これらのエンベロープ信号形成チャンネルは、6個の弦部材211,212・・216に対応して弦部材操作検出部33から供給されるキーオン信号およびタッチ検出信号に応じて、第1〜第6楽音信号に対する第1〜第6エンベロープ信号をそれぞれ形成して出力する。具体的には、各エンベロープ信号形成チャンネルは、キーオン信号の到来に応答して立ち上がり、タッチ検出信号に比例したアタックレベルを有するエンベロープ信号を形成して出力する。
【0029】
振幅制御回路43は、各チャンネルごとに、音源回路41から供給される第1〜第6楽音信号の振幅を、エンベロープ信号発生回路42から供給される第1〜第6エンベロープ信号により制御して、アンプ51およびスピーカ52に供給する。なお、本実施形態では、これらの音源回路41、エンベロープ信号発生回路42および振幅制御回路43はハード回路によって構成されているが、楽音信号発生部40をプログラム処理によるソフト音源装置を用いて構成してプログラム処理によって第1〜第6楽音信号を形成するようにしてもよい。
【0030】
次に、上記のように構成した実施形態の動作について説明する。まず、モード制御操作子14の操作により、この弦楽器型電子楽器が通常演奏モードに設定されている場合について説明する。この場合には、演奏者は、発生されるべき第1〜第6楽音の音高を指定するためにフレット操作子121,122・・126を操作する。このフレット操作子121,122・・126の操作はフレットスイッチ群13およびフレット操作検出部31によって検出され、この検出に応じて、音高指定部34がフレット操作子121,122・・126の操作によって指定された音高を表す第1〜第6楽音のための音名情報を選択部38を介して楽音信号発生部40に供給する。
【0031】
そして、演奏者は、6個の弦部材211,212・・216の一つまたは複数を変位操作(發弦操作)する。この弦部材211,212・・216の操作は変位量センサ群22および弦部材操作検出部33によって検出され、弦部材操作検出部33は、各弦部材211,212・・216の操作に応答したキーオン信号と、各弦部材211,212・・216の変位量に応じたタッチ検出信号を楽音信号発生部40に供給する。
【0032】
楽音信号発生部40においては、音源回路41が前記供給された第1〜第6楽音のための音名情報により表された音高を有する第1〜第6楽音信号を形成して出力する。また、エンベロープ信号発生回路42は、前記供給されたキーオン信号に同期して立ち上がり、タッチ検出信号に応じたアタックレベルを有する第1〜第6楽音のためのエンベロープ信号を振幅制御回路42に出力する。ただし、このエンベロープ信号は、6個の弦部材211,212・・216のうちの操作された弦部材に関するもののみが出力される。
【0033】
そして、振幅制御回路43は、音源回路41から供給される第1〜第6楽音信号の振幅を、エンベロープ信号発生回路42から供給される第1〜第6エンベロープ信号により制御して、アンプ51およびスピーカ52に出力する。したがって、この通常演奏モードにおいては、フレット操作子121,122・・126の操作により指定された音高を有する楽音であって、操作された弦部材211,212・・216に対応した楽音のみがスピーカ52から発音される。
【0034】
次に、この弦楽器型電子楽器が簡易和音演奏モードに設定されている場合について説明する。この場合、演奏者は、和音根音および和音タイプを指定するために、例えば図3(A)〜図6(A)に示すように、フレット操作子121,122・・126を操作する。このモードにおいても、フレット操作子121,122・・126の操作はフレットスイッチ群13およびフレット操作検出部31によって検出される。しかし、このモードにおいては、和音根音決定部35および和音タイブ決定部36が、前述した基準に従って和音根音および和音タイプをそれぞれ決定して、同決定した和音根音および和音タイプをそれぞれ表す根音情報およびタイプ情報を和音構成音決定部37に供給する。和音構成音決定部37は、これらの根音情報およびタイプ情報によって指定される和音構成音(例えば、図3(A)〜図6(A)に例示)を表す複数の音名情報を選択部38を介して楽音信号発生部40に出力する。
【0035】
そして、この場合も、演奏者は、発音させようとする第1〜第6楽音に対応した6個の弦部材211,212・・216の一つまたは複数を変位操作(發弦操作)する。この弦部材211,212・・216の操作により、キーオン信号およびタッチ検出信号が楽音信号発生部40に供給される動作は、前述の通常演奏モードの場合と同様である。そして、楽音信号発生部40にて、前記音名情報、キーオン信号およびタッチ検出信号に基づいて楽音信号が発生される点に関しても、前述した通常演奏モードの場合と同様である。したがって、この簡易和音演奏モードにおいては、フレット操作子121,122・・126の操作により指定された和音の構成音に対応した楽音が、弦部材211,212・・216の操作に応じてスピーカ52から発音される。
【0036】
このように動作する本実施形態の簡易和音演奏モードにおいては、フレット操作子121,122・・126の操作により指定された音高の中で、最高音に対応した音高が和音根音として決定される。そして、前記和音根音として決定された最高音に対応したフレット操作子の低音側に隣接した列に属するフレット操作子および/または同最高音に対応したフレット操作子から低音側に2列目に属するフレット操作子の操作の有無により、和音タイプ(メジャ、セブンス、マイナおよびマイナセブンス)が指定される。その結果、演奏者は、例えばCメジャ、Cセブンス、CマイナおよびCマイナセブンスの和音を指定するために、フレット操作子121,122・・126を図3(B)〜図6(B)に示すように操作する代わりに、同フレット操作子121,122・・126を図3(A)〜図6(A)に示すように操作すればよい。したがって、演奏者は、簡単操作により和音構成音に対応した楽音信号を発生させることができ、初心者でも簡単に和音演奏を楽しむことができる。
【0037】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0038】
例えば、上記実施形態においては、操作されたフレット操作子121,122・・126によって指定された複数の音高のうちで最高音を和音根音として決定するようにしたが、同複数の音高のうちで最低音を和音根音として決定するようにしてもよい。また、操作された複数列のフレット操作子121,122・・126のうちで最も高音側(図1の下側)または低音側(図1の上側)の列の操作されたフレット操作子に対応した音高を和音根音としてもよい。また、操作された複数のフレット操作子121,122・・126のうちで、棹部10の軸方向端部に最も近いフレット操作子に対応した音高を和音根音としてもよい。一例を挙げると、各根音C、C#・・Bに対して、第2弦部第1フレット(C)、第2弦部第2フレット(C#)、第2弦部第3フレット(D)、第4弦部第1フレット(D#)、第4弦部第2フレット(E)、第6弦部または第1弦部第1フレット(F)、第6弦部または第1弦部第2フレット(F#)、第6弦部または第1弦部第3フレット(G)、第3弦部第1フレット(G#)、第3弦部第2フレット(A)、第5弦部第1フレット(A#)、および第5弦部第2フレット(B)がそれぞれ対応する。さらには、前記のような位置的要素に代えて、時間的要素を取り入れて、いずれのフレット操作子121,122・・126も操作されていない状態から最先に操作されたフレット操作子に対応した音高を和音根音としてもよい。このように、和音根音の指定においては、操作されたフレット操作子121,122・・126の中から予め定めた基準に従って和音根音を決定する種々の方法を採用できる。
【0039】
また、上記実施形態においては、和音根音を指定したフレット操作子の低音側に隣接した列に属するいずれかのフレット操作子および/または同和音根音を指定したフレット操作子から低音側に2列目に属するいずれかのフレット操作子の操作の有無により、和音タイプを決定するようにした。しかし、この和音タイプの決定においても、和音根音を指定したフレット操作子以外のフレット操作子の種々の操作状態を採用できる。
【0040】
例えば、和音根音を最低音とした場合には、同和音根音を指定したフレット操作子の高音側に隣接した列に属するいずれかのフレット操作子および/または同和音根音を指定したフレット操作子から高音側に2列目に属するいずれかのフレット操作子の操作の有無により、和音タイプを決定するようにするとよい。また、和音根音に対応したフレット操作子から少し離れた列に属するフレット操作子(例えば、2列目および/または3列目に属するフレット操作子)の操作の有無に応じて和音タイプを決定するようにしてもよい。さらに、和音根音を最高音とすれば、同最高音に対応したフレット操作子と同一列に属する低音側の異なるフレット操作子の操作の有無に応じて和音根音を決定し、また和音根音を最低音とすれば、同最低音に対応したフレット操作子と同一列に属する高音側の異なるフレット操作子の操作の有無に応じて和音根音を決定するようにしてもよい。また、和音根音が操作されたフレット操作子のうちで棹部10の軸方向の端部に最も近いフレット操作子によって指定される場合には、同フレット操作子に対して棹部10の軸方向の一方の側に属するとともに、操作されたフレット操作子の、前記和音根音を指定したフレット操作子に対する相対位置に応じて和音タイプを決定するようにしてもよい。
【0041】
また、前記のように和音根音に対応したフレット操作子との位置関係ではなく、和音根音に対応したフレット操作子以外の操作されたフレット操作子の数に応じて和音タイプを決定するようにしてもよい。例えば、和音根音のために操作されたフレット操作子以外の操作されたフレット操作子の数が「0」であればメジャ、同操作されたフレット操作子の数が「1」であればセブンス、同操作されたフレット操作子の数が「2」であればマイナ、同操作されたフレット操作子の数が「3」以上であればマイナセブンスなどとすればよい。さらに、和音根音に対応したフレット操作子と同一フレット位置または同一列の操作されたフレット操作子の数によって和音タイプを決定するようにしてもよい。
【0042】
前記のように、和音根音が棹部10の最端部側の操作されたフレット操作子によって指定される場合には、同フレット操作子に対して棹部10の軸方向の一方の側に属するとともに操作されたフレット操作子の操作数に応じて和音タイプを決定するようにしてもよい。また、いずれのフレット操作子121,122・・126も操作されていない状態から最先に操作されたフレット操作子に対応した音高を和音根音とした場合には、2番目以降に操作されたフレット操作子の位置または数によって和音根音を決定するようにしてもよい。このように、和音タイプの指定においても、操作されたフレット操作子121,122・・126の中から予め定めた基準に従って和音タイプを指定する種々の方法を採用できる。
【0043】
また、上記実施形態においては、簡易演奏態様によって指定される和音タイプとして、メジャ、マイナ、セブンスおよびマイナセブンスの4種類を採用したが、他のタイプの和音を採用することもできる。また、4種類よりも多くのタイプの和音を採用することもできる。
【0044】
さらに、上記実施形態においては、6弦ギターに対応させて、6列のフレット操作子121,122・・126および6個の弦部材211,212・・216を設けるようにしたが、12弦ギターならば「12」、ベースギターならば「4」のように、フレット操作子の列数および弦部材の数は「6」以外の数であってもよい。また、弦楽器型電子楽器の本体部の形状をギター形状に似せて構成したが、同本体部をバイオリン、チェロ、ビオラダガンバなどの他の弦楽器形状に似せて構成してもよい。この場合には、後述の弓部材のボーイング操作の検出信号を、キーオン信号のためのトリガ信号とすればよい。
【0045】
また、音高指定操作子に関しても、上記フレット操作子121,122・・126以外の操作子、例えば、単にマトリクス状に配置した操作子、操作位置の検出可能な連続的に配置された棒状、ひも状などの連続操作子、その他の形態で配置した操作子を採用してもよい。また、発音指示部材に関しても、弦部材211,212・・216に代えて、例えば演奏者の手動操作により振動する弦、バイオリンのように弓によって振動する弦などの他の部材を採用することもできる。なお、このような弦の振動を利用する場合には、同弦の振動をピックアップして楽音信号の発生制御に用いるようにするとよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る弦楽器型電子楽器の本体部の上面外観図である。
【図2】図1の弦楽器型電子楽器の電気回路装置を示すブロック図である。
【図3】(A)は前記実施形態の簡易和音演奏モードにおけるCメジャ和音のためのフレット操作子の操作状態を示す運指図、(B)は通常演奏モードにCメジャ和音のためのフレット操作子の操作状態を示す運指図である。
【図4】(A)は前記実施形態の簡易和音演奏モードにおけるCセブンス和音のためのフレット操作子の操作状態を示す運指図、(B)は通常演奏モードにCセブンス和音のためのフレット操作子の操作状態を示す運指図である。
【図5】(A)は前記実施形態の簡易和音演奏モードにおけるCマイナ和音のためのフレット操作子の操作状態を示す運指図、(B)は通常演奏モードにCマイナ和音のためのフレット操作子の操作状態を示す運指図である。
【図6】(A)は前記実施形態の簡易和音演奏モードにおけるCマイナセブンス和音のためのフレット操作子の操作状態を示す運指図、(B)は通常演奏モードにCマイナセブンス和音のためのフレット操作子の操作状態を示す運指図である。
【符号の説明】
10…棹部、11…フレット、121,122・・126…フレット操作子、13…フレットスイッチ群、20…胴部、211,212・・216…弦部材、22…変位量センサ群、31…フレット操作検出部、33…弦部材操作検出部、35…和音根音決定部、36…和音タイプ決定部、37…和音構成音決定部、40…楽音信号発生部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、弦楽器の形状に似せるとともに、弦楽器と似た態様の演奏により楽音信号を発生する弦楽器型電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の弦楽器型電子楽器においては、弦楽器に対応させて棹部および胴部を有し、弦楽器における複数のフレットおよび複数の弦に対応させた複数の音高指定部材を棹部に設けるとともに、弦に対応させた複数の発音指示部材を胴部に弦を操作する方向に変位可能に設け、音高指定部材の操作によって音高を指定した後、発音指示部材を操作することにより、指定された音高の楽音信号を発生するようにしている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−258839号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の弦楽器型電子楽器においては、弦楽器と同様な態様で演奏すれば、弦楽器と同様な楽音信号を発生させることができる。しかしながら、和音演奏を行うためには、複数の音高指定部材の同時操作により和音構成音をそれぞれ指定する必要があり、この複数の音高指定部材の正確な同時操作は比較的難しいので、初心者にあっては、和音演奏を簡単に楽しむことができなかった。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、初心者でも簡単に和音演奏を楽しむことができる弦楽器型電子楽器を提供することにある。
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、弦楽器における複数のフレットおよび複数の弦に対応させて設けられ、発生される楽音の音高を指定するための複数の音高指定部材と、弦楽器における複数の弦に対応させて設けられ、楽音の発生を指示するための複数の発音指示部材と、複数の音高指定部材の操作および複数の発音指示部材の操作に基づいて、前記操作された音高指定部材に対応した音高を有する楽音信号を発音指示部材の操作時に発生する楽音信号発生手段とを備えた弦楽器型電子楽器において、操作された複数の音高指定部材の中から所定の基準に従って一つの音高指定部材を選択するとともに、同選択した一つの音高指定部材に対応した音高を和音根音として決定する和音根音決定手段と、操作された複数の音高指定部材のうちで前記選択された一つの音高指定部材以外の他の音高指定部材の操作状態に応じて和音タイプを決定する和音タイプ決定手段と、前記記決定された和音根音および和音タイプに応じて楽音信号発生手段を制御し、同決定された和音根音および和音タイプによって指定される和音構成音に対応した楽音信号を発生させる和音信号発生制御手段とを設けたことにある。
【0007】
この場合、弦楽器型電子楽器は、例えば、ギター、バイオリン、チェロなどのような棹部および胴部を有する弦楽器に形状に形成されるとともに、複数の音高指定部材を、弦楽器における弦およびフレットに対応させて棹部に設けた複数のフレット操作子で構成するとよい。また、複数の発音指示部材を、弦楽器における複数の弦に対応させて胴部に変位可能に設けた複数の弦部材で構成するとよい。
【0008】
また、前記和音根音決定手段を、操作された複数の音高指定部材によってそれぞれ指定される複数の音高のうちの最高音または最低音の音高を和音根音として決定したり、操作された複数の音高指定部材の位置的関係により定まる一つの音高指定部材(例えば、操作された複数の音高指定部材のうちで棹の幅方向または軸方向の端部に最も近い一つの音高指定部材)に対応する音高を和音根音として決定するようにも構成できる。さらに、いずれの音高指定部材も操作されていない状態で、最先に操作された音高指定部材により根音を決定するような、操作された音高指定部材の時間関係から和音根音を決定するようにしてもよい。
【0009】
また、和音タイプ決定手段を、操作された複数の音高指定部材のうちで、前記和音根音を指定した音高指定部材以外の一つまたは複数の音高指定部材の同和音根音を指定した音高指定部材に対する相対位置、または前記和音根音を指定した音高指定部材以外の音高指定部材の操作数に応じて和音タイプを決定するように構成できる。また、前記最先に操作された音高指定部材に対する音高を和音根音とした場合には、2番目以降に操作された音高指定部材の和音根音に対応した音高指定部材との位置的関係により和音タイプを決定するようにしてもよい。また、和音タイプとしては、メジャ、マイナ、セブンス、マイナセブンスなどを採用できる。
【0010】
このように構成した本発明においては、演奏者が、和音根音に対応する音高指定部材を操作することにより和音根音を指定するとともに、和音根音に対応した音高指定部材の近傍の音高指定部材の操作により和音タイプを指定して、複数の発音指示部材を操作することにより、前記和音根音および和音タイプによって指定される和音の構成音に対応した楽音信号を発生させることができる。したがって、演奏者は、和音の各構成音をそれぞれ指定するように複数の音高指定部材を正確に同時操作しなくても、簡単な操作により和音構成音に対応した楽音信号を発生させることができ、初心者でも簡単に和音演奏を楽しむことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る弦楽器型電子楽器について図面を用いて説明すると、図1はこの弦楽器型電子楽器の本体部の上面外観を概略的に示している。この弦楽器型電子楽器の本体部は、ギターに似た形状に構成されており、棹部10および胴部20を備えている。
【0012】
棹部10には、幅方向に延設された複数のフレット11が軸方向に沿って所定距離を隔てて埋設されている。各フレット11間には、それぞれ6個の長尺状のフレット操作子121,122,・・126が長手方向を棹部10の軸方向にしてそれぞれ埋設されている。そして、棹部10の軸方向に1列に配置された各列のフレット操作子121,122,・・126は、ギターの6個の弦にそれぞれ対応している。棹部10内には各フレット操作121,122,・・126にそれぞれ対応して同フレット操作子12の数に等しいフレットスイッチ群13(図2参照)が設けられている。フレットスイッチ群13は、フレット操作子121,122・・126への各接触によりそれぞれオンするタッチスイッチにより構成されている。なお、フレット操作子121,122・・126を棹部10の上面に対して垂直に少量だけ変位可能に組み付けておき、演奏者によるフレット操作子121,122・・126の各押圧操作時にそれぞれオンするようにフレットスイッチ群13を構成するようにしてもよい。
【0013】
これらのフレット操作子121,122・・126は、その棹部10の軸方向位置により発生される楽音の音高をそれぞれ指定するための音高指定部材を構成するものである。棹部10の軸方向に1列に配置された各フレット操作子121,122・・126は、ギターの第1弦、第2弦・・第6弦にそれぞれ対応した各楽音の音高をそれぞれ指定するもので、胴部20に近づくに従って半音高い音高を指定する。なお、図1の最下位置(紙面における最右位置、すなわち棹部10を上とするとともに胴部20を下とした弦並び方向の最右位置)の1列の複数のフレット操作子121がギターの第1弦(最も細い弦)に対応し、残りの5列の各複数のフレット操作子122・・126が図1の上方に向かう従ってギターの第2弦〜第6弦にそれぞれ対応する。そして、本明細書においては、ギターの第1弦〜第6弦に対応した各列のフレット操作子121,122・・126によって音高の指定される楽音(または楽音信号)をそれぞれ第1〜第6楽音(または第1〜第6楽音信号)という。
【0014】
このフレット操作子12による音高の指定例について若干説明しておくと、各列の複数のフレット操作子121,122・・126のいずれも操作されなければ、第1、第2・・第6楽音の指定音高は、それぞれギターの第1弦、第2弦・・第6弦の各開放時における各音名E3,B2,G2,E2,A2,E2に対応した音高になる。そして、第1フレット11(棹部10の最先端位置のフレット11)に対応したフレット操作子121,122・・126の操作により前記各音名よりも半音高い音高がそれぞれ指定され、胴部20に近づくフレット操作子121,122・・126の各操作により順次半音ずつ高くなる音高が指定される。
【0015】
棹部10の胴部20との近傍位置には、この弦楽器型電子楽器の動作モードを種々に設定するための複数のモード制御操作子14が設けられている。特に、この複数のモード制御操作子14の中には、この弦楽器型電子楽器を通常の演奏態様で演奏する通常演奏モードと、簡易な演奏方法で和音を演奏できる簡易和音演奏モードとを切換えるためのモード切換え操作子が設けられている。これらのモード制御操作子14の操作は、棹部10に埋設したタッチ式の複数のモード制御スイッチ群15(図2参照)によって検出されるようになっている。
【0016】
胴部20には、ギターの第1弦、第2弦・・第6弦に対応させた弦部材211,212・・216が、フレット操作子121,122・・126の各列の延長上位置に、胴部20の上面に対向させるとともに棹部10の軸方向に延設配置されている。弦部材211,212・・216は、硬質の線材で形成されており、図1の上方(紙面における左方)へ向かうに従って少しずつ太くなっている。弦部材211,212・・216の各両端部は胴部20の上面に対して垂直方向にそれぞれ曲げられて、胴部20内に侵入している。そして、これらの弦部材211,212・・216の各両端部は、胴部20内にて揺動可能に支持されるとともに胴部20内に設けた弾性部材により基準位置に付勢されており、弦部材211,212・・216の図1の上下方向(紙面における左右方向)の変位を許容している。
【0017】
これらの弦部材211,212・・216は、楽音の発生を指示するための複数の発音指示部材を構成するもので、演奏者によって図1の上下方向に変位操作(發弦操作に対応)される。そして、この操作による各弦部材211,212・・216の変位により、第1〜第6楽音の発音がそれぞれ独立して指示される。また、胴部20内には、弦部材211,212・・216の各一端部の変位量すなわち弦部材211,212・・216の変位量(揺動量)をそれぞれ検出する変位量センサ群22が設けられている。
【0018】
次に、この弦楽器型電子楽器の一部を構成する電気回路装置について説明する。この電気回路装置は、図示しないコントロールボックスに内蔵されており、フレットスイッチ群13、モード制御スイッチ群15および変位量センサ群22に電気コード23を介して接続されている。なお、以降に説明する電気回路装置の一部を弦楽器型電子楽器本体に内蔵させるようにしてもよい。
【0019】
この電気制御装置は、図2に示すように、コンピュータ装置30、楽音信号発生部40、アンプ51およびスピーカ52を備えている。コンピュータ装置30は、CPU、ROM、RAMなどを主用構成部品とするもので、プログラム処理によって各種機能を実現するものである。しかし、説明を簡単にするために、このコンピュータ装置30に関しては、各種機能を実現する機能ブロック図を用いて説明する。
【0020】
コンピュータ装置30は、フレット操作検出部31、モード制御操作検出部32および弦部材操作検出部33を備えている。フレット操作検出部31は、フレットスイッチ群13からのオン・オフ信号に基づいて、フレット操作子121,122・・126のうちで操作されているフレット操作子を検出する。モード制御操作検出部32は、モード制御スイッチ群15からのオン・オフ信号に基づいてモード制御操作子14の操作を検出する。
【0021】
弦部材操作検出部33は、変位量センサ群22からの弦部材211,212・・216の変位量を表す検出信号に基づいて弦部材211,212・・216のうちの操作された弦部材を検出する。この場合、弦部材操作検出部33は、前記各検出信号値と予め決めた所定の閾値とをそれぞれ比較し、各検出信号値が閾値を越えた時点で弦部材が操作されたことを検出して、同検出結果をキーオン信号として弦部材211,212・・216ごとにそれぞれ楽音信号発生部40に供給する。この弦部材操作検出部33には、タッチ検出部33aも含まれている。このタッチ検出部33aは、前記操作の検出された弦部材211,212・・216の変位量を表す検出信号のピーク値を検出して、同検出ピーク値を表す信号をタッチ検出信号として弦部材211,212・・216ごとにそれぞれ楽音信号発生部40に供給する。
【0022】
フレット操作検出部31によって検出されて、操作されたフレット操作子121,122・・126を表す信号は、音高指定部34、和音根音決定部35および和音タイプ決定部36に供給される。音高指定部34は、操作されたフレット操作子121,122・・126に対応した音名を表す音名情報を、ギターの第1弦、第2弦・・第6弦に対応した各列ごとに選択部38に供給する。ただし、同一列の複数のフレット操作子121,122・・126が同時操作されている場合には、胴部20に最も近い側(最も高音側)のフレット操作子121,122・・126のみが採用される。和音根音決定部35は、操作されたフレット操作子121,122・・126の中で最高音に相当するフレット操作子に対応した音名を根音として決定する。和音タイプ決定部36は、前記操作されたフレット操作子121,122・・126に関する情報および前記決定された根音を用いて和音タイプを決定する。
【0023】
具体的には、和音タイプ決定部36は、根音として決定したフレット操作子の低音側(図1の上側)に隣接した列および同根音として決定したフレット操作子から低音側に2列目に属するいずれのフレット操作子も操作されていなければ、メジャの和音タイプを決定する。根音として決定したフレット操作子の低音側に隣接した列に属するいずれかのフレット操作子が操作され、かつ同根音として決定したフレット操作子から低音側に2列目に属するいずれのフレット操作子も操作されていなければ、セブンスの和音タイプを決定する。根音として決定したフレット操作子の低音側に隣接した列に属するいずれのフレット操作子も操作されておらず、かつ同根音として決定したフレット操作子から低音側に2列目に属するいずれかのフレット操作子が操作されれば、マイナの和音タイプを決定する。根音として決定したフレット操作子の低音側に隣接した列に属するいずれかのフレット操作子および同根音として決定したフレット操作子から低音側に2列目に属するいずれかのフレット操作子が共に操作されていれば、マイナセブンスの和音タイプを決定する。
【0024】
この和音タイプの決定について具体例を上げて説明すると、フレット操作子121,122・・126を図3(A)〜図6(A)に示すように操作すれば、それぞれCメジャ、Cセブンス、CマイナおよびCマイナセブンスの和音タイプがそれぞれ指定されることになる。なお、図3(A)〜図6(A)においては、フレット操作子121,122・・126における根音指定のための操作を○印で表し、和音タイプ指定のための操作を△印で表している。
【0025】
和音根音決定部35によって決定された和音根音を表す根音情報および和音タイプ決定部36によって決定された和音タイプを表すタイプ情報は、和音構成音決定部37に供給される。和音構成音決定部37は、和音根音および和音タイプに対応させて、同和音根音および和音タイプによって指定される和音を構成する和音構成音を表す構成音情報を記憶した和音テーブル37aを備え、前記供給された根音情報およびタイプ情報に対応した和音構成音を表す音名情報を決定して選択部38に供給する。具体的には、例えば図3(A)〜図6(A)のような和音指定操作によって決定されたCメジャ、Cセブンス、CマイナおよびCマイナセブンスの和音の場合、ギターの第1弦、第2弦・・第6弦に対応した各列ごとの音名情報として、それぞれ図3(B)〜図6(B)に記載した6個ずつの和音構成音が表す音名情報が選択部38に供給される。
【0026】
選択部38は、モード制御操作検出部32によるモード制御操作子14の操作の検出に基づいて、音高指定部34または和音構成音決定部37からの音名情報を選択的に楽音信号発生部40に供給する。すなわち、モード制御操作子14の操作によって通常演奏モードが選択されていれば、選択部38は、音高指定部34からの音名情報を楽音信号発生部40に供給する。また、モード制御操作子14の操作によって簡易和音演奏モードが選択されていれば、選択部38は和音構成音決定部37からの音名情報を選択的に楽音信号発生部40に供給する。
【0027】
楽音信号発生部40は、音源回路41、エンベロープ信号発生回路42および振幅制御回路43からなる。音源回路41は、6列のフレット操作子121,122・・126(すなわち6個の弦部材211,212・・216)にそれぞれ対応した6個の音源チャンネルを備えている。これらの音源チャンネルは、6列のフレット操作子121,122・・126に対応して選択部38を介して供給される音名情報によって表された音高の第1〜第6楽音信号(例えば、ギター音色の楽音信号)をそれそれ形成して振幅制御回路43に出力する。
【0028】
エンベロープ信号発生回路42も、6個の弦部材211,212・・216(すなわち6列のフレット操作子121,122・・126)にそれぞれ対応した6個のエンベロープ信号形成チャンネルを備えている。これらのエンベロープ信号形成チャンネルは、6個の弦部材211,212・・216に対応して弦部材操作検出部33から供給されるキーオン信号およびタッチ検出信号に応じて、第1〜第6楽音信号に対する第1〜第6エンベロープ信号をそれぞれ形成して出力する。具体的には、各エンベロープ信号形成チャンネルは、キーオン信号の到来に応答して立ち上がり、タッチ検出信号に比例したアタックレベルを有するエンベロープ信号を形成して出力する。
【0029】
振幅制御回路43は、各チャンネルごとに、音源回路41から供給される第1〜第6楽音信号の振幅を、エンベロープ信号発生回路42から供給される第1〜第6エンベロープ信号により制御して、アンプ51およびスピーカ52に供給する。なお、本実施形態では、これらの音源回路41、エンベロープ信号発生回路42および振幅制御回路43はハード回路によって構成されているが、楽音信号発生部40をプログラム処理によるソフト音源装置を用いて構成してプログラム処理によって第1〜第6楽音信号を形成するようにしてもよい。
【0030】
次に、上記のように構成した実施形態の動作について説明する。まず、モード制御操作子14の操作により、この弦楽器型電子楽器が通常演奏モードに設定されている場合について説明する。この場合には、演奏者は、発生されるべき第1〜第6楽音の音高を指定するためにフレット操作子121,122・・126を操作する。このフレット操作子121,122・・126の操作はフレットスイッチ群13およびフレット操作検出部31によって検出され、この検出に応じて、音高指定部34がフレット操作子121,122・・126の操作によって指定された音高を表す第1〜第6楽音のための音名情報を選択部38を介して楽音信号発生部40に供給する。
【0031】
そして、演奏者は、6個の弦部材211,212・・216の一つまたは複数を変位操作(發弦操作)する。この弦部材211,212・・216の操作は変位量センサ群22および弦部材操作検出部33によって検出され、弦部材操作検出部33は、各弦部材211,212・・216の操作に応答したキーオン信号と、各弦部材211,212・・216の変位量に応じたタッチ検出信号を楽音信号発生部40に供給する。
【0032】
楽音信号発生部40においては、音源回路41が前記供給された第1〜第6楽音のための音名情報により表された音高を有する第1〜第6楽音信号を形成して出力する。また、エンベロープ信号発生回路42は、前記供給されたキーオン信号に同期して立ち上がり、タッチ検出信号に応じたアタックレベルを有する第1〜第6楽音のためのエンベロープ信号を振幅制御回路42に出力する。ただし、このエンベロープ信号は、6個の弦部材211,212・・216のうちの操作された弦部材に関するもののみが出力される。
【0033】
そして、振幅制御回路43は、音源回路41から供給される第1〜第6楽音信号の振幅を、エンベロープ信号発生回路42から供給される第1〜第6エンベロープ信号により制御して、アンプ51およびスピーカ52に出力する。したがって、この通常演奏モードにおいては、フレット操作子121,122・・126の操作により指定された音高を有する楽音であって、操作された弦部材211,212・・216に対応した楽音のみがスピーカ52から発音される。
【0034】
次に、この弦楽器型電子楽器が簡易和音演奏モードに設定されている場合について説明する。この場合、演奏者は、和音根音および和音タイプを指定するために、例えば図3(A)〜図6(A)に示すように、フレット操作子121,122・・126を操作する。このモードにおいても、フレット操作子121,122・・126の操作はフレットスイッチ群13およびフレット操作検出部31によって検出される。しかし、このモードにおいては、和音根音決定部35および和音タイブ決定部36が、前述した基準に従って和音根音および和音タイプをそれぞれ決定して、同決定した和音根音および和音タイプをそれぞれ表す根音情報およびタイプ情報を和音構成音決定部37に供給する。和音構成音決定部37は、これらの根音情報およびタイプ情報によって指定される和音構成音(例えば、図3(A)〜図6(A)に例示)を表す複数の音名情報を選択部38を介して楽音信号発生部40に出力する。
【0035】
そして、この場合も、演奏者は、発音させようとする第1〜第6楽音に対応した6個の弦部材211,212・・216の一つまたは複数を変位操作(發弦操作)する。この弦部材211,212・・216の操作により、キーオン信号およびタッチ検出信号が楽音信号発生部40に供給される動作は、前述の通常演奏モードの場合と同様である。そして、楽音信号発生部40にて、前記音名情報、キーオン信号およびタッチ検出信号に基づいて楽音信号が発生される点に関しても、前述した通常演奏モードの場合と同様である。したがって、この簡易和音演奏モードにおいては、フレット操作子121,122・・126の操作により指定された和音の構成音に対応した楽音が、弦部材211,212・・216の操作に応じてスピーカ52から発音される。
【0036】
このように動作する本実施形態の簡易和音演奏モードにおいては、フレット操作子121,122・・126の操作により指定された音高の中で、最高音に対応した音高が和音根音として決定される。そして、前記和音根音として決定された最高音に対応したフレット操作子の低音側に隣接した列に属するフレット操作子および/または同最高音に対応したフレット操作子から低音側に2列目に属するフレット操作子の操作の有無により、和音タイプ(メジャ、セブンス、マイナおよびマイナセブンス)が指定される。その結果、演奏者は、例えばCメジャ、Cセブンス、CマイナおよびCマイナセブンスの和音を指定するために、フレット操作子121,122・・126を図3(B)〜図6(B)に示すように操作する代わりに、同フレット操作子121,122・・126を図3(A)〜図6(A)に示すように操作すればよい。したがって、演奏者は、簡単操作により和音構成音に対応した楽音信号を発生させることができ、初心者でも簡単に和音演奏を楽しむことができる。
【0037】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0038】
例えば、上記実施形態においては、操作されたフレット操作子121,122・・126によって指定された複数の音高のうちで最高音を和音根音として決定するようにしたが、同複数の音高のうちで最低音を和音根音として決定するようにしてもよい。また、操作された複数列のフレット操作子121,122・・126のうちで最も高音側(図1の下側)または低音側(図1の上側)の列の操作されたフレット操作子に対応した音高を和音根音としてもよい。また、操作された複数のフレット操作子121,122・・126のうちで、棹部10の軸方向端部に最も近いフレット操作子に対応した音高を和音根音としてもよい。一例を挙げると、各根音C、C#・・Bに対して、第2弦部第1フレット(C)、第2弦部第2フレット(C#)、第2弦部第3フレット(D)、第4弦部第1フレット(D#)、第4弦部第2フレット(E)、第6弦部または第1弦部第1フレット(F)、第6弦部または第1弦部第2フレット(F#)、第6弦部または第1弦部第3フレット(G)、第3弦部第1フレット(G#)、第3弦部第2フレット(A)、第5弦部第1フレット(A#)、および第5弦部第2フレット(B)がそれぞれ対応する。さらには、前記のような位置的要素に代えて、時間的要素を取り入れて、いずれのフレット操作子121,122・・126も操作されていない状態から最先に操作されたフレット操作子に対応した音高を和音根音としてもよい。このように、和音根音の指定においては、操作されたフレット操作子121,122・・126の中から予め定めた基準に従って和音根音を決定する種々の方法を採用できる。
【0039】
また、上記実施形態においては、和音根音を指定したフレット操作子の低音側に隣接した列に属するいずれかのフレット操作子および/または同和音根音を指定したフレット操作子から低音側に2列目に属するいずれかのフレット操作子の操作の有無により、和音タイプを決定するようにした。しかし、この和音タイプの決定においても、和音根音を指定したフレット操作子以外のフレット操作子の種々の操作状態を採用できる。
【0040】
例えば、和音根音を最低音とした場合には、同和音根音を指定したフレット操作子の高音側に隣接した列に属するいずれかのフレット操作子および/または同和音根音を指定したフレット操作子から高音側に2列目に属するいずれかのフレット操作子の操作の有無により、和音タイプを決定するようにするとよい。また、和音根音に対応したフレット操作子から少し離れた列に属するフレット操作子(例えば、2列目および/または3列目に属するフレット操作子)の操作の有無に応じて和音タイプを決定するようにしてもよい。さらに、和音根音を最高音とすれば、同最高音に対応したフレット操作子と同一列に属する低音側の異なるフレット操作子の操作の有無に応じて和音根音を決定し、また和音根音を最低音とすれば、同最低音に対応したフレット操作子と同一列に属する高音側の異なるフレット操作子の操作の有無に応じて和音根音を決定するようにしてもよい。また、和音根音が操作されたフレット操作子のうちで棹部10の軸方向の端部に最も近いフレット操作子によって指定される場合には、同フレット操作子に対して棹部10の軸方向の一方の側に属するとともに、操作されたフレット操作子の、前記和音根音を指定したフレット操作子に対する相対位置に応じて和音タイプを決定するようにしてもよい。
【0041】
また、前記のように和音根音に対応したフレット操作子との位置関係ではなく、和音根音に対応したフレット操作子以外の操作されたフレット操作子の数に応じて和音タイプを決定するようにしてもよい。例えば、和音根音のために操作されたフレット操作子以外の操作されたフレット操作子の数が「0」であればメジャ、同操作されたフレット操作子の数が「1」であればセブンス、同操作されたフレット操作子の数が「2」であればマイナ、同操作されたフレット操作子の数が「3」以上であればマイナセブンスなどとすればよい。さらに、和音根音に対応したフレット操作子と同一フレット位置または同一列の操作されたフレット操作子の数によって和音タイプを決定するようにしてもよい。
【0042】
前記のように、和音根音が棹部10の最端部側の操作されたフレット操作子によって指定される場合には、同フレット操作子に対して棹部10の軸方向の一方の側に属するとともに操作されたフレット操作子の操作数に応じて和音タイプを決定するようにしてもよい。また、いずれのフレット操作子121,122・・126も操作されていない状態から最先に操作されたフレット操作子に対応した音高を和音根音とした場合には、2番目以降に操作されたフレット操作子の位置または数によって和音根音を決定するようにしてもよい。このように、和音タイプの指定においても、操作されたフレット操作子121,122・・126の中から予め定めた基準に従って和音タイプを指定する種々の方法を採用できる。
【0043】
また、上記実施形態においては、簡易演奏態様によって指定される和音タイプとして、メジャ、マイナ、セブンスおよびマイナセブンスの4種類を採用したが、他のタイプの和音を採用することもできる。また、4種類よりも多くのタイプの和音を採用することもできる。
【0044】
さらに、上記実施形態においては、6弦ギターに対応させて、6列のフレット操作子121,122・・126および6個の弦部材211,212・・216を設けるようにしたが、12弦ギターならば「12」、ベースギターならば「4」のように、フレット操作子の列数および弦部材の数は「6」以外の数であってもよい。また、弦楽器型電子楽器の本体部の形状をギター形状に似せて構成したが、同本体部をバイオリン、チェロ、ビオラダガンバなどの他の弦楽器形状に似せて構成してもよい。この場合には、後述の弓部材のボーイング操作の検出信号を、キーオン信号のためのトリガ信号とすればよい。
【0045】
また、音高指定操作子に関しても、上記フレット操作子121,122・・126以外の操作子、例えば、単にマトリクス状に配置した操作子、操作位置の検出可能な連続的に配置された棒状、ひも状などの連続操作子、その他の形態で配置した操作子を採用してもよい。また、発音指示部材に関しても、弦部材211,212・・216に代えて、例えば演奏者の手動操作により振動する弦、バイオリンのように弓によって振動する弦などの他の部材を採用することもできる。なお、このような弦の振動を利用する場合には、同弦の振動をピックアップして楽音信号の発生制御に用いるようにするとよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る弦楽器型電子楽器の本体部の上面外観図である。
【図2】図1の弦楽器型電子楽器の電気回路装置を示すブロック図である。
【図3】(A)は前記実施形態の簡易和音演奏モードにおけるCメジャ和音のためのフレット操作子の操作状態を示す運指図、(B)は通常演奏モードにCメジャ和音のためのフレット操作子の操作状態を示す運指図である。
【図4】(A)は前記実施形態の簡易和音演奏モードにおけるCセブンス和音のためのフレット操作子の操作状態を示す運指図、(B)は通常演奏モードにCセブンス和音のためのフレット操作子の操作状態を示す運指図である。
【図5】(A)は前記実施形態の簡易和音演奏モードにおけるCマイナ和音のためのフレット操作子の操作状態を示す運指図、(B)は通常演奏モードにCマイナ和音のためのフレット操作子の操作状態を示す運指図である。
【図6】(A)は前記実施形態の簡易和音演奏モードにおけるCマイナセブンス和音のためのフレット操作子の操作状態を示す運指図、(B)は通常演奏モードにCマイナセブンス和音のためのフレット操作子の操作状態を示す運指図である。
【符号の説明】
10…棹部、11…フレット、121,122・・126…フレット操作子、13…フレットスイッチ群、20…胴部、211,212・・216…弦部材、22…変位量センサ群、31…フレット操作検出部、33…弦部材操作検出部、35…和音根音決定部、36…和音タイプ決定部、37…和音構成音決定部、40…楽音信号発生部。
Claims (1)
- 弦楽器における複数のフレットおよび複数の弦に対応させて設けられ、発生される楽音の音高を指定するための複数の音高指定部材と、
弦楽器における複数の弦に対応させて設けられ、楽音の発生を指示するための複数の発音指示部材と、
前記複数の音高指定部材の操作および前記複数の発音指示部材の操作に基づいて、前記操作された音高指定部材に対応した音高を有する楽音信号を前記発音指示部材の操作時に発生する楽音信号発生手段とを備えた弦楽器型電子楽器において、
操作された複数の音高指定部材の中から所定の基準に従って一つの音高指定部材を選択するとともに、同選択した一つの音高指定部材に対応した音高を和音根音として決定する和音根音決定手段と、
操作された複数の音高指定部材のうちで前記選択された一つの音高指定部材以外の他の音高指定部材の操作状態に応じて和音タイプを決定する和音タイプ決定手段と、
前記決定された和音根音および和音タイプに応じて前記楽音信号発生手段を制御し、同決定された和音根音および和音タイプによって指定される和音構成音に対応した楽音信号を発生させる和音信号発生制御手段とを設けたことを特徴とする弦楽器型電子楽器。
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-
2002
- 2002-09-25 JP JP2002278500A patent/JP2004117621A/ja active Pending
Cited By (3)
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GB2430302A (en) * | 2005-09-19 | 2007-03-21 | Michael Stewart Rainbow | Musical instrument with chord selection system |
GB2430302B (en) * | 2005-09-19 | 2010-11-03 | Michael Stewart Rainbow | Musical instrument |
WO2015055895A1 (en) * | 2013-10-17 | 2015-04-23 | Berggram Development Oy | Selective pitch emulator for electrical stringed instruments |
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