JP2004114227A - 微小テーパ創製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤ放電研削法によって微小角度のテーパを創製するにあたり、駆動機構の最小移動単位長さに従って階段状のテーパになることが無く、また最小移動単位以下のテーパであっても滑らかに創製する方法を提供する。
【解決手段】ワイヤ電極と前記被加工物間に所定の電位差を与えて前記被加工物を放電加工するワイヤ放電研削装置において、前記送り手段によって前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させるとともに、前記ワイヤ走行手段によってワイヤ走行速度、あるいは放電エネルギー、あるいはワイヤ張力を徐々に変化させることによって被加工物に微小角度のテーパ形状を創製する。
【選択図】図1
【解決手段】ワイヤ電極と前記被加工物間に所定の電位差を与えて前記被加工物を放電加工するワイヤ放電研削装置において、前記送り手段によって前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させるとともに、前記ワイヤ走行手段によってワイヤ走行速度、あるいは放電エネルギー、あるいはワイヤ張力を徐々に変化させることによって被加工物に微小角度のテーパ形状を創製する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はワイヤ放電研削法による微小テーパ形状の創製に係り、特に微小径ドリルのバックテーパの創製などに好適な創製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気・電子分野や通信分野やバイオ化学分野などで用いられる機器やその部品に対し微細加工のニーズが高くなっている。加工の微細化に伴いドリルやエンドミルや放電加工用電極などの工具も微細化され、その形状創製が困難に成るとともに、これら微細工具を工作機械に取付ける際に発生するわずかな傾きや偏芯が加工精度や工具寿命に悪影響を与える状況に成っている。
【0003】
これらの問題を解決するために、ワイヤ放電研削法(WEDG)により微細工具を工作機上で創製する方法が提案されている。(例えば、非特許文献1又は非特許文献2参照)
【0004】
ワイヤ放電研削法(WEDG)を図3に基づいて説明する。所定の張力を付加した導電性のワイヤ電極20をガイド部材21に沿って走行させ、ワイヤ電極20と導電性の被加工物W2間に電位差を与えるとともに、被加工物W2を矢印X方向及びZ方向に送ることで被加工物を任意の形状に放電加工する方法である。被加工物をZ軸回りに回転させながら加工すれば円断面を持つ軸を創製することも可能である。このワイヤ放電研削法は工具(電極)と被加工物が接触しない加工方法なので、変形し易い微細な形状を創製するのに好適である。また、放電によって電極が消耗してもワイヤの走行によって常時新しいワイヤが供給されるので、被加工物の仕上り寸法が安定する。さらに工作機械の工具取付部に取付けた工具素材をワイヤ放電研削法によって工具に創製することにより、工具を取り外すこと無く加工することができるので、従来のように工具取付時に生じる工具の傾きや偏芯が全く発生しない。
【0005】
【非特許文献1】
「WEDGのマイクロドリル・エンドミルへの応用」、精密工学会春季大会学術講演会論文集、1989年度、p1091〜p1092
【非特許文献2】
「放電・切削共用多目的微細加工装置の開発」、第1回電気加工学会全国大会講演論文集、1991、p111〜p114
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、ワイヤ放電研削法によって被加工物にテーパを創製する場合は、図4のように被加工物W2を矢印Z方向に送りながら徐々に矢印X方向に送る方法が一般的である。しかしながら送りは最小送り単位でおこなわれるので、微視的に見るとテーパ面は階段状になっている。特に創製しようとするテーパ角度が小さくなってくると、同じく図4に示すような間隔の広い階段状の面になるため滑らかなテーパ面の創製が困難となり、更には最小送り単位以下のテーパ面を創製できないという課題が有った。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的はテーパ角度が微小であっても階段状になることがなく、滑らかなテーパ面を創製できる微小テーパ創製方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、導電性のワイヤ電極と、少なくともその一部が導電性である被加工物と、前記ワイヤ電極を前記被加工物に対して走行させるワイヤ走行手段と、前記ワイヤ電極の走行をガイドするガイド手段と、前記ワイヤ電極に所定の張力を加える張力付加手段と、前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させる送り手段から成り、前記ワイヤ電極と前記被加工物間に所定の電位差を与えて前記被加工物を放電加工するワイヤ放電研削装置において、前記送り手段によって前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させるとともに、前記ワイヤ走行手段によってワイヤ走行速度を徐々に変化させることにより、被加工物に微小角度のテーパを創製している。
【0009】
これにより、例えばワイヤ走行速度を低速から徐々に高速にすると被加工物を単位体積除去する間に走行するワイヤ長さも徐々に長くなり、放電によるワイヤ消耗の減少によってワイヤ径が太くなる(素線径に近くなる)結果、被加工物は徐々に細くなり微小角度のテーパを得ることができる。
【0010】
請求項2は、導電性のワイヤ電極と、少なくともその一部が導電性である被加工物と、前記ワイヤ電極を前記被加工物に対して走行させるワイヤ走行手段と、前記ワイヤ電極の走行をガイドするガイド手段と、前記ワイヤ電極に所定の張力を加える張力付加手段と、前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させる送り手段から成り、前記ワイヤ電極と前記被加工物間に所定の電位差を与えて前記被加工物を放電加工するワイヤ放電研削装置において、前記送り手段によって前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させるとともに、放電エネルギーを徐々に変化させることにより被加工物に微小角度のテーパを創製している。
【0011】
これにより、例えば放電エネルギーを徐々に大きくするとワイヤ電極からより離れた位置まで被加工物が除去される(放電ギャップが大きくなる)ので、被加工物は徐々に細くなり微小角度のテーパを得ることができる。
【0012】
請求項3は、導電性のワイヤ電極と、少なくともその一部が導電性である被加工物と、前記ワイヤ電極を前記被加工物に対して走行させるワイヤ走行手段と、前記ワイヤ電極の走行をガイドするガイド手段と、前記ワイヤ電極に所定の張力を加える張力付加手段と、前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させる送り手段から成り、前記ワイヤ電極と前記被加工物間に所定の電位差を与えて前記被加工物を放電加工するワイヤ放電研削装置において、前記送り手段によって前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させるとともに、前記張力付加手段によってワイヤ張力を徐々に変化させることにより被加工物に微小角度のテーパを創製している。
【0013】
これにより、例えばワイヤ張力を徐々に小さくすると弾性変形によって細くなっていたワイヤ径が徐々に太くなる(素線径に近くなる)結果、被加工物は徐々に細くなり微小角度のテーパを得ることができる。
【0014】
請求項4は、前記微小テーパ創製方法において、前記被加工物を回転させる回転手段を備え、被加工物を回転させながら放電加工することにより、被加工物に微小角度のテーパ軸を創製している。
【0015】
これにより、被加工物を回転させているので微小角度の円錐テーパ軸を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を実施例によって詳細に説明する。
【0017】
【実施例】
図5に本発明を実施するためのワイヤ放電研削装置を搭載した加工機を示す。基台1上にコラム2およびトップビーム3が固定されており、トップビーム上にX軸駆動機構4が設置されており、このX軸駆動機構4によってXテーブル5が矢印X+およびX−方向に駆動される。Xテーブル5上にはZ軸駆動機構6が設置されおり、このZ軸駆動機構6によってZテーブル7が矢印Z+およびZ−方向に駆動される。Zテーブル7上にはスピンドル8が設置されており、このスピンドル8によって工具素材9あるいは微細工具9’をZ軸回りに回転させることができる。Y軸駆動機構10は基台1上に設置されており、このY軸駆動機構10によってYテーブル11が矢印Y+あるいはY−方向に駆動される。Yテーブル11上には微細工具9’によって加工されるワークW1が固定されている。
【0018】
予めスピンドル8に取付けられた工具素材9はX軸駆動機構4およびZ軸駆動機構6によって送られ、基台1上に設置されたワイヤ放電研削装置12によって微細工具9’に創製される。創製された微細工具9’はスピンドル8から取り外されることなく、X・Y・Zの3軸駆動とスピンドル8の回転によってYテーブル上のワークW1を微細加工する。創製される微細工具9’の形状は微細加工の種類に応じて変わり、微細ドリルや微細エンドミルや微細砥石や微細放電電極などがある。
【0019】
ワイヤ放電研削装置12を図6に基づき詳述する。ワイヤ電極20はワイヤ供給モータM1で回転するワイヤ供給ボビン22によって送り出され、ワイヤ巻取りモータM2で回転するワイヤ巻取りボビン23によって巻取られるとともに、ガイド部材21に沿って走行する。また、ワイヤ電極20は両モータのトルク差によって所定の張力を付与される。予めスピンドル8に取付けられた工具素材9は、走行中のワイヤに近づくようにX軸駆動機構4およびZ軸駆動機構6によって送られる。工具素材9とワイヤ電極20間には、抵抗24とコンデンサ25からなるCR回路と電圧を可変できる直流安定化電源26によって電位差が与えられており、両者の間隔が狭まると放電が生じて工具素材9が任意の形状に放電加工される。放電1回あたりのエネルギーは直流安定化電源26の電圧とコンデンサ25の容量によって任意に設定可能であり、必要であればコンデンサ25の容量を自動で変更できる回路を組み込んでも良い。なお、放電が生じるワイヤ電極20と工具素材9間には加工液をかけ流すか、あるいは両者を加工液に浸漬した状態で加工することが望ましく、加工液には灯油系液体やイオン交換した純水が望ましい。
【0020】
次に図8に示す微細平切りドリルをワイヤ放電研削装置12によって創製する手順を図7に基づき詳述する。図8に示す微細平切りドリルは外径35μm、刃全長500μm、約16度の逃げ角を持つ超硬合金製のドリルである。このドリルを創製する手順として、まず、スピンドル8に予め取付けた円筒状の工具素材9を回転させながらZ軸駆動機構6によって図示矢印Z方向に送り、ワイヤ電極20と工具素材9間の放電によって工具素材の外径を35μmにする外径加工をおこなう。工具素材の取り代が多い場合は上記外径加工を数回繰返して所定外径の35μmに仕上げる。その際に、前半は粗加工として放電エネルギーを高くして短時間で加工を進行させて、後半は仕上げ加工として放電エネルギーを低くして仕上げ面の面粗度を向上させ、かつ放電による加工変質層を低減すると好適である。なお、ワイヤ電極20には例えば線径0.1mmの円断面を持つ真鍮製ワイヤを用いる。
【0021】
外径加工が完了したらスピンドル8の回転を停止し、工具素材9を矢印Z方向と反対側に一旦引上げ、X軸駆動機構4によって矢印X方向に所定量(約10μm)送る。その後工具素材9をZ軸駆動機構6によって矢印Z方向に送りながらX軸駆動機構4によって矢印X方向に徐々に送ることによりすくい面加工▲1▼をおこなう。すくい面加工▲1▼を完了後、工具素材9を180度回転させて同様にすくい面加工▲2▼をおこなう。なお、すくい面加工▲1▼・▲2▼を1回づつで完了させても良いが、取り代を数回に分けてすくい面加工▲1▼・▲2▼を繰返しおこなうとより好適である。理由は、加工によって工具素材9の内部応力のバランスが崩れてわずかながら反りが発生するが、すくい面加工▲1▼・▲2▼を交互に少しずつおこなうことにより反りの影響を低減することができる。また、外径加工と同様に前半を粗加工、後半を仕上げ加工とするとさらに好適である。
【0022】
次に工具素材9を矢印Z方向と反対方向に一旦引上げ、90±α度回転させた後、X軸駆動機構4およびZ軸駆動機構6によって図示矢印XZ方向に送ることで逃げ面加工▲1▼をおこなう。ここで工具素材9の回転角度を90度からずらす(±α度)ことで、逃げ面に逃げ角を与えることができる。実験ではα=15度にすることで逃げ角θ≒15度を得ることができた。逃げ面加工▲1▼を完了後、工具素材9を180度回転させて同様に逃げ面加工▲2▼をおこない微細平切りドリルが創製される。
【0023】
さて、ドリル外径にはバックテーパを付与することが望ましい。バックテーパとは図8に示すようにドリル先端部の外径を所望の穴径に合わせた外径(φ35μm)とし、根元部に向かって外径を徐々に細くした形状(φ35μm−β)である。これにより穴加工時のドリル外周と被加工物の接触面積を少なくすることができるので、摩擦による発熱やドリルに加わる応力を低減できる。「穴加工皆伝」1994年切削油技術研究会p16によると超硬ソリッドドリルではバックテーパを長さ100あたり0.02〜0.07程度付与するのが一般的である。これを図8に示すドリルに適用すると、ドリル根元部での外径は34.9〜34.65μmとなり先端部外径との差はわずか0.1〜0.35μmとなる。
【0024】
ワイヤ放電研削法によって被加工物にテーパを創製する場合は、図4のように被加工物W2を矢印Z方向に送りながら徐々に矢印X方向に送る方法が一般的である。しかしながら工作機械などの最小送り単位は1μmが一般的であり、前述のような微小角度のテーパを創製することは不可能である。また、バックテーパの角度を大きくする方法も考えられるが、バックテーパ角度が大きくなるにつれてドリル根元部の外径が細くなるため、図8のような先端外径が35μmという極めて小径のドリルでは根元部が強度不足となり穴あけ加工に耐えられなくなる。
【0025】
そこでドリル創製の外径加工において、図1に示すようにワイヤ電極20の走行速度を低速にして加工を開始すると、加工序盤では、工具素材9を単位体積除去する間に走行するワイヤ電極20の長さが短いので放電によるワイヤ電極20の消耗が大きくなる。その結果、ワイヤ電極20の外径が細くなり工具素材9の外径は太めに仕上がる。その後徐々にワイヤ電極20の走行速度を高速にすると放電によるワイヤ電極20の消耗は徐々に小さくなり、加工終盤では、ワイヤ電極20の外径が太くなる結果、工具素材9の外径は徐々に細くなり微小角度のテーパを得ることができる。実験では加工序盤のワイヤ電極走行速度を1mm/分、加工終盤を10mm/分程度にすることでドリル先端部と根元部の外径差が0.5μm程度の滑らかな微小テーパを創製することができた。このときの抵抗24は1kΩ、コンデンサ25の容量は10pF、直流安定化電源26の電圧は70Vである。なお、ワイヤ走行速度の変化は加工時間あるいはZ方向の送り量に比例して変化させても良いが、より直線的なテーパを得るためには図9に示すような変化にすると好適である。この理由は、図9において、放電によるワイヤ電極の消耗量(ハッチングが入った円からの欠落部分)が多い状態から、一定量のワイヤ電極が消耗し、減少したときのL1寸法と、ワイヤ電極の消耗量が少ない状態から、一定量のワイヤ電極が消耗し、減少したときのL2寸法を比較したときにL1<L2となるためである。即ち、単純に比例して変化させてもワイヤ消耗量に対応して変化する所望の加工量が得られないということである。
【0026】
また、ワイヤ巻き取りモータとワイヤ供給モータによってワイヤ電極20に加える張力を大きくして加工を開始し、徐々にその張力を小さくするとワイヤ電極20の弾性変形によって細くなっていたワイヤ径が徐々に太くなる(素線径に近くなる)ので、同様に微小角度のテーパを得ることができる。
【0027】
あるいは図2に示すように、小さい放電エネルギーで加工を開始すると、加工序盤では、加工によって発生する放電ギャップ(ワイヤ電極20と工具素材9のクリアランス)が小さくなり、工具素材9の外径は太めに仕上がる。その後徐々に放電エネルギーを大きくすると放電ギャップが大きくなるので、加工終盤では、工具素材9は徐々に細くなり微小角度のテーパを得ることができる。実験では加工初期の直流安定化電源26の電圧を70V、コンデンサ25の容量を10pF、抵抗24を1kΩとし、加工終盤の直流安定化電源26の電圧を110V、コンデンサ25の容量を10pF、抵抗24を1kΩとすることでドリル先端部と根元部の外径差が0.5μm程度の滑らかな微小テーパを創製することができた。放電1回あたりのエネルギーを計算で算出すると、加工序盤で24.5nJ、加工終盤で60.5nJとなる。実施例では直流安定化電源26の電圧で放電エネルギーを変化させているが、コンデンサ25の容量で変化させてもよい。なお、ワイヤ走行速度は10mm/分で一定である。
【0028】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
ワイヤ放電研削法においてワイヤ走行速度、あるいは放電エネルギー、あるいはワイヤ張力を徐々に変化させることによって被加工物に微小角度のテーパ形状を創製するので、2軸の駆動機構を用いて微小角度のテーパを創製する場合と比べ、駆動機構の最小移動単位長さに従って階段状のテーパになることが無く、また最小移動単位以下のテーパであっても滑らかに創製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す概念図である。
【図2】本発明の別の実施例を示す概念図である。
【図3】ワイヤ放電研削法による加工の概要を示す天面図および正面図である。
【図4】ワイヤ放電研削法で被加工物にテーパを創製する従来技術の概念図である。
【図5】本発明を実施するためのワイヤ放電研削装置を搭載した加工機の正面図および側面図である。
【図6】図5に示す加工機に搭載されたワイヤ放電研削装置の天面図および正面図である。
【図7】図5に示す加工機に搭載されたワイヤ放電研削装置で微細平切りドリルを創製する手順を示す概念図である。
【図8】微細平切りドリルの正面図および側面図である。
【図9】より直線的なテーパを得るのに好適なワイヤ走行速度の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1…基台、2…コラム、3…トップビーム、4…X軸駆動機構、
5…Xテーブル、6…Z軸駆動機構、7…Zテーブル、8…スピンドル、
9…工具素材、9’…微細工具、10…Y軸駆動機構、11…Yテーブル
12…ワイヤ放電研削装置、
20…ワイヤ電極、21…ガイド部材、22…ワイヤ供給ボビン、
23…ワイヤ巻取りボビン、24…抵抗、25…コンデンサ
26…直流安定化電源
M1…ワイヤ供給モータ、M2…ワイヤ巻取りモータ
W1…微細工具によって加工されるワーク
W2…ワイヤ放電研削される被加工物
【発明の属する技術分野】
本発明はワイヤ放電研削法による微小テーパ形状の創製に係り、特に微小径ドリルのバックテーパの創製などに好適な創製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気・電子分野や通信分野やバイオ化学分野などで用いられる機器やその部品に対し微細加工のニーズが高くなっている。加工の微細化に伴いドリルやエンドミルや放電加工用電極などの工具も微細化され、その形状創製が困難に成るとともに、これら微細工具を工作機械に取付ける際に発生するわずかな傾きや偏芯が加工精度や工具寿命に悪影響を与える状況に成っている。
【0003】
これらの問題を解決するために、ワイヤ放電研削法(WEDG)により微細工具を工作機上で創製する方法が提案されている。(例えば、非特許文献1又は非特許文献2参照)
【0004】
ワイヤ放電研削法(WEDG)を図3に基づいて説明する。所定の張力を付加した導電性のワイヤ電極20をガイド部材21に沿って走行させ、ワイヤ電極20と導電性の被加工物W2間に電位差を与えるとともに、被加工物W2を矢印X方向及びZ方向に送ることで被加工物を任意の形状に放電加工する方法である。被加工物をZ軸回りに回転させながら加工すれば円断面を持つ軸を創製することも可能である。このワイヤ放電研削法は工具(電極)と被加工物が接触しない加工方法なので、変形し易い微細な形状を創製するのに好適である。また、放電によって電極が消耗してもワイヤの走行によって常時新しいワイヤが供給されるので、被加工物の仕上り寸法が安定する。さらに工作機械の工具取付部に取付けた工具素材をワイヤ放電研削法によって工具に創製することにより、工具を取り外すこと無く加工することができるので、従来のように工具取付時に生じる工具の傾きや偏芯が全く発生しない。
【0005】
【非特許文献1】
「WEDGのマイクロドリル・エンドミルへの応用」、精密工学会春季大会学術講演会論文集、1989年度、p1091〜p1092
【非特許文献2】
「放電・切削共用多目的微細加工装置の開発」、第1回電気加工学会全国大会講演論文集、1991、p111〜p114
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、ワイヤ放電研削法によって被加工物にテーパを創製する場合は、図4のように被加工物W2を矢印Z方向に送りながら徐々に矢印X方向に送る方法が一般的である。しかしながら送りは最小送り単位でおこなわれるので、微視的に見るとテーパ面は階段状になっている。特に創製しようとするテーパ角度が小さくなってくると、同じく図4に示すような間隔の広い階段状の面になるため滑らかなテーパ面の創製が困難となり、更には最小送り単位以下のテーパ面を創製できないという課題が有った。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的はテーパ角度が微小であっても階段状になることがなく、滑らかなテーパ面を創製できる微小テーパ創製方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、導電性のワイヤ電極と、少なくともその一部が導電性である被加工物と、前記ワイヤ電極を前記被加工物に対して走行させるワイヤ走行手段と、前記ワイヤ電極の走行をガイドするガイド手段と、前記ワイヤ電極に所定の張力を加える張力付加手段と、前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させる送り手段から成り、前記ワイヤ電極と前記被加工物間に所定の電位差を与えて前記被加工物を放電加工するワイヤ放電研削装置において、前記送り手段によって前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させるとともに、前記ワイヤ走行手段によってワイヤ走行速度を徐々に変化させることにより、被加工物に微小角度のテーパを創製している。
【0009】
これにより、例えばワイヤ走行速度を低速から徐々に高速にすると被加工物を単位体積除去する間に走行するワイヤ長さも徐々に長くなり、放電によるワイヤ消耗の減少によってワイヤ径が太くなる(素線径に近くなる)結果、被加工物は徐々に細くなり微小角度のテーパを得ることができる。
【0010】
請求項2は、導電性のワイヤ電極と、少なくともその一部が導電性である被加工物と、前記ワイヤ電極を前記被加工物に対して走行させるワイヤ走行手段と、前記ワイヤ電極の走行をガイドするガイド手段と、前記ワイヤ電極に所定の張力を加える張力付加手段と、前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させる送り手段から成り、前記ワイヤ電極と前記被加工物間に所定の電位差を与えて前記被加工物を放電加工するワイヤ放電研削装置において、前記送り手段によって前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させるとともに、放電エネルギーを徐々に変化させることにより被加工物に微小角度のテーパを創製している。
【0011】
これにより、例えば放電エネルギーを徐々に大きくするとワイヤ電極からより離れた位置まで被加工物が除去される(放電ギャップが大きくなる)ので、被加工物は徐々に細くなり微小角度のテーパを得ることができる。
【0012】
請求項3は、導電性のワイヤ電極と、少なくともその一部が導電性である被加工物と、前記ワイヤ電極を前記被加工物に対して走行させるワイヤ走行手段と、前記ワイヤ電極の走行をガイドするガイド手段と、前記ワイヤ電極に所定の張力を加える張力付加手段と、前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させる送り手段から成り、前記ワイヤ電極と前記被加工物間に所定の電位差を与えて前記被加工物を放電加工するワイヤ放電研削装置において、前記送り手段によって前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させるとともに、前記張力付加手段によってワイヤ張力を徐々に変化させることにより被加工物に微小角度のテーパを創製している。
【0013】
これにより、例えばワイヤ張力を徐々に小さくすると弾性変形によって細くなっていたワイヤ径が徐々に太くなる(素線径に近くなる)結果、被加工物は徐々に細くなり微小角度のテーパを得ることができる。
【0014】
請求項4は、前記微小テーパ創製方法において、前記被加工物を回転させる回転手段を備え、被加工物を回転させながら放電加工することにより、被加工物に微小角度のテーパ軸を創製している。
【0015】
これにより、被加工物を回転させているので微小角度の円錐テーパ軸を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を実施例によって詳細に説明する。
【0017】
【実施例】
図5に本発明を実施するためのワイヤ放電研削装置を搭載した加工機を示す。基台1上にコラム2およびトップビーム3が固定されており、トップビーム上にX軸駆動機構4が設置されており、このX軸駆動機構4によってXテーブル5が矢印X+およびX−方向に駆動される。Xテーブル5上にはZ軸駆動機構6が設置されおり、このZ軸駆動機構6によってZテーブル7が矢印Z+およびZ−方向に駆動される。Zテーブル7上にはスピンドル8が設置されており、このスピンドル8によって工具素材9あるいは微細工具9’をZ軸回りに回転させることができる。Y軸駆動機構10は基台1上に設置されており、このY軸駆動機構10によってYテーブル11が矢印Y+あるいはY−方向に駆動される。Yテーブル11上には微細工具9’によって加工されるワークW1が固定されている。
【0018】
予めスピンドル8に取付けられた工具素材9はX軸駆動機構4およびZ軸駆動機構6によって送られ、基台1上に設置されたワイヤ放電研削装置12によって微細工具9’に創製される。創製された微細工具9’はスピンドル8から取り外されることなく、X・Y・Zの3軸駆動とスピンドル8の回転によってYテーブル上のワークW1を微細加工する。創製される微細工具9’の形状は微細加工の種類に応じて変わり、微細ドリルや微細エンドミルや微細砥石や微細放電電極などがある。
【0019】
ワイヤ放電研削装置12を図6に基づき詳述する。ワイヤ電極20はワイヤ供給モータM1で回転するワイヤ供給ボビン22によって送り出され、ワイヤ巻取りモータM2で回転するワイヤ巻取りボビン23によって巻取られるとともに、ガイド部材21に沿って走行する。また、ワイヤ電極20は両モータのトルク差によって所定の張力を付与される。予めスピンドル8に取付けられた工具素材9は、走行中のワイヤに近づくようにX軸駆動機構4およびZ軸駆動機構6によって送られる。工具素材9とワイヤ電極20間には、抵抗24とコンデンサ25からなるCR回路と電圧を可変できる直流安定化電源26によって電位差が与えられており、両者の間隔が狭まると放電が生じて工具素材9が任意の形状に放電加工される。放電1回あたりのエネルギーは直流安定化電源26の電圧とコンデンサ25の容量によって任意に設定可能であり、必要であればコンデンサ25の容量を自動で変更できる回路を組み込んでも良い。なお、放電が生じるワイヤ電極20と工具素材9間には加工液をかけ流すか、あるいは両者を加工液に浸漬した状態で加工することが望ましく、加工液には灯油系液体やイオン交換した純水が望ましい。
【0020】
次に図8に示す微細平切りドリルをワイヤ放電研削装置12によって創製する手順を図7に基づき詳述する。図8に示す微細平切りドリルは外径35μm、刃全長500μm、約16度の逃げ角を持つ超硬合金製のドリルである。このドリルを創製する手順として、まず、スピンドル8に予め取付けた円筒状の工具素材9を回転させながらZ軸駆動機構6によって図示矢印Z方向に送り、ワイヤ電極20と工具素材9間の放電によって工具素材の外径を35μmにする外径加工をおこなう。工具素材の取り代が多い場合は上記外径加工を数回繰返して所定外径の35μmに仕上げる。その際に、前半は粗加工として放電エネルギーを高くして短時間で加工を進行させて、後半は仕上げ加工として放電エネルギーを低くして仕上げ面の面粗度を向上させ、かつ放電による加工変質層を低減すると好適である。なお、ワイヤ電極20には例えば線径0.1mmの円断面を持つ真鍮製ワイヤを用いる。
【0021】
外径加工が完了したらスピンドル8の回転を停止し、工具素材9を矢印Z方向と反対側に一旦引上げ、X軸駆動機構4によって矢印X方向に所定量(約10μm)送る。その後工具素材9をZ軸駆動機構6によって矢印Z方向に送りながらX軸駆動機構4によって矢印X方向に徐々に送ることによりすくい面加工▲1▼をおこなう。すくい面加工▲1▼を完了後、工具素材9を180度回転させて同様にすくい面加工▲2▼をおこなう。なお、すくい面加工▲1▼・▲2▼を1回づつで完了させても良いが、取り代を数回に分けてすくい面加工▲1▼・▲2▼を繰返しおこなうとより好適である。理由は、加工によって工具素材9の内部応力のバランスが崩れてわずかながら反りが発生するが、すくい面加工▲1▼・▲2▼を交互に少しずつおこなうことにより反りの影響を低減することができる。また、外径加工と同様に前半を粗加工、後半を仕上げ加工とするとさらに好適である。
【0022】
次に工具素材9を矢印Z方向と反対方向に一旦引上げ、90±α度回転させた後、X軸駆動機構4およびZ軸駆動機構6によって図示矢印XZ方向に送ることで逃げ面加工▲1▼をおこなう。ここで工具素材9の回転角度を90度からずらす(±α度)ことで、逃げ面に逃げ角を与えることができる。実験ではα=15度にすることで逃げ角θ≒15度を得ることができた。逃げ面加工▲1▼を完了後、工具素材9を180度回転させて同様に逃げ面加工▲2▼をおこない微細平切りドリルが創製される。
【0023】
さて、ドリル外径にはバックテーパを付与することが望ましい。バックテーパとは図8に示すようにドリル先端部の外径を所望の穴径に合わせた外径(φ35μm)とし、根元部に向かって外径を徐々に細くした形状(φ35μm−β)である。これにより穴加工時のドリル外周と被加工物の接触面積を少なくすることができるので、摩擦による発熱やドリルに加わる応力を低減できる。「穴加工皆伝」1994年切削油技術研究会p16によると超硬ソリッドドリルではバックテーパを長さ100あたり0.02〜0.07程度付与するのが一般的である。これを図8に示すドリルに適用すると、ドリル根元部での外径は34.9〜34.65μmとなり先端部外径との差はわずか0.1〜0.35μmとなる。
【0024】
ワイヤ放電研削法によって被加工物にテーパを創製する場合は、図4のように被加工物W2を矢印Z方向に送りながら徐々に矢印X方向に送る方法が一般的である。しかしながら工作機械などの最小送り単位は1μmが一般的であり、前述のような微小角度のテーパを創製することは不可能である。また、バックテーパの角度を大きくする方法も考えられるが、バックテーパ角度が大きくなるにつれてドリル根元部の外径が細くなるため、図8のような先端外径が35μmという極めて小径のドリルでは根元部が強度不足となり穴あけ加工に耐えられなくなる。
【0025】
そこでドリル創製の外径加工において、図1に示すようにワイヤ電極20の走行速度を低速にして加工を開始すると、加工序盤では、工具素材9を単位体積除去する間に走行するワイヤ電極20の長さが短いので放電によるワイヤ電極20の消耗が大きくなる。その結果、ワイヤ電極20の外径が細くなり工具素材9の外径は太めに仕上がる。その後徐々にワイヤ電極20の走行速度を高速にすると放電によるワイヤ電極20の消耗は徐々に小さくなり、加工終盤では、ワイヤ電極20の外径が太くなる結果、工具素材9の外径は徐々に細くなり微小角度のテーパを得ることができる。実験では加工序盤のワイヤ電極走行速度を1mm/分、加工終盤を10mm/分程度にすることでドリル先端部と根元部の外径差が0.5μm程度の滑らかな微小テーパを創製することができた。このときの抵抗24は1kΩ、コンデンサ25の容量は10pF、直流安定化電源26の電圧は70Vである。なお、ワイヤ走行速度の変化は加工時間あるいはZ方向の送り量に比例して変化させても良いが、より直線的なテーパを得るためには図9に示すような変化にすると好適である。この理由は、図9において、放電によるワイヤ電極の消耗量(ハッチングが入った円からの欠落部分)が多い状態から、一定量のワイヤ電極が消耗し、減少したときのL1寸法と、ワイヤ電極の消耗量が少ない状態から、一定量のワイヤ電極が消耗し、減少したときのL2寸法を比較したときにL1<L2となるためである。即ち、単純に比例して変化させてもワイヤ消耗量に対応して変化する所望の加工量が得られないということである。
【0026】
また、ワイヤ巻き取りモータとワイヤ供給モータによってワイヤ電極20に加える張力を大きくして加工を開始し、徐々にその張力を小さくするとワイヤ電極20の弾性変形によって細くなっていたワイヤ径が徐々に太くなる(素線径に近くなる)ので、同様に微小角度のテーパを得ることができる。
【0027】
あるいは図2に示すように、小さい放電エネルギーで加工を開始すると、加工序盤では、加工によって発生する放電ギャップ(ワイヤ電極20と工具素材9のクリアランス)が小さくなり、工具素材9の外径は太めに仕上がる。その後徐々に放電エネルギーを大きくすると放電ギャップが大きくなるので、加工終盤では、工具素材9は徐々に細くなり微小角度のテーパを得ることができる。実験では加工初期の直流安定化電源26の電圧を70V、コンデンサ25の容量を10pF、抵抗24を1kΩとし、加工終盤の直流安定化電源26の電圧を110V、コンデンサ25の容量を10pF、抵抗24を1kΩとすることでドリル先端部と根元部の外径差が0.5μm程度の滑らかな微小テーパを創製することができた。放電1回あたりのエネルギーを計算で算出すると、加工序盤で24.5nJ、加工終盤で60.5nJとなる。実施例では直流安定化電源26の電圧で放電エネルギーを変化させているが、コンデンサ25の容量で変化させてもよい。なお、ワイヤ走行速度は10mm/分で一定である。
【0028】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
ワイヤ放電研削法においてワイヤ走行速度、あるいは放電エネルギー、あるいはワイヤ張力を徐々に変化させることによって被加工物に微小角度のテーパ形状を創製するので、2軸の駆動機構を用いて微小角度のテーパを創製する場合と比べ、駆動機構の最小移動単位長さに従って階段状のテーパになることが無く、また最小移動単位以下のテーパであっても滑らかに創製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す概念図である。
【図2】本発明の別の実施例を示す概念図である。
【図3】ワイヤ放電研削法による加工の概要を示す天面図および正面図である。
【図4】ワイヤ放電研削法で被加工物にテーパを創製する従来技術の概念図である。
【図5】本発明を実施するためのワイヤ放電研削装置を搭載した加工機の正面図および側面図である。
【図6】図5に示す加工機に搭載されたワイヤ放電研削装置の天面図および正面図である。
【図7】図5に示す加工機に搭載されたワイヤ放電研削装置で微細平切りドリルを創製する手順を示す概念図である。
【図8】微細平切りドリルの正面図および側面図である。
【図9】より直線的なテーパを得るのに好適なワイヤ走行速度の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1…基台、2…コラム、3…トップビーム、4…X軸駆動機構、
5…Xテーブル、6…Z軸駆動機構、7…Zテーブル、8…スピンドル、
9…工具素材、9’…微細工具、10…Y軸駆動機構、11…Yテーブル
12…ワイヤ放電研削装置、
20…ワイヤ電極、21…ガイド部材、22…ワイヤ供給ボビン、
23…ワイヤ巻取りボビン、24…抵抗、25…コンデンサ
26…直流安定化電源
M1…ワイヤ供給モータ、M2…ワイヤ巻取りモータ
W1…微細工具によって加工されるワーク
W2…ワイヤ放電研削される被加工物
Claims (4)
- 導電性のワイヤ電極と、少なくともその一部が導電性である被加工物と、前記ワイヤ電極を前記被加工物に対して走行させるワイヤ走行手段と、前記ワイヤ電極の走行をガイドするガイド手段と、前記ワイヤ電極に所定の張力を加える張力付加手段と、前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させる送り手段から成り、前記ワイヤ電極と前記被加工物間に所定の電位差を与えて前記被加工物を放電加工するワイヤ放電研削装置において、前記送り手段によって前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させるとともに、前記ワイヤ走行手段によってワイヤ走行速度を徐々に変化させることにより被加工物に微小角度のテーパを創製することを特徴とする微小テーパ創製方法。
- 導電性のワイヤ電極と、少なくともその一部が導電性である被加工物と、前記ワイヤ電極を前記被加工物に対して走行させるワイヤ走行手段と、
前記ワイヤ電極の走行をガイドするガイド手段と、前記ワイヤ電極に所定の張力を加える張力付加手段と、前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させる送り手段から成り、前記ワイヤ電極と前記被加工物間に所定の電位差を与えて前記被加工物を放電加工するワイヤ放電研削装置において、前記送り手段によって前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させるとともに、放電エネルギーを徐々に変化させることにより被加工物に微小角度のテーパを創製することを特徴とする微小テーパ創製方法。 - 導電性のワイヤ電極と、少なくともその一部が導電性である被加工物と、前記ワイヤ電極を前記被加工物に対して走行させるワイヤ走行手段と、
前記ワイヤ電極の走行をガイドするガイド手段と、前記ワイヤ電極に所定の張力を加える張力付加手段と、前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させる送り手段から成り、前記ワイヤ電極と前記被加工物間に所定の電位差を与えて前記被加工物を放電加工するワイヤ放電研削装置において、前記送り手段によって前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させるとともに、前記張力付加手段によってワイヤ張力を徐々に変化させることにより被加工物に微小角度のテーパを創製することを特徴とする微小テーパ創製方法。 - 前記微小テーパ創製方法において、前記被加工物を回転させる回転手段を備え、被加工物を回転させながら放電加工することにより被加工物に微小角度のテーパ軸を創製することを特徴とする請求項1〜請求項3記載の微小テーパ創製方法。
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JP2002280473A JP2004114227A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | 微小テーパ創製方法 |
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CN105195843A (zh) * | 2015-09-09 | 2015-12-30 | 泰州市晨虹数控设备制造有限公司 | 电火花线切割电极丝往复渐进式走丝方法及装置 |
CN108080760A (zh) * | 2017-12-25 | 2018-05-29 | 大连大学 | 微细棒状电极装夹装置 |
-
2002
- 2002-09-26 JP JP2002280473A patent/JP2004114227A/ja active Pending
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