JP2004117615A - 液晶注入装置及び液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶注入装置及び液晶表示素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表示性能の低下を防止することの出来る液晶注入装置を提供する。
【解決手段】液晶注入装置は、空セルの内部に注入口から液晶を注入して液晶表示素子を作成するものであって、外部から遮断された空間を形成し、その中に空セル及び液晶が投入されるチャンバ100と、チャンバ100内で空セルに液晶を注入する注入手段とを備えており、該空間に混入した有機物又は無機物からなる不純物を吸着するゲッター200〜206がチャンバ100内に配されている。注入手段は、チャンバ100内を真空引きして空セルの内部を排気する手段と、排気された空セルの注入口を液晶に浸漬する手段と、チャンバ100内を大気圧に戻して注入口から液晶を空セルに圧入する手段とを備え、ゲッター200〜206は、真空引きした際チャンバ100内でガス化した不純物を吸着する。
【選択図】   図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子の製造方法であって、特にその一工程で用いられる液晶注入装置の技術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、薄型軽量、低消費電力という大きな利点をもつ液晶表示素子は、日本語ワードプロセッサやデスクトップパーソナルコンピュータなどのパーソナルOA機器の表示装置として積極的に用いられている。液晶表示素子(以下LCDともいう)のほとんどは、捩れネマティック液晶を用いており、表示方式としては、この中でも旋光モードと複屈折モードとの2つの方式に大別できる。旋光モードのLCDは、例えば90度捩れた分子配列を持つツイステッドネマティック(TN型)液晶であり、原理的に白黒表示で、高いコントラスト比と良好な階調表示性を示す。また、応答速度が速い(数十ミリ秒)ことから、時計や電卓には単純マトリクス駆動が採用され、ディスプレイ用途にはスイッチング素子を各画素毎に具備したアクティブマトリクス駆動が採用されている。アクティブマトリクス駆動方式は、カラーフィルターと組み合わせてフルカラー表示の液晶テレビ(TFT(Thin Film Transistor)−LCD)に応用されている。TFT(Thin Film Transistor)に代えてMIM(Metal Insulator Metal)を用いる場合も有る。一方、複屈折モードの表示方式のLCDは、一般に90度以上捩れた分子配列をもつスーパーツイスト(ST)形液晶で、急峻な電気光学特性をもつため、各画素ごとにスイッチング素子(薄膜トランジスタやダイオード)がなくても単純なマトリクス状の電極構造で時分割駆動により容易に大容量表示が得られる。
【0003】
【非特許文献1】
白倉小百合,山崎克巳,大西博之,大塚哲郎,「液晶中でのイオンの挙動」,第19回液晶討論会2B01予稿集,p.150−151
【非特許文献2】
上埜亜希子,近藤進,庄司雅人,渡辺良一,庄原潔,「配向膜汚染による液晶セルのしきい値異常現象」,第20回液晶討論会1G507予稿集,p.70−71
【0004】
これらの液晶表示素子の表示を均一に行うためには基板表面に液晶分子を均一に配向させることが必要である。配向膜が形成された2枚の電極付きの基板は液晶を間にして対向しており、実際に画像が表示される画素表示領域の周囲に位置するシール領域に沿って、シール材により貼り合わされる。これらの工程により空セルが製造される、その後この空セル内に液晶が封入されて、液晶セルが製造される。なお、前述した液晶は数種類の単体液晶材料からなり、液晶組成物ともよばれる。製造された液晶セルに偏光板が取り付けられて液晶表示素子が製造される。
【0005】
従来、このような空セルに液晶を注入する工程には真空注入法が用いられている。真空注入法では、真空チャンバ内に空セルを配置して真空脱気した後に、液晶を空セルにあらかじめ設けた注入口に供給滴下する。すると、シール材や空セルに含まれるスペーサと称されるギャップ材により所定のギャップを有する基板間に、平面的に見てシール材の一部が欠落してなる注入口を介して液晶が注入される。このように液晶注入が終わると、液晶注入口から液晶が漏れないように封止材により液晶注入口が封止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した液晶の製造中や保存中には、外部から液晶組成物以外の無機物や有機物等の不純物が溶解する場合がある。その結果特性の劣化という問題点が生じていた。特に、有機物は液晶の物性を著しく変えるもの、もしくは液晶表示素子として表示した場合に、画素欠陥の原因となったり、信頼性に異常をきたすものもあった(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。注入工程で真空脱気する際には、液晶の中の不純物(例えばナトリウム、カリウムなどの無機物や有機酸等の有機イオン性物質)や、液晶組成物(特に蒸気圧の低いもの)や、液晶セルを構成する各材料中の不純物の一部が真空チャンバ内や空セルの液晶注入口に付着する場合がある。これらは、前述したような画質異常の原因となっていた。前記問題に対処するために、注入後は真空チャンバ内をアセトンやエタノールなどの有機溶剤で洗浄を行うが、この洗浄が十分でない時は、次のバッチにおいて画質異常が発生する。また、洗浄する有機溶剤の残留により、更なる画質異常の原因となる場合もある。
【0007】
本発明の目的は、前述した問題点を解決するものであって、表示性能の低下を防止することの出来る液晶表示素子の製造方法及びその一工程で用いられる液晶注入装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために以下の手段を講じた。即ち本発明は、所定の間隙を介して互いに接合した一対の基板からなる空セルの内部に注入口から液晶を注入して液晶表示素子を作成する液晶注入装置であって、外部から遮断された空間を形成し、その中に空セル及び液晶が投入されるチャンバと、該チャンバ内で空セルに液晶を注入する注入手段とを備えており、該空間に混入した有機物又は無機物からなる不純物を吸着するゲッターが該チャンバ内に配されていることを特徴とする。好ましくは、前記注入手段は、該チャンバ内を真空引きして空セルの内部を排気する手段と、排気された空セルの注入口を液晶に浸漬する手段と、該チャンバ内を大気圧に戻して該注入口から液晶を空セルに圧入する手段とを備え、前記ゲッターは、真空引きした際該チャンバ内でガス化した不純物を吸着する。また、空セルに注入する前の液晶からあらかじめ空気を取り除く為に脱泡処理を行なう追加のチャンバを備えており、前記ゲッターは、該追加のチャンバにも配されており、脱泡処理の際に液晶からガス化した不純物を吸着する。好ましくは、前記ゲッターは活性炭を含有する。或いは、前記ゲッターはシリカゲルを含有する。
【0009】
又本発明は、液晶表示素子の製造方法を包含している。即ち本発明に係る液晶表示素子の製造方法は、シール材により一対の基板を接合し、あらかじめ注入口を備えた空セルを作成する接合工程と、該空セルの内部に注入口から液晶を注入して液晶表示素子を作成する注入工程とを含み、前記注入工程は、外部から遮断された空間を形成するチャンバに空セル及び液晶を投入する工程と、該チャンバ内で空セルに液晶を注入する工程とからなり、該空間に混入した有機物又は無機物からなる不純物を吸着するゲッターを該チャンバ内に配することを特徴とする。
【0010】
本発明の液晶注入装置は、真空チャンバ内に不純物を付着するゲッターを設置してある。空セル及び液晶を真空チャンバ内にセットし、真空脱気している際に、液晶内の不純物や装置洗浄時に残留していた有機溶剤が、ゲッターに特異的に付着される。このゲッターには特に有機防毒マスクの吸収缶などに用いられる活性炭などが好ましい。ゲッターの設置場所も発明者らの研究によれば、空セルに供給される液晶材料の近辺が効果的である。また、注入工程の前に、液晶保管中に混入した不純物を除去するために液晶の脱泡作業を行うが、その不純物も真空チャンバ表面には付着せず、ゲッターに付着される。このことから、チャンバ内には不純物がほとんど付着しないことになる。また、従来は、空セルに液晶を注入した後に、液晶注入装置の洗浄を行う。この洗浄の目的は、前述した脱泡作業や注入作業の際に揮発した成分の除去である。本発明の構成を使うことにより、洗浄を不要にできる。ただし、液晶をこぼしたりした場合は、洗浄が必要になるが、この際は、有機溶剤を布に含ませ、チャンバー内を清拭する。また、液晶注入工程を終了して注入装置を立ち下げる際は、更に液晶が入っていた容器も洗浄する。その後、真空チャンバー内にゲッターを数点設置し、再度真空脱気を行うことにより、次回のバッチには不純物の混入が圧倒的に少なくなる。この様な構成を採用することにより、不純物混入に対して画質異常の原因となるような影響を及ぼすことなく、良好な表示を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。先ず、本実施形態の液晶注入方法を用いる液晶表示素子の製造プロセスにより製造される液晶表示素子の一例について図1及び図2を用いて説明する。ここではTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶表示素子を例にとり、説明を加える。図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに対向基板の側から見た平面図であり、図2は図1のH−H’の断面図である。図1及び図2において、液晶表示素子は、一対の基板であるTFTアレイ基板1と対向基板2の間に液晶層7が挟持されてなり、TFTアレイ基板1と対向基板2とは、画像表示領域Aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材8により相互に固着されている。シール材8は、両基板を貼り合せるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂からなり、後述の製造プロセスにおいてTFTアレイ基板1上に塗布された後、紫外線硬化,加熱等により硬化されたれたものである。また、シール材8中には、本液晶表示素子がプロジェクタ用途のように小型で拡大表示を行う液晶表示素子であれば、両基板間の距離(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバあるいはガラスビーズが含まれていてもよい。あるいは、本液晶表示素子が液晶ディスプレイや液晶テレビのような大型で等倍表示を行う液晶表示素子であれば、このようなギャップ材は液晶層に含まれていてもよい。
【0012】
図1において、シール材8が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域Aの周辺を規定する周辺見切りと称される遮光膜9が対向基板側に設けられている。図1においてシール材8が配置されたシール領域の外側の周辺領域には、データ線駆動回路12及び実装端子15がTFTアレイ基板1の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路13が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。更にTFTアレイ基板1の残る一辺には、画素表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路13間をつなぐための複数の配線11が設けられている。また、対向基板2のコーナー部の少なくとも一箇所において、TFTアレイ基板1と対向基板2の間で電気的導通をとるための上下導通材14が設けられている。データ線駆動回路12及び走査線駆動回路13は、各画素に設けられた画素電極Dに対し、TFTアレイ基板1にマトリクス状に形成された画素スイッチング用TFT6及びデータ線Yと走査線Xを介して、信号を選択的に供給する。データ線Y及び走査線Xは、それぞれTFT6のソース電極及びゲート電極に電気的接続されている。データ線駆動回路12には、図示しない制御回路から表示可能な形式に変換された画像信号が入力されている。走査線駆動回路13がパルス的に走査線Xに順次走査信号(ゲート電圧)を送るのに合わせて、データ線駆動回路12は画像信号(ソース電圧)をデータ線Yに送る。
【0013】
図2において、TFTアレイ基板1上には、画素スイッチング用TFTや走査線、データ線、容量等の配線が形成された層6Aの最上層部分に、ポリイミド系(PI)材料からなる配向膜4が形成されている。他方、対向基板2上には、対向電極の他、各画素ごとに非開口領域を規定するブラックマトリクスと称される遮光膜5やポリイミド系材料からなる配向膜3が形成されている。これら一対の配向膜3及び4は焼成した後、液晶層7中の液晶を所定方向に配向させると共に液晶に所定のプレチルト角を付与するように配向処理がなされている。尚、遮光膜5は、表示画像におけるコントラストの向上、色材の混色防止などの機能を有しており、前述の走査線やデータ線にそって、各画素の境界に発生しやすい、リバースチルトドメイン等の配向不良領域を隠す機能をも有する。このような遮光膜5を対向基板2の側ではなく、TFTアレイ基板1上に形成してもよい。
【0014】
また、液晶層7は、例えば1種または数種のネマティック液晶を混合した液晶からなり、一対の配向膜3及び4の間で、所定の配向状態を取る。液晶層7は、図1に示したように液晶注入口の部分が欠落したシール材8及びこの液晶注入口を後述する液晶注入工程の後に封止する封止材10により液晶が基板間で封入されてなる。なお、本発明は、TFTアクティブマトリクス方式の表示素子だけでなく、TFDアクティブマトリクス方式、パッシブマトリクス駆動方式、旋光モード、複屈折モードなど、いずれの方式の液晶表示素子にも適用可能である。更に、駆動回路内蔵型の液晶装置のみならず、駆動回路を外付けする形の液晶表示素子や対角1インチから15インチ程度あるいはそれ以上のさまざまなサイズの液晶表示素子に、本発明を適用可能である。
【0015】
以下、本実施形態における液晶注入装置を用いて行われる液晶表示素子の製造プロセスについて図3から図6を参照して説明する。ここで図3は製造プロセスを順を追って示す工程図であり、図4はこの製造プロセスのうち液晶注入工程に用いられる液晶注入装置の概略図であり、図5は図4の要部を示す模式図である。
【0016】
図3に示すように、図1及び図2に示した液晶表示素子の製造プロセスは、TFTアレイ基板1側におけるプロセスと、対向基板2側におけるプロセスと、両基板貼り合せ後のプロセスに分かれる。図3において、一方のTFTアレイ基板1側のプロセスとしては、石英などの基板上に画素電極、TFT素子6、走査線、データ線等の配線が形成された基板に付着した汚れを除去するために洗浄を行う(ステップS1)。次に、配向膜4の形成を行う(ステップS2)。具体的にはポリイミド材料(PI)を基板上にスピンコート、印刷、インクジェットなどの方法で形成した後に、焼成処理を行う。次に形成された配向膜4に対する配向処理を、一定方向に擦るラビング方法により実施する(ステップS3)。この際、上述のポリイミド系材料の選択及びこのラビング処理におけるラビング条件により、液晶を所定方向に配向させること及び液晶に所定のプレチルト角を付与することが可能となる。次にシール領域に対して、ギャップ材を含むシール材8を印刷し(ステップS4)、更に上下導通材14をシール材の四隅に塗布する(ステップS5)。
【0017】
図3において、他方の対向基板2側のプロセスとしては、ガラス基板上に対向電極や配線などが形成された対向基板に付着した汚れを除去するために洗浄を行う(ステップS6)。次に、配向膜3の形成を行う(ステップS7)。具体的にはポリイミド材料(PI)を基板上にスピンコート、印刷、インクジェットなどの方法で形成した後に、焼成処理を行う。次に形成された配向膜3に対する配向処理を、一定方向に擦るラビング方法により実施する(ステップS8)。この際、上述のポリイミド系材料の選択及びこのラビング処理におけるラビング条件により、液晶を所定方向に配向させること及び液晶に所定のプレチルト角を付与することが可能となる。
【0018】
図3において、ステップS1からS5を経たTFTアレイ基板1とステップS6からS8を経た対向基板2とをシール材8により貼り合せ(ステップS9)、アライメントした後(ステップS10)、基板間ギャップを所望の液晶セルギャップになるまで外から加圧する(ステップS11)。シール材に含まれるギャップ材により所望の基板間ギャップが得られる。次にシール材8に対して、紫外線照射または加熱、もしくは両方により、シール材8を硬化させる(ステップS12)。
【0019】
次に本発明の液晶注入装置を用いた液晶注入工程が行われる(ステップS13)。即ち、空セルの内部に注入口から液晶を注入して液晶表示素子を作成する。この注入工程は、外部から遮断された空間を形成するチャンバに空セル及び液晶を投入する工程と、チャンバ内で空セルに液晶を注入する工程とからなり、該空間に混入した有機物又は無機物からなる不純物を吸着するゲッターを該チャンバ内に配することを特徴とする。
【0020】
この後、封止材10により液晶注入口を封止し(ステップS14)、再び洗浄を行う(ステップS15)。更に、所定の表示むらや特性の検査を行った後(ステップS16)、外部配線の接続や偏光板の貼り付けなどの実装処理が行われ(ステップS17)、液晶表示素子が完成する。
【0021】
以上説明した実施形態における液晶セルでは、対向基板2の外面及びTFTアレイ基板1の外面には各々、例えばTN(ツイスティッドネマティック)モード、STN(スーパーツイスティッドネマティック)モードなどの動作モードやノーマリホワイト、ノーマリブラックモード別に応じて偏光板や位相差板が所定の方向で配置される。
【0022】
ここで、図4は本発明の液晶注入装置の概略を示すブロック図である。複数のTFTアレイ基板を含む複数の空セル0に対して、同時に液晶注入するように構成されている。このため液晶注入工程におけるスループットを高めることができる。100,101は真空チャンバで、100が液晶注入装置内の真空チャンバ、101が脱泡室の真空チャンバである。0は液晶セル、103は液晶セルを設置するためのカセット、102は液晶を設置した注入ボート、104はポンプである。
【0023】
図5は図4に示した液晶注入装置の具体的な構成例を示す模式図であって、(A)は全体構造を表わし、(B)は拡大された要部を表わしている。(A)に示す液晶注入装置は液晶7を多数個のせル0に対して同時に注入可能なバッチ処理方式を採用している。多数の空のせル0はカセット(図示せず)に収納して、真空チャンバ100に投入される。一方液晶7はボート102に設けられた溝に供給されて直線状に盛り上っている。この状態で真空チャンバ100内に投入される。カセットに格納されたせル0はボート102に対して上下移動可能に搭載されている。せル0を下降させるとその注入口が液晶7に接触する様に位置決め配置されている。真空チャンバ100には接続管108が取り付けられており、真空ポンプ(図示せず)と接続して真空排気できる様になっている。真空チャンバ100はリークバルブ107も備えており、真空排気した後内部を大気圧に戻す為に用いられる。
【0024】
(B)に示す様に、ボート102の表面には溝109が形成されており、表面張力により液晶7を溝109に沿って直線状に盛り上げている。溝109の内部には液晶7の盛り上り量を増大させる為の付加手段が設けられている。図示の例では、この付加手段は溝109の底部に沿って設けられた凸条105からなる。この様にして盛り上った液晶7に対して個々のせル0の注入口18が確実に接触する様になっている。
【0025】
引き続き図5を参照して本発明にかかる液晶注入装置の使用方法を説明する。先ず最初に真空チャンバ100内に空のせル0と液晶7を蓄えたボート102をセットする。次に、真空ポンプ(図示せず)を作動させて接続管108を介し真空チャンバ100内を1×10−2〜1×10−4Torr程度の真空に排気する。次に、せル0を下降させ注入口18を液晶7に接触させる。この時、前述した様にボート102の溝109に凸条105が設けられているので液晶7はその表面張力による通常の盛り上り量に加えてさらに凸条105により押し上げられている。この様にして、十分な液晶7の盛り上り量が確保できるのでせル0の注入口18と液晶7との接触が包括的なものとなり完全に液晶7によって浸される。最後に、リークバルブ107を開いて真空チャンバ100内に大気を導入し内部圧力を上げて液晶7をせル0内に圧入する。
【0026】
図6は、本発明に係る液晶注入装置におけるゲッターの配置例を示す模式図である。200〜205及び300〜303は、ゲッター設置用エリアの一例を示している。設置用エリアに所望の混合材料が入ったゲッターを入れる。本実施例では、活性炭とシリカゲルの2種類を用いた。
【0027】
このようにしてゲッターが配された液晶注入装置を用いて液晶を注入する。前述した様に先ず減圧された液晶注入装置内の真空チャンバ内101において注入する液晶の脱泡作業を実施した。液晶の脱泡作業の目的は、保管中に液晶材料中に混入する不純物を除去するためである。具体的にはメルク社製のMJ98230(商品名)を三角フラスコに入れ、脱泡室と呼ばれる真空チャンバ101に入れた。この時三角フラスコに攪拌子を入れ、脱泡室の下にマグネットスターラーを置き、脱泡しながら攪拌できるようにしてもよい。脱泡室には50ml瓶の中に活性炭80%、シリカゲル20%を積層したもの(以下ゲッターとよぶ)を300〜303の各4箇所に設置した。攪拌しながら真空状態になってから30分間脱泡を実施した後、大気圧に戻して、液晶の入った三角フラスコを取り出した。その後、マイクロピペットを用いて、注入ボート102に入れ、注入ボート102を液晶注入装置内に設置した。続けて、空セルを入れたカセット103を注入口を注入ボート102側に向けて液晶注入装置に投入した。液晶注入装置には、50ml瓶の中に活性炭80%、シリカゲル20%を積層したゲッターを200、201の2箇所に設置した。液晶注入装置内でも減圧中に液晶の脱泡作業が行われるため、ゲッターとする活性炭80%、シリカゲル20%を入れた容器を注入ボート102から5センチ離れた場所に注入ボート102を挟むように2つ設置してある。なお、ゲッターの設置方法は、簡易的に場所を変えられたり、使い捨てできるようなガラス製やフッ素樹脂製の容器に入れてもかまわないし、設置場所を完全に固定し、装置と完全一体化させてもかまわない。
【0028】
これらの構成の液晶注入装置で注入工程を実施した後、注入後の液晶セルを取り出した。その後、液晶装置内の洗浄を行った。この際、活性炭20%、シリカゲル80%を積層したゲッターを装置内200〜205の各6箇所に設置した。ワイパーにアセトンを含ませ、装置の拭き取り作業を3回実施した。洗浄作業は有機溶剤が残留しやすく、次回に注入する液晶セルに混入する可能性が大きいため、ゲッターはなるべく多く設置した方がよい。
【0029】
こうして作成した液晶セルの評価を行った。評価項目は画像信号の保持特性と画質である。保持特性は、ゲッターがなかった場合1フレーム後の信号電圧のレベルは95%に低下したのが、本発明の注入装置を適用した場合、99%と良好な結果になった。また画質に関しても、ムラのない良好な表示が得られた。これは、ゲッターの使用により、液晶パネルに対する不純物の混入を効果的に防止できたことを意味している。仮に不純物が混入すると、リーク電流が増大し保持率の低下となって現れるとともに、液晶の劣化によって表示ムラが生じる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、液晶注入工程における液晶注入装置の真空チャンバ内に不純物を付着するゲッターを設置してある。空セル及び液晶を真空チャンバ内にセットし、真空脱気している際に、液晶内の不純物や装置洗浄時に残留していた有機溶剤が、ゲッターに特異的に付着される。また、注入工程の前に、液晶保管中に混入した不純物を除去するために液晶の脱泡作業を行うが、その不純物も真空チャンバ表面には付着せず、ゲッターに付着される。このことから、チャンバ内には不純物がほとんど付着しないことになる。また、従来は、空セルに液晶を注入した後に液晶注入装置の洗浄を行うが、本発明の構成を使うことにより、洗浄を不要にできる。ただ液晶をこぼしたりした場合は、洗浄が必要になるが、この際は有機溶剤を布に含ませ、チャンバ内を清拭する。装置立ち下げの際は、更に液晶が入っていた容器も洗浄する。その後、真空チャンバ内にゲッターを数点設置し、再度真空脱気を行うことにより、次回のバッチには不純物の混入が圧倒的に少なくなる。この様な構成を採用することにより、不純物混入に対して画質異常の原因となるような影響を及ぼすことなく、良好な表示を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造される液晶表示素子の全体平面図である。
【図2】図1のH−H’断面図である。
【図3】実施形態の製造プロセスにおける各工程を示す工程図である。
【図4】本発明の液晶注入工程に用いられる液晶注入装置の概略図である。
【図5】本発明の液晶注入工程に用いられる液晶注入装置の具体図である。
【図6】本発明の液晶注入工程に用いられる液晶注入装置の立体図である。
【符号の説明】
0:液晶セル、1:TFTアレイ基板、2:対向基板、3・4:配向膜、5:遮光膜、6:TFT、7:液晶、8:シール材、10:封止材、12:データ線駆動回路、13:走査線駆動回路、14:上下導通材、15:実装端子、100・101:液晶注入装置の真空チャンバ、102:注入ボート、103:カセット、200・201・202・203・204・205・300・301・302・303:ゲッター設置箇所

Claims (6)

  1. 所定の間隙を介して互いに接合した一対の基板からなる空セルの内部に注入口から液晶を注入して液晶表示素子を作成する液晶注入装置であって、
    外部から遮断された空間を形成し、その中に空セル及び液晶が投入されるチャンバと、
    該チャンバ内で空セルに液晶を注入する注入手段とを備えており、
    該空間に混入した有機物又は無機物からなる不純物を吸着するゲッターが該チャンバ内に配されていることを特徴とする液晶注入装置。
  2. 前記注入手段は、該チャンバ内を真空引きして空セルの内部を排気する手段と、排気された空セルの注入口を液晶に浸漬する手段と、該チャンバ内を大気圧に戻して該注入口から液晶を空セルに圧入する手段とを備え、
    前記ゲッターは、真空引きした際該チャンバ内でガス化した不純物を吸着することを特徴とする請求項1記載の液晶注入装置。
  3. 空セルに注入する前の液晶からあらかじめ空気を取り除く為に脱泡処理を行なう追加のチャンバを備えており、
    前記ゲッターは、該追加のチャンバにも配されており、脱泡処理の際に液晶からガス化した不純物を吸着することを特徴とする請求項1記載の液晶注入装置。
  4. 前記ゲッターは活性炭を含有することを特徴とする請求項1記載の液晶注入装置。
  5. 前記ゲッターはシリカゲルを含有することを特徴とする請求項1記載の液晶注入装置。
  6. シール材により一対の基板を接合し、あらかじめ注入口を備えた空セルを作成する接合工程と、該空セルの内部に注入口から液晶を注入して液晶表示素子を作成する注入工程とを含み、
    前記注入工程は、外部から遮断された空間を形成するチャンバに空セル及び液晶を投入する工程と、
    該チャンバ内で空セルに液晶を注入する工程とからなり、
    該空間に混入した有機物又は無機物からなる不純物を吸着するゲッターを該チャンバ内に配することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
JP2002278375A 2002-09-25 2002-09-25 液晶注入装置及び液晶表示素子の製造方法 Pending JP2004117615A (ja)

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