JP2004115165A - シート搬送装置及び該装置を備えた画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】異音の発生を小さくして、振動を少なくする。
【解決手段】シート搬送装置150は、原稿を挟持し、かつ分離ローラ軸1によって回転して原稿を搬送する分離ローラ及び逆転ローラと、分離ローラ軸に接触して分離ローラ軸に設けた分離ローラ114を逆転ローラ115に押圧する方向に押圧し、分離ローラ軸1をアースするアース板5と、分離ローラ軸に回転力を伝達するアイドラ軸4と、このアイドラ軸とアース板との間に設けられてアイドラ軸がスラスト方向へ移動するのを規制する溝4a及び引っ掛け片5bと、を備えている。
【選択図】 図3
【解決手段】シート搬送装置150は、原稿を挟持し、かつ分離ローラ軸1によって回転して原稿を搬送する分離ローラ及び逆転ローラと、分離ローラ軸に接触して分離ローラ軸に設けた分離ローラ114を逆転ローラ115に押圧する方向に押圧し、分離ローラ軸1をアースするアース板5と、分離ローラ軸に回転力を伝達するアイドラ軸4と、このアイドラ軸とアース板との間に設けられてアイドラ軸がスラスト方向へ移動するのを規制する溝4a及び引っ掛け片5bと、を備えている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートを搬送するシート搬送装置、搬送ローラをアースしたシート搬送装置と、このシート搬送装置を備えた画像読取装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シートに形成してある画像を読み取る画像読取装置や、シートに画像を形成する画像形成装置は、シートを搬送するシート搬送装置を有している。画像読取装置には、例えば、ファクシミリ、スキャナ及びこれらの複合機等がある。画像形成装置には、例えば、ファクシミリ、複写機、プリンタ等がある。ファクシミリは、シート(例えば、原稿)の画像を読み取ってその画像を送信し、かつ他のファクシミリから送信されてきた画像をシートに形成するようになっている。このため、ファクシミリは、いわゆる、画像読取装置と画像形成装置との複合機である。
【0003】
一方、画像読取装置、画像形成装置、及び上記複合機に組み込まれて、シートを搬送するシート搬送装置は、シートを搬送する搬送回転体である例えば搬送ローラをアースしてある場合がある。これは、搬送ローラに静電気が帯びると、ノイズの原因になるからである。ファクシミリの場合、静電気の影響を受けると、シートの画像を読み取った電気信号に乱れが生じて、画像を正確に読み取ることができないことがある。
【0004】
従来のシート搬送装置において、搬送ローラをアースするには、組み立て時において、フレームにアース板を取り付けてから搬送ローラの回転軸を組み付けて、回転軸にアース板を接触させるか、あるいは、フレームに搬送ローラを組み付けてから搬送ローラの回転軸端部にアース板を接触させるかしている。
【0005】
また、搬送ローラの回転軸に、例えば歯車を介して回転力を伝達する駆動軸は、フレームに直接設けてから歯車を取り付けるか、あるいは、支持板に駆動軸を設けてから駆動軸に歯車を設けてユニット化し、その後、支持板をフレームに設けて、駆動軸をフレームに設けていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のシート搬送装置は、アース板と搬送ローラの回転軸との接触圧の方向によっては、搬送ローラ対のニップをシートの後端が通過した後に、搬送ローラの回転軸と軸受との間のガタ、軸受とフレームとの間のガタにより異音が発生することがあった。
【0007】
また、駆動軸をフレームに直接支持させている場合には、フレームと駆動軸を分解するには工具が必要でありフレームのリサイクルが困難であった。
【0008】
また、駆動軸を支持板に結合させて駆動軸に歯車を取り付けたユニットを、フレームに組み込む場合には、組み立て性が悪く、組み立てに手間がかかり、その分、組み付け時のコストが高くなることがあった。
【0009】
本発明は、異音の発生を小さくして、振動を少なくしたシート搬送装置を提供することを目的としている。
【0010】
本発明は、リサイクル性に優れたシート搬送装置を提供することを目的としている。
【0011】
本発明は、シート搬送装置を備えた画像読取装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のシート搬送装置は、シートを挟持し、かつ回転軸によって回転して前記シートを搬送する1対の搬送回転体と、前記回転軸に接触して該回転軸に設けた搬送回転体を他方の搬送回転体に押圧する方向に押圧し、該回転軸をアースするアース部材と、前記回転軸に回転力を伝達する駆動軸と、前記駆動軸と前記アース部材との間に設けられて前記駆動軸がスラスト方向へ移動するのを規制する規制手段と、を備えている。
【0013】
本発明のシート搬送装置は、前記回転軸と前記駆動軸と前記アース部材とを設けられたフレームを備え、前記フレームは、搬送される前記シートを案内する案内路の片側の案内壁を有している。
【0014】
本発明のシート搬送装置における、前記アース部材は、前記回転軸に接触する部分に半球形状の突部を有している。
【0015】
本発明のシート搬送装置における、前記突部は、複数形成されている。
【0016】
本発明のシート搬送装置における、前記1対の回転体は、重なったシートを搬送するとき、いずれか一方の回転体がシートを逆送する方向に回転して前記重なったシートを分離搬送するようになっている。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の画像読取装置は、上記いずれか1つのシート搬送装置と、前記シート搬送装置によって搬送されたシートの画像を読み取る画像読取手段と、を備えている。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態のシート搬送装置と、このシート搬送装置を備えた画像読取装置である例えばファクシミリとを図1乃至図4に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態のシート搬送装置を備えた画像読取装置である例えばファクシミリのシート搬送方向に沿った断面図である。図2は、図1のファクシミリの画像読取部のシート搬送方向に沿った断面図である。
【0020】
ファクシミリ100は、ファクシミリの装置本体101の上部に、画像読取部102を備えている。
【0021】
装置本体101は、シートに画像を形成する画像形成部103と、画像形成部103の下部に位置して画像形成部103へ被記録紙であるシートを供給するカセット給紙部104とを備えている。
【0022】
したがって、図1に示すファクシミリは、シートに形成してある画像を画像読取部102で読み取って、その画像情報を他のファクシミリに送受信部126で送信するようになっている。また、ファクシミリは、他のファクシミリから送られてきた、画像情報を送受信部126で受信して、画像形成部103でシートに画像を形成するようになっている。さらに、ファクシミリ100は、画像読取部102で画像を読み取った画像情報に基づいて、画像形成部103でシートに画像を複写するようになっている。この場合、ファクシミリ100は、複写機として機能することになる。
【0023】
なお、以下、画像が形成されるシートを被記録紙と言い、符号をPとする。また、画像が形成されたシートを原稿と言い、符号をDとする。
【0024】
本発明の実施形態のシート搬送装置150は、画像読取部102に設けてあるが、画像読取部102のみならず、画像形成部103、カセット給紙部104に設けてもよい。しかも、本実施形態のシート搬送装置150の構成は、画像読取部102、画像形成部103、及びカセット給紙部104のいずれの原稿、被記録紙を搬送するローラに適用することができる。
【0025】
(ファクシミリ装置本体)
図1において、カセット給紙部104のピックアップローラ128は、カセット127内の被記録紙Pに下降して接触して、被記録紙をカセット127から送り出し、分離ローラ129と逆転ローラ130とのニップに送り込む。ニップに被記録紙を送り込んだピックアップローラ128は、次の被記録紙を送り出すため、上昇して待機する。分離ローラ129と逆転ローラ130は、ピックアップローラ128から受け取った被記録紙を搬送ローラ対131に搬送する。このとき、カセット127から被記録紙が重なって送り出されるようなことがあると、逆転ローラ130が逆転して、重なった被記録紙の下側の被記録紙をカセット127に逆送して、分離ローラ129が被記録紙を1枚だけ搬送する。
【0026】
画像形成部103の搬送ローラ対131は、被記録紙Pをレジストローラ対132に送る。レジストローラ対132は、被記録紙が斜行している場合、真っ直ぐに矯正して感光体ドラム133と転写ローラ134との間に送り込む。
【0027】
一方、感光体ドラム133は、帯電ローラ135によって帯電されて、送受信部126で受信された画像情報に基づいてレーザ変調部136によって露光され、潜像が形成される。現像器137は、潜像をトナー現像して、トナー画像にする。
【0028】
転写ローラ134は、感光体ドラム133上のトナー画像を被記録紙に転写して、その被記録紙を定着器138に送り込む。定着器138は、被記録紙を加熱加圧して被記録紙にトナー画像を定着する。搬送ローラ対139と、排出ローラ対140は、被記録紙を搬送して、排出トレイ141に排出して積載する。
【0029】
(画像読取部)
画像読取部の構成を説明する。
【0030】
図2において、画像読取部102の原稿台111には、原稿Dがセットされるようになっている。原稿有無センサ112は、原稿台111にセットされた原稿Dを検知するようになっている。ピックアップローラ113は、原稿台111にセットされた原稿に対して不図示のアクチェータによって接離するようになっている。また、ピックアップローラ113は、原稿に接触し、かつ回転することによって原稿を原稿台111から画像読取部102内に送り込むようになっている。分離ローラ114と逆転ローラ115は、送り込まれた原稿を協働して1枚ずつに分離して搬送するようになっている。原稿フィードセンサ116は、分離された原稿の先端および後端を検知するようになっている。
【0031】
上流搬送ローラ117は、分離された原稿をU字状の搬送路であるUターンパス118へ搬送するようになっている。下流搬送ローラ119は、Uターン後の原稿をCISで構成した画像読取手段である例えば原稿読取部121へ搬送するようになっている。原稿エッジセンサ120は、原稿読取部121の原稿の読取開始、終了のタイミングを計るため、原稿の先端および後端を検知するようになっている。排紙ローラ124は、読み取りの終了した原稿を排紙トレイ125に排出するようになっている。
【0032】
画像読取部の動作を説明する。
【0033】
ユーザが原稿台111に原稿をセットして読取開始を指示すると、不図示の駆動モータにより、ピックアップローラ113、分離ローラ114、逆転ローラ115、上流搬送ローラ117、下流搬送ローラ119、及び排紙ローラ124が回転する。
【0034】
ピックアップローラ113は、原稿に当接して原稿を画像読取部102の内部へ送り込む。分離ローラ114と逆転ローラ115は、原稿を受け取って搬送する。このとき、原稿が重なっていると、逆転ローラ115が逆転して、重なっている下側のシートを原稿台111に逆送して、分離ローラ114が正転して、重なっている上側のシートを1枚だけ上流搬送ローラ117へ搬送する。また、分離ローラ114の原稿搬送速度は、分離ローラ114と逆転ローラ115とが原稿を分離するとき、原稿に傷を付けないようにするため、及び、逆転ローラ115により原稿が搬送抵抗を受けるため、画像読取部全体の設定した原稿搬送速度よりも遅く設定してある。
【0035】
原稿フィードセンサ116が原稿の先端を検知すると、ピックアップローラ113による原稿搬送が解除される。分離ローラ114と逆転ローラ115とによって分離された原稿は、設定した原稿搬送速度よりも速い周速で回転する上流搬送ローラ117によってUターンパス118へ搬送される。上流搬送ローラ117の周速は、あらかじめ分離ローラ114と逆転ローラ115とでの遅れを相殺する速度に設定してある。このため、上流搬送ローラ117は、分離ローラ114と逆転ローラ115とでの遅れを取り戻して、略設定した原稿搬送速度で原稿を下流搬送ローラ119へ搬送する。
【0036】
下流搬送ローラ119は、略設定した原稿搬送速度の周速で回転して、原稿を原稿読取部121へ搬送する。原稿エッジセンサ120が原稿の先端を検知すると、原稿エッジセンサ120から所定量搬送したところで原稿読取部121が原稿の読み取りを開始する。このときも原稿は、略設定した原稿搬送速度で搬送されている。
【0037】
排紙ローラ124の周速は、設定した原稿搬送速度よりも僅かに速く設定してある。また、排紙ローラ124の搬送力は、下流搬送ローラ119よりも弱く設定してある。排紙ローラ124での原稿搬送が開始されると、下流搬送ローラ119と排紙ローラ124との僅かな周速差で原稿にテンションがかかり、原稿読取部121での読取にもっとも適した位置を原稿が搬送される。また、下流搬送ローラ119と排紙ローラ124での周速差が僅かであり、かつ、排紙ローラ124の搬送力は下流搬送ローラ119よりも弱く設定してあるので、原稿は略設定した原稿搬送速度で搬送される。原稿エッジセンサ120が原稿の後端を検知すると、原稿エッジセンサ120から所定量搬送したところで原稿読取部121は原稿の読み取りを終了する。
【0038】
その後、原稿台111に原稿が複数枚セットされたときのピックアップローラ113によるピックアップ動作は、原稿台111に原稿が複数枚セットされて原稿有無センサ112が原稿を検知し、かつ原稿フィードセンサ116が原稿を検知していないときにおいて、ピックアップローラ113が原稿から離れた待機位置から不図示のアクチュエータによって、原稿に当接して回転することによって、行われる。このピックアップ動作は、原稿フィードセンサ116が原稿の後端を検知すると、繰り返される。
【0039】
以上の一連の読み取り動作は、原稿有無センサ112が原稿を検知しなくなると終了する。
【0040】
(シート搬送装置)
図2、図3、図4に基づいて、シート搬送装置150を説明する。
【0041】
シート搬送装置150は、1対の搬送回転体である例えば分離ローラ114及び逆転ローラ115と、アース部材である例えばアース板5、回転軸である例えば分離ローラ軸1、分離ローラギア2、アイドラギア3、駆動軸である例えばアイドラ軸4等を備えている。分離ローラ軸1は、他の駆動機構から回転力を受けても回転することができるので、分離ローラギア2及びアイドラギア3、アイドラ軸4は、必ずしも必要としない。
【0042】
分離ローラ軸1は分離ローラ114に駆動力を伝達するようになっている。分離ローラギア2は分離ローラ軸1に取り付けてある。アイドラギア3はアイドラ軸4に取り付けられてアイドラ軸4の回転力を分離ローラギア2に伝達するようになっている。アース板5は分離ローラ軸1に接触してアース線6を介して分離ローラ軸1をアースに落としている。フレーム7には、分離ローラ軸1、アイドラ軸4、アース板5、原稿有無センサ112、原稿フィードセンサ116等を設けてある。フレーム7の各部品の取り付け部とは逆側の面7a(図2参照)は、原稿を案内する案内路である例えば原稿搬送路9の片側の案内壁になっている。
【0043】
アース板5はフレーム7のボス7b,7cによって取り付け位置を決められて、フレーム7に設けてある。アース板5が分離ローラ軸1に接触する接触部には、半球状の突部5aを突設してある。半球状の突部5aをアース板5に突設することによって、アース板5が分離ローラ軸1に対して片当たりすることがなく、分離ローラ軸1の回転時に、分離ローラ軸1とアース板5との摺動音を低減することができる。
【0044】
また、アース板5は導電性に優れた弾性板であり、分離ローラ軸1を図4の矢印の方向に押圧している。すなわち、アース板5は、分離ローラ114を逆転ローラ115に押圧する方向に分離ローラ軸1を押圧している。このため、原稿が、図2に示すピックアップローラ113によって搬送されて、分離ローラ114と逆転ローラ115とのニップに進入して、分離ローラ114が原稿によって押し上げられたとき、アース板5は、分離ローラ軸1に押されて、撓み、分離ローラ軸1に押圧力を加えて、分離ローラ114が原稿に確実に接触するようにしている。そして、原稿がニップを通過すると、アース板5は、分離ローラ軸1を押し返して、分離ローラ114を逆転ローラ115に圧接させる。したがって、原稿の後端がニップを抜けるときにフレーム7と軸受け8との間、軸受け8と分離ローラ軸1との間のガタによる異音、振動を発生しないようにすることができる。なお、軸受け8は、分離ローラ軸1を回転自在に支持している。
【0045】
なお、アース板5は、導電性に優れた弾性板であるが、例えば、銅板、鋼板、鋼板と銅板とを張り合わせた合板等の金属板である。アース板5は、弾性を備えていなくても、ばね、スプリング、ゴム等の弾性部材に押圧されて、あるいは引っ張られて、分離ローラ軸1に圧接されていてもよい。この場合、ばね、スプリングをアース線として使用してもよい。また、ゴムの場合には、導電性を有するゴムを使用して、アース線として使用してもよい。
【0046】
また、突部5aは、1つでなく、複数突設してあってもよい。この場合、各突部5aの押圧力を弱くして、複数トータルでの押圧力を保持する構成になるので、原稿の後端が分離ローラ129と逆転ローラ130とのニップを抜けるときに異音、振動が発生しないようにすることができる。
【0047】
なお、アース板5に突部5aを突設する代わりに、分離ローラ軸1の外周の回転方向に鍔状に突条を1つ、あるいは複数形成してもよい。
【0048】
図4は、アース板5の側面、および分離ローラ軸1とアイドラ軸4との断面図である。
【0049】
アース板5には、アイドラ軸4の溝4aに係合する逆U字状に切り欠かれた引っ掛け片5bを形成してある。したがって、アイドラ軸4がアイドラギア3と分離ローラギア2とを介して分離ローラ軸1に回転力を伝達しているとき、溝4aと引っ掛け片5bとの係合によって、アイドラ軸4がスラスト方向へ移動するのを規制して、アイドラ軸4のがた付きによる異音、振動の発生を防止することができる。
【0050】
また、溝4aと引っ掛け片5bとが、アイドラ軸4がスラスト方向へ移動するのを規制したとき、引っ掛け片5bの側面にアイドラ軸4が接触するため、アース板5は、アイドラ軸4の静電気をアースすることもできる。なお、溝4aと引っ掛け片5bとによるアイドラ軸4のスラスト方向への移動を規制する構成は、規制手段の一例である。
【0051】
以上説明したように、本実施形態のシート搬送装置150は、原稿を搬送する分離ローラ114及び逆転ローラ115と、分離ローラ114に駆動力を伝達する分離ローラ軸1と、分離ローラ軸1に取り付けた分離ローラギア2と、分離ローラギア2に回転力を伝達するアイドラギア3、及びアイドラ軸4と、分離ローラ軸1のアースを取るためのアース板5等を有して、さらに、分離ローラ114及び逆転ローラ115、分離ローラ軸1、及びアース板5を取り付けてあるフレーム7を有している。そして、アース板5は、原稿搬送時に分離ローラ軸1が受ける力に抗する方向に分離ローラ軸1を付勢するようになっている。また、アース板5には、アイドラ軸4の抜け止め用の引っ掛け片5bを設けてある。
【0052】
本実施形態のシート搬送装置150は、このように構成されているので、原稿搬送時もアース板5により分離ローラ軸1を押さえることができて、分離ローラ114と逆転ローラ115とのニップをシートの先端と後端が通過したときに異音、振動がほとんど発生するようなことがない。また、アース板5にアイドラ軸4の抜け止め用の引っ掛け片5bを設けてあるので、アース板5を外してアイドラ軸4を分解するときに、工具が不必要である。また、アイドラ軸4、クレーム7をリサイクルしやすくなる。さらに、従来必要とした支持板が不必要になり、コストを下げることができる。
【0053】
また、アース板5が分離ローラ軸1に接触する部分に、半球形状の突部5aを設けたことによって、アース板5が分離ローラ軸1に対して片当たりすることがなくなり、アース板5と分離ローラ軸1との間の摺動音を小さくすることができる。
【0054】
さらに、アース板5に上記突部5aを複数設けると、接触する1つの突部5aに対する押圧力を弱くすることができるため、突部5aが1つの場合と比較すると、アース板5と分離ローラ軸1との間の摺動音をさらに低くすることができる。
【0055】
また、フレーム7が原稿搬送路9の片側の側壁を兼ねることによって無駄な部品を作ることなくシート搬送装置のコストを下げることができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明のシート搬送装置は、回転軸をアース部材で押圧してその回転軸に設けた搬送回転体を他方の搬送回転体に押圧する方向に押圧しているので、1対の搬送回転体の間をシートが通過するとき、シートの厚み分だけ搬送回転体が押されて移動するようなことがあっても、従来よりも、異音、振動を小さくすることができる。しかも、回転軸を確実にアースして、電気的ノイズを少なくすることができる。
【0057】
本発明のシート搬送装置は、規制手段によって駆動軸がスラスト方向へ移動するのを規制しているので、駆動軸の移動による異音、振動を小さくすることができる。さらに、アース部材を外して駆動軸を分解するときに、工具が不必要である。また、リサイクルしやすくなる。さらに、従来必要とした支持板が不必要になり、コストを下げることができる。
【0058】
本発明のシート搬送装置は、フレームがシートを案内する案内路の片側の案内壁を有しているので、無駄な部品を作ることなくシート搬送装置のコストを下げることができる。
【0059】
本発明のシート搬送装置は、アース部材が回転軸に接触する部分に、半球形状の突部を設けると、アース部材が回転軸に対して片当たりすることがなくなり、アース部材と回転軸との間の摺動音を小さくすることができる。
【0060】
本発明のシート搬送装置は、アース部材に突部を複数設けると、1つの突部に対する押圧力を弱くすることができて、突部が1つの場合と比較すると、アース部材と回転軸との間の摺動音をさらに小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のシート搬送装置を備えた画像読取装置である例えばファクシミリのシート搬送方向に沿った断面図である。
【図2】図1のファクシミリの画像読取部のシート搬送方向に沿った断面図である。
【図3】図1のファクシミリに組み込まれた、本発明の実施形態のシート搬送装置の平面図である。
【図4】アース板の側面図、および分離ローラ軸とアイドラ軸との断面図である。
【符号の説明】
D 原稿(シート)
P 被記録紙(シート)
1 分離ローラ軸(回転軸)
4 アイドラ軸(駆動軸)
4a 溝(規制手段)
5 アース板(アース部材)
5a 突部
5b 引っ掛け片(規制手段)
6 アース線
7 フレーム
7a 各部品の取り付け部とは逆側の面(案内壁)
9 原稿搬送路(案内路)
100 ファクシミリ(画像読取装置)
101 ファクシミリ装置本体
102 画像読取部
103 画像形成部
104 カセット給紙部
113 ピックアップローラ
114 分離ローラ(搬送回転体)
115 逆転ローラ(搬送回転体)
121 原稿読取部(画像読取手段)
150 シート搬送装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートを搬送するシート搬送装置、搬送ローラをアースしたシート搬送装置と、このシート搬送装置を備えた画像読取装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シートに形成してある画像を読み取る画像読取装置や、シートに画像を形成する画像形成装置は、シートを搬送するシート搬送装置を有している。画像読取装置には、例えば、ファクシミリ、スキャナ及びこれらの複合機等がある。画像形成装置には、例えば、ファクシミリ、複写機、プリンタ等がある。ファクシミリは、シート(例えば、原稿)の画像を読み取ってその画像を送信し、かつ他のファクシミリから送信されてきた画像をシートに形成するようになっている。このため、ファクシミリは、いわゆる、画像読取装置と画像形成装置との複合機である。
【0003】
一方、画像読取装置、画像形成装置、及び上記複合機に組み込まれて、シートを搬送するシート搬送装置は、シートを搬送する搬送回転体である例えば搬送ローラをアースしてある場合がある。これは、搬送ローラに静電気が帯びると、ノイズの原因になるからである。ファクシミリの場合、静電気の影響を受けると、シートの画像を読み取った電気信号に乱れが生じて、画像を正確に読み取ることができないことがある。
【0004】
従来のシート搬送装置において、搬送ローラをアースするには、組み立て時において、フレームにアース板を取り付けてから搬送ローラの回転軸を組み付けて、回転軸にアース板を接触させるか、あるいは、フレームに搬送ローラを組み付けてから搬送ローラの回転軸端部にアース板を接触させるかしている。
【0005】
また、搬送ローラの回転軸に、例えば歯車を介して回転力を伝達する駆動軸は、フレームに直接設けてから歯車を取り付けるか、あるいは、支持板に駆動軸を設けてから駆動軸に歯車を設けてユニット化し、その後、支持板をフレームに設けて、駆動軸をフレームに設けていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のシート搬送装置は、アース板と搬送ローラの回転軸との接触圧の方向によっては、搬送ローラ対のニップをシートの後端が通過した後に、搬送ローラの回転軸と軸受との間のガタ、軸受とフレームとの間のガタにより異音が発生することがあった。
【0007】
また、駆動軸をフレームに直接支持させている場合には、フレームと駆動軸を分解するには工具が必要でありフレームのリサイクルが困難であった。
【0008】
また、駆動軸を支持板に結合させて駆動軸に歯車を取り付けたユニットを、フレームに組み込む場合には、組み立て性が悪く、組み立てに手間がかかり、その分、組み付け時のコストが高くなることがあった。
【0009】
本発明は、異音の発生を小さくして、振動を少なくしたシート搬送装置を提供することを目的としている。
【0010】
本発明は、リサイクル性に優れたシート搬送装置を提供することを目的としている。
【0011】
本発明は、シート搬送装置を備えた画像読取装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のシート搬送装置は、シートを挟持し、かつ回転軸によって回転して前記シートを搬送する1対の搬送回転体と、前記回転軸に接触して該回転軸に設けた搬送回転体を他方の搬送回転体に押圧する方向に押圧し、該回転軸をアースするアース部材と、前記回転軸に回転力を伝達する駆動軸と、前記駆動軸と前記アース部材との間に設けられて前記駆動軸がスラスト方向へ移動するのを規制する規制手段と、を備えている。
【0013】
本発明のシート搬送装置は、前記回転軸と前記駆動軸と前記アース部材とを設けられたフレームを備え、前記フレームは、搬送される前記シートを案内する案内路の片側の案内壁を有している。
【0014】
本発明のシート搬送装置における、前記アース部材は、前記回転軸に接触する部分に半球形状の突部を有している。
【0015】
本発明のシート搬送装置における、前記突部は、複数形成されている。
【0016】
本発明のシート搬送装置における、前記1対の回転体は、重なったシートを搬送するとき、いずれか一方の回転体がシートを逆送する方向に回転して前記重なったシートを分離搬送するようになっている。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の画像読取装置は、上記いずれか1つのシート搬送装置と、前記シート搬送装置によって搬送されたシートの画像を読み取る画像読取手段と、を備えている。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態のシート搬送装置と、このシート搬送装置を備えた画像読取装置である例えばファクシミリとを図1乃至図4に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態のシート搬送装置を備えた画像読取装置である例えばファクシミリのシート搬送方向に沿った断面図である。図2は、図1のファクシミリの画像読取部のシート搬送方向に沿った断面図である。
【0020】
ファクシミリ100は、ファクシミリの装置本体101の上部に、画像読取部102を備えている。
【0021】
装置本体101は、シートに画像を形成する画像形成部103と、画像形成部103の下部に位置して画像形成部103へ被記録紙であるシートを供給するカセット給紙部104とを備えている。
【0022】
したがって、図1に示すファクシミリは、シートに形成してある画像を画像読取部102で読み取って、その画像情報を他のファクシミリに送受信部126で送信するようになっている。また、ファクシミリは、他のファクシミリから送られてきた、画像情報を送受信部126で受信して、画像形成部103でシートに画像を形成するようになっている。さらに、ファクシミリ100は、画像読取部102で画像を読み取った画像情報に基づいて、画像形成部103でシートに画像を複写するようになっている。この場合、ファクシミリ100は、複写機として機能することになる。
【0023】
なお、以下、画像が形成されるシートを被記録紙と言い、符号をPとする。また、画像が形成されたシートを原稿と言い、符号をDとする。
【0024】
本発明の実施形態のシート搬送装置150は、画像読取部102に設けてあるが、画像読取部102のみならず、画像形成部103、カセット給紙部104に設けてもよい。しかも、本実施形態のシート搬送装置150の構成は、画像読取部102、画像形成部103、及びカセット給紙部104のいずれの原稿、被記録紙を搬送するローラに適用することができる。
【0025】
(ファクシミリ装置本体)
図1において、カセット給紙部104のピックアップローラ128は、カセット127内の被記録紙Pに下降して接触して、被記録紙をカセット127から送り出し、分離ローラ129と逆転ローラ130とのニップに送り込む。ニップに被記録紙を送り込んだピックアップローラ128は、次の被記録紙を送り出すため、上昇して待機する。分離ローラ129と逆転ローラ130は、ピックアップローラ128から受け取った被記録紙を搬送ローラ対131に搬送する。このとき、カセット127から被記録紙が重なって送り出されるようなことがあると、逆転ローラ130が逆転して、重なった被記録紙の下側の被記録紙をカセット127に逆送して、分離ローラ129が被記録紙を1枚だけ搬送する。
【0026】
画像形成部103の搬送ローラ対131は、被記録紙Pをレジストローラ対132に送る。レジストローラ対132は、被記録紙が斜行している場合、真っ直ぐに矯正して感光体ドラム133と転写ローラ134との間に送り込む。
【0027】
一方、感光体ドラム133は、帯電ローラ135によって帯電されて、送受信部126で受信された画像情報に基づいてレーザ変調部136によって露光され、潜像が形成される。現像器137は、潜像をトナー現像して、トナー画像にする。
【0028】
転写ローラ134は、感光体ドラム133上のトナー画像を被記録紙に転写して、その被記録紙を定着器138に送り込む。定着器138は、被記録紙を加熱加圧して被記録紙にトナー画像を定着する。搬送ローラ対139と、排出ローラ対140は、被記録紙を搬送して、排出トレイ141に排出して積載する。
【0029】
(画像読取部)
画像読取部の構成を説明する。
【0030】
図2において、画像読取部102の原稿台111には、原稿Dがセットされるようになっている。原稿有無センサ112は、原稿台111にセットされた原稿Dを検知するようになっている。ピックアップローラ113は、原稿台111にセットされた原稿に対して不図示のアクチェータによって接離するようになっている。また、ピックアップローラ113は、原稿に接触し、かつ回転することによって原稿を原稿台111から画像読取部102内に送り込むようになっている。分離ローラ114と逆転ローラ115は、送り込まれた原稿を協働して1枚ずつに分離して搬送するようになっている。原稿フィードセンサ116は、分離された原稿の先端および後端を検知するようになっている。
【0031】
上流搬送ローラ117は、分離された原稿をU字状の搬送路であるUターンパス118へ搬送するようになっている。下流搬送ローラ119は、Uターン後の原稿をCISで構成した画像読取手段である例えば原稿読取部121へ搬送するようになっている。原稿エッジセンサ120は、原稿読取部121の原稿の読取開始、終了のタイミングを計るため、原稿の先端および後端を検知するようになっている。排紙ローラ124は、読み取りの終了した原稿を排紙トレイ125に排出するようになっている。
【0032】
画像読取部の動作を説明する。
【0033】
ユーザが原稿台111に原稿をセットして読取開始を指示すると、不図示の駆動モータにより、ピックアップローラ113、分離ローラ114、逆転ローラ115、上流搬送ローラ117、下流搬送ローラ119、及び排紙ローラ124が回転する。
【0034】
ピックアップローラ113は、原稿に当接して原稿を画像読取部102の内部へ送り込む。分離ローラ114と逆転ローラ115は、原稿を受け取って搬送する。このとき、原稿が重なっていると、逆転ローラ115が逆転して、重なっている下側のシートを原稿台111に逆送して、分離ローラ114が正転して、重なっている上側のシートを1枚だけ上流搬送ローラ117へ搬送する。また、分離ローラ114の原稿搬送速度は、分離ローラ114と逆転ローラ115とが原稿を分離するとき、原稿に傷を付けないようにするため、及び、逆転ローラ115により原稿が搬送抵抗を受けるため、画像読取部全体の設定した原稿搬送速度よりも遅く設定してある。
【0035】
原稿フィードセンサ116が原稿の先端を検知すると、ピックアップローラ113による原稿搬送が解除される。分離ローラ114と逆転ローラ115とによって分離された原稿は、設定した原稿搬送速度よりも速い周速で回転する上流搬送ローラ117によってUターンパス118へ搬送される。上流搬送ローラ117の周速は、あらかじめ分離ローラ114と逆転ローラ115とでの遅れを相殺する速度に設定してある。このため、上流搬送ローラ117は、分離ローラ114と逆転ローラ115とでの遅れを取り戻して、略設定した原稿搬送速度で原稿を下流搬送ローラ119へ搬送する。
【0036】
下流搬送ローラ119は、略設定した原稿搬送速度の周速で回転して、原稿を原稿読取部121へ搬送する。原稿エッジセンサ120が原稿の先端を検知すると、原稿エッジセンサ120から所定量搬送したところで原稿読取部121が原稿の読み取りを開始する。このときも原稿は、略設定した原稿搬送速度で搬送されている。
【0037】
排紙ローラ124の周速は、設定した原稿搬送速度よりも僅かに速く設定してある。また、排紙ローラ124の搬送力は、下流搬送ローラ119よりも弱く設定してある。排紙ローラ124での原稿搬送が開始されると、下流搬送ローラ119と排紙ローラ124との僅かな周速差で原稿にテンションがかかり、原稿読取部121での読取にもっとも適した位置を原稿が搬送される。また、下流搬送ローラ119と排紙ローラ124での周速差が僅かであり、かつ、排紙ローラ124の搬送力は下流搬送ローラ119よりも弱く設定してあるので、原稿は略設定した原稿搬送速度で搬送される。原稿エッジセンサ120が原稿の後端を検知すると、原稿エッジセンサ120から所定量搬送したところで原稿読取部121は原稿の読み取りを終了する。
【0038】
その後、原稿台111に原稿が複数枚セットされたときのピックアップローラ113によるピックアップ動作は、原稿台111に原稿が複数枚セットされて原稿有無センサ112が原稿を検知し、かつ原稿フィードセンサ116が原稿を検知していないときにおいて、ピックアップローラ113が原稿から離れた待機位置から不図示のアクチュエータによって、原稿に当接して回転することによって、行われる。このピックアップ動作は、原稿フィードセンサ116が原稿の後端を検知すると、繰り返される。
【0039】
以上の一連の読み取り動作は、原稿有無センサ112が原稿を検知しなくなると終了する。
【0040】
(シート搬送装置)
図2、図3、図4に基づいて、シート搬送装置150を説明する。
【0041】
シート搬送装置150は、1対の搬送回転体である例えば分離ローラ114及び逆転ローラ115と、アース部材である例えばアース板5、回転軸である例えば分離ローラ軸1、分離ローラギア2、アイドラギア3、駆動軸である例えばアイドラ軸4等を備えている。分離ローラ軸1は、他の駆動機構から回転力を受けても回転することができるので、分離ローラギア2及びアイドラギア3、アイドラ軸4は、必ずしも必要としない。
【0042】
分離ローラ軸1は分離ローラ114に駆動力を伝達するようになっている。分離ローラギア2は分離ローラ軸1に取り付けてある。アイドラギア3はアイドラ軸4に取り付けられてアイドラ軸4の回転力を分離ローラギア2に伝達するようになっている。アース板5は分離ローラ軸1に接触してアース線6を介して分離ローラ軸1をアースに落としている。フレーム7には、分離ローラ軸1、アイドラ軸4、アース板5、原稿有無センサ112、原稿フィードセンサ116等を設けてある。フレーム7の各部品の取り付け部とは逆側の面7a(図2参照)は、原稿を案内する案内路である例えば原稿搬送路9の片側の案内壁になっている。
【0043】
アース板5はフレーム7のボス7b,7cによって取り付け位置を決められて、フレーム7に設けてある。アース板5が分離ローラ軸1に接触する接触部には、半球状の突部5aを突設してある。半球状の突部5aをアース板5に突設することによって、アース板5が分離ローラ軸1に対して片当たりすることがなく、分離ローラ軸1の回転時に、分離ローラ軸1とアース板5との摺動音を低減することができる。
【0044】
また、アース板5は導電性に優れた弾性板であり、分離ローラ軸1を図4の矢印の方向に押圧している。すなわち、アース板5は、分離ローラ114を逆転ローラ115に押圧する方向に分離ローラ軸1を押圧している。このため、原稿が、図2に示すピックアップローラ113によって搬送されて、分離ローラ114と逆転ローラ115とのニップに進入して、分離ローラ114が原稿によって押し上げられたとき、アース板5は、分離ローラ軸1に押されて、撓み、分離ローラ軸1に押圧力を加えて、分離ローラ114が原稿に確実に接触するようにしている。そして、原稿がニップを通過すると、アース板5は、分離ローラ軸1を押し返して、分離ローラ114を逆転ローラ115に圧接させる。したがって、原稿の後端がニップを抜けるときにフレーム7と軸受け8との間、軸受け8と分離ローラ軸1との間のガタによる異音、振動を発生しないようにすることができる。なお、軸受け8は、分離ローラ軸1を回転自在に支持している。
【0045】
なお、アース板5は、導電性に優れた弾性板であるが、例えば、銅板、鋼板、鋼板と銅板とを張り合わせた合板等の金属板である。アース板5は、弾性を備えていなくても、ばね、スプリング、ゴム等の弾性部材に押圧されて、あるいは引っ張られて、分離ローラ軸1に圧接されていてもよい。この場合、ばね、スプリングをアース線として使用してもよい。また、ゴムの場合には、導電性を有するゴムを使用して、アース線として使用してもよい。
【0046】
また、突部5aは、1つでなく、複数突設してあってもよい。この場合、各突部5aの押圧力を弱くして、複数トータルでの押圧力を保持する構成になるので、原稿の後端が分離ローラ129と逆転ローラ130とのニップを抜けるときに異音、振動が発生しないようにすることができる。
【0047】
なお、アース板5に突部5aを突設する代わりに、分離ローラ軸1の外周の回転方向に鍔状に突条を1つ、あるいは複数形成してもよい。
【0048】
図4は、アース板5の側面、および分離ローラ軸1とアイドラ軸4との断面図である。
【0049】
アース板5には、アイドラ軸4の溝4aに係合する逆U字状に切り欠かれた引っ掛け片5bを形成してある。したがって、アイドラ軸4がアイドラギア3と分離ローラギア2とを介して分離ローラ軸1に回転力を伝達しているとき、溝4aと引っ掛け片5bとの係合によって、アイドラ軸4がスラスト方向へ移動するのを規制して、アイドラ軸4のがた付きによる異音、振動の発生を防止することができる。
【0050】
また、溝4aと引っ掛け片5bとが、アイドラ軸4がスラスト方向へ移動するのを規制したとき、引っ掛け片5bの側面にアイドラ軸4が接触するため、アース板5は、アイドラ軸4の静電気をアースすることもできる。なお、溝4aと引っ掛け片5bとによるアイドラ軸4のスラスト方向への移動を規制する構成は、規制手段の一例である。
【0051】
以上説明したように、本実施形態のシート搬送装置150は、原稿を搬送する分離ローラ114及び逆転ローラ115と、分離ローラ114に駆動力を伝達する分離ローラ軸1と、分離ローラ軸1に取り付けた分離ローラギア2と、分離ローラギア2に回転力を伝達するアイドラギア3、及びアイドラ軸4と、分離ローラ軸1のアースを取るためのアース板5等を有して、さらに、分離ローラ114及び逆転ローラ115、分離ローラ軸1、及びアース板5を取り付けてあるフレーム7を有している。そして、アース板5は、原稿搬送時に分離ローラ軸1が受ける力に抗する方向に分離ローラ軸1を付勢するようになっている。また、アース板5には、アイドラ軸4の抜け止め用の引っ掛け片5bを設けてある。
【0052】
本実施形態のシート搬送装置150は、このように構成されているので、原稿搬送時もアース板5により分離ローラ軸1を押さえることができて、分離ローラ114と逆転ローラ115とのニップをシートの先端と後端が通過したときに異音、振動がほとんど発生するようなことがない。また、アース板5にアイドラ軸4の抜け止め用の引っ掛け片5bを設けてあるので、アース板5を外してアイドラ軸4を分解するときに、工具が不必要である。また、アイドラ軸4、クレーム7をリサイクルしやすくなる。さらに、従来必要とした支持板が不必要になり、コストを下げることができる。
【0053】
また、アース板5が分離ローラ軸1に接触する部分に、半球形状の突部5aを設けたことによって、アース板5が分離ローラ軸1に対して片当たりすることがなくなり、アース板5と分離ローラ軸1との間の摺動音を小さくすることができる。
【0054】
さらに、アース板5に上記突部5aを複数設けると、接触する1つの突部5aに対する押圧力を弱くすることができるため、突部5aが1つの場合と比較すると、アース板5と分離ローラ軸1との間の摺動音をさらに低くすることができる。
【0055】
また、フレーム7が原稿搬送路9の片側の側壁を兼ねることによって無駄な部品を作ることなくシート搬送装置のコストを下げることができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明のシート搬送装置は、回転軸をアース部材で押圧してその回転軸に設けた搬送回転体を他方の搬送回転体に押圧する方向に押圧しているので、1対の搬送回転体の間をシートが通過するとき、シートの厚み分だけ搬送回転体が押されて移動するようなことがあっても、従来よりも、異音、振動を小さくすることができる。しかも、回転軸を確実にアースして、電気的ノイズを少なくすることができる。
【0057】
本発明のシート搬送装置は、規制手段によって駆動軸がスラスト方向へ移動するのを規制しているので、駆動軸の移動による異音、振動を小さくすることができる。さらに、アース部材を外して駆動軸を分解するときに、工具が不必要である。また、リサイクルしやすくなる。さらに、従来必要とした支持板が不必要になり、コストを下げることができる。
【0058】
本発明のシート搬送装置は、フレームがシートを案内する案内路の片側の案内壁を有しているので、無駄な部品を作ることなくシート搬送装置のコストを下げることができる。
【0059】
本発明のシート搬送装置は、アース部材が回転軸に接触する部分に、半球形状の突部を設けると、アース部材が回転軸に対して片当たりすることがなくなり、アース部材と回転軸との間の摺動音を小さくすることができる。
【0060】
本発明のシート搬送装置は、アース部材に突部を複数設けると、1つの突部に対する押圧力を弱くすることができて、突部が1つの場合と比較すると、アース部材と回転軸との間の摺動音をさらに小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のシート搬送装置を備えた画像読取装置である例えばファクシミリのシート搬送方向に沿った断面図である。
【図2】図1のファクシミリの画像読取部のシート搬送方向に沿った断面図である。
【図3】図1のファクシミリに組み込まれた、本発明の実施形態のシート搬送装置の平面図である。
【図4】アース板の側面図、および分離ローラ軸とアイドラ軸との断面図である。
【符号の説明】
D 原稿(シート)
P 被記録紙(シート)
1 分離ローラ軸(回転軸)
4 アイドラ軸(駆動軸)
4a 溝(規制手段)
5 アース板(アース部材)
5a 突部
5b 引っ掛け片(規制手段)
6 アース線
7 フレーム
7a 各部品の取り付け部とは逆側の面(案内壁)
9 原稿搬送路(案内路)
100 ファクシミリ(画像読取装置)
101 ファクシミリ装置本体
102 画像読取部
103 画像形成部
104 カセット給紙部
113 ピックアップローラ
114 分離ローラ(搬送回転体)
115 逆転ローラ(搬送回転体)
121 原稿読取部(画像読取手段)
150 シート搬送装置
Claims (6)
- シートを挟持し、かつ回転軸によって回転して前記シートを搬送する1対の搬送回転体と、
前記回転軸に接触して該回転軸に設けた搬送回転体を他方の搬送回転体に押圧する方向に押圧し、該回転軸をアースするアース部材と、
前記回転軸に回転力を伝達する駆動軸と、
前記駆動軸と前記アース部材との間に設けられて前記駆動軸がスラスト方向へ移動するのを規制する規制手段と、
を備えたことを特徴とするシート搬送装置。 - 前記回転軸と前記駆動軸と前記アース部材とを設けられたフレームを備え、前記フレームは、搬送される前記シートを案内する案内路の片側の案内壁を有していることを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
- 前記アース部材は、前記回転軸に接触する部分に半球形状の突部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
- 前記突部は、複数形成されていることを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
- 前記1対の回転体は、重なったシートを搬送するとき、いずれか一方の回転体がシートを逆送する方向に回転して前記重なったシートを分離搬送することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、前記シート搬送装置によって搬送されたシートの画像を読み取る画像読取手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
Priority Applications (1)
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JP2002278055A JP2004115165A (ja) | 2002-09-24 | 2002-09-24 | シート搬送装置及び該装置を備えた画像読取装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10065820B2 (en) | 2015-12-28 | 2018-09-04 | Canon Finetech Nisca Inc. | Sheet conveying apparatus |
-
2002
- 2002-09-24 JP JP2002278055A patent/JP2004115165A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10065820B2 (en) | 2015-12-28 | 2018-09-04 | Canon Finetech Nisca Inc. | Sheet conveying apparatus |
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