JP2004114433A - インクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】普通紙上で彩度の高いフルカラー画像を得ることができ、更には記録部分の耐水性、耐光性、耐擦過性も改善された信頼性の高い記録物が得られるインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも水を主成分とする液媒体と、該液媒体中に均一に分散保持される顔料とを含有するインクを、記録ヘッドにより吐出して、加熱された記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録方法において(1)前記インク中に遊離のアルカリ可溶型樹脂が、1〜10質量%含まれ(2)前記記録媒体の表面温度が、記録ヘッドと対向する記録領域において、80〜160℃の範囲になるように加熱することを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも水を主成分とする液媒体と、該液媒体中に均一に分散保持される顔料とを含有するインクを、記録ヘッドにより吐出して、加熱された記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録方法において(1)前記インク中に遊離のアルカリ可溶型樹脂が、1〜10質量%含まれ(2)前記記録媒体の表面温度が、記録ヘッドと対向する記録領域において、80〜160℃の範囲になるように加熱することを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドの吐出口から顔料インクを吐出させて記録を行うインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット印刷は、カラープリンタの登場とカラー画像を処理することができるパソコンソフトウェアの発達に伴い、より高精細なフルカラー画像を得たいという要求が高まっている。そのためにプリントヘッドの高解像度化や光沢性及び白色度の高い、高吸収性のインクジェット用特殊媒体等の開発も急速に進められている。また、インクジェット印刷システムは、非接触印刷システムであるため製版の必要もなく、また、高速印刷も可能であることから、産業用途の分野においても期待されている。
【0003】
最近ではインクジェット記録にインクの色材として顔料を用いる試みが多くなってきている。その理由は、顔料がインクジェット方式においても耐水性や耐光性等の堅牢性を与える最も良い材料であるということが、インクジェット記録の分野においても十分認識されるようになったからである。実際に、このような顔料は主にオフィス及びホーム用途として使用される小型カラープリンタのブラックインクに、或いは業務用途等で使用される大判プリンタ用のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックインク等の色材として製品化されるようになった。
【0004】
しかしながら、カラー顔料インクを用いて高精細なフルカラー画像を得ようとすると、普通紙上では鮮明なカラーの彩度が得られないため、大判プリントの分野では、前述したようなインクジェット用の高価な特殊媒体を選択しなければならないというのが現状である。更にこの問題が、普通紙対応を前提とする小型のカラープリンタ用のインクとして、カラー顔料インクが未だ普及し得ない大きな障害となっている。
【0005】
このような課題を解決する手段の一つとして、従来より記録媒体を加熱する方法が提案されている(特許文献1及び2参照)。これらの文献には、顔料と樹脂エマルジョンを含有するインクを用いて、記録媒体を加熱しながら記録を行う発明が開示されている。また、顔料と浸透剤等を含有するインクを用いて、前記と同様に加熱手段と組合わせる方法が開示されている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−118008号公報
【特許文献2】
特開平9−208870号公報
【特許文献3】
特開平11−78210号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような加熱定着手段を備える記録装置の場合、記録媒体を加熱する加熱領域が、記録領域に近い、或いはそれと一致する場合には、当然、記録ヘッドも加熱されるため記録へッドの温度も上昇することになる。その結果、吐出口とその周辺に存在するインクの組成変化が起こり、それが正常な吐出を妨げる原因になる場合がある。このように揮発成分が蒸発して濃縮されたり、或いは長時間加熱されたりする環境においては、液媒体中で存在する物質の状態は溶解系の方が分散系より安定した状態を維持でき、また、溶解系の方が可逆的な性質を多分に有するため初期状態に戻り易い傾向にある。
【0008】
しかるに、樹脂エマルジョンのような分散系の物質が顔料に加えて更に同一媒体中に増えることは、前述した理由から記録ヘッドの吐出性に悪影響を及ぼし易く、好ましい態様とはいえない。特にバブルジェット(登録商標)方式のように熱エネルギーの作用によってインクを吐出させるインクジェット方式の場合は、より高い記録ヘッドの温度上昇を見込まなければならないので、十分考慮しなければならない。
【0009】
また、記録装置に加熱手段を設けて記録媒体を加熱するのは、記録直後にインク中の色材を記録媒体上の表面に極力とどめて、色材の高い発色性や記録濃度を得るためである。更に一般的なインクジェット適性を満足し得るインク中の顔料濃度やバインダー量では、従来よりインクジェット用として使用されている染料の色彩性にはなかなか及ばない現状からして、インク中に浸透剤を添加して浸透性を高めることは、顔料を普通紙の表面から内部へ沈めることになり、その結果、インク定着時間の短縮化や加熱条件の改善、即ち、加熱温度の低下や投入熱量の低減ができたとしても、満足できる画像品位を得ることは難しい。
【0010】
従って、本発明は、このような従来の課題を解決するためのものであり、即ち、普通紙上で彩度の高いフルカラー画像を得ることができるインクジェット記録方法を提供することを目的とし、更には記録部分の耐水性、耐光性、耐擦過性も改善された信頼性の高い記録物が得られるインクジェット記録方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、少なくとも水を主成分とする液媒体と、この液媒体中に均一に分散保持される顔料とを含有してなるインクを、記録ヘッドにより吐出して、加熱された記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録方法において、(1)前記インク中に遊離のアルカリ可溶型樹脂が1質量%〜10質量%含まれ、(2)前記記録媒体の表面温度が、記録ヘッドと対向する記録領域において80℃〜160℃の範囲になるように加熱することを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、前記液媒体中に均一に分散保持された顔料の平均粒径が、50〜200nmの範囲にあり、且つ200nmを超える粒径範囲に粒径分布の60%以下の分散した顔料粒子が存在するインクを吐出させる上記のインクジェット記録方法、及び前記記録ヘッドが、インクに熱エネルギーを作用させてインク滴を吐出させる上記のインクジェット記録方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
本発明のインクジェット記録方法に用いる顔料インクには、遊離のアルカリ可溶型樹脂が1質量%〜10質量%含まれている。このような樹脂を含有させる理由は、加熱定着により普通紙上の表面に凝集及び析出した顔料層を樹脂で保護することにより、良好な耐擦過性を得ると同時に、画像部分に光沢性を付与する目的からである。
【0014】
更に、この樹脂が、分散系のエマルジョンタイプのものではなく、溶解系のアルカリ可溶タイプのものでなければならない理由は、前述した如く加熱定着を実施するうえで記録ヘッド内のインク成分が加熱により蒸発濃縮されたり、或いは長時間加熱される状況下では、液媒体中で存在する物質の状態は溶解系の方が分散系より安定した状態を維持できるからである。
【0015】
特にバブルジェット方式のように熱エネルギーの作用によってインクを吐出させるインクジェット方式の場合、インク中で不安定化した物質はノズル内の発熱抵抗体、即ち発熱ヒータ表面の“コゲ”の発生原因となり易く、その結果、吐出の安定性が悪くなる場合が多い。また、インク成分の蒸発等による組成変化により安定していた均一性が崩れても、溶解系の方が可逆的な性質を多分に有するため初期状態に戻り易い傾向にある。つまり、加熱された記録ヘッドの吐出口先端及びその周辺のインクが、このような高温環境下で顔料粒子の凝集又は沈降や樹脂の析出等を起こしたとしても、ヘッドのクリーニング操作等でフレッシュなインクが補充されると再溶解して除去し易くなるからである。
【0016】
本発明で使用する遊離のアルカリ可溶型樹脂の含有量は、インク中に1質量%〜10質量%の範囲で含まれ、1質量%未満の場合は、前述した画像部分の耐擦過性及び光沢性の付与が十分ではなく、また、10質量%を超える場合は、インクの粘度が高くなりすぎて吐出の安定性、即ち、周波数応答性が悪くなり、また、樹脂分が多すぎて記録媒体上で乾燥被膜化するまでに時間がかかりすぎるという不具合が生じる。よって、より好ましい含有量としては、3質量%〜8質量%の範囲である。
【0017】
また、本発明で使用される顔料インク中に分散保持される顔料の平均粒径は、50〜200nmの範囲にあり、且つ200nmを超える粒径範囲に粒径分布の60%以下の顔料粒子が存在するように調製されたインクを用いることが好ましい。平均粒径を50nm未満に揃えようとすると、顔料の粉砕や分散能力のアップ等に対応するための機械装置の準備、工程時間の延長、更には品質の安定化等の量産性に関わる問題が発生し易いため、好ましい範囲とはいえない。
【0018】
また、平均粒径が200nmを超えると、通常の製造方法で得られる顔料インクであれば、インク中に存在する粗大粒子の割合が多くなってくる。この粗大粒子は、前述したような条件下で蒸発濃縮されたり、或いは長時間加熱されると容易に顔料の凝集塊を形成して沈降や析出の原因になる。従って、記録ヘッドの吐出口及びその周辺に存在するインクがこのような状態になると、正常な吐出を妨げる原因になり易くなる。また、200nmを超える粒径範囲に全粒径分布の60%以上の顔料粒子が存在すると、この場合も上記と同様に顔料の凝集塊を形成し易くなるため好ましくない。
【0019】
また、本発明のインクジェット記録方法で記録媒体、特に普通紙を加熱する時の条件はその表面温度が80〜160℃の範囲になるように加熱しなければならない。80℃未満の温度では蒸発速度が遅く、紙の内部への浸透を十分に抑制できないため、紙表面上に顔料層を効率良く形成することができない。そのためカラー記録部分の十分な彩度が得られない。160℃を超える温度にすると記録媒体の変形や記録媒体中の、例えば、セルロース等の黄変が発生したり、加熱装置の安全性や立ち上がり時間や消費電力の増大等、高温対策が複雑となり好ましくない。よって、より好ましい記録媒体の表面加熱温度は100〜140℃の範囲である。
【0020】
本発明で使用される顔料は、一般的な無機顔料及び有機顔料であり、例えば、無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄に加え、チャネル法、ファーネス法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等を使用することができる。
【0021】
これらの顔料種の中でも本発明を実施するうえで特に好ましいカラー顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー74、93、128、138、147、155等の黄色顔料、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレッット19等の赤色顔料、C.I.ピグメントブルー15:1、15:2、15:3等の青色顔料を拳げることができる。
【0022】
次に、本発明で使用するアルカリ可溶型樹脂としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体等を用いる。これらのアルカリ可溶型樹脂の中で、重量平均分子量が3,000〜15,000で、且つ酸価が150〜250のものが好適に使用できる。
【0023】
また、上記のアルカリ可溶型樹脂を水系にて用いるには、塩基で中和された状態にすることが必要である。そのために用いられる塩基としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−エチル−2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−(2−アミノエチル)エタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アンモニア、ピペリジン、モルフォリン、β−ジヒドロキジエチル尿素等の有機塩基、或いは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の無機塩基が拳げられる。
【0024】
次に、これらの顔料を分散させるための分散剤としては、通常の水溶性樹脂や水溶性界面活性剤を用いることができる。水溶性樹脂の具体例としては、前述したアルカリ可溶性のスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。
【0025】
また、本発明で分散剤として使用できる水溶性界面活性剤の具体例としては、下記のものが挙げられる。例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩等が挙げられる。
【0026】
また、カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。更に両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、イミグゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0027】
また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【0028】
本発明の顔料インクは、上記した顔料及び分散剤と、これらを分散させるための水系媒体とを少なくとも有するが、この際に使用する好適な水性媒体としては、水又は、水と水溶性有機溶剤の混合溶媒を使用することが好ましい。本発明において使用するインクの、インク中における水の含有量は、通常20〜90質量%、好ましくは、30〜70質量%の範囲である。
【0029】
また、本発明において水と混合して使用し得る水溶性有機溶剤としては、下記の如き3群に分けることができる。即ち、保湿性が高く、蒸発しにくく、親水性に優れる第1群の溶剤、有機性があり疎水性の表面への濡れ性がよく、蒸発乾燥性もある第2群の溶剤、適度の濡れ性を有し低粘度の第3群の溶剤である。本発明においてはこれらの溶剤の中から目的に応じて適宜に選択して使用すればよい。
【0030】
第1群に属する溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−へキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジメチルスルホキシド、ダイアセトンアルコール、グリセリンモノアリルエーテル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール300、チオジグリコール、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイシプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、β−ジヒドロキシエチルウレア、ウレア、アセトニルアセトン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
【0031】
第2群に属する溶媒としては、へキシレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリンモノアセテート、グリセリンジアセテート、グリセリントリアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1−ブタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−へキセン−2,5−ジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−へキサンジオール等が挙げられる。
【0032】
第3群に属する溶媒としては、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等が挙げられる。
【0033】
以上の如き水溶性有機溶媒の総量は、概ねインク全体に対して5〜40質量%の範囲で使用することが好ましい。本発明の顔料インクには、以上の成分の他、必要に応じて界面活性剤、pH調整剤、防腐剤等を添加することが可能である。
【0034】
本発明の顔料インクは、上記した材料を分散機によって分散して作製されるが、この際の分散機としては、一般に使用される分散機なら如何なるものも使用し得る。具体的には、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル等の分散機が挙げられるが、これらの中でも高速度のサンドミルが好ましく、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル、コボルミル(いずれも商品名)等を好ましく使用できる。
【0035】
本発明において、所望の粒径分布を有する顔料の分散液或いはインクを得る方法としては、下記の方法を用いることができる。例えば、分散機に用いる粉砕メディアのサイズを小さくする、粉砕メディアの充填率を大きくする、或いは粉砕処理時間を長くする、粉砕速度を遅くする等の方法や粉砕後、フィルターや遠心分離機等で分級する等の手法を用いることができる。勿論、これらの手法を適宜組合わせてもよい。
【0036】
次に、本発明で使用する加熱定着方式については、インクジェット記録装置の構成ユニットとしてその目的、用途等に対して好適に成り立つものであれば、特に限定されるものではない。一般的な従来技術としては、記録媒体を熱板に接触させる熱板加熱方式、或いは温風を吹き付ける温風加熱方式、赤外線ランプ、赤外線ヒータ等の輻射熱によって記録媒体を加熱する輻射熱加熱方式等が挙げられる。
【0037】
最近では、例えば、米国特許第5,020,244号明細書には、温風加熱と輻射熱加熱とを組合わせた定着方式が、米国特許第5,428,384号明細書には、送風、排気手段と輻射熱加熱方式とを組合わせた定着方式が、特開平8−258254号公報には、ヒートローラによる記録紙の加熱手段と送風手段を設けた定着方式が、特開平7−195683号公報にはマイクロ波エネルギーを利用した定着方式が、更には、特開平10−323974号公報には赤外線の放射特性と吸収特性を効果的に利用して、従来より消費電力を節電できる小型の加熱定着方式等が開示されている。
【0038】
上記方式の中で特に顔料インクに対しては、ブラックインクに使用するカーボンブラックの赤外線吸収特性を利用できる赤外線放射型の加熱定着方式が効果的である。ブラックインクは、特に印字スピードが要求されるキャラクタ印字の高速定着やカラー記録部との境界領域で発生するブリード抑制という普通紙上での定着や乾燥に関わる高い性能が要求されるので、この方式は特に好ましい手段といえる。
【0039】
【実施例】
以下、インク例、定着ヒータ例等を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、文中「%」又は「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<実施例1:インク例(A)>
スチレン−メタクリル酸共重合体とこれを中和するに必要な所定量の水酸化カリウム、及び水を混合して、約60℃に保温した状態でこれらを撹拌混合し、10%のスチレン−メタクリル酸共重合体の水溶液を作製した。このようにして作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなブラック顔料分散体を作製した。
【0040】
【0041】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。このブラック顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次に水酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純分で8%になるように調整した。更にこのインクを2回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、所定の組成になるようにインクを調製した。そして、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過することによって、本発明で使用するブラックインクを得た。
【0042】
<実施例2:インク例(B)>
インク例(A)で作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなイエロー顔料分散体を作製した。
【0043】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。このイエロー顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。
【0044】
次に水酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純分で3%になるように調整した。更にこのインクを2回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、所定の組成になるようにインクを調製した。そして、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過することによって、本発明で使用するイエローインクを得た。
【0045】
<実施例3:インク例(C)>
インク例(A)で作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなマゼンタ顔料分散体を作製した。
・水20部
【0046】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。このブラック顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次に水酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純分で7%になるように調整した。更にこのインクを2回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、所定の組成になるようにインクを調製した。そして、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過することによって、本発明で使用するマゼンタインクを得た。
【0047】
<実施例4:インク例(D)>
インク例(A)で作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなシアン顔料分散体を作製した。
【0048】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。このシアン顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次に水酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純分で6%になるように調整した。
【0049】
更にこのインクを2回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、所定の組成になるようにインクを調製した。そして、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過することによって、本発明で使用するシアンインクを得た。
【0050】
<実施例5:インク例(E)>
インク例(A)で作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなシアン顔料分散体を作製した。
【0051】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ2時間分散処理を行った。このシアン顔料分散体を遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次に水酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純分で6%になるように調整した。更に2回目の遠心分離処理、及びメンブランフィルターによるろ過は実施せずに本発明で使用するシアンインクを得た。
【0052】
<実施例6:インク例(F)>
インク例(A)で作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなマゼンタ顔料分散体を作製した。
【0053】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、lmm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。このマゼンタ顔料分散体を遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次に水酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純分で7%になるように調整した。更に2回目の遠心分離処理、及びメンブランフィルターによるろ過は実施せずに、本発明で使用するマゼンタインクを得た。
【0054】
<比較例1:インク例G>
インク例(A)で作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなイエロー顔料分散体を作製した。
【0055】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。このイエロー顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10,000rpm、15分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次にウレタン樹脂エマルジョン(商品名:ユーコートUWS−140、樹脂成分35%、三洋化成工業製)をこのインクに添加して、インク中での含有量が純分で3%になるように調製した。更にこのインクを2回目の遠心分離処理(10,000rpm、15分間)することによって、粗大粒子を除去した後、所定の組成になるようにインクを調製した。そして、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過することによって、比較例で使用するイエローインクを得た。
【0056】
<比較例2:インク例H>
インク例(A)で作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなシアン顔料分散体を作製した。
【0057】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。このシアン顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次に水酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純分で0.5%になるように調整した。更にこのインクを2回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、所定の組成になるようにインクを調製した。そして、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過することによって、比較例で使用するシアンインクを得た。
【0058】
<比較例3:インク例I>
インク例(A)で作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなシアン顔料分散体を作製した。
【0059】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。このシアン顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次に水酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純分で15%になるように調整した。更にこのインクを2回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、所定の組成になるようにインクを調製した。そして、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過することによって、比較例で使用するシアンインクを得た。
【0060】
次に、加熱定着手段として用いる定着ヒータユニット例について具体的に説明する。
<定着ヒータユニット例(イ)>
本定着ヒータユニットは、特開平10−323974号公報で開示された実施例の構成からなるもので、即ち、図1中、30は記録ヘッド100と対向した位置に設置された通電発熱体で、幅10mm、厚さ0.6mmのアルミ基板上にAg−Pdからなる抵抗体パ夕ーンと、その上部にSi55、Fe18、Zr15、Ti8、Mn4(%)からなる酸化物被膜を20μmの厚さに形成したものである。
【0061】
この発熱体は、測定波長3〜35μmの領域で放射率(ε)=0.8以上あり、放射率のピークが7μm付近にある。また、発熱体の電気抵抗は15Ω、最大消費電力は35Wで、A4サイズのフルカラー画像毎分4枚のスループットまで加熱定着の効果がでる。図中32はスクリーングリッドで、板厚0.1mmのSUS304で形成されたものである。33はガイドで、スクリーングリッド32と同じ材料で作成されている。34は紙搬送手段でゴムローラの形状をしている。35は星車の形状をした記録紙の搬送を補助するガイド、36は駆動回路及び温度制御部をユニット化したものである。
【0062】
図2は、記録ヘッド100、通電発熱体30、スクリーングリッド32、ガイド33、ゴムローラ34、星車ガイド35、それぞれの相互位置関係を示す断面図である。本定着ヒータ例において、通電発熱体30とスクリーングリッド32とは、0.35mmの空間を設けてある。
【0063】
<定着ヒータユニット例(ロ)>
本定着ヒータユニットは、特開平8−132724号公報の実施例で開示されているハロゲンヒータを発熱体とする輻射熱加熱方式のものである。図3においてキャリッジ3は、ガイド軸11に沿って摺動可能に係合し、また、不図示の主走査モータによって移動する駆動ベルト52の一部と接続する。これにより記録ヘッドカートリッジCは、ガイド軸11に沿った走査のための移動が可能となる。プレヒート加熱を兼ねた搬送ローラは15及び16及び搬送ローラ17及び18は不図示の制御回路と副走査モータによって駆動され、記録媒体Pを加熱及び搬送する。
【0064】
搬送されてきた記録媒体Pは、プラテン部において印字下面から赤外線加熱ヒータユニット500によってメインヒート加熱が行われ、急速に記録媒体を所望の温度まで高める。赤外線ヒータユニット500は、ハロゲンヒータ501と記録媒体の進入防止と効率的加熱を可能にした網目状のプラテン502と赤外線を記録媒体側に集光するための反射板503と不図示の温度センサー及びそれを制御する回路で構成されている。
【0065】
図4は、加熱記録部を説明する模式的拡大図である。印字領域の前後を含めたプレヒートローラ16とハロゲンヒータ501による加熱を行う場合は、記録媒体をプレヒートローラ等で予備加熱し、ハロゲンヒータによる加熱効率を高める必要がある。これは、ハロゲンヒータによる記録媒体の温度の上昇速度がおよそ10から20℃/秒程度であるので、印字領域前に予備加熱又は網目構造で赤外線を早めに当てる必要がある。
【0066】
また、ハロゲンヒータからの赤外線を効率よく記録媒体に吸収させるには、実質的投影面積を稼ぐ必要があるのと記録媒体のヒータユニットヘの進入を防ぐ必要から、網目構造が最適である。また、インクから発生する水蒸気を記録ヘッド部へ付着させないためには、空気の流れを発生させ、水蒸気を機外へ排出する機構を設けることが望ましい。
【0067】
<評価の項目と基準>
下記の一連の評価に普通紙として使用した記録媒体は、キヤノン社製のPB紙及びゼロックス社製のゼロックス4024紙である。
1.カラー画像の彩度
樹脂成分を含有しない顔料インクで記録したカラー画像部分の彩度を基準にして相対的な目視評価を行った。
◎:彩度の向上が十分に確認できる。
○:彩度の向上に有意性があると判断できる。
×:彩度の向上に有意性がない。
【0068】
2.耐擦過性
記録して得られた文字及びべた画像部分を数時間放置後、下記基準にて評価した。
○:記録部分を指及び消しゴムで数回擦っても汚れたり、消えたりしない。
×:指が汚れたり、或いは消しゴムで消える場合がある。
3.周波数応答性
プリンタの電圧は一定にして、周波数を6〜15KHzの間で変化させたときの、印字の乱れや不吐出等の有無を観察した。
○:10KHz以上の範囲でも、印字の乱れや不吐出がない。
×:6〜10KHzの範囲で、印字の乱れや不吐出が発生する。
【0069】
4.連続印字耐久性
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインクから形成される7.5%デューティのカラー画像を連続して1,000枚印字した。カラー画像内のべた部分の鮮やかさ、罫線部分のよれ等について、1枚目と1,000枚目とで比較評価した。
◎:ベた部分が均一で鮮やか、且つ罫線のよれもない。
○:ベた部分の濃度低下、罫線のよれは若干あるが、実用上許容できるレベ ル。
×:ベた部分が不均一で濃度が低く、罫線がよれて乱れている。
【0070】
5.記録部分の光沢性
樹脂成分を含有しない顔料インクで、記録したカラー画像部分の光沢性を基準にして相対的な目視評価を行った。
○:明らかに光沢感があるのが確認できる。
×:殆ど、光沢感がない。
【0071】
6.ブリード(異色境界部分のにじみ)
隣接したカラー画像部分の相互にじみの程度を下記基準で評価した。
◎:境界は明瞭で、にじみはまったくない。
○:境界のにじみは若干見られるが、実用上問題のないレベル。
×:にじみが発生し、相互にかなり拡散が起こっている。
以上の評価項目を実施例及び比較例のそれぞれについて評価した結果を表1に示す。
【0072】
【0073】
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、普通紙上で印刷レベルに近い画像品質、信頼性或いは耐久性を持った記録物を得ることが可能となる。しかも、このような記録物を小型のインクジェット記録装置でいつでも簡単に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】定着ヒータユニット例(イ)を組み込んだインクジェット記録装置の構成を示す図。
【図2】定着ヒータユニット例(イ)を組み込んだインクジェット記録装置の主要構成部の相互の位置関係を示す断面図。
【図3】定着ヒータユニット例(ロ)を組み込んだインクジェット記録装置の構成を示す図。
【図4】定着ヒータユニット例(ロ)を組み込んだインクジェット記録装置の主要構成部の相互の位置関係を示す断面図。
【符号の説明】
3:キャリッジ
11:ガイド軸
15、16:搬送ローラ(プレヒートローラ)
17、18:搬送ローラ
30:通電発熱体
32:スクリーングリッド
33:ガイド
34:搬送手段(ゴムローラ)
35:ガイド
36:制御ユニット
52:駆動ベルト
100:記録ヘッド
300:キャップユニット
401:第1のブレード
402:第2のブレード
403:ブレードクリーナ
500:赤外線ヒータユニット
501:ハロゲンヒータ
502:プラテン
503:反射板
505:プレヒータ
506:押さえコロ
C:記録ヘッドカートリッジ
P:記録媒体
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドの吐出口から顔料インクを吐出させて記録を行うインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット印刷は、カラープリンタの登場とカラー画像を処理することができるパソコンソフトウェアの発達に伴い、より高精細なフルカラー画像を得たいという要求が高まっている。そのためにプリントヘッドの高解像度化や光沢性及び白色度の高い、高吸収性のインクジェット用特殊媒体等の開発も急速に進められている。また、インクジェット印刷システムは、非接触印刷システムであるため製版の必要もなく、また、高速印刷も可能であることから、産業用途の分野においても期待されている。
【0003】
最近ではインクジェット記録にインクの色材として顔料を用いる試みが多くなってきている。その理由は、顔料がインクジェット方式においても耐水性や耐光性等の堅牢性を与える最も良い材料であるということが、インクジェット記録の分野においても十分認識されるようになったからである。実際に、このような顔料は主にオフィス及びホーム用途として使用される小型カラープリンタのブラックインクに、或いは業務用途等で使用される大判プリンタ用のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックインク等の色材として製品化されるようになった。
【0004】
しかしながら、カラー顔料インクを用いて高精細なフルカラー画像を得ようとすると、普通紙上では鮮明なカラーの彩度が得られないため、大判プリントの分野では、前述したようなインクジェット用の高価な特殊媒体を選択しなければならないというのが現状である。更にこの問題が、普通紙対応を前提とする小型のカラープリンタ用のインクとして、カラー顔料インクが未だ普及し得ない大きな障害となっている。
【0005】
このような課題を解決する手段の一つとして、従来より記録媒体を加熱する方法が提案されている(特許文献1及び2参照)。これらの文献には、顔料と樹脂エマルジョンを含有するインクを用いて、記録媒体を加熱しながら記録を行う発明が開示されている。また、顔料と浸透剤等を含有するインクを用いて、前記と同様に加熱手段と組合わせる方法が開示されている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−118008号公報
【特許文献2】
特開平9−208870号公報
【特許文献3】
特開平11−78210号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような加熱定着手段を備える記録装置の場合、記録媒体を加熱する加熱領域が、記録領域に近い、或いはそれと一致する場合には、当然、記録ヘッドも加熱されるため記録へッドの温度も上昇することになる。その結果、吐出口とその周辺に存在するインクの組成変化が起こり、それが正常な吐出を妨げる原因になる場合がある。このように揮発成分が蒸発して濃縮されたり、或いは長時間加熱されたりする環境においては、液媒体中で存在する物質の状態は溶解系の方が分散系より安定した状態を維持でき、また、溶解系の方が可逆的な性質を多分に有するため初期状態に戻り易い傾向にある。
【0008】
しかるに、樹脂エマルジョンのような分散系の物質が顔料に加えて更に同一媒体中に増えることは、前述した理由から記録ヘッドの吐出性に悪影響を及ぼし易く、好ましい態様とはいえない。特にバブルジェット(登録商標)方式のように熱エネルギーの作用によってインクを吐出させるインクジェット方式の場合は、より高い記録ヘッドの温度上昇を見込まなければならないので、十分考慮しなければならない。
【0009】
また、記録装置に加熱手段を設けて記録媒体を加熱するのは、記録直後にインク中の色材を記録媒体上の表面に極力とどめて、色材の高い発色性や記録濃度を得るためである。更に一般的なインクジェット適性を満足し得るインク中の顔料濃度やバインダー量では、従来よりインクジェット用として使用されている染料の色彩性にはなかなか及ばない現状からして、インク中に浸透剤を添加して浸透性を高めることは、顔料を普通紙の表面から内部へ沈めることになり、その結果、インク定着時間の短縮化や加熱条件の改善、即ち、加熱温度の低下や投入熱量の低減ができたとしても、満足できる画像品位を得ることは難しい。
【0010】
従って、本発明は、このような従来の課題を解決するためのものであり、即ち、普通紙上で彩度の高いフルカラー画像を得ることができるインクジェット記録方法を提供することを目的とし、更には記録部分の耐水性、耐光性、耐擦過性も改善された信頼性の高い記録物が得られるインクジェット記録方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、少なくとも水を主成分とする液媒体と、この液媒体中に均一に分散保持される顔料とを含有してなるインクを、記録ヘッドにより吐出して、加熱された記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録方法において、(1)前記インク中に遊離のアルカリ可溶型樹脂が1質量%〜10質量%含まれ、(2)前記記録媒体の表面温度が、記録ヘッドと対向する記録領域において80℃〜160℃の範囲になるように加熱することを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、前記液媒体中に均一に分散保持された顔料の平均粒径が、50〜200nmの範囲にあり、且つ200nmを超える粒径範囲に粒径分布の60%以下の分散した顔料粒子が存在するインクを吐出させる上記のインクジェット記録方法、及び前記記録ヘッドが、インクに熱エネルギーを作用させてインク滴を吐出させる上記のインクジェット記録方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
本発明のインクジェット記録方法に用いる顔料インクには、遊離のアルカリ可溶型樹脂が1質量%〜10質量%含まれている。このような樹脂を含有させる理由は、加熱定着により普通紙上の表面に凝集及び析出した顔料層を樹脂で保護することにより、良好な耐擦過性を得ると同時に、画像部分に光沢性を付与する目的からである。
【0014】
更に、この樹脂が、分散系のエマルジョンタイプのものではなく、溶解系のアルカリ可溶タイプのものでなければならない理由は、前述した如く加熱定着を実施するうえで記録ヘッド内のインク成分が加熱により蒸発濃縮されたり、或いは長時間加熱される状況下では、液媒体中で存在する物質の状態は溶解系の方が分散系より安定した状態を維持できるからである。
【0015】
特にバブルジェット方式のように熱エネルギーの作用によってインクを吐出させるインクジェット方式の場合、インク中で不安定化した物質はノズル内の発熱抵抗体、即ち発熱ヒータ表面の“コゲ”の発生原因となり易く、その結果、吐出の安定性が悪くなる場合が多い。また、インク成分の蒸発等による組成変化により安定していた均一性が崩れても、溶解系の方が可逆的な性質を多分に有するため初期状態に戻り易い傾向にある。つまり、加熱された記録ヘッドの吐出口先端及びその周辺のインクが、このような高温環境下で顔料粒子の凝集又は沈降や樹脂の析出等を起こしたとしても、ヘッドのクリーニング操作等でフレッシュなインクが補充されると再溶解して除去し易くなるからである。
【0016】
本発明で使用する遊離のアルカリ可溶型樹脂の含有量は、インク中に1質量%〜10質量%の範囲で含まれ、1質量%未満の場合は、前述した画像部分の耐擦過性及び光沢性の付与が十分ではなく、また、10質量%を超える場合は、インクの粘度が高くなりすぎて吐出の安定性、即ち、周波数応答性が悪くなり、また、樹脂分が多すぎて記録媒体上で乾燥被膜化するまでに時間がかかりすぎるという不具合が生じる。よって、より好ましい含有量としては、3質量%〜8質量%の範囲である。
【0017】
また、本発明で使用される顔料インク中に分散保持される顔料の平均粒径は、50〜200nmの範囲にあり、且つ200nmを超える粒径範囲に粒径分布の60%以下の顔料粒子が存在するように調製されたインクを用いることが好ましい。平均粒径を50nm未満に揃えようとすると、顔料の粉砕や分散能力のアップ等に対応するための機械装置の準備、工程時間の延長、更には品質の安定化等の量産性に関わる問題が発生し易いため、好ましい範囲とはいえない。
【0018】
また、平均粒径が200nmを超えると、通常の製造方法で得られる顔料インクであれば、インク中に存在する粗大粒子の割合が多くなってくる。この粗大粒子は、前述したような条件下で蒸発濃縮されたり、或いは長時間加熱されると容易に顔料の凝集塊を形成して沈降や析出の原因になる。従って、記録ヘッドの吐出口及びその周辺に存在するインクがこのような状態になると、正常な吐出を妨げる原因になり易くなる。また、200nmを超える粒径範囲に全粒径分布の60%以上の顔料粒子が存在すると、この場合も上記と同様に顔料の凝集塊を形成し易くなるため好ましくない。
【0019】
また、本発明のインクジェット記録方法で記録媒体、特に普通紙を加熱する時の条件はその表面温度が80〜160℃の範囲になるように加熱しなければならない。80℃未満の温度では蒸発速度が遅く、紙の内部への浸透を十分に抑制できないため、紙表面上に顔料層を効率良く形成することができない。そのためカラー記録部分の十分な彩度が得られない。160℃を超える温度にすると記録媒体の変形や記録媒体中の、例えば、セルロース等の黄変が発生したり、加熱装置の安全性や立ち上がり時間や消費電力の増大等、高温対策が複雑となり好ましくない。よって、より好ましい記録媒体の表面加熱温度は100〜140℃の範囲である。
【0020】
本発明で使用される顔料は、一般的な無機顔料及び有機顔料であり、例えば、無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄に加え、チャネル法、ファーネス法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等を使用することができる。
【0021】
これらの顔料種の中でも本発明を実施するうえで特に好ましいカラー顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー74、93、128、138、147、155等の黄色顔料、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレッット19等の赤色顔料、C.I.ピグメントブルー15:1、15:2、15:3等の青色顔料を拳げることができる。
【0022】
次に、本発明で使用するアルカリ可溶型樹脂としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体等を用いる。これらのアルカリ可溶型樹脂の中で、重量平均分子量が3,000〜15,000で、且つ酸価が150〜250のものが好適に使用できる。
【0023】
また、上記のアルカリ可溶型樹脂を水系にて用いるには、塩基で中和された状態にすることが必要である。そのために用いられる塩基としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−エチル−2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−(2−アミノエチル)エタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、アンモニア、ピペリジン、モルフォリン、β−ジヒドロキジエチル尿素等の有機塩基、或いは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の無機塩基が拳げられる。
【0024】
次に、これらの顔料を分散させるための分散剤としては、通常の水溶性樹脂や水溶性界面活性剤を用いることができる。水溶性樹脂の具体例としては、前述したアルカリ可溶性のスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。
【0025】
また、本発明で分散剤として使用できる水溶性界面活性剤の具体例としては、下記のものが挙げられる。例えば、アニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩等が挙げられる。
【0026】
また、カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。更に両性界面活性剤としては、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、イミグゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0027】
また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【0028】
本発明の顔料インクは、上記した顔料及び分散剤と、これらを分散させるための水系媒体とを少なくとも有するが、この際に使用する好適な水性媒体としては、水又は、水と水溶性有機溶剤の混合溶媒を使用することが好ましい。本発明において使用するインクの、インク中における水の含有量は、通常20〜90質量%、好ましくは、30〜70質量%の範囲である。
【0029】
また、本発明において水と混合して使用し得る水溶性有機溶剤としては、下記の如き3群に分けることができる。即ち、保湿性が高く、蒸発しにくく、親水性に優れる第1群の溶剤、有機性があり疎水性の表面への濡れ性がよく、蒸発乾燥性もある第2群の溶剤、適度の濡れ性を有し低粘度の第3群の溶剤である。本発明においてはこれらの溶剤の中から目的に応じて適宜に選択して使用すればよい。
【0030】
第1群に属する溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−へキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジメチルスルホキシド、ダイアセトンアルコール、グリセリンモノアリルエーテル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール300、チオジグリコール、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイシプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、β−ジヒドロキシエチルウレア、ウレア、アセトニルアセトン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
【0031】
第2群に属する溶媒としては、へキシレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリンモノアセテート、グリセリンジアセテート、グリセリントリアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1−ブタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−へキセン−2,5−ジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−へキサンジオール等が挙げられる。
【0032】
第3群に属する溶媒としては、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等が挙げられる。
【0033】
以上の如き水溶性有機溶媒の総量は、概ねインク全体に対して5〜40質量%の範囲で使用することが好ましい。本発明の顔料インクには、以上の成分の他、必要に応じて界面活性剤、pH調整剤、防腐剤等を添加することが可能である。
【0034】
本発明の顔料インクは、上記した材料を分散機によって分散して作製されるが、この際の分散機としては、一般に使用される分散機なら如何なるものも使用し得る。具体的には、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル等の分散機が挙げられるが、これらの中でも高速度のサンドミルが好ましく、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル、コボルミル(いずれも商品名)等を好ましく使用できる。
【0035】
本発明において、所望の粒径分布を有する顔料の分散液或いはインクを得る方法としては、下記の方法を用いることができる。例えば、分散機に用いる粉砕メディアのサイズを小さくする、粉砕メディアの充填率を大きくする、或いは粉砕処理時間を長くする、粉砕速度を遅くする等の方法や粉砕後、フィルターや遠心分離機等で分級する等の手法を用いることができる。勿論、これらの手法を適宜組合わせてもよい。
【0036】
次に、本発明で使用する加熱定着方式については、インクジェット記録装置の構成ユニットとしてその目的、用途等に対して好適に成り立つものであれば、特に限定されるものではない。一般的な従来技術としては、記録媒体を熱板に接触させる熱板加熱方式、或いは温風を吹き付ける温風加熱方式、赤外線ランプ、赤外線ヒータ等の輻射熱によって記録媒体を加熱する輻射熱加熱方式等が挙げられる。
【0037】
最近では、例えば、米国特許第5,020,244号明細書には、温風加熱と輻射熱加熱とを組合わせた定着方式が、米国特許第5,428,384号明細書には、送風、排気手段と輻射熱加熱方式とを組合わせた定着方式が、特開平8−258254号公報には、ヒートローラによる記録紙の加熱手段と送風手段を設けた定着方式が、特開平7−195683号公報にはマイクロ波エネルギーを利用した定着方式が、更には、特開平10−323974号公報には赤外線の放射特性と吸収特性を効果的に利用して、従来より消費電力を節電できる小型の加熱定着方式等が開示されている。
【0038】
上記方式の中で特に顔料インクに対しては、ブラックインクに使用するカーボンブラックの赤外線吸収特性を利用できる赤外線放射型の加熱定着方式が効果的である。ブラックインクは、特に印字スピードが要求されるキャラクタ印字の高速定着やカラー記録部との境界領域で発生するブリード抑制という普通紙上での定着や乾燥に関わる高い性能が要求されるので、この方式は特に好ましい手段といえる。
【0039】
【実施例】
以下、インク例、定着ヒータ例等を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、文中「%」又は「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<実施例1:インク例(A)>
スチレン−メタクリル酸共重合体とこれを中和するに必要な所定量の水酸化カリウム、及び水を混合して、約60℃に保温した状態でこれらを撹拌混合し、10%のスチレン−メタクリル酸共重合体の水溶液を作製した。このようにして作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなブラック顔料分散体を作製した。
【0040】
【0041】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。このブラック顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次に水酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純分で8%になるように調整した。更にこのインクを2回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、所定の組成になるようにインクを調製した。そして、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過することによって、本発明で使用するブラックインクを得た。
【0042】
<実施例2:インク例(B)>
インク例(A)で作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなイエロー顔料分散体を作製した。
【0043】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。このイエロー顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。
【0044】
次に水酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純分で3%になるように調整した。更にこのインクを2回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、所定の組成になるようにインクを調製した。そして、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過することによって、本発明で使用するイエローインクを得た。
【0045】
<実施例3:インク例(C)>
インク例(A)で作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなマゼンタ顔料分散体を作製した。
・水20部
【0046】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。このブラック顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次に水酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純分で7%になるように調整した。更にこのインクを2回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、所定の組成になるようにインクを調製した。そして、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過することによって、本発明で使用するマゼンタインクを得た。
【0047】
<実施例4:インク例(D)>
インク例(A)で作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなシアン顔料分散体を作製した。
【0048】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。このシアン顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次に水酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純分で6%になるように調整した。
【0049】
更にこのインクを2回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、所定の組成になるようにインクを調製した。そして、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過することによって、本発明で使用するシアンインクを得た。
【0050】
<実施例5:インク例(E)>
インク例(A)で作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなシアン顔料分散体を作製した。
【0051】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ2時間分散処理を行った。このシアン顔料分散体を遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次に水酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純分で6%になるように調整した。更に2回目の遠心分離処理、及びメンブランフィルターによるろ過は実施せずに本発明で使用するシアンインクを得た。
【0052】
<実施例6:インク例(F)>
インク例(A)で作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなマゼンタ顔料分散体を作製した。
【0053】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、lmm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。このマゼンタ顔料分散体を遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次に水酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純分で7%になるように調整した。更に2回目の遠心分離処理、及びメンブランフィルターによるろ過は実施せずに、本発明で使用するマゼンタインクを得た。
【0054】
<比較例1:インク例G>
インク例(A)で作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなイエロー顔料分散体を作製した。
【0055】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。このイエロー顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10,000rpm、15分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次にウレタン樹脂エマルジョン(商品名:ユーコートUWS−140、樹脂成分35%、三洋化成工業製)をこのインクに添加して、インク中での含有量が純分で3%になるように調製した。更にこのインクを2回目の遠心分離処理(10,000rpm、15分間)することによって、粗大粒子を除去した後、所定の組成になるようにインクを調製した。そして、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過することによって、比較例で使用するイエローインクを得た。
【0056】
<比較例2:インク例H>
インク例(A)で作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなシアン顔料分散体を作製した。
【0057】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。このシアン顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次に水酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純分で0.5%になるように調整した。更にこのインクを2回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、所定の組成になるようにインクを調製した。そして、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過することによって、比較例で使用するシアンインクを得た。
【0058】
<比較例3:インク例I>
インク例(A)で作製したスチレン−メタクリル酸共重合体を分散剤として用い、以下のようなシアン顔料分散体を作製した。
【0059】
これらの材料をバッチ式縦型サンドミルに仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。このシアン顔料分散体を1回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、水にて全体を2倍に希釈してインク化した。次に水酸化カリウムで中和された20%のスチレン−アクリル酸共重合体の水溶液をこのインクに添加して、スチレン−アクリル酸共重合体の含有量が純分で15%になるように調整した。更にこのインクを2回目の遠心分離処理(10,000rpm、30分間)することによって、粗大粒子を除去した後、所定の組成になるようにインクを調製した。そして、最後にこのインクを1μmのメンブランフィルターでろ過することによって、比較例で使用するシアンインクを得た。
【0060】
次に、加熱定着手段として用いる定着ヒータユニット例について具体的に説明する。
<定着ヒータユニット例(イ)>
本定着ヒータユニットは、特開平10−323974号公報で開示された実施例の構成からなるもので、即ち、図1中、30は記録ヘッド100と対向した位置に設置された通電発熱体で、幅10mm、厚さ0.6mmのアルミ基板上にAg−Pdからなる抵抗体パ夕ーンと、その上部にSi55、Fe18、Zr15、Ti8、Mn4(%)からなる酸化物被膜を20μmの厚さに形成したものである。
【0061】
この発熱体は、測定波長3〜35μmの領域で放射率(ε)=0.8以上あり、放射率のピークが7μm付近にある。また、発熱体の電気抵抗は15Ω、最大消費電力は35Wで、A4サイズのフルカラー画像毎分4枚のスループットまで加熱定着の効果がでる。図中32はスクリーングリッドで、板厚0.1mmのSUS304で形成されたものである。33はガイドで、スクリーングリッド32と同じ材料で作成されている。34は紙搬送手段でゴムローラの形状をしている。35は星車の形状をした記録紙の搬送を補助するガイド、36は駆動回路及び温度制御部をユニット化したものである。
【0062】
図2は、記録ヘッド100、通電発熱体30、スクリーングリッド32、ガイド33、ゴムローラ34、星車ガイド35、それぞれの相互位置関係を示す断面図である。本定着ヒータ例において、通電発熱体30とスクリーングリッド32とは、0.35mmの空間を設けてある。
【0063】
<定着ヒータユニット例(ロ)>
本定着ヒータユニットは、特開平8−132724号公報の実施例で開示されているハロゲンヒータを発熱体とする輻射熱加熱方式のものである。図3においてキャリッジ3は、ガイド軸11に沿って摺動可能に係合し、また、不図示の主走査モータによって移動する駆動ベルト52の一部と接続する。これにより記録ヘッドカートリッジCは、ガイド軸11に沿った走査のための移動が可能となる。プレヒート加熱を兼ねた搬送ローラは15及び16及び搬送ローラ17及び18は不図示の制御回路と副走査モータによって駆動され、記録媒体Pを加熱及び搬送する。
【0064】
搬送されてきた記録媒体Pは、プラテン部において印字下面から赤外線加熱ヒータユニット500によってメインヒート加熱が行われ、急速に記録媒体を所望の温度まで高める。赤外線ヒータユニット500は、ハロゲンヒータ501と記録媒体の進入防止と効率的加熱を可能にした網目状のプラテン502と赤外線を記録媒体側に集光するための反射板503と不図示の温度センサー及びそれを制御する回路で構成されている。
【0065】
図4は、加熱記録部を説明する模式的拡大図である。印字領域の前後を含めたプレヒートローラ16とハロゲンヒータ501による加熱を行う場合は、記録媒体をプレヒートローラ等で予備加熱し、ハロゲンヒータによる加熱効率を高める必要がある。これは、ハロゲンヒータによる記録媒体の温度の上昇速度がおよそ10から20℃/秒程度であるので、印字領域前に予備加熱又は網目構造で赤外線を早めに当てる必要がある。
【0066】
また、ハロゲンヒータからの赤外線を効率よく記録媒体に吸収させるには、実質的投影面積を稼ぐ必要があるのと記録媒体のヒータユニットヘの進入を防ぐ必要から、網目構造が最適である。また、インクから発生する水蒸気を記録ヘッド部へ付着させないためには、空気の流れを発生させ、水蒸気を機外へ排出する機構を設けることが望ましい。
【0067】
<評価の項目と基準>
下記の一連の評価に普通紙として使用した記録媒体は、キヤノン社製のPB紙及びゼロックス社製のゼロックス4024紙である。
1.カラー画像の彩度
樹脂成分を含有しない顔料インクで記録したカラー画像部分の彩度を基準にして相対的な目視評価を行った。
◎:彩度の向上が十分に確認できる。
○:彩度の向上に有意性があると判断できる。
×:彩度の向上に有意性がない。
【0068】
2.耐擦過性
記録して得られた文字及びべた画像部分を数時間放置後、下記基準にて評価した。
○:記録部分を指及び消しゴムで数回擦っても汚れたり、消えたりしない。
×:指が汚れたり、或いは消しゴムで消える場合がある。
3.周波数応答性
プリンタの電圧は一定にして、周波数を6〜15KHzの間で変化させたときの、印字の乱れや不吐出等の有無を観察した。
○:10KHz以上の範囲でも、印字の乱れや不吐出がない。
×:6〜10KHzの範囲で、印字の乱れや不吐出が発生する。
【0069】
4.連続印字耐久性
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインクから形成される7.5%デューティのカラー画像を連続して1,000枚印字した。カラー画像内のべた部分の鮮やかさ、罫線部分のよれ等について、1枚目と1,000枚目とで比較評価した。
◎:ベた部分が均一で鮮やか、且つ罫線のよれもない。
○:ベた部分の濃度低下、罫線のよれは若干あるが、実用上許容できるレベ ル。
×:ベた部分が不均一で濃度が低く、罫線がよれて乱れている。
【0070】
5.記録部分の光沢性
樹脂成分を含有しない顔料インクで、記録したカラー画像部分の光沢性を基準にして相対的な目視評価を行った。
○:明らかに光沢感があるのが確認できる。
×:殆ど、光沢感がない。
【0071】
6.ブリード(異色境界部分のにじみ)
隣接したカラー画像部分の相互にじみの程度を下記基準で評価した。
◎:境界は明瞭で、にじみはまったくない。
○:境界のにじみは若干見られるが、実用上問題のないレベル。
×:にじみが発生し、相互にかなり拡散が起こっている。
以上の評価項目を実施例及び比較例のそれぞれについて評価した結果を表1に示す。
【0072】
【0073】
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、普通紙上で印刷レベルに近い画像品質、信頼性或いは耐久性を持った記録物を得ることが可能となる。しかも、このような記録物を小型のインクジェット記録装置でいつでも簡単に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】定着ヒータユニット例(イ)を組み込んだインクジェット記録装置の構成を示す図。
【図2】定着ヒータユニット例(イ)を組み込んだインクジェット記録装置の主要構成部の相互の位置関係を示す断面図。
【図3】定着ヒータユニット例(ロ)を組み込んだインクジェット記録装置の構成を示す図。
【図4】定着ヒータユニット例(ロ)を組み込んだインクジェット記録装置の主要構成部の相互の位置関係を示す断面図。
【符号の説明】
3:キャリッジ
11:ガイド軸
15、16:搬送ローラ(プレヒートローラ)
17、18:搬送ローラ
30:通電発熱体
32:スクリーングリッド
33:ガイド
34:搬送手段(ゴムローラ)
35:ガイド
36:制御ユニット
52:駆動ベルト
100:記録ヘッド
300:キャップユニット
401:第1のブレード
402:第2のブレード
403:ブレードクリーナ
500:赤外線ヒータユニット
501:ハロゲンヒータ
502:プラテン
503:反射板
505:プレヒータ
506:押さえコロ
C:記録ヘッドカートリッジ
P:記録媒体
Claims (3)
- 少なくとも水を主成分とする液媒体と、この液媒体中に均一に分散保持される顔料とを含有してなるインクを、記録ヘッドにより吐出して、加熱された記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録方法において、(1)前記インク中に遊離のアルカリ可溶型樹脂が1質量%〜10質量%含まれ、(2)前記記録媒体の表面温度が、記録ヘッドと対向する記録領域において80℃〜160℃の範囲になるように加熱することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 前記液媒体中に均一に分散保持された顔料の平均粒径が、50〜200nmの範囲にあり、且つ200nmを超える粒径範囲に粒径分布の60%以下の分散した顔料粒子が存在するインクを吐出させる請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記記録ヘッドが、インクに熱エネルギーを作用させてインク滴を吐出させる請求項1に記載のインクジェット記録方法。
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Cited By (1)
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JP2013193252A (ja) * | 2012-03-16 | 2013-09-30 | Konica Minolta Inc | インクジェット記録方法 |
-
2002
- 2002-09-25 JP JP2002279444A patent/JP2004114433A/ja active Pending
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