JP2004117127A - 血液エンドトキシン測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】血液中のエンドトキシンの測定を行なう。
【解決手段】血液を採取し(ステップS601)、採取された血液から白血球を抽出する(ステップS602)。抽出された白血球を破壊し(ステップS603)、破壊済白血球液を得て(ステップS603)、破壊済白血球液のエンドトキシンを測定する(ステップS604)。これにより、白血球に結合し、あるいは、白血球に取り込まれたエンドトキシンが測定されることになり、測定の結果が、エンドトキシンにより引き起こされる敗血症やショックなどの症状と関連付けられたものとなる。また、白血球により濃縮されたエンドトキシンの測定がされるので、測定感度を高めることもできる。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液中のエンドトキシンの測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンドトキシンは、グラム陰性菌の細胞壁の構成成分であり、その活性本体はリポ多糖(リポポリサッカライド(以下、LPSと略す))である。エンドトキシンは多様な生物活性を示す。例えば、生体の血液中に存在すると、敗血症やショック症状などが引き起こされる。
【0003】
図1は、エンドトキシンの活性の過程を模式的に例示している。グラム陰性菌(101)より、LPS(102)が遊離する。遊離したLPSに、LPSと結合する蛋白質が結合し、蛋白結合LPS(102)となる。この蛋白結合LPS(103)は、マクロファージや好中球などのCD14(104)受容体やトール様受容体と結合することにより、マクロファージや好中球などの活性化を誘発し、上記の症状が引き起こされる。
【0004】
米国での調査結果を基に推計すると、現在日本では、年間30万人から50万人の敗血症の患者が発生していると考えられ、血液中のエンドトキシンの高感度な測定方法の開発は、敗血症の診断や治療に貢献し、ひいては、医療費の低減にもつながる。
【0005】
エンドトキシンの測定方法としては、従来は、測定すべきエンドトキシンが含まれる物質をウサギに注射し、そのウサギの発熱の程度を調べることによるものが使われていた。しかし、一回の測定に少なくともウサギ一匹を用い、しかも、感度が低いという問題があり、現在ではほとんど使用されていない。
【0006】
現在では、エンドトキシンの測定方法として使用される方法は、リムルステストが主流である。「リムルステスト」とは、カブトガニの血球抽出液がエンドトキシンと特異的に反応し、ゲル化することの発見に基づく測定方法である。
【0007】
図2は、カブトガニの血球抽出液とエンドトキシンとの反応の過程を示す図である。エンドトキシンは、カブトガニの血球抽出液に含まれるC因子と結合し、活性化C因子が生成される(ステップS201)。なお、エンドトキシンとC因子との結合力はかなり強いと考えられている。次に、活性化C因子とB因子が反応することにより、活性化B因子が生成され(ステップS202)、活性化B因子と前凝固酵素とが反応し、凝固酵素が生成される(ステップS203)。この凝固酵素は、Coagulogenの特定部位に作用し(ステップS204)、その結果、Coagulinへの作用が発生し(ステップS205)、ゲル化が起きる。
【0008】
なお、カブトガニの血球抽出液には、β−D‐グルカンと反応するG因子も含まれており、β−D‐グルカンとG因子との反応によってもゲル化が起きることが知られているため、G因子を取り除いたりG因子の活性を無くしたりしたものが使用されることが多い。
【0009】
このゲル化が起きたかどうかは、例えば、図3に示すように、エンドトキシンの測定を行なう物質とC因子を含む液(例えば、上記カブトガニの血球抽出液)を試験管301にいれ、一定条件で放置した後に、試験管を傾け、試験管302のように液面が水平になれば、エンドトキシンは検出されない(陰性)とし、試験管303のように、液面が傾けば、陽性と判定する。
【0010】
また、現在では、図4に例示するように、エンドトキシンの測定を行なう物質とC因子を含む液を試験管402にいれ、それに光源401より発する光を当てて、透過する光の量を検出器403で測定することが行なわれている(比濁時間分析法)。ゲル化などによって、図5のグラフ501に示すように光の透過量が時間と共に減少する。そこで、閾値を定めておき、その閾値を下回るまでに要する時間を測定することにより、エンドトキシンの濃度を測定することも行なわれている(例えば、非特許文献1参照。)。この結果、1ミリリットルあたり1ピコグラム程度の濃度のエンドトキシンが測定できる。
【0011】
また、図2のステップS203にて生成された凝固酵素がBoc−Leu−Gly−Arg−pNAに作用し、pNA(パラニトロアニリン)を遊離させ、pNAの最大吸収を示す405nm付近での吸光度を測定することによりエンドトキシンを測定する方法もある。さらに、このpNAをジアゾカップリングして450nmの吸光度を測定する方法もある(発色合成基質法)。
【0012】
なお、血液中には、リムルステストの阻害因子(α2−プラスミンインヒビター、アンチトロンビンIII、α1−アンチトリプシンなど)や、亢進因子(第Xa因子、トロンビン、トリプシンなど)などの干渉因子が含まれるため、血液中のエンドトキシンを測定するためには、血液に対して遠心分離(3000回転40秒程度)などによって血漿を得て、その血漿に対して前処理(PCA法や、New PCA法など)を行なって得られるものに含まれるエンドトキシンの濃度を測定することが行なわれている。また、界面活性剤を含む水溶液で希釈した後、加熱処理をすることも行なわれている(例えば、特許文献1参照。)。
【0013】
【非特許文献1】
大石晴樹、“リムルス試薬を用いたエンドトキシン測定法の歴史”、〔online〕、1999年8月16日、〔2002年8月20日検索〕、インターネット<URL:http://www.jsme.or.jp/bio/news/28/28−1−2.html>
【特許文献1】
特開平6−118086号公報(第1―4頁)
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、現在では、1ミリリットルあたり1ピコグラム程度のエンドトキシンの濃度が測定可能となっているが、一つのグラム陰性菌の持つエンドトキシンは大体100フェムトグラム以下であり、10個でようやく1ピコグラムに達する程度である。このため、1ミリリットルあたり1ピコグラム程度の測定感度でも充分な感度であるとは言い難いという課題がある。事実、時間をかけて血液中のグラム陰性菌を培養してグラム陰性菌が存在することが判明しても、血液中のエンドトキシンが測定できない場合が多くあることが知られている。
【0014】
また、上記のようにエンドトキシンがマクロファージなどの白血球に作用することにより、敗血症やショック症状などが引き起こされるのであり、血漿に含まれるエンドトキシンが直接の原因ではないので、血液より血漿を分離して前処理を行なったもののエンドトキシンの濃度を測定しても、その測定値と敗血症などの症状との関係が明確でないという課題がある。
【0015】
そこで、本発明では、より高感度に血液中のエンドトキシンが測定でき、また、症状との関係が明確である測定値が得られるエンドトキシンの測定方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明では、第一に、採取された血液から白血球を抽出し、抽出された白血球の白血球細胞を破壊し、得られる液に含まれるエンドトキシンを測定するようにした。
【0017】
血液中のエンドトキシンの大半は、白血球と結合し、あるいは、白血球内部に取り込まれと考えられるので、血液中のエンドトキシンの多くは、白血球と結合あるいは白血球に含まれるエンドトキシンであり、濃縮されたエンドトキシンが得られる。したがって、白血球のエンドトキシンを測定することにより測定感度を上げることができる。また、エンドトキシンが白血球に作用することにより、敗血症などの症状が引き起こされるので、病態との関係が明確になるような白血球のエンドトキシンの測定結果が得られることになる。
【0018】
また、従来技術による血漿に含まれるエンドトキシンの測定結果と、本発明による測定の結果と、の両方を用いることにより、血液に含まれるエンドトキシンの量をより正確に知ることができる。
【0019】
なお、血液より白血球を抽出するには、血液の遠心分離により行なうようにしてもよい。
【0020】
また、白血球の破壊は、超音波を加えることにより行なわれてもよい。また、凍結融解の操作を加えることにより行なわれてもよい。
【0021】
また、白血球を破壊して得られる液のエンドトキシンの測定は、C因子を含む物質を混合し、光の透過量を測定することにより行なわれるものであってもよい。特に、このC因子を含む物質は、カブトガニの血球抽出液から生成されるものであってもよい。また、光の透過量の測定は、光の透過量の経時的な変化であってもよく、また、さらに光の透過量の変化率であってもよい。また、吸光度を測定するものであってもよい。
【0022】
また、抽出される血球は白血球としたが、赤血球であってもよいし、赤血球と白血球の両方であってもよい。これにより、血液全体におけるエンドトキシンの測定が可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、本発明は、これら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
【0024】
(本発明の構成)
本発明における血液エンドトキシン測定方法は、血液採取ステップと、白血球抽出ステップと、白血球破壊ステップと、干渉因子排除ステップと、エンドトキシン測定ステップと、を有する。
【0025】
(血液採取ステップ)
「血液採取ステップ」は、血液を採取するステップである。
【0026】
(血液採取ステップ:生体から直接採取してもよい)
例えば、生体の血管に注射針を刺して血液を採取する。この時、動脈あるいは静脈のいずれであってもよい。この場合の「生体」とは、人間の体、あるいは、人間以外の動物の体であってもよい。
【0027】
(血液採取ステップ:既に採取され保存された血液を採取する間接的な採取でもよい)
また、血液採取ステップでは、既に生体から採取されて保存などされている血液を採取するようにしてもよい。
【0028】
(血液採取ステップ:血液の凝固を防ぐ手段を講じてもよい)
また、血液の凝固を防ぐために、採取した血液にヘパリンなどの抗凝固活性有する物質を混入させてもよい。例えば、注射器の内側にヘパリンなどをコーティングしておくなどし、採血とほぼ同時にヘパリンなどが混合できるようにしておいてもよい。
【0029】
(白血球抽出ステップ)
「白血球抽出ステップ」は、血液採取ステップで採取した血液から白血球を抽出するステップである。
【0030】
(白血球抽出ステップ:白血球を抽出する具体的な方法の例)
血液から白血球を抽出する方法としては、採取された血液を遠心分離することにより血液中の他の成分から分離された白血球を採取する方法がある。すなわち、血液を遠心管に入れ、遠心分離機に装着して遠心分離する方法である。これにより血液成分の比重により分類され、比重の大きい成分ほど遠心管の下方に集まることになる。血液の成分の比重は、血漿、白血球、赤血球の順に大きくなるので、白血球は、下から第ニ層目に集まることになる。そこで、ピペットなどを用いて、この第二層の白血球を取り出すことにより、白血球を抽出する。
【0031】
(白血球抽出ステップ:血液中の白血球の割合について)
なお、人間の血液の約55パーセントが血漿の成分であり、残りの45パーセントの血球の成分のうち、3パーセントが白血球である。これより、白血球は、血液全体の1パーセントから2パーセントを占めていることになる。したがって、エンドトキシンが血液中に存在し、白血球と結合あるいは白血球に取り込まれると、エンドトキシンが白血球により濃縮されることになり、以下に述べるように、白血球のエンドトキシンを測定すると、測定感度が高くなることとなる。
【0032】
(白血球抽出ステップ:白血球を抽出する別の具体的な方法の例)
あるいは、白血球除去フィルターを用いて白血球を抽出するようにしてもよい。例えば、図8に示すようなカラム(800)の内部にポリエステル繊維不織布などにより構成されるフィルター(801)を設置し、矢印の方向に血液を流し、フィルターに白血球を吸着させ、フィルターより白血球を抽出する。
【0033】
(白血球抽出ステップ:白血球の中の特定の種類の血球を抽出してもよい)
なお、白血球には、好中球、好酸球、好塩基球、単芽球、前単球、単球、マクロファージ、リンパ球などの種類がある。そこで、白血球抽出ステップでは、全ての種類の白血球を抽出するのではなく、エンドトキシンによって活性化される種類の白血球を抽出するようにしてもよい。例えば、好中球と、マクロファージからなる白血球を抽出してもよい。このために、例えば、遠心分離によって得られた白血球を、更に遠心分離して、特定の種類の白血球を得るようにしてもよい。また、単に遠心分離をするのではなく、密度勾配を使って、特定の種類の白血球を得るようにしてもよい。
【0034】
(白血球破壊ステップ)
「白血球破壊ステップ」は、白血球抽出ステップで抽出した白血球の白血球細胞を破壊し、破壊済白血球液を得るステップである。
【0035】
(白血球破壊ステップ:白血球を破壊する具体的な方法の例)
白血球細胞を破壊する方法としては、例えば、超音波を加える方法、低張液を用いる方法、凍結融解の操作を加える方法、がある。
【0036】
超音波を加える方法は、白血球細胞に超音波を照射することにより、細胞膜に、超音波の振動が直接加えられたり、超音波により発生する気泡の振動が加えられたりすることにより、細胞膜が破られることを利用する方法である。
【0037】
低張液を用いる方法は、細胞の内部より浸透圧の低い液体中に細胞を移すと、細胞が吸水膨張することにより細胞膜が破れることを利用する方法である。
【0038】
凍結融解の操作を加える方法は、白血球浮遊液を試験管ごとドライアイス中で凍結し引き続き温湯で融解する方法である。なお、凍結融解の操作の回数は、一回に限れず、複数回行なってもよい。
【0039】
また、白血球細胞を破壊して得られたものに遠心分離を行い、細胞内の特定の大きさあるいは密度の器官を採取して、破壊済白血球液を得るようにしてもよい。これにより、白血球の内部に取り込まれずに結合しているエンドトキシンの測定や、白血球の内部に取り込まれたエンドトキシンの測定が可能となる。
【0040】
(干渉因子排除ステップ)
「干渉因子排除ステップ」は、白血球破壊ステップで得られた破壊済白血球液に含まれる干渉因子を除去または不活化して測定対象液を得るステップである。「不活化」とは、活性を無くすることである。
【0041】
(干渉因子排除ステップ:干渉因子を除去または不活化する方法)
干渉因子を除去または不活化する方法としては、破壊済白血球液を加熱する方法がある。例えば、摂氏70度から80度で加熱する。また、PCA法のように過塩素酸などの酸を加えるなどして生成する沈殿物を除去したり、アルカリを加えて抽出したりする方法がある。あるいは、界面活性剤を用いて処理してもよい。
【0042】
(エンドトキシン測定ステップ)
「エンドトキシン測定ステップ」は、干渉因子除去ステップで得られた測定対象液に含まれるエンドトキシンを測定するステップである。
【0043】
(エンドトキシン測定ステップ:混合ステップと透過量測定ステップとを有する測定方法を用いてもよい)
エンドトキシンの測定の方法としては、例えば、混合ステップと、透過量測定ステップと、を有するものを用いてもよい。
【0044】
「混合ステップ」とは、測定対象液にC因子物質を混合するステップである。「C因子物質」とは、C因子を含む物質であり、例えば、図2に例示された過程によりエンドトキシンと反応する物質である。
【0045】
「透過量測定ステップ」とは、混合ステップで生成された混合液の光透過量を測定するステップである。「光透過量」とは、混合液に光を照射した場合の透過する光の量である。透過量測定ステップにより、測定対象液に含まれるエンドトキシンとC因子物質の反応の程度を測定し、エンドトキシンの測定を行なうのである。
【0046】
一般にエンドトキシンは蛋白質と結合して血液中に存在していると考えられるが、C因子のエンドトキシンとの結合力は、これらの蛋白質の結合力より大きいので、エンドトキシンは、蛋白質との結合を振り切って、C因子と結合するので、測定の感度を高くすることができる。
【0047】
(エンドトキシン測定ステップ:混合ステップでは、カブトガニの血球抽出液から生成されたものを混合してもよい)
また、前記C因子物質としては、カブトガニの血球抽出液から生成されたものであってもよい。これにより、測定対象液にエンドトキシンが存在すると、ゲル化を起し、ゲル化の有無でエンドトキシンの存在/不存在を測定することができる。また、ゲル化により、光の透過量が変化するので、それを測定することもできるようになる。
【0048】
なお、「カブトガニの血球抽出液から生成されたもの」は、カブトガニの血球抽出液そのものや、カブトガニの血球抽出液に更に加工を加えたものであってもよい。例えば、β−D‐グルカンに反応するG因子を取り除いたり、G因子の活性を低くしたり無くしたりするなどの加工が加えられてもよい。
【0049】
(エンドトキシン測定ステップ:光透過量の測定は、経時的な光透過量の変化の測定であってもよい)
また、透過量測定ステップでの光透過量の測定は、経時的な光透過量の変化の測定であってもよい。例えば、C因子物質を混合した直後の光の透過量を測定し、その後、直後の透過量からどれだけ変化したかを検出することによって、エンドトキシンの量を測定するようにしてもよい。
【0050】
(エンドトキシン測定ステップ:光透過量の測定は、光透過量の変化率の測定であってもよい)
また、透過量測定ステップでの光透過量の測定は、光透過量の変化率の測定であってもよい。例えば、直後の光の透過量を測定し、その透過量の閾値(例えば95パーセント)の透過量になるまでの時間を測定することにより、エンドトキシンの量を測定するようにしてもよい。
【0051】
(エンドトキシン測定ステップは、混合ステップと吸光度測定ステップとを有していてもよい)
また、エンドトキシン測定ステップは、混合ステップと吸光度測定ステップとを有していてもよい。
【0052】
「混合ステップ」は、測定対象液にC因子物質を混合するステップである。この場合のC因子物質は、例えば、図2に示された反応過程において、ステップS203で生成された凝固酵素がBoc−Leu―Gly−Arg−pNAに作用するようにしたものである。
【0053】
「吸光度測定ステップ」は、混合ステップで生成された混合液の吸光度を測定するステップである。混合液に、特定波長の光を照射し、その光の吸収の度合いを測定するステップである。上記のようにC因子物質がエンドトキシンにより凝固酵素のBoc−Leu―Gly−Arg−pNAへの作用を引き起こすものである場合には、pNAの最大吸収を示す405nmの波長における光の吸収の度合いを測定する。これにはキネティック法やエンドポイント法が含まれる。また、C因子物質がpNAをジアゾカップリングするものである場合は、450nmの波長における光の吸収の度合いを測定する。
【0054】
(本発明の測定方法のフローチャート)
図6は、本発明における血液エンドトキシン測定方法のフローチャートを例示している。
【0055】
まず、血液採取ステップとして、血液を採取する(ステップS601)。次に、白血球抽出ステップとして、ステップS601で採取された血液から、白血球を抽出する(ステップS602)。白血球破壊ステップとして、ステップS602で抽出した白血球の白血球細胞を破壊し、破壊済白血球液を得る(ステップS603)。そして、ステップS603で得られた破壊済白血球液に含まれる干渉因子の除去または不活化し(ステップS604)、エンドトキシンを測定する(ステップS605)。
【0056】
なお、本発明の血液エンドトキシン測定方法を使用する場合の器具は、エンドトキシンフリーのものを使用する。例えば、プラスチック製の器具であれば、ガンマ線滅菌をしたものを使用し、ガラス製の器具であれば、摂氏250度で2時間加熱したものを使用する。
【0057】
(遠心分離を用いた本発明における血液エンドトキシン測定方法の模式図)
図7は、遠心分離を用いた場合の本発明における血液エンドトキシン測定方法の処理の流れを模式的に例示する。
【0058】
ステップS701において、血液を採取し、遠心管に入れる。
【0059】
ステップS702において、遠心分離機により、採取された血液を遠心分離する。この時、遠心管にフタをするのが望ましい。
【0060】
ステップS703において、ピペットなどを用いて、白血球を抽出する。
【0061】
ステップS703において、白血球の破壊を行なう。
【0062】
ステップS705において、干渉因子の除去または不活化を行なう。
【0063】
ステップS706において、エンドトキシンの測定を行なう。
【0064】
(他の血球をも抽出して測定を行なってもよい)
なお、上記の説明では、白血球を抽出してエンドトキシンの測定を行なうと説明したが、白血球のみならず、赤血球も抽出し、白血球細胞と赤血球細胞を破壊し、破壊の結果得られる液の中に含まれる干渉因子の除去または不活化を行なって、エンドトキシンの測定を行なうようにしてもよい。
【0065】
また、白血球細胞と赤血球細胞を破壊したものに、白血球と赤血球との抽出が行なわれた血漿成分を加え、干渉因子の除去または不活化を行なって、エンドトキシンの測定を行なうようにしてもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、血中のエンドトキシンを測定することができる。特に、白血球に結合あるいは白血球に取り込まれたエンドトキシンを測定するので、測定の感度を下げないようにすることが可能である。また、測定結果と病態との関係が不明確にならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンドトキシンの活性の過程を模式的に示す図
【図2】カブトガニの血球抽出液とエンドトキシンとの反応の過程を示す図
【図3】ゲル化により、エンドトキシンの存在の判定方法を示す図
【図4】光の透過量によりエンドトキシンの濃度の測定方法を示す図
【図5】光の透過量の変化を示すグラフの一例図
【図6】本発明における血液エンドトキシン測定方法のフローチャート
【図7】遠心分離を用いた場合の本発明における血液エンドトキシン測定方法の処理の流れを示す図
【図8】白血球を除去するカラムの断面図

Claims (11)

  1. 血液を採取する血液採取ステップと、
    血液採取ステップで採取した血液から白血球を抽出する白血球抽出ステップと、白血球抽出ステップで抽出した白血球の白血球細胞を破壊し破壊済白血球液を得る白血球破壊ステップと、
    白血球破壊ステップで得られた破壊済白血球液に含まれる干渉因子を除去または不活化して測定対象液を得る干渉因子排除ステップと、
    干渉因子排除ステップで得られた測定対象液に含まれるエンドトキシンを測定するエンドトキシン測定ステップと、
    を有する血液エンドトキシン測定方法。
  2. 前記血液は、人間または動物の血液である請求項1に記載の血液エンドトキシン測定方法。
  3. 前記白血球抽出ステップにおいては、血液採取ステップで採取された血液を遠心分離することにより血液中の他の成分から分離された白血球を採取することを特徴とする請求項1に記載の血液エンドトキシン測定方法。
  4. 前記白血球抽出ステップで抽出する白血球は、好中球と、マクロファージからなることを特徴とする請求項1に記載の血液エンドトキシン測定方法。
  5. 前記白血球破壊ステップは、白血球抽出ステップで抽出した白血球に超音波を加えることにより破壊済白血球液を得ることを特徴とする請求項1に記載の血液エンドトキシン測定方法。
  6. 前記白血球破壊ステップは、白血球抽出ステップで抽出した白血球に凍結融解の操作を加えることにより破壊済白血球液を得ることを特徴とする請求項1に記載の血液エンドトキシン測定方法。
  7. 前記エンドトキシン測定ステップは、
    干渉因子排除ステップで得られた測定対象液にC因子を含む物質であるC因子物質を混合する混合ステップと、
    混合ステップで生成された混合液の光透過量を測定する透過量測定ステップと、
    を有する請求項1から6のいずれか一に記載の血液エンドトキシン測定方法。
  8. 前記C因子物質は、カブトガニの血球抽出液から生成されたものであることを特徴とする請求項7に記載の血液エンドトキシン測定方法。
  9. 前記透過量測定ステップでの光透過量測定は、経時的な光透過量の変化の測定であることを特徴とする請求項7または8に記載の血液エンドトキシン測定方法。
  10. 前記経時的な光透過量の変化の測定は、光透過量の変化率の測定であることを特徴とする請求項9に記載の血中エンドトキシンの測定方法。
  11. 前記エンドトキシン測定ステップは、
    干渉因子排除ステップで得られた測定対象液にC因子を含む物質であるC因子物質を混合する混合ステップと、
    混合ステップで生成された混合液の吸光度を測定する吸光度測定ステップと、を有する請求項1から6のいずれか一に記載の血液エンドトキシン測定方法。
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