JP2004115437A - L−フェニレフリンを製造する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】不斉還元触媒を用いて、L−フェニレフリンを簡便に製造する方法の提供。
【解決手段】1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの酸塩を、(2R,4R)−N−メチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン又は(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン等の光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物を配位子として、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体等のロジウム有機化合物とで形成した有機金属錯体を不斉還元触媒として、2級又は3級アミン類の存在下で接触還元を行うことにより光学活性なL−フェニレフリンを製造する。
【選択図】 なし
【解決手段】1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの酸塩を、(2R,4R)−N−メチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン又は(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン等の光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物を配位子として、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体等のロジウム有機化合物とで形成した有機金属錯体を不斉還元触媒として、2級又は3級アミン類の存在下で接触還元を行うことにより光学活性なL−フェニレフリンを製造する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管収縮剤として有用な光学活性なL−フェニレフリンを簡便に製造する方法に関する。より詳しくは、本発明は、最近我が国の野依教授がノーベル賞を受賞したことで話題となった不斉還元触媒の新たなリガントとして開発された阿知波触媒と通称される不斉還元触媒を用いて、L−フェニレフリンを簡便に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
このL−フェニレフリンは、光学活性なアルカノールアミンの1種であるが、光学活性なアルカノールアミンを製造する技術としては、原料であるアミノケトン体を水素ガス還元を用いてラセミ体を形成し、その後光学分割法を用いて、所望の光学活性体を取得する方法がある。また、この方法により製造される化合物としては、ほかにエフェドリンあるいはエピネフィリン等が例示できる。
【0003】
本発明で製造するL−フェニレフリン[(R)−(−)−フェニレフリンということもできる]は、血管収縮剤として有用な光学活性化合物であり、この化合物のラセミ体の製造方法としては、例えばアミノケトン体である1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの水酸基及びアミノ基をベンジル化して保護した後、接触還元反応を行い、その後保護基をはずしてフェニレフリンを製造する方法がある(薬学雑誌、Vol.28 p773〜774(1956))。また、その出発原料である1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンについても勿論既知の製造方法があり(Legerlot,H、U,S,P 1,932,347)、その方法により製造できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この反応時に利用する保護基は、アミノケトン体の安定性を増大させ、副次反応の発現を抑制し、目的還元反応の純度を向上させることを目的とするものであるが、この製造方法では、保護基の導入及び除去という工程が増加し、製造面でコスト上不利である。
【0005】
また、このようにして得られた化合物は、光学活性なL−フェニレフリンではなくラセミ体であることから、このままでは血管収縮剤の医薬品としては使用することはできず、通常光学分割を行って光学活性体とし使用に供することが必要となる。この場合における光学分割剤としては、α−bromocamphor−π−sulfonic acidや、d−酒石酸を使用する例が知られている(U.S.PAT 1,954,398(1934))。
【0006】
そのようなことで、これらの問題を解消できるL−フェニレフリンの製造方法の開発が望まれた。すなわち、多工程を必要とし、コスト面での配慮が必要となる保護基を用いることなく、さらに工程が追加され、かつこの化合物の取得量が理論的に半分になってしまう光学分割を行うことなく、かつ高い純度の光学活性体が簡便に得られるL−フェニレフリンの製造方法の開発が望まれた。
【0007】
そこで、本発明者らは、L−フェニレフリンの製造方法における、この問題を解決すべく鋭意研究開発を進めた。その結果、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物を配位子としてロジウム有機化合物とで形成した有機金属錯体を不斉還元触媒として不斉還元を行うことにより、保護基を用いる前駆体製造工程をなくして光学活性なL−フェニレフリンが製造できることを見出した。したがって、本発明は、前記課題を解消することのできる光学活性なL−フェニレフリンの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決したL−フェニレフリンを製造する方法を提供するものであり、その製造方法は、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの酸塩を、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物を配位子としてロジウム有機化合物とで形成した有機金属錯体を不斉還元触媒として接触還元を行うことを特徴とするものである。
【0009】
そして、本発明では、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物を配位子としてロジウム有機化合物とで形成した有機金属錯体を不斉還元触媒を用いることにより、保護基を有する前駆体を用いることなく光学活性なL−フェニレフリンが製造できるから、保護基の導入及び除去という工程が不要であり、かつ光学分割工程も不要である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は、それによって限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
【0011】
本発明の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法は、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの酸塩を、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物を配位子としてロジウム有機化合物とで形成した有機金属錯体を不斉還元触媒として接触還元を行うことを特徴とするものである。なお、L−フェニレフリンの化学式は式1に示すとおりである。
【0012】
【化1】
【0013】
本発明の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法の原料物質である、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの酸塩については、各種の無機酸あるいは有機塩が特に制限されることなく使用可能であり、塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩、酢酸塩あるいは蓚酸塩等が例示できるが、コスト面や溶解度の大きさの点で、塩酸あるいは硫酸塩が好ましい。なお、その原料物質の化学式を式2に示す。
【0014】
【化2】
【0015】
本発明の製造方法の原料物質である1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩の製造方法については前記したとおり既知の方法があり(Legerlotz. U.S.PAT 1,932,347)、その方法により製造されたものが好ましく利用できることは勿論であるが、その製造方法ついては、何ら限定されるものではなく、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩等の酸塩であれば、各種の製造方法によって製造されたものが特に制限されることはなく使用できることは勿論である。
【0016】
本発明の製造方法で使用する不斉還元触媒を形成する、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物としては、(2R,4R)−N−メチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(MCCPM)、(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(ECCPM)、(2R,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(BCPM)、または(2R,4R)−N−tert−ブトキシカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(BCCPM)等の各種光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物が特に制限されることなく使用できる。
【0017】
これらの光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物の中では、反応率と得られる生成物の光学純度の高さの点で、(2R,4R)−N−メチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン又は(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジンが好ましい。前者のホスフィン化合物の化学式を示すと式3のとおりである。
【0018】
【化3】
【0019】
前記ホスフィン化合物と同じく本発明の製造方法で使用する不斉還元触媒を形成する、ロジウム有機化合物としては、前記光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物と反応して不斉還元触媒機能を有する有機金属錯体を形成できるものであれば、特に制限されることなく使用でき、それにはロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体あるいはロジウム−ノルボルナジエン−クロル錯体等の化合物が例示できるが、工業的入手の容易性の点でロジウム−1,5シクロオクタジエン−クロル錯体が好ましい。
【0020】
以上のとおりであるから、本発明で使用する不斉還元触媒は、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物とロジウム有機化合物とが反応して、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物を配位子としロジウム有機化合物とで形成した有機金属錯体であり、該錯体としては、(2R,4R)−N−メチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジンとロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体とで形成された金属錯体、あるいは(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジンとロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体とで形成された金属錯体等が例示できる
【0021】
これら例示した有機金属錯体の中では、収率と得られる生成物の光学純度の高さの点で、(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジンとロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体とで形成された有機金属錯体が好ましい。
【0022】
この有機金属錯体の調製は2種の態様で行うことができる。第1は接触還元反応とは別に該錯体を事前に準備する方法であり、第2は事前に準備するのではなく該接触還元反応を行う反応装置内で該還元反応に先だって有機金属錯体の調製反応を実施し、そこで生成したものを一旦分離することなくそのまま還元反応に使用するという形態で触媒を調製するものである。
【0023】
第1及び第2の両調製ともに不活性雰囲気中で行うことが好ましく、第1の場合は、不活性雰囲気下であっても生成した不斉触媒は不安定性であり、失活する場合もあるので後者の方が好ましい。また、第1及び第2の場合とも不活性溶剤を使用して有機金属錯体を調製するのが好ましく、その際に使用する不活性溶剤とは、不活性雰囲気下に十分脱気された溶剤をいう。
【0024】
その溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミドあるいはN−メチルピロリドンなどが例示できる。なお、第1及び第2の両方の場合とも不活性雰囲気を形成するために使用する気体としては、窒素あるいはアルゴン等の各種不活性気体が特に制限されることなく使用可能である。
【0025】
本発明における接触還元は、2級アミン類又は3級アミン類の不存在下で行うこともできるが、それは反応促進の点で2級アミン類又は3級アミン類の存在下で行うことが好ましい。その際において使用する2級アミン類又は3級アミン類としては、ジエチルアミンもしくはモルホリン等のジアミン、又はトリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミンなどの各種トリアルキルアミンが特に制限されることなく使用可能であるが、取り扱い、コスト、収率への影響等の点でジエチルアミンが好ましい。
【0026】
この反応において不斉還元触媒として使用する有機金属錯体を形成する、ロジウム有機化合物と、光学活性ピロリジンビスホスフィン化合物との比は、1:0.5〜10がよく、好ましくは1:1〜5がよい。この不斉還元触媒の使用量は、原料物質である1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの酸塩に対して、モル比で1:100〜1,000,000、好ましくは1:1,000〜100.000がよい。
【0027】
接触還元反応は、水素を還元剤とし触媒を使用する還元反応であるが、本願発明では、反応温度は10〜80℃、水素圧は3〜50kg/cm2の範囲で行うのが好ましい。その還元反応の際にアミン類を共存させる場合には、そのアミン類の使用量については、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの酸塩に対して、0.01〜0.005倍モルがよい。
【0028】
還元反応後は、溶媒を留去し、水を加え、苛性アルカリでアルカリ性として目的物を析出させ、ろ取することにより粗製L−フェニレフリンが得られる。これをカラムクロマトグラフィーあるいは再結晶等の各種精製操作を行うことにより、精製L−フェニレフリンを得ることができる。なお、得られたL−フェニレフリンの光学純度は光学活性カラム(例えば、住友分析センター製 OA−9000)を用いたHPLC法で求めることができる。
【0029】
【実施例】
以下において、本発明に関し実施例をあげて更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
【0030】
[実施例1]
以下の方法により不斉還元触媒を予め調製した。すなわち、反応容器を予めアルゴンガスで置換しておき、そこに(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン19.96mgと、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体22mgと、不活性雰囲気で十分に脱気されたメタノール110mlとを投入して、再度Ar置換し、室温で30分間攪拌する。
【0031】
この予め調製した触媒を調製後直ちに使用して以下のとおり光学活性なL−フェニレフリンを製造した。
すなわち、反応容器(オートクレーブ)を窒素ガスで置換した後、メタノール500mlと、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの塩酸塩150gとを入れて攪拌下減圧し、窒素ガス9kg/cm2で3回置換する。その窒素置換が十分に行えた後トリエチルアミン489.5mgを添加し、次いで先に調製した不斉還元触媒溶液を不活性雰囲気下で添加する。
【0032】
添加終了後、直ちに水素ガスで置換して60℃で30時間反応させる。該反応終了後室温に戻し、溶剤を減圧留去し、ついで水600mlを加えて攪拌する。その後63℃で減圧濃縮し、水を半分除去してから食塩45gを加え、苛性ソーダでpHを9.0前後に調整する。このpH調整により生成物が析出するので、これをろ取、洗浄、乾燥して粗L−フェニレフリン106gを得た。収率は85wt%であり、光学純度はHPLCで求めたところ98%eeであった。
【0033】
[実施例2]
アルゴン置換したオートクレーブ中へ脱気したメタノール250mlと、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの塩酸塩36g(0.178mol)と、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体5.8mgと、(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン4.8mg(0.0097mmol)を加え、更にジエチルアミン49mgを加え、水素ガスで5回置換後、水素ガス圧10kg/cm2で加圧し、室温で1時間攪拌する。
【0034】
次いで、水素圧10kg/cm2下、60℃で15時間反応させる。反応終了後室温に戻し、不溶物を濾過し、メタノールを濃縮し、水150mlを加え、更に溶媒を完全除去し、20℃に水冷する。その後食塩を加えて塩析し、更に48wt%苛性ソーダでpHを9〜9.5に調整し、20℃で一晩熟成し、ろ取する。ろ取後水洗し、その後更にイソプロピルアルコールでろ取物を洗浄し、乾燥する。その結果L−フェニレフリンが23.9gが取得でき、収率は80.4wt%であった。光学純度はHPLC法で求めたところ98%eeであった。
【0035】
[実施例3]
原料として、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの硫酸塩2.14g(0.01mol)を用いた点を除き、実施例2と同様の処理操作によりL−フェニレフリンを調製した。その結果L−フェニレフリンが2.0gが取得でき、収率は93.5wt%であった。光学純度はHPLC法で求めたところ67.0%eeであった。
【0036】
[実施例4]
アルゴン置換した小型オートクレーブに、(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン4.3mg(8.2mmol)と、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体22mg(4.52mmol)をメタノール4mlと共に入れ、水素ガス圧10k/cm2で加圧し、室温で3時間反応させた後、反応液を濃縮すると240mgの反応生成物が得られた。この生成物を光学活性カラムで分析すると149mg(収率89.3%)で光学純度86.2%eeのL−フェニレフリンが得られた。
【0037】
【発明の効果】
本発明のL−フェニレフリンの製造方法では、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物を配位子としてロジウム有機化合物とで形成した有機金属錯体を不斉還元触媒として接触還元を行うことにより、保護基を用いることなく光学活性なL−フェニレフリンが製造するものである。したがって、本発明では、保護基の導入及び除去が不要となり、かつ光学分割も必要とせず製造面コストで有利である。その結果、高純度のL−フェニレフリンが、簡便に製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管収縮剤として有用な光学活性なL−フェニレフリンを簡便に製造する方法に関する。より詳しくは、本発明は、最近我が国の野依教授がノーベル賞を受賞したことで話題となった不斉還元触媒の新たなリガントとして開発された阿知波触媒と通称される不斉還元触媒を用いて、L−フェニレフリンを簡便に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
このL−フェニレフリンは、光学活性なアルカノールアミンの1種であるが、光学活性なアルカノールアミンを製造する技術としては、原料であるアミノケトン体を水素ガス還元を用いてラセミ体を形成し、その後光学分割法を用いて、所望の光学活性体を取得する方法がある。また、この方法により製造される化合物としては、ほかにエフェドリンあるいはエピネフィリン等が例示できる。
【0003】
本発明で製造するL−フェニレフリン[(R)−(−)−フェニレフリンということもできる]は、血管収縮剤として有用な光学活性化合物であり、この化合物のラセミ体の製造方法としては、例えばアミノケトン体である1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの水酸基及びアミノ基をベンジル化して保護した後、接触還元反応を行い、その後保護基をはずしてフェニレフリンを製造する方法がある(薬学雑誌、Vol.28 p773〜774(1956))。また、その出発原料である1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンについても勿論既知の製造方法があり(Legerlot,H、U,S,P 1,932,347)、その方法により製造できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この反応時に利用する保護基は、アミノケトン体の安定性を増大させ、副次反応の発現を抑制し、目的還元反応の純度を向上させることを目的とするものであるが、この製造方法では、保護基の導入及び除去という工程が増加し、製造面でコスト上不利である。
【0005】
また、このようにして得られた化合物は、光学活性なL−フェニレフリンではなくラセミ体であることから、このままでは血管収縮剤の医薬品としては使用することはできず、通常光学分割を行って光学活性体とし使用に供することが必要となる。この場合における光学分割剤としては、α−bromocamphor−π−sulfonic acidや、d−酒石酸を使用する例が知られている(U.S.PAT 1,954,398(1934))。
【0006】
そのようなことで、これらの問題を解消できるL−フェニレフリンの製造方法の開発が望まれた。すなわち、多工程を必要とし、コスト面での配慮が必要となる保護基を用いることなく、さらに工程が追加され、かつこの化合物の取得量が理論的に半分になってしまう光学分割を行うことなく、かつ高い純度の光学活性体が簡便に得られるL−フェニレフリンの製造方法の開発が望まれた。
【0007】
そこで、本発明者らは、L−フェニレフリンの製造方法における、この問題を解決すべく鋭意研究開発を進めた。その結果、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物を配位子としてロジウム有機化合物とで形成した有機金属錯体を不斉還元触媒として不斉還元を行うことにより、保護基を用いる前駆体製造工程をなくして光学活性なL−フェニレフリンが製造できることを見出した。したがって、本発明は、前記課題を解消することのできる光学活性なL−フェニレフリンの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決したL−フェニレフリンを製造する方法を提供するものであり、その製造方法は、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの酸塩を、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物を配位子としてロジウム有機化合物とで形成した有機金属錯体を不斉還元触媒として接触還元を行うことを特徴とするものである。
【0009】
そして、本発明では、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物を配位子としてロジウム有機化合物とで形成した有機金属錯体を不斉還元触媒を用いることにより、保護基を有する前駆体を用いることなく光学活性なL−フェニレフリンが製造できるから、保護基の導入及び除去という工程が不要であり、かつ光学分割工程も不要である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は、それによって限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
【0011】
本発明の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法は、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの酸塩を、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物を配位子としてロジウム有機化合物とで形成した有機金属錯体を不斉還元触媒として接触還元を行うことを特徴とするものである。なお、L−フェニレフリンの化学式は式1に示すとおりである。
【0012】
【化1】
【0013】
本発明の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法の原料物質である、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの酸塩については、各種の無機酸あるいは有機塩が特に制限されることなく使用可能であり、塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩、酢酸塩あるいは蓚酸塩等が例示できるが、コスト面や溶解度の大きさの点で、塩酸あるいは硫酸塩が好ましい。なお、その原料物質の化学式を式2に示す。
【0014】
【化2】
【0015】
本発明の製造方法の原料物質である1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩の製造方法については前記したとおり既知の方法があり(Legerlotz. U.S.PAT 1,932,347)、その方法により製造されたものが好ましく利用できることは勿論であるが、その製造方法ついては、何ら限定されるものではなく、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの鉱酸塩等の酸塩であれば、各種の製造方法によって製造されたものが特に制限されることはなく使用できることは勿論である。
【0016】
本発明の製造方法で使用する不斉還元触媒を形成する、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物としては、(2R,4R)−N−メチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(MCCPM)、(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(ECCPM)、(2R,4R)−N−tert−ブトキシカルボニル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(BCPM)、または(2R,4R)−N−tert−ブトキシカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン(BCCPM)等の各種光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物が特に制限されることなく使用できる。
【0017】
これらの光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物の中では、反応率と得られる生成物の光学純度の高さの点で、(2R,4R)−N−メチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン又は(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジンが好ましい。前者のホスフィン化合物の化学式を示すと式3のとおりである。
【0018】
【化3】
【0019】
前記ホスフィン化合物と同じく本発明の製造方法で使用する不斉還元触媒を形成する、ロジウム有機化合物としては、前記光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物と反応して不斉還元触媒機能を有する有機金属錯体を形成できるものであれば、特に制限されることなく使用でき、それにはロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体あるいはロジウム−ノルボルナジエン−クロル錯体等の化合物が例示できるが、工業的入手の容易性の点でロジウム−1,5シクロオクタジエン−クロル錯体が好ましい。
【0020】
以上のとおりであるから、本発明で使用する不斉還元触媒は、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物とロジウム有機化合物とが反応して、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物を配位子としロジウム有機化合物とで形成した有機金属錯体であり、該錯体としては、(2R,4R)−N−メチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジンとロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体とで形成された金属錯体、あるいは(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジンとロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体とで形成された金属錯体等が例示できる
【0021】
これら例示した有機金属錯体の中では、収率と得られる生成物の光学純度の高さの点で、(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジンとロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体とで形成された有機金属錯体が好ましい。
【0022】
この有機金属錯体の調製は2種の態様で行うことができる。第1は接触還元反応とは別に該錯体を事前に準備する方法であり、第2は事前に準備するのではなく該接触還元反応を行う反応装置内で該還元反応に先だって有機金属錯体の調製反応を実施し、そこで生成したものを一旦分離することなくそのまま還元反応に使用するという形態で触媒を調製するものである。
【0023】
第1及び第2の両調製ともに不活性雰囲気中で行うことが好ましく、第1の場合は、不活性雰囲気下であっても生成した不斉触媒は不安定性であり、失活する場合もあるので後者の方が好ましい。また、第1及び第2の場合とも不活性溶剤を使用して有機金属錯体を調製するのが好ましく、その際に使用する不活性溶剤とは、不活性雰囲気下に十分脱気された溶剤をいう。
【0024】
その溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミドあるいはN−メチルピロリドンなどが例示できる。なお、第1及び第2の両方の場合とも不活性雰囲気を形成するために使用する気体としては、窒素あるいはアルゴン等の各種不活性気体が特に制限されることなく使用可能である。
【0025】
本発明における接触還元は、2級アミン類又は3級アミン類の不存在下で行うこともできるが、それは反応促進の点で2級アミン類又は3級アミン類の存在下で行うことが好ましい。その際において使用する2級アミン類又は3級アミン類としては、ジエチルアミンもしくはモルホリン等のジアミン、又はトリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミンなどの各種トリアルキルアミンが特に制限されることなく使用可能であるが、取り扱い、コスト、収率への影響等の点でジエチルアミンが好ましい。
【0026】
この反応において不斉還元触媒として使用する有機金属錯体を形成する、ロジウム有機化合物と、光学活性ピロリジンビスホスフィン化合物との比は、1:0.5〜10がよく、好ましくは1:1〜5がよい。この不斉還元触媒の使用量は、原料物質である1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの酸塩に対して、モル比で1:100〜1,000,000、好ましくは1:1,000〜100.000がよい。
【0027】
接触還元反応は、水素を還元剤とし触媒を使用する還元反応であるが、本願発明では、反応温度は10〜80℃、水素圧は3〜50kg/cm2の範囲で行うのが好ましい。その還元反応の際にアミン類を共存させる場合には、そのアミン類の使用量については、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの酸塩に対して、0.01〜0.005倍モルがよい。
【0028】
還元反応後は、溶媒を留去し、水を加え、苛性アルカリでアルカリ性として目的物を析出させ、ろ取することにより粗製L−フェニレフリンが得られる。これをカラムクロマトグラフィーあるいは再結晶等の各種精製操作を行うことにより、精製L−フェニレフリンを得ることができる。なお、得られたL−フェニレフリンの光学純度は光学活性カラム(例えば、住友分析センター製 OA−9000)を用いたHPLC法で求めることができる。
【0029】
【実施例】
以下において、本発明に関し実施例をあげて更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
【0030】
[実施例1]
以下の方法により不斉還元触媒を予め調製した。すなわち、反応容器を予めアルゴンガスで置換しておき、そこに(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン19.96mgと、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体22mgと、不活性雰囲気で十分に脱気されたメタノール110mlとを投入して、再度Ar置換し、室温で30分間攪拌する。
【0031】
この予め調製した触媒を調製後直ちに使用して以下のとおり光学活性なL−フェニレフリンを製造した。
すなわち、反応容器(オートクレーブ)を窒素ガスで置換した後、メタノール500mlと、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの塩酸塩150gとを入れて攪拌下減圧し、窒素ガス9kg/cm2で3回置換する。その窒素置換が十分に行えた後トリエチルアミン489.5mgを添加し、次いで先に調製した不斉還元触媒溶液を不活性雰囲気下で添加する。
【0032】
添加終了後、直ちに水素ガスで置換して60℃で30時間反応させる。該反応終了後室温に戻し、溶剤を減圧留去し、ついで水600mlを加えて攪拌する。その後63℃で減圧濃縮し、水を半分除去してから食塩45gを加え、苛性ソーダでpHを9.0前後に調整する。このpH調整により生成物が析出するので、これをろ取、洗浄、乾燥して粗L−フェニレフリン106gを得た。収率は85wt%であり、光学純度はHPLCで求めたところ98%eeであった。
【0033】
[実施例2]
アルゴン置換したオートクレーブ中へ脱気したメタノール250mlと、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの塩酸塩36g(0.178mol)と、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体5.8mgと、(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン4.8mg(0.0097mmol)を加え、更にジエチルアミン49mgを加え、水素ガスで5回置換後、水素ガス圧10kg/cm2で加圧し、室温で1時間攪拌する。
【0034】
次いで、水素圧10kg/cm2下、60℃で15時間反応させる。反応終了後室温に戻し、不溶物を濾過し、メタノールを濃縮し、水150mlを加え、更に溶媒を完全除去し、20℃に水冷する。その後食塩を加えて塩析し、更に48wt%苛性ソーダでpHを9〜9.5に調整し、20℃で一晩熟成し、ろ取する。ろ取後水洗し、その後更にイソプロピルアルコールでろ取物を洗浄し、乾燥する。その結果L−フェニレフリンが23.9gが取得でき、収率は80.4wt%であった。光学純度はHPLC法で求めたところ98%eeであった。
【0035】
[実施例3]
原料として、1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの硫酸塩2.14g(0.01mol)を用いた点を除き、実施例2と同様の処理操作によりL−フェニレフリンを調製した。その結果L−フェニレフリンが2.0gが取得でき、収率は93.5wt%であった。光学純度はHPLC法で求めたところ67.0%eeであった。
【0036】
[実施例4]
アルゴン置換した小型オートクレーブに、(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン4.3mg(8.2mmol)と、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体22mg(4.52mmol)をメタノール4mlと共に入れ、水素ガス圧10k/cm2で加圧し、室温で3時間反応させた後、反応液を濃縮すると240mgの反応生成物が得られた。この生成物を光学活性カラムで分析すると149mg(収率89.3%)で光学純度86.2%eeのL−フェニレフリンが得られた。
【0037】
【発明の効果】
本発明のL−フェニレフリンの製造方法では、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物を配位子としてロジウム有機化合物とで形成した有機金属錯体を不斉還元触媒として接触還元を行うことにより、保護基を用いることなく光学活性なL−フェニレフリンが製造するものである。したがって、本発明では、保護基の導入及び除去が不要となり、かつ光学分割も必要とせず製造面コストで有利である。その結果、高純度のL−フェニレフリンが、簡便に製造することができる。
Claims (7)
- 1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの酸塩を、光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物を配位子としてロジウム有機化合物とで形成した有機金属錯体を不斉還元触媒として接触還元を行うことを特徴とする光学活性なL−フェニレフリンを製造する方法。
- 接触還元が2級又は3級アミン類の存在下で行われる請求項1記載の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法。
- 2級又は3級アミン類が、ジエチルアミンである請求項1又は2に記載の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法。
- 1−(3−オキシフェニル)−2−(N−メチル)−エタン−1−オンの酸塩が塩酸塩又は硫酸塩である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法。
- 光学活性なピロリジンビスホスフィン化合物が、(2R,4R)−N−メチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジン又は(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジンである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法。
- ロジウム有機化合物が、ロジウム−1,5−シクロオクタジエン−クロル錯体である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法。
- 不斉還元触媒である有機金属錯体が、(2R,4R)−N−エチルカルバモイル−4−ジシクロヘキシルホスフィノ−2−ジフェニルホスフィノメチルピロリジンである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学活性なL−フェニレフリンの製造方法。
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WO2007145203A1 (ja) * | 2006-06-13 | 2007-12-21 | Daiichi Fine Chemical Co., Ltd. | 光学活性2-アミノ-1-(4-フルオロフェニル)エタノール |
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-
2002
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