JP2004114754A - ラックアンドピニオン式歯車装置 - Google Patents

ラックアンドピニオン式歯車装置 Download PDF

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Yasuyuki Matsuda
松田 靖之
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Abstract

【課題】摩擦損失を小さくすること。
【解決手段】弾性部材6によってラック軌道11に向けて押し付けられ、かつ内蔵する複数の転動体5をラック軌道11と転がり接触させて、ラック1をラック1の軸方向に移動自在に支持するプレッシャーガイド4を備えている。したがって、ラック軌道11と転動体5は、転がり摩擦するので、従来のプレッシャーパッドのすべり摩擦に比較して、摩擦損失を小さくすることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用操舵装置に用いられるラックアンドピニオン式歯車装置に関し、特に、電動式パワーステアリング機構を備えた自動車の操舵装置に好適なラックアンドピニオン式歯車装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のラックアンドピニオン式歯車装置のピニオン近傍におけるラック横断面の例を図16に示す。ラックアンドピニオン式歯車装置は、自動車の操舵装置として広く用いられている。
【0003】
図16は、従来のラックアンドピニオン式歯車装置の横断面図である。図17は、従来のラックの斜視図である。図18は、従来のプレッシャーパッドの断面図及び側面図である。図19は、従来の反ラック側支持部材の斜視図である。
【0004】
ピニオンbはシャフトに取り付けられ、軸受を介して支持体cに取り付けられ、ラックaと噛みあわされる。ラックaは、プレッシャーパッドdによってピニオンbと噛み合わされ、ラックaの軸方向に移動自在に支持されている。
【0005】
ラックaとピニオンbの噛合圧力は、静的釣り合い状態ではコイルばねeの押し付け力によって発生する。しかし、ピニオンbが急激に回転した場合や、ラックaの軸方向に大きな荷重がかかった場合は、静的釣り合い状態のコイルばねeの押し付け力によるもの以上の噛合圧力が発生し、この場合はラック噛合部がラックaとピニオンbの噛み合い深さが浅くなる方向に変位できるようになっている。
【0006】
従来のラックの例を図17に示す。ラックaは、両端にタイロッドを接続するためのピロボールジョイントg,hが取り付けられるようになっている。通常運転席側にラック噛合部iが設けられる。
【0007】
ラックaは、ラック噛合部iの背面から、コイルばねeや皿ばねのような弾性部材により、図18の例に示すようなプレッシャーパッドdを介して、ピニオンbに噛み合わさった状態で押し付けられている。
【0008】
ラックaは、プレッシャーパッドdおよび図19の例に示すような反ラック側支持部材jによって、ラックaの軸方向に移動自在に支持されている。プレッシャーパッドdおよび反ラック側支持部材jのラックaとの接触面は、すべり摩擦で支持されているものが多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
弾性部材eによって付与されるプレッシャーパッドdの押し付け力は、車両重量の小さな小型乗用車用のものでも500kgfを超えるなど、非常に大きい。プレッシャーパッドdのすべり面kには、摩擦係数の小さな樹脂材料を採用するなど、摩擦低減が図られているものの、すべり摩擦で支持されているので摩擦損失は小さくない。
【0010】
車両重量が大きくなると、旋回時にラックaの軸方向にかかる力も大きくなるので、ラックaとピニオンbの噛み合わせが外れないために、より大きな押し付け力が必要となり、摩擦損失もそれに比例して大きくなる。
【0011】
近年の省エネルギー化の傾向に従い、自動車部品も効率の向上が図られている。従来油圧装置によっていたパワーステアリング装置も、効率を高くするために電動化が進んでいる。しかしながら、従来の油圧式パワーステアリング装置も電動パワーステアリング装置も、ラックアンドピニオン式歯車装置を用いている点は同じである。そこで、ラックアンドピニオン式歯車装置の摩擦損失を小さくすれば、電動パワーステアリング装置の効率を更に高めることができる。
【0012】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、摩擦損失を小さくしたラックアンドピニオン式歯車装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係るラックアンドピニオン式歯車装置は、支持体に回転自在に支持されたピニオンと、ピニオンと噛合してピニオンの回転によって軸方向に移動し、かつ噛合圧力が高くなると噛合深さが浅くなる方向に変位可能で、かつ転動体と転がり接触する軌道をもつラックと、支持体およびラックの間に設けられラック部のピニオンへの押し付け力を発生する弾性部材とを備えたラックアンドピニオン式歯車装置において、
前記弾性部材によってラック軌道に向けて押し付けられ、かつ内蔵する複数の転動体を前記ラック軌道と転がり接触させて、前記ラックをラックの軸方向に移動自在に支持する押圧保持手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
このように、請求項1によれば、ラック軌道とガイド軌道との間に、複数の転動体を直線上に並べ、弾性部材によって、ラックをピニオン側に押し付ける押圧保持手段を用いている。ラック軌道と転動体およびガイド軌道と転動体は、転がり摩擦するので、従来のプレッシャーパッドのすべり摩擦に比較して、摩擦損失を小さくすることができる。
【0015】
また、請求項2に係るラックアンドピニオン式歯車装置は、前記押圧保持手段に内蔵された転動体のラック軌道との接触長さは、前記ラックとピニオンの噛合圧力が高いときに長くなり、低いときに短くなる転動体を用いたことを特徴とする。
【0016】
このように、請求項2によれば、ラックアンドピニオン式歯車装置をパワーステアリング装置に用いる場合、タイヤが路面から受ける力によってラックに衝撃的かつ大きな荷重がかかる場合がある。このような場合、ステアリングホイールが急激に回転する、あるいはパワーステアリング装置に大きな負荷がかかるといったことが起こる。
【0017】
従来のプレッシャーパッドを用いたラックアンドピニオン式歯車装置では、プレッシャーパッドのすべり面の摩擦力が、運転者やパワーステアリング装置に伝わる負荷を緩和している。
【0018】
しかし、押圧保持手段を用いた請求項1に係るラックアンドピニオン式歯車装置では、摩擦損失が非常に小さいので、タイヤが路面から受ける力が、直接運転者やパワーステアリング装置に伝わりやすい。
【0019】
そこで、請求項2では、押圧保持手段に内蔵される転動体は、軌道との接触長さが、軽負荷時には短く、重負荷時には長くなる形状のものを用いている。従って、通常運転者がステアリングホイールを操作しているような軽負荷時には点接触に近く摩擦損失を小さく抑えることができ、ラックに衝撃的かつ大きな荷重がかかった重負荷時には線接触に近くなり、摩擦損失が大きくなるので、タイヤが路面から受ける力の運転者やパワーステアリング装置への伝達を緩和することができる。
【0020】
さらに、請求項3に係るラックアンドピニオン式歯車装置は、前記ラックに転がり接触する転動体は、転動体の転がり方向が前記ピニオンの回転による前記ラックの移動方向に対して傾斜するように配置したことを特徴とする。
【0021】
このように、請求項3によれば、ころの転がり方向をラック移動方向に対して傾斜して配置すると、接触長さが短い軽荷重時には、傾斜によるすべり摩擦力の影響は小さいので、ステアリングホイールの操作力は小さく抑えられるが、接触長さが長い重荷重時には、傾斜によるすべり摩擦の影響を大きくして、タイヤが路面から受ける力の運転者やパワーステアリング装置への伝達を積極的に緩和する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るラックアンドピニオン式歯車装置を図面を参照しつつ説明する。
【0023】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1のラックアンドピニオン式歯車装置のピニオン近傍での横断面図を図1乃至7に示す。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態1のラックアンドピニオン式歯車装置の横断面図である。図2は、本発明の実施の形態1のラックの斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1のプレッシャーガイドの断面図及び側面図である。図4は、本発明の実施の形態1のプレッシャーガイドのガイド軌道形状の側面図である。
【0025】
図5は、本発明の実施の形態1のプレッシャーガイドのころ配置図である。図6(a)〜(f)は、それぞれ、本発明の実施の形態1のころ形状の図である。図7は、軽負荷時と重負荷時の接触長さ変化の説明図である。
【0026】
実施の形態1は、図1に示すように、はすば型のピニオン2を用いており、ピニオン2は、軸に取り付けられ、軸両端部は転がり軸受を介して、支持体3に支持されている。実施の形態1で、ラック1は、ピニオン2に噛み合わされて、二つのプレッシャーガイド4と反ラック側支持部材によって、ラック軸方向に移動自在に支持される。
【0027】
実施の形態1は、図3に示した形状のプレッシャーガイド4をラック噛合部10の背面にV字型に2つ配置して、それぞれを2つのコイルばね6の押し付け力によって、図2に示した形状のラックの2つのラック軌道11に押し付け、ラック1をラック軸方向に移動自在に支持している。
【0028】
プレッシャーガイド4をV字型に配置することで、ラック1に作用するピニオン軸方向の噛合力の分力を支持できる。実施の形態1では、プレッシャーガイド4に内蔵された複数のころ5は、ガイド4に対して図5のように平行に配置されている。実施の形態1では、図6(c)に示す、軸方向に曲率をもった段付き型ころを用いている。
【0029】
実施の形態1のラック1を図2に示す。図2のラック1には、両端にタイロッドを取り付けるためのピロボールジョイントの取付部13が設けられ、ラック1の片側にラック噛合部10が設けられ、ラック噛合部10の裏側には、V字型に配置された2つの平坦なラック軌道11が設けられ、ラック噛合部10と反対の端に近い側には反ラック側支持部12が設けられている。
【0030】
V字型に配置された2つのラック軌道11は、プレッシャーガイド4の転がり面の潤滑性をよくするために、どちらもラップ仕上げして、表面粗さを小さくしている。自動車の操舵装置として用いられるラックアンドピニオン式歯車装置は、路面から振動荷重を受けるので、図2のラックの材料には例えば特開平11ー303874号公報のステンレス鋼材あるいは特開平12ー240665号公報の鋼材などのような耐フレッチング性の良い材料を用いる。操舵装置は、自動車のボディ底面に近い部分に配置されることが多く、水の浸入などが十分に考えられるので、耐食性の強い材料を用いることが好ましい。従って、特開平11ー303874号公報のステンレス鋼は特に好適である。
【0031】
実施の形態1のプレッシャーガイドを図3に示す。図8のプレッシャーガイド4は、ガイド4とガイド蓋23と複数のころ5とボルトからなる。ガイド4には、複数のころ5が循環するための経路が設けられている。複数のころ5を挟んでラック軌道11に対向するガイド軌道22は、潤滑性を良くする為にラップ仕上げされ、表面粗さを小さくしている。
【0032】
ガイド4とガイド蓋23の内側面には、ころ5の端部の直径の細い部分を案内する案内溝21が設けられている。ガイド4とガイド蓋23は、ボルト等で締結されて一体となり、ガイド4とガイド蓋23が一体になった状態では、ころ5は、ころ端部を案内溝21に保持されて、ガイド4から外れない。
【0033】
ラックアンドピニオン式歯車装置でアッカーマン機構を作動させると、ラック1に曲げ応力が作用する。従って、図3のプレッシャーガイド4のガイド軌道22の形状は、ラック1が曲げ変形を受けた場合にも、ころ5が平均的に荷重を受けやすいように、図4の用に中央部が凸な形状であることが好ましい。図3のプレッシャーガイド4に好適な材料は、図2のラックに用いた材料と同様である。
【0034】
実施の形態1のころを図6(c)に示す。図6(c)のころは、軸方向に曲率をもつので、ラック1とピニオンの2噛合圧力が小さい時はころ中央部で接触し、ラック1とピニオン2の噛合圧力が大きい時は接触長さが長くなる。図6(c)のころに好適な材料は、図2のラックに用いた材料と同様であるほか、更に耐フレッチング性を高めるため、ころ表面に窒化処理を施すなどの方法が考えられる。例えば、特開平12ー199524号公報のステンレス鋼材などが特に好適である。
【0035】
実施の形態1では、図6(c)のころ5を用いたが、図3の案内溝21に案内される直径の細い部分がころ端部に設けられているならば、図6(a),(b),(c),(d),(e),(f)のいずれの形状であってもよく、またこれら他にも軸方向に直径変化のないストレートころを用いても良い。ころ端部が案内溝で案内可能な形状ならば適宜変形改良等が可能である。
【0036】
ただし、ラック1とピニオン2の噛合圧力が小さいときに接触長さが短くなり、逆にラック1とピニオン2の噛合圧力が大きいときに接触長さが長くなるようなころ5の形状が好ましい。ラックアンドピニオン式歯車装置をパワーステアリング装置に用いる場合、タイヤが路面から受ける力によってラック1に衝撃的かつ大きな荷重がかかる場合がある。このような場合、ステアリングホイールが急激に回転する、あるいはパワーステアリング装置に大きな負荷がかかるといったことが起こる。従来のプレッシャーパッドを用いたラックアンドピニオン式歯車装置では、プレッシャーパッドのすべり面の摩擦力が、運転者やパワーステアリング装置に伝わる負荷を緩和している。
【0037】
しかし、プレッシャーガイド4を用いた実施の形態1に係るラックアンドピニオン式歯車装置では、摩擦損失が非常に小さいので、タイヤが路面から受ける力が、直接運転者やパワーステアリング装置に伝わりやすい。
【0038】
そこで、本実施の形態では、図7に示すように、プレッシャーガイド4に内蔵される転動体5(ころ)は、軌道との接触長さが、軽負荷時には短く、重負荷時には長くなる形状のものを用いている。従って、通常運転者がステアリングホイールを操作しているような軽負荷時には点接触に近く摩擦損失を小さく抑えることができ、ラック1に衝撃的かつ大きな荷重がかかった重負荷時には線接触に近くなり、摩擦損失が大きくなるので、タイヤが路面から受ける力の運転者やパワーステアリング装置への伝達を緩和することができる。
【0039】
本発明において、ころ軸方向長さのころ直径に対する比即ちアスペクト比は、ラックアンドピニオン式歯車装置の形状寸法に制限がない限り特に限定されないが、一般に自動車のステアリング機構は軽量・省スペースであることが好ましいから、実施の形態1で用いたような、アスペクト比の大きいニードルころを用いることが好ましい。
【0040】
実施の形態1では、プレッシャーガイド4を押し付ける弾性部材にコイルばね6を用いたが、ラック1とピニオン2に十分な押し付け力が得られるならば、他の弾性部材、例えば皿ばねやゴムなどを用いても良い。
【0041】
実施の形態1の反ラック支持部12には、図19に示す形状の反ラック側支持部材を用いているが、更に摩擦を小さくするには、後述の実施の形態2の反ラック支持部12に用いたボールスプラインのような、転がり支持部材を用いても良い。
【0042】
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2のラックアンドピニオン式歯車装置の横断面図である。図9は、本発明の実施の形態2のラックの斜視図である。図10は、本発明の実施の形態2のプレッシャーガイドの断面図及び側面図である。図11は、本発明の実施の形態2のプレッシャーガイドのころ配置図である。
【0043】
本発明の実施の形態2のラックアンドピニオン式歯車装置のピニオン近傍での横断面図を図8に示す。実施の形態2は、はすば型のピニオン2を用いており、ピニオン2は、軸に取り付けられ、軸両端部は転がり軸受を介して、支持体3に支持されている。実施の形態2で、ラック1は、ピニオン2に噛み合わされて、二つのプレッシャーガイド4とボールスプライン32によって、ラック軸方向に移動自在に支持される。
【0044】
実施の形態2は、図10に示した形状のプレッシャーガイド4をラック噛合部10の背面にV字型に2つ配置して、それぞれを2組の皿ばね31の押し付け力によって、図9に示した形状のラック1の2つのラック軌道11に押し付け、ラック1をラック軸方向に移動自在に支持している。プレッシャーガイド4をV字型に配置することで、ラック1に作用するピニオン軸方向の噛合力の分力を支持できる。実施の形態2では、プレッシャーガイド4に内蔵された複数のころ5は、保持器33に保持されて、ガイド4に対して図11のように配置する。実施の形態2では、図6(c)に示す、軸方向に曲率をもった段付き型ころを用いた。
【0045】
実施の形態2のラックを図9に示す。図9に示したラックは、反ラック支持部にボールスプライン32を用いて摩擦を小さくした他は、好適な材料等を含めて図2のラックと同様である。
【0046】
実施の形態2のプレッシャーガイド4を図10に示す。図10のプレッシャーガイド4は、ガイド4と複数のころ5と保持器33からなる。ガイド4には複数のころ5と保持器33が循環するための経路が設けられている。複数のころ5を挟んでラック軌道11に対向するガイド軌道22は、潤滑性を良くする為にラップ仕上げされ、表面粗さを小さくしている。
【0047】
保持器33には、ころ端部の直径の細い部分を保持するころ端部保持溝34が設けられている。保持器33は、可撓性のある樹脂材料でできており、一部が切断された状態でころ5を組み付け、ガイドに巻きつけた後連結部同士をつなげてベルト状にする。連結部35は組合わせでも良いし、あるいは接着や溶接などの方法をとっても良い。図10のプレッシャーガイド4のガイド軌道22の形状は、実施の形態1と同じく中央凸な軌道形状が好ましい。図10のプレッシャーガイド4に好適な材料は、実施の形態1のラックに用いた材料と同様である。
【0048】
実施の形態2のころは、材料等を含めて実施の形態1のものと同じである。
【0049】
実施の形態2では、プレッシャーガイド4を押し付ける弾性部材に皿ばね31を用いたが、ラック1とピニオン2に十分な押し付け力が得られるならば、他の弾性部材、例えばコイルばねやゴムなどを用いても良い。
【0050】
実施の形態2の反ラック支持部には、ボールスプライン32を用いているが、実施の形態1のように安価なすべり支持部材を用いても良い。反ラック側支持部12は、構造上大きな荷重がかからないので、反ラック側支持部12の摩擦損失はラック側支持部に比較して十分小さい。
【0051】
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3のプレッシャーガイドのころ配置図である。
【0052】
本発明の実施の形態3は、プレッシャーガイド4に対するころ5の配置方法以外は、実施の形態2と同じ構造である。実施の形態3のころ配置を図12に示す。
【0053】
実施の形態3では、中央部が太くなるように軸方向に曲率をもったころ5が、ラック軌道11の運動方向に対して傾斜して配置されているので、運転者がステアリングホイールを操作した場合のような軽負荷条件では摩擦が小さいが、タイヤが路面の凹凸を乗り越えた場合のような重負荷条件ではころ5の転がり方向が軌道11の移動方向と異なるため、摩擦が大きくなり、運転者やパワーステアリング装置への力の伝達を緩和することができる。
【0054】
実施の形態3では、図6(c)のころ5を用いたが、図12のころ端部保持溝34に案内される直径の細い部分がころ端部に設けられているならば、図6(a),(b),(c),(d),(e),(f)のいずれの形状であってもよく、またこれら他にも、ラック1とピニオン2の噛合圧力が小さいときに接触長さが短くなり、逆にラック1とピニオン2の噛合圧力が大きいときに接触長さが長くなるようなころ形状で、かつころ端部が案内溝21で案内可能な形状ならば適宜変形改良等が可能である。
【0055】
(実施の形態4)
図13は、本発明の実施の形態4のプレッシャーガイドのころ配置図である。
【0056】
本発明の実施の形態4は、プレッシャーガイド4に対するころ5の配置方法以外は、実施の形態2と同じ構造である。実施の形態4のころ配置を図13に示す。
【0057】
実施の形態4では、中央部が太くなるように軸方向に曲率をもったころが、ラック軌道11の運動方向に対して傾斜して配置されているので、重負荷時に運転者やパワーステアリング装置への伝達を緩和できる点は実施の形態3と同様であるが、ころ5の傾斜方向が交互に配置されているので、前後するころ5同士ですべり摩擦力が相殺され、ころ端部のガイド側面とのかじりを抑制することができる。
【0058】
実施の形態4では、図6(c)のころ5を用いたが、図13のころ端部保持溝34に案内される直径の細い部分がころ端部に設けられているならば、図6(a),(b),(c),(d),(e),(f)のいずれの形状であってもよく、またこれら他にも、ラック1とピニオン2の噛合圧力が小さいときに接触長さが短くなり、逆にラック1とピニオン2の噛合圧力が大きいときに接触長さが長くなるようなころ形状で、かつころ端部が案内溝21で案内可能な形状ならば適宜変形改良等が可能である。
【0059】
(実施の形態5)
図14は、本発明の実施の形態5のラックアンドピニオン式歯車装置の横断面図である。図15(a)(b)は、それぞれ、本発明の実施の形態5のプレッシャーガイド断面図及び側面図である。
【0060】
本発明の実施の形態5のラックアンドピニオン式歯車装置のピニオン近傍での横断面図を図14に示す。実施の形態5ははすば型のピニオン2を用いており、ピニオン2は軸に取り付けられ、軸両端部は転がり軸受を介して、支持体3に支持されている。実施の形態5で、ラック1はピニオン2に噛み合わされて、二つのプレッシャーガイド4と反ラック側支持部材12によって、ラック軸方向に移動自在に支持される。実施の形態5は図15(a)に示した形状のプレッシャーガイド4をラック噛合部10の背面にV字型に2つ配置して、それぞれを2組の皿ばね31の押し付け力によって、図2に示した形状のラック1の2つのラック軌道11に押し付け、ラック1をラック軸方向に移動自在に支持している。プレッシャーガイド4をV字型に配置することで、ラック1に作用するピニオン軸方向の噛合力の分力を支持できる。実施の形態5では、プレッシャーガイド4に内蔵された複数のころ5は、ガイド4に対して図5のように配置されている。実施の形態5では、図6(c)に示す、軸方向に曲率をもった段付き型ころを用いている。
【0061】
実施の形態5のプレッシャーガイド4を図15(b)に示す。図15(b)のプレッシャーガイド4は、いわゆるシェル型ニードルころ軸受を展開したような構造をしたシェル41と、シェル41に保持された複数のころ5と、シェル41を背面からラック軌道11に押し付けるためのシェル押さえ42からなる。
【0062】
実施の形態5では、ころ5はプレッシャーガイド4内を循環しないので、前記の実施の形態1および実施の形態2および実施の形態3および実施の形態4に示したプレッシャーガイド4に比べると摩擦損失が大きくなるが、従来のすべり支持に比較して十分摩擦損失を小さく抑えることができる。
【0063】
またシェル型ニードルころ軸受のシェルを製造する場合のように、プレス製造する事が出来るので、前記の実施の形態1および実施の形態2および実施の形態3および実施の形態4に示したプレッシャーガイド4に比べると安価である。
【0064】
シェル41は薄い鋼板で作られるので、図14の弾性部材で直接ラック軌道11に押し付けると弾性部材直下のころに偏った押し付け力が作用する。従って、押し付け力を各ころ5で均等にするために十分な板厚をもつ、シェル押さえ42を組み合わせることが好ましい。実施の形態5のシェル41の軌道形状とそれに習うシェル押さえ42の形状は、実施の形態1のガイド軌道と同様の理由から、中央凸の形状であることが好ましい。
【0065】
実施の形態5に適用可能なころ5は、材料を含め、実施の形態1のころ5と同様である。
【0066】
(実施の形態6)
図15(a)(b)は、それぞれ、本発明の実施の形態6のプレッシャーガイド断面図及び側面図である。
【0067】
本発明の実施の形態6は、プレッシャーガイド4に保持器33が追加された以外は、実施の形態5と同じ構造である。
【0068】
実施の形態6のプレッシャーガイド4を図15(a)に示す。実施の形態5のプレッシャーガイド4は、シェル41ところ5とシェル押さえ42から成るが、実施の形態6では、これに保持器33を組み合わせてころ5同士の接触を防止し、またラック軌道11に対して一定の姿勢でころ5を保持することが出来るようになっている。実施の形態6のシェル41の軌道形状とそれに習うシェル押さえ42の形状は、実施の形態1のガイド軌道11と同様の理由から、中央凸の形状であることが好ましい。
【0069】
実施の形態6に適用可能なころ5は、材料等を含め、実施の形態3のころと同様である。
【0070】
実施の形態6は図5および図12および図13のころ配置が適用できる。
【0071】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、ラック軌道とガイド軌道との間に、複数の転動体を直線上に並べ、弾性部材によって、ラックをピニオン側に押し付ける押圧保持手段を用いている。ラック軌道と転動体およびガイド軌道と転動体は、転がり摩擦するので、従来のプレッシャーパッドのすべり摩擦に比較して、摩擦損失を小さくすることができる。
【0073】
また、請求項2によれば、ラックアンドピニオン式歯車装置をパワーステアリング装置に用いる場合、タイヤが路面から受ける力によってラックに衝撃的かつ大きな荷重がかかる場合がある。このような場合、ステアリングホイールが急激に回転する、あるいはパワーステアリング装置に大きな負荷がかかるといったことが起こる。
【0074】
従来のプレッシャーパッドを用いたラックアンドピニオン式歯車装置では、プレッシャーパッドのすべり面の摩擦力が、運転者やパワーステアリング装置に伝わる負荷を緩和している。
【0075】
しかし、押圧保持手段を用いた請求項1に係るラックアンドピニオン式歯車装置では、摩擦損失が非常に小さいので、タイヤが路面から受ける力が、直接運転者やパワーステアリング装置に伝わりやすい。
【0076】
そこで、請求項2では、押圧保持手段に内蔵される転動体は、軌道との接触長さが、軽負荷時には短く、重負荷時には長くなる形状のものを用いている。従って、通常運転者がステアリングホイールを操作しているような軽負荷時には点接触に近く摩擦損失を小さく抑えることができ、ラックに衝撃的かつ大きな荷重がかかった重負荷時には線接触に近くなり、摩擦損失が大きくなるので、タイヤが路面から受ける力の運転者やパワーステアリング装置への伝達を緩和することができる。
【0077】
さらに、請求項3によれば、ころの転がり方向をラック移動方向に対して傾斜して配置すると、接触長さが短い軽荷重時には、傾斜によるすべり摩擦力の影響は小さいので、ステアリングホイールの操作力は小さく抑えられるが、接触長さが長い重荷重時には、傾斜によるすべり摩擦の影響を大きくして、タイヤが路面から受ける力の運転者やパワーステアリング装置への伝達を積極的に緩和する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のラックアンドピニオン式歯車装置の横断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1のラックの斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1のプレッシャーガイドの断面図及び側面図である。
【図4】本発明の実施の形態1のプレッシャーガイドのガイド軌道形状の側面図である。
【図5】本発明の実施の形態1のプレッシャーガイドのころ配置図である。
【図6】(a)〜(f)は、それぞれ、本発明の実施の形態1のころ形状の図である。
【図7】軽負荷時と重負荷時の接触長さ変化の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2のラックアンドピニオン式歯車装置の横断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2のラックの斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態2のプレッシャーガイドの断面図及び側面図である。
【図11】本発明の実施の形態2のプレッシャーガイドのころ配置図である。
【図12】本発明の実施の形態3のプレッシャーガイドのころ配置図である。
【図13】本発明の実施の形態4のプレッシャーガイドのころ配置図である。
【図14】本発明の実施の形態5のラックアンドピニオン式歯車装置の横断面図である。
【図15】(a)(b)は、それぞれ、本発明の実施の形態5,6のプレッシャーガイド断面図及び側面図である。
【図16】従来のラックアンドピニオン式歯車装置の横断面図である。
【図17】従来のラックの斜視図である。
【図18】従来のプレッシャーパッドの断面図及び側面図である。
【図19】従来の反ラック側支持部材の斜視図である。
【符号の説明】
1 ラック
2 ピニオン
3 支持体
4 プレッシャーガイド(押圧保持手段)
5 ころ(転動体)
6 コイルばね(弾性体)
7 調整ネジ
10 ラック噛合部
11 ピロボールジョイント取付部
12 反ラック側支持部
13 ピロボールジョイント取付部
21 案内溝
22 ガイド軌道
23 ガイド蓋
31 皿ばね
32 ボールスプライン
33 保持器
34 ころ端部保持溝
35 保持器連結部
41 シェル
42 シェル押さえ

Claims (3)

  1. 支持体に回転自在に支持されたピニオンと、ピニオンと噛合してピニオンの回転によって軸方向に移動し、かつ噛合圧力が高くなると噛合深さが浅くなる方向に変位可能で、かつ転動体と転がり接触する軌道をもつラックと、支持体およびラックの間に設けられラック部のピニオンへの押し付け力を発生する弾性部材とを備えたラックアンドピニオン式歯車装置において、
    前記弾性部材によってラック軌道に向けて押し付けられ、かつ内蔵する複数の転動体を前記ラック軌道と転がり接触させて、前記ラックをラックの軸方向に移動自在に支持する押圧保持手段を備えたことを特徴とするラックアンドピニオン式歯車装置。
  2. 前記押圧保持手段に内蔵された転動体のラック軌道との接触長さが、前記ラックとピニオンの噛合圧力が高いときに長くなり、低いときに短くなる転動体を用いたことを特徴とする請求項1に記載のラックアンドピニオン式歯車装置。
  3. 前記ラックに転がり接触する転動体は、転動体の転がり方向が前記ピニオンの回転による前記ラックの移動方向に対して傾斜するように配置したことを特徴とする請求項2に記載のラックアンドピニオン式歯車装置。
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