JP2004116818A - 焼却炉及び焼却方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイオキシン類の発生を効果的に抑制すると共に、焼却にかかるコストを削減することができる焼却炉及び焼却方法を提供する。
【解決手段】焼却炉Aは、被焼却物を燃焼させる一次燃焼室1と、一次燃焼室1と連通して設けてある二次燃焼室3と、二次燃焼室3における燃焼を助ける補助燃焼バーナー31と、一次燃焼室1の温度を検知する一次温度センサS1と、二次燃焼室3の温度を検知する二次温度センサS2と、補助燃焼バーナー31の作動を制御する制御装置Cを備えている。制御装置Cは、一次燃焼室1と二次燃焼室3の何れもが予め設定された温度範囲よりも低い場合に、補助燃焼バーナー31を作動させて二次燃焼室3の温度を上昇させ、一次燃焼室1と二次燃焼室3の少なくとも何れかが予め設定された温度範囲よりも高い場合に、補助燃焼装置31を作動させないようにしてある。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は焼却炉に関する。
更に詳しくは、ダイオキシン類の発生を効果的に抑制すると共に、焼却にかかるコストを削減することができるものに関する。
【0002】
【従来技術】
工場や事務所などの事業所では、木材屑、廃材木、紙屑、段ボール等の廃棄物の処理に、焼却炉を使用した焼却方法が採用されている。
【0003】
しかしながら、近年、焼却炉から発生するダイオキシン類が社会的な問題となっており、平成12年1月15日から施行されたダイオキシン類対策特別処置法によって、ダイオキシン類の排出量が厳しく規制されることになった。
【0004】
従来より、ダイオキシン類の抑制を目的とした焼却炉として、一次燃焼室の上に更に二次燃焼室を備えた焼却炉が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような焼却炉では、一次燃焼室での燃焼で発生した燃焼ガスを二次燃焼室に設置された助燃バーナー等の補助燃焼装置によって高温燃焼させることにより、ダイオキシン類の発生を抑制している。
【0005】
【特許文献1】
登録実用新案第3070256号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の二次燃焼室を備えた焼却炉では、助燃バーナー等の補助燃焼装置を作動させるために重油等の燃料が必要であるため、廃棄物が多量に発生する事業所等では、焼却にかかるコストが高額になるという問題があった。
【0007】
例えば木材を扱う木工所や製材所等では、毎日発生する大量の鋸屑等の木材屑を円滑に廃棄処分する必要があり、そのためには工場敷地内に設置した焼却炉を使わざるを得ないという事情がある。しかし、焼却炉の高額な運転費用は、木工所や製材所等にとって経営を圧迫する一つの要因にもなっている。
【0008】
(発明の目的)
そこで本発明の目的は、ダイオキシン類の発生を効果的に抑制すると共に、焼却にかかるコストを削減することができる焼却炉及び焼却方法とする。
その他の本発明の目的は、以下の説明によって明らかになるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
被焼却物を燃焼させる一次燃焼室と、
該一次燃焼室と連通して設けてある二次燃焼室と、
上記一次燃焼室または/及び二次燃焼室における燃焼を助ける補助燃焼装置と、
一次燃焼室の温度を検知する一次温度検知手段と、
二次燃焼室の温度を検知する二次温度検知手段と、
上記一次温度検知手段と二次温度検知手段が検知した温度に基づいて、上記補助燃焼装置の作動を制御する制御装置と、
を備えており、
制御装置は、
一次燃焼室と二次燃焼室の何れもが予め設定された温度よりも低い場合に、補助燃焼装置を作動させて上記一次燃焼室または/及び二次燃焼室の温度を上昇させ、
一次燃焼室と二次燃焼室の少なくとも何れかが予め設定された温度よりも高い場合に、補助燃焼装置を作動させないようにしてあることを特徴とする、
焼却炉である。
【0010】
第2の発明にあっては、
被焼却物を燃焼させる一次燃焼室と、
該一次燃焼室と連通して設けてある二次燃焼室と、
該二次燃焼室における燃焼を助ける補助燃焼装置と、
一次燃焼室の温度を検知する一次温度検知手段と、
二次燃焼室の温度を検知する二次温度検知手段と、
上記一次温度検知手段と二次温度検知手段が検知した温度に基づいて、上記補助燃焼装置の作動を制御する制御装置と、
を備えており、
制御装置は、
一次燃焼室と二次燃焼室の何れもが予め設定された温度範囲よりも低い場合に、補助燃焼装置を作動させて二次燃焼室の温度を上昇させ、
一次燃焼室と二次燃焼室の少なくとも何れかが予め設定された温度範囲よりも高い場合に、補助燃焼装置を作動させないようにしてあることを特徴とする、
焼却炉である。
【0011】
第3の発明にあっては、
一次燃焼室(1)または/及び二次燃焼室(2)に空気を供給する空気供給口が多数設けられていることを特徴とする、
第1または第2の発明に係る焼却炉である。
【0012】
第4の発明にあっては、
空気が空気供給口から所要の角度で下向きに供給されるようにしてあることを特徴とする、
第3の発明に係る焼却炉である。
【0013】
第5の発明にあっては、
焼却炉を用いた焼却方法であって、
炉内の温度がダイオキシン類の発生を抑制可能な設定温度範囲よりも低い場合に、補助燃焼装置を作動させて炉内の温度を上昇させ、
炉内の温度が上記設定温度範囲よりも高い場合に、補助燃焼装置を作動させないようにすることを特徴とする、
焼却方法である。
【0014】
本明細書にいう「一次燃焼室または/及び二次燃焼室」には、一次燃焼室または二次燃焼室のいずれか一方を含む場合もあるし、あるいは一次燃焼室及び二次燃焼室の両方を含む場合もある。
【0015】
一次温度検知手段と二次温度検知手段は、それぞれ一次燃焼室と二次燃焼室の温度を検知するが、その温度は、例えば燃焼室の炉自体の温度であっても良く、燃焼室内部の燃焼温度であっても良い。
【0016】
本明細書にいう「補助燃焼装置を作動させない」とは、「補助燃焼装置の作動を停止させる」という意味を含む広い概念で使用している。
【0017】
(作 用)
本発明に係る焼却炉は、次のように作用する。
即ち、被焼却物の燃焼により一次燃焼室で発生した燃焼ガスは、二次燃焼室の補助燃焼装置で二次燃焼される。これにより、燃焼時に発生するダイオキシン類は効果的に抑制される。
また、一次燃焼室と二次燃焼室の何れもが予め設定された温度(ダイオキシン類の発生が抑制される例えば800℃)よりも低い場合には、補助燃焼装置が作動する。これにより、一次燃焼室または/及び二次燃焼室の温度が上昇し、ダイオキシン類の発生が抑制される。
更に、一次燃焼室と二次燃焼室の少なくとも何れかが予め設定された上記温度よりも高い場合には、ダイオキシン類の発生が十分に抑制されるため、補助燃焼装置を作動が停止する。これにより、補助燃焼装置の燃料消費が低減される。
このようにすれば、燃料が無駄に消費されず、焼却にかかるコストを削減することができる。
【0018】
一次燃焼室または/及び二次燃焼室に空気を供給する空気供給口が多数設けられているものは、一次燃焼室または/及び二次燃焼室に空気が供給され、一次燃焼室または/及び二次燃焼室の温度は短時間で上昇する。これにより、一次燃焼室または/及び二次燃焼室に設けてある補助燃焼装置の作動をいち早く停止させ、燃料が無駄に消費されることを防止することができる。
【0019】
空気が空気供給口から所要の角度で下向きに供給されるようにしてあるものでは、空気供給口から供給される空気により、一次燃焼室または/及び二次燃焼室内に発生する上昇気流が抑え込まれ、燃焼ガスの滞留時間が長くなる。これにより、一次燃焼室または/及び二次燃焼室の温度を短時間で上昇させることができ、上記した同様の効果が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る焼却炉の一実施の形態を示す正面視概略説明図、
図2は焼却炉の右側面視概略説明図、
図3は焼却炉の平面視概略説明図、
図4は焼却炉の炉体の内部構造を表した横断面説明図、
図5は焼却炉の炉体の底部側を断面して内部構造を表した縦断面拡大説明図、
図6は焼却炉の炉体の内部構造を表した縦断面説明図で、被焼却物投入口を開閉する扉の他の実施の形態を示している。
【0021】
なお、本実施の形態では、例えば木工所や製材所等から大量に発生する鋸屑等の木材屑を連続的に焼却することを主な目的として、焼却炉を使用した場合を例に挙げ説明する。ただし、木材屑以外の被焼却物、例えば廃材木、段ボール、紙屑、廃ゴム、廃プラスチック類、発泡スチロール、厨芥等の焼却にも使用できることは言うまでもない。
【0022】
図1に示す焼却炉Aは炉体2を備えている。炉体2は、木材屑等の被焼却物を収容して燃焼させる一次燃焼室(主燃焼室)1と、一次燃焼室1の上部に連通して設けてある二次燃焼室(副燃焼室)3を有している。
【0023】
炉体2のうち、一次燃焼室1が設けてある部分は、鉄製で略円筒状に形成され、図4に示すように内側面側にキャスタブル耐火物や耐火れんが等の耐火物21を有する耐火構造となっている。
【0024】
一次燃焼室1の正面側(図2で左側)のほぼ中央部分には、被焼却物投入口220を開閉する内扉(図面では隠れて見えず)と外側の開閉扉22,22とが設けてある。内扉と開閉扉22,22は、ヒンジ(図示省略)によって、左右両外側に(いわゆる観音開き式で)開閉可能となっている。
【0025】
更に被焼却物投入口220の下方側には、被焼却物に火を着けたり、焼却によって生じた灰を取り出すための点火排出口230が設けられている。点火排出口230にも同様に、ヒンジ(図示省略)を介して手前に開閉可能な開閉扉23が設けてある。
【0026】
図1で炉体2の右側には、ほぼL形に曲げられた投入管41を介して投入サイクロン4(図2及び図3も参照)が接続されている。図3で投入サイクロン4の投入口400には、木材屑供給管(図示省略)の一端部が接続可能となっている。木材屑供給管の他端部は、木工所や製材所等の工場の内部に導かれ、そこで発生する木材屑が送風機から供給される空気により木材屑供給管を介して投入サイクロン4に自動投入される。なお、符号42は、投入サイクロン4から第一次燃焼室1に木材屑を投入可能にする操作レバーを示している。投入サイクロン4は周知の技術であるため、詳しい構造の説明は省略する。
【0027】
図2、図4及び図5に示すように、炉体2のうち、一次焼却室1が設けてある部分の内側部には、一次空気供給ノズル51,…が供給口を炉内に向けて設けてある。詳しくは、一次空気供給ノズル51,…は、一次焼却室1の周方向に所要間隔で複数、且つ、上下方向に所要間隔で複数(本実施の形態では合計で108箇所に多数)設けてある。一次空気供給ノズル51,…は、図5に示すように、水平方向に対して約30度の角度で下向きになるよう配置されている。なお、底部側の一次空気供給ノズル51は、ほぼ水平に設けてある。
【0028】
一次空気供給ノズル51,…は、図5で示すように、炉体2(耐火物21)の内側部内に上下方向に埋設された空気供給管52,…と連通している。空気供給管52,…は、図4に示すように、炉体2の周方向に所要間隔で複数設けてある。炉体2内部の底部側には、図5で示すように、炉体2の内部と境界板24で区切られた空気供給室250が設けてあり、この空気供給室250に各空気供給管52の下端部が連通している。空気供給室250には、一次送風機53(一次ブロワ)が接続されおり、一次送風機53から送られる空気は空気供給室250から空気供給管52,…を通り、一次空気供給ノズル51,…から一次燃焼室1に供給される。
【0029】
また図1に示すように、炉体2の上方の左寄りには、スチームセパレータ6が連通して設けてある。スチームセパレータ6により、炉体2内部の水蒸気を分離することができる。スチームセパレータ6については、周知の技術を採用しているため、構造についての詳しい説明は省略する。なお、符号26は給水タンクを示している。
【0030】
図1及び図3に示すように、炉体2のうち、一次燃焼室1が設けてある部分の側壁部には、高さ方向のほぼ中間部分に内側に向けて一次温度センサS1(図2では隠れて見えず)が設けてある。一次温度センサS1により、一次燃焼室1の燃焼温度が検知される。
【0031】
一次燃焼室1の上部側には、上記したように略箱型形状を有する二次燃焼室3が連設されている。二次燃焼室3の正面側(図3で下側)には、二次燃焼室3における燃焼を助ける補助燃焼装置である補助燃焼バーナー31が設けてある。図3に示すように、補助燃焼バーナー31は、燃料供給管32を介して燃料ポンプPに接続され、更に燃料ポンプPは燃料供給管(符号省略)を通じて燃料タンクTと接続されている。なお、補助燃焼バーナー31については、周知の技術であるため、詳しい構造の説明は省略する。
【0032】
更に図1及び図3に示すように、二次燃焼室3には二次温度センサS2が設けてあり、この二次温度センサS2によって二次燃焼室3の燃焼温度が検知される。そして、図3に示す制御装置Cは、一次温度センサS1が検知した一次燃焼室1の温度と、二次温度センサS2が検知した二次燃焼室3の温度に基づき、補助燃焼バーナー31のON、OFFを制御する。
【0033】
即ち、一次燃焼室1と二次燃焼室3の何れもが予め設定された温度範囲よりも低い場合には、補助燃焼バーナー31を作動させて二次燃焼室3の温度を上昇させる。また、一次燃焼室1と二次燃焼室3の少なくとも何れかが予め設定された温度範囲よりも高い場合には、補助燃焼バーナー31を作動させないようにする。
【0034】
なお、本実施の形態では、上記した設定温度範囲を、ダイオキシン類の発生を十分に抑制することができる800℃〜830℃(下限値が800℃、上限値830℃)としているが、特にこれに限定するものではなく、適宜設定することができる。
【0035】
図2に示すように、二次燃焼室3の背面側の排気口330には、接続管34を介してサイクロン集塵装置7が連結され、更にサイクロン集塵装置7の上部側には煙突8が設けられている。サイクロン集塵装置7は、二次燃焼室3から接続管34を介して流入して旋回しながら降下するガス流を、煤塵と燃焼ガスとに分離するほぼ円錐状のサイクロン部71と、サイクロン部71の下方に配置され、分離された煤塵を貯留する円筒状の煤塵貯留箱72を備えている。
【0036】
煙突8の下方側には排気用誘引送風機81が設けてある。排気用誘引送風機81から導出された空気供給管811は、先部側が煙突8の内部に導入されており、途中で上方に向かって略直角に曲げられている。煙突8内部のうち、空気供給管811の先部側が位置する近傍には、上方に向かってすぼまるようにして形成された誘引排ガス板82によって煙突8下方部分の排気口が狭められ中央排気口83を構成している。この排気用誘引送風機81と中央排気口83によって、サイクロン集塵装置7で分離された燃焼ガスは、煙突8の中心側に絞り込まれるように高速で流出される。
【0037】
なお、被焼却物投入口220を開閉する開閉扉22,22の構造は、上記したものに特に限定するものではなく、例えば図6に示すような構造とすることもできる。
即ち、内側の被焼却物投入口220を開閉する吊り戸式の内扉27が設けてあり、更に内扉27の正面側に、載置台28を備えた箱状の投入ボックス29が設けてある。投入ボックス29の側面側に開口している外部投入口290には、開き戸式の開閉扉291,291が開閉可能に設けてある。投入ボックス29には、進退可能なプッシャ装置30が設けてある。この構造によれば、外部投入口290から載置台28に投入・載置した木材屑を、プッシャ装置30で手動により押し出し、木材屑を被焼却物投入口220から炉体2内に投入することができる。
【0038】
(作 用)
図面を参照して、本実施の形態に係る焼却炉Aの作用を説明する。
まず、図3に示す補助燃焼バーナー31用の燃料ポンプPを作動させる。それと共に、補助燃焼バーナー31の送風スイッチ(図示省略)をONにして、補助燃焼バーナー31を作動(点火)させる。補助燃焼バーナー31の火炎によって、二次燃焼室3は800℃以上に加熱される。
【0039】
続いて、図1に示す炉体2の開閉扉22,22と内扉(符号省略)を開き、紙屑等に点火した火種を被焼却物投入口220から投げ込む。これにより、一次燃焼室1に予め投入されている木材屑や廃材木等の被焼却物に着火し、燃焼を開始する。また、図1で炉体2の右側に設けてある投入サイクロン4からは、定量送りにより、木材屑が一次燃焼室1に自動投入される。
【0040】
燃焼が開始されると、木材屑は一次燃焼してガス化する。しかしながら、後述のように、一次燃焼室1がダイオキシン類の発生を十分に抑制できる800℃以上に達するまでには、約5分〜7分ほどかかるため、この燃焼ガスは未燃焼ガスを含んでいる可能性がある。しかし、上記したように、二次燃焼室3は予め800℃以上に加熱されているため、一次燃焼室1で生じた燃焼ガスは二次燃焼室3で二次燃焼され、未燃焼ガスを残さずに完全に焼却される。これにより、ダイオキシン類の発生が抑制される。
【0041】
更に燃焼が開始されると、図5に示すように、一次送風機53から空気供給管52,…を通って送られた空気が、一次空気供給ノズル51,…から一次燃焼室1に供給される。
【0042】
本実施の形態では、108本の一次空気供給ノズル51,…が水平方向に対して約30度の角度で下向きになるよう配置されている。この一次空気供給ノズル51,…から下向きに供給される空気によって、一次燃焼室1内に発生する上昇気流を抑え込み、一次燃焼室1内の燃焼ガスの滞留時間を長くする。これにより、一次燃焼室1は短時間(5分〜7分)で800℃以上の高温になり、ダイオキシン類の発生は抑制される。
【0043】
ところで、本実施の形態では、木工所や製材所等から大量に発生する木材屑を連続的に焼却することを主な目的としている。木材屑は、廃材木等の大きな被焼却物と異なり、燃焼によって発生する上昇気流によって舞いやすいため、一次燃焼室1は高温になりにくい。そこで、上記したように一次空気供給ノズル51,…から下向きに供給される空気により上昇気流を抑え込むことで、木材屑を一次燃焼室1に長く留めさせ、短時間で一次燃焼室の高温化が可能となる。このような構成は、木材屑を連続的に焼却することを主な目的とした焼却炉Aに特に有用である。
【0044】
更に、一次燃焼室1の温度が設定温度範囲の上限値である830℃よりも高い場合、それを一次温度センサS1が検知する。そして、その検知データに基づいて制御装置C(図3参照)が、二次燃焼室3の補助燃焼バーナー31の作動を停止させる。つまり、一次燃焼室1の温度がダイオキシンの発生を十分に抑制できる温度まで上昇すると、補助燃焼バーナー31が停止して、補助燃焼バーナー31の燃料消費を低減させる。
【0045】
これについては、二次燃焼室3の温度が830℃よりも高い場合も同様で、二次燃焼室3の温度がダイオキシンの発生を十分に抑制できる温度まで上昇すると、補助燃焼バーナー31が停止し、補助燃焼バーナー31の燃料消費を低減させる。
【0046】
また更に、上記した一次空気供給ノズル51,…から供給される空気により、一次燃焼室1の温度を短時間で上昇させることができるので、補助燃焼バーナー31の作動をいち早く停止させて、補助燃焼バーナー31の燃料消費を低減させている。
以上説明したように、補助燃焼バーナー31の作動を停止させることにより、焼却にかかるコストを削減することができる。
【0047】
また、仮に一次燃焼室1と二次燃焼室3の何れもが設定温度範囲の下限値である800℃よりも低くなった場合、一次温度センサS1と二次温度センサS2がそれを検知し、その検知データに基づいて制御装置Cが補助燃焼バーナー31を再び作動させる。このように、各燃焼室1,3が800℃よりも低くなることを防止して、ダイオキシン類の発生を抑制している。
【0048】
なお、補助燃焼バーナー31の送風装置(図示省略)は、熱によるバーナーの破損を防止するため、補助燃焼バーナー31がOFFになっても常に作動するようになっている。
【0049】
二次燃焼室3を通過した燃焼ガスは、図2に示す接続管34を経てサイクロン集塵装置7に流入する。サイクロン集塵装置7により、燃焼ガスに含まれる焼却灰や飛灰などの煤塵が遠心分離されて、サイクロン部71の下部に設けられた煤塵貯留箱72に貯えられ、煤塵が除去された清浄な燃焼ガスは煙突8を通って、大気中に排出される。
【0050】
<実験例>
本実施の形態に係る焼却炉Aを使用して、下記被焼却物を焼却した際の排出ガス中に含まれるダイオキシン類の濃度を測定した。被焼却物は、木材屑85%、発泡スチロール15%である。排出ガス中のダイオキシン類の濃度は、0.06ng−TEQ/mNであり、H12年1月15日に施行されたダイオキシン類対策特別処置法の排出基準値5ng−TEQ/mN(焼却能力50kg/h以上200kg/h未満:新設)を大きく下回るものであった。
【0051】
なお、本明細書で使用している用語と表現はあくまで説明上のものであって、限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示の実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0052】
更に、特許請求の範囲には、請求項記載の内容の理解を助けるため、図面において使用した符号を括弧を用いて記載しているが、特許請求の範囲を図面記載のものに限定するものではない。
【0053】
【発明の効果】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明に係る焼却炉によれば、一次燃焼室で発生した燃焼ガスを二次燃焼室の補助燃焼装置で二次燃焼させることにより、燃焼時に発生するダイオキシン類を効果的に抑制することができる。
また、一次燃焼室と二次燃焼室の何れもが予め設定された温度(ダイオキシン類の発生が抑制される例えば800℃)よりも低い場合には、補助燃焼装置を作動させて一次燃焼室または/及び二次燃焼室の温度を上昇させることにより、ダイオキシン類の発生を確実に抑制することができる。
更に、一次燃焼室と二次燃焼室の少なくとも何れかが予め設定された上記温度よりも高い場合には、ダイオキシン類の発生が十分に抑制されるため、補助燃焼装置を作動を停止して、補助燃焼装置の燃料消費を低減させる。このようにすれば、燃料が無駄に消費されず、焼却にかかるコストを削減することができる。
【0054】
(b)一次燃焼室または/及び二次燃焼室に空気を供給する空気供給口が多数設けられているものは、一次燃焼室または/及び二次燃焼室に空気を供給することにより、一次燃焼室または/及び二次燃焼室の温度を短時間で上昇させることができる。これにより、一次燃焼室または/及び二次燃焼室に設けてある補助燃焼装置の作動をいち早く停止させ、燃料が無駄に消費されることを防止することができる。
【0055】
(c)一次燃焼室または/及び二次燃焼室に空気を供給する空気供給口から空気が所要の角度で下向きに供給されるようにしてあるものでは、一次燃焼室または/及び二次燃焼室内に発生する上昇気流を抑え込み、燃焼ガスの滞留時間を長くすることができる。これにより、一次燃焼室または/及び二次燃焼室の温度を短時間で上昇させることができ、上記した同様の効果が得られる。
【0056】
(d)本発明に係る焼却方法によれば、炉内の温度がダイオキシン類の発生を抑制可能な設定温度範囲よりも低い場合に、補助燃焼装置を作動させて炉内の温度を上昇させ、炉内の温度が上記設定温度範囲よりも高い場合に、補助燃焼装置を作動させないようにすることにより、ダイオキシン類の発生を効果的に抑制すると共に、補助燃焼装置の燃料消費を低減させて、焼却にかかるコストを削減することができる。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る焼却炉の一実施の形態を示す正面視概略説明図。
【図2】焼却炉の右側面視概略説明図。
【図3】焼却炉の平面視概略説明図。
【図4】焼却炉の炉体の内部構造を表した横断面説明図。
【図5】焼却炉の炉体の底部側を断面して内部構造を表した縦断面拡大説明図。
【図6】焼却炉の炉体の内部構造を表した縦断面説明図で、被焼却物投入口を開閉する扉の他の実施の形態を示す。
【符号の説明】
A 焼却炉
C 制御装置
P 燃料ポンプ
S1 一次温度センサ
S2 二次温度センサ
T 燃料タンク
1 一次燃焼室
2 炉体
21 耐火物
22 開閉扉
220 被焼却物投入口
23 開閉扉
230 点火排出口
24 境界板
250 空気供給室
26 給水タンク
27 内扉
28 載置台
29 投入ボックス
290 外部投入口
291 開閉扉
3 二次燃焼室
30 プッシャ装置
31 補助燃焼バーナー
32 燃料供給管
330 排気口
34 接続管
4 投入サイクロン
400 投入口
41 投入管
42 操作レバー
51 一次空気供給ノズル
52 空気供給管
53 一次送風機
6 スチームセパレータ
7 サイクロン集塵装置
71 サイクロン部
72 煤塵貯留箱
8 煙突
81 排気用誘引送風機
811 空気供給管
82 誘引排ガス板
83 中央排気口
85 木材屑

Claims (5)

  1. 被焼却物を燃焼させる一次燃焼室(1)と、
    該一次燃焼室(1)と連通して設けてある二次燃焼室(3)と、
    上記一次燃焼室(1)または/及び二次燃焼室(3)における燃焼を助ける補助燃焼装置(31)と、
    一次燃焼室(1)の温度を検知する一次温度検知手段(S1)と、
    二次燃焼室(3)の温度を検知する二次温度検知手段(S2)と、
    上記一次温度検知手段(S1)と二次温度検知手段(S2)が検知した温度に基づいて、上記補助燃焼装置(31)の作動を制御する制御装置(C)と、
    を備えており、
    制御装置(C)は、
    一次燃焼室(1)と二次燃焼室(3)の何れもが予め設定された温度よりも低い場合に、補助燃焼装置(31)を作動させて上記一次燃焼室(1)または/及び二次燃焼室(3)の温度を上昇させ、
    一次燃焼室(1)と二次燃焼室(3)の少なくとも何れかが予め設定された温度よりも高い場合に、補助燃焼装置(31)を作動させないようにしてあることを特徴とする、
    焼却炉。
  2. 被焼却物を燃焼させる一次燃焼室(1)と、
    該一次燃焼室(1)と連通して設けてある二次燃焼室(3)と、
    該二次燃焼室(3)における燃焼を助ける補助燃焼装置(31)と、
    一次燃焼室(1)の温度を検知する一次温度検知手段(S1)と、
    二次燃焼室(3)の温度を検知する二次温度検知手段(S2)と、
    上記一次温度検知手段(S1)と二次温度検知手段(S2)が検知した温度に基づいて、上記補助燃焼装置(31)の作動を制御する制御装置(C)と、
    を備えており、
    制御装置(C)は、
    一次燃焼室(1)と二次燃焼室(3)の何れもが予め設定された温度範囲よりも低い場合に、補助燃焼装置(31)を作動させて二次燃焼室(3)の温度を上昇させ、
    一次燃焼室(1)と二次燃焼室(3)の少なくとも何れかが予め設定された温度範囲よりも高い場合に、補助燃焼装置(31)を作動させないようにしてあることを特徴とする、
    焼却炉。
  3. 一次燃焼室(1)または/及び二次燃焼室(2)に空気を供給する空気供給口が多数設けられていることを特徴とする、
    請求項1または2記載の焼却炉。
  4. 空気が空気供給口から所要の角度で下向きに供給されるようにしてあることを特徴とする、
    請求項3記載の焼却炉。
  5. 焼却炉を用いた焼却方法であって、
    炉内の温度がダイオキシン類の発生を抑制可能な設定温度範囲よりも低い場合に、補助燃焼装置を作動させて炉内の温度を上昇させ、
    炉内の温度が上記設定温度範囲よりも高い場合に、補助燃焼装置を作動させないようにすることを特徴とする、
    焼却方法。
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