JP2004113081A - 捕虫用ケースおよび捕虫器 - Google Patents
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Abstract
【課題】虫を捕獲可能な粘着性物質を、衛生的に使用できる捕虫器を提供する。
【解決手段】捕虫器1は、側面にハエ等が侵入可能な径の円形の侵入孔4を有する筐体31と、筐体31の内部に着脱自在に取り付けられたハエ取り紙51とから構成される。筐体31は、一枚のシートを折込み、差込み構造のみで固定し、正四角柱体に組み立てられ、ハエ取り紙51は、筐体31の側面と離間して、筐体31の内部に吊下げられた状態に取付けられる。捕虫器1は、粘着面が露出していないため、捕獲された虫が直に見え難く、また、衣類や手等が直接粘着面に触れることも少なくなるため、使用者等の不快感が減少し、衛生的に使用できる。そのため、不特定多数の人が出入りする飲食店等にも設置することができ、清潔で衛生的な環境が保たれる。
【選択図】 図1
【解決手段】捕虫器1は、側面にハエ等が侵入可能な径の円形の侵入孔4を有する筐体31と、筐体31の内部に着脱自在に取り付けられたハエ取り紙51とから構成される。筐体31は、一枚のシートを折込み、差込み構造のみで固定し、正四角柱体に組み立てられ、ハエ取り紙51は、筐体31の側面と離間して、筐体31の内部に吊下げられた状態に取付けられる。捕虫器1は、粘着面が露出していないため、捕獲された虫が直に見え難く、また、衣類や手等が直接粘着面に触れることも少なくなるため、使用者等の不快感が減少し、衛生的に使用できる。そのため、不特定多数の人が出入りする飲食店等にも設置することができ、清潔で衛生的な環境が保たれる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、捕虫用ケースおよび捕虫器に関するものであり、特に粘着性物質の粘着力を利用して虫を捕獲する捕虫用ケースおよび捕虫器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地球上の多くの動物の中には、衛生面、経済面、および農業面等で人類に種々の害を与える動物群が存在する。中でもハエ、ゴキブリおよび蚊などの衛生害虫は、一般家庭、オフィスビル、および事業場等の居住環境の中で、人間に対して衛生的および心理的な害を与えている。そのため、人間は古くからこれらの害虫に悩まされ、様々な対策を講じてきた。
【0003】
特にハエは、羽音がうるさいだけでなく、汚物に集まる習性を有すること等から人間に心理的不快感を与えるため、嫌悪されていた。さらに、腐った食べ物、生ゴミおよび動物の屍体から発生することが多く、赤痢菌、O−157およびサルモネラ菌等の病原菌を付着させた状態で室内等を飛びまわり、疾病を媒介することもあるため嫌われている。
【0004】
ところで、飲食店においては、日々、大量の生ゴミを排出し、湿度および温度の高い厨房を有するため、ハエおよびゴキブリ等の発生しやすい環境であり、また、人の出入りも多いため、その際に蚊、ブユおよび蛾等が入りやすい。飲食店にとって、衛生管理をすること、および清潔感を客に覚えさせることは店舗のイメージにとって非常に重要であるため、ハエなどの害虫が店内を飛びまわらないよう、駆除することは大きな問題であった。しかし、飲食店では、食品を取り扱う性質上、殺虫剤は極力使用しないことが望ましく、衛生害虫の駆除には殺虫剤以外の様々な方法が試されてきた。最近は、虫が光の刺激によって走性を示す走光性をもつことが広く知られており、虫が最も走光性を示す近紫外線の波長(365nm)の光源で誘引し、高圧電流で駆除したり、ファンで捕集する誘引ライトトラップが普及している。しかし、誘引ライトトラップは、高価な上に、明るい所では誘引ライトの波長に反応しないハエには効果がなかった。そのため、ハエを駆除するには従来から知られている、粘着剤を塗布した油紙や合成フィルムを天井から吊るし、飛来するハエを粘着性物質によって捕獲する、いわゆるハエ取り紙を使用することが多かった。
【0005】
以上の従来技術は、公知のものであり、出願人は、この従来技術が記載された文献を、本願出願時においては知見していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したハエ取り紙は、粘着面が露出した状態であり、捕獲されたハエが直に見えるため、使用者等の中には不快に感じる者もあった。特に、飲食店などでは、食事中にハエ等の害虫が視界に入るため、食事の雰囲気を壊し、客の気分を害することがあった。また、粘着面にハエが付着した状態で放置されるため、衛生上も問題があった。さらに、人間の衣服や手が触る可能性もあるため、使用者等にとって不快に感じることや、粘着面の粘着力が低下し、捕獲能力が衰えるという問題もあった。そのため、飲食店内では従来のハエ取り紙を使用することに躊躇し、ハエの捕獲に苦心していた。
【0007】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、虫を捕獲可能な粘着性物質を、衛生的に使用できる捕虫用ケースおよび捕虫器を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にかかる捕虫用ケースは、捕獲対象の虫が内部空間に侵入可能な侵入孔を有する筐体と、粘着性物質の粘着力を利用して前記虫を捕獲する捕獲手段を前記内部空間に着脱自在に取付け可能な取付け手段とを具備するものである。
【0009】
ここで、捕獲対象の虫とは、ハエ・蚊・ブユ・アブ・蛾・ゴキブリ・コオロギ・ムカデ・クモ・ダニ等が挙げられる。なお、本明細書において、虫とは、人類・獣類・鳥類・魚介類以外の小動物を総称する。さらに、ネズミ等の虫以外の小動物の捕獲に使用することも可能である。
【0010】
また、捕獲手段とは粘着剤が塗布されたいわゆるハエ取り紙が相当し、さらに、これを着脱自在に取付ける取付け手段とは、ゴム等を介して、筐体に配設された掛止部に引掛けたり、あるいは、ボルトとナットにより締付ける等、従来から周知の技術を利用するものが例示される。
【0011】
したがって、請求項1の発明の捕虫用ケースによれば、捕獲対象の虫を捕獲する捕獲手段を、筐体の内部空間に取付け手段を介して取付けるケースが形成される。さらに、虫は筐体の内部空間に侵入孔を経て侵入することが可能であるが、人間の手や衣類は入りにくい。
【0012】
請求項2の発明にかかる捕虫用ケースは、請求項1に記載の捕虫用ケースにおいて、前記筐体は、一枚の平板を折線に従って折込むことにより組立てられ、前記平板は、少なくとも一つの差込孔が穿設され、前記折線を介して接続された複数の筐体面と、前記筐体面の端部から延設され、前記差込孔に挿脱可能な差込片とを有し、前記差込孔に前記差込片が差込まれることにより、前記筐体の組立状態を保持するものである。
【0013】
したがって、請求項2の発明の捕虫用ケースによれば、請求項1の捕虫用ケースの作用に加え、捕虫用ケースを構成する筐体は、一枚の平板を折込んで組立て、差込片を差込孔に差込むことにより筐体の組立て状態を保持するため、接着剤、テープおよびステープル等を使用せず組立てることが可能となり、組立および解体が容易になる。
【0014】
請求項3の発明にかかる捕虫用ケースは、請求項1または請求項2に記載の捕虫用ケースにおいて、前記筐体は、紙製材料を用いて形成されているものである。
【0015】
したがって、請求項3の発明の捕虫用ケースによれば、請求項1または請求項2の捕虫用ケースの作用に加え、筐体が紙製材料から成形されているため、軽量であり、また、安価に製造することが可能となる。
【0016】
請求項4の発明にかかる捕虫器は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の捕虫用ケースを利用する捕虫器であって、粘着性物質の粘着力によって前記虫を捕獲する捕獲手段と、前記虫が内部空間に侵入可能な侵入孔を有する筐体、および前記捕獲手段を前記内部空間に着脱自在に取付ける取付け手段を備える前記捕虫用ケースとを具備するものである。
【0017】
したがって、請求項4の発明の捕虫器によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか一つの捕虫用ケースの作用に加え、虫が侵入可能な侵入孔が形成されている筐体の内部に捕獲手段が取り付けられているため、虫が侵入孔から侵入すると、粘着性物質の粘着力により捕獲される。この場合、虫が飛びまわる空間が限定されるため、捕虫用ケースがない場合に比べて捕獲率が格段に上がる。そして、前述の捕獲手段は、筐体内部に格納されているため、捕獲された虫は、使用者等から直に見えにくくなる。また、使用者等の衣服や手等が粘着性物質に直接触れることも少なくなるため、使用者等の不快感が減少するとともに、粘着性物質の粘着力の低下も防止される。さらに、廃却時も上述と同様の理由により、不快感が減少する。また、粘着性物質が筐体内部に格納されおり、粘着面が露出していないため、捕虫器を直に床および棚等の上に設置することが可能となる。
【0018】
請求項5の発明にかかる捕虫器は、請求項4に記載の捕虫器において、前記筐体の前記内部空間に、前記虫を誘引する誘引手段をさらに有するものである。
【0019】
したがって、請求項5の発明の捕虫器によれば、請求項4の捕虫器の作用に加え、内部空間に、捕獲する虫を誘引する誘引手段を有するため、虫が集まりやすい。なお、誘引手段は、揮発性誘引剤、食餌誘引剤などの化学薬品および誘引ランプ等の捕獲対象の虫の習性を利用するもの、ファン等で強制的に吸引するもの等、種々の手段が考えられる。
【0020】
請求項6の発明にかかる捕虫器によれば、請求項4または請求項5に記載の捕虫器において、前記誘引手段は、前記筐体の内壁面の少なくとも一部が光反射性素材で形成されているものである。
【0021】
したがって、請求項6の発明の捕虫器によれば、請求項4または請求項5の捕虫器の作用に加え、筐体の内面が光反射性素材によって形成されているため、外部から入光した光を反射し、捕虫器内部が明るくなる。その結果、明るいところを好む虫が集まりやすくなり、粘着力を利用した捕獲手段に捕獲されやすくなる。
【0022】
請求項7の発明にかかる捕虫器は、請求項4乃至請求項6のいずれか一つに記載の捕虫器において、前記筐体の筐体面は、前記捕虫用ケースを壁面に掛止可能なフック孔が穿設されているものである。
【0023】
したがって、請求項7の発明の捕虫器によれば、請求項4乃至請求項6のいずれか一つの捕虫器の作用に加え、筐体面にフック孔が形成されているため、フックおよび釘等の突起を利用して壁等に掛けられる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である捕虫器1について、図1乃至図5に基づき説明する。図1は本実施形態の捕虫器1の構成を示す斜視図であり、図2は捕虫器1の筐体31の構成を示す展開図であり、図3は捕虫器1の構成を示す分解斜視図であり、図4は捕虫器1の下端付近の要部拡大斜視図であり、図5は捕虫器1の上端付近の要部拡大斜視図である。
【0025】
本実施形態の捕虫器1は、一枚のシートを折込み、図1に示すような正四角柱体に組み立て可能な筐体31と、ハエ取り紙51とから主に構成される。筐体31の展開時の形状は、図2に示すように、長方形の側面2a,2b,2c,2dが連なるように接続されており、その周縁に蓋面、底面、折込片および差込片が配設されているものである(詳細については後述する)。なお、筐体31は、図5に示すようにクリーム色の艶加工が施され、製函時に内側になる厚紙S1と、外側になるダンボールS2とを貼着した二層構造のシートから構成されている。ここで、厚紙S1が本発明における光反射性素材に相当する。
【0026】
さらに、筐体31の展開時の各面および片の構成について、図2に基づいて詳しく説明する。側面2a,2b,2cにはハエ等の虫が侵入可能な径の円形の侵入孔4が所定の配列で複数形成されている。そして、側面2dの上方中央付近には、蹄型のフック孔18が直線部分を下にして形成され、側面2dの下方には、蹄型のフック孔19が互いに直線部分を向かい合わせて、所定の幅を離間して横向きに形成されている。さらに、フック孔18の下方には長円形と真円を組合せた孔20が形成され、孔20の上縁中央付近には、ハエ取り紙51を引掛けて固定する引掛部21が形成されている。また、側面2bおよび側面2dの下端の中央付近には、切込と折線によって形成され、内側に直角に折り込むことによりハエ取り紙51の皿部55を固定するための機能を有する爪部10が設けられている。
【0027】
そして、蓋面11と底面12とは、側面2cの短辺にそれぞれ対向して配設されている。また、蓋面11には折込み片13が、一方、底面12には折返し片14が、側面2cとの境界の対辺にそれぞれ設けられている。なお、折返し片14には、差込片15が配設されており、側面2cの下端中央付近には、スリット状の差込孔16が穿設されている。
【0028】
また、側面2b,2dの短辺、および側面2dの側面2cと隣接しない長辺には、折込片5a,5b,5c,5d,5eがそれぞれ配設されている。折込片5aには、製函時に、蓋面11の中央に相当する位置に円形孔6が形成され、また、側面2bとの境界の対辺に差込片7が設けられている。折込片5cには、製函時に前述の差込片7が差込まれるスリット状の差込孔8が穿設されている。
【0029】
そして、側面2aの側面2bと隣接しない長辺には、三つの差込片3が互いに所定の間隔を離間して設けられている。一方、折込片5eの側面2dとの境界付近には、前述の差込片3が差込まれるスリット状の差込孔17が三つ形成されている。
【0030】
ハエ取り紙51は、図3に示すように、リボン状の黄色い合成フィルムの両面に粘着剤が塗布された粘着部位52、粘着部位52の一端に配設された円形状の取付部54および粘着部位52の他端に配設された樹脂製の皿部55から構成されている。なお、取付部54には、取付用穴53が形成されている。ここで、ハエ取り紙51は、市販のものであり、粘着部位52が皿部55に収容された状態で出荷および販売され、使用時(取付け時)に、皿部55から引出して図3に示すような状態になるものである。ここで、ハエ取り紙51が本発明における捕獲手段に相当する。
【0031】
なお、本実施形態において、爪部10および引掛部21が本発明における取付け手段に相当し、爪部10および引掛部21を含む筐体31が本発明における捕虫用ケースに相当する。また、側面2a,2b,2c,2d、蓋面11、底面12、折込片5a,5b,5c,5d,5e,13および折返し片14が本発明における筐体面に相当する。
【0032】
次に、捕虫器1の組み立て方について、図1乃至図5に基づいて説明する。まず、図2に示した筐体31を形成するシートを、折線(図中二点鎖線)に従って折込み、図3に示すように底面12の上に折込片5b,5dを重ね、それらを挟みこむように折返し片14を折返して底面12の上に重ね、さらに差込片15を差込孔16に差込むことにより側面と底面を連結する。そして、折込片5cの上に折込片5aを重ね、差込片7を差込孔8に差込む。これにより、側面2aと蓋面11が開いた正四角柱体状になる。そして、その内部形成された空間(内部空間)に、ハエ取り紙51を入れ、図4に示すように、皿部55を筐体31の爪部10で押える。さらに、ハエ取り紙51の取付用穴53に取付けられた輪ゴム61を筐体31の円形孔6に内側から通し、側面2dに形成されている引掛部21に輪ゴム61を引掛けると、ハエ取り紙51が筐体31の内部に吊下げられた状態に取付けられる。この状態で、側面2aを折込片5eの上に重ね、差込片3を差込孔17にそれぞれ差込み、側面を連結する。最後に、蓋面11を折込片5aおよび5cの上に重ね、差込片13を側面2aの内側に差込むと、図1に示すような正四角柱体の捕虫器1が完成する。
【0033】
次に、捕虫器1の使用方法について説明する。側面2dに穿設されたフック孔18を利用して、壁に既設されたフック(図示しない)等に捕虫器1を掛ける。そして、室内を飛びまわっているハエ等の飛翔虫が、侵入孔4から捕虫器1の内部に侵入すると、粘着部位52の粘着性により、粘着部位52に付着し、捕獲される。この場合、虫が飛びまわる空間が限定されるため、捕虫用ケースがない場合に比べて捕獲率が格段に上がる。なお、捕虫器1は、フック孔19および孔20の二箇所を利用すれば横向きにも掛けることができる。また、側面2dを下にして、床や棚等の上に直に置くこともできる。そのため、室内の様々な場所に設置でき、上空を飛翔するハエおよび床すれすれを飛ぶハエ等を捕獲できる。
【0034】
上記のように、本実施形態の捕虫器1は、ハエ取り紙51が筐体31の内部空間に格納されているため、一見して捕虫器と分かり難い。また、粘着部位52に捕獲された虫は、使用者等から直接見え難く、また、衣服や手等が粘着部位に直接触れる機会も減少するため、衛生的である。従って、特に飲食店等において、不特定多数の人の目に触れる店内にも好適に設置することができるため、清潔で衛生的な環境を保つことができ、飲食店等のイメージを良好にする助けとなる。なお、ハエ取り紙51は市販されているものをそのまま利用することができる。
【0035】
また、捕虫器1を構成する筐体31は、厚紙S1およびダンボールS2を貼合せた紙製材料から形成されているため、軽量であり、また、安価に製造することができる。さらに、接着剤、テープおよびステープル等を使用せず、差込片3、7、15を差込孔17、8、16に差込んで各面を連結して正四角柱体に形成されているため、組立および解体が容易であり、また、焼却等の容易な方法で廃却でき、リサイクルすることもできる。なお、差込孔は、折込片内、側面内および折線上等、筐体面のいずれに穿設されてもよい。
【0036】
加えて、捕虫器1を構成する筐体31の内面を構成している厚紙S1は、クリーム色の艶加工が施されているため、光を反射する。一般に、虫は黄系の色を好み、また、光の刺激によって走性を示す走光性を持つことが知られている。虫は、その習性のために、内面がクリーム色で、かつ、光を反射して内部が明るくなっている筐体31に侵入しやすくなる。そのため、捕虫器1は、捕獲率が向上する。さらに、捕虫器1は、上述のような簡易な構造で、虫を誘引することができるため、安価に製造できる。
【0037】
一方、ハエ取り紙51は、輪ゴム61を介して引掛けられ、爪部10で押えられるという簡易な構造で、筐体31に取り付けられているため、容易に取外し可能である。従って、ハエ取り紙51を交換し、筐体31を再利用することもできる。また、筐体31を捕虫用ケースとして販売し、従来の市販されているハエ取り紙を取付け、捕虫器として使用することもできる。すなわち、捕虫用ケースとハエ取り紙を個別に販売することによって、使用者がそれぞれを価格や性能に応じて選択することができる。
【0038】
また、ハエ取り紙51を取付ける際に、折込片5aに形成された円形孔6から輪ゴム61を出し、その上から蓋面11を被せているため、背面となる側面2d以外の表面に輪ゴム61が露出せず、見栄えが良い。
【0039】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良および設計の変更が可能である。
【0040】
すなわち、本実施形態において、円形状の侵入孔4を有する正四角柱状の筐体31を示したが、この形状に限定されるものではなく、虫が侵入可能な大きさのものであればよく、例えば、多角形、角丸多角形および楕円形等でもよく、さらに、外形は三角柱、六角柱、四角錘および円錐等、内部に粘着材を収納できる形状であればよい。但し、侵入した虫が、侵入孔4を通って筐体31の外へ、容易に出ることができない大きさであることが望ましい。
【0041】
また、一枚の紙製材料(厚紙S1およびダンボールS2を貼着した二層構造)から構成される筐体31を示したが、材質は、木材、金属、プラスチック等でもよい。また、蓋が別体のものなどでもよく、さらに、内部に揮発性誘引剤、食餌誘引剤および誘引ランプ等の誘引手段を設けたものであってもよい。これにより、さらに、虫が誘引され、捕獲率を向上させることができる。
【0042】
一方、ハエ取り紙は、リボン状の黄色い合成フィルムの両面に粘着剤が塗布された粘着部位52、粘着部位52の上端に配設された取付部54および下端に配設された皿部55から構成されているが、粘着材はこれに限定されるものではない。すなわち、粘着部位52は、シート状でもよく、また、誘引剤、殺虫成分、安定剤などを含有させてもよい。これにより、誘引性および殺虫性を向上させ、さらに、粘着性を長持ちさせることができる。なお、一般に、虫は黄系の色を好むことが知られているため、市販のハエ取り紙は、黄色の合成フィルム等が使用されていることが多い。
【0043】
また、ハエ取り紙51は、上端に取りつけられた輪ゴム61を円形孔6に通して引掛部21に引掛け、下端の皿部55を筐体31の爪部10で押えて取付けられているが、ハエ取り紙51の取り付け方法は、これに限定されるものではない。例えば、筐体31の蓋面11および底面12の中央にそれぞれ引掛部を設け、ハエ取り紙51の両端にそれぞれ取付けられた輪ゴムを引掛けてもよい。これにより、ハエ取り紙51は、側面に接触しない状態に取付けられる。また、輪ゴムでなく、紐および針金等を用いてもよい。
【0044】
さらに、一つのハエ取り紙51が格納されるものを示したが、格納される数は一つに限定されるものではなく、例えば、図6に示すように、二つのハエ取り紙51が内部に並設され、側面に角丸四角形の侵入孔4aが複数穿設されている筐体31aを有する捕虫器101であってもよい。捕虫器101は、粘着性による捕獲面積が拡大されるため、捕獲効率が向上される。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明の捕虫用ケースは、筐体の内部空間に、虫を捕獲する粘着性物質を格納できるため、人間の手や衣類が粘着性物質に直接触れることを少なくできる。さらに、粘着性物質の粘着力によって捕獲された虫を使用者等の視界から遮ることができる。
【0046】
請求項2の発明の捕虫用ケースは、請求項1の捕虫用ケースの効果に加えて、捕虫用ケースを構成する筐体が一枚の平板から組立てられ、接着剤、テープおよびステープル等を使用せず、差込みのみで固定されているため、組立ておよび解体が容易にできる。そのため、例えば、捕虫用ケースを組立てた状態で販売する場合、製造効率がよい。また、使用者が自身で組立てて使用することもできる。さらに、一枚の平板であるため、小さい容量で保管および輸送することができる。
【0047】
請求項3の発明の捕虫用ケースは、請求項1または請求項2の発明の捕虫用ケースの効果に加えて、筐体が紙製材料から形成されているため、プラスチックや金属等に比べ、軽量であり、また、安価に製造することができる。また、筐体は、焼却等の容易な方法で廃却でき、リサイクルすることもできる。
【0048】
請求項4の発明の捕虫器は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つの発明の捕虫用ケースの効果に加えて、人畜無害な粘着性物質の粘着力を利用した衛生的な捕虫器であるため、殺虫剤を散布することに躊躇する場所等に設置することにより、不快な思いをせず、良好に虫を捕獲できる。
【0049】
請求項5の発明の捕虫器は、請求項4の発明の捕虫器の効果に加えて、内部空間に捕獲する虫を誘引する誘引手段を有するため、虫が筐体内部に誘引され、捕虫率を向上できる。
【0050】
請求項6の発明の捕虫器は、請求項4または請求項5の発明の捕虫器の効果に加えて、光反射性素材で筐体の内面を構成することにより、虫を誘引しているため、簡易な構造で、捕虫率を向上でき、さらに、安価に製造できる。
【0051】
請求項7の発明の捕虫器は、請求項4乃至請求項6のいずれか一つの発明の捕虫器の効果に加えて、床および棚等に直に設置、壁および天井等に掛止するなど、室内の種々の場所に設置することができるため、室内の種々の場所に存在する虫を捕獲できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である捕虫器の構成を示す斜視図である。
【図2】捕虫器の筐体の構成を示す展開図である。
【図3】捕虫器の構成を示す分解斜視図である。
【図4】捕虫器の下端付近の要部拡大斜視図である。
【図5】捕虫器の上端付近の要部拡大斜視図である。
【図6】本発明の捕虫器の別例の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,101 捕虫器
2a,2b,2c,2d 側面(筐体面)
3,7,15 差込片
4,4a 侵入孔
5a,5b,5c,5d,5e,13 折込片(筐体面)
8,16,17 差込孔
10 爪部(取付け手段)
11 蓋面(筐体面)
12 底面(筐体面)
14 折返し片(筐体面)
18,19 フック孔
21 引掛部(取付け手段)
31,31a 筐体(捕虫用ケース)
51 ハエ取り紙(捕獲手段)
52 粘着部位(粘着性物質)
【発明の属する技術分野】
本発明は、捕虫用ケースおよび捕虫器に関するものであり、特に粘着性物質の粘着力を利用して虫を捕獲する捕虫用ケースおよび捕虫器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地球上の多くの動物の中には、衛生面、経済面、および農業面等で人類に種々の害を与える動物群が存在する。中でもハエ、ゴキブリおよび蚊などの衛生害虫は、一般家庭、オフィスビル、および事業場等の居住環境の中で、人間に対して衛生的および心理的な害を与えている。そのため、人間は古くからこれらの害虫に悩まされ、様々な対策を講じてきた。
【0003】
特にハエは、羽音がうるさいだけでなく、汚物に集まる習性を有すること等から人間に心理的不快感を与えるため、嫌悪されていた。さらに、腐った食べ物、生ゴミおよび動物の屍体から発生することが多く、赤痢菌、O−157およびサルモネラ菌等の病原菌を付着させた状態で室内等を飛びまわり、疾病を媒介することもあるため嫌われている。
【0004】
ところで、飲食店においては、日々、大量の生ゴミを排出し、湿度および温度の高い厨房を有するため、ハエおよびゴキブリ等の発生しやすい環境であり、また、人の出入りも多いため、その際に蚊、ブユおよび蛾等が入りやすい。飲食店にとって、衛生管理をすること、および清潔感を客に覚えさせることは店舗のイメージにとって非常に重要であるため、ハエなどの害虫が店内を飛びまわらないよう、駆除することは大きな問題であった。しかし、飲食店では、食品を取り扱う性質上、殺虫剤は極力使用しないことが望ましく、衛生害虫の駆除には殺虫剤以外の様々な方法が試されてきた。最近は、虫が光の刺激によって走性を示す走光性をもつことが広く知られており、虫が最も走光性を示す近紫外線の波長(365nm)の光源で誘引し、高圧電流で駆除したり、ファンで捕集する誘引ライトトラップが普及している。しかし、誘引ライトトラップは、高価な上に、明るい所では誘引ライトの波長に反応しないハエには効果がなかった。そのため、ハエを駆除するには従来から知られている、粘着剤を塗布した油紙や合成フィルムを天井から吊るし、飛来するハエを粘着性物質によって捕獲する、いわゆるハエ取り紙を使用することが多かった。
【0005】
以上の従来技術は、公知のものであり、出願人は、この従来技術が記載された文献を、本願出願時においては知見していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したハエ取り紙は、粘着面が露出した状態であり、捕獲されたハエが直に見えるため、使用者等の中には不快に感じる者もあった。特に、飲食店などでは、食事中にハエ等の害虫が視界に入るため、食事の雰囲気を壊し、客の気分を害することがあった。また、粘着面にハエが付着した状態で放置されるため、衛生上も問題があった。さらに、人間の衣服や手が触る可能性もあるため、使用者等にとって不快に感じることや、粘着面の粘着力が低下し、捕獲能力が衰えるという問題もあった。そのため、飲食店内では従来のハエ取り紙を使用することに躊躇し、ハエの捕獲に苦心していた。
【0007】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、虫を捕獲可能な粘着性物質を、衛生的に使用できる捕虫用ケースおよび捕虫器を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にかかる捕虫用ケースは、捕獲対象の虫が内部空間に侵入可能な侵入孔を有する筐体と、粘着性物質の粘着力を利用して前記虫を捕獲する捕獲手段を前記内部空間に着脱自在に取付け可能な取付け手段とを具備するものである。
【0009】
ここで、捕獲対象の虫とは、ハエ・蚊・ブユ・アブ・蛾・ゴキブリ・コオロギ・ムカデ・クモ・ダニ等が挙げられる。なお、本明細書において、虫とは、人類・獣類・鳥類・魚介類以外の小動物を総称する。さらに、ネズミ等の虫以外の小動物の捕獲に使用することも可能である。
【0010】
また、捕獲手段とは粘着剤が塗布されたいわゆるハエ取り紙が相当し、さらに、これを着脱自在に取付ける取付け手段とは、ゴム等を介して、筐体に配設された掛止部に引掛けたり、あるいは、ボルトとナットにより締付ける等、従来から周知の技術を利用するものが例示される。
【0011】
したがって、請求項1の発明の捕虫用ケースによれば、捕獲対象の虫を捕獲する捕獲手段を、筐体の内部空間に取付け手段を介して取付けるケースが形成される。さらに、虫は筐体の内部空間に侵入孔を経て侵入することが可能であるが、人間の手や衣類は入りにくい。
【0012】
請求項2の発明にかかる捕虫用ケースは、請求項1に記載の捕虫用ケースにおいて、前記筐体は、一枚の平板を折線に従って折込むことにより組立てられ、前記平板は、少なくとも一つの差込孔が穿設され、前記折線を介して接続された複数の筐体面と、前記筐体面の端部から延設され、前記差込孔に挿脱可能な差込片とを有し、前記差込孔に前記差込片が差込まれることにより、前記筐体の組立状態を保持するものである。
【0013】
したがって、請求項2の発明の捕虫用ケースによれば、請求項1の捕虫用ケースの作用に加え、捕虫用ケースを構成する筐体は、一枚の平板を折込んで組立て、差込片を差込孔に差込むことにより筐体の組立て状態を保持するため、接着剤、テープおよびステープル等を使用せず組立てることが可能となり、組立および解体が容易になる。
【0014】
請求項3の発明にかかる捕虫用ケースは、請求項1または請求項2に記載の捕虫用ケースにおいて、前記筐体は、紙製材料を用いて形成されているものである。
【0015】
したがって、請求項3の発明の捕虫用ケースによれば、請求項1または請求項2の捕虫用ケースの作用に加え、筐体が紙製材料から成形されているため、軽量であり、また、安価に製造することが可能となる。
【0016】
請求項4の発明にかかる捕虫器は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の捕虫用ケースを利用する捕虫器であって、粘着性物質の粘着力によって前記虫を捕獲する捕獲手段と、前記虫が内部空間に侵入可能な侵入孔を有する筐体、および前記捕獲手段を前記内部空間に着脱自在に取付ける取付け手段を備える前記捕虫用ケースとを具備するものである。
【0017】
したがって、請求項4の発明の捕虫器によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか一つの捕虫用ケースの作用に加え、虫が侵入可能な侵入孔が形成されている筐体の内部に捕獲手段が取り付けられているため、虫が侵入孔から侵入すると、粘着性物質の粘着力により捕獲される。この場合、虫が飛びまわる空間が限定されるため、捕虫用ケースがない場合に比べて捕獲率が格段に上がる。そして、前述の捕獲手段は、筐体内部に格納されているため、捕獲された虫は、使用者等から直に見えにくくなる。また、使用者等の衣服や手等が粘着性物質に直接触れることも少なくなるため、使用者等の不快感が減少するとともに、粘着性物質の粘着力の低下も防止される。さらに、廃却時も上述と同様の理由により、不快感が減少する。また、粘着性物質が筐体内部に格納されおり、粘着面が露出していないため、捕虫器を直に床および棚等の上に設置することが可能となる。
【0018】
請求項5の発明にかかる捕虫器は、請求項4に記載の捕虫器において、前記筐体の前記内部空間に、前記虫を誘引する誘引手段をさらに有するものである。
【0019】
したがって、請求項5の発明の捕虫器によれば、請求項4の捕虫器の作用に加え、内部空間に、捕獲する虫を誘引する誘引手段を有するため、虫が集まりやすい。なお、誘引手段は、揮発性誘引剤、食餌誘引剤などの化学薬品および誘引ランプ等の捕獲対象の虫の習性を利用するもの、ファン等で強制的に吸引するもの等、種々の手段が考えられる。
【0020】
請求項6の発明にかかる捕虫器によれば、請求項4または請求項5に記載の捕虫器において、前記誘引手段は、前記筐体の内壁面の少なくとも一部が光反射性素材で形成されているものである。
【0021】
したがって、請求項6の発明の捕虫器によれば、請求項4または請求項5の捕虫器の作用に加え、筐体の内面が光反射性素材によって形成されているため、外部から入光した光を反射し、捕虫器内部が明るくなる。その結果、明るいところを好む虫が集まりやすくなり、粘着力を利用した捕獲手段に捕獲されやすくなる。
【0022】
請求項7の発明にかかる捕虫器は、請求項4乃至請求項6のいずれか一つに記載の捕虫器において、前記筐体の筐体面は、前記捕虫用ケースを壁面に掛止可能なフック孔が穿設されているものである。
【0023】
したがって、請求項7の発明の捕虫器によれば、請求項4乃至請求項6のいずれか一つの捕虫器の作用に加え、筐体面にフック孔が形成されているため、フックおよび釘等の突起を利用して壁等に掛けられる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である捕虫器1について、図1乃至図5に基づき説明する。図1は本実施形態の捕虫器1の構成を示す斜視図であり、図2は捕虫器1の筐体31の構成を示す展開図であり、図3は捕虫器1の構成を示す分解斜視図であり、図4は捕虫器1の下端付近の要部拡大斜視図であり、図5は捕虫器1の上端付近の要部拡大斜視図である。
【0025】
本実施形態の捕虫器1は、一枚のシートを折込み、図1に示すような正四角柱体に組み立て可能な筐体31と、ハエ取り紙51とから主に構成される。筐体31の展開時の形状は、図2に示すように、長方形の側面2a,2b,2c,2dが連なるように接続されており、その周縁に蓋面、底面、折込片および差込片が配設されているものである(詳細については後述する)。なお、筐体31は、図5に示すようにクリーム色の艶加工が施され、製函時に内側になる厚紙S1と、外側になるダンボールS2とを貼着した二層構造のシートから構成されている。ここで、厚紙S1が本発明における光反射性素材に相当する。
【0026】
さらに、筐体31の展開時の各面および片の構成について、図2に基づいて詳しく説明する。側面2a,2b,2cにはハエ等の虫が侵入可能な径の円形の侵入孔4が所定の配列で複数形成されている。そして、側面2dの上方中央付近には、蹄型のフック孔18が直線部分を下にして形成され、側面2dの下方には、蹄型のフック孔19が互いに直線部分を向かい合わせて、所定の幅を離間して横向きに形成されている。さらに、フック孔18の下方には長円形と真円を組合せた孔20が形成され、孔20の上縁中央付近には、ハエ取り紙51を引掛けて固定する引掛部21が形成されている。また、側面2bおよび側面2dの下端の中央付近には、切込と折線によって形成され、内側に直角に折り込むことによりハエ取り紙51の皿部55を固定するための機能を有する爪部10が設けられている。
【0027】
そして、蓋面11と底面12とは、側面2cの短辺にそれぞれ対向して配設されている。また、蓋面11には折込み片13が、一方、底面12には折返し片14が、側面2cとの境界の対辺にそれぞれ設けられている。なお、折返し片14には、差込片15が配設されており、側面2cの下端中央付近には、スリット状の差込孔16が穿設されている。
【0028】
また、側面2b,2dの短辺、および側面2dの側面2cと隣接しない長辺には、折込片5a,5b,5c,5d,5eがそれぞれ配設されている。折込片5aには、製函時に、蓋面11の中央に相当する位置に円形孔6が形成され、また、側面2bとの境界の対辺に差込片7が設けられている。折込片5cには、製函時に前述の差込片7が差込まれるスリット状の差込孔8が穿設されている。
【0029】
そして、側面2aの側面2bと隣接しない長辺には、三つの差込片3が互いに所定の間隔を離間して設けられている。一方、折込片5eの側面2dとの境界付近には、前述の差込片3が差込まれるスリット状の差込孔17が三つ形成されている。
【0030】
ハエ取り紙51は、図3に示すように、リボン状の黄色い合成フィルムの両面に粘着剤が塗布された粘着部位52、粘着部位52の一端に配設された円形状の取付部54および粘着部位52の他端に配設された樹脂製の皿部55から構成されている。なお、取付部54には、取付用穴53が形成されている。ここで、ハエ取り紙51は、市販のものであり、粘着部位52が皿部55に収容された状態で出荷および販売され、使用時(取付け時)に、皿部55から引出して図3に示すような状態になるものである。ここで、ハエ取り紙51が本発明における捕獲手段に相当する。
【0031】
なお、本実施形態において、爪部10および引掛部21が本発明における取付け手段に相当し、爪部10および引掛部21を含む筐体31が本発明における捕虫用ケースに相当する。また、側面2a,2b,2c,2d、蓋面11、底面12、折込片5a,5b,5c,5d,5e,13および折返し片14が本発明における筐体面に相当する。
【0032】
次に、捕虫器1の組み立て方について、図1乃至図5に基づいて説明する。まず、図2に示した筐体31を形成するシートを、折線(図中二点鎖線)に従って折込み、図3に示すように底面12の上に折込片5b,5dを重ね、それらを挟みこむように折返し片14を折返して底面12の上に重ね、さらに差込片15を差込孔16に差込むことにより側面と底面を連結する。そして、折込片5cの上に折込片5aを重ね、差込片7を差込孔8に差込む。これにより、側面2aと蓋面11が開いた正四角柱体状になる。そして、その内部形成された空間(内部空間)に、ハエ取り紙51を入れ、図4に示すように、皿部55を筐体31の爪部10で押える。さらに、ハエ取り紙51の取付用穴53に取付けられた輪ゴム61を筐体31の円形孔6に内側から通し、側面2dに形成されている引掛部21に輪ゴム61を引掛けると、ハエ取り紙51が筐体31の内部に吊下げられた状態に取付けられる。この状態で、側面2aを折込片5eの上に重ね、差込片3を差込孔17にそれぞれ差込み、側面を連結する。最後に、蓋面11を折込片5aおよび5cの上に重ね、差込片13を側面2aの内側に差込むと、図1に示すような正四角柱体の捕虫器1が完成する。
【0033】
次に、捕虫器1の使用方法について説明する。側面2dに穿設されたフック孔18を利用して、壁に既設されたフック(図示しない)等に捕虫器1を掛ける。そして、室内を飛びまわっているハエ等の飛翔虫が、侵入孔4から捕虫器1の内部に侵入すると、粘着部位52の粘着性により、粘着部位52に付着し、捕獲される。この場合、虫が飛びまわる空間が限定されるため、捕虫用ケースがない場合に比べて捕獲率が格段に上がる。なお、捕虫器1は、フック孔19および孔20の二箇所を利用すれば横向きにも掛けることができる。また、側面2dを下にして、床や棚等の上に直に置くこともできる。そのため、室内の様々な場所に設置でき、上空を飛翔するハエおよび床すれすれを飛ぶハエ等を捕獲できる。
【0034】
上記のように、本実施形態の捕虫器1は、ハエ取り紙51が筐体31の内部空間に格納されているため、一見して捕虫器と分かり難い。また、粘着部位52に捕獲された虫は、使用者等から直接見え難く、また、衣服や手等が粘着部位に直接触れる機会も減少するため、衛生的である。従って、特に飲食店等において、不特定多数の人の目に触れる店内にも好適に設置することができるため、清潔で衛生的な環境を保つことができ、飲食店等のイメージを良好にする助けとなる。なお、ハエ取り紙51は市販されているものをそのまま利用することができる。
【0035】
また、捕虫器1を構成する筐体31は、厚紙S1およびダンボールS2を貼合せた紙製材料から形成されているため、軽量であり、また、安価に製造することができる。さらに、接着剤、テープおよびステープル等を使用せず、差込片3、7、15を差込孔17、8、16に差込んで各面を連結して正四角柱体に形成されているため、組立および解体が容易であり、また、焼却等の容易な方法で廃却でき、リサイクルすることもできる。なお、差込孔は、折込片内、側面内および折線上等、筐体面のいずれに穿設されてもよい。
【0036】
加えて、捕虫器1を構成する筐体31の内面を構成している厚紙S1は、クリーム色の艶加工が施されているため、光を反射する。一般に、虫は黄系の色を好み、また、光の刺激によって走性を示す走光性を持つことが知られている。虫は、その習性のために、内面がクリーム色で、かつ、光を反射して内部が明るくなっている筐体31に侵入しやすくなる。そのため、捕虫器1は、捕獲率が向上する。さらに、捕虫器1は、上述のような簡易な構造で、虫を誘引することができるため、安価に製造できる。
【0037】
一方、ハエ取り紙51は、輪ゴム61を介して引掛けられ、爪部10で押えられるという簡易な構造で、筐体31に取り付けられているため、容易に取外し可能である。従って、ハエ取り紙51を交換し、筐体31を再利用することもできる。また、筐体31を捕虫用ケースとして販売し、従来の市販されているハエ取り紙を取付け、捕虫器として使用することもできる。すなわち、捕虫用ケースとハエ取り紙を個別に販売することによって、使用者がそれぞれを価格や性能に応じて選択することができる。
【0038】
また、ハエ取り紙51を取付ける際に、折込片5aに形成された円形孔6から輪ゴム61を出し、その上から蓋面11を被せているため、背面となる側面2d以外の表面に輪ゴム61が露出せず、見栄えが良い。
【0039】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良および設計の変更が可能である。
【0040】
すなわち、本実施形態において、円形状の侵入孔4を有する正四角柱状の筐体31を示したが、この形状に限定されるものではなく、虫が侵入可能な大きさのものであればよく、例えば、多角形、角丸多角形および楕円形等でもよく、さらに、外形は三角柱、六角柱、四角錘および円錐等、内部に粘着材を収納できる形状であればよい。但し、侵入した虫が、侵入孔4を通って筐体31の外へ、容易に出ることができない大きさであることが望ましい。
【0041】
また、一枚の紙製材料(厚紙S1およびダンボールS2を貼着した二層構造)から構成される筐体31を示したが、材質は、木材、金属、プラスチック等でもよい。また、蓋が別体のものなどでもよく、さらに、内部に揮発性誘引剤、食餌誘引剤および誘引ランプ等の誘引手段を設けたものであってもよい。これにより、さらに、虫が誘引され、捕獲率を向上させることができる。
【0042】
一方、ハエ取り紙は、リボン状の黄色い合成フィルムの両面に粘着剤が塗布された粘着部位52、粘着部位52の上端に配設された取付部54および下端に配設された皿部55から構成されているが、粘着材はこれに限定されるものではない。すなわち、粘着部位52は、シート状でもよく、また、誘引剤、殺虫成分、安定剤などを含有させてもよい。これにより、誘引性および殺虫性を向上させ、さらに、粘着性を長持ちさせることができる。なお、一般に、虫は黄系の色を好むことが知られているため、市販のハエ取り紙は、黄色の合成フィルム等が使用されていることが多い。
【0043】
また、ハエ取り紙51は、上端に取りつけられた輪ゴム61を円形孔6に通して引掛部21に引掛け、下端の皿部55を筐体31の爪部10で押えて取付けられているが、ハエ取り紙51の取り付け方法は、これに限定されるものではない。例えば、筐体31の蓋面11および底面12の中央にそれぞれ引掛部を設け、ハエ取り紙51の両端にそれぞれ取付けられた輪ゴムを引掛けてもよい。これにより、ハエ取り紙51は、側面に接触しない状態に取付けられる。また、輪ゴムでなく、紐および針金等を用いてもよい。
【0044】
さらに、一つのハエ取り紙51が格納されるものを示したが、格納される数は一つに限定されるものではなく、例えば、図6に示すように、二つのハエ取り紙51が内部に並設され、側面に角丸四角形の侵入孔4aが複数穿設されている筐体31aを有する捕虫器101であってもよい。捕虫器101は、粘着性による捕獲面積が拡大されるため、捕獲効率が向上される。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明の捕虫用ケースは、筐体の内部空間に、虫を捕獲する粘着性物質を格納できるため、人間の手や衣類が粘着性物質に直接触れることを少なくできる。さらに、粘着性物質の粘着力によって捕獲された虫を使用者等の視界から遮ることができる。
【0046】
請求項2の発明の捕虫用ケースは、請求項1の捕虫用ケースの効果に加えて、捕虫用ケースを構成する筐体が一枚の平板から組立てられ、接着剤、テープおよびステープル等を使用せず、差込みのみで固定されているため、組立ておよび解体が容易にできる。そのため、例えば、捕虫用ケースを組立てた状態で販売する場合、製造効率がよい。また、使用者が自身で組立てて使用することもできる。さらに、一枚の平板であるため、小さい容量で保管および輸送することができる。
【0047】
請求項3の発明の捕虫用ケースは、請求項1または請求項2の発明の捕虫用ケースの効果に加えて、筐体が紙製材料から形成されているため、プラスチックや金属等に比べ、軽量であり、また、安価に製造することができる。また、筐体は、焼却等の容易な方法で廃却でき、リサイクルすることもできる。
【0048】
請求項4の発明の捕虫器は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つの発明の捕虫用ケースの効果に加えて、人畜無害な粘着性物質の粘着力を利用した衛生的な捕虫器であるため、殺虫剤を散布することに躊躇する場所等に設置することにより、不快な思いをせず、良好に虫を捕獲できる。
【0049】
請求項5の発明の捕虫器は、請求項4の発明の捕虫器の効果に加えて、内部空間に捕獲する虫を誘引する誘引手段を有するため、虫が筐体内部に誘引され、捕虫率を向上できる。
【0050】
請求項6の発明の捕虫器は、請求項4または請求項5の発明の捕虫器の効果に加えて、光反射性素材で筐体の内面を構成することにより、虫を誘引しているため、簡易な構造で、捕虫率を向上でき、さらに、安価に製造できる。
【0051】
請求項7の発明の捕虫器は、請求項4乃至請求項6のいずれか一つの発明の捕虫器の効果に加えて、床および棚等に直に設置、壁および天井等に掛止するなど、室内の種々の場所に設置することができるため、室内の種々の場所に存在する虫を捕獲できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である捕虫器の構成を示す斜視図である。
【図2】捕虫器の筐体の構成を示す展開図である。
【図3】捕虫器の構成を示す分解斜視図である。
【図4】捕虫器の下端付近の要部拡大斜視図である。
【図5】捕虫器の上端付近の要部拡大斜視図である。
【図6】本発明の捕虫器の別例の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,101 捕虫器
2a,2b,2c,2d 側面(筐体面)
3,7,15 差込片
4,4a 侵入孔
5a,5b,5c,5d,5e,13 折込片(筐体面)
8,16,17 差込孔
10 爪部(取付け手段)
11 蓋面(筐体面)
12 底面(筐体面)
14 折返し片(筐体面)
18,19 フック孔
21 引掛部(取付け手段)
31,31a 筐体(捕虫用ケース)
51 ハエ取り紙(捕獲手段)
52 粘着部位(粘着性物質)
Claims (7)
- 捕獲対象の虫が内部空間に侵入可能な侵入孔を有する筐体と、
粘着性物質の粘着力を利用して前記虫を捕獲する捕獲手段を、前記内部空間に着脱自在に取付け可能な取付け手段と
を具備することを特徴とする捕虫用ケース。 - 前記筐体は、
一枚の平板を折線に従って折込むことにより組立てられ、
前記平板は、
少なくとも一つの差込孔が穿設され、前記折線を介して接続された複数の筐体面と、
前記筐体面の端部から延設され、前記差込孔に挿脱可能な差込片とを有し、
前記差込孔に前記差込片が差込まれることにより、前記筐体の組立状態を保持することを特徴とする請求項1に記載の捕虫用ケース。 - 前記筐体は、
紙製材料を用いて形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の捕虫用ケース。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の捕虫用ケースを利用する捕虫器であって、
粘着性物質の粘着力を利用して前記虫を捕獲する捕獲手段と、
前記虫が内部空間に侵入可能な侵入孔を有する筐体、および前記捕獲手段を前記内部空間に着脱自在に取付ける取付け手段を備える前記捕虫用ケースと
を具備することを特徴とする捕虫器。 - 前記筐体の前記内部空間に、
前記虫を誘引する誘引手段をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の捕虫器。 - 前記誘引手段は、
前記筐体の内壁面の少なくとも一部が光反射性素材で形成されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の捕虫器。 - 前記筐体の前記筐体面は、
前記捕虫用ケースを壁面に掛止可能なフック孔が穿設されていることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか一つに記載の捕虫器。
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