JP2004115612A - 接着剤組成物 - Google Patents

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伊藤 敏彦
Masaru Tanaka
田中 勝
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Abstract

【課題】接着性、はんだ耐熱性に優れ、非ハロゲン系でありながら難燃性に優れる難燃性接着剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)アクリロニトリル単位15〜35重量%、(メタ)アクリル酸グリシジル単位0.5〜4重量%、並びに(メタ)アクリル酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の重合性単量体(ただし、アクリロニトリル、及び(メタ)アクリル酸グリシジルを除く)単位61〜84.5重量%を含有し、重量平均分子量が、500,000以上であり、ガラス転移点温度が、−5℃以下である共重合体、(B)エポキシ樹脂、(C)エポキシ樹脂用硬化剤、並びに(D)アルミニウム含有有機リン化合物を含有することを特徴とする接着剤組成物である。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非ハロゲン系の難燃性接着剤組成物、それを用いた接着フィルム、金属張積層板及びプリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種電子機器の小型化に伴い、電子部品の搭載密度も高くなり、それに用いられる配線板あるいは半導体パッケージ等に要求される特性も多様化してきている。このような中で、プリント配線板の配線数と密度は飛躍的に増加しており、多層配線板やフレキシブル配線板(FPC)等が、益々注目されている。これらの配線板には、製造工程において、種々の接着剤や接着フィルムが用いられている。
【0003】
これらの接着剤や接着フィルム用の接着剤組成物としては、アクリル系樹脂とエポキシ樹脂を併用したものが知られている(例えば、特許文献1及び2)。
【0004】
これらの接着剤組成物に難燃性を付与するためには、一般に、いわゆる「フリーラジカルトラップ効果」や、オキシハロゲン化アンチモンの脱水炭化作用を利用するものとして知られる、アンチモン系化合物とハロゲン系化合物とが併用して添加されるが、これらの化合物は、燃焼時に環境汚染等の可能性があるため、非ハロゲン系の接着剤組成物が期待されている。しかし、これまでに、接着性及び耐熱性に優れ、かつ非ハロゲン系で十分な難燃性を有する接着剤組成物は得られていない。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60−243180号公報
【特許文献2】
特開昭61−138680号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、これらの問題を解決し、非ハロゲン系でありながら、十分な難燃性を有し、かつ接着性及び耐熱性にも優れる接着剤組成物を提供するものであり、並びにそれを用いた接着フィルム及び接着剤付ポリイミドフィルムを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の共重合体、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤、及びアルミニウム含有有機リン化合物を含む接着剤用組成物が、上記目的を達成することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明は、アクリロニトリル単位15〜35重量%、(メタ)アクリル酸グリシジル単位0.5〜4重量%、並びに(メタ)アクリル酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の重合性単量体(ただし、アクリロニトリル、及び(メタ)アクリル酸グリシジルを除く)単位61〜84.5重量%を含有し、重量平均分子量が、500,000以上であり、ガラス転移点温度が、−5℃以下である共重合体、(B)エポキシ樹脂、(C)エポキシ樹脂用硬化剤、並びに(D)アルミニウム含有有機リン化合物を含有することを特徴とする接着剤組成物に関する。
【0009】
また、本発明は、上記接着剤組成物を含む、接着フィルムに関する。さらに、本発明は、ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、この接着フィルムが積層された接着剤付ポリイミドフィルムに関する。
【0010】
さらに、本発明は、(A′)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、並びに(メタ)アクリル酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の重合性単量体(ただし、アクリロニトリル、及び(メタ)アクリル酸グリシジルを除く)を共重合させて得られる共重合体、(B′)エポキシ樹脂、(C′)エポキシ樹脂用硬化剤、並びに(D′)アルミニウム含有有機リン化合物を含有し、かつ下記に記載する測定方法aに従って測定されたはんだ耐熱性の値が、300℃以上であることを特徴とする接着剤組成物に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の接着剤組成物は、(A)アクリロニトリル単位15〜35重量%、(メタ)アクリル酸グリシジル単位0.5〜4重量%、並びに(メタ)アクリル酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の重合性単量体(ただし、アクリロニトリル、及び(メタ)アクリル酸グリシジルを除く)単位61〜84.5重量%を含有し、重量平均分子量が、500,000以上であり、ガラス転移点温度が、−5℃以下である共重合体を含む。なお、本発明において、例えば(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。
【0012】
(メタ)アクリル酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の重合性単量体(ただし、アクリロニトリル及び(メタ)アクリル酸グリシジルを除く)において、(メタ)アクリル酸の誘導体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の水酸基を含有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等の芳香族基を含有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキル;(メタ)アクリルアミド等のアミド基を含有する(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0013】
(A)成分の共重合体のうち、アクリロニトリルに由来する構造単位(アクリロニトリル単位とする)は、耐熱性及び接着力の点から、15〜35重量%、好ましくは20〜30重量%である。
【0014】
(メタ)アクリル酸グリシジルに由来する構造単位((メタ)アクリル酸グリシジル単位とする)は、はんだ耐熱性及び接着力の点から、0.5〜4.0重量%、好ましくは1.0〜3.0重量%である。
【0015】
(メタ)アクリル酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の重合性単量体に由来する構造単位(重合性単量体単位とする)は、61〜84.5重量%、好ましくは、67〜79重量%である。
【0016】
(A)成分の共重合体は、上記したもの以外の単量体を含有することもでき、例えばスチレンといったスチレン系単量体が挙げられる。この場合、スチレン系単量体に由来する構造単位は、10重量%以下であることが好ましい。
【0017】
上記(A)成分の共重合体の製造方法は特に限定されないが、例えば、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の重合性単量体(ただし、アクリロニトリル及び(メタ)アクリル酸グリシジルを除く)、並びに場合によりその他の単量体を共重合させることにより得られ、具体的には、公知のラジカル重合法によって、これらの単量体を溶液重合することにより製造することができる。この場合、各単量体の使用量は、単量体の合計100重量部に対して、アクリロニトリルが好ましくは15〜35重量部、より好ましくは20〜30重量部であり、(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましくは0.5〜4.0重量部、より好ましくは1.0〜3.0重量部であり、そして(メタ)アクリル酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の重合性単量体(ただし、アクリロニトリル及び(メタ)アクリル酸グリシジルを除く)が好ましくは61〜84.5重量部、より好ましくは67〜79重量部である。場合により、その他の単量体を用いる場合は、10重量部以下であることが好ましい。共重合体における各単量体単位の組成は、重合に用いた各単量体の組成とほぼ同じとなる。共重合体における各単量体単位の組成は、例えばNMR等の手段により測定することができる。
【0018】
溶液重合には、有機溶媒として、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒を使用することができる。溶媒の使用量は、単量体の合計100重量部に対して、好ましくは400〜900重量部であり、より好ましくは500〜700重量部である。
【0019】
また、重合開始剤としては、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジブチルペルオキシド、t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾビス系化合物を使用することができる。重合開始剤の使用量は、単量体の合計100重量部に対して、好ましくは0.5重量部以下であり、より好ましくは0.3重量部以下である。重合開始剤の使用量の下限は、好ましくは、単量体の合計100重量部に対して0.05重量部である。
【0020】
溶液重合は、溶媒に、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、並びに(メタ)アクリル酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の重合性単量体(ただし、アクリロニトリル及び(メタ)アクリル酸グリシジルを除く)、場合によりその他の単量体と、重合開始剤を溶解させ、好ましくは70〜100℃、より好ましくは80〜90℃で、好ましくは5〜10時間、重合させることにより行うことができる。この場合、重合率は、例えば20〜40%の範囲であることができる。
【0021】
(A)成分の共重合体の重量平均分子量は、かとう性や強度が好ましく、かつ適切な粘度で作業性が良好である点から、500,000以上であり、好ましく500,000〜1,500,000であり、より好ましくは600,000〜1,000,000である。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)で測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて換算した値とする。重量平均分子量は、溶液重合開始時の単量体濃度、重合開始剤の種類、重合温度により変動させることができる。
【0022】
(A)成分の共重合体のガラス転移点温度は、接着性の点から、−5℃以下であり、好ましくは−5℃〜−30℃であり、より好ましくは−10〜−30℃である。
【0023】
本発明の接着剤組成物は、(B)エポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂は、二官能以上であって、好ましくは数平均分子量が5000未満のエポキシ樹脂を使用する。
【0024】
例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型等の液状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等の多官能エポキシ樹脂を使用することができる。市販品としては、油化シェルエポキシ株式会社の商品名エピコート807、エピコート827、エピコート828;ダウケミカル日本株式会社の商品名D.E.R.330、D.E.R.331、D.E.R.361;東都化成株式会社の商品名YD128、YDF170;日本化薬株式会社の商品名EPPN−201、EOCN−1012、EOCN1025;住友化学工業株式会社の商品名ESCN−001、ESCN−195が挙げられる。
【0025】
また、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂と相溶性のあるフェノキシ樹脂を併用することができる。フェノキシ樹脂としては、例えば、東都化成株式会社の商品名フェノトート−40、フェノトートYP−50、フェノトートYP−60が挙げられる。フェノキシ樹脂の使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、50重量部以下とすることが、可とう性の点から、好ましい。
【0026】
(C)成分のエポキシ樹脂用硬化剤は、特に限定されないが、硬化剤としては、例えば、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸等の酸無水物;ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、トリメチロールアリルオキシフェノール、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ブチル化フェノール樹脂等のフェノール樹脂類;脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、第二級又は第三級アミン等のアミン類;ポリアミド類;メラミン類;トリアジン化合物;有機酸類;イミダゾール類;ジシアンジアミド;トリフェニルホスフィン;ポリメルカプタン等が挙げられる。これらは、単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0027】
必要に応じて、硬化剤と硬化促進剤を併用することができる。硬化促進剤は、特に限定されず、硬化剤の種類に応じて選択することができる。例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチルフェニルイミダゾール等のイミダゾール類;第三級アミン、芳香族アミン、三フッ化ホウ素アミン錯体等が挙げられる。
【0028】
本発明は、(D)成分のアルミニウム含有有機リン化合物を含む。(D)成分は、接着剤組成物に難燃性を付与することができる化合物であり、例えば、有機ホスフィン酸アルミニウムが挙げられる。
【0029】
具体的には、下記式(1):
【0030】
【化2】
Figure 2004115612
【0031】
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基であるか、又はアリール基であり、nは、1〜5の整数である)
で示される化合物が挙げられる。式(1)の化合物において、R及びRが、アルキル基である場合、C〜Cアルキル基が好ましく、より好ましくはC〜Cアルキル基であり、具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルが挙げられ、アリール基の場合、C〜C10アリール基が好ましく、具体的にはフェニル、トリルが挙げられる。nは、好ましくは3である。
【0032】
商業上入手可能な(D)成分のアルミニウム含有有機リン化合物としては、Exolit OP940(クラリアント株式会社製)が挙げられる。
【0033】
本発明の接着剤組成物における(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の含有量については、以下のとおりである。(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100重量部に対して、(A)成分は、好ましくは70〜90重量部、より好ましくは50〜85重量部である。
【0034】
(B)成分は、はんだ耐熱性及び接着性の点から、好ましくは7〜20重量部、より好ましくは10〜18重量部である。
【0035】
(C)成分は、はんだ耐熱性、耐熱接着性及び接着性の点から、好ましくは、3〜10重量部、より好ましくは、4〜8重量部である。硬化促進剤を併用する場合は、硬化促進剤は、好ましくは、0.1〜1重量部で用いられる。より好ましくは、硬化剤と硬化促進剤の合計が、3〜10重量部、中でも4〜8重量部となる量である。
【0036】
(D)成分は、難燃性、接着性の点から、好ましくは、25〜150重量部であり、より好ましくは35〜110重量部であり、さらにより好ましくは35〜90重量部である。
【0037】
また、本発明の接着剤組成物には、結晶水を含有する無機充填剤として水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムを配合することができる。これらの使用量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100重量部に対して、好ましくは5〜30重量部であり、より好ましくは7〜25重量部である。
【0038】
本発明の接着剤組成物には、必要に応じて、公知のカップリング剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、イオントラップ剤等を適宜配合することができる。
【0039】
本発明の別の実施態様は、(A′)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、並びに(メタ)アクリル酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の重合性単量体(ただし、アクリロニトリル、及び(メタ)アクリル酸グリシジルを除く)を共重合させて得られる共重合体、(B′)エポキシ樹脂、(C′)エポキシ樹脂用硬化剤、並びに(D′)アルミニウム含有有機リン化合物を含有し、かつ発明の詳細な説明に記載の測定方法aに従って測定されたはんだ耐熱性の値が、300℃以上であることを特徴とする接着剤組成物である。
【0040】
(A′)成分において、並びに(メタ)アクリル酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の重合性単量体(ただし、アクリロニトリル、及び(メタ)アクリル酸グリシジルを除く)については、上記の(A)成分に関する記載が適用される。また、共重合の方法、共重合に使用するアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、及び並びに(メタ)アクリル酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の重合性単量体(ただし、アクリロニトリル、及び(メタ)アクリル酸グリシジルを除く)の量についても、(A)成分についての記載が適用される。共重合には、(A)成分の場合と同様に、場合によりその他の単量体(例えば、スチレン系単量体)を使用してもよい。さらに、(A′)成分の共重合体は、重量平均分子量が、500,000以上であることが好ましく、より好ましくは500,000〜1,500,000であり、さらに好ましくは600,000〜1,000,000であり、また、ガラス転移点温度が、−5℃以下であることが好ましく、より好ましくは−5℃〜−30℃であり、さらに好ましくは−10〜−30℃である。
【0041】
(B′)、(C′)及び(D′)成分については、(B)、(C)及び(D)成分についての上記の記載が適用され、さらに必要に応じて、無機充填剤、カップリング剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、イオントラップ剤等を含有させることができる。
【0042】
はんだ耐熱性の測定方法aは、以下のとおりである。
本発明の樹脂組成物165gをメチルエチルケトン453gに溶解し、ワニスを得る。得られたワニスを、ポリイミドフィルム(東レ・デユポン(株)製、商品名カプトン、厚さ35μm)に、乾燥後の膜厚が70μmになるように塗布し、140℃で5分間乾燥し、接着剤付きポリイミドフィルムを作製する。このフィルムを圧延銅箔に、120℃で加熱しながらラミネートし、180℃で2時間加熱硬化させ、試験用試料を作製する。この試料を、溶融したはんだ浴に3分間浸漬し、外観に変化(剥離、フクレ、変色等)が生じない最高温度をはんだ耐熱性の値とする。
【0043】
本発明の接着剤組成物を含む接着フィルムは、公知の方法により製造することができ、例えば、本発明の接着剤組成物を有機溶媒で希釈してワニスとし、このワニスを基材上に塗布し、接着剤組成物の層を形成させ、加熱乾燥した後、基材を除去して接着フィルムを得る方法等が挙げられる。
【0044】
この場合、有機溶媒は、特に制限はなく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒;酢酸エチル,酢酸ブチル、セロソルブアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等が挙げられる。基材は、特に制限はなく、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、テフロンフィルム、離型紙、銅箔、アルミニウム箔等の金属箔が上げられる。
【0045】
基材に塗布された接着剤樹脂組成物の厚みは、10〜50μmが好ましい。加熱乾燥の条件は、使用した溶媒が充分に揮散する条件であれば特に制限はない。
【0046】
本発明の接着フィルムは、例えば、ポリイミドフィルム等の少なくとも片面に積層することにより接着剤付ポリイミドフィルムとすることができる。さらにこの上に、金属箔を積層することで、フレキシブルプリント配線板用の金属張基板とすることができる。
【0047】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお以下の記載における配合量は、重量部で表す。
【0048】
〔(A)成分:共重合体A〜Gの製造法〕
混合機及び冷却器を備え付けた反応器に、表1に示す配合物I及び配合物IIを入れ、加熱し、83℃で6時間、保温して重合させ、共重合体を含む反応生成物を得た。重合率は、それぞれ20〜40%の範囲内であった。反応生成物を、冷却後、メタノールを加え、共重合体を沈殿させ、上澄み液を取り除いた。共重合体中に残存したメタノールを、乾燥させ、続いて固形分が15重量%になるようにメチルエチルケトンを加えた。
【0049】
この共重合体A〜Gの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、標準ポリスチレンによる検量線を用いて以下に示す条件で測定した。
<GPC条件>
使用機器 :日立635型HPLC〔(株)日立製作所製〕
カラム  :ゲルパックR440、R450、R400M〔日立化成工業(株)製商品名〕
溶離液  :テトラヒドロフラン
測定温度 :40℃
流量   :2.0ml/min
検出器  :示差屈折計
【0050】
分子量測定結果及びガラス転移点温度を表1に示す。なお、ガラス転移点温度は、計算値である。(参考データ;塗料用合成樹脂入門、北岡協三著)
【0051】
【表1】
Figure 2004115612
【0052】
実施例1〜6、比較例1〜6
得られた共重合体A〜Gに対して、表2に示す材料を加え、接着剤組成物のワニスを得た。得られたワニスを、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製、商品名カプトン、厚さ35μm)に、乾燥後の膜厚が70μmになるように塗布し、140℃で5分間乾燥して接着剤付ポリイミドフィルムを作製した。比較例4及び5では、メチルエチルケトンで固形分50重量%としたフェノキシ樹脂及びアクリロニトリルゴムを使用した。
【0053】
得られた接着剤付ポリイミドフィルムを用いて接着性、はんだ耐熱性、難燃性を調べた。以下に示す方法で前記特性を調べた。その結果を表2に示す。
<接着性>
接着剤付ポリイミドフィルムを、圧延銅箔(光沢面)及びポリイミドフィルムに、それぞれ120℃で加熱しながらロールラミネートし、170℃で2時間加熱硬化させ試験用試料とした。この試料の180°ピール剥離強度を、23℃で測定した。
<はんだ耐熱性>
接着剤付ポリイミドフィルムを、圧延銅箔に、120℃で加熱しながらラミネートし、180℃で2時間加熱硬化させ、試験用試料とした。この試料を溶融したはんだ浴に3分間浸漬し、耐久試験を行った。耐久試験を、はんだ浴の温度を変化させて行い、外観に変化(剥離、フクレ、変色等)が生じない場合を合格、変化が生じた場合を不合格とし、合格の最高温度をはんだ耐熱性の値とした。
<難燃性>
UL−94規格の難燃性試験方法に準じて評価した。
【0054】
【表2】
Figure 2004115612
【0055】
:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828:油化シェルエポキシ株式会社製)
:フェノール樹脂(プライオーフェンLF2822:大日本インキ化学工業株式会社製)
:イミダゾール系硬化促進剤 1−シアノエチル−フェニルイミダゾール(キュアゾール2PZ−CN:四国化成株式会社製)
:アルミニウム含有有機リン化合物(Exolit OP940:クラリアント株式会社製)
:フェノキシ樹脂(フェノトートYP−50:東都化成株式会社製)
:アクリロニトリルブタジエンゴム(PNR−1:ジェイエスアール株式会社製)
【0056】
本発明の接着剤組成物は、実施例1〜6に示されるように接着性、はんだ耐熱性に優れるとともに、難燃性も良好であった。一方、比較例1〜5は、接着性及びはんだ耐熱性に劣り、比較例4及び5はさらに難燃性レベルも実施例には及ばなかった。(D)成分を含まない比較例6は非難燃性だった。
【0057】
【発明の効果】
本発明の難燃性接着剤組成物は、接着性、はんだ耐熱性に優れ、非ハロゲン系でありながら難燃性に優れるものである。

Claims (6)

  1. (A)アクリロニトリル単位15〜35重量%、(メタ)アクリル酸グリシジル単位0.5〜4重量%、並びに(メタ)アクリル酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の重合性単量体(ただし、アクリロニトリル、及び(メタ)アクリル酸グリシジルを除く)単位61〜84.5重量%を含有し、重量平均分子量が、500,000以上であり、ガラス転移点温度が、−5℃以下である共重合体、
    (B)エポキシ樹脂、
    (C)エポキシ樹脂用硬化剤、並びに
    (D)アルミニウム含有有機リン化合物
    を含有することを特徴とする接着剤組成物。
  2. (A)、(B)及び(C)成分の合計100重量部に対して、
    (A)成分が、70〜90重量部であり、
    (B)成分が、7〜20重量部であり、
    (C)成分が、3〜10重量部であり、かつ
    (D)成分が、25〜150重量部である
    請求項1記載の接着剤組成物。
  3. (D)成分が、下記式(1):
    Figure 2004115612
    (式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基であるか、又はアリール基であり、nは、1〜5の整数である)
    で示される、請求項1又は2記載の接着剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の接着剤組成物を含む、接着フィルム。
  5. ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、請求項4記載の接着フィルムが積層された接着剤付ポリイミドフィルム。
  6. (A′)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、並びに(メタ)アクリル酸及びその誘導体から選ばれる1種以上の重合性単量体(ただし、アクリロニトリル、及び(メタ)アクリル酸グリシジルを除く)を共重合させて得られる共重合体、
    (B′)エポキシ樹脂、
    (C′)エポキシ樹脂用硬化剤、並びに
    (D′)アルミニウム含有有機リン化合物
    を含有し、かつ発明の詳細な説明に記載の測定方法aに従って測定されたはんだ耐熱性の値が、300℃以上であることを特徴とする接着剤組成物。
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