JP2004117201A - イオン性高分子同定用高分子チップを用いた結合定数および解離定数算出方法 - Google Patents
イオン性高分子同定用高分子チップを用いた結合定数および解離定数算出方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】4種類以上の複数のイオン性高分子を固定したイオン性高分子同定チップを利用して、固定化されたイオン性高分子と吸着させるイオン性高分子の間の相対的な結合強度の違いを、数値化する。一方、3種以上の固定したイオン性高分子と吸着させるイオン性高分子との間の結合定数・解離定数を、表面プラズモン測定装置などで計測する。チップで計測した相対的な結合強度と測定装置で計測した結合定数・解離定数の間には相関関係があるため、標準曲線を作製する事ができる。この標準曲線を利用して、イオン性高分子チップで計測した相対的な結合強度から、おおまかな結合定数・解離定数を予測する事ができる。
【選択図】 図8
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン性高分子物質間の結合定数および解離定数の算出方法、および該結合定数および解離定数算出方法を用いたイオン性高分子の機能性探索方法および同定方法に関する。特に、タンパク質のDNA結合性を算出し、該タンパク質の機能性探索方法および該タンパク質の同定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
DNAやタンパク質の機能性を探索したり、DNAやタンパク質を同定することにより、医薬開発や医療検査のツールとすることが期待されている。特にDNA結合タンパク質は遺伝子機能の発現を制御・調節する重要な物質の一つとして、そのDNA結合性の解明が重要視されている。
【0003】
DNAは4種類の塩基配列からなる高分子であり、DNA同士がその配列によって特異的な結合を行うが、核酸はどちらも同じマイナスチャージをもっているため、イオン性の高い溶媒でハイブリダイゼーションを行っていた。これを利用し、従来のバイオチップはプローブのDNAを担体に固定して、サンプルのDNAを検出していた。
【0004】
しかしながら、例えば、DNA結合タンパク質を同定する場合は、従来のバイオチップでは同定できない。つまり、サンプルとしてのタンパク質は、バイオチップ上のプローブDNAに対して相補的なDNA部分によって特異的に吸着する場合と、本来DNAから見れば吸着すべきではないにもかかわらず非特異的に吸着する場合がある。特異的な吸着と非特異的な吸着の両者が見かけ上プローブDNAに吸着するため、サンプルタンパク質の同定を行うことを事実上不可能にしていた。
そこで、多数あるタンパク質等のイオン性高分子に特異的に結合するチップの開発と、これを利用したイオン性高分子を的確に同定する手法の開発が望まれていた。
【0005】
一方、生物内のイオン性高分子間相互作用を調査することにより、新規医薬品の開発や医療検査への応用が期待されている。特に、イオン性高分子間の相互作用を示す重要な指標の一つとして、結合定数(KA)および解離定数(KD)は着目されている。なお、以下の数式で示されるように、結合定数(KA)および解離定数(KD)は互いに逆数の関係にある。
【0006】
【数1】
KA=1/KD
【0007】
従来、イオン性高分子間の結合定数および解離定数を算出するには、表面プラズモン共鳴測定装置などのイオン性高分子間結合強度測定装置を用いて物質の吸着をモニタリングし、その結果得た結合曲線や解離曲線に基づき結合定数や解離定数を算出していた。(例えば、特許文献1参照)
表面プラズモン共鳴測定装置の具体例は、リガンドをセンサー表面に固定化し、これに作用する物質を含む試料をマイクロ流路系を介して添加して、センサー表面で起こる分子の結合、解離により生ずる微量な質量変化を、表面プラズモン共鳴シグナルの変化としてリアルタイムにモニターするものである。この手法は、生体分子の相互作用、構造と機能の相関関係の研究に有効である。表面プラズモン共鳴は基礎研究からタンパク質工学、新規医薬品のスクリーニング等の幅広い分野で用いられており、AIDSやガンの発病メカニズム、免疫応答、シグナル伝達、レセプターとリガンドの結合様式、遺伝子発現の調節機構等様々なテーマの研究で利用されている。
【特許文献1】
特表平7−507865号公報
【非特許文献1】
Chong L et al. A human telomeric protein. Science 1995 Dec 8; 270(5242): 1663−7
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、DNA結合タンパク質と多数の二重鎖DNAとの解離定数を求めるためには、測定したい二重鎖DNAサンプルごとに特殊なセンサーチップを作製する必要があった。通常、センサーチップを作製するためには前処理を含めて4時間から6時間かかる。そのため、多数の二重鎖DNAサンプルにおける解離定数の算出を短時間で行うことは事実上不可能であった。
【0008】
逆に、イオン性高分子同定チップを用いる方法では、二重鎖DNAとDNA結合タンパク質の間における結合の有無や相対的な結合強度を多種類・同時に求めることはできたが、絶対的な値である結合定数および解離定数を算出することは不可能であった。
そこで、多種類のイオン性高分子の二重鎖DNAにおける結合定数および解離定数の算出を迅速・簡便に行うことのできる手法の開発が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定のイオン性高分子同定チップを利用することにより、従来長時間かかっていた多種類の二重鎖DNAサンプルの結合定数および解離定数のおおまかな値の算出を、より短時間に行う事ができる事を見出し本発明に到達した。
【0010】
即ち、第1の本発明は、担体に固定された第1のイオン性高分子に第2のイオン性高分子を相補的に結合させてプローブとしたイオン性高分子同定用高分子チップを用意する第1の工程、サンプルとなる第3のイオン性高分子を前記プローブに特異的に結合させ、前記第1および第2のイオン性高分子からなるプローブと第3のイオン性高分子間における相対的な結合強度を求める第2の工程、前記第1および第2のイオン性高分子からなるプローブと第3のイオン性高分子間における正確な結合定数および解離定数をイオン性高分子間結合強度測定方法により算出する第3の工程、前記第2の工程から得られるイオン性高分子間の相対的な結合強度と第3の工程から得られるイオン性高分子間の正確な結合定数および解離定数の相関関係から前記第1と第2のイオン性高分子が相補的に結合したプローブと第3のイオン性高分子の間における結合定数および解離定数を算出する第4の工程を有することを特徴とする、前記プローブと第3のイオン性高分子の間における結合定数および解離定数算出方法である。
【0011】
第2の本発明は、上記第1の発明をより詳しくしたものであり、担体に固定された第1のイオン性高分子に、イオン性溶媒中で標識を有する第2のイオン性高分子を前記第1のイオン性高分子に相補的に結合させてプローブとし乾燥させたイオン性高分子同定用高分子チップを用意する第1の工程、サンプルとなる第3のイオン性高分子を前記プローブに吸着させ、イオン性溶媒で洗浄して非特異的に結合している第3のイオン性高分子を除去し、更に非イオン性溶媒で洗浄して第3のイオン性高分子が特異的に結合している部分以外の標識を有する第2のイオン性高分子を除いた後、残存する標識量を読み取る第2の工程、前記第1および第2のイオン性高分子からなるプローブと第3のイオン性高分子間における正確な結合定数および解離定数をイオン性高分子間結合強度測定方法により算出する第3の工程、前記第2の工程から得られるイオン性高分子間の相対的な結合強度と第3の工程から得られるイオン性高分子間の正確な結合定数および解離定数間の相関関係から検量線を作製する第4の工程を有することを特徴とする、前記第1と第2のイオン性高分子が相補的に結合したプローブと第3のイオン性高分子の間における結合定数および解離定数算出方法である。
上記第1および第2の本発明において、前記第1〜3のイオン性高分子が、それぞれタンパク質、ポリアミノ酸、DNA、RNA、合成高分子から選ばれることができる。
【0012】
第3に、本発明は、担体に固定された第1のDNAに、イオン性溶媒中で標識を有する第2のDNAを相補的に結合させて二重鎖DNAを有するプローブとし乾燥したタンパク質同定用DNAチップを用意する第1の工程、サンプルとなるタンパク質を前記プローブに吸着させ、イオン性溶媒で洗浄して非特異的に結合しているタンパク質を除去し、更に非イオン性溶媒で洗浄してタンパク質が特異的に結合している部分以外の標識を有する第2のDNAを除いた後、残存する標識量を読み取る第2の工程、前記第1および第2のDNAからなる二重鎖DNAを有するプローブとタンパク質間における正確な結合定数および解離定数をイオン性高分子間結合強度測定方法により算出する第3の工程、前記第2の工程から得られる二重鎖DNAとタンパク質間の相対的な結合強度と第3の工程から得られる二重鎖DNAとタンパク質間の正確な結合定数および解離定数間の相関関係から検量線を作製する第4の工程を有することを特徴とする、前記第1と第2のDNAが相補的に結合した二重鎖DNAを有するプローブとタンパク質の間における結合定数および解離定数算出方法である。
【0013】
上記第1〜第3の発明において、前記イオン性高分子間結合強度測定方法として、表面プラズモン共鳴法(Surface Plasmom Resonance;SPR)またはゲルシフトアッセイ法が好ましく例示される。特に表面プラズモン共鳴法は正確性および操作性に優れており、本発明の結合定数および解離定数算出方法に用いることが好ましい。
【0014】
第4に、本発明は、上記の結合定数および解離定数算出方法を用い、前記第1と第2のイオン性高分子が相補的に結合したプローブと第3のイオン性高分子の間における結合性を評価することを特徴とするイオン性高分子の機能性探索方法である。
【0015】
第5に、本発明は、上記の結合定数および解離定数算出方法を用い、前記第1と第2のイオン性高分子が相補的に結合したプローブと第3のイオン性高分子の間における結合性を評価することを特徴とするイオン性高分子の同定方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる担体の材料及び形状は特に限定されず、バイオチップの担体に用いられる材料及び形状が適用される。その中で、ガラス、シリカゲル、ポリスチレン、ポリプロピレン、メンブレンから選ばれ、平板状又はビーズ状のものが好ましく用いられる。
第2のイオン性高分子に付与される前記標識は、バイオチップの分野で用いられるものが適用される。特に、蛍光を発する物質が読み取り段階での光学的処理のために好ましい。
【0017】
ここで、標識を有する第2のイオン性高分子を前記第1のイオン性高分子に相補的に結合させた前記プローブと、サンプルとなる前記第3のイオン性高分子が同じチャージをもつ場合は、第4の逆のイオン性をもつサンプル高分子を添加することで、これらを強固に固定した後、非イオン性溶媒で洗浄を行う工程を付加することが好ましい。
【0018】
また、前記第1および第2のイオン性高分子としてDNAを用いる場合、該DNAの塩基配列数は、それぞれ4〜13個であることが好ましい。この範囲のDNAの塩基配列数の時、前記第1及び第2のイオン性高分子であるDNAの相補的結合、更にこれらからなるDNAチップとサンプルとなるDNA結合タンパク質との化学及び物理構造に基づく特異的結合が強固となり、サンプルタンパク質の機能性の探索および同定が容易かつ高精度となる。
【0019】
また、本発明で用いる非イオン性の溶媒は限定されないが、例えば、純水、アルコール、アセトン、ヘキサンから選ばれる1種又は2種以上の混合物が挙げられる。前記イオン性の溶媒は限定されないが、例えば、塩化ナトリウム水溶液や塩化カリウム水溶液が挙げられる。
【0020】
DNAやタンパク質(ポリアミノ酸、ポリペプチド)といった生体高分子はチャージを持っており、DNAの場合はリン酸基のマイナスチャージ、タンパク質は、アミノ酸の種類により、プラスチャージやマイナスチャージを持っている。DNAの二重鎖は、通常マイナスイオンのため反発がおこり純水中ではハイブリダイズは行えないが、プラスイオンが存在する系においてはたとえばNa+イオンがDNAのリン酸基にキレートすることでイオン存在下では水素結合によりハイブリダイズを行うことが可能となる。また、プラスチャージを持っているタンパク質などは、そのチャージの部分でマイナスチャージをもっているDNAに結合する。
【0021】
これらの生体高分子がそのチャージにより結合した状態でイオン強度を変化した溶媒でバイオチップを洗浄することで、イオン強度が低い場合は同じチャージを持った高分子は解離し、逆のチャージをもった高分子は強固に結合する。イオン強度が高い場合は同じチャージをもった高分子でも結合が可能となり、違うチャージをもった高分子の結合は弱くなり、解離する。
このようにイオン強度を変化させることによって、様々な高分子の機能性の探索および同定を行うことを可能とする。
【0022】
本発明で用いられるDNA結合タンパク質とは、DNAに親和性をもち,塩基配列に対して特異的あるいは非特異的に結合するタンパク質を意味する。このようなDNA結合タンパク質には、主に1)DNA構造に変化を与えて遺伝子発現を調節する2本鎖DNA結合タンパク質、2)DNAの複製、組換え、修復の過程に必須な1本鎖DNA結合タンパク質、3)染色体の高次構造の保持に関与するタンパク質、4)ATP依存性DNA分解酵素、5)DNA超らせん構造を形成するトポイソメラーゼ、などがある。1)の多くは転写因子であり、ラムダファージCroタンパク質とcAMP受容体タンパク質の構造から見出されたヘリックス‐ターン‐ヘリックス、システインとヒスチジンにより亜鉛イオンをキレートさせたジンクフィンガー、αヘリックスの片側にロイシンが並んだタンパク質が2分子集まりジッパーのように組み合わさって形成されるロイシンジッパーなどのいくつかの構造モチーフが知られている。2)はバクテリオファージから高等生物までみられるタンパク質であり、SSB(single―strandedDNA―bindingprotein)と呼ばれる。3)については,真核生物の染色体中のヒストンタンパク質が代表例であり、ヌクレオソーム構造を形成する。細菌においても、同様のHUタンパク質が結合しヌクレオソーム様の構造形成が知られている。4)には、DNA複製(DnaBタンパク質など)、組換え(RecA、RecBCタンパク質)や2本鎖DNAの巻き戻しを促進するヘリカーゼがある。更に、本発明では、上記のような本来DNA結合性を有するタンパク質だけでなく、物理的または化学的処理によってDNA結合性を有することとなったタンパク質も用いることができる。
【0023】
このように、本発明では、これらのDNA結合タンパク質を広く用いることができる。また、1種類のDNA結合タンパク質を用いる場合だけでなく、2種類以上のDNA結合タンパク質を併用する場合も本発明に含まれる。
【0024】
DNA結合タンパク質はDNA結合ドメインの部分にプラスチャージをもち、マイナスチャージをもつDNAやRNAに特異的、非特異的に結合することを特徴とする。そして、これらDNA結合タンパク質が結合した二重鎖のDNAはイオン強度が低くなるほど、結合は強固になる。
【0025】
図1は、本発明で用いられるイオン性高分子同定用高分子チップの一例であるたんぱく質同定用DNAチップの模式図を示す。担体1にGCTAの塩基配列を有する第1のDNA2が固定されている。これをイオン性溶媒中でCGATの塩基配列を有し、蛍光物質で標識された第2のDNA3を加えると、両者は相補的に結合して2重鎖を形成する。同様にCCAAの塩基配列を有する他のDNA5に、GGTTの塩基配列を有し、別の蛍光物質で標識された第2のDNA6を加えると、両者は相補的に結合して2重鎖を形成する。このようなDNAチップに未だ同定されていないたんぱく質4を加えると、このたんぱく質4はDNA2とDNA3が相補的に結合した2重鎖に結合する。しかしながら、このたんぱく質4はDNA5とDNA6が相補的に結合した2重鎖には結合しない。このような現象を蛍光強度計の測定を通じて解析し、たんぱく質の同定を行う。
【0026】
図2は、図1のたんぱく質同定用DNAチップを用いて、たんぱく質を同定する経路を示すチャートである。担体1にDNA2とDNA5が固定されたDNAチップを準備する(a)。このDNAチップに、イオン性溶媒の存在下に蛍光物質で標識が付与されたDNA3とDNA6を相補的に結合させる(b)。イオン性溶媒を除去し、未だ同定されないたんぱく質4を添加する。たんぱく質4は本来結合すべきDNA2と3の2重鎖に特異的に結合するとともに、本来結合すべきでないDNA5と6の2重鎖にも非特異的に結合する(c)。そこで、イオン性溶媒により洗浄し、非特異的に結合していたたんぱく質を除去する(d)。更に、非イオン性溶媒で洗浄して、蛍光物質で標識が付与されたDNA6を除去する(e)。残留する蛍光を読み取り、その結果よりたんぱく質を同定する(f)。
【0027】
図3に、BIAcoreによる表面プラズモン共鳴測定装置の測定原理を示す。プリズムの底部に厚さ50nmの金薄膜を作り、この界面に波長760nmの偏光を照射すると、薄膜上にエバネッセント波と呼ばれるエネルギー波が生じる。このエバネッセント波が金薄膜の自由電子波、プラズモン波の共鳴に利用されることにより、反射光の特定の角度にエネルギーの消失が見られる。フォトダイオードアレイにより反射光の強度を測定すると、Iのような光の谷が認められる。この光学現象が表面プラズモン共鳴であり、金薄膜表面での溶媒の濃度変化に依存して、消失角度が変動する。
【0028】
例えば、薄膜上に二重鎖DNAチップを固定した後で、DNA結合タンパク質を含む溶液を添加した場合には、表面上で生じる特異的な結合反応によりセンサーとなる二重鎖DNAチップ表面の質量が増加し、光の谷を生じる角度がIからIIへシフトする。この動きをセンサーグラムと呼ばれる経時的結合曲線に変換して表示する。
【0029】
次に、本発明のうち、2種類のDNAを用いて、タンパク質の結合定数および解離定数を算出する具体的手法を説明する。まず、合成したオリゴDNAを基盤にスポットし、末端を標識した相補オリゴDNAをハイブリダイゼーションすることで二重鎖DNAチップを製造する。結合定数を測定したい物質をサンプルとして二重鎖DNAチップ上に添加し、純水で洗浄すると二重鎖DNAにサンプルが結合していない場合は相補鎖のDNAは解離する。最終的にチップ上の蛍光を読み取ることで、測定したいサンプルがどの二重鎖DNAにどの程度結合したかが測定できる。一方で、チップ上の3種類以上のサンプルについて表面プラズモン測定機器を利用して解離定数KD値を求め、検量線の作製を行う。この時、チップ上の蛍光強度比と二重鎖DNAへのサンプル解離定数KD値には相関関係を見出すことができ、検量線を利用する事で蛍光強度比から解離定数KD値を求めることが可能となる。
【0030】
【実施例】
以下の実施例では、既に同定が行われているTRF1のタンパク質をサンプルとして用いた。ここでTRF1は上記非特許文献1に紹介されている。
まず、次のようなバイオチップを作製した。
【0031】
チップ固定用プローブDNAを4種類用意し、それぞれ5’末端をビオチン化して、アビジンコート済みのスライドガラスにSPBIO(日立ソフトウェアエンジニアリング(株)製:商品名)にてプローブの種類ごとに6ヶ所にスポットした。本実施例の場合、4種類のプローブDNAを用いるため24ヶ所にスポットを行ったことになる。チップ固定用プローブDNAの配列は5’−GTTAGGGTTAGGG−3、5’−GTTAAGGTCAGGG−3、5’−GTTAAGGTTAGGG−3、5’−GTTAGGGCTAGGG−3とした。以後それぞれをAGTTプローブ・AATCプローブ・AATTプローブ・AGCTプローブと略する。スポットしたプローブDNAの濃度は1mMになるよう純水で調製した。スポットしたバイオチップの一例として図4を示す。
【0032】
ハイブリ用DNAサンプルとして4種類すべての相補鎖を含むように、3’−CAAYYCCRRTCCC−5’ (Y= C or T, R= A or G)という配列のDNAサンプルを合成し、5’末端を蛍光色素Cy5にて標識した。
【0033】
次に、 5xSSC溶液にサンプルDNAの濃度を100nMとなるように調整して、作製済みのバイオチップ上に10μl添加し、30分間乾燥しないように湿度を保った状態でハイブリダイゼーションを行った。
【0034】
ハイブリダイズを行った後に、1xSSCで洗浄、乾燥し、蛍光スキャナーであるCRBIO2(日立ソフトウェアエンジニアリング(株)製:商品名)にて読み取りを行った。
【0035】
読み取りを行った画像の一例を図5に示す。図5において、黒くなっているスポットがCy5標識したサンプルが存在する個所を表している。これにより二重鎖DNAを形成している事が確認される。
【0036】
その次に、TRF1タンパク質濃度が20μMとなるように5mMのKPB(リン酸)、30mMのNaClで調製したTRF1タンパク質サンプル液をハイブリ済みのバイオチップ上に添加し、10分間ハイブリダイズした。
【0037】
その後、非特異的なタンパク質の吸着を取り除くために40℃の0.2xSSCで3分間洗浄を行った。更にその後、40℃の純水で洗浄を行って、Cy5標識したサンプルDNAの解離を促した。最後にCRBIO2にて読み取りを行った。図5を処理後、読み取りを行った画像を図6に示す。
【0038】
TRF1とハイブリした二重鎖DNAは純水中でも解離しなくなる。このことから、図6での4種類のプローブ毎における蛍光強度の違いは、そのままTRF1タンパク質と二重鎖DNAチップとの間の結合強度の違いと考える事ができる。
【0039】
図6の画像のスポット位置における蛍光強度を数値化し、6個のスポットの平均をとったものをT、図5の画像のスポット位置における蛍光強度を数値化し、6個のスポットの平均をとったものをHとすると、標準化された蛍光強度比(T/H)が求まる。各種プローブ配列ごとの蛍光強度比の表を図7に示す。
【0040】
一方で、表面プラズモン共鳴測定装置で、各4種類の二重鎖DNAとTRF1との間の正確な解離定数を調べた。表面プラズモン共鳴測定装置はビアコア(株)製Biacore(R)Xを用いた。詳細な方法を以下に述べる。
【0041】
上記の4種類のチップ固定用プローブ(5’末端ビオチン化)をそれぞれ30μMの濃度で200μl用意する。一方でCy5標識しないハイブリ用DNAサンプルを同じく30μMの濃度で20μl用意して、各チップ固定用プローブと混合し、95℃で10分間かけて変性した後ゆっくりと常温に戻し、4種類の二重鎖DNAプローブを作製する。
【0042】
上記の二重鎖DNAプローブを表面プラズモン共鳴測定装置を用いてアビジンコートチップに固定する。アビジンコートチップはビアコア(株)製Sensor Chip SAを使用し、泳動バッファは、10mM HEPES pH7.4 + 3M EDTA + 150mM NaClを用いた。固定化の際の流量は5μl/minとした。
【0043】
固定したチップ上にTRF1タンパク質を10nM・25nM・50nM・75nM・100nMの5種類の濃度で流した。表面プラズモン測定装置にてTRF1結合量をモニタリングして、結合曲線・解離曲線を作製し、そこから解離定数(KD値)を算出した。泳動バッファは、10mM HEPES pH7.4 + 3M EDTA + 50mM NaClを用い、流量は20μl/minとした。4種類のプローブの正確な解離定数の表を図7に示す。
【0044】
このようにして測定した正確な解離定数(KD)と、チップから求めた蛍光強度比(T/H)との間に相関関係が見られる。この事から、最低限3種類の二重鎖DNAの解離定数を測定することで検量線の作製を行った。AGTT・AATC・AATTの各プローブから作製した検量線を図8に示す。図8において、縦軸は解離定数(KD値)を示し、横軸は蛍光強度比(T/H)を示す。
【0045】
もし、その他の種類の二重鎖DNAにおける解離定数を求めたい場合、バイオチップ上から該当するスポットの蛍光強度を読み取り、検量線上と照らし合わせることでおおまかな解離定数を算出する事ができる。例えば、AGCTプローブの蛍光強度比(T/H)は図7に示したように0.437なので、図8の検量線からおおまかに10−8の後半である事が予測される。正確な解離定数(KD値)を表面プラズモン測定装置にて計測したところ、図7に示されるとおり8.17×10−8であった。このことから、図8に示される検量線による予測が可能である事が分かる。
【0046】
【発明の効果】
本発明により、タンパク質等のイオン性高分子が結合する二重鎖DNA上の変異において、その構造及び機能を示す一指標である結合定数(KA値)および解離定数(KD値)の予測を簡便な方法で網羅的・効果的に行う事ができる。特に、SNPsなどの一塩基置換が起こった多数の変異体におけるおおまかな結合定数および解離定数を容易かつ迅速に算出する事ができる。これにより、医薬の開発や医療検査のツールとして期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるイオン性高分子同定用高分子チップの一例であるたんぱく質同定用DNAチップの模式図を示す。
【図2】図1のたんぱく質同定用DNAチップを用いたたんぱく質の結合方法を示すチャート。
【図3】表面プラズモン測定装置の測定原理を示す模式図。
【図4】バイオチップの一例を示した図。
【図5】DNAハイブリ後の読み取り画像。
【図6】TRFタンパク質添加および純水による洗浄後の読み取り画像。
【図7】読み取り画像を数値化し、標準化を行った表および表面プラズモン測定装置にて計測した解離定数を示した表。
【図8】表面プラズモン測定装置にて計測した解離定数とバイオチップ上の蛍光強度比との間の相関関係を示したグラフ(検量線)。
Claims (7)
- 担体に固定された第1のイオン性高分子に第2のイオン性高分子を相補的に結合させてプローブとしたイオン性高分子同定用高分子チップを用意する第1の工程、サンプルとなる第3のイオン性高分子を前記プローブに特異的に結合させ、前記第1および第2のイオン性高分子からなるプローブと第3のイオン性高分子間における相対的な結合強度を求める第2の工程、前記第1および第2のイオン性高分子からなるプローブと第3のイオン性高分子間における正確な結合定数および解離定数をイオン性高分子間結合強度測定方法により算出する第3の工程、前記第2の工程から得られるイオン性高分子間の相対的な結合強度と第3の工程から得られるイオン性高分子間の正確な結合定数および解離定数の相関関係から前記第1と第2のイオン性高分子が相補的に結合したプローブと第3のイオン性高分子の間における結合定数および解離定数を算出する第4の工程を有することを特徴とする、前記プローブと第3のイオン性高分子の間における結合定数および解離定数算出方法。
- 担体に固定された第1のイオン性高分子に、イオン性溶媒中で標識を有する第2のイオン性高分子を前記第1のイオン性高分子に相補的に結合させてプローブとし乾燥させたイオン性高分子同定用高分子チップを用意する第1の工程、サンプルとなる第3のイオン性高分子を前記プローブに吸着させ、イオン性溶媒で洗浄して非特異的に結合している第3のイオン性高分子を除去し、更に非イオン性溶媒で洗浄して第3のイオン性高分子が特異的に結合している部分以外の標識を有する第2のイオン性高分子を除いた後、残存する標識量を読み取る第2の工程、前記第1および第2のイオン性高分子からなるプローブと第3のイオン性高分子間における正確な結合定数および解離定数をイオン性高分子間結合強度測定方法により算出する第3の工程、前記第2の工程から得られるイオン性高分子間の相対的な結合強度と第3の工程から得られるイオン性高分子間の正確な結合定数および解離定数間の相関関係から検量線を作製する第4の工程を有することを特徴とする、前記第1と第2のイオン性高分子が相補的に結合したプローブと第3のイオン性高分子の間における結合定数および解離定数算出方法。
- 前記第1〜3のイオン性高分子が、それぞれタンパク質、ポリアミノ酸、DNA、RNA、合成高分子から選ばれることを特徴とする請求項1または2に記載のイオン性高分子同定用高分子チップを利用した結合定数および解離定数算出方法。
- 担体に固定された第1のDNAに、イオン性溶媒中で標識を有する第2のDNAを相補的に結合させて二重鎖DNAを有するプローブとし乾燥したタンパク質同定用DNAチップを用意する第1の工程、サンプルとなるタンパク質を前記プローブに吸着させ、イオン性溶媒で洗浄して非特異的に結合しているタンパク質を除去し、更に非イオン性溶媒で洗浄してタンパク質が特異的に結合している部分以外の標識を有する第2のDNAを除いた後、残存する標識量を読み取る第2の工程、前記第1および第2のDNAからなる二重鎖DNAを有するプローブとタンパク質間における正確な結合定数および解離定数をイオン性高分子間結合強度測定方法により算出する第3の工程、前記第2の工程から得られる二重鎖DNAとタンパク質間の相対的な結合強度と第3の工程から得られる二重鎖DNAとタンパク質間の正確な結合定数および解離定数間の相関関係から検量線を作製する第4の工程を有することを特徴とする、前記第1と第2のDNAが相補的に結合した二重鎖DNAを有するプローブとタンパク質の間における結合定数および解離定数算出方法。
- 前記イオン性高分子間結合強度測定方法は、表面プラズモン共鳴法またはゲルシフトアッセイ法であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の結合定数および解離定数算出方法。
- 請求項1から5のいずれかに記載の結合定数および解離定数算出方法を用い、前記第1と第2のイオン性高分子が相補的に結合したプローブと第3のイオン性高分子の間における結合性を評価することを特徴とするイオン性高分子の機能性探索方法。
- 請求項1から5のいずれかに記載の結合定数および解離定数算出方法を用い、前記第1と第2のイオン性高分子が相補的に結合したプローブと第3のイオン性高分子の間における結合性を評価することを特徴とするイオン性高分子の同定方法。
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