JP2004114320A - 汎用インキにて印刷可能な積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】汎用インキを用いて印刷を行っても、ボコツキと呼ばれるフィルムの変形現象が発生せず、美麗な印刷物を与える積層フィルムを提供する。
【解決手段】延伸フィルムの表面側に、インキバリア層として、押出しラミネーションにより積層した少なくとも1層の熱可塑性樹脂層を設け、更にそのインキバリア層の外側に、印刷面となるインキ受理層を設ける。この場合において、延伸フィルムの裏面側にも、インキ受理層及び/又はインキバリア層を設けるのが好ましい。延伸フィルムとしては、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂に無機充填剤や発泡剤を練り込んで延伸したタイプのもの等を用いることができる。
【選択図】 なし
【解決手段】延伸フィルムの表面側に、インキバリア層として、押出しラミネーションにより積層した少なくとも1層の熱可塑性樹脂層を設け、更にそのインキバリア層の外側に、印刷面となるインキ受理層を設ける。この場合において、延伸フィルムの裏面側にも、インキ受理層及び/又はインキバリア層を設けるのが好ましい。延伸フィルムとしては、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂に無機充填剤や発泡剤を練り込んで延伸したタイプのもの等を用いることができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は汎用インキにて印刷ができ、かつ、美麗な印刷物を与える積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、合成紙として、熱可塑性樹脂に無機充填剤や発泡剤を練り込んで延伸したタイプのものが知られ、ポスター、ラベル、配送伝票等、耐水性が要求される各種分野で用いられている。
【0003】
このような合成紙の印刷に際しては、通常、合成紙専用インキが用いられる。紙の印刷に汎用されているインキは合成紙に殆ど染込まない。そのため、汎用インキを用いて合成紙に印刷を行うと、印刷されたインキは合成紙表面に滞留して乾燥し、印刷後の合成紙を擦ったりした場合に、乾燥したインキが合成紙表面から剥がれ落ちたり、合成紙表面で砕けたりして印刷面を汚してしまう。一方、合成紙専用インキは、不飽和結合を多く含む植物油を主体とした溶剤を用いており、印刷されたインキが合成紙の表面に滞留しても、滞留したインキが酸化重合して強固なインキ層を形成する。従って、合成紙専用インキを用いれば、汎用インキを用いた場合に発生する印刷トラブルを防止することができるからである。
【0004】
しかし、合成紙専用インキは、その乾燥(印刷された合成紙表面へのインキの固定)を、専ら酸化重合にのみ頼っているため、乾燥速度が非常に遅いという欠点がある。そこで、合成紙表面に適宜受理層を設ける等により、汎用インキを用いても印刷可能な合成紙の開発が進められている。
【0005】
【特許文献1】
特公昭53−6676号公報(第1頁、特許請求の範囲)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
合成紙の印刷面に適当なインキ受理層を設ければ、汎用インキを用いても美麗な印刷物を得ることができるはずである。インキはこの受理層に染込むので、表面に滞留して乾燥することはない。ところが、こうしてインキ受理性を改善しても、得られた合成紙はなお、汎用インキでの印刷に適さないものであった。汎用インキを用いてこの合成紙に印刷を行うと、合成紙が不規則に波打つといった現象、いわゆるボコツキを生じる場合があったからである。ボコツキが生じると印刷物の美観が損なわれるだけでなく、印刷物のその後の加工適性をも損ねるおそれがある。
【0007】
本願発明は、かかる問題点を踏まえ、汎用インキを用いて印刷を行ってもボコツキが発生せず、美麗な印刷物を与える積層フィルムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは鋭意研究の結果、合成紙を製造する際に行われる延伸とインキ溶剤とがボコツキ発生の原因であることを見出し、合成紙表面に、インキバリア層として、押出しラミネーションにより積層した熱可塑性樹脂層を設けることにより、上記課題を解決して本願発明を完成した。
【0009】
即ち、本願発明は、延伸フィルムの表面側に、インキバリア層として、押出しラミネーションにより積層した少なくとも1層の熱可塑性樹脂層を設け、更にそのインキバリア層の外側に、印刷面となるインキ受理層を設けたことを特徴とする、積層フィルムに関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本願発明を詳細に説明する。
【0011】
本願発明において延伸フィルムとは、フィルム成形後、オンラインまたはオフラインで引張り力が加えられ、延伸されたフィルムのことをいう。このような延伸フィルムであれば、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、塩化ビニル又はこれらの混合物等に無機充填剤や発泡剤を練り込み、これを延伸して製造される合成紙はもちろん、これらの熱可塑性樹脂又は混合物を、無機充填剤や発泡剤を入れずに、ただ延伸しただけのフィルムであってもよい。かかる延伸フィルムはいずれも、インキ溶剤の浸透によりボコツキを発生させるため、本願発明によってボコツキ発生を防止する必要があるからである。
【0012】
インキバリア層として設ける熱可塑性樹脂層を構成する樹脂は、原則として、これを積層することとなる延伸フィルム又はその外側に設けられた他の層との接着性が良く、押出しラミネーションが可能な樹脂であれば、どのようなものでも使用することができる。このような樹脂は、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンといったオレフィン系樹脂を始め、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等から選択することができる。中でも、ホモポリプロピレンは結晶化度が高いことから、インキ溶剤のバリア性が高く、インキバリア層として設ける熱可塑性樹脂層の構成樹脂として好ましい。ちなみに、ホモポリプロピレンを延伸フィルムに直接積層する場合には、延伸フィルムとしてポリプロピレンフィルムを使用したとき、良好な接着性を示す。なお、本願発明において、インキバリア層は2層以上設けても構わない。
【0013】
インキバリア層の好ましい厚さは5μm以上、特に好ましくは10〜20μmである。層厚がこの程度であれば、インキバリア層は十分にその機能を発揮することができる。もっとも、この厚さは、インキバリア層を構成する樹脂の特性に応じて、調節することができる。また、インキバリア層を2層以上設ける場合には、インキバリア層全体としてその機能を発揮できれば、インキバリア層1層の厚さはもっと薄くても構わない。
【0014】
上記インキバリア層として設ける熱可塑性樹脂層は、延伸フィルムの表面側に押出しラミネーションにより積層する。ここで、押出しラミネーションとは、Tダイ押出機から溶融樹脂を基材上に押出して積層する方式全般を言い、共押出しラミネーションやサンドイッチラミネーション等もこの範疇に含まれる。
【0015】
更に、インキバリア層の外側には、印刷面となるインキ受理層を設ける。インキ受理層は、汎用インキの受理性(染込み)が良いものであれば、どのような組成のものでも構わない。典型的には、合成樹脂バインダーと無機填料とを配合した分散液を、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、ダイコーター、バーコーター等を用いて、インキバリア層又はその外側に設けられた他の層の表面に0.5〜10g/m2、好ましくは1〜5g/m2となるよう塗工することにより、一般コート紙用インキを用いて印刷可能なインキ受理層を設けることができる。塗工量が0.5g/m2よりも少ない場合には、十分なインキ受理性を付与することが難しく、塗工量が10g/m2よりも多い場合には、塗工層がシート表面から脱落するおそれがある。
【0016】
この場合において、バインダー樹脂は、印刷インキとの接着性、そのインキ受理層が設けられることとなる層との接着性、無機填料に対する保持力、耐水性等を考慮して選択する。例えば、かかるバインダーとして、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、各種アクリル酸、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩化ビニル等をモノマー成分とする単独重合体、共重合体及び/又はこれらの変性物を、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂等と混合して、あるいは混合せずに用いることができる。
【0017】
一方、バインダー樹脂と共にインキ受理層を構成する無機填料は、インキ吸収性を付与するために配合される。また、インキ受理層の色調は、これに施される印刷の美麗性に影響を与える。従って、ここで使用する無機填料としては、空隙率が高く、インキ吸収性が良好な白色填料、例えば、炭酸カルシウム、シリカ等が適している。但し、無機填料の主な役割はインキ吸収性の付与であるから、上記バインダー樹脂として、樹脂自体のインキ吸収性が高いものを使用した場合は、インキ受理層には無機填料を全く配合しなくとも構わない。
【0018】
こうして設けられたインキ受理層表面には、汎用インキを用い、オフセット印刷、グラビア印刷、活版印刷等、種々の方式で印刷を行うことができる。
【0019】
また、ボコツキの発生をより完全に防止するため、延伸フィルムの裏面側にもインキバリア層及び/又はインキ受理層を設けることができる。インキバリア層もインキ受理層も、延伸フィルム表面側に設けられるこれらの層と同様にして設ければよい。もっとも、その組成、厚さもしくは塗工量、積層方法もしくは塗工方法等は、必ずしも表面側の対応する層と同じでなくとも構わない。なお、延伸フィルムの裏面側に、インキバリア層とインキ受理層との両層を設ける場合には、インキ受理層を延伸フィルムの裏面側最外層とすることが必要である。
【0020】
本願発明の積層フィルムにおいては、その目的を害さない限り、延伸フィルム、インキバリア層、インキ受理層に加え、他の層を積層することもできる。例えば、不透明性を持たせる目的で、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機填料を配合した層を、インキバリア層とインキ受理層の間に積層してもよい。この場合は、インキバリア層と無機填料含有層とを共押出しラミネーションにより積層することで、無機填料含有層のラミネーション時に発生する膜切れ等のトラブルを回避できる。
【0021】
さらに、上記延伸フィルム、インキバリア層、インキ受理層及び他の層には、一般的に使用される種々の添加剤を添加したり、塗工剤を塗工したりすることができる。例えば、これらの添加剤や塗工剤として、インキ受理層にはレベリング剤、ブロッキング防止剤、滑剤等を、延伸フィルム、インキバリア層及び他の層には帯電防止剤等を使用することができる。但し、これらはやはり、本願発明の目的を害するものであってはならない。
【0022】
なお、上記各層を積層する際、コロナ処理、オゾン処理又はフレーム処理を行えば、その層間接着力を向上させることができる。例えば、延伸フィルムとインキバリア層とを積層する場合には、インキバリア層の構成樹脂がTダイ押出機から溶融して押出される際に、溶融樹脂の延伸フィルム対向面をオゾン処理することにより、インキバリア層と延伸フィルムとの接着力を向上させることができる。また、この場合において接着力の向上は、延伸フィルムのインキバリア層対向面を、ラミネート直前にコロナ処理することによっても達成できる。さらに、インキバリア層とインキ受理層とを積層する場合には、インキ受理層が塗工されるインキバリア層の面を、塗工直前にコロナ処理することにより、両層の接着力を向上させることができる。
【0023】
【作用】
延伸フィルムは、フィルムの成形後、加熱、引張り力による一軸又は二軸方向への延伸、その状態での冷却、という工程を経て製造される。このため、延伸フィルムでは、その内部に、延伸処理が行われた際にフィルムに生じた歪みがそのまま固定される。これは、延伸して製造されるタイプの合成紙も同様である。
【0024】
かかる合成紙に汎用インキを用いて印刷を行うと、たとえ、その印刷面にインキ受理層が設けられてあったとしても、印刷に用いたインキ溶剤のうち、インキ受理層で吸収しきれなかった分はインキ受理層を通って合成紙本体に染込み、延伸時に生じた合成紙内部の歪みを部分的に開放する。そのため、印刷後の合成紙が不規則に波打って、ボコツキが発生すると考えられる。
【0025】
そこで本願発明では、このような延伸フィルムの表面側、即ち、印刷が施される方の側に、押出しラミネーションによりインキバリア層を積層し、更にその外側に印刷面となるインキ受理層を積層する。インキ受理層表面への印刷により、インキ溶剤はインキ受理層に染込み、更に、インキ受理層で吸収しきれなかったインキ溶剤はインキバリア層にも染込むが、延伸フィルムに染込むことはない。また、インキバリア層は押出しラミネーションにより設けられているため、その内部に歪みが生じておらず、この層にインキ溶剤が染込んでもボコツキを起こすことはない。
【0026】
また、ボコツキの発生は、延伸フィルムの表面側にインキバリア層とインキ受理層を設けるだけではなく、その裏面側にもインキバリア層及び/又はインキ受理層を設けることで、より完全に防止できる。即ち、所定の印刷を終えた後の印刷物は、印刷面を上にして積み重ねられた状態で保管されるのが常であるが、この保管時に、印刷物の裏面には、その下に重ねられている印刷物の印刷面から、若干量のインキ溶剤が染込む。この印刷物が、上記延伸タイプの合成紙に印刷されたものである場合には、これが要因となってボコツキを発生させることもあるからである。
【0027】
なお、延伸フィルムの裏面には、その表面側と同様にインキバリア層とインキ受理層との両層を設けてもよいが、インキバリア層とインキ受理層のいずれかを設けるだけでもよい。印刷物を積み重ねて保管した際に、裏面から染込むインキ溶剤の量は、印刷されることによって、その表面から染込むインキ溶剤の量に較べてかなり少ないので、これらのうちいずれかの層を設けただけでも、本願発明の積層フィルムにおいて、裏面から起こる延伸フィルムへのインキ溶剤染込みは防止することができるからである。
【0028】
【実施例】
以下に、本願発明を実施例に基づいて説明する。
【0029】
[実施例1]
炭酸カルシウム35重量%を添加混合した溶融ホモポリプロピレン(MFR25g/10分、密度0.91g/cm3)を、インキバリア層となる炭酸カルシウム無添加の溶融ホモポリプロピレン(同上)と共に、厚さ80μmの2軸延伸ポリプロピレン製白色シートの両面に、炭酸カルシウム無添加のホモポリプロピレン層が白色シート側に位置するように、Tダイを用いて押出温度290℃にて共押出ラミネーションを行って積層フィルムを得、次いで、この積層フィルム表裏の両最外層(炭酸カルシウム含有ホモポリプロピレン層)にコロナ処理を行った。なお、このとき炭酸カルシウム含有ホモポリプロピレン層及び炭酸カルシウム不含ホモポリプロピレン層の厚さは、それぞれ8μmであった。
【0030】
一方、粒径1μm以下のクレー80重量部、及び、平均粒径4μmのシリカ20重量部を固形分濃度40重量%となるよう分散した水溶液に、スチレン変性アクリル酸エステル共重合樹脂の水系ディスパージョン(濃度48重量%、平均粒径0.4μm)110重量部を混合して塗工液を調製し、この塗工液2g/m2を、上記積層フィルム表裏の両最外層(炭酸カルシウム含有ホモポリプロピレン層)に塗工してインキ受理層とし、汎用インキにて印刷可能な積層フィルムを得た。
【0031】
この積層フィルム片面のインキ受理層に、一般コート紙用インキを用い、オフセット4色印刷機にて印刷したところ、美麗な印刷物を得ることができた。また、室温に放置したこの印刷物について、印刷の翌日から1週間後まで毎日、目視にてフィルムの変形を観察したが、ボコツキは発生していなかった。結果を表1に示す。
【0032】
[実施例2]
インキ受理層として、スチレン−ブタジエン共重合体の水系ディスパージョン(濃度45%、平均粒径0.4μm)のみからなるものを用いた他は、実施例1と同様にして、汎用インキにて印刷可能な積層フィルムを得、評価した。
【0033】
表1より明らかなように、この積層フィルムも美麗な印刷物を与え、また、ボコツキも発生させなかった。
【0034】
[実施例3]
2軸延伸ポリプロピレン製白色シートの片面にのみ、、炭酸カルシウム含有溶融ホモポリプロピレンと炭酸カルシウム不含溶融ホモポリプロピレンとの共押出しラミネーション、及び、インキ受理層の塗工を行った他は、実施例1と同様にして、汎用インキにて印刷可能な積層フィルムを得、評価した。
【0035】
表1より明らかなように、この積層フィルムも美麗な印刷物を与え、また、ボコツキも殆ど発生させなかった。
【0036】
[実施例4]
インキ受理層を、積層フィルムの片面にのみ設けた他は、実施例1と同様にして、汎用インキにて印刷可能な積層フィルムを得、評価した。
【0037】
表1より明らかなように、この積層フィルムも美麗な印刷物を与え、また、ボコツキも発生させなかった。
【0038】
[実施例5]
2軸延伸ポリプロピレン製白色シートとして厚さ100μmのものを用い、また、炭酸カルシウム含有溶融ホモポリプロピレンと炭酸カルシウム不含溶融ホモポリプロピレンとの共押出しラミネーションを上記白色シートの片面にのみ行った他は、実施例1と同様にして、汎用インキにて印刷可能な積層フィルムを得、評価した。
【0039】
表1より明らかなように、この積層フィルムも美麗な印刷物を与え、また、ボコツキも発生させなかった。
【0040】
[比較例1]
厚さ130μmの2軸延伸ポリプロピレン製白色シートの片面に直接オフセット印刷を行ったものについて、実施例1と同様に評価したが、出来上がりの印刷物は印面が汚く、ボコツキも発生した。結果を表2に示す。
【0041】
[比較例2]
厚さ130μmの2軸延伸ポリプロピレン製白色シート両面に直接インキ受理層を設けた他は、実施例1と同様にして積層フィルムを得、評価した。しかし、出来上がりの印刷物は、印面こそ良好であったものの、ボコツキが発生した。結果を表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】
本願発明の積層フィルムは、種々の印刷方式によっても汎用インキにて印刷することができ、美麗な印面を与える。しかも、本願発明の積層フィルムは、オフセット印刷を行った場合に特に起こり易い、ボコツキの発生をも防止する。
【0045】
また、本願発明の積層フィルムは、基材が延伸フィルムであるので、通常の印刷用紙と較べ、遥かに優れた耐水性を占めす。
【0046】
従って、本願発明の積層フィルムは、ポスター、ラベル、耐水伝票等、出来上がりの印刷物の美麗性と耐水性が共に要求される分野の印刷用フィルムとして、特に有用である。
【発明の属する技術分野】
本願発明は汎用インキにて印刷ができ、かつ、美麗な印刷物を与える積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、合成紙として、熱可塑性樹脂に無機充填剤や発泡剤を練り込んで延伸したタイプのものが知られ、ポスター、ラベル、配送伝票等、耐水性が要求される各種分野で用いられている。
【0003】
このような合成紙の印刷に際しては、通常、合成紙専用インキが用いられる。紙の印刷に汎用されているインキは合成紙に殆ど染込まない。そのため、汎用インキを用いて合成紙に印刷を行うと、印刷されたインキは合成紙表面に滞留して乾燥し、印刷後の合成紙を擦ったりした場合に、乾燥したインキが合成紙表面から剥がれ落ちたり、合成紙表面で砕けたりして印刷面を汚してしまう。一方、合成紙専用インキは、不飽和結合を多く含む植物油を主体とした溶剤を用いており、印刷されたインキが合成紙の表面に滞留しても、滞留したインキが酸化重合して強固なインキ層を形成する。従って、合成紙専用インキを用いれば、汎用インキを用いた場合に発生する印刷トラブルを防止することができるからである。
【0004】
しかし、合成紙専用インキは、その乾燥(印刷された合成紙表面へのインキの固定)を、専ら酸化重合にのみ頼っているため、乾燥速度が非常に遅いという欠点がある。そこで、合成紙表面に適宜受理層を設ける等により、汎用インキを用いても印刷可能な合成紙の開発が進められている。
【0005】
【特許文献1】
特公昭53−6676号公報(第1頁、特許請求の範囲)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
合成紙の印刷面に適当なインキ受理層を設ければ、汎用インキを用いても美麗な印刷物を得ることができるはずである。インキはこの受理層に染込むので、表面に滞留して乾燥することはない。ところが、こうしてインキ受理性を改善しても、得られた合成紙はなお、汎用インキでの印刷に適さないものであった。汎用インキを用いてこの合成紙に印刷を行うと、合成紙が不規則に波打つといった現象、いわゆるボコツキを生じる場合があったからである。ボコツキが生じると印刷物の美観が損なわれるだけでなく、印刷物のその後の加工適性をも損ねるおそれがある。
【0007】
本願発明は、かかる問題点を踏まえ、汎用インキを用いて印刷を行ってもボコツキが発生せず、美麗な印刷物を与える積層フィルムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは鋭意研究の結果、合成紙を製造する際に行われる延伸とインキ溶剤とがボコツキ発生の原因であることを見出し、合成紙表面に、インキバリア層として、押出しラミネーションにより積層した熱可塑性樹脂層を設けることにより、上記課題を解決して本願発明を完成した。
【0009】
即ち、本願発明は、延伸フィルムの表面側に、インキバリア層として、押出しラミネーションにより積層した少なくとも1層の熱可塑性樹脂層を設け、更にそのインキバリア層の外側に、印刷面となるインキ受理層を設けたことを特徴とする、積層フィルムに関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本願発明を詳細に説明する。
【0011】
本願発明において延伸フィルムとは、フィルム成形後、オンラインまたはオフラインで引張り力が加えられ、延伸されたフィルムのことをいう。このような延伸フィルムであれば、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、塩化ビニル又はこれらの混合物等に無機充填剤や発泡剤を練り込み、これを延伸して製造される合成紙はもちろん、これらの熱可塑性樹脂又は混合物を、無機充填剤や発泡剤を入れずに、ただ延伸しただけのフィルムであってもよい。かかる延伸フィルムはいずれも、インキ溶剤の浸透によりボコツキを発生させるため、本願発明によってボコツキ発生を防止する必要があるからである。
【0012】
インキバリア層として設ける熱可塑性樹脂層を構成する樹脂は、原則として、これを積層することとなる延伸フィルム又はその外側に設けられた他の層との接着性が良く、押出しラミネーションが可能な樹脂であれば、どのようなものでも使用することができる。このような樹脂は、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレンといったオレフィン系樹脂を始め、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等から選択することができる。中でも、ホモポリプロピレンは結晶化度が高いことから、インキ溶剤のバリア性が高く、インキバリア層として設ける熱可塑性樹脂層の構成樹脂として好ましい。ちなみに、ホモポリプロピレンを延伸フィルムに直接積層する場合には、延伸フィルムとしてポリプロピレンフィルムを使用したとき、良好な接着性を示す。なお、本願発明において、インキバリア層は2層以上設けても構わない。
【0013】
インキバリア層の好ましい厚さは5μm以上、特に好ましくは10〜20μmである。層厚がこの程度であれば、インキバリア層は十分にその機能を発揮することができる。もっとも、この厚さは、インキバリア層を構成する樹脂の特性に応じて、調節することができる。また、インキバリア層を2層以上設ける場合には、インキバリア層全体としてその機能を発揮できれば、インキバリア層1層の厚さはもっと薄くても構わない。
【0014】
上記インキバリア層として設ける熱可塑性樹脂層は、延伸フィルムの表面側に押出しラミネーションにより積層する。ここで、押出しラミネーションとは、Tダイ押出機から溶融樹脂を基材上に押出して積層する方式全般を言い、共押出しラミネーションやサンドイッチラミネーション等もこの範疇に含まれる。
【0015】
更に、インキバリア層の外側には、印刷面となるインキ受理層を設ける。インキ受理層は、汎用インキの受理性(染込み)が良いものであれば、どのような組成のものでも構わない。典型的には、合成樹脂バインダーと無機填料とを配合した分散液を、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、ダイコーター、バーコーター等を用いて、インキバリア層又はその外側に設けられた他の層の表面に0.5〜10g/m2、好ましくは1〜5g/m2となるよう塗工することにより、一般コート紙用インキを用いて印刷可能なインキ受理層を設けることができる。塗工量が0.5g/m2よりも少ない場合には、十分なインキ受理性を付与することが難しく、塗工量が10g/m2よりも多い場合には、塗工層がシート表面から脱落するおそれがある。
【0016】
この場合において、バインダー樹脂は、印刷インキとの接着性、そのインキ受理層が設けられることとなる層との接着性、無機填料に対する保持力、耐水性等を考慮して選択する。例えば、かかるバインダーとして、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、各種アクリル酸、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩化ビニル等をモノマー成分とする単独重合体、共重合体及び/又はこれらの変性物を、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂等と混合して、あるいは混合せずに用いることができる。
【0017】
一方、バインダー樹脂と共にインキ受理層を構成する無機填料は、インキ吸収性を付与するために配合される。また、インキ受理層の色調は、これに施される印刷の美麗性に影響を与える。従って、ここで使用する無機填料としては、空隙率が高く、インキ吸収性が良好な白色填料、例えば、炭酸カルシウム、シリカ等が適している。但し、無機填料の主な役割はインキ吸収性の付与であるから、上記バインダー樹脂として、樹脂自体のインキ吸収性が高いものを使用した場合は、インキ受理層には無機填料を全く配合しなくとも構わない。
【0018】
こうして設けられたインキ受理層表面には、汎用インキを用い、オフセット印刷、グラビア印刷、活版印刷等、種々の方式で印刷を行うことができる。
【0019】
また、ボコツキの発生をより完全に防止するため、延伸フィルムの裏面側にもインキバリア層及び/又はインキ受理層を設けることができる。インキバリア層もインキ受理層も、延伸フィルム表面側に設けられるこれらの層と同様にして設ければよい。もっとも、その組成、厚さもしくは塗工量、積層方法もしくは塗工方法等は、必ずしも表面側の対応する層と同じでなくとも構わない。なお、延伸フィルムの裏面側に、インキバリア層とインキ受理層との両層を設ける場合には、インキ受理層を延伸フィルムの裏面側最外層とすることが必要である。
【0020】
本願発明の積層フィルムにおいては、その目的を害さない限り、延伸フィルム、インキバリア層、インキ受理層に加え、他の層を積層することもできる。例えば、不透明性を持たせる目的で、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機填料を配合した層を、インキバリア層とインキ受理層の間に積層してもよい。この場合は、インキバリア層と無機填料含有層とを共押出しラミネーションにより積層することで、無機填料含有層のラミネーション時に発生する膜切れ等のトラブルを回避できる。
【0021】
さらに、上記延伸フィルム、インキバリア層、インキ受理層及び他の層には、一般的に使用される種々の添加剤を添加したり、塗工剤を塗工したりすることができる。例えば、これらの添加剤や塗工剤として、インキ受理層にはレベリング剤、ブロッキング防止剤、滑剤等を、延伸フィルム、インキバリア層及び他の層には帯電防止剤等を使用することができる。但し、これらはやはり、本願発明の目的を害するものであってはならない。
【0022】
なお、上記各層を積層する際、コロナ処理、オゾン処理又はフレーム処理を行えば、その層間接着力を向上させることができる。例えば、延伸フィルムとインキバリア層とを積層する場合には、インキバリア層の構成樹脂がTダイ押出機から溶融して押出される際に、溶融樹脂の延伸フィルム対向面をオゾン処理することにより、インキバリア層と延伸フィルムとの接着力を向上させることができる。また、この場合において接着力の向上は、延伸フィルムのインキバリア層対向面を、ラミネート直前にコロナ処理することによっても達成できる。さらに、インキバリア層とインキ受理層とを積層する場合には、インキ受理層が塗工されるインキバリア層の面を、塗工直前にコロナ処理することにより、両層の接着力を向上させることができる。
【0023】
【作用】
延伸フィルムは、フィルムの成形後、加熱、引張り力による一軸又は二軸方向への延伸、その状態での冷却、という工程を経て製造される。このため、延伸フィルムでは、その内部に、延伸処理が行われた際にフィルムに生じた歪みがそのまま固定される。これは、延伸して製造されるタイプの合成紙も同様である。
【0024】
かかる合成紙に汎用インキを用いて印刷を行うと、たとえ、その印刷面にインキ受理層が設けられてあったとしても、印刷に用いたインキ溶剤のうち、インキ受理層で吸収しきれなかった分はインキ受理層を通って合成紙本体に染込み、延伸時に生じた合成紙内部の歪みを部分的に開放する。そのため、印刷後の合成紙が不規則に波打って、ボコツキが発生すると考えられる。
【0025】
そこで本願発明では、このような延伸フィルムの表面側、即ち、印刷が施される方の側に、押出しラミネーションによりインキバリア層を積層し、更にその外側に印刷面となるインキ受理層を積層する。インキ受理層表面への印刷により、インキ溶剤はインキ受理層に染込み、更に、インキ受理層で吸収しきれなかったインキ溶剤はインキバリア層にも染込むが、延伸フィルムに染込むことはない。また、インキバリア層は押出しラミネーションにより設けられているため、その内部に歪みが生じておらず、この層にインキ溶剤が染込んでもボコツキを起こすことはない。
【0026】
また、ボコツキの発生は、延伸フィルムの表面側にインキバリア層とインキ受理層を設けるだけではなく、その裏面側にもインキバリア層及び/又はインキ受理層を設けることで、より完全に防止できる。即ち、所定の印刷を終えた後の印刷物は、印刷面を上にして積み重ねられた状態で保管されるのが常であるが、この保管時に、印刷物の裏面には、その下に重ねられている印刷物の印刷面から、若干量のインキ溶剤が染込む。この印刷物が、上記延伸タイプの合成紙に印刷されたものである場合には、これが要因となってボコツキを発生させることもあるからである。
【0027】
なお、延伸フィルムの裏面には、その表面側と同様にインキバリア層とインキ受理層との両層を設けてもよいが、インキバリア層とインキ受理層のいずれかを設けるだけでもよい。印刷物を積み重ねて保管した際に、裏面から染込むインキ溶剤の量は、印刷されることによって、その表面から染込むインキ溶剤の量に較べてかなり少ないので、これらのうちいずれかの層を設けただけでも、本願発明の積層フィルムにおいて、裏面から起こる延伸フィルムへのインキ溶剤染込みは防止することができるからである。
【0028】
【実施例】
以下に、本願発明を実施例に基づいて説明する。
【0029】
[実施例1]
炭酸カルシウム35重量%を添加混合した溶融ホモポリプロピレン(MFR25g/10分、密度0.91g/cm3)を、インキバリア層となる炭酸カルシウム無添加の溶融ホモポリプロピレン(同上)と共に、厚さ80μmの2軸延伸ポリプロピレン製白色シートの両面に、炭酸カルシウム無添加のホモポリプロピレン層が白色シート側に位置するように、Tダイを用いて押出温度290℃にて共押出ラミネーションを行って積層フィルムを得、次いで、この積層フィルム表裏の両最外層(炭酸カルシウム含有ホモポリプロピレン層)にコロナ処理を行った。なお、このとき炭酸カルシウム含有ホモポリプロピレン層及び炭酸カルシウム不含ホモポリプロピレン層の厚さは、それぞれ8μmであった。
【0030】
一方、粒径1μm以下のクレー80重量部、及び、平均粒径4μmのシリカ20重量部を固形分濃度40重量%となるよう分散した水溶液に、スチレン変性アクリル酸エステル共重合樹脂の水系ディスパージョン(濃度48重量%、平均粒径0.4μm)110重量部を混合して塗工液を調製し、この塗工液2g/m2を、上記積層フィルム表裏の両最外層(炭酸カルシウム含有ホモポリプロピレン層)に塗工してインキ受理層とし、汎用インキにて印刷可能な積層フィルムを得た。
【0031】
この積層フィルム片面のインキ受理層に、一般コート紙用インキを用い、オフセット4色印刷機にて印刷したところ、美麗な印刷物を得ることができた。また、室温に放置したこの印刷物について、印刷の翌日から1週間後まで毎日、目視にてフィルムの変形を観察したが、ボコツキは発生していなかった。結果を表1に示す。
【0032】
[実施例2]
インキ受理層として、スチレン−ブタジエン共重合体の水系ディスパージョン(濃度45%、平均粒径0.4μm)のみからなるものを用いた他は、実施例1と同様にして、汎用インキにて印刷可能な積層フィルムを得、評価した。
【0033】
表1より明らかなように、この積層フィルムも美麗な印刷物を与え、また、ボコツキも発生させなかった。
【0034】
[実施例3]
2軸延伸ポリプロピレン製白色シートの片面にのみ、、炭酸カルシウム含有溶融ホモポリプロピレンと炭酸カルシウム不含溶融ホモポリプロピレンとの共押出しラミネーション、及び、インキ受理層の塗工を行った他は、実施例1と同様にして、汎用インキにて印刷可能な積層フィルムを得、評価した。
【0035】
表1より明らかなように、この積層フィルムも美麗な印刷物を与え、また、ボコツキも殆ど発生させなかった。
【0036】
[実施例4]
インキ受理層を、積層フィルムの片面にのみ設けた他は、実施例1と同様にして、汎用インキにて印刷可能な積層フィルムを得、評価した。
【0037】
表1より明らかなように、この積層フィルムも美麗な印刷物を与え、また、ボコツキも発生させなかった。
【0038】
[実施例5]
2軸延伸ポリプロピレン製白色シートとして厚さ100μmのものを用い、また、炭酸カルシウム含有溶融ホモポリプロピレンと炭酸カルシウム不含溶融ホモポリプロピレンとの共押出しラミネーションを上記白色シートの片面にのみ行った他は、実施例1と同様にして、汎用インキにて印刷可能な積層フィルムを得、評価した。
【0039】
表1より明らかなように、この積層フィルムも美麗な印刷物を与え、また、ボコツキも発生させなかった。
【0040】
[比較例1]
厚さ130μmの2軸延伸ポリプロピレン製白色シートの片面に直接オフセット印刷を行ったものについて、実施例1と同様に評価したが、出来上がりの印刷物は印面が汚く、ボコツキも発生した。結果を表2に示す。
【0041】
[比較例2]
厚さ130μmの2軸延伸ポリプロピレン製白色シート両面に直接インキ受理層を設けた他は、実施例1と同様にして積層フィルムを得、評価した。しかし、出来上がりの印刷物は、印面こそ良好であったものの、ボコツキが発生した。結果を表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】
本願発明の積層フィルムは、種々の印刷方式によっても汎用インキにて印刷することができ、美麗な印面を与える。しかも、本願発明の積層フィルムは、オフセット印刷を行った場合に特に起こり易い、ボコツキの発生をも防止する。
【0045】
また、本願発明の積層フィルムは、基材が延伸フィルムであるので、通常の印刷用紙と較べ、遥かに優れた耐水性を占めす。
【0046】
従って、本願発明の積層フィルムは、ポスター、ラベル、耐水伝票等、出来上がりの印刷物の美麗性と耐水性が共に要求される分野の印刷用フィルムとして、特に有用である。
Claims (4)
- 延伸フィルムの表面側に、インキバリア層として、押出しラミネーションにより積層した少なくとも1層の熱可塑性樹脂層を設け、更にそのインキバリア層の外側に、印刷面となるインキ受理層を設けたことを特徴とする、積層フィルム。
- 請求項1記載の延伸フィルムの裏面側に、インキバリア層として、押出しラミネーションにより積層した少なくとも1層の熱可塑性樹脂層を設けてなる、積層フィルム。
- 請求項1記載の延伸フィルムの裏面側にインキ受理層を設けてなる、積層フィルム。
- 請求項1記載の延伸フィルムの裏面側に、インキバリア層として、押出しラミネーションにより積層した少なくとも1層の熱可塑性樹脂層を設け、更にそのインキバリア層の外側に、インキ受理層を設けてなる、積層フィルム。
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