JP2004116314A - 高速回転機械及び静圧軸受を備えた流体機械 - Google Patents

高速回転機械及び静圧軸受を備えた流体機械 Download PDF

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松村 正夫
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Abstract

【課題】タッチダウン時の回転軸のふれまわりを防止して補助軸受の長寿命化を図ることができる高速回転機械を提供する。
【解決手段】高速で回転する回転軸50と、回転軸50を支持する非接触型軸受61,62と、タッチダウン時に回転軸50を支持する補助軸受71,72とを備えた高速回転機械において、補助軸受71,72の内周側にテーパ面71a,72aを形成し、補助軸受71,72のテーパ面71a,72aに嵌合可能なテーパ面91a,92aを外周に有する軸スリーブ91,92を回転軸50に取り付けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速回転機械に係り、特に磁気軸受などの非接触型軸受を備え、高速で回転するターボ分子ポンプなどの真空回転機械や、石油精製、石油化学、液化天然ガス(LNG)プラント、液体水素(LH)プラント、その他一般産業において使用される高速回転機械に関するものである。また、本発明は、静圧軸受を備えた流体機械に係り、特に石油精製や石油化学で取り扱われる液体や、液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)などの低温液化ガスに使用される静圧軸受を備えた流体機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、高速回転機械では回転軸を支持する軸受の寿命が問題となる。最適な潤滑方法により潤滑油を軸受に供給できれば、軸受の寿命を比較的長くすることができる。しかしながら、真空中や低温液体中で作動する回転機械の場合には、軸受として非接触型軸受が用いられることが多く、上述した潤滑方法を使用することができない。
【0003】
上述した非接触型軸受としては、現在、磁気軸受が最も広く用いられており、その他の非接触型軸受としては、定常運転中に非接触で回転軸を支持することができる静圧軸受がある。このような非接触型軸受を用いた場合には、停電や回路の故障、その他の故障などにより軸受の作用が生じなくなることを考慮して、非接触型軸受に加えて接触型の補助軸受、いわゆるタッチダウン軸受が少なくとも2つ設けられる。
【0004】
特に、真空回転機械においては、予期せぬ真空破壊等のトラブルによって、回転機械の内部に大気が入り、回転翼に対する負荷が急激に上昇して回転翼が損傷してしまうことがあり、このとき回転軸が激しい振動状態に陥ってしまうことがある。このような状態になると、一般的に磁気軸受は負荷を支えきれずに制御不能に陥ってしまう。このような観点からも、上述したタッチダウン軸受が必要不可欠となっている。
【0005】
図5は、このような従来の高速回転機械の構成を示す模式図である。図5に示すように、従来の高速回転機械は、高速で回転する回転軸100と、回転軸100を回転駆動するモータ110と、回転軸100を支持する例えば磁気軸受などの非接触型軸受120,120と、タッチダウン時に回転軸100を支持する補助軸受(タッチダウン軸受)130,130とを備えている。ここで、タッチダウン軸受130の内径と回転軸100との間の間隙をc、非接触型軸受120の回転体120aと静止体120bとの間の間隙をdとすると、非接触型軸受120が作用しなくなった場合に回転体120aを保護するために、通常、c<dとなるように設定されている。
【0006】
ここで、定常運転中の磁気軸受120による回転軸100のふれまわり範囲は、タッチダウン軸受130の内周側の間隙cよりも小さいことが要求され、小さなふれまわりしか許されない。一方、タッチダウン軸受130の内周側の間隙cが大きすぎると、タッチダウン後の高速回転中における回転軸100の振動が大きくなる原因となってしまう。このように、タッチダウン軸受130の内周側の間隙cを適切に設定することは難しい。また、タッチダウン軸受130の内周側に間隙cが設けられている限り、タッチダウン時に回転軸100がふれまわりにより振動し、タッチダウン軸受130に大きなダメージを与え、これがタッチダウン軸受130の寿命を短くする原因となっている。
【0007】
また、上述した非接触型軸受として、加圧流体の圧力で負荷容量を得る静圧軸受がある。この静圧軸受は、通常ポケットと呼ばれる小室の流体の静圧を利用して回転軸を非接触で支持するものである。このような静圧軸受の加圧流体として移送される取扱液を用いる流体機械においては、流体機械の停止中、起動時や停止時等の過渡運転時には、吐出圧力が十分ではなく、静圧軸受の機能発揮に必要な圧力液が得られず、静圧軸受が十分に機能しない運転状態の領域が存在する。
【0008】
このような過渡運転時において回転軸を支持する補助軸受として、通常、静圧軸受とは別に補助軸受としてボール軸受が設けられる。このボール軸受の機能は、流体機械の停止中、起動時や停止等の過渡運転時においてだけ回転軸を支持することであり、吐出圧力が十分に得られる定常運転時においては、軸方向荷重、すなわち軸推力は、スラストバランス機構の作用により平衡し、また、静圧軸受が回転軸を支持するため、ボール軸受には回転軸支持の機能は要求されず、むしろ荷重が負荷されないような工夫がなされている。
【0009】
しかしながら、上述した流体機械において、2つ以上の補助軸受がある場合、各補助軸受と回転軸に取り付けられた軸スリーブとがうまく嵌り合わないことがあり、各補助軸受で均等に回転軸を支持できず、回転軸を安定的に支持できない場合があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、タッチダウン時の回転軸のふれまわりを防止して補助軸受の長寿命化を図ることができる高速回転機械を提供することを第1の目的とする。
【0011】
また、本発明は、過渡運転時にも回転軸を安定的に支持することができる静圧軸受を備えた流体機械を提供することを第2の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した第1の目的を達成するために、本発明の第1の態様は、高速で回転する回転軸と、上記回転軸を支持する非接触型軸受と、タッチダウン時に上記回転軸を支持する補助軸受とを備えた高速回転機械において、上記補助軸受の内周側にテーパ面を形成し、上記補助軸受のテーパ面に嵌合可能なテーパ面を外周に有する軸スリーブを上記回転軸に取り付けたことを特徴としている。
【0013】
このような構成により、タッチダウン時に補助軸受が大きくふれまわりながら回転することがないため、補助軸受の寿命を飛躍的に延ばすことができる。また、激しいタッチダウン時のふれまわりによる補助軸受の損傷によって回転軸の2次損傷が生じる危険を少なくすることができる。また、非接触型軸受の径方向間隙及び補助軸受と回転軸の径方向間隙を設定することに関して大幅な自由度ができ、設計上の制約がなくなる。
【0014】
本発明の好ましい一態様は、上記補助軸受に加わる軸方向荷重を吸収する弾性体を上記補助軸受に取り付けたことを特徴としている。このような構成により、タッチダウン時における軸方向荷重は、弾性体が取り付けられた補助軸受から他の補助軸受に滑らかに負荷移動することとなる。すなわち、タッチダウン時における軸方向荷重は、1つの補助軸受でのみ支持されるのではなく、すべての補助軸受でほぼ均等に支持することができるので、タッチダウン時においても回転軸を安定的に支持することができる。
【0015】
本発明の好ましい一態様は、上記非接触型軸受が磁気軸受であることを特徴としている。
【0016】
また、上述した第2の目的を達成するために、本発明の第2の態様は、回転軸と、定常運転中に上記回転軸を支持する静圧軸受と、過渡運転中に上記回転軸を支持する2つ以上の補助軸受とを備えた流体機械において、上記補助軸受の内周にテーパ面を形成し、上記補助軸受のテーパ面に嵌合可能なテーパ面を外周に有する軸スリーブを上記回転軸に取り付け、上記補助軸受に加わる軸方向荷重を吸収する弾性体を少なくとも1つの補助軸受に取り付けたことを特徴としている。
【0017】
本発明の好ましい一態様は、上記弾性体が取り付けられた補助軸受のテーパ面が上記軸スリーブのテーパ面に接触したときに、他の補助軸受のテーパ面と上記軸スリーブのテーパ面との間に所定の間隙が形成されることを特徴としている。
【0018】
このように、弾性体を少なくとも1つの補助軸受に取り付けたので、過渡運転時における軸方向荷重は、弾性体が取り付けられた補助軸受から他の補助軸受に滑らかに負荷移動することとなる。すなわち、過渡運転時における軸方向荷重は、1つの補助軸受でのみ支持されるのではなく、すべての補助軸受でほぼ均等に支持することができるので、過渡運転時においても回転軸を安定的に支持することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る高速回転機械の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態における高速回転機械を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態における高速回転機械は、上下に延びる回転軸50と、回転軸50を支持する2つの非接触型軸受61,62と、回転軸50を補助的に支持する2つの補助軸受71,72とを備えている。補助軸受71,72は、タッチダウン時や過渡運転中に回転軸50を支持するものであり、補助軸受71,72の位置は、回転軸50の固有振動数などを考慮して決定される。
【0020】
図1に示すように、各補助軸受71,72のアウタレース71a,72aはケーシング80に取り付けられており、インナレース71b,72bには、テーパ面81a,82aを有する軸受スリーブ81,82がそれぞれ取り付けられている。これらの軸受スリーブ81,82のテーパ面(内周面)81a,82aは、下方に向かって徐々に内径が小さくなっている。また、回転軸50には、軸受スリーブ81,82のテーパ面81a,82aに嵌合可能なテーパ面91a,92aを有する軸スリーブ91,92が取り付けられている。これらの軸スリーブ91,92のテーパ面(外周面)91a,92aは、軸受スリーブ81,82のテーパ面81a,82aに対応して下方に向かって外径が小さくなっている。
【0021】
ここで、上述した軸受スリーブ81,82のテーパ面81a,82a及び軸スリーブ91,92のテーパ面91a,92aは、それぞれ適当な表面処理を施すことが好ましく、これにより十分な耐久性を得ることができる。
【0022】
補助軸受71,72のうち、下部補助軸受72のアウタレース72aの下方には、下部補助軸受72に加わる軸方向荷重を吸収する弾性体85が取り付けられている。この弾性体85は、軸方向の荷重に対して弾性を有し、十分な耐久性を有する材質から形成され、例えば皿ばねやスプリングなどが弾性体85として用いられる。
【0023】
次に、上述のように構成された高速回転機械の作用について説明する。図1は、高速回転機械の定常運転時の状態を示しており、この状態では、回転軸50は、例えば磁気軸受などの非接触型軸受61,62の作用により非接触の状態で径方向(及び軸方向)に安定的に支持されている。すなわち、定常運転時においては、回転軸50に取り付けられた上部軸スリーブ91のテーパ面91aと上部軸受スリーブ81のテーパ面81aとの間、及び下部軸スリーブ92のテーパ面92aと下部軸受スリーブ82のテーパ面82aとの間には軸方向(及び径方向)に十分な間隙が形成されている。このように、上部軸スリーブ91と上部軸受スリーブ81、下部軸スリーブ92と下部軸受スリーブ82とがそれぞれ互いに接触しないようになっている。このとき、下部補助軸受72の下方に配置された弾性体85には、下部補助軸受72の自重のみがかかっており、回転軸50の荷重はかかっていない。なお、定常運転時においては、補助軸受71,72の内周側の径方向の間隙が非接触型軸受61,62の回転体と静止体との間の径方向の間隙よりも小さくなるようになっている。
【0024】
停電や回路の故障、その他の故障などにより非接触型軸受61,62の作用が低下すると、回転軸50は自重により下降し始め、下部軸スリーブ92のテーパ面92aが下部軸受スリーブ82のテーパ面82aと接触し始める。そして、下部補助軸受72の下方に配置された弾性体85には、回転軸50の荷重が徐々に加わり始める。図2(a)はこのようなタッチダウン時の状態を示す図である。この状態においては、上部軸スリーブ91のテーパ面91aと上部軸受スリーブ81のテーパ面81aとの間には軸方向に間隙aが形成されており、上部軸スリーブ91と上部軸受スリーブ81とは互いに接触していない。
【0025】
図2(a)に示す状態から回転軸50が更に下降すると、上部軸スリーブ91のテーパ面91aが上部軸受スリーブ81のテーパ面81aと接触し始め、上部補助軸受71にも回転軸50の荷重が加わり始める。図2(b)はこのときの状態を示す図である。図2(a)に示す状態から図2(b)に示す状態までの弾性体85の圧縮量bは上述した間隙aとほぼ等しくなる。この状態では、回転軸50は、軸方向及び径方向に2つの補助軸受71,72で支持される。このとき、軸受スリーブ81,82のテーパ面(内周面)81a,82aと軸スリーブ91,92のテーパ面(外周面)91a,92aとが嵌り合うことで回転軸50の芯出しが行われ、回転軸50の軸芯が非接触型軸受61,62の軸芯とほぼ一致した状態となる。したがって、回転軸50によって非接触型軸受61,62の内周部が傷つけられたり、摩耗されたりすることがない。このように、回転軸50が軸スリーブ91,92を介して完全に補助軸受71,72の軸受スリーブ81,82にほぼ隙間なく嵌り込み、回転軸50のふれまわりによる異常な振動が生じることがない。
【0026】
すなわち、本発明によれば、タッチダウン時に補助軸受71,72が大きくふれまわりながら回転することがないため、補助軸受71,72の寿命を飛躍的に延ばすことができる。また、激しいタッチダウン時のふれまわりによる補助軸受71,72の損傷によって回転軸50の2次損傷が生じる危険を少なくすることができる。また、非接触型軸受61,62の径方向間隙及び補助軸受71,72と回転軸50の径方向間隙を設定することに関して大幅な自由度ができ、設計上の制約がなくなる。
【0027】
また、弾性体85を下部補助軸受72の下方に取り付けたので、タッチダウン時における軸方向荷重は、下部補助軸受72から上部補助軸受71に滑らかに負荷移動することとなる。すなわち、タッチダウン時における軸方向荷重は、一方のタッチダウン軸受(補助軸受)でのみ支持されるのではなく、2つのタッチダウン軸受(補助軸受)でほぼ均等に支持することができるので、タッチダウン時においても回転軸を安定的に支持することができる。
【0028】
なお、上述した実施形態では、下部補助軸受72の下方に弾性体85を取り付けた例を説明したが、上部補助軸受71の下方に弾性体を取り付けてもよい。この場合には、上部補助軸受71の軸受スリーブ81と上部軸スリーブ91とが最初に嵌合する。
【0029】
ここで、上述した高速回転機械の構成は、静圧軸受を備えた流体機械に適用することができる。すなわち、非接触型軸受61,62として静圧軸受を用い、定常運転中にはこれらの静圧軸受61,62により回転軸50を支持し、また、補助軸受71,72としてボール軸受などを用い、過渡運転中にはこれらのボール軸受71,72により回転軸50を支持する。このような流体機械においては、図示しないスラストバランス機構が設けられ、このスラストバランス機構の自動平衡機能により運転中の軸スラスト力がバランスされる。
【0030】
定常運転時(図1)においては、回転軸50は、静圧軸受61,62の作用により非接触の状態で径方向に支持され、かつ、スラストバランス機構の作用により上下方向に安定して支持されている。すなわち、定常運転時においては、スラストバランス機構の作用により回転軸50が上方に浮上し、回転軸50に取り付けられた上部軸スリーブ91のテーパ面91aと上部軸受スリーブ81のテーパ面81aとの間、及び下部軸スリーブ92のテーパ面92aと下部軸受スリーブ82のテーパ面82aとの間には軸方向(及び径方向)に十分な間隙が形成される。このように、上部軸スリーブ91と上部軸受スリーブ81、下部軸スリーブ92と下部軸受スリーブ82とがそれぞれ互いに接触しない。このとき、下部ボール軸受72の下方に配置された弾性体85には、下部ボール軸受72の自重のみがかかっており、回転軸50の荷重はかかっていない。
【0031】
図1に示す状態から流体機械が停止し、回転数が低くなると、上述したスラストバランス機構の作用が次第に弱くなる。このため、回転軸50は自重により下降し始め、下部軸スリーブ92のテーパ面92aが下部軸受スリーブ82のテーパ面82aと接触し始める。そして、下部ボール軸受72の下方に配置された弾性体85には、回転軸50の荷重が徐々に加わり始める。このような過渡運転時の状態は図2(a)に対応する。この状態においては、上部軸スリーブ91のテーパ面91aと上部軸受スリーブ81のテーパ面81aとの間には軸方向に間隙aが形成されており、上部軸スリーブ91と上部軸受スリーブ81とは互いに接触していない。
【0032】
上述した状態から回転軸50が更に下降すると、上部軸スリーブ91のテーパ面91aが上部軸受スリーブ81のテーパ面81aと接触し始め、上部ボール軸受71にも回転軸50の荷重が加わり始める。このときの状態は図2(b)に対応する。図2(a)に示す状態から図2(b)に示す状態までの弾性体85の圧縮量bは上述した間隙aとほぼ等しくなる。この状態では、回転軸50は、軸方向及び径方向に2つのボール軸受71,72で支持される。このとき、軸受スリーブ81,82のテーパ面(内周面)81a,82aと軸スリーブ91,92のテーパ面(外周面)91a,92aとが嵌り合うことで回転軸50の芯出しが行われ、回転軸50の軸芯が静圧軸受61,62の軸芯とほぼ一致した状態となる。したがって、回転軸50によって静圧軸受61,62の内周部が傷つけられたり、摩耗されたりすることがない。このように、回転軸50が軸スリーブ91,92を介して完全にボール軸受71,72の軸受スリーブ81,82にほぼ隙間なく嵌り込み、回転軸50のふれまわりによる異常な振動が生じることがない。
【0033】
流体機械の停止状態、すなわち図2(b)に示す状態から流体機械を始動する場合には、上述したように軸受スリーブ81,82のテーパ面81a,82aと軸スリーブ91,92のテーパ面91a,92aとが嵌り合い、回転軸50がボール軸受71,72に支持された状態で回転し始める。そして、回転数の上昇に伴い、上述したスラストバランス機構が作用し始めるようになると、回転軸50は徐々に上昇し始める。図3(a)は、図2(b)に示す状態から回転軸50が上昇した過渡運転時の状態を示す図である。回転軸50の上昇に伴って弾性体85は圧縮状態から徐々に復元していき、図3(a)に示すように、下部ボール軸受72の自重のみがかかった状態(すなわち回転軸50の荷重がかかっていない状態)に復帰する。このとき、上述したように、上部軸スリーブ91のテーパ面91aと上部軸受スリーブ81のテーパ面81aとの間には軸方向に十分な間隙が形成される。
【0034】
図3(b)は、図3(a)に示す状態から更にスラストバランス機構の作用により回転軸50が定常運転時の位置まで上昇した状態を示している。このとき、上述したように、回転軸50に取り付けられた上部軸スリーブ91のテーパ面91aと上部軸受スリーブ81のテーパ面81aとの間、及び下部軸スリーブ92のテーパ面92aと下部軸受スリーブ82のテーパ面82aとの間には軸方向(及び径方向)に十分な間隙が形成される。また、弾性体85には、下部ボール軸受72の自重のみがかかるようになっている。
【0035】
上述した構成の流体機械によれば、過渡運転時においては、軸受スリーブ81,82のテーパ面(内周面)81a,82aと軸スリーブ91,92のテーパ面(外周面)91a,92aとが嵌り合うことで回転軸50の芯出しを行い、回転軸50の軸芯を静圧軸受61,62の軸芯とほぼ一致させることができる。したがって、回転軸50によって静圧軸受61,62の内周部が傷つけられたり、摩耗されたりすることがなく、静圧軸受の長寿命化を図ることができる。また、部品構成が簡単なため、信頼性が向上し、品質管理がしやすくなる。
【0036】
また、弾性体85を下部ボール軸受72の下方に取り付けたので、過渡運転時における軸方向荷重は、下部ボール軸受72から上部ボール軸受71に滑らかに負荷移動することとなる。すなわち、過渡運転時における軸方向荷重は、一方のボール軸受でのみ支持されるのではなく、2つのボール軸受でほぼ均等に支持することができるので、過渡運転時においても回転軸を安定的に支持することができる。
【0037】
上述した流体機械の構成は、例えば図4に示すようなサブマージドモータポンプに適用することができる。このサブマージドモータポンプは、吸込ケーシング1と、複数のポンプケーシング2と、モータケーシング3とを備えており、これらの吸込ケーシング1、ポンプケーシング2、及びモータケーシング3は、円筒状のポンプコラム4の内部に収容されている。この円筒状のポンプコラム4は、例えば液化ガスタンクの内部にワイヤ等を介して垂下される。
【0038】
ケーシング1,2,3の内部には、回転軸5が上部ボール軸受6、上部静圧軸受7、中間静圧軸受8、中間ボール軸受9、下部静圧軸受10を介して回転自在に収容されている。吸込ケーシング1及びポンプケーシング2の内部には、回転軸5に固定された複数(図4では6つ)の羽根車11a〜11fが配置されている。モータケーシング3の内部にはモータステータ12が配置されており、このモータステータ12に対向して回転軸5にモータロータ13が固定されている。
【0039】
最終段の羽根車11fの背面側には、スラストバランス機構14が設けられている。図4に示すスラストバランス機構14は、モータケーシング3に固定された静止板15と、静止板15の端面と対向する羽根車11fの背面と、モータケーシング3に固定された上部ウェアリング16と、ポンプケーシング2に固定された下部ウェアリング17と、羽根車11fの背面と静止板15とモータケーシング3によって形成されたバランス室18とから構成されている。上部ウェアリング16と下部ウェアリング17により固定絞り部を、羽根車11fの背面と静止板15とバランス室18とにより可変絞り部をそれぞれ形成して、この自動平衡機能で運転中の軸スラスト力をバランスさせるようになっている。
【0040】
このような構成のサブマージドモータポンプにおいて、吸込ケーシング1から吸い込まれた流体は、各段の羽根車11a〜11fによって順次昇圧された後、ポンプコラム4の内部に形成された排出流路に流れ込み、この排出流路に接続された吐出管(図示せず)から外部に吐出される。ここで、補助軸受としての上部ボール軸受6又は中間ボール軸受9に軸方向加重を吸収する弾性体を取り付けることにより、過渡運転時において回転軸5を安定的に支持することが可能となる。
【0041】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【0042】
【発明の効果】
上述したように、本発明に係る高速回転機械によれば、タッチダウン時に補助軸受が大きくふれまわりながら回転することがないため、補助軸受の寿命を飛躍的に延ばすことができる。また、激しいタッチダウン時のふれまわりによる補助軸受の損傷によって回転軸の2次損傷が生じる危険を少なくすることができる。また、非接触型軸受の径方向間隙及び補助軸受と回転軸の径方向間隙を設定することに関して大幅な自由度ができ、設計上の制約がなくなる。
【0043】
また、本発明に係る静圧軸受を備えた流体機械によれば、弾性体を少なくとも1つの補助軸受に取り付けたので、過渡運転時における軸方向荷重は、弾性体が取り付けられた補助軸受から他の補助軸受に滑らかに負荷移動することとなる。すなわち、過渡運転時における軸方向荷重は、1つの補助軸受でのみ支持されるのではなく、すべての補助軸受でほぼ均等に支持することができるので、過渡運転時においても回転軸を安定的に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における高速回転機械の定常運転時の状態を示す模式図である。
【図2】図2(a)は図1に示す高速回転機械のタッチダウン時の状態を示す模式図、図2(b)は図2(a)に示す高速回転機械のその後の状態を示す模式図である。
【図3】図3(a)は図2(b)に示す高速回転機械を流体機械に適用した場合の過渡運転時の状態を示す模式図、図3(b)は図3(a)に示す高速回転機械を流体機械に適用した場合の定常運転時の状態を示す模式図である。
【図4】本発明を適用したサブマージドモータポンプを示す縦断面図である。
【図5】従来の高速回転機械の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1  吸込ケーシング
2  ポンプケーシング
3  モータケーシング
4  ポンプコラム
5  回転軸
6  上部ボール軸受
7  上部静圧軸受
8  中間静圧軸受
9  中間ボール軸受
10  下部静圧軸受
11a〜11f 羽根車
12  モータステータ
13  モータロータ
14  スラストバランス機構
15  静止板
16  上部ウェアリング
17  下部ウェアリング
18  バランス室
50  回転軸
61,62  非接触型軸受
71,72  補助軸受
71a,72a アウタレース
71b,72b インナレース
80  ケーシング
81,82  軸受スリーブ
81a,82a テーパ面
85  弾性体
91,92  スリーブ
91a,92a テーパ面

Claims (5)

  1. 高速で回転する回転軸と、前記回転軸を支持する非接触型軸受と、タッチダウン時に前記回転軸を支持する補助軸受とを備えた高速回転機械において、
    前記補助軸受の内周側にテーパ面を形成し、
    前記補助軸受のテーパ面に嵌合可能なテーパ面を外周に有する軸スリーブを前記回転軸に取り付けたことを特徴とする高速回転機械。
  2. 前記補助軸受に加わる軸方向荷重を吸収する弾性体を前記補助軸受に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の高速回転機械。
  3. 前記非接触型軸受が磁気軸受であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高速回転機械。
  4. 回転軸と、定常運転中に前記回転軸を支持する静圧軸受と、過渡運転中に前記回転軸を支持する2つ以上の補助軸受とを備えた流体機械において、
    前記補助軸受の内周にテーパ面を形成し、
    前記補助軸受のテーパ面に嵌合可能なテーパ面を外周に有する軸スリーブを前記回転軸に取り付け、
    前記補助軸受に加わる軸方向荷重を吸収する弾性体を少なくとも1つの補助軸受に取り付けたことを特徴とする静圧軸受を備えた流体機械。
  5. 前記弾性体が取り付けられた補助軸受のテーパ面が前記軸スリーブのテーパ面に接触したときに、他の補助軸受のテーパ面と前記軸スリーブのテーパ面との間に所定の間隙が形成されることを特徴とする請求項4に記載の静圧軸受を備えた流体機械。
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