JP2004115943A - 女性用衣料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】女性の人体骨格の前面又は背面を覆うパネル体を有する女性用衣料において、前記女性用衣料の着用時に、女性の人体骨格の前面又は背面の少なくとも一方に位置するパネル体の両端を体側方向へ引っ張る力によって、人体骨格の所定部分を、当該所定部分の中央部を強く且つ周辺部を弱い力で押圧するような凹状の押圧力を生じさせる凹状化力作用部を備えるように構成して課題を解決した。
【選択図】 図1
Description
【発明が属する技術分野】
この発明は、ガードル、コルセット型ガードル、ボディスーツ、ウエストニッパー、ブラジャー等のファンデーション、並びに水着等のアウターなどの女性用衣料に関し、特に、腹部等の膨らみを押さえるとともに、ヒップアップやバストアップの効果を持たせた女性用衣料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のガードルやコルセット型ガードル等のファンデーションである女性用衣料としては、例えば、人体に対して少なくとも130〜160%前後の伸張率を持って適応する素材により構成してデザインし、その結果として素材の収縮力を利用することにより、人体を美的シルエットの創造に向けコントロールするように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記従来のガードルやコルセット型ガードル等のファンデーションである女性用衣料の場合には、人体に対して少なくとも130〜160%前後の伸張率を持って適応する素材により構成してデザインし、当該素材の伸張を利用して、押さえる部分と押さえない部分、伸びる部分と伸びずらい部分とを設計するのが基本である。そのため、上記従来のガードルやコルセット型ガードル等のファンデーションである女性用衣料の場合には、図16に示すように、腹部等の必要箇所を手で押さえるような三次元的力を創造するものではない。
【0004】
したがって、上記従来のガードル等の女性用衣料の場合、腹部等の必要箇所を押さえる機能を高めるためには、130〜160%前後の伸張率を持って適応する素材の伸張率を大きく設定し、当該素材の伸張力を利用せざるを得ず、人体を美的シルエットの創造に向けある程度コントロールすることができるものの、女性の体の不必要な箇所を必要以上に圧迫することになり、着用感を損ねたり、衛生上乃至健康上好ましくないという問題点を有していた。
【0005】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、女性の腹部等の必要箇所を押さえる機能を高めることができるのは勿論のこと、女性の体の不必要な箇所を必要以上に圧迫することがなく、着用感に優れ、衛生上乃至健康上も好適な女性用衣料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の基本的な技術的思想は、女性用衣料の支持部となるべき部分をベースにして、図17に示すように、女性の腹部等の必要箇所を押さえる機能を高めるために、当該必要箇所に三次元的力Cを創造するものである。ここで、女性用衣料の支持部とは、ガードルやブラジャー等の女性用衣料を装着したときに、最も人体に圧力が掛かる、最も周囲径の大きい、例えば、図6のI及びIIの骨格体側部であり、この部分を支持部として三次元的力を創造するものである。
【0007】
本発明の基本は、▲1▼人体が加齢又は肥満により、特に人体の美的ポイントである隆起部(バストやヒップ)部の下垂を支える又は積極的にコントロールするための機能、並びに▲2▼腹部等の脂肪を抑えシルエットを整える機能、更には▲3▼腰部等を支える医療的機能又は妊婦の腹部を支える保険的機能を発揮することにある(図18(a)参照)。
【0008】
上記各機能は、▲1▼図18(b)に示すようにボーン等(必ずしも固体、又は独立体で無くとも良い)の復元力、又は▲2▼身頃体の伸張力を利用し曲状に矯正セットされたボーン等が、身頃体の伸張に伴い直線化イコール上昇しようとする作用、又は90°内側に反り返ろうとする三次元的(押さえる、支える等の方向性)力線を創造する作用を利用する新たな人体補正機能によって実現される。実際に商品化するためには、二つの機能の合成、又はそれぞれの機能の単独したものとして構成することができる(図19(a)(b)参照)。
【0009】
上記ボーン体は、上述したように、固体でなくとも、繊維(身頃体と同質のものでも良い)の編み地、又は織地によるバインダー体であっても良く、更に樹脂フィルムの構成(接着)並びに接着樹脂のデザイン(伸びやすい部分、又は伸びずらい部分をデザイン)によって併合しても良い(図18(c)参照)。
【0010】
なお、上記図18(c)において、左端は身頃を二枚構成にしボーン又は芯体のガイド部を接着又は縫着しボーン又は芯体を内蔵させるもの、左から2番目はバインダーにより二枚構成としボーン又は芯体を内蔵させるもの、左から3番目はバインダー体を芯及びボーン構造とさせるもの、右端は樹脂のコーティングをデザインして伸張力をデザインし、芯又はボーン構造化させるものをそれぞれ示しており、ボーン構造は身頃の外側に限らず、身頃の内側に設けても良い。
【0011】
通常、ボーンを使用し保持機能を高めようとする市場化商品は多くあるが、これは飽くまで製品としての形状保持を前提とすると同時にボーンの硬度を利用し押さえるつけるものが主体である。
【0012】
ただし、本発明の基本は、ボーンを保持する根幹等を構成し、この根幹をベースに、三次元的力線を創造するものである。
【0013】
また、図20及び図21に示すように、ボーン(芯体)を内蔵又はボーン体(芯体)を構成させる格子柄部並びに斜線体側ボーン根幹部については、経て編み地構成の場合原則パターン化され、結果各部がパーツ化され縫着又は接着構成される。しかし、横編み、又は丸編みによっては身頃体を略製品形状化することが容易であり、且つパーツ部を一体編み化し、補強を必要な別の部分に別途パーツをコーティングしても良い。また、経て編みによる構成であっても極力一枚の身頃地を以って構成、ボーン構成部をパーツ化しコーティングしても良い。
【0014】
ただし、女性の体型によっては、バスト部やヒップ部の方が、人体の周囲径が大きい場合があり、ファンデーションガーメントにおけるこの部分は、被コントロール対象部で、逆に押さえ込むのではなく、ボリュームアップをさせなければならない部分である。
【0015】
これに対して、女性の体の腹部は、そのまま押さえる機能を高める必要箇所となるが、本発明をバスト部やヒップ部に適用するためには、例えば、モールド方式と併用して、当該バスト部やヒップ部等の部分を膨出し、且つその上に本発明の理念に基づいて、ヒップアンダー部(ブラジャーでは、バストアンダー部乃至はバストサイド部)に、三次元的力を加え、支える又は押さえる等の力線を創出させ、女性の体のシルエットを整える作用を発揮させることが可能となる。
【0016】
更に、本発明について説明すると、人体に装着したガードル等の女性用衣料による人体への圧迫力は、一般的体形においては、図6に示すように、腹部断面直径の最も大きい骨格をベースに拡張したAの力が最も強く働くことになる。
【0017】
第二に、女性の人体骨格を構成する体側部I、IIの領域を結ぶ(イ)〜(ロ)の張力を基点に内方に向け放射状に働く圧迫力は、最も高さを持つヒップ部に対して、第二に強いBの力が作用する。
【0018】
第三に、女性の人体骨格を構成する体側部I、IIの領域を結ぶ(ハ)〜(ニ)の張力を基点に働くCの力は、最も高さが低く、一般的には加わりずらいが、この部分が、本来、女性が最もシルエットとして気にする部分である。但し、体形的に大きくせり出した腹部の高さに比例して圧力は高まる。
【0019】
以上のことから、基本的には人体の骨格により制約される腹部(特に下腹部)に対する圧力は弱いことがわかる。
【0020】
本発明は、上述したように、人体骨格の領域をベースに働く張力を利用して、三次元的な圧力を創造することにより、女性の腹部等の必要箇所を押さえる機能を高めることができるのは勿論のこと、女性の体の不必要な箇所を必要以上に圧迫することがなく、着用感に優れ、衛生上乃至健康上も好適な女性用衣料を提供するものである。
【0021】
具体的には、ボーン自体を凹状に設計したり、ボーンの挿入手段を工夫して、ボーンの復元力等によって凹状的作用を設計したり、凹状作用をもったダイヤフラム構造を採用したり、凹状作用をもったバネ性のネット構成を採用することなどにより達成される。
【0022】
ところで、本発明の請求項1に記載された発明は、女性の人体骨格の前面又は背面を覆うパネル体を有する女性用衣料において、前記女性用衣料の着用時に、女性の人体骨格の前面又は背面の少なくとも一方に位置するパネル体の両端を体側方向へ引っ張る力によって、人体骨格の所定部分を、当該所定部分の中央部を強く且つ周辺部を弱い力で押圧するような凹状の押圧力を生じさせる凹状化力作用部を備えたことを特徴とする女性用衣料である。
【0023】
また、本発明の請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の女性用衣料において、前記凹状化力作用部が、女性の人体骨格の前面又は背面の少なくとも一方に位置するパネル体の一部からなり、前記女性用衣料の着用時に、当該パネル体の両端を体側方向へ引っ張る力によって、前記パネル体の一部に最も大きな引張力が作用することにより、人体骨格の所定部分の中央部に最も大きな押圧力を作用させることを特徴とする女性用衣料である。
【0024】
さらに、本発明の請求項3に記載された発明は、請求項1に記載の女性用衣料において、前記凹状化力作用部が、女性の人体骨格の前面又は背面の少なくとも一方に位置するパネル体に収納された直線状のボーンからなり、当該ボーンを収納する収納部の湾曲形状によって、凹状の押圧力を生じさせることを特徴とする女性用衣料である。
【0025】
また更に、本発明の請求項4に記載された発明は、請求項1に記載の女性用衣料において、前記凹状化力作用部が、女性の人体骨格の前面又は背面の少なくとも一方に位置するパネル体に収納された湾曲状のボーンからなり、当該湾曲状のボーンによって、凹状の押圧力を生じさせることを特徴とする女性用衣料である。
【0026】
又、本発明の請求項5に記載された発明は、請求項1に記載の女性用衣料において、前記凹状化力作用部が、凹状の押圧力を生じさせるダイヤフラムからなることを特徴とする女性用衣料である。
【0027】
更に、本発明の請求項6に記載された発明は、請求項1に記載の女性用衣料において、前記凹状化力作用部が、前記人体骨格の所定部分の中央部を強い力で押圧する部分を相対的に厚く又は大きく突出するように構成し、前記人体骨格の所定部分の周辺部を弱い力で押圧する部分を相対的に薄く又は小さく突出するように構成したことを特徴とする女性用衣料である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
実施の形態1
図1及び図2はこの発明の実施の形態1に係る女性用衣料としてのガードルを示すものである。
【0030】
図1及び図2において、1は女性用衣料としてのガードルを示すものであり、このガードル1は、その略全体がパワーネット等の伸縮性生地を用いて縫製等によって形成されている。上記ガードル1は、女性の人体骨格のウエスト部から太腿の上部までの前面を覆うフロントパネル2と、人体骨格のウエスト部から太腿の上部までの両側面をそれぞれ覆うサイドパネル3、4と、人体骨格のウエスト部から太腿の上部までの背面を覆うリアパネル5とを主体として、人体骨格のウエスト部からヒップ部を覆う筒状体6を形成するとともに、当該フロントパネル2と左右のサイドパネル3、4とリアパネル5の下端部を、内股9で筒状に縫着して脚部7、8が形成されている。なお、図中、10はウエスト部を示している。
【0031】
また、上記ガードル1の股下部には、図示しない後マチ部が前面側から背面側にかけて、フロントパネル2及びリアパネル5と一体的に縫着されている。
【0032】
ところで、この実施の形態では、女性の人体骨格の前面又は背面を覆うパネル体を有する女性用衣料において、前記女性用衣料の着用時に、女性の人体骨格の前面又は背面の少なくとも一方に位置するパネル体の両端を体側方向へ引っ張る力によって、人体骨格の所定部分を、当該所定部分の中央部を強く且つ周辺部を弱い力で押圧するような凹状の押圧力を生じさせる凹状化力作用部を備えるよう構成されている。
【0033】
また、この実施の形態では、前記凹状化力作用部が、女性の人体骨格の前面又は背面の少なくとも一方に位置するパネル体の一部からなり、前記女性用衣料の着用時に、当該パネル体の両端を体側方向へ引っ張る力によって、前記パネル体の一部に最も大きな引張力が作用することにより、人体骨格の所定部分の中央部に最も大きな押圧力を作用させるように構成されている。
【0034】
すなわち、この実施の形態では、図2に示すように、フロントパネル2の腹部11の中央部分11a(凹状化力作用部)が、ウエスト10の上端部から股部までに亘って、略菱型状にカットして除去されており、当該フロントパネル2の腹部中央部分11aの両側縁11a’、11a”を、互いに縫着するように構成されている。
【0035】
上記ガードル1は、当該ガードル1を着用したときに、図6に示すような人体骨格の形状に応じて、フロントパネル2が左右の体側部へ向けて引張られる力が作用するが、当該フロントパネル2を左右の体側部へ引張る引張力に伴って、フロントパネル2には、伸張力が作用する。
【0036】
ただし、このとき、上記フロントパネル2は、図2に示すように、腹部11の中央部分11aが略菱型状にカットして除去され、当該フロントパネル2の腹部中央部分11aの両側縁11a’、11a”が互いに縫着されている。そのため、このフロントパネル2には、着用時に、左右の体側部へ向けて引張られる力が均等に作用する訳ではなく、最も変形力が大きい腹部11の中央部分11aに、最も大きい引張力が作用し、その周辺に行くに従って徐々に小さくなる引張力が作用する。
【0037】
その結果、上記ガードル1は、着用時に、女性の人体骨格の腹部11に、その中央部分11aが、最も大きい押圧力Cが作用し、その周辺に行くに従って徐々に小さくなる押圧力Cが作用し、女性の腹部を押さえる機能を高めることができるのは勿論のこと、女性の人体骨格の不必要な箇所、例えば、腹部の体側部近傍や脹脛の付け根部などを必要以上に圧迫することがなく、着用感に優れ、衛生上乃至健康上も好適な女性用衣料を提供することができる。
【0038】
図3(a)(b)は上記実施の形態1の変形例を示すものであり、この変形例では、フロントパネル2を、熱収縮糸(例えば、テビロン糸(登録商標))を以って構成された編み地又は織り地により構成し、このフロントパネル2の腹部中央部分11a並びに中央側部分11bを、補正を必要とする部分並びに必要とする強度(硬度)を創出する熱量並びに圧力を計算した熱プレスによって、収縮させるように構成したものである。
【0039】
この場合には、フロントパネル2の腹部中央部分11aを略菱型状にカットして除去した場合のように、当該フロントパネル2のカット部分を再度縫着したりする手間が不用となるとともに、カット部分の縫い代が膨出する虞れもなく、しかも、熱プレスにより収縮させた部分が適度な弾性力を有するため、着用感により一層優れ、衛生上乃至健康上も好適な女性用衣料を提供することができる。
【0040】
更には、凹状化力を作用させる部位に、熱プレスセット乃至は樹脂セット、又は当て布の上、伸びを押さえることにより、着用時の伸張率の変化によって凹状化力の発生を促進するように構成しても良い。
【0041】
また、ガードル等を構成する編み組織により、必要部位別に伸張率をデザインして、パネル地を作成し、又は5を前提とする製品そのものを作成する。
【0042】
さらに、上記パネルの凹状化力の効果を高めるためには、図5に示す問題点をクリアするパターンをデザインし、これに当該パネルを構成することにより、パネル体の効果を高めることができる。
【0043】
図6(a)は女性の人体骨格の腰部分の断面形状を、図6(b)は女性の人体骨格の腰部分の正面形状をそれぞれ示すものである。
【0044】
凹状化力作用部は、図6(a)において、人体腹部に渡る(ハ)から(ニ)を結ぶラインを基線として作用する三次元的な力Cを、十分大きな力として作用させることにある。この凹状化力Cの作用をより一層高めるためには、腹部外周、特に保持力の高い(ハ)の体側領域、並びに他方の(ニ)の体側領域を外周として、腹部の中心部(被コントロール部位)に向けて三次元的機能を備えたフロントパネルをデザインし、設計することにある。
【0045】
また、上記フロントパネルの芯体を構成するボーン体の剛性を高めることが、より能力を高めることに繋がるが、人体の衛生上且つ健康を損なうものであってはならないと同時に、バランスした関連素材の採用と極力面状且つ波状的に力が配分されるデザインが求められる。
【0046】
具体的には、図4に示すように、フロントパネル2の左右の上方側縁部21から夫々斜め下方のフロントパネル2の中央部縦縫目線22方向に向かう複数の並列した袋体(収納部)23を形成し、各袋体23内にボーン24を挿入する。上記袋体23は、表地と裏地との間を、所定の幅で互いに平行となるよう縫目に沿って縫着することにより形成されている。ボーン24の材質としては、プラスチック製、形状記憶合金製、形状記憶ポリマー製のものなどが挙げられ、形状は、外部から挿入が目立たないようにするために主たる作用を低下させない範囲、細長く薄い平板状に形成されている。
【0047】
さらに、上記ボーン24自体は、直線状に形成されているが、当該ボーン24を収納する袋体(収納部)23は、人体の腹部側が凸状に膨らんだ湾曲状を呈するように、表裏生地をもって縫製されている。そして、上記人体の腹部側が凸状に膨らんだ湾曲状を呈するように縫製された袋体の内部に収納されたボーン24は、当該袋体23の形状に従って人体の腹部側が凸状に膨らんだ湾曲状を呈するように変形し、このボーンが原型に復元しようとする弾性力によって、凹状化力を作用させるように構成されている。
【0048】
なお、上記ボーン24を収納する袋体(収納部)23としては、図5に示すように、フロントパネル2の左右の上方側縁部21から夫々斜め下方のフロントパネル2の他方脚部付根部25方向に向かうように、二重に配置しても良く、この場合には、凹状化力を一層高めることができるとともに、人体骨格の腹部中央に最も大きな凹状化力を作用させることができる。
【0049】
更に、図9及び図10に示すように、袋体(収納部)23を二重に配置したり、ボーン24を表裏両面側に二重に配置しても良い。なお、図9では、原則として袋体は交差部が縫い止まりしボーンを挿入することができない。この場合は、芯体の縫い止め又はコーティング方式を採用し、ボーン体(袋体)は二重構成にし表側を左上部から下腹部としたら、裏側は反対の設定とする方法となる。又、図10は、ボーン24(白色)が着用時、斜線ボーン24’(斜線ボーン)のように腹部内側にせり上がることを表す図である。ボーン24の形状変化としては、ボーン24の着用時に図7に示すように、ボーン24実線(着用前)がボーン24点線(着用後)となるように変形するものであっても良い。
【0050】
また、上記ボーン24を収納する袋体23を構成する表裏生地として、エラスティック性を有する素材からなるものを用い、ガードル1を着用したときに、表裏生地が伸張に伴って湾曲し、当該表裏生地によって構成される収納部23の凹状曲線が、直線状のボーン24の復元力によって直線化する力によって、凹状化力を作用させるように構成しても良い。なお、この場合には、ボーン24を収納する袋体23を構成する表裏生地として、ボーン24の移動に順応できる伸張度並びにすべりと強度を有する素材であることが望ましい。
【0051】
さらに、上記ボーン24としては、図7に示すように、予め、人体の腹部側が凸状に膨らんだ湾曲状を呈するように形成されたものを使用しても良い。この場合、上記ボーン24としては、形状記憶合金を代表とする高弾性金属により、図6に示すように、人体骨格の(ハ)の領域を一端とし、一方の端を(ニ)の領域とする平面体のボーン24を、最も作用力Cの力を必要とする部位に主たる凹状底辺が位置するようにデザインしたボーン24を作成し、ストライプ状の収納体23を持ったフロントパネル2構成のガードル1が構成される。その際、上記ガードル1のフロントパネル2を構成する素材として、ボーン24の抵抗を感じさせない厚みと弾性を持ったパネル体1の基布を用いるのが望ましい。
【0052】
更に説明すると、上記ボーン24を収納または一体化するパネル体(基布)2としては、必要とする厚みと強度並びに伸張力を持った、編み地並びに織り地であるとともに、内蔵させるボーン体24を人体に抵抗を与えることなく、且つ安全に保持するものであることが必要となる。
【0053】
また、上記ボーン24を有効に作用させることのできるガイド(収納部)を備え、且つ理想的にはボーンに接する内面はより強度を持ち、人体に接する側はよりソフトで衛生的である二重構造であることが好ましい。
【0054】
さらに、上記ボーン24をガイドする方法は、例えば、図8(a)に示すように、ダブル編またはダブル織により表裏生地31、32を連結する連結糸33の構成とするものが挙げられる。また、上記ボーンをガイドする方法としては、デザインによりストライプ状等を編み地自体に構成しても良い。更に、図8(c)に示すように、片面に樹脂フィルムをコーテイングした表裏二枚のパネル体34、35を、ボーン形状に基づきデザインし、これら表裏二枚のパネル体34、35を圧着してガイド部36を構成しても良い。また更には、図8(b)に示すように、超音波ミシン等のミシンによりボーン体に合わせて、表裏2枚のパネル体37、38を適宜に縫い止め39することにより、ガイド部を構成しても良い。さらには、ボーンをカバーすることのできるチューブ体を表地または裏地に縫い止め乃至は接着して、ガイド部を構成するようにしても良い。
【0055】
なお、上記ボーン24を構成する材質としては、形状記憶合金を筆頭とする弾性金属ボーン(原則平面体、細幅)や、形状記憶ポリマーを筆頭とする弾性ポリマーによるボーン(原則平面体、細幅、その他オールデザイン形状)、超弾性シート体(ラテックス系シート、弾性ポリマー樹脂フィルムとの複合体シート、形状記憶合金乃至は形状記憶ポリマーネットとの複合シート又はネット、ダイヤフラム)又はフィルム体、あるいは、形状記憶ポリマー乃至はシリコン樹脂を代表とする、弾性樹脂との複合形成体、又は当該樹脂の塗布(デザイン的)シート及び製品パネルへの直接塗布等による構成など、更にこれらの組み合わせによっても良い。
【0056】
また更に、この実施の形態の変形例としては、凹状作用を持ったダイヤフラムを構成するようにしても良い。この場合、人体骨格の(ハ)の領域並びに(ニ)の領域を外周とするダイヤフラムをフロントパネルの構成とするガードルが形成される。このダイヤフラムは、それ自体で、人体の腹部側が凸状に膨らんだ湾曲状を呈する形状を成し、且つ人体の腹部を外側に突出させる力が作用した場合に、所定の復元力を作用させるようになっている。
【0057】
更に、この実施の形態の変形例としては、凹状作用を持ったバネ性ネットを構成するようにしても良い。
【0058】
すなわち、上記凹状化力作用部としては、人体骨格の所定部分の中央部を強い力で押圧する部分を相対的に厚く又は大きく突出するように構成し、前記人体骨格の所定部分の周辺部を弱い力で押圧する部分を相対的に薄く又は小さく突出するように構成しても良い。
【0059】
具体的には、図11に示すように、女性の人体骨格の(ハ)の領域並びに(ニ)の領域を外縁に、最も凹状化力Cの作用を必要とする部位を最も凹形状の底辺として厚みを厚くするように複数枚のパネル50を設定したり、最も突出させた螺旋状ボーン60をパネル2の構成とするガードルとしても良い。
【0060】
また、上記の相乗効果を高める基本パターンとしては、図13(a)に示すように、腹部を段階的(▲1▼〜▲4▼へ順に弱く)凹状化且つハード化させ当該目的を高めるパネルを設計したり、図13(b)に示すように、最も力のかかる体側部を、より安定させると共に、活動時の摩擦を軽減させ人体への圧迫を分散させる、又この部位を基点に当該ボーン又は芯体を構成することにより、三次元の力を生み出すように構成しても良い。また、図13(c)に示すように、凹状化力作用部をヒップ下辺部にデザインしヒップアップ効果を創造するように構成しても良い。
【0061】
なお、前記実施の形態では、女性用衣料として、ガードルに適用した場合について説明したが、これに限定される訳ではなく、図14に示すように、ブラジャー70へ転用したり、図15に示すように、ウエストニッパー80へ転用したり、更に、その他、水着やアウターにてフェンデーション機能を内蔵させるものに適用しても勿論良い。
【0062】
ここで、凹状化力を作用させる部分としては、図14に示すブラジャーでは、バストアンダー部乃至はバストサイド部が挙げられ、図15に示すウエストニッパーでは、ウエストの中央部やその周囲の部分などが挙げられる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、女性の腹部等の必要箇所を押さえる機能を高めることができるのは勿論のこと、女性の体の不必要な箇所を必要以上に圧迫することがなく、着用感に優れ、衛生上乃至健康上も好適な女性用衣料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る女性用衣料としてのガードルを示す構成図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る女性用衣料としてのガードルを示す構成図である。
【図3】図3はこの発明の実施の形態1に係る女性用衣料としてのガードルの変形例を示す構成図である。
【図4】図4はこの発明の実施の形態1に係る女性用衣料としてのガードルを示す構成図である。
【図5】図5はこの発明の実施の形態1に係る女性用衣料としてのガードルを示す構成図である。
【図6】図6は人体骨格を示す説明図である。
【図7】図7はボーンを示す構成図である。
【図8】図8はボーンを挿入する生地を示す構成図である。
【図9】図9はこの発明の実施の形態1に係る女性用衣料としてのガードルの変形例を示す構成図である。
【図10】図10はこの発明の実施の形態1に係る女性用衣料としてのガードルの変形例を示す構成図である。
【図11】図11はこの発明の実施の形態1に係る女性用衣料としてのガードルの変形例を示す構成図である。
【図12】図12はこの発明の実施の形態1に係る女性用衣料としてのガードルの変形例を示す構成図である。
【図13】図13はこの発明の実施の形態1に係る女性用衣料としてのガードルの変形例を示す構成図である。
【図14】図14はこの発明の他の実施の形態に係る女性用衣料としてのブラジャーを示す構成図である。
【図15】図15はこの発明の他の実施の形態に係る女性用衣料としてのウエストニッパーを示す構成図である。
【図16】図16は従来の女性用衣料に求められる機能を示す説明図である。
【図17】図17は従来の女性用衣料に求められる機能を示す説明図である。
【図18】図18はこの発明に係る女性用衣料の機能を示す説明図である。
【図19】図19はこの発明に係る女性用衣料の機能を示す説明図である。
【図20】図20はこの発明に係る女性用衣料の機能を示す説明図である。
【図21】図21はこの発明に係る女性用衣料の機能を示す説明図である。
【符号の説明】
1:ガードル(女性用衣料)、2:フロントパネル、3、4:サイドパネル、5:リアパネル、11:フロントパネル2の腹部、11a:腹部11の中央部分(凹状化力作用部)。
Claims (6)
- 女性の人体骨格の前面又は背面を覆うパネル体を有する女性用衣料において、
前記女性用衣料の着用時に、女性の人体骨格の前面又は背面の少なくとも一方に位置するパネル体の両端を体側方向へ引っ張る力によって、人体骨格の所定部分を、当該所定部分の中央部を強く且つ周辺部を弱い力で押圧するような凹状の押圧力を生じさせる凹状化力作用部を備えたことを特徴とする女性用衣料。 - 請求項1に記載の女性用衣料において、前記凹状化力作用部が、女性の人体骨格の前面又は背面の少なくとも一方に位置するパネル体の一部からなり、前記女性用衣料の着用時に、当該パネル体の両端を体側方向へ引っ張る力によって、前記パネル体の一部に最も大きな引張力が作用することにより、人体骨格の所定部分の中央部に最も大きな押圧力を作用させることを特徴とする女性用衣料。
- 請求項1に記載の女性用衣料において、前記凹状化力作用部が、女性の人体骨格の前面又は背面の少なくとも一方に位置するパネル体に収納された直線状のボーンからなり、当該ボーンを収納する収納部の湾曲形状によって、凹状の押圧力を生じさせることを特徴とする女性用衣料。
- 請求項1に記載の女性用衣料において、前記凹状化力作用部が、女性の人体骨格の前面又は背面の少なくとも一方に位置するパネル体に収納された湾曲状のボーンからなり、当該湾曲状のボーンによって、凹状の押圧力を生じさせることを特徴とする女性用衣料。
- 請求項1に記載の女性用衣料において、前記凹状化力作用部が、凹状の押圧力を生じさせるダイヤフラムからなることを特徴とする女性用衣料。
- 請求項1に記載の女性用衣料において、前記凹状化力作用部が、前記人体骨格の所定部分の中央部を強い力で押圧する部分を相対的に厚く又は大きく突出するように構成し、前記人体骨格の所定部分の周辺部を弱い力で押圧する部分を相対的に薄く又は小さく突出するように構成したことを特徴とする女性用衣料。
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