JP2001129727A - 細深穴部材または細深穴金型の製作方法 - Google Patents

細深穴部材または細深穴金型の製作方法

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JP2001129727A
JP2001129727A JP31524499A JP31524499A JP2001129727A JP 2001129727 A JP2001129727 A JP 2001129727A JP 31524499 A JP31524499 A JP 31524499A JP 31524499 A JP31524499 A JP 31524499A JP 2001129727 A JP2001129727 A JP 2001129727A
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hole
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Tatsuo Kuroda
達雄 黒田
Shiro Ishikawa
史朗 石川
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Sodick Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 径φ0.05〜0.1mmの微細な通常貫通
形の細深穴を、高い寸法、精度と強度、及び剛性の高い
部材に形成する。 【解決手段】 分割された縦割り部材の各合わせ面に、
第1の加工工程として細深穴の穴径よりも充分小さい外
径を有するワイヤ電極を使用して、底面部に細深穴の側
胴部の寸法、形状を有する溝を加工形成し、次に第2の
加工工程として、ワイヤ電極と溝を形成した縦割り部材
とを後者の溝を形成した面と直交する軸の廻りに相対的
にπ/2回転させる方位変更を行い、該溝を有する合わ
せ面を所定の切込みでワイヤ放電加工による平削り状の
加工処理をするようにし、得られた一対の縦割り部材の
合わせ結合により細深穴を有する部材を製作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い寸法精度を有
し、更に好ましくは所定の強度、剛性を有する少なくと
も1つの微細な、断面異形状であっても良い細深穴を有
する部材、例えば、光学部品とか、紡糸用ノズルとか、
またはパンチ打抜き用金型等の製作方法に係わるもの
で、従って例えば、より具体的には、板状金型材に板面
と略垂直な丸等の細深穴を、少なくとも1個以上、通常
板面に平行な1軸方向に1軸以上、所定のピッチで設け
た細深穴金型、さらに詳しくは前記細深穴の径が特に、
約φ0.05〜φ0.1mm程度と微細で、穴の深さ
(貫通穴を含む)が数mm乃至10mm前後と穴径に比
べて著しく大きく、かつ、かかる細深穴を板面に通常多
行多列に有する半導体の実装部品製作等に用いられる細
深穴金型の製作方法等として有効な細深穴部材等の製作
方法に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】微細な細深穴の加工には、棒状乃至は線
状電極をパイプ電極として、加工液の高加圧供給による
電極先端からの噴出により加工部からの加工屑等の排出
の確保が必要なことが、例えば、特開昭56−6903
3号公報等に記載されているようによく知られており、
穴径がφ0.1mm以上、φ0.3mm以下で、深さが
数10mmに及ぶ細深穴の加工が、加工液として、水系
加工液だけでなく、ケロシン等の鉱物油を使用した加工
に於ても可能となって来ている。
【0003】しかしながら、電極の径がφ0.1mm以
下、またはこれよりも細くなると、長さ200〜300
mm、またはそれ以内でも、パイプ電極を製作すること
は難かしく、仮りに製作できたとしても極めて高価で、
取扱い難しく、加工困難で、放電加工の性能も、加工速
度及び直線性等加工精度とも極めて不安定で低いものと
ならざるを得ず、実質上加工不能に近く、従って、かか
る加工困難な細深穴を高い寸法、精度で多数必要とする
前述、細深穴金型等の細深穴部材の製作は実質上不可能
であった。
【0004】なお、特開昭59−214518号公報、
特開昭61−121824号公報、特開平2−1676
23号公報及び特開平8−197337号公報等によれ
ば、径がφ0.1〜φ0.3mmまたはそれ以下の細線
状電極を用い、穴径の数倍から数10倍の深さの穴が容
易に加工形成できるかの如き記載があるが、上記前2者
公報のものは、外径φ1.0mmの線状または棒状電極
材に対する放電加工による外周加工により、径φ0.1
〜φ0.3mmまたはそれ以下の細線状電極を製作し、
該細線または細片状電極を用いて目的とする細深穴を加
工するのであるから、電極の製作問題からして既に実用
的ではなく、多数個の細深穴加工は殆ど不可能で、さら
に、該電極はパイプ状電極でもなく、加工部への加工液
の噴出供給がないことから上記3件目の公報に記載され
ているように径φ0.1mm以下の穴加工では、穴径の
数倍以上の深さの加工は、実用し得る程度には行えなか
ったものである。また、上記3件目の公報の記載に従
い、径がφ0.1mmよりも小さいパイプ電極が得られ
たとしても、該微細パイプ電極では、前述したように、
微細穴加工に実用的に適用し難く、また放電加工の性能
上も実用的な適用は難しく、寸法精度、及び強度を有す
る細深穴の製作は得難いものであった。
【0005】そして、従来かかる場合の一対応として、
線状または棒状電極による形彫り放電加工形式の穿孔放
電加工方式に替え、一対の位置決めガイド間を軸方向に
更新移動させられるワイヤ電極を用いるワイヤ放電加工
方式により、一対の縦割り部材の合わせ面に夫々形成さ
れた一対の半円弧状等の溝によって合わせ部材結合の貫
通細穴を形成させる組合わせ割り部材方式とした細深穴
部材の製作方法が考案され、一部実用されているもので
ある。
【0006】上述ワイヤ放電加工を適用する細深穴部材
の製作方法を図3により説明すると、図は前記縦割り部
材の分割された部材の合わせ面に、底面部に、形成すべ
き細深穴部の側胴部の形状を所定の寸法で有し、全体と
してU字状に開口する溝を加工形成するワイヤ放電加工
による第1加工工程の説明図で、図3(A)は主要部分
の説明用側面図、図3(B)は同じく説明用正面図、図
3(C)は、第1加工工程の加工処理が進行した前記縦
割り部材の説明用上面又は下面図である。
【0007】図に於て、1は、形成すべき細深穴を垂直
に2分割した縦割り部材の一方の部材で、xyのクロス
軸にNC移動させられるテーブル2に前記部材1の細深
穴を形成すべき合わせ面1aが、通常、一対の位置決め
ガイド3a、3b間を鉛直方向に更新送り移動せしめら
れるワイヤ電極4と平行な微小間隙を置いて相対方向配
置せしめられる。
【0008】5は、一方の出力端子が前記テーブル2を
介し部材1に接続され、他方の端子がワイヤ電極4に通
電駒6を介して接続されるワイヤ放電加工用電源、矢符
7は前記部材1とワイヤ電極4との間に、両者間の平均
加工電圧等を基に相対的なサーボ送りが制御して与えら
れる状態を示したもので、図示の場合ノズル8によって
噴射供給される加工液8aが介在する部材1とワイヤ電
極4との間隙に、電源5から供給される休止時間を置い
た電圧パルスにより発生する放電パルスにより、部材1
の合わせ面1aの対応位置部分が放電加工され、加工す
べき細深穴の少なくとも1/2断面または所望それ以上
の寸法、形状を持った溝1bが形成される。なお、図3
(C)は、被加工体としての縦割り部材1がその相背向
する各面が、細深穴の互に平行な各1軸列を形成する1
/2部材である場合の部分図を示している。なお、詳し
い説明は省略するが、図3(C)のように相背向する合
わせ面に、細深穴の垂直1/2分割溝1bを所定のピッ
チで加工形成した縦割り部材1を多数積重ね結束等する
ことにより、之等の手法が、細深穴多数を多行、多列に
有する精密パンチングプレス金型等を製作する1手法と
なり得ることが判る。
【0009】本発明により、加工形成される細深穴とし
ては、断面が楕円とか、多角形状の異形状のものであっ
ても良いが、説明を簡略にする都合上、以下は、断面が
円の場合につき説明するものとする。
【0010】前述の縦割り部材1の合わせ面1aの一方
に、目的とする細深穴を形成するための、穴の1/2断
面に相当する断面半円弧の溝を加工形成するには、使用
ワイヤ電極4及び部材1の材質、組合わせを考慮した当
該設定加工条件に於て加工形成される半円弧溝の径Lか
ら、オーバーカット乃至はスパークアウトギャップGo
sの2倍の値を徐算した径l(=L−2Gos)のワイ
ヤ電極4A(図4の左端)を用い、ワイヤ電極4Aの中
心が部材1の合わせ面1aの位置と一致する位置迄相対
的加工送りを行って加工するか、或いはその位置で加工
送りを停止させて、暫く、または所定スパークアウト状
態となる迄放電加工することによるのが最も効率的加工
形成方法であると考えられる。そして、このような溝の
形成加工を第1の加工工程として、次に第2の加工工程
として、合わせ面1aを極微少量平削り加工等仕上げ研
磨加工して溝1bの両縁をきっちりと仕上る仕上げ加工
を行うことが考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような溝の加工形成方法であると、特にスパークアウト
加工処理が充分でないと、製作される細深穴は、途中中
程が中細状となるか、または先細状となり、穴軸線方向
精度が不十分なものとなる可能性が高く、これでは、パ
ンチングプレス等の金型としての使用には適さないもの
である。
【0012】このため通常かかる場合には、ワイヤ電極
4Bと部材1の合わせ面1aの相対送りによるサーボ加
工送り込み位置を、ワイヤ電極4Bの中心が前記合わせ
面1a位置から、さらに所定距離(Δl)送り込み(図
4の中央)、当該位置で加工送りを停止させて暫らく、
または所定のスパークアト状態となる迄放電加工を行
う。そして、然る後、第2の加工工程による加工処理と
して、上記合わせ面1aから破線9迄の前記送り込み距
離Δl部分の表層部分を除去すべく、例えば、所望なら
ば適宜の機械的研磨、研削により、或いは平削り加工に
より、或いはまた、ワイヤ放電加工により合わせ面1a
を左右方向からワイヤ電極4Cに対する相対的な加工送
り7Aにより平削り状(図4の右端)に加工し、所定の
半径深さ(L/2)を有する溝1bを部材1に残置形成
させるものである。
【0013】然しながら、上述の第2加工工程による加
工処理では、機械的な研磨、研削では、形成された溝1
bの細深穴方向に延びる両縁に多くのばりが形成される
可能性が高く、縁の形成精度を保ちにくく、実用は難し
いものであり、また前記ワイヤ放電加工による合わせ面
1aに対する平削り状の加工も、上述の場合、ワイヤ電
極4Cの軸と溝1b両端の縁とが平行である所から、加
工の途中に於ける或る送り位置に於て、ワイヤ電極4C
は、この縁の先端部分とのみ相対向することとなり、加
工電力の供給及び加工送り経路と速度等に対する余程の
精細な制御等なしには、前記縁部の先端部に対するオー
バーカット等の加工制御は難しく、通常は、縁部がオー
バーカット等によりだれてしまい形状精度を損なうこと
になるのが殆ど避けられなかった。
【0014】そこで、本発明は、上述の第1の加工工程
と及び第2の加工工程とを夫々改良すると共に組み合わ
せて、上述の各欠点を無くした細深穴部材乃至は細深穴
金型部材の製作方法を開発したことにより提案される。
【0015】
【課題を解決するための手段】前述の本発明の目的は、
(1)板状部材の板面に略垂直な微細な細深穴を1個以
上設けた前記板状部材を、前記設けられた細深穴の部分
で、該細深穴を垂直に2分割した縦割り部材によって構
成する細深穴部材の製作方法に於て、前記分割された縦
割り部材の各合わせ面に、前記細深穴の穴径よりも充分
小さい外径を有するワイヤ電極を使用するワイヤ放電加
工により加工して、底面部に前記形成すべき細深穴の側
胴部の形成を所定の寸法で有し、全体としてU字状に開
口する溝を加工形成し、次いで、前記ワイヤ電極としU
字状の溝を形成した縦割り部材とを、ワイヤ電極の軸と
縦割り部材の縦割りの方向とが直交すると共に、両者間
のワイヤ放電加工の相対送りの方向と縦割り部材の合わ
せ面とが平行となる方位及び位置関係に配置し、前記U
字状の溝を有する合わせ面をワイヤ放電加工により所定
の切込みで平削り加工し、加工処理された一対の縦割り
部材により前記細深穴部材を構成する細深穴部材の製作
方法とすることにより達成される。
【0016】又、前述の本発明の目的は、(2)板状金
型部材の板面に略垂直な微細な細深穴を、少なくとも1
個以上、板面に平行な1軸方向に1軸以上、所定のピッ
チで設けた細深穴金型を、該金型を前記一軸方向に板面
と垂直に切断し、前記所定のピッチで設けられる各細深
穴を2分割した縦割り金型部材によって構成する細深穴
金型の製作方法に於て、前記一対の縦割り金型部材の各
合わせ面に、所定の金型の穴径よりも充分小さい外径を
有するワイヤ電極を使用するワイヤ放電加工により、加
工して底面部に前記形成すべき細深穴の側胴部の形状を
所定の寸法で有し、全体としてU字状に開口する溝を前
記所定ピッチで平行に加工形成し、次いで、前記ワイヤ
電極とU字状の溝を形成した縦割り金型部材とを、ワイ
ヤ電極の軸と縦割り金型部材の縦割りの方向とが直交す
ると共に、両者間のワイヤ放電加工の相対送りの方向と
縦割り金型部材の合わせ面とが平行となる方位及び位置
関係に配置し、前記U字状の溝を有するワイヤ放電加工
により所定の切込みで平削り加工し、加工処理された一
対の縦割り金型部材により金型を構成する細深穴部材、
又は金型の製作方法とすることにより達成される。
【0017】又、前述の本発明の目的は、(3)前記の
縦割り部材又は金型部材に対するU字状溝のワイヤ放電
加工が、ワイヤ電極との間に輪郭制御による相対加工送
りを与える加工である前記(1)又は(2)に記載の細
深穴部材又は金型の製作方法とすることにより達成され
る。
【0018】又、前述の本発明の目的は(4)前記縦割
り部材又は金型部材の合わせ面に対する平削り状のワイ
ヤ放電加工が、その所定の切込みに設定加工条件の放電
間隙長を含むと共に、ワイヤ電極の径が、前記U字状溝
加工の際の使用ワイヤ電極の径以上のものである前記
(1)又は(2)に記載の細深穴部材又は金型の製作方
法とすることにより達成されるものである。
【0019】又、前述の本発明の目的は、(5)前記ワ
イヤ電極と縦割り部材又は金型部材間の方位及び位置関
係の変更が、縦割り部材又は金型部材に対する軸移動の
制御によって付与される前記(1)又は(2)に記載の
細深穴部材又は金型の製作方法とすることにより達成さ
れるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、前述第1の加工工程の縦
割り部材又は縦割り金型部材1の合わせ面1aに、加工
製作すべき細深穴を垂直2分割した断面Uの字状の溝1
bをワイヤ放電加工により加工形成して行く本発明の実
施例の加工の態様を説明する上面部分図で、ワイヤ放電
加工の工具電極としてのワイヤ電極4sは、図示のよう
に加工すべき合わせ面1aの溝1bの寸法(通常半円弧
の溝径寸法)に対して充分小径のものが使用され、この
ため前記溝1bを加工形成するワイヤ電極4sと部材1
間の相対加工送りも、前述従来例のような合わせ面1a
に対するほぼ垂直方向の喰込み直線送りと言った単純な
ものではなく、図に矢符付きの一点破線10で示すよう
に、隣接溝1b間に合わせ面1aの表面に沿う経路を含
む、ほぼ全体としてU字状の溝の、相対加工送りが輪郭
線形成送りとなるワイヤ放電加工の態様となるものであ
る。
【0021】この場合、製作すべき細深穴の径(製作す
べき溝の半円弧の半径×2)が、例えば、φ0.08m
mであるとすると前記ワイヤ放電加工用のワイヤ電極と
しては、例えばφ0.03mmの銅合金系、銅被覆等複
合系の鋼線または、タングステン線やモリブデン線が用
いられるものであり、前記縦割り部材1の板厚が数10
mm以内のものに対して、相当程度高い形状精度の加工
が実現できるものである。而して、前記加工形成して所
定の寸法、精度に仕上るべき溝1bの寸法、形成として
は、溝1bの底面部に加工すべき細深穴の側胴部の形状
を所定の寸法精度で、延在させて有し、破線11で示す
前記半円弧底面部両端縁から表面の合わせ面1a迄の間
は、図示のような適宜拡開した形状であってもよい、全
体としてU字状の溝1bとするものである。かくするこ
とにより、底面部の加工の寸法、精度を高く保つことが
でき、寸法、精度の高い細深穴の製作が可能となる。
【0022】前述、溝1bの細深穴形成部である底面部
上の合わせ面1a側の表層1dは、該表層1dに対する
平削りのワイヤ放電加工と言う図2に示す第2の加工工
程の加工処理により、除去及び面精度出し加工が為され
るものであるが、従来に於ては、前述のように、第1の
加工工程の加工処理の後のワイヤ電極4(4C)と縦割
り部材1との間の方位を変えることなく、上述第2の加
工工程の平削り状の加工処理に移行させて加工をしてい
たので、部材1の縦割りの方向とワイヤ電極の軸が平行
に一致した状態で、溝1bが列ぶ方向に平行に移動して
加工が進行し、溝1b両端の縁部に於て、その長さ方向
全長にわたり、だれ、変形などの発生が避け難く、対と
なる他方の縦割り部材と合わせ結合した際合わせ面に沿
い、全長にわたり条痕が形成され製作穴精度は高め難か
ったのである。
【0023】然るに、本発明は、前述した第1の加工工
程の加工処理終了後、第2の加工工程に移行するに際し
前記縦割りの方向と平行に前記U字状の溝1bが形成さ
れた縦割り部材1を、該縦割りの方向がワイヤ電極4t
の軸と直交すると共に両者間のワイヤ放電加工の相対送
りの方向と縦割り部材の合わせ面とが、平行となる方位
及び位置関係に配置し直し、前記U字状の溝1bを有す
る合わせ面をワイヤ放電加工により、所定の切込みで平
削り加工するようにするものである。
【0024】そして、より簡単には、前記第1の加工工
程の加工処理の終了後ワイヤ電極4sを縦割り部材1か
ら合わせ面1aに直向する方向に、相対的に送り離隔さ
せてから、ワイヤ電極4sと縦割り部材1とを、ワイヤ
電極4s軸又は之と平行な軸と直交し、かつ合わせ面と
直交する軸の廻りに相対的にπ/2回転させ、図2に示
すようにワイヤ電極4tを側方端(図示の場合は、ワイ
ヤ電極4sの軸とπ/2回転させたとして上方又は下方
端)に位置せしめ、所定の切込みに、設定ワイヤ放電加
工条件の放電間隙長を含む設定として、合わせ面1aに
沿う相対加工送りを与えて平削り状の加工処理をするも
ので、かかる状態での加工では合わせ面に形成された1
以上のU字状の溝の全ての縁部が、加工の初めから終了
迄、始端から終端迄連続して順次にワイヤ電極と相対向
して行く加工の態様となるので、縁部に対する一時的集
中加工の状況は生ぜず、だれ発生などを容易に僅少とす
ることが出来、溝両縁の加工形状精度が高く、製作細深
穴の精度も所要にすることができる。
【0025】そして、この第2の加工工程の加工処理に
於ては、溝1bの縁部に対する集中的なワイヤ放電加工
態様が生じないので、第1の加工工程の加工処理に使用
したワイヤ電極4sの径以上のより太い径のワイヤ電極
4tを用い、ワイヤ放電加工の平均加工電流を、電圧パ
ルス間休止時間の短縮、サーボ基準電圧の低減設定又は
送り速度の増加設定等により増大させ加工処理時間の短
縮を計るようにすることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明に依れば、細線状の線状またはパ
イプ電極等による穿孔、形彫り加工では加工成形が困難
な大凡φ0.05〜0.1mmの微細な通常貫通形の細
深穴を、高い寸法、精度と強度、及び剛性の高い部材に
形成し、又は金型等として得ることができる。そして、
本発明によれば、微細な貫通形の細深穴を多数有する部
材の製作方法として特に威力を発揮するものである。な
お、上記形成すべき細深穴の寸法は、微細度の限度に近
く、より細径のワイヤ電極を用いるワイヤ放電加工によ
り加工形成し得るかのように考えられるものの、そのた
めには使用するワイヤ電極の径よりも大きく、かつ前記
加工形成すべき細深穴の径よりも小さいワイヤ電極挿通
のためのスタート孔を予め加工形成する必要があると言
う、矛盾があり、実際このようなスタート孔を加工する
ことができない所から、通常法のワイヤ放電加工方法に
よっては、本発明の細深穴の加工は出来ないでのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の第1の加工工程に於ける加工の
様態を説明する上面部分図
【図2】本発明実施例の第2の加工工程に於ける加工の
様態を説明する上面部分図
【図3】従来例の第1の加工工程の1例の説明図で、
(A)は主要部の説明用側面図、(B)は同じく説明
用正面図、及び(C)は同じく説明用上面図である。
【図4】従来例の加工の態様及び第2加工工程の1例の
説明用上面図の例である。
【符号の説明】
1 縦割り(金型)部材 1a 合わせ面 1b U字状の溝 1d 表層部 2 テーブル 3a,3b 位置決めガイド 4,4A,4B,4C,4t ワイヤ電極 5 ワイヤ放電加工用電源 6 通電駒 7 矢符(相対送り) 8 ノズル 8a 加工液 9,11 破線(切込み) 10, 矢符破線(加工輪郭線経路)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状部材の板面に略垂直な微細な細深穴
    を1個以上設けた前記板状部材を、前記設けられた細深
    穴の部分で、該細深穴を垂直に2分割した縦割り部材に
    よって構成する細深穴部材の製作方法に於て、前記分割
    された縦割り部材の各合わせ面に、前記細深穴の穴径よ
    りも充分小さい外径を有するワイヤ電極を使用するワイ
    ヤ放電加工により加工して、底面部に前記形成すべき細
    深穴の側胴部の形状を所定の寸法で有し、全体としてU
    字状に開口する溝を加工形成し、次いで、前記ワイヤ電
    極とU字状の溝を形成した縦割り部材とを、ワイヤ電極
    の軸と縦割り部材の縦割りの方向とが直交すると共に、
    両者間のワイヤ放電加工の相対送りの方向と縦割り部材
    の合わせ面とが平行となる方位及び位置関係に配置し、
    前記U字状の溝を有する合わせ面をワイヤ放電加工によ
    り所定の切込みで平削り加工し、加工処理された一対の
    縦割り部材により前記細深穴部材を構成することを特徴
    とする細深穴部材の製作方法。
  2. 【請求項2】 板状金型部材の板面に略垂直な微細な細
    深穴を、少なくとも1個以上、板面に平行な1軸方向に
    1軸以上、所定のピッチで設けた細深穴金型を、該金型
    を前記一軸方向に板面と垂直に切断し、前記所定のピッ
    チで設けられる各細深穴を2分割した縦割り金型部材に
    よって構成する細深穴金型の製作方法に於て、前記一対
    の縦割り金型部材の各合わせ面に、所定の金型の穴径よ
    りも充分小さい外径を有するワイヤ電極を使用するワイ
    ヤ放電加工により加工して、底面部に前記形成すべき細
    深穴の側胴部の形状を所定の寸法で有し、全体としてU
    字状に開口する溝を前記所定のピッチで平行に加工形成
    し、次いで、前記ワイヤ電極とU字状の溝を形成した縦
    割り金型部材とを、ワイヤ電極の軸と縦割り金型部材の
    縦割りの方向とが直交すると共に、両者間のワイヤ放電
    加工の相対送りの方向と縦割り金型部材の合わせ面とが
    平行となる方位及び位置関係に配置し、前記U字状の溝
    を有する合わせ面をワイヤ放電加工により所定の切込み
    で平削り加工し、加工処理された一対の縦割り金型部材
    により金型を構成することを特徴とする細深穴金型の製
    作方法。
  3. 【請求項3】 前記の縦割り部材又は金型部材に対する
    U字状溝のワイヤ放電加工が、ワイヤ電極との間に輪郭
    制御による相対加工送りを与える加工であることを特報
    とする請求項1又は2に記載の細深穴部材又は金型の製
    作方法。
  4. 【請求項4】 前記縦割り部材又は金型部材の合わせ面
    に対する平削り状のワイヤ放電加工が、その所定の切込
    みに設定加工条件の放電間隙長を含むと共に、ワイヤ電
    極の径が、前記U字状溝加工の際の使用ワイヤ電極の径
    以上のものであることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の細深穴部材又は金型の製作方法。
  5. 【請求項5】 前記ワイヤ電極と縦割り部材又は金型部
    材間の方位及び位置関係の変更が、縦割り部材又は金型
    部材に対する軸移動の制御によって付与されるものであ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の細深穴部材
    又は金型の製作方法。
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